JP4509131B2 - リソグラフィ装置用アライメントツール - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法に関する。特に、基板上の露光層のアライメントに関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付ける機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。この場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワーク(network)を含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパ、およびある特定の方向(「スキャン」方向)の放射ビームによってパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0003] いくつかの異なるパターンを、半導体基板上の同じ位置に連続的に結像してもよい。基板は、同じ位置で連続的な像と像の間の所望の物理的および化学的変化を受けなければならない。このために、基板は、パターンを用いて露光された後で、装置から除去されなければならず、所望のプロセス工程を経た後で、第2のパターンおよび後続のパターンを用いて基板を露光するために、再度同じ位置で基板を取り替えなければならない。その一方で、第2のパターンおよび後続のパターンの像が確実に、基板に対して正確に位置付けられようにしなければならない。このために、リソグラフィ投影装置は、基板上のアライメントマークをパターニングデバイス(例えばマスク)上のアライメントマークに対して位置合わせする際に用いられる、光学アライメントシステムを備えている。
[0004] 言い換えると、基板を露光する前に、その基板は、システムの残りの部分に対して正確に位置合わせされなければならない。アライメントマークは、下記のように、基板上に設けられ、アライメントシステムを用いて検出される。
[0005] 公知のアライメントシステムは、国際公開公報WO98/39689号で開示されており、別個のアライメントユニットによって放射されて、基板上のマーク(格子状)に入射する、アライメント放射ビームを用いている。格子は、アライメントビームを、格子の法線に対して異なる角度で延びるいくつかのサブビームに回折する。これら別個のサブビームは、アライメントユニットのレンズによって、ある平面内の異なる位置に向けられる。この平面内に、異なるサブビームをさらに分離させる手段が設けられてもよい。異なるサブビームを基準プレート(reference plate)上に結像させてマークの像を生成するために、レンズシステムも最終的に使用される。この基準プレートに基準マークを設けることができ、基準マークの後方に放射感応性ディテクタを配することができる。サブビームは、基準マークに対するアライメントマークの位置に関する情報を含むように、基準マークによって回折されてよい。ディテクタの出力信号は、基板マークの像と基準マークが一致する範囲に依存することになる。このようにして、アライメントユニットにおける基板上のマークと基準マークのアライメントの範囲を測定し、最適化することができる。ディテクタは、異なる次数の強度と位置合わせされた位置を測定するための別個のディテクタを備えてもよい。アライメントを終了するために、アライメントユニットの基準は、第2の基準マーク、例えば、アライメントユニットを備える基板テーブルに設けられた基準マークに位置合わせされなければならない。次にこの第2の基準マークは、露光用光を使ってマスク(または他のパターニングデバイス)のマークに位置合わせされてもよい。
[0006] 前記基準は、使用される回折次数の数に等しく、かつ基板アライメントマークと同じ形状を有する、いくつかの別個の基準エレメントの構造体から成る。別個のディテクタが、基板マークから入射し、かつ該当する回折基準エレメントによって送られるサブビームを電気信号に変換するための上記各エレメントと関連付けられる。偏向エレメントの構造は、第2のレンズシステムが複数のサブビームを1つの関連基準エレメント上に収束させるように、該当する回折次数のサブビームを対向する回折次数信号を用いて偏向させるために、各回折次数につき一対の偏向エレメントを含む。
[0007] 公知のアライメントシステムの偏向エレメントは、くさび状のビームデフレクタを含む。特に、マイナス次数およびプラス次数の回折サブビーム(アライメントビームの回折によって生じる)は、基準マークと比較するためのアライメント像を生成する前に組み合わせなければならない。第2のレンズシステムによって関連基準格子上に正しく重ね合わせられるように、同じ回折次数のマイナス次数およびプラス次数のサブビームが偏向されるように、2つの関連するの相互の品質に厳しい要件が設定されるべきである。これらの品質要件は、くさびの傾斜面の品質と、くさび角度に関するものである。くさびに関する厳しい要件が、例えば、同じ回折次数の+次数および−次数のサブビームを偏向させるために使われる2つのくさびのくさび面の傾斜の相互の精度について設定される必要がある。
[0008] さらに、複数のサブビームを組み合わせるために、多数の個々のくさびが必要とされる。例えば、くさび角度の正確さをより強固なものにするために、各サブビームについて3つのくさびを使用してもよい。そして、各サブビームについて、X方向とY方向の両方で一連のくさびが必要とされる。
[0009] くさびの別の不利な点は、アライメントビームで2つの波長を使う場合に、くさびの数が2倍でなければならないということである。これは、例えば、24個の別個のくさびの代わりに、48個のくさびを使用しなければならず、あるいは、6個のくさび形プレートの代わりに、12個のくさび形プレートを使用しなければならないことを意味する。
[0010] 上記を鑑み、回折アライメントビームを偏向させるためのより強固で、簡単かつ安価な方法を見出す必要性がある。
[0011] 本発明の実施形態は、0よりも高いそれぞれ異なる回折次数の回折マークによって回折された少なくとも3つのサブビームであって、それぞれ基準に対する基板マークの位置についての表示を含むサブビームを個々に検出するようになされた、リソグラフィ投影装置用アライメントシステムを提供する。
[0012] 本発明の一態様に従い、公知のアライメントシステムのくさびの代わりにブレーズ型サブ波長格子を使用するアライメントシステムが提供される。
[0013] 特に、本発明の一態様に従い、
少なくとも1つの基準マークと、
アライメント放射ビームが回折アライメントマークによって、それぞれ異なる回折次数を有するサブビームへと回折されるように、アライメント放射ビームを基板上の回折アライメントマークへと誘導するように構成されたイルミネータと、
前記サブビームの回折次数に従って前記アライメントマークから少なくとも1つの基準マークへと前記サブビームを偏向させる偏向エレメントであって、前記少なくとも1つの基準マークは、各サブビームが当該少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置の表示を含むように、前記サブビームをさらに回折するように構成されている、偏向エレメントと、
前記基準マークに対する前記アライメントマークの位置を判断するために、前記少なくとも1つの基準マークから回折した前記サブビームを検査するように構成されたディテクタであって、前記偏向エレメントは構造体のサブ波長格子を含み、隣接する構造体と構造体との間の距離は前記サブビームの波長よりも短い、ディテクタと、
を備えるアライメントシステムが提供される。
[0014] 本発明の他の態様に従い、基板上のパターンのアライメントを検査する検査方法であって、
アライメント放射ビームが、それぞれ異なる回折次数を有するサブビームへと回折されるように、アライメント放射ビームで基板上の回折アライメントマークを照らす工程と、
前記サブビームの回折次数に従って前記サブビームが少なくとも1つの基準マークへと偏向されるように、前記サブビームの波長よりも短い周期を有するサブ波長格子を含む偏光エレメント上へと前記サブビームを誘導する工程であって、前記サブビームが前記少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置の表示を含むように、前記サブビームが前記少なくとも1つの基準マークによってさらに回折される工程と、
前記アライメントマークと前記少なくとも1つの基準マークとのアライメントを判断するために、前記少なくとも1つの基準マークによって回折された前記サブビームを検査する工程と、
を備える検査方法が提供される。
[0015] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において、同じ参照符号は、対応する部分を示す。
[0020] 図1は、本発明の一実施形態にかかるリソグラフィ装置1を概略的に示す。このリソグラフィ装置は、以下の構成要素を含む。
[0021] 放射ビームB(例えば、紫外光(UV)または極端紫外光(EUV))を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)IL。
[0022] パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1ポジショナPMに連結されている、支持構造体(例えば、マスクテーブル)MT。
[0023] 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2ポジショナPWに連結されている、基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT。
[0024] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている、投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PL。
[0025] 照明システムとしては、放射を誘導し、形成し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0026] 支持構造体は、パターニングデバイスを支持しており、すなわちパターニングデバイスの重量を支えている。支持構造体は、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。支持構造体は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造体は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。支持構造体は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使われる「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0027] 本明細書において使われる「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを付けるために使うことができるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付けたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフト特徴またはいわゆるアシスト特徴を含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
[0028] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、Alternating位相シフト、および減衰型位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームがさまざまな方向に反射するように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0029] 本明細書において使われる「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学システム、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆるタイプの投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使われる「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0030] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上記に言及したプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0032] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすような比較的高屈折率を有する液体、例えば、水によって基板の少なくとも一部を覆うことができる型のものであってもよい。さらに、リソグラフィ装置内の、例えば、マスクと投影システムとの間の別の空間に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術においてよく知られている。本明細書において使われている「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、どちらかといえば、露光中、投影システムと基板との間に液体があるという意味でしかない。
[0033] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射ソースSOから放射ビームを受ける。例えば、放射ソースがエキシマレーザである場合、放射ソースとリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射ソースは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また、放射ビームは、放射ソースSOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射ソースが水銀灯である場合、放射ソースは、リソグラフィ装置の一体型部品とすることもできる。放射ソースSOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0034] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
[0035] 放射ビームBは、支持構造体(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、けがき線アライメントマーク(scribe-lane alignment mark)として公知である)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
[0036] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0037] 1. ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度に(すなわち、単一静止露光)ターゲット部分C上に投影する。基板テーブルWTは、つぎにXおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cが露光されることが可能になる。ステップモードにおいては、露光領域の最大サイズによって、単一静止露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0038] 2. スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および画像反転特性によって決めるとよい。スキャンモードにおいては、露光領域の最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0039] 3. 別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持しつつ、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かし、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射ソースが採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0040] 軸上アライメントユニット(on-axis alignment unit)と、偏向エレメントとしてのくさびとを備える公知の光学リソグラフィ投影装置が、国際公開公報国際公開公報WO98/39689号に記載されている(参照することにより本明細書に組み込まれる)。
[0041] この装置には、いくつかの測定システム、すなわち、マスクMAと基板WをXY面上で互いに位置合わせするためのシステムと、基板ホルダの位置と配向、ひいては基板の位置と配向を判断するための干渉計システムと、放射レンズシステムPLの焦点面または像面と、基板Wの表面との間の差異を判断するための焦点エラー検出システムとが設けられている。これらの測定システムは、電気信号処理および制御回路およびドライバ、またはアクチュエータを含むサーボシステムの一部であり、これらを用いて、基板の位置および配向ならびにフォーカシングを、測定システムによって供給される信号を基準にして修正できる。
[0042] アライメントシステムは、図1の左上部に示されるマスクMAの2つのアライメントマークM1およびM2を利用する。これらのマークは回折格子から成るのが好ましいが、代わりに、周囲から光学的に区別される、正方形またはストリップなどの他のマークによって構成されてもよい。アライメントマークは二次元であること、すなわち、2つの互いに垂直な方向であるX方向とY方向に延びていることが好ましい。基板W、例えば半導体基板は、少なくとも2つのアライメントマークを有するが、これも二次元の回折格子であることが好ましく、当該アライメントマークのうちの2つP1およびP2が図1に示されている。マークP1およびP2は、基板W上のIC領域の外に位置している。格子マークP1およびP2は、位相格子として実装されることが好ましく、格子マークM1およびM2は、振幅格子(として実装されることが望ましい。
[0043] 国際公開公報WO98/39689号で記載されているような軸上アライメントユニットでは、マスクアライメントマークM2に基板アライメントマークP2を位置合わせし、マスクアライメントマークM1に基板アライメントマークP1を位置合わせするために、図1でBとして示されている2つのアライメントビームが使用される、二重アライメントユニット(double alignment unit)が用いられている。ビームBは、ミラーなどの反射エレメントによって、プリズムの反射面に向かって反射される。この反射面は、ビームBを基板アライメントマークP2に向かって反射し、この基板アライメントマークP2が、放射ビームの一部を関連マスクマークM2へと送り、この関連マスクマークM2上にマークP2の像が形成される。マークM2の上方には、マークM2が送った放射を放射感応性ディテクタに向けて誘導する反射エレメント(例えばプリズム)が位置している。
[0044] Bの第2のアライメントビームは、ミラーによって放射レンズシステムPLのリフレクタに向けて反射される。このリフレクタは、ビームBをプリズムの第2の反射面に送り、当該第2の反射表面が、ビームBを基板アライメントマークP1に誘導する。このマークは、ビームBの放射の一部をマスクアライメントマークM1へと反射し、このマスクアライメントマークM1上にマークP1の像が形成される。マークM1を通過するビームの放射が、リフレクタによって他のまたは同じ放射感応性ディテクタへと誘導される。
[0045] 後述するサブ波長格子などの偏向エレメントは、アライメントマークに近接するアライメントビームの経路内に配されてもよい。このような偏向エレメントを用いて、放射感応性ディテクタが受けるアライメントビームの選ばれた部分内の意図しない位相差から生じるアライメントエラーを避けることができるが、このような位相差は、基板アライメントマークから入射するアライメントビーム部分の対称軸がマスクプレートに対して垂直ではない場合に起こり、このプレート内で誤反射が生じるかもしれない。
[0046] 図2では、格子状の基板マークがPと示されている。この格子に入射する波長λを有する平行アライメントビームb(図示されていない)は、格子の法線に対して異なる角度αnで延びるいくつかