JP2007043169A - 位置合わせ、および位置合わせマーク - Google Patents

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Abstract

【課題】リソグラフィ装置の基板の位置合わせで、位置合わせを達成できる基板位置の範囲(捕捉範囲)が広い位置合わせマークを有する基板の提供。
【解決手段】この位置合わせマーク30は、太さ8μm、隣との間隔8μmの3つのラインを4組、31〜34含み、第1組31と第2組32、第2組32と第3組33、および第3組33と第4組34の間の距離が、それぞれ、177μm、178μmおよび179μmと異なる。この位置合わせマーク30を付した基板43を、間にこのラインの太さおよび間隔と同じ太さおよび間隔の格子を有する検出格子板41を挟んで、検出器40の下で走査する。ラインの二つの隣接する組間の距離がそれぞれ違うのでどの組を検出したかを容易に識別でき、それで、例えば、1mm以上の非常に長い捕捉範囲を得ることができる。
【選択図】図6

Description

この発明は、位置合わせ、位置合わせマーク、およびその使用に関するものである(例えば、リソグラフィにおけるもの)。
リソグラフィ装置は、基板上(通常は、基板の目標部分)に、所望パターンを付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使うことができる。その場合、マスクまたはレチクルとも呼ぶ、パターン付与装置を使ってICの個々の層上に作るべき回路パターンを創成してもよい。このパターンを、基板(例えば、シリコンウエハ)上の目標部分(例えば、一つまたは幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。このパターンの転写は、典型的には基板上に設けた放射線感応材料(レジスト)の層上への結像による。一般に、単一基板は、順次パターン付与される互いに隣接する複数の目標部分から成るネットワークを含む。既知のリソグラフィ装置には、全パターンをこの目標部分上に一度に露光することによって各目標部分を照射する、所謂ステッパと、このパターンを放射線ビームによって与えられた方向(走査方向)に走査することによって各目標部分を照射し、一方、この方向と平行または反平行方向に同期して基板を走査する、所謂スキャナがある。パターン付与装置から基板へこのパターンを転写することは、パターンを基板上にインプリントすることによっても可能である。
位置合わせの例は、マスク上の特定の点の像を、露光すべき基板上の特定の点に位置合わせするプロセスである。位置合わせがなされる基板位置の範囲(場合により、捕捉範囲と呼ばれる)は制限されることが多い。この制限は、基板上に設けた位置合わせマークの構成と、位置合わせマークを検出するように構成された位置合わせ装置の動作との組合せから生じ得る。
この発明の第1の特徴によれば、位置合わせマークを付与された基板が提供される。この位置合わせマークは、一群のフィーチャー群を含み、各フィーチャーが隣接するフィーチャーから異なる距離だけ離間している。
この発明の第2の特徴によれば、一群のフィーチャーを含み、各フィーチャーが隣接するフィーチャーから異なる距離だけ離間している位置合わせマークを付与されたリソグラフィ基板を位置合わせする方法が提供される。この方法は、基板上の二つのフィーチャー間の距離を測定すること、この距離を記録された距離の組と比較すること、および、この比較から基板の位置を決定することを含む。
次に、本発明例を、添付の模式図を見ながら、単なる具体例として説明する。
図1は、この発明の一実施例によるリソグラフィ装置を模式的に示す。本リソグラフィ装置は、
放射線ビームB(例えば、UV放射線またはEUV放射線)を調整するように構成された照明系(照明器)ILと、
パターン付与装置(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつこのパターン付与装置をあるパラメータに従って正確に位置合わせするように構成され第1位置合わせ装置PMに結合された支持構造体(例えば、マスクテーブル)MTと、 基板(例えば、レジストを塗被したウエハ)Wを保持するように構成され、かつこの基板をあるパラメータに従って正確に位置合わせするように構成され第2位置合わせ装置PWに結合された基板テーブル(例えば、基板テーブル)WTと、
パターン付与装置MAによって放射線ビームBに与えたパターンを基板Wの目標部分C(例えば、一つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影系(例えば、屈折性投影レンズシステム)PSとを含む。
この照明系は、放射線を指向させ、整形し、または、制御するための、屈折式、反射式、磁気式、電磁式、静電式またはその他の種類の光学要素、またはその任意の組合せ等の、各種光学要素も包含できる。
この支持構造体は、パターン付与装置を支持、即ち、その重量を坦持する。それは、パターン付与装置を、その向き、リソグラフィ装置の設計、および、例えば、パターン付与装置が真空環境に保持されているかどうかのような、その他の条件に依る方法で保持する。この支持構造体は、機械、真空、静電またはその他のクランプ手法を使ってパターン付与装置を保持することができる。この支持構造体は、例えば、フレームまたはテーブルでもよく、それらは必要に応じて固定または可動でもよい。この支持構造体は、パターン付与装置が、例えば投影系に関して、所望の位置にあることを保証してもよい。本明細書で使う「レチクル」または「マスク」という用語のどれも、より一般的な用語「パターン付与装置」と同義と考えてよい。
本明細書で使う「パターン付与装置」という用語は、放射線ビームの断面に、この基板の目標部分に創るようなパターンを与えるために使うことができる手段を指すと広く解釈すべきである。この放射線ビームに与えたパターンは、例えば、もしこのパターンが位相シフトフィーチャーまたは所謂補助フィーチャーを含むならば、基板の目標部分の所望のパターンと厳密には対応しないかも知れないことに注目すべきである。一般的に、放射線ビームに与えたパターンは、集積回路のような、この目標部分に創るデバイスの特別の機能層に対応するだろう。
