JP2007044241A - 表示装置及びその制御方法、並びに遊技機 - Google Patents
表示装置及びその制御方法、並びに遊技機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 多様な立体視を可能にするとともに平面視から立体視への切替に際しての違和感が少ない表示装置及びその制御方法、並びに、これを組み込んだ遊技機を提供すること。
【解決手段】
切替タイミングと判断した場合、CPU71は、画像表示装置8のLCDバリア83をオンに切り替える。そして、CPU71は、表示パネル82に奥行漸増画像を表示させる。ここで、過渡期間用の奥行漸減画像とは、表示されている立体画像の奥行を徐々に減少させる画像である。次に、CPU71は、本格的な立体表示開始のタイミングと判断した場合、ビデオプロセッサ73を適宜動作させ、CGROM77から通常の立体視用画像データを順次読み出させて、表示パネル82に奥行漸増画像に代えて本格的な立体画像を表示させる。
【選択図】 図2
【解決手段】
切替タイミングと判断した場合、CPU71は、画像表示装置8のLCDバリア83をオンに切り替える。そして、CPU71は、表示パネル82に奥行漸増画像を表示させる。ここで、過渡期間用の奥行漸減画像とは、表示されている立体画像の奥行を徐々に減少させる画像である。次に、CPU71は、本格的な立体表示開始のタイミングと判断した場合、ビデオプロセッサ73を適宜動作させ、CGROM77から通常の立体視用画像データを順次読み出させて、表示パネル82に奥行漸増画像に代えて本格的な立体画像を表示させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばパチンコ機、スロットマシン、アーケードゲーム等の遊技機に好適に組み込まれる表示装置等に関し、特に、観察者が立体視可能な表示を行う表示装置及びその制御方法並びにかかる表示装置を組み込んだ遊技機に関する。
立体視用の表示装置として、カラー液晶パネルの観察者側にパララックスバリアを配置し、カラー液晶パネルの表示画面上に1ラインおきに右眼画像と左眼画像とを交互に表示するものが存在する(特許文献1)。この際、バックライトとカラー液晶パネルとの間に、カラー液晶パネルのカラ−フィルタと逆の配列の第2のカラーフィルタを配置して、カラー液晶パネルの色純度を高めている。
また、立体視用の別の表示装置として、立体の対象物を4台のカメラで撮影した画像或いはこれと等価な画像をそれぞれサブピクセルに分割するとともに、かかるサブピクセルをフラットパネルディスプレイ上に4つのカメラの配置に対応させて繰返し表示し、このフラットパネルディスプレイをステップバリア越しに観察するものが存在する(非特許文献1)。
一方、遊技機として、始動口に遊技球が入賞した場合に、パチンコ遊技盤の中央部に配されたディスプレイ上において数字等を変動表示させ、同じ数字等が揃って停止した場合を大当たりとして、対応する賞球払出を行うものがある。この種の遊技機用の表示装置として、例えば、一対の光源と、各光源に対向する一対の偏光フィルタと、フレネルレンズと、微細位相差板と、第1の偏光板と、液晶表示パネルと、第2の偏光板とを光路に沿って順次配列したものが存在する(特許文献2)。この表示装置では、微細位相差板のパターンに対応して液晶表示パネル上に右眼用画像と左眼用画像とを合成して形成し、右眼用画像及び左眼用画像のピクセル位置の差分によって画像の飛び出し量を設定する。
また、別の遊技機として、レンチキュラレンズを用いた立体表示装置を組み込んで、両眼視差法により遊技者に遊技画像を立体視させるものもある(特許文献3)。この立体表示装置では、一定の時間が経過した場合に、両眼の視差をなくすことによって立体画像から通常の平面画像に表示を切り替える。これにより、遊技者が長時間にわたって遊技画像を立体視することによる眼の障害の発生を回避している。
また、さらに別の遊技機として、透光部及び遮光部が交互に設けられたイメージスプリッタを配置した立体表示装置を組み込んで、両眼視差法により遊技者に遊技画像を立体視させるものもある(特許文献4)。この立体表示装置では、左眼用画像信号切替回路及び右眼用画像信号切替回路を設け、表示CPUからの指令に応じて平面画像と立体画像とを切り替えるようにしている。
特開平11−103475号公報
特開2005−52200号公報
特開平7−16351号公報
特開平9−164263号公報
