JP2007044242A - 表示装置及びその制御方法、並びに遊技機 - Google Patents
表示装置及びその制御方法、並びに遊技機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 表示装置を組み込む位置に応じて表示条件の設定が可能な立体表示表示装置及びその制御方法、並びに、これを組み込んだ遊技機を提供すること。
【解決手段】
画像表示装置8の表示パネル82の位置Aより前方の、例えばカバーガラス7の位置Bに、立体表示のフォーカス位置が設定され、位置Bの近傍に表示空間CD1が形成される。これにより、表示パネル82が奥まった位置にあっても、画像表示装置8によって形成される立体画像は、遊技者に近い位置に認識される。つまり、遊技者に近い手前側に立体表示を行うことができるので、遊技者にとって立体表示が見やすいものとなる。
【選択図】 図2
【解決手段】
画像表示装置8の表示パネル82の位置Aより前方の、例えばカバーガラス7の位置Bに、立体表示のフォーカス位置が設定され、位置Bの近傍に表示空間CD1が形成される。これにより、表示パネル82が奥まった位置にあっても、画像表示装置8によって形成される立体画像は、遊技者に近い位置に認識される。つまり、遊技者に近い手前側に立体表示を行うことができるので、遊技者にとって立体表示が見やすいものとなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばパチンコ機、スロットマシン、アーケードゲーム等の遊技機に好適に組み込まれる表示装置等に関し、特に、観察者が立体視可能な表示を行う表示装置及びその制御方法並びにかかる表示装置を組み込んだ遊技機に関する。
立体視用の表示装置として、カラー液晶パネルの観察者側にパララックスバリアを配置し、カラー液晶パネルの表示画面上に1ラインおきに右眼画像と左眼画像とを交互に表示するものが存在する(特許文献1)。この際、バックライトとカラー液晶パネルとの間に、カラー液晶パネルのカラ−フィルタと逆の配列の第2のカラーフィルタを配置して、カラー液晶パネルの色純度を高めている。
また、立体視用の別の表示装置として、立体の対象物を4台のカメラで撮影した画像或いはこれと等価な画像をそれぞれサブピクセルに分割するとともに、かかるサブピクセルをフラットパネルディスプレイ上に4つのカメラの配置に対応させて繰返し表示し、このフラットパネルディスプレイをステップバリア越しに観察するものが存在する(非特許文献1)。
一方、遊技機として、始動口に遊技球が入賞した場合に、パチンコ遊技盤の中央部に配されたディスプレイ上において数字等を変動表示させ、同じ数字等が揃って停止した場合を大当たりとして、対応する賞球払出を行うものがある。この種の遊技機用の表示装置として、例えば、一対の光源と、各光源に対向する一対の偏光フィルタと、フレネルレンズと、微細位相差板と、第1の偏光板と、液晶表示パネルと、第2の偏光板とを光路に沿って順次配列したものが存在する(特許文献2)。この表示装置では、微細位相差板のパターンに対応して液晶表示パネル上に右眼用画像と左眼用画像とを合成して形成し、右眼用画像及び左眼用画像のピクセル位置の差分によって画像の飛び出し量を設定する。
また、別の遊技機として、レンチキュラレンズを用いた立体表示装置を組み込んで、両眼視差法により遊技者に遊技画像を立体視させるものもある(特許文献3)。この立体表示装置では、一定の時間が経過した場合に、両眼の視差をなくすことによって立体画像から通常の平面画像に表示を切り替える。これにより、遊技者が長時間にわたって遊技画像を立体視することによる眼の障害の発生を回避している。
また、さらに別の遊技機として、透光部及び遮光部が交互に設けられたイメージスプリッタを配置した立体表示装置を組み込んで、両眼視差法により遊技者に遊技画像を立体視させるものもある(特許文献4)。この立体表示装置では、左眼用画像信号切替回路及び右眼用画像信号切替回路を設け、表示CPUからの指令に応じて平面画像と立体画像とを切り替えるようにしている。
特開平11−103475号公報
特開2005−52200号公報
特開平7−16351号公報
特開平9−164263号公報
2004、SPIE−IS&T/Vol.5291(pp265−272), "Step barrier system multi-view glass-less 3-D display"
しかし、上記立体視用の表示装置(特許文献1、非特許文献1)については、立体画像を表示できるというだけであり、表示装置を設置する場所を考慮した立体表示についての開示がなく、遊技の進行に関連する立体表示についての開示もない。