このパターン付与装置は、透過性でも反射性でもよい。パターン付与装置の例には、マスク、プログラム可能なミラーアレイ、およびプログラム可能LCDパネルがある。マスクは、リソグラフィでよく知られ、二値、交互位相シフト、および減衰位相シフトのようなマスク型、並びに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラム可能ミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリックス配置を使用し、入射放射線ビームを異なる方向に反射するようにその各々を個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、このミラーマトリックスによって反射した放射線ビームにパターンを与える。
本明細書で使う「投影系」という用語は、例えば使用する露光放射線に対して、または浸漬液の使用または真空の使用のような他の要因に対して適宜、屈折式、反射式、反射屈折式、磁気式、電磁式および静電式光学系、またはその任意の組合せを含む、あらゆる型式の投影系を包含するように広く解釈すべきである。本明細書で使う「投影レンズ」という用語のどれも、より一般的な用語である「投影系」と同義と考えてもよい。
この発明の一実施例で、この装置は、(例えば、透過性マスクを使用する)透過型である。その代りに、この装置は、(例えば、上に言及したような種類のプログラム可能ミラーアレイを使用する、または反射性マスクを使用する)反射型でもよい。
このリソグラフィ装置は、二つ(二段)以上の基板テーブル(および/または二つ以上のマスクテーブル)を有する型式でもよい。そのような「多段」機械では、追加のテーブルを並列に使ってもよく、または準備工程を一つ以上のテーブルで行い、一方他の一つ以上のテーブルを露光用に使ってもよい。
このリソグラフィ装置は、投影系の最終素子と基板の間のスペースを埋めるように、この基板の少なくとも一部を比較的屈折率の高い液体、例えば水によって覆う型式でもよい。浸漬液をこのリソグラフィ装置の他のスペース、例えば、マスクと投影系の間にも加えてよい。浸漬法は、投影系の開口数を増すためにこの技術でよく知られている。本明細書で使う「浸漬」という用語は、基板のような、構造体を液体の中に沈めなければならないことを意味するのではなく、それどころか露光中に投影系と基板の間に液体があることを意味する。
図1を参照して、照明器ILは、放射線源SOから放射線ビームを受ける。この線源とリソグラフィ装置は、例えば、線源がエキシマレーザであるとき、別々の存在であってもよい。そのような場合、この線源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは考えられず、放射線ビームは、一般的に線源SOから、例えば適当な指向ミラーおよび/またはビーム拡大器を含むビーム送出系BDを使って、照明器ILへ送られる。他の場合、例えば、線源が水銀灯であるとき、線源がこの装置の一部分であってもよい。この線源SOと照明器ILは、もし必要ならビーム送出系BDと共に、放射線システムと呼んでもよい。
照明器ILは、放射線ビームの角強度分布を調整するための調整器ADを含んでもよい。一般的に、この照明器の瞳面での強度分布の少なくとも外側および/または内側半径方向範囲(普通、それぞれ、外側σおよび内側σと呼ぶ)を調整できる。その上、照明器ILは、一般的に、インテグレータINおよびコンデンサCOのような、種々の他の部品を含んでもよい。この照明器は、放射線ビームがその断面に所望の均一性および強度分布を有するように調節するために使ってもよい。
放射線ビームBは、支持構造体(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターン付与装置(例えば、マスクMA)に入射し、このパターン付与装置によってパターン化される。マスクMAと交差してから、放射線ビームBは、投影系PSを通過し、それがこのビームを基板Wの目標部分C上に集束する。一実施例では、レジスト層が基板上に設けてある。一実施例では、この基板Wがウエハ、例えば半導体ウエハである。一実施例で、このウエハ材料は、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge、GaAs、InP、およびInAsから成るグループから選択してある。一実施例で、このウエハは、III/V族化合物半導体ウエハである。一実施例で、このウエハは、シリコンウエハである。一実施例で、この基板は、セラミック基板である。一実施例で、この基板は、ガラス基板である。ガラス基板は、例えば、フラットパネルディスプレイおよび液晶ディスプレイパネルの製造で有用かも知れない。一実施例で、この基板は、プラスチック基板である。一実施例で、この基板は、柔軟である。一実施例で、この基板は、透明である(人間の肉眼に対して)。一実施例で、この基板は、着色している。一実施例で、この基板は、無色である。
第2位置合わせ装置PWおよび位置センサIF(例えば、干渉計測装置、線形エンコーダまたは容量式センサ)を使って、基板テーブルWTを、例えば、異なる目標部分CをビームBの経路に配置するように、正確に動かすことができる。同様に、例えば、マスクMAをマスクライブラリから機械的に検索してから、または走査中に、第1位置合わせ装置PMおよびもう一つの位置センサ(図1にはっきりとは図示せず)を使ってマスクMAをビームBの経路に関して正確に配置することができる。一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第1位置合わせ装置PMの一部を形成する、長ストロークモジュール(粗位置合わせ)および短ストロークモジュール(微小位置合わせ)を使って実現してもよい。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2位置合わせ装置PWの一部を形成する、長ストロークモジュール(粗位置合わせ)および短ストロークモジュール(微小位置合わせ)を使って実現してもよい。ステッパの場合は(スキャナと違って)、マスクテーブルMTを短ストロークアクチュエータに結合するだけでもよく、または固定してもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスク位置合わせマークM1、M2および基板位置合わせマークP1、P2を使って位置合わせしてもよい。図示する基板位置合わせマークは、専用の目標部分を占めるが、それらは目標部分の間のスペースにあってもよい(それらは、スクライブレーン位置合わせマークとして知られる)。同様に、マスクMA上に二つ以上のダイが設けてある場合は、マスク位置合わせマークがダイ間にあってもよい。