2004、SPIE−IS&T/Vol.5291(pp265−272), "Step barrier system multi-view glass-less 3-D display"
しかし、上記立体視用の表示装置(特許文献1、非特許文献1)については、立体画像と平面画像との切替についての開示がなく、立体画像と平面画像とを切り替えた多様な表示方法についても開示がない。
また、上記立体表示用の遊技機(特許文献2〜4)では、例えば立体画像から平面画像へと表示を単純に切り替えることができるだけであり、遊技者の立体視に対する慣れを考慮していない。すなわち、立体視中に立体視の奥行きが増減しても遊技者の眼の負担や違和感は大きくないが、平面視から立体視に切り替わると、遊技者にとって眼の負担や違和感が著しいものとなる。なお、上記遊技機うち1つ目(特許文献2)では、視差を変化させることによって画像の飛び出し量を変化させているが、このような飛び出し量の変化は、立体視中における演出に過ぎず、特定図柄の飛び出し量が単調に増減するだけのものである。つまり、遊技者にとって平面視から立体視への切替が仮に違和感のないものであるとした場合、立体視が単調なものとなってしまう。逆に、多様な立体視を許容した場合、遊技者にとって平面視から立体視への切替直後における違和感が著しいものとなる場合が生じる。
そこで、本発明は、多様な立体視を可能にするとともに平面視から立体視への切替に際しての違和感が少ない表示装置及びその制御方法、並びに、これを組み込んだ遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、(a)立体視画像を表示することによって立体視を可能にする動作状態と立体視を不可能にする非動作状態との間で切換可能な表示部と、(b)表示部を非動作状態から動作状態に切り換える際に、当該非動作状態から当該動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせる制御手段とを備える。
上記表示装置では、表示部が立体視に関して動作状態と非動作状態との間で切換可能であるので、遊技の進行上演出を盛り上げるべき場面等、必要なタイミングにおいて表示部を動作状態とすることにより、立体視によって興趣を高めた表示を可能にする。また、制御手段が、非動作状態から動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせるので、立体視の開始をユーザにとって違和感がなく眼に負担の少ないものとすることができる。なお、表示部は、非動作状態において、通常平面視画像を表示することによって平面視を可能にするが、同状態において、画像を表示しない非表示状態となることも含むものとする。
本発明の別の態様によれば、制御手段が、表示部の画像表示領域に表示させる画像の奥行きを徐々に増加させる。この場合、立体視の奥行きが徐々に増加するので、ユーザは、立体視に徐々に馴染むことができ、表示の自然な切替を実現することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、非動作状態から動作状態への移行時間が、前記動作状態への移行を完了した後に前記表示部の画像表示領域に表示させるべき立体視画像の奥行きに対応して設定される。この場合、立体視の奥行きの変化速度を調節することができ、多様な立体視を許容しつつ、かつ、立体視の自然な開始を実現することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、前記表示部が、平面的な画像を表示するための画像表示領域を有する表示パネルと、当該表示パネルに対向して配置されるバリアとを有する。この場合、表示パネルに表示させる画像と、立体視用のバリアを構成する微細な多数の開口との関係によって、多様な立体像を簡易に表示させることができる。ここで、「バリア」とは、光の射出光路を制限することによって複数の像を分離し視差を与えるものを意味し、光路限定の方法は、単なる遮蔽体による遮光に限らない。
本発明のさらに別の態様によれば、バリアが、動作状態において遮光パターンの形成によって立体視を可能にし、非動作状態において遮光パターンの消去によって平面視を可能にする。この場合、非動作状態において平面画像が見やすくなり、動作状態で存在した遮光を減少させることができる。