また、上記立体表示用の遊技機(特許文献2〜4)では、例えば立体画像から平面画像へと表示を単純に切り替えることができるだけであり、表示装置を組み込む位置を考慮した立体表示についての開示がない。つまり、これらの遊技機では、立体視のフォーカス位置が通常表示の深さ位置に設定されているだけであり、遊技者は通常奥まった位置に形成された立体表示を観察するだけである。
そこで、本発明は、表示装置を組み込む位置に応じて表示条件の設定が可能な立体表示装置及びその制御方法、並びに、これを組み込んだ遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、(a)例えば平面的な画像表示領域に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする表示部と、(b)表示部による立体表示に際して設定されるフォーカス位置を、画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節する制御手段とを備える。
上記表示装置では、表示部が画像表示領域に立体視画像を表示するので、遊技の進行上演出を盛り上げるべき場面等、必要なタイミングにおいて、立体視によって興趣を高めた表示が可能になる。また、本表示装置では、制御手段がフォーカス位置を画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節するので、表示装置が組み込まれた位置に拘わらず任意の奥行きに設定された立体視画像を表示することができ、ユーザにとって見やすい立体視を実現することができる。
本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記表示装置において、フォーカス位置が表示部による立体表示の標準的な深さである。この場合、立体表示の標準的な深さを画像表示領域に対して所望の奥行き位置に設定でき、立体視の表示状態を的確に設定することができる。
本発明の別の態様によれば、所定位置が表示部の正面又は周辺において前方に配置される物体の前面位置に設定されている。この場合、表示部が奥まった位置に設置されていても、ユーザに近い手前側に立体表示を行うことができるので、ユーザにとって立体表示が見やすいものとなる。
本発明のさらに別の態様によれば、表示部が、遊技機の遊技盤に埋め込まれるべきものであり、所定位置が、当該遊技盤の前方に配置されるカバーガラスの面位置と、当該遊技盤の面位置と、画像表示領域の面位置と、画像表示領域の後方の位置とのいずれかに設定可能である。この場合、遊技機の遊技盤に埋め込まれる表示部に対して自在な深さでフォーカス位置を設定・調整することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、表示部によって行われる立体表示が視差がない平面的図形である。この場合、フォーカス位置及びその近傍に平面的図形を表示することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、表示部によって行われる立体表示が視差がある立体的図形である。この場合、フォーカス位置及びその前後に立体的図形を表示することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、制御手段がフォーカス位置に対応する所定位置を外部からの信号に応じて変更する。この場合、外部からの制御によって立体表示の深さを所望の奥行き位置に設定でき、ユーザに適する立体表示を実現することができる。
本発明に係る遊技機は、(a)表示部において立体表示を行う上述の表示装置と、(b)ゲームの進行状況に応じて、表示装置に立体表示を行わせる演出制御手段とを備える。
上記遊技機では、上述の表示装置を組み込んでおり、この表示装置にゲームの進行状況に応じて立体表示を行わせるので、興趣の高い遊技が可能になる。この際、表示装置に設けた制御手段が立体表示のフォーカス位置を画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節するので、表示装置が組み込まれた位置に拘わらず任意の奥行きに設定された立体視画像を表示することができ、ユーザにとって見やすい立体視を実現することができる。
本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記遊技機において、演出制御手段が、ゲームの進行状況に応じて表示部による立体表示のフォーカス位置を変更する。この場合、遊技の演出をより効果的なものとすることができる。