図示する装置は、例えば、以下のモードの一つ以上で使うことができる:
1.ステップモードでは、放射線ビームに与えた全パターンを目標部分C上に一度に(即ち、単一静的露光で)投影しながら、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを本質的に固定して保持する。次に基板テーブルWTをXおよび/またはY方向に移動して異なる目標部分Cを露光できるようにする。ステップモードでは、露光領域の最大サイズが単一静的露光で結像する目標部分Cのサイズを制限する。
2.走査モードでは、放射線ビームに与えたパターンを目標部分C上に投影(即ち、単一動的露光)しながら、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期して走査する。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影系PSの(縮)倍率および像反転特性によって決る。走査モードでは、露光領域の最大サイズが単一動的露光での目標部分の(非走査方向の)幅を制限し、一方走査運動の長さが目標部分の(走査方向の)高さを決める。
3.もう一つのモードでは、プログラム可能なパターン付与装置を保持するマスクテーブルMTを本質的に固定し、放射線ビームに与えたパターンを目標部分C上に投影しながら、基板テーブルWTを動かしまたは走査する。このモードでは、一般的にパルス化した放射線源を使用し、プログラム可能なパターン付与装置を基板テーブルWTの各運動後または走査中の連続する放射線パルスの間に必要に応じて更新する。この作動モードは、上に言及した型式のプログラム可能なミラーアレイのような、プログラム可能なパターン付与装置を利用するマスクレス・リソグラフィに容易に適用できる。
上に説明した使用モードの組合せおよび/または変形または全く異なった使用モードも使ってよい。
図2は、基板テーブルWT上の基板Wを示す。基板マークWM3およびWM4が基板Wの第1側(表側)に設けてあり、WM3およびWM4の上に矢印で示すように、光をこれらのマークから反射して、位置合わせ装置(図示せず)に関連してマスク上のマークと位置合わせするために使うことができる。そのような表側位置合わせの例は、2003年12月17日に提出した米国特許出願US20050133743に更に詳しく記載してあり、その全体内容を引用によって本明細書の記載として援用する。
基板マークWM1およびWM2が基板Wの第2側(裏側)に設けてある。リソグラフィ装置で、この基板Wの裏側とは、本明細書では放射線に露出する側と反対に向いた基板の側を指す意図である。基板Wのこの裏側の基板マークWM1、WM2に光学的にアクセスできるために、光学系が基板テーブルWTに組込んである。この光学系は、1対のアーム10a、10bを含む。各アームは、二つのミラー12、14および二つのレンズ16、18から成る。各アームのミラー12、14は、それらが水平に対して成す角度の和が90°であるように傾斜している。この様にして、ミラーの一つに垂直に入射する光ビームは、他のミラーから反射されるとき垂直のままである。勿論、方向を180°変える他の方法を案出することは出来る。例えば、この光学系全体が180°の方向転換をもたらす限り、レンズと取付け台をそれらがこの方向転換の大部分を考慮してもよいような方法で設計してもよい。
使用する際、光を基板テーブルWTの上からミラー12上へ向け、レンズ16および18を通してミラー14上へ、および次にそれぞれの基板マークWM1、WM2へ向ける。光は、基板マークの部分から反射され、ミラー14、レンズ18および16並びにミラー12を介して、この光学系のアームに沿って戻る。ミラー12、14およびレンズ16、18は、基板マークWM1、WM2の像20a、20bが基板Wの表(上)面の平面に、この基板Wの表側に設けてある何れかの基板マークWM3、WM4の垂直位置に対応してできるように構成してある。レンズ16、18およびミラー12、14の順序は、この光学系に適宜異なってもよい。例えば、レンズ18がミラー14と基板Wの間にあってもよい(後の実施例参照)。
基板マークWM1、WM2の像20a、20bは、仮想基板マークとして作用し、基板Wの表(上)側に設けてある実基板マークと全く同じ方法で先在する位置合わせ装置(図示せず)による位置合わせに使うことができる。
図2に示すように、光学系のアーム10a、10bは、それらを基板Wの上の位置合わせ装置が見えるように、基板Wの脇に変位した像20a、20bを作る。光学系のアーム10a、10bの二つの好適向きを、XY平面にある基板Wの平面図である、図3および図4に示す。基板テーブルWTは、明確にするために図3および図4から省略してある。図3では、光学系のアーム10a、10bがX軸に沿って整合している。図4では、光学系のアーム10a、10bがY軸と平行である。両方の場合とも、基板マークWM1、WM2がX軸上にある。基板マークWM1、WM2は、基板Wの下側にあり、それで基板Wの上側の観点からは逆転している。しかし、この光学系のアームのミラーの配置は、基板マークWM1、WM2の像20a、20bを適正な向きに復元するように構成してもよい。それでこれらの像は、基板Wの上側にあるかのように厳密に同じに見える。この光学系は、基板マークWM1、WM2のその像20a、20bに対するサイズ比が1:1であるように、即ち拡大も縮小もないようにも構成してよい。従って、像20a、20bは、厳密にそれらが基板Wの表側上の実基板マークであるかのように使うことができる。マスク上に設けた共通位置合わせパターンまたはキーを実および仮想基板マークの両方と位置合わせするために使うことができる。
現例では、図2に示すように、基板マークが基板Wの表側と裏側の両方に対応する位置に設けてある。図3および図4では、明確にするために、基板Wの裏側の基板マークだけを示す。この構成によれば、基板WをX軸かY軸周りに回転することによって裏返すとき、基板Wの上側にあった基板マークが今度は下側にあるが、光学系のアーム10a、10bによって結像できるような位置にある。
このミラー構成のために、光学系のアーム10a、10bに平行な一方向の基板の変位が基板の下側にある基板マークWM1、WM2の対応する像20a、20bを反対方向に変位することに気付くだろう。例えば、図3で、基板Wが右に変位すれば、像20a、20bは、左へ変位するだろう。基板マークWM1、WM2の位置を決めるとき、および基板Wとマスクの相対位置を調整して位置合わせを実施するとき、位置合わせ装置を制御するソフトウェアがこれを考慮に入れてもよい。光学系の二つのアーム10a、10bが対称であれば、基板が変位しても、像20aおよび20bの間隔は、実際一定のままだろう。
この発明の代替実施例では、基板テーブルWTが、基板マークWM1、WM2の移動に関する像20a、20bの移動の方向を変えないミラー構成を備えてもよい。
少なくとも二つの基板マークを基板Wの片側に設けてもよい。たった一つのマークがマスク上の特定の点の像の、基板上の特定の点に対する相対位置合わせについての情報を与えることができる。しかし、正しい方位整合および倍率を保証するために、少なくとも二つのマークを使ってもよい。
図5は、基板テーブルWTの一部を断面で示す。この発明の一実施例によれば、基板の裏側にある基板マークを結像するための光学系10a、10bを特別な様式でこの基板テーブルWTに組込んでもよい。図5に示すように、光学系のアームのミラー12、14が個別部品として設けられてなく、基板テーブルWTと一体でもよい。適当な面を基板テーブルWTに機械加工し、次にそれにコーティングを施して反射率を向上し、この様にしてミラー12、14を作る。この光学系は、熱膨張係数が非常に低く、従って高い位置合わせ精度を維持できることを保証する、Zerodur(商標)等の、基板テーブルと同じ材料で作ってもよい。
基板マークWM1、WM2、WM3、WM4は、投影したパターンビームに関する基板Wの位置合わせを可能にするために基板W上に設けてもよい。位置合わせは、基板Wの異なる層を互いに関して適正に位置合わせするために望ましい。基板Wは、各々この基板W上に次々に作りかつ露光を受ける複数の層から形成してもよい。これらの異なる層は、作業デバイスを形成するように構成されているので、異なる露光相互間で、最適な整合がなされるべきである。
本発明の一実施例による位置合わせマークは、この位置合わせ装置の捕捉範囲が十分に大きいことを保証するために使うことができる。この捕捉範囲は、基板の正しい位置合わせを達成できる基板位置の範囲である。位置合わせマークの例を、全体を30で表示して、図6に示す。位置合わせマーク30は、4組の3ライン31〜34を含む。ラインの各組31〜34は、各ラインが太さ8μm、隣接するラインから8μm離れた、3本のラインを含む。
位置合わせマーク30のラインの各組31〜34は、隣接するラインの組から異なる大きさの間隔だけ離れている。一実施例で、ラインの第1組31(図6の左側から数えて)は、ラインの第2組32から177μmだけ離れ、このラインの第2組32は、ラインの第3組33から178μmだけ離れ、およびこのラインの第3組33は、ラインの第4組34から179μmだけ離れている。
この位置合わせマーク30を備える基板の位置を決めるために使える位置合わせ装置を図7に示す。この位置合わせ装置は、検出器40、検出格子板41およびレンズ42を含む。位置合わせマーク30を備える基板43は、この位置合わせ装置の下に位置する。図示を容易にするために、位置合わせマーク30は、基板43の裏側にあるとは示さず、その代りに基板の表側にある。しかし、この位置合わせマークは、この位置合わせマークの像をレンズ42の下に作るために使う、図2ないし図5に示す装置と共に、基板43の裏側に設けてもよいことが分るだろう。
図7は、下から見た検出格子板41も概略的に示す。検出格子板41は、縁の周りにマスキング、および各々互いから8μmの隙間46だけ離れた、マスキング材料の一連の太さ8μmのライン45を備える石英板を含む。ライン45と隙間46は、一緒に、位置合わせマーク30を構成するラインの組31〜34(図6参照)と同じ周期を有する検出格子47を形成する。ラインの組31〜34間の隙間は、検出格子47の幅より大きいのが好ましい。この例では、検出格子47の幅が168μmである。一実施例で、検出格子47の幅は、ラインのどの組31〜34も見えない、検出格子47の位置があるように十分小さい。ラインの隣接する組31〜34間の間隔が少なくとも177μmであるので、これは、この実施例で、検出格子の最大幅が176μmであるべきことを意味する。これよりかなり小さい幅、例えば、168μmが好ましい。何故なら、これが強いゼロ信号(ゼロ信号は、ラインのどの組31〜34も検出格子47に見えなければ発生する信号である)をもたらすからである。
使用する際、基板43を、図7に矢印48によって概略的に示すように、レンズ42の下を496μmに亘って走査してもよい。このレンズは、ラインの各組31〜34を検出格子41上に結像する。検出器40は、検出格子47が透過した光の量を示す単一出力を有する、大面積フォトダイオードでもよい。検出器40による出力信号は、検出格子47のライン45との整合状態と隙間46との整合状態との間で交互に現われる、ライン組31〜34によって生じる正弦波を含む。
レンズ42の下の基板43の走査は、ラインの二組31〜34を検出器40によって検出することを保証するに十分長い。496μmの走査長さは、これが事実であること、および更に、ラインの二組31〜34が検出格子47の下を完全に通過したことを保証する。この走査は、496μmより少なくてもよく、および例えば、272μm程小さくてもよい。272μmは、ラインの2組31〜34が検出格子47の下を完全に通過しないかも知れないが、これらのラインの組をこの検出器によって検出することを保証するに十分である。
ラインの各組31〜34間の分離が困難であるので、ラインの二つの隣接する組間の検出器40によって測定した間隔をラインのどの組を測定したかを決めるために使い、および従って検出器40に関する基板43の位置を決めるために使うことができる。これは、ラインの組の間の実測間隔をメモリ49に記憶したラインの組に関するデータと比較することによって行ってもよい。一旦実測したラインの組が何であるかを決めてしまうと、検出器40に関する基板43の位置は、ラインの組の一つの位置を測定することによって見付けることができる。この測定は、上に言及した走査中に行ってもよく、または別の専用走査中に行ってもよい。
ラインの組31〜34の間の隙間が検出格子47の幅より大きいとき、走査中に信号のない(即ち、信号の変調のない)期間があり、ラインの各組間の区別を可能にするだろう。
この発明のこの実施例の利点は、それを、例えば、1mm以上の非常に長い捕捉範囲を提供するために使えることである。
特別な位置合わせ装置を図7に示したが、任意の他の適当な位置合わせ装置を使ってもよいこと、および多くのそのような位置合わせ装置がこの技術で知られていることが分るだろう。更に、検出格子47のライン45の間隔と位置合わせマーク30のラインとの間に1対1の関係があることが必要ないことが分るだろう。例えば、リソグラフィ投影系が基板43と検出器40の間にあるならば、このレンズから縮小率4が生ずるだろう。この例では、検出格子のラインの間隔が8μmではなく32μmだろう。
ラインの各組31〜34が3本のラインを含むように図6に示すが、異なる数のラインを使ってもよいことが分るだろう。ライン数が多ければ、検出器40から出力する信号のSN比が増すだろう。しかし、多くのラインを使えば、位置合わせマークの全長が増し、必要な走査長さも増すだろう。図7に示す種類の検出装置を使う時、少なくとも3つのラインが好ましい。何故なら、このことが、正確な位置合わせを行なうために使用できる信号を検出器40に出させるからである。しかし、他の検出器装置を使うとき、ラインの組当りに少ない本数のラインを要するかも知れないことが分るだろう。実際、3本ラインの各組31〜34の代りに1本ラインを使ってもよい。一実施例で、このラインの数は、1〜10の範囲内、例えば、1〜5または1〜3である。
位置合わせマーク30は、4組のライン31〜34を含むが、この位置合わせマークが他の数のラインの組を含んでもよいことが分るだろう。一実施例で、このマークは、少なくとも二組のライン、例えば、少なくとも四組のラインまたは少なくとも八組のラインを含む。
図8は、この発明の代替実施例を示す。図8に示す位置合わせマーク100は、各々隣接するラインの組から異なる大きさの隙間だけ離れた、九組のライン101〜109を含む。
ラインの各組101〜109は、同じ構造を有する。ラインの第3組103(左から数えて)の小さい部分を拡大して図8に示す。これから、このラインの第3組103は、3本のラインを含み、その各々がセグメントに分割してあることが分る。第1組のセグメント103aは、8μmの隙間だけ離れた、幅8μmのラインを3本含む。第2組のセグメント103bは、8.8μmの隙間だけ離れた、幅8.8μmのラインを3本含む。第3組のセグメント103cは、第1組のセグメント103aと同じ構造を有し、第4組のセグメント103dは、第2組のセグメント103bと同じ構造を有する。この構造をこのラインの第3組103の全長に亘って繰返し、他のラインの組101、102、104〜109にも使われている。
図8は、検出格子板110も示す。この検出格子板110は、四つのウインドウを含み、その各々が異なる検出格子を備える。第1ウインドウ111は、ライン101〜109と同じ方向に伸びる検出格子を備え、この検出格子は、8μmの隙間だけ離れた、幅8μmのマスキング材料のラインを含む。第2ウインドウ112も検出格子を備えるが、この検出格子は、8.8μmの隙間だけ離れた、幅8.8μmのマスキング材料のラインを含む。この第1ウインドウ111に10本のマスキング材料のラインがあるが、一方第2ウインドウ112には9本のマスキング材料のラインしかない。これは、この第1および第2ウインドウ111、112は、同じ寸法を有するが、上述のように、ラインおよび隙間の寸法が異なるためである。ラインおよび隙間の対応する構成をこの検出格子板110の第3および第4ウインドウ113、114に備える。これらは、位置合わせマーク100の向きに垂直方向の位置合わせに使う。
図9は、位置合わせマーク100を備える基板120の位置を決めるために使える位置合わせ装置を示す。この位置合わせ装置は、四つの大面積フォトダイオードを含む検出器121を含み、そのフォトダイオードの二つ121a、121bが図9で見える。検出格子板110が検出器121の下に位置し、与えられたウインドウ111〜114を通過する光が大面積フォトダイオードに入射するように配置してある。レンズ122が検出格子板110の下に位置し、位置合わせマーク100の像をこの検出格子板上に結像するように、基板120から反射した光を集束するために使う。
基板120は、位置合わせマーク100を備え、この位置合わせ装置の下に位置する。図示を簡単にするため、位置合わせマーク100を基板120の裏側にあるようには示さず、基板の表側にあるように示す。しかし、位置合わせマーク100を基板120の裏側に設け、図2〜図5に示す装置を使ってこの位置合わせマークの像をレンズ122の下に作ってもよいことが分るだろう。