本発明に係る遊技機は、(a)表示部の少なくとも一部において立体表示を行う上述の表示装置と、(b)ゲームの進行状況に応じて、表示装置に立体表示を行わせる演出制御手段とを備える。なお、演出制御手段は、表示装置に識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを行うことができ、変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能である。
上記遊技機では、上述の表示装置を組み込んでおり、この表示装置にゲームの進行状況に応じて立体表示を行わせるので、興趣の高い遊技が可能になる。この際、表示装置において、非動作状態から動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせるので、立体視の開始をユーザにとって違和感がなく眼に負担の少ないものとすることができる。
本発明に係る表示装置の制御方法は、表示部に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする動作状態と立体視を不可能にする非動作状態との間で切換可能な表示装置の制御方法であって、前記非動作状態から前記動作状態に切り換える際に、当該非動作状態から当該動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせる。本制御方法では、表示装置において非動作状態から動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせるので、立体視の開始をユーザにとって違和感がなく眼に負担の少ないものとすることができる。
以下、本発明の一実施形態である遊技機及びこれに組み込まれる表示装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、実施形態の遊技機の正面図である。図示の遊技機2は、パチンコ遊技機であり、前面枠3と、本体枠4と、遊技盤6とを備える。前面枠3は、外側の本体枠4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は、前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収納されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス7が取り付けられている。
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には、特別図柄表示装置である画像表示装置8が設けられている。画像表示装置8は、左眼映像と右眼映像とをずらして異なる位置に表示することにより、左右眼の視差作用によって立体視可能な画像を表示することができる。
画像表示装置8は、LCD(液晶表示器)によって形成された表示画面すなわち画像表示領域を有する。表示画面の画像を表示可能な領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄、普通図柄)や、変動表示ゲームを演出するキャラクタ等を含む画像が表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」〜「D」の英文字による14種類の図柄)が変動表示され変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には、遊技の進行状態に基づいて当該進行状態に対応する画像が表示される。
図2は、図1に示す遊技機2のうち画像表示装置8やこれに関連する制御系の構造を示すブロック図である。
遊技制御装置50は、遊技を統括的に制御する主制御装置である。この遊技制御装置50は、本発明の演出制御手段に相当し、入賞球の検出、賞球の払出、変動表示ゲーム等の遊技の進行を司る中心的部分であるが、ここでは一般的な装置構成で足り具体的構成の説明を省略する。
表示制御装置70は、遊技制御装置50からの指示に従って変動表示ゲーム等のための画像制御情報(図柄表示情報、背景画面情報、3次元表示画像等)を処理・演算することによって、画像表示装置8を適宜動作させる部分である。表示制御装置70は、図示のように、CPU71と、第1インターフェース72aと、第2インターフェース72bと、ビデオプロセッサ73と、ワークRAM74と、プログラムROM75と、表示バッファ76と、CGROM77と、発振器78とを備える。表示制御装置70は、基本的に2次元画像用の処理回路となっているが、キャラクタや抽選図柄等の2次元的画像(すなわち平面画像)或いは3次元的画像(すなわち立体画像)を背景画像上に表示させたり移動させたりする表示制御が可能になっている。
ここで、CPU71は、立体視用画像データを例えば一群の2次元表示データとして取り扱うとともに画像表示装置8の動作状態を制御するための制御手段として機能し、ビデオプロセッサ73、及び表示バッファ76は、後述するLCD駆動装置86とともに、画像表示装置8を駆動する2次元表示用の画像処理回路として機能する。また、CGROM77は、立体視用画像データを予め記憶してビデオプロセッサ73等に供給する記憶手段して機能する。なお、プログラムROM75は、表示制御装置70の動作のための不変の情報を記憶しており、ワークRAM74は、遊技制御装置50からの指令に基づく表示制御時にワークエリアとして利用される。
画像表示装置8は、変動表示ゲーム等を含む遊技進行に関連する表示を行う表示部であり、照明装置81と、表示パネル82と、LCDバリア83とを含む。照明装置81は、表示パネル82の表示領域を背後から均一に照明し、表示パネル82は、照明光を変調することで所望のカラー画像を形成することができ、LCDバリア83は、表示パネル82を微細な周期的パターンで遮蔽可能なマスクであり、表示パネル82との協働によって表示パネル82に形成された画像を4点視又は2点視の立体視画像とすることができる。ここで、照明装置81は、表示制御装置70のCPU71の制御下でバックライト駆動装置85に駆動されて、必要な照度の照明光を射出する。表示パネル82は、表示制御装置70のビデオプロセッサ73の制御下でLCD駆動装置86に駆動されて、照明光を変調したカラー透過像を形成する。LCDバリア83は、表示制御装置70のCPU71の制御下でバリア駆動装置87に駆動されてオン・オフ動作し、2次元表示(すなわち平面画像の表示)と3次元表示(すなわち立体画像の表示)との切り替えを行う。なお、LCDバリア83がオン状態となった場合、表示パネル82には、LCDバリア83越しに立体視を実現するため、立体視用の複合的画像が形成される。
以上において、画像表示装置8と表示制御装置70とは、遊技の進行に関連する動画の立体表示等を行うことができる表示装置を構成する。
以下、図1及び図2に示す遊技機2の一般的動作について説明する。この遊技機2では、打球発射装置(不図示)から遊技領域に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域を流下する。
始動口9へ遊技球の入賞があると、遊技制御装置50にて抽選が行われ、表示内容を指定するコマンドが、表示制御装置70に出力される。表示制御装置70の制御下で動作する画像表示装置8では、コマンドを受けて所定の画像を表示する。前述した抽選の結果が大当たりのときは、3つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。
以下、画像表示装置8の詳細について説明する。画像表示装置8は、前述のようにLCDバリア83の作用によって、立体視を可能にしている。LCDバリア83がオフの状態(通常表示すなわち平面表示)では、LCDバリア83に遮光パターンが形成されず当該遮光パターンに対応する遮光が行われず、全ての画素を見ることができる。一方、LCDバリア83がオン状態(立体表示)では、LCDバリア83に形成された遮光パターンによって空間分布を有する遮光が行われ、全ての画素を見ることができない。具体的には、図3のように視点EY1〜EY4の位置を移動すると、図4(a)〜4(d)に拡大して示すように、それぞれの視点に対応した画素だけを見ることができる。この効果を利用して、遊技者の左右の眼に異なった画像を見せることができ、それによって立体視を実現している。
なお、図4では、表示パネル82を構成する表示画素の配置の一例を説明している。図4(a)は、図3の第1眼EY1に、図4(b)は、図3の第2眼EY2に、図4(c)は、図3の第3眼EY3に、図4(d)は、図3の第4眼EY4に、それぞれ対応する表示画素kR、kG、kB(kは視点番号)の一配置例を示している。以上の図4(a)〜図4(d)に説明したような第1〜第4画像を一括して合成することにより、立体視用画像(複合的画像)を作成することができる(図4(e)参照)。このような立体視用画像は、画像表示装置8に表示される1フレームの画像やその一部の画像に対応する。対象とする立体視用画像が1フレームの画像に対応する場合、図2の表示制御装置70に設けた表示バッファ76に1フレーム分の立体視用画像のデータ(図4(e)に示すような一群の2次元表示データ)が一時的に保持され、ここに保持された立体視用画像データは、LCD駆動装置86を介して表示パネル82に出力される。これにより、遊技者は、表示バッファ76に保管された立体視用画像データに対応する複合的な立体視画像をオン状態のLCDバリア83越しに観察することになり、表示パネル82上に立体画像を認識することになる。
なお、図2の表示制御装置70に設けたCGROM77に、連続的に変化する多数のフレームからなる立体視用画像(複合的画像)をフレームデータごとに保管しておけば、表示パネル82上に立体的な動画を表示することもできる。一方、対象とする立体視用画像が1フレーム内の部分画像に対応する場合、CGROM77に一連の立体視用画像として連続的に変化する部分画像のデータ(図4(e)に示すような一群の2次元表示データ)を保管しておけば、部分画像に関するデータの書換によって、表示パネル82上に部分画像の立体的な動画を表示することもできる。この際、CGROM77には、フレーム単位或いは部分画像として2次元画像が保管されるだけであり、2次元画像の単純な読出、重ね合わせ合成等によって、表示バッファ76に保管すべき画像データを生成することができる。つまり、本表示制御装置70では、ポリゴン等を用いた3次元データ処理が不要であり、ビデオプロセッサ73の処理速度が比較的遅くても、十分な解像度及びフレームレートで動画表示を行うことができる。
図5は、図1や図2に示す画像表示装置8に立体表示を行わせる場合の画像ソースの構成例を説明する図である。この例では、画像表示領域IAの周辺部分を背景画像BGが占め、画像表示領域IAの中央部分に立体視用画像である前景画像FGを重ね合わせ描画している。
この場合、背景画像BGが2次元画像であるものとし、オン状態のLCDバリア83越しに観察しても平面的な画像となる画像データを準備する。このような画像データは、予め外部のコンピュータで演算した結果をCGROM77に2次元画像データとして保管しておけばよい。正確に描画するには、オフ状態のLCDバリア83越しに観察すべき非立体視の2次元画像データを例えば1/4に間引いた後、LCDバリア83を通してすべての視点から同じ画像が見えるように変換するが、実使用上は通常表示(非立体視)状態に対応した画像を用意すれば十分である。なお、背景画像BGは、静止画像に限らず動画とすることができ、この場合、CGROM77に動画を構成するフレームごとの画像データが保管される。
前景画像FGは、立体的な動画の表示を可能にするものであり、図2の表示制御装置70に設けたCGROM77に部分画像として保管される。前景画像FGは、一連の立体視用画像データF1〜Fkを一組とする複数の動画データAS1〜ASjで構成される。各立体視用画像データF1〜Fkは、それぞれ上記図4(a)〜図4(d)で説明した第1〜第4画像を一括して図4(e)のように合成したものに対応し、それぞれが単独で立体視を実現する。各動画データAS1〜ASjは、上記立体視用画像データF1〜Fkを時系列的に表示させるためのものであり、図2の表示バッファ76に取り込むタイミングを制御することにより、立体視画像を動的に表示することができる。なお、上記のように動画データAS1〜ASjを複数用意することにより、各動画データAS1〜ASjを循環的に表示するだけでなく、動画データAS1〜ASjを順次入れ替えて適当な組み合わせで表示させることもできる。このように、局所的な動画データAS1〜ASjを用い、これら動画データAS1〜ASjを繰返し利用することで、CGROM77の容量を節約することができる。
各動画データAS1〜ASjを構成する各立体視用画像データF1〜Fkは、連続的な動画表示に必要な一連の2次元画像データに相当し、予め外部の高速コンピュータで3次元画像処理を行うことにより算出したものである。具体的には、例えばポリゴンやテクスチャマッピングによって近似した対象物の画像を、図3のEY1からEY4に相当する4つの視点で観察した画像を個別にレンダリング(画像処理)する。この際、演出や効果に必要な処理が付帯的に行われる。さらにポリゴン等を変位・変形させながら上記演算を繰返すことにより、各視点ごとに時系列的に変化する画像を動画データとして算出する。このような、各視点ごとの動画データは、図4(a)〜図4(d)で説明したような割当てで図4(e)のように合成され、コマ送りの立体視用画像データF1〜Fkに変換され、CGROM77に転送される。なお、動画データAS1〜ASjは、背景画像BGから飛び出したり引っ込んだりするだけの平面的図形に対応するものとすることができる。この場合、前景用に準備した非立体視の2次元画像データを例えば1/4に間引いた後、視差バリア83の形状に対応した情報に変換して、奥行き方向の位置に基づいて隣接する視点間の視差に対応する位置ズレ量だけずらした各視点用の第1〜第4画像を作成して、図4(e)のように合成されたものを使用するようにしてもよい。