本発明に係る表示装置の制御方法は、表示部に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする表示装置の制御方法であって、表示部による立体表示に際して設定されるフォーカス位置を、画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節することを特徴とする。本制御方法によっても、表示装置が組み込まれた位置に拘わらず任意の奥行きに設定された立体視画像を表示装置に表示させることができ、ユーザにとって見やすい立体視を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態である遊技機及びこれに組み込まれる表示装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、実施形態の遊技機の正面図である。図示の遊技機2は、パチンコ遊技機であり、前面枠3と、本体枠4と、遊技盤6とを備える。前面枠3は、外側の本体枠4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は、前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収納されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス7が取り付けられている。
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には、特別図柄表示装置である画像表示装置8が設けられている。画像表示装置8は、左眼映像と右眼映像とをずらして異なる位置に表示することにより、左右眼の視差作用によって立体視可能な画像を表示することができる。
画像表示装置8は、LCD(液晶表示器)によって形成された表示画面すなわち画像表示領域IAを有する。画像表示領域IA内には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄、普通図柄)や、変動表示ゲームを演出するキャラクタ等を含む画像が表示される。すなわち、画像表示領域IA中の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」〜「D」の英文字による14種類の図柄)が変動表示され変動表示ゲームが行われる。その他、画像表示領域IAには、遊技の進行状態に基づいて当該進行状態に対応する画像が表示される。
図2は、図1に示す遊技機2のうち画像表示装置8やこれに関連する制御系の構造を示すブロック図である。
遊技制御装置50は、遊技を統括的に制御する主制御装置である。この遊技制御装置50は、本発明の演出制御手段に相当し、入賞球の検出、賞球の払出、変動表示ゲーム等の遊技の進行を司る中心的部分であるが、一般的な装置構成で足り具体的構成の説明を省略する。
表示制御装置70は、遊技制御装置50からの指示に従って変動表示ゲーム等のための画像制御情報(図柄表示情報、背景画面情報、3次元表示画像等)を処理・演算することによって、画像表示装置8を適宜動作させる部分である。表示制御装置70は、図示にように、CPU71と、第1インターフェース72aと、第2インターフェース72bと、ビデオプロセッサ73と、ワークRAM74と、プログラムROM75と、表示バッファ76と、CGROM77と、発振器78とを備える。表示制御装置70は、基本的に2次元画像用の処理回路となっているが、キャラクタや抽選図柄等の2次元的画像(すなわち平面画像)或いは3次元的画像(すなわち立体画像)を背景画像上に表示させたり移動させたりする表示制御が可能になっている。
ここで、CPU71は、立体視用画像データを例えば一群の2次元表示データとして取り扱うとともに画像表示装置8の動作状態を制御するための制御手段として機能し、ビデオプロセッサ73、及び表示バッファ76は、後述するLCD駆動装置86とともに、画像表示装置8を駆動する2次元表示用の画像処理回路として機能する。また、CGROM77は、立体視用画像データを予め記憶してビデオプロセッサ73等に供給する記憶手段して機能する。なお、プログラムROM75は、表示制御装置70の動作のための不変の情報を記憶しており、ワークRAM74は、遊技制御装置50からの指令に基づく表示制御時にワークエリアとして利用される。