前述のように、位置合わせマーク100のラインの各組101〜109は、隣接するラインの組から異なる距離だけ離れている。この距離は、任意の与えられた時間に一つを超えるラインの組101〜109が第1または第2ウインドウ111、112の各々で見えないように選択してある。その上、この間隔は、1対の隣接するラインの組に対して、第1組のラインを第1ウインドウ111を通して見られるようにしかつ第2組のラインを第2ウインドウ112を通して見られるようにする、検出格子板110の位置があるように配置してある。更に、隣接するラインの組101〜109の間隔は、第1ウインドウ111を通してラインが何も見えないとき、第2ウインドウ112を通してラインが何も見えないように配置してある。この例で、ラインの各隣接する組101〜109を表1に示す。間隔は、標準固定量プラス追加の変動量として、より一般的に表してもよいことが分るだろう。これも表1に表す(固定量をXで示す)。このラインの組間の間隔は、何れか二つの隣接実測整合位置間の距離が16μmであるように選択してある。第1ウインドウ111内に16μm周期の格子および第2ウインドウ112内に17.6μm周期の格子を有する効果のために、隣接するラインの組間の実際の間隔は、16μmは変動せず、それより少ない量だけ変動する。
Figure 2007043169
この発明の使い方を図10に示し、それは、位置合わせマーク100に関する六つの異なる位置での検出格子110を示す。図10の(10a)を参照すると、検出格子板110は、位置合わせマーク100のラインの第1組101が第1のウインドウ111に設けた格子の隙間と整合し、かつラインの第2組102が第2ウインドウ112に設けた隙間と整合するように位置する。これは、この第1および第2ウインドウ111、112の上に位置するフォトダイオード121からピーク信号をもたらす。このピーク信号は、位置合わせソフトウェアによって検出格子板110がラインの第1および第2組101、102と正しく整合していることを示すとして解釈する。この検出格子板110の位置を検出格子板110の下端の矢印によって示し、それは数字‘3’を指す。この数字3は、この様にラインの第1組とラインの第2組の組合せに対する整合位置を示す。
ラインの第1組101が8μmだけ離れた太さ8μmのラインのセグメントおよび8.8μmだけ離れた太さ8.8μmのラインのセグメントを含むので、8μmのセグメントだけがこの検出格子板の第1ウインドウ111に設けた格子の隙間と整合するだろうことが分るだろう。第1ウインドウ111が8.8μmのラインのセグメントと整合する位置はなく、それで第1ウインドウ111を通してこれらのセグメントに関して意味ある信号を検出することはない。同様に、8.8μmだけ離れた太さ8.8μmのラインのセグメントは、検出格子板110の第2ウインドウ112を通して検出する信号を提供する。
太さ8μmのラインのセグメントが第1ウインドウ111に設けた格子の隙間と適正に整合し、および太さ8.8μmのラインのセグメントが第2ウインドウ112に設けた格子の隙間と適正に整合する、検出格子板110の位置(数字3を表示した位置)は、一つしかない。これは、整合ソフトウェアが検出格子板110に関する基板の位置を正確に決めることを可能にする(以下に説明するように)。
図10の(10b)は、ラインのどの組101〜109も第1または第2ウインドウ111、112を通して見えないように、右に動かした検出格子板110を示す。検出格子板110がこの位置にあるとき、整合信号が何も整合ソフトウェアへ出力されない。
図10の(10c)は、ラインの第2組102が第1ウインドウ111の隙間と整合し、かつラインの第3組103が第2ウインドウ112の隙間と整合する位置へ、更に右へ動かした検出格子板110を示す。この整合位置は、図10の(10c)で数字2と表示する。
整合位置3と整合位置2の間の間隔は、224μmであると測定してある。ラインの各組101〜109の間の間隔は、整合位置の間で測定する結果距離であるので、既知である。実測整合位置間の距離のフルセットを表2に示す。224μmの整合位置間の実測間隔は、整合位置3と2に対してだけ起るだろう。従って、検出格子板110に対する基板の位置は、メモリ123に記憶したデータを参照して決めることができる。表2は、実測整合位置間の距離の一般式も含む。
Figure 2007043169
この発明のこの実施例の作用を更に説明するために、図9(d)〜図9(f)は、整合位置1、0および−4にある検出格子を示す。
この発明の代替実施例では、表1および表2に示す値をそれらの符号を交換することによって(即ち、μmを加える代りに引いて、および逆もまた同様)変えてもよいことが分るだろう。
基板を正しく機能するように整合するために、この基板を検出格子板110の下で、二つの整合位置がこの検出器板の下を通過するに十分遠く走査することが分るだろう。これは、二つの整合位置間の距離が測定でき、それによってこの基板の位置を決められるようにすることを保証する。
上述のように、ラインの各組101〜109は、3本のラインを含み、各ラインは、16μm周期と17.6μm周期の間を交互するセグメントに分割してある。これらのラインをセグメントに分割することは必要ないことが分るだろう。例えば、これらのラインは、16μm周期の上部と17.6μm周期の下部を含んでもよい。これを行う場合、これらの部分を、この上部が検出格子板110の第1ウインドウ111を通して見え、および下部がこの検出格子板の第2ウインドウ112を通して見えるように配置する。他の適当なライン構成が当業者には明白だろう。セグメント化したラインを使うことは、基板120が検出格子板110の下の走査方向と適正に整合していない(即ち、回転効果により)場合に起る整合誤差を避けるので有利である。セグメント化の周期は、整合を直交方向で行うとき(普通基板の位置合わせは、二つの直交方向で行う)、このセグメント化が整合測定との干渉を生じるのを避けるために、16μm若しくは17.6μm、またはその倍数でないように選ぶ。ラインがセグメント化してあるかないかに係わらず、これらのラインは、第1ウインドウ111および第2ウインドウ112の上に位置する二つのフォトダイオード121が共にピーク出力をもたらす検出格子板110の位置があるように配置すべきである。