以上のような立体表示は、一種眼の錯覚を利用したものであり、遊技者が立体視に対して慣れていない場合に眼の負担や違和感が生じ易く、特に、平面視から立体視に切り替わる時に、遊技者にとって眼の負担や違和感が著しいものとなりやすい。そこで、本実施形態の表示装置では、画像表示装置8が通常表示から立体表示に切り替わる際に、奥行きの変化に制限を設けて一定以下の変化率とする。ここで、立体視の奥行きとは、立体視画像の視差やフォーカスを意味する。立体視画像の視差とは、立体視のダイナミックレンジ、すなわち奥行き感を与える深さ方向の距離(単純には最も奥にあるものと最も手前にあるものとの距離)を意味する。また、立体視画像のフォーカスとは、立体視の基準位置を与える表示パネル82からの深さ位置を便宜上意味するものとする。
図6(a)〜図(c)は、図5に対応するもので、画像表示装置8によって実現される立体表示の奥行きを概念的に説明するグラフである。各グラフにおいて、横軸は画像表示領域IAの横位置を示し、縦軸は立体視における深さ方向の距離の設定値を示す。図6(a)の場合、中央の前景画像FGにおいて立体視のフォーカスα0や視差β0が小さくなっており、図6(b)の場合、中央の前景画像FGにおいて立体視のフォーカスα0や視差β0が中程度となっており、図6(c)の場合、中央の前景画像FGにおいて立体視のフォーカスα0や視差β0が大きくなっている。ここで、図6(a)に例示するように立体視の奥行きが比較的小さい場合、平面視から立体視に切り替わる際に、遊技者にとって眼の負担や違和感が比較的小さい。このため、このような立体表示の開始時には、特に立体表示への移行速度に制限を設ける必要は必ずしもない。一方、図6(b)、6(c)に例示するように立体視の奥行きが比較的大きい場合、平面視から立体視に切り替わる際に、遊技者にとって眼の負担や違和感が比較的大きくなる。このため、このような立体表示の開始時には、特に立体表示への移行速度に制限を設けることが望ましい。
以上では、立体視の奥行きとして、フォーカスα0や視差β0を一括して説明したが、フォーカスα0が単独で大きくなったり視差β0が単独で大きくなったりする場合も、立体視の奥行きが増加するので、平面視から立体視に切り替わる際に眼の負担や違和感が比較的大きくなる。よって、この場合も、上記図6(b)、6(c)の場合と同様に、立体表示への移行速度に制限を設けることが望ましい。
図7は、平面表示から立体表示への移行例を説明する図である。図示のグラフにおいて、横軸は時間の経過を示し、縦軸は立体視における奥行きを示す。この場合、平面表示2Dから立体表示3Dへの移行に際して、立体表示3Dの開始当初に数秒の過渡期間TRを設けている。そして、本格的な立体表示3Dが開始するまでの過渡期間TR中、立体視の奥行きすなわちフォーカスαや視差βの変化を一定以下に抑える。具体的には、立体表示3Dの開始当初すなわち過渡期間TRの開始当初におけるフォーカスαや視差βを0とし、本格的な立体表示3Dの開始時すなわち過渡期間TRの終了後におけるフォーカスαや視差βを目標値α0,β0とする。そして、過渡期間TR中、フォーカスαや視差βを例えば直線的に増加させる。これにより、立体視の奥行きを目標値α0,β0まで増加させつつも、奥行きの変化率を一定以下すなわち眼の負担や違和感を比較的小さなものとしている。つまり、過渡期間TRにおいて確保する移行時間は、立体視の奥行の目標値α0,β0に応じて設定され、立体視の奥行き、すなわちフォーカスαや視差βの変化率が過剰にならいないようにしている。