画像表示装置8は、表示制御装置70の制御下で動作する表示部であり、変動表示ゲーム等を含む遊技進行に関連する表示を行う。画像表示装置8は、照明装置81と、表示パネル82と、LCDバリア83とを含む。ここで、照明装置81は、表示パネル82の表示領域を背後から均一に照明し、表示パネル82は、照明光を変調することで所望のカラー画像を形成することができ、LCDバリア83は、表示パネル82を微細な周期的パターンで遮蔽可能なマスクであり、表示パネル82との協働によって表示パネル82に形成された画像を4点視又は2点視の立体視画像とすることができる。このうち、照明装置81は、表示制御装置70に設けたCPU71の制御下でバックライト駆動装置85に駆動されて、必要な照度の照明光を射出する。表示パネル82は、表示制御装置70のビデオプロセッサ73の制御下でLCD駆動装置86に駆動されて、照明光を変調したカラー透過像を形成する。LCDバリア83は、表示制御装置70のCPU71の制御下でバリア駆動装置87に駆動されてオン・オフ動作し、2次元表示(すなわち平面画像の表示)と3次元表示(すなわち立体画像の表示)との切り替えを行う。なお、LCDバリア83がオン状態となった場合、表示パネル82には、LCDバリア83越しに立体視を実現するため、立体視用の複合的画像が形成される。
以上において、画像表示装置8と表示制御装置70とは、遊技の進行に関連する動画の立体表示等を行うことができる表示装置を構成する。
以下、図1及び図2に示す遊技機2の一般的動作について説明する。この遊技機2では、打球発射装置(不図示)から遊技領域に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域を流下する。
始動口9へ遊技球の入賞があると、遊技制御装置50にて抽選が行われ、表示内容を指定するコマンドが、表示制御装置70に出力される。表示制御装置70の制御下で動作する画像表示装置8では、コマンドを受けて所定の画像を表示する。前述した抽選の結果が大当たりのときは、画像表示領域IAにおいて、3つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。
以下、画像表示装置8の詳細について説明する。画像表示装置8は、前述のようにLCDバリア83の作用によって、立体視を可能にしている。LCDバリア83がオフの状態(通常表示すなわち平面表示)では、LCDバリア83に遮光パターンが形成されず当該遮光パターンに対応する遮光が行われず、平面的に配列された全ての画素を見ることができる。一方、LCDバリア83がオン状態(立体表示)では、LCDバリア83に形成された遮光パターンによって空間分布を有する遮光が行われ、全ての画素を見ることができない。具体的には、図3のように視点EY1〜EY4の位置を移動すると、例えば図4(a)〜4(d)に拡大して示すように、それぞれの視点EY1〜EY4に対応した画素だけを見ることができる。この効果を利用して、遊技者の左右の眼に異なった画像を見せることができ、それによって立体視を実現している。
なお、図4では、表示パネル82を構成する表示画素の配置の一例を説明している。図4(a)は、図3の第1眼EY1に、図4(b)は、図3の第2眼EY2に、図4(c)は、図3の第3眼EY3に、図4(d)は、図3の第4眼EY4に、それぞれ対応する表示画素kR、kG、kB(kは視点番号)の一配置例を示している。以上の図4(a)〜図4(d)に説明したような第1〜第4画像を一括して合成することにより、立体視用画像(複合的画像)を作成することができる(図4(e)参照)。このような立体視用画像は、画像表示装置8に表示される1フレームの画像やその一部の画像に対応する。対象とする立体視用画像が1フレームの画像に対応する場合、図2の表示制御装置70に設けた表示バッファ76に1フレーム分の立体視用画像のデータ(図4(e)に示すような一群の2次元表示データ)が一時的に保持され、ここに保持された立体視用画像データは、LCD駆動装置86を介して表示パネル82に出力される。これにより、遊技者は、表示バッファ76に保管された立体視用画像データに対応する複合的な立体視画像をオン状態のLCDバリア83越しに観察することになり、表示パネル82上やその前後に立体画像を認識することになる。
なお、図2の表示制御装置70に設けたCGROM77に、連続的に変化する多数のフレームからなる立体視用画像(複合的画像)をフレームデータごとに保管しておけば、表示パネル82上に立体的な動画を表示することもできる。一方、対象とする立体視用画像が1フレーム内の部分画像に対応する場合、CGROM77に一連の立体視用画像として連続的に変化する部分画像のデータ(図4(e)に示すような一群の2次元表示データ)を保管しておけば、部分画像に関するデータの書換によって、表示パネル82上に部分画像の立体的な動画を表示することもできる。この際、CGROM77には、フレーム単位或いは部分画像として2次元画像が保管されるだけであり、2次元画像の単純な読出、重ね合わせ合成等によって、表示バッファ76に保管すべき画像データを生成することができる。つまり、本表示制御装置70では、ポリゴン等を用いた3次元データ処理が不要であり、ビデオプロセッサ73の処理速度が比較的遅くても、十分な解像度及びフレームレートで動画表示を行うことができる。
図5は、画像表示装置8による立体画像の表示例を示す。この場合、画像表示装置8の画像表示領域IAにおいて、中央部分に起伏のある3つの前景画像FG1〜FG3が表示されており、画像表示装置8の画像表示領域IAの周辺部分に平坦な背景画像BGが表示されている。
各前景画像FG1〜FG3は、遊技の変動表示ゲームすなわちリーチにおける変動表示領域になっている。つまり、識別情報として割り当てられた3桁の図柄が、各前景画像FG1〜FG3としてそれぞれ表示される。この場合、前景画像FG1〜FG3は、視差(立体視におけるダイナミックレンジ)を設けた3次元的画像すなわち立体的図形の表示を可能にするものであり、図2の表示制御装置70に設けたCGROM77に部分画像として保管される。各前景画像FG1〜FG3は、時系列的な一連の立体視用の画像データで構成され、各立体視用画像データは、それぞれ図4(e)に例示した4点視の合成画像に対応し、それぞれが単独で4点の立体視を実現する。つまり、各前景画像FG1〜FG3を構成する一連の立体視用画像データをCGROM77から表示バッファ76に取り込むタイミングを制御することにより、所望の立体画像を所望のタイミングで動的に表示することができる。このような立体視用画像データは、例えば外部の高速コンピュータで3次元画像処理を行うことにより算出したものである。具体的には、例えばポリゴンやテクスチャマッピングによって近似した対象物の画像について、図3のEY1からEY4に相当する4つの視点で観察した画像を個別にレンダリング(画像処理)する。この際、演出や効果に必要な処理が付帯的に行われる。さらにポリゴン等を変位・変形させながら上記演算を繰返すことにより、各視点ごとに時系列的に変化する画像を動画データとして算出する。
一方、背景画像BGは、通常静的或いは地味な画像となっており、キャラクタ等を含む画像とすることもできる。この背景画像BGは、視差(立体視におけるダイナミックレンジ)を設けない平坦な2次元的画像の立体表示を可能にするものである。つまり、背景画像BGは、前景画像FG1〜FG3と同様に時系列的な一連の立体視用の画像データで構成されるが、画像表示装置8の画像表示領域IAの面すなわち表示パネル82の表示面を基準として、この画像表示領域IAから一様に飛び出したり引っ込んだりするだけの平面的図形に対応するものとなっている。換言すれば、立体視に関するフォーカス位置の設定によって平面的画像の奥行きを調節することで、画像表示領域IAとは奥行き位置が異なるが、視差(立体視のダイナミックレンジ)をゼロとした平坦な画像を遊技者に対して認識させている。この場合、背景用に準備した非立体視の2次元画像データを例えば1/4に間引いた後、視差バリア83の遮蔽パターンに対応した情報に変換して、フォーカス位置である奥行き方向の深さ位置と画像表示領域IAの面位置との差に対応して隣接する視点間に与えるべき位置ズレ量(この位置ズレ量を視差と呼ぶこともあるが、本明細書ではダイナミックレンジとの混乱を避けるため、視差をこの意味で使用しない)を算出し、このような位置ズレ量だけずらした各視点用の第1〜第4画像を作成する。これらの画像は、図4(a)〜図4(d)で説明したような割当てで図4(e)のように合成され、さらに時系列的なコマ送りの立体視用画像データに変換され、CGROM77に転送・保管される。
なお、前景画像FG1〜FG3は、背景画像BGの固定的なフォーカス位置を基準として作成された起伏のある立体画像であると考えることができる。つまり、前景画像FG1〜FG3は、標準的な深さである背景画像BGのフォーカス位置を標準的位置として、3桁の図柄に対して凹凸に対応する視差を与えて表示したものとみることができる。
図6は、図5に対応するもので、画像表示装置8によって実現される立体表示の奥行きを概念的に説明するグラフである。グラフにおいて、横軸は画像表示領域IAの横位置を示し、縦軸は立体視における各点の深さ方向に関する位置を示す。実線で示す場合、前景画像FG1〜FG3では、フォーカス位置がα(>α0)に設定されており、視差がβ(>0)に設定されている。グラフにおいて、深さ位置α0は画像表示領域IAが設けられている基準面に相当するものである。つまり、これらの前景画像FG1〜FG3ついては、画像表示領域IAの面から前方に距離α−α0だけ飛び出した位置に視差βに相当する突起をもつ立体図形と認識される。一方、背景画像BGでは、フォーカス位置がα(>α0)に設定されており、視差がβ=0に設定されている。つまり、背景画像BGについては、画像表示領域IAの面から前方に距離α−α0だけ飛び出した位置に配置された平面図形と認識される。
なお、視差βについては、フォーカス位置αを基準として前方又は後方の適当な位置に設定することができる。例えば、一点鎖線で示す変形例の場合、前景画像FG1〜FG3は、画像表示領域IAから前方に飛び出した基準たるフォーカス位置αから後方に向けて視差βに相当する窪みをもつ立体図形と認識される。また、二点鎖線で示す変形例の場合、前景画像FG1〜FG3は、画像表示領域IAから前方に飛び出した基準たるフォーカス位置αを平均として視差βに相当する凹凸をもつ立体と認識される。なお、背景画像BGをフォーカス位置αに一致させた平面図形として表示させる必要はなく、背景画像BGをフォーカス位置αから一定間隔だけずれた位置に配置される平面図形等として表示させることもできる。
以上から明らかなように、実線で示す前景画像FG1〜FG3や背景画像BGは、画像表示装置8に設けた画像表示領域IAの基準面から距離α−α0だけ飛び出した位置を標準的な深さとして表示されるものであり、画像表示領域IAが奥まった位置にあっても、これらの立体画像は、遊技者に近い位置に認識される。つまり、遊技者に近い手前側に立体表示を行うことができるので、遊技者にとって立体表示が見やすいものとなる。
図7は、図1に示す遊技機2の断面の模式図であり、図6で例示した立体表示のフォーカス位置の設定を具体的に説明する図である。一般的な遊技機2の場合、画像表示装置8の画像表示領域IAすなわち表示パネル82の位置Aに立体表示に際してのフォーカス位置が設定されるが、本実施形態では、例えばカバーガラス7の位置Bに立体表示に際してのフォーカス位置が設定され、この位置Bの近傍に表示空間CD1が形成される。ここで、表示空間とは、遊技者によって立体画像が存在すると認識する空間を意味する。なお、画像表示装置8の前方に配置される物体の1つである遊技盤6表面の位置(前面位置)Cに、立体表示に際してのフォーカス位置を設定することもでき、この場合、この位置Cの近傍に表示空間CD2が形成される。また、画像表示装置8の後方の位置Dに立体表示に際してのフォーカス位置を設定することもでき、この場合、この位置Dの近傍に表示空間CD3が形成される。なお、表示パネル82の位置Aに立体表示のフォーカス位置を設定することもでき、この場合、位置Aの近傍に表示空間CD4が形成される。
画像表示装置8による立体表示に際してのフォーカス位置については、遊技者の見やすさを考慮して、例えば図7の位置B等に固定的に設定される。しかしながら、場合によっては、フォーカス位置を変更することが遊技の興趣を高める場合もある。この場合、遊技の進行状況に応じてフォーカス位置の切替を行うこととする。具体的には、表示制御装置70に設けたCGROM77に、フォーカス位置を図7の各位置A〜Dに設定した複数組の立体視用画像(複合的画像)を予め保管しておき、遊技制御装置50から表示画像とフォーカス位置とを指示するコマンド信号を表示制御装置70に出力させる。表示制御装置70では、遊技制御装置50からのコマンド信号に対応するフォーカス位置の立体視用画像をCGROM77から選択して読み出すとともに、画像表示装置8に対して目的とするフォーカス位置に設定された立体画像を表示させる。例えば、通常の遊技状態では、奥まった位置A及びその近傍を立体視の表示空間CD4としておき、変動表示ゲーム等の遊技者の注意をひく場面、或いは大当たりのラウンド等の特定場面では、手前の位置B及びその近傍を立体視の表示空間CD1とすることができる。
なお、通常の遊技状態において奥まった位置Aで視差のある立体表示を行う場合、これに代えて、この位置Aに平面的画像を形成することもできる。この場合、平面的画像は、(1)LCDバリア83をオフ状態とした平面表示(真性の平面画像)に相当するものとできるが、(2)LCDバリア83をオン状態としたままのもの、すなわち図5の背景画像BGと同様に画像表示領域IA全体において視差のない平坦な立体表示(擬似的な平面画像)に相当するものともできる。ただし、LCDバリア83をオフ状態として平面表示を行う場合、このような平面表示から立体表示に切り替える際に、一般的に遊技者にとっては平面視から立体視への急な切替になじみにくいので、表示制御装置70では、画像表示装置8に対して徐々に立体感を増加させるような処理を行うことが望ましい。具体的手法について説明すると、立体表示への切替直後、フォーカス位置を例えば位置Aから位置Bへと徐々に変化させ、同時に視差も徐々に増加させて、立体感を強調していくことができる。この際、フォーカス位置及び視差の変化の割合や順序等は、立体画像の奥行きの程度や動画の変化速度等に応じて適宜変更することができる。
以上で説明したフォーカス位置の切替は、遊技者が操作可能なボタンからの信号に基づいて行うこともできる。この場合、遊技者が希望する見やすい深さ位置にフォーカス位置を設定した立体表示を行うことができる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、画像表示装置8に液晶表示器からなる表示パネル82を組み込んでいるが、液晶表示器に代えて背面投写型のプロジェクタ、CRT等を用いることができる。また、立体視を実現する方法は、上記実施形態のようにパララックスバリアの一種を用いたものに限らず、レンチキュラレンズアレイ(例えば特開平7−16351号公報)、イメージスプリッタ(例えば特開平9−164263号公報)等の各種立体視法を用いたものとできる。
また、上記実施形態では、LCDバリア83や表示パネル82を4点視用のものとしているが、LCDバリア83の設計変更等によって2点視の立体表示も可能である。
また、上記実施形態では、画像表示装置8が遊技機2に組み込まれているが、上記のような画像表示装置8や表示制御装置70は、他の装置(例えばカーナビシステムや、テレビゲーム等を含む各種家電製品等)に組み込むことができる。この場合、表示制御装置70の制御等の調整によって、立体画像におけるフォーカス位置をユーザが見やすい位置(例えば画面の手前)に設定することができる。
2…遊技機、 3…前面枠、 6…遊技盤、 8…画像表示装置、 9…始動口、 50…遊技制御装置、 70…表示制御装置、 71…CPU、 73…ビデオプロセッサ、 76…表示バッファ、 77…CGROM、 81…照明装置、 82…表示パネル、 83…LCDバリア、 85…バックライト駆動装置、 86…LCD駆動装置、 87…バリア駆動装置、 EY1〜EY4…第1〜第4眼、 BG…背景画像、 FG…前景画像、 IA…画像表示領域
Claims (10)
- 画像表示領域に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする表示部と、
前記表示部による立体表示に際して設定されるフォーカス位置を、前記画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節する制御手段と
を備える表示装置。 - 前記フォーカス位置は、前記表示部による立体表示の標準的な深さである請求項1記載の表示装置。
- 前記所定位置は、前記表示部の正面又は周辺において前方に配置される物体の前面位置に設定されている請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部は、遊技機の遊技盤に埋め込まれるべきものであり、前記所定位置は、当該遊技盤の前方に配置されるカバーガラスの面位置と、当該遊技盤の面位置と、前記画像表示領域の面位置と、前記画像表示領域の後方の位置とのいずれかに設定可能である請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部によって行われる立体表示は、視差がない平面的図形である請求項1から請求項4のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部によって行われる立体表示は、視差がある立体的図形である請求項1から請求項4のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記制御手段は、前記フォーカス位置に対応する前記所定位置を外部からの信号に応じて変更する請求項1から請求項6のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記表示部において立体表示を行う請求項1から請求項7のいずれか一項記載の表示装置と、
ゲームの進行状況に応じて前記表示装置に前記立体表示を行わせる演出制御手段と
を備える遊技機。 - 前記演出制御手段は、ゲームの進行状況に応じて、前記表示部による立体表示のフォーカス位置を変更する請求項8記載の遊技機。
- 表示部に立体視画像を表示することによって立体視を可能にする表示装置の制御方法であって、
前記表示部による立体表示に際して設定されるフォーカス位置を、前記画像表示領域に対する奥行き方向の所定位置に調節することを特徴とする表示装置の制御方法。
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- 2005-08-10 JP JP2005231697A patent/JP2007044242A/ja not_active Withdrawn
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