上に説明した実施例でのラインの組の周期、およびラインの組間の間隔は、例として挙げたに過ぎないことが分るだろう。何か他の適当な周期を何か他の適当な間隔と組合わせてもよい。例えば、図8および図9に関連して説明した実施例で、ラインの隣接する組101〜109の間隔は、第1ウインドウ111を通して何もラインが見えないとき、第2ウインドウ112を通して何もラインが見えないように配置してあると言われている。この配置は、簡単な測定法を使えるようにするが、ラインの組間の他の間隔を使ってもよい。一般的に、ラインの組101〜109は、最左である第1ウインドウ111の隙間と最右である第2ウインドウ112の隙間の間の間隔と一致する最大距離だけ離してある。これらの限界は、与えられたラインの組101〜109の少なくとも一部が検出器121に見えるとき、この与えられた組のラインの近くのものが少なくとも部分的に検出器121に見えなければならないという要件から生じる。ラインの組101〜109間の間隔は、第1ウインドウが隣接するラインの組間にあるとき、走査中にウインドウ111、112を通してゼロ信号(即ち、ラインの組の不在)が見えるに十分であるのが好ましい。これは、ゼロ信号がラインの組101〜109に関連する信号を識別できるようにするので好ましい。このゼロ信号は、第1および第2ウインドウ111、112で同時に起る必要はない。ラインの組101〜109間の間隔がゼロ信号が起るに十分であることは、本質的でない。ゼロ信号がなければ、与えられたラインの組101〜109によって生じた信号を識別しかつ分離するために複合データ解析が必要である。
更に上述のように、位置合わせマーク30、100を基板43、120の裏側に、若しくは基板の表側に設けてもよく、または表側と裏側の両方に位置合わせマークを設けてもよい。位置合わせマーク30、100を基板43、120の裏側に設けることは、位置合わせマークが、さもなければ集積回路またはその他のデバイスに使えたであろう基板の表側の土地を占めないという利点を有する。位置合わせマーク30、100を基板43、120の表側に設けるならば、それが、集積回路またはその他のデバイスに使うことを意図した土地を占めることを避けるために、集積回路(またはその他のデバイス)間のスクライブレーンにあってもよい。それは、例えば、マイクロシステム技術(MST)およびマイクロ電気機械システム(MEMS)装置を製作するために、リソグラフィ露光を基板の両側に使う場合かも知れない。これを行う場合、位置合わせマーク30、100を基板の裏側のスクライブレーンに設けてもよい。
この発明の上に説明した実施例は、検出格子板41、110を一つ以上の組のラインと整合するとき、検出した信号のピークに言及する。検出した信号は、実際ピークではなく谷を有するかも知れないこと、およびこれは、基板43、120上に設けたラインの組31〜34、101〜109の形に依ることが分るだろう。
位置合わせマーク30、100は、集積回路またはその他のデバイスを基板上に結像するために使う一連のリソグラフィ工程の1工程として基板に付けるのではなく、基板の製造中に基板43、120に付けてもよい。
追加の位置合わせマーク(図示せず)を図示する位置合わせマークの方向と直交する方向に基板43、120上に設けてもよい。使用する際、各位置合わせマークを検出格子板41、110の下で走査し、この基板を二つの直交方向に整合出来るようにする。
この発明の実施例を、検出格子板41、110および大面積フォトダイオード40、121を含む位置合わせ装置に関連して説明したが、この位置合わせマークの位置を検出するための他のシステムを使ってもよいことが分るだろう。例えば、イメージング検出器を使ってもよい。このイメージング検出器は、例えば、フォトダイオードによって発生した種類の振幅データを計算できる、出力信号を提供するように構成することができよう。イメージング検出器を使うことは、異なる組のラインから生じる出力信号への貢献をこのイメージング検出器を使って容易に識別できるので、ゼロ信号(上記参照)がない場合により容易なデータ解析を可能にするという利点があるかも知れない。
上記説明での位置合わせマーク30、100を使う基板の位置の決定を参照することは、基板上へリソグラフィによって転写した集積回路(またはその他のデバイス若しくは素子)の要素に対するこの位置の決定を指すことが分るだろう。これは、リソグラフィによって基板へ転写した各層が既存の層と適正に位置合わせすることを保証するので、有利である。
この発明の実施例を、基板43、120を位置合わせ装置の検出器41、121の下で走査することで説明したが、この検出器(および事によるとこの位置合わせ装置の他の部品)が基板の上を走査してもよいことが分るだろう。
ICの製造でリソグラフィ装置を使用することを具体的に参照するかも知れないが、本明細書で説明するリソグラフィ装置は、集積光学系、磁区メモリ用誘導検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造のような、他の用途があるかも知れないことを理解すべきである。当業者は、そのような代替用途の関係で、本明細書で使う「基板」または「ダイ」という用語のどれも、それぞれ、より一般的な用語「基板」または「目標部分」と同義と考えてもよいことが分るだろう。本明細書で言及する基板は、露光の前または後に、例えば、トラック(典型的には基板にレジストの層を付けかつ露光したレジストを現像する器具)、計測器具および/または検査器具で処理してもよい。該当すれば、この開示をそのようなおよび他の基板処理器具に適用してもよい。更に、この基板を、例えば、多層ICを創るために、一度を超えて処理してもよく、それで本明細書で使う基板という用語は既に多重処理した層を含む基板も指すかも知れない。
上でこの発明の実施例を光リソグラフィの関係で使うことを具体的に参照したかも知れないが、この発明を他の用途、例えば、印写リソグラフィで使ってもよく、従って事情が許せば、光リソグラフィに限定されないことが分るだろう。インプリント・リソグラフィでは、パターン付与装置のトポグラフィーが基板上に創るパターンを決める。このパターン付与装置のトポグラフィーを基板に供給するレジストの層に押付け、そこで電磁放射線、熱、圧力またはその組合せを加えることによってこのレジストを硬化してもよい。このレジストが硬化してから、パターン付与装置をレジストから外へ移動させ、それにパターンを残す。
本明細書で使用する「放射線」および「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射線(例えば、436、365、355、248、193、157または126nmまたはその付近の波長を有する)および超紫外(EUV)放射線(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビームまたは電子ビームのような、粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射線を包含する。
「レンズ」という用語は、事情が許せば、屈折式、反射式、磁気式、電磁式および静電式光学要素を含む、種々の型式の光学要素の何れかまたは組合せを指してもよい。
上記全体に亘って、基板の特定の側に位置する位置合わせマークを参照することは、基板のそれぞれの側にエッチングした位置合わせマークを含み、および後にこの位置合わせマークの上に材料を堆積してそれを埋めて、もう表面に必ずしも露出しないようにしたことを含む。
この発明の他の実施例、使用法および利点は、この明細書およびここに開示したこの発明の実際を検討すれば当業者に明白だろう。この明細書は、例示に過ぎないと考えるべきであり、従って、この発明の範囲は、以下の請求項によってのみ限定する意図である。
本発明の実施例によるリソグラフィ装置。 両面位置合わせ用光学系の二つの分岐を組込んだ基板テーブルを示す模式的断面図。 この両面位置合わせ光学系の位置および方向を示す基板の平面図。 この両面位置合わせ光学系の代替位置および方向を示す平面図。 一体の光学部品を有する基板テーブルの一部の断面図。 本発明の実施例による位置合わせマークの概略図。 図6に示す位置合わせマークの位置を測定するために使える位置合わせ装置の概略図。 この発明の代替実施例による位置合わせマークの模式図。 図8に示す位置合わせマークの位置を測定するために使える位置合わせ装置の模式図。 図9の位置合わせ装置の作用を模式的に示す。

Claims (21)

  1. 位置合わせマークを有する基板において、
    前記位置合わせマークが一群のフィーチャーを含み、前記群における各フィーチャーが、前記群における隣接するフィーチャーから異なる距離だけ離間している基板。
  2. このグループの中の各フィーチャーが1組の複数のラインを含む請求項1に記載された基板。
  3. ラインの各組が少なくとも3つのラインを含む請求項2に記載された基板。
  4. 前記各組のラインが周期的に離間しており、また、第1周期だけ離間した第1部分および第2周期だけ離間した第2部分を含む請求項1に記載された基板。
  5. 前記ラインがセグメント化されており、前記ラインの第1部分と、前記ラインの第2部分が交互に存在する請求項4に記載された基板。
  6. 前記セグメント化の周期が、前記第1周期または第2周期と同じでなく、または、その倍数でない請求項5に記載された基板。
  7. ラインの各組間の距離の差が、前記第1周期と第2周期の間の差の倍数を含む請求項4に記載された基板。
  8. 前記位置合わせマークが前記基板のスクライブレーンに付与されている請求項1に記載された基板。
  9. この位置合わせマークがこの基板上で互いから直交するように伸びる1対の位置合わせマークの一つである請求項1に記載された基板。
  10. 前記位置合わせマークが実質的に前記一群のフィーチャーから成る請求項1に記載された基板。
  11. 請求項1に記載された前記基板をパターン付与された放射線に露出することを含む方法。
  12. 前記位置合わせマークが、前記基板の前記パターン付与された放射線に露出される側と反対の方向を向いた側に付与されている請求項10に記載された方法。
  13. 請求項11に記載された方法で得た集積回路またはマイクロ電気機械装置。
  14. 相互に離間した一群のフィーチャーを含む位置合わせマークを付与された基板を位置合わせする方法であり、前記フィーチャーの各々が隣接するフィーチャーから異なる距離だけ離間している前記方法において、
    前記基板上の二つのフィーチャー間の距離を測定すること、
    この距離を、記録された距離の組と比較すること、および
    この比較から、前記基板の位置を決めることを含む基板を位置合わせする方法。
  15. 前記基板および整合検出器を互いに対して、少なくとも二つのフィーチャーを前記検出器によって検出するように、或る運動範囲に亘って動かすことを更に含む請求項14に記載された基板を位置合わせする方法。
  16. 前記フィーチャーの少なくとも一つの位置を決めることを更に含む請求項14に記載された基板を位置合わせする方法。
  17. 各フィーチャーが、複数のラインの組を含む請求項14に記載された基板を位置合わせする方法。
  18. 前記ラインが、互いに周期的に離間しており、また、第1周期だけ離間した第1部分および第2周期だけ離間した第2部分を含む請求項17に記載された基板を位置合わせする方法。
  19. 第1組のラインの前記第1部分が第1検出器と整合し、かつ、第2組のラインの前記第2部分が第2検出器と整合する位置を決めることを更に含む請求項18に記載された基板を位置合わせする方法。
  20. 前記基板およびこれらの整合検出器を、少なくとも一つの更に別の組のラインを少なくとも一つの前記検出器によって検出するように、或る運動範囲に亘って相対的に動かすことを更に含む請求項19に記載された基板を位置合わせする方法。
  21. 請求項14に記載された方法との関係で用いるための位置合わせ装置を設けたリソグラフィ装置。
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