以上において、本格的な立体表示開始後の奥行き、すなわちフォーカスαや視差βは、必ずしも一定のものではなく、表示する画像の内容に応じて変動し得るものであり、特に対象が動画である場合には表示の変化に応じて奥行きが大きく変化する。また、過渡期間TR中における画像も、静止画に限らず動画とすることができるので、図7のようにフォーカスαや視差βを一様に変化させることは却って困難である。つまり、図7に例示する過渡期間TR中の奥行きの変化は、直線でほぼ近似されるように変化するものであれば足り、厳密に直線的に変化するものである必要はない。また、過渡期間TR中の奥行き、すなわちフォーカスαや視差βは、当初短時間ゼロに維持したままとし、その後直線的に漸増させるといった処理が可能である(図8参照)。さらに、上記のような直線的な変化に限らず、2次曲線や3次曲線等で表現される変化(図9(a)、(b)参照)、指数等で表現される変化(図10(a)参照)、多段の段階的変化(図10(b)参照)等を含む各種関数によって、フォーカスαや視差βを徐々に増加させるといった処理が可能である。
さらに、過渡期間TR終了後から本格的な立体表示開始にかけて、フォーカスαや視差βは連続的に変化する必要はない。したがって、過渡期間TR終了後のフォーカスαや視差βは、目標値α0,β0と完全に一致する必要はなく、目標値α0,β0に近いものであればよい。一方、過渡期間TR開始後のフォーカスαや視差βも、上述のように初期値0である必要はなく、初期値0に近いものであれば、任意に設定することができる。
また、以上では、フォーカスαや視差βを同時に増加させるとしたが、まずフォーカスαを目標値まで漸増させた後に、視差βを目標値まで漸増させるといった処理も可能であり、逆に、まず視差βを目標値まで漸増させた後に、フォーカスαを目標値まで漸増させるといった処理も可能である。さらなる変形として、まずフォーカスαを目標値まで階段状に一度に増加させた後に、視差βを目標値まで漸増させるといった処理や、まず視差βを目標値まで階段状に一度に増加させた後に、フォーカスαを目標値まで漸増させるといった処理も可能である。
図11は、平面画像から立体画像への切り替わりにおける輝度の制御を説明するフローチャートである。図示のフローチャートでは、図7等で説明した過渡期間中に、予め用意してある立体視画像を利用する。このような立体視画像は、例えば図7に例示したように奥行きが0から目標値α0,β0に漸増するものとする。
当初、表示制御装置70のCPU71は、平面画像から立体画像への切替タイミングになったか否かを判断する(ステップS11)。切替タイミングと判断した場合、CPU71は、画像表示装置8のLCDバリア83をオンに切り替える(ステップS12)。そして、CPU71は、ビデオプロセッサ73を適宜動作させ、CGROM77から立体視用画像データであって過渡期間用の奥行漸増画像を順次読み出させて、表示パネル82に奥行漸増画像を表示させる(ステップS13)。ここで、過渡期間用の奥行漸減画像とは、表示されている立体画像の奥行を目標値α0,β0に向けて徐々に増加させる画像であり、図7の過渡期間TRにおけるフォーカスαや視差βの変化に例示される奥行変化を実現する画像である。次に、CPU71は、規定時間が経過して本格的な立体表示開始のタイミングになったか否かを判断する(ステップS14)。ステップS14の規定時間とは、図7に過渡期間TRとして示した移行時間に相当するものであり、平面視から立体視に切り替わる際に眼の負担や違和感が比較的大きくなるのを回避する観点で設定される。本格的な立体表示開始のタイミングと判断した場合、CPU71は、ビデオプロセッサ73を適宜動作させ、CGROM77から通常の立体視用画像データを順次読み出させて、表示パネル82に奥行漸増画像に代えて本格的な立体画像を表示させる(ステップS15)。以上において、ステップS13の奥行漸増画像やステップS15の本格的な立体画像は、図5の動画データAS1〜ASjのいずれかに相当するものである。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、本格的な立体表示3Dに切り替えるまでの過渡期間TR中に予め用意してある立体視画像を画像表示装置8に表示させているが、ビデオプロセッサ73自身によって奥行漸増画像を準備することもできる。つまり、平面表示2Dの終了後、本格的な立体表示3Dの奥行を当初ゼロに近い値としておき、奥行を目標値まで徐々に増加させる演算処理をビデオプロセッサ73にリアルタイムで行わせることもできる。この場合、奥行き感は、図3における各視点の位置の変位を、当初は0または0に近い値に設定して画像処理を行い、移行期間TRの間に徐々に目標値まで増加させても良い。
また、上記実施形態では、平面表示2Dから立体表示3Dへの切替についてのみ説明しているが、立体表示3Dから平面表示2Dへの切替に際しても奥行を漸減させる処理が可能である。
また、上記実施形態では、画像表示装置8に液晶表示器からなる表示パネル82を組み込んでいるが、液晶表示器に代えて背面投写型のプロジェクタ、CRT等を用いることができる。
また、上記実施形態では、LCDバリア83や表示パネル82を4点視用のものとしているが、LCDバリア83の設計変更等によって2点視の立体表示も可能である。
また、上記実施形態では、画像表示装置8が遊技機2に組み込まれているが、上記のような画像表示装置8や表示制御装置70は、他の装置(例えばカーナビシステムや、テレビゲーム等を含む各種家電製品等)に組み込むことができる。
2…遊技機、 3…前面枠、 6…遊技盤、 8…画像表示装置、 9…始動口、 50…遊技制御装置、 70…表示制御装置、 71…CPU、 73…ビデオプロセッサ、 76…表示バッファ、 77…CGROM、 81…照明装置、 82…表示パネル、 83…LCDバリア、 85…バックライト駆動装置、 86…LCD駆動装置、 87…バリア駆動装置、 EY1〜EY4…第1〜第4眼、 F1〜Fk…立体視用画像データ、 BG…背景画像、 FG…前景画像、 IA…画像表示領域
Claims (7)
- 立体視画像を表示することによって立体視を可能にする動作状態と立体視を不可能にする非動作状態との間で切換可能な表示部と、
前記表示部を前記非動作状態から前記動作状態に切り換える際に、当該非動作状態から当該動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせる制御手段と
を備える表示装置。 - 前記制御手段は、前記表示部の画像表示領域に表示させる画像の奥行きを徐々に増加させることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記非動作状態から前記動作状態への移行時間は、前記動作状態への移行を完了した後に前記表示部の画像表示領域に表示させるべき立体視画像の奥行きに対応して設定されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部は、平面的な画像を表示するための画像表示領域を有する表示パネルと、当該表示パネルに対向して配置されるバリアとを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記バリアは、前記動作状態において遮光パターンの形成によって立体視を可能にし、前記非動作状態において遮光パターンの消去によって平面視を可能にすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部の少なくとも一部において立体表示を行う請求項1から請求項5のいずれか一項記載の表示装置と、
ゲームの進行状況に応じて、前記表示装置に前記立体表示を行わせる演出制御手段と
を備える遊技機。 - 表示部に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする動作状態と立体視を不可能にする非動作状態との間で切換可能な表示装置の制御方法であって、
前記非動作状態から前記動作状態に切り換える際に、当該非動作状態から当該動作状態への移行を段階的又は連続的に行わせることを特徴とする表示装置の制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005231696A JP2007044241A (ja) | 2005-08-10 | 2005-08-10 | 表示装置及びその制御方法、並びに遊技機 |
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JP2010269064A (ja) * | 2009-05-25 | 2010-12-02 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP2013244144A (ja) * | 2012-05-25 | 2013-12-09 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
-
2005
- 2005-08-10 JP JP2005231696A patent/JP2007044241A/ja not_active Withdrawn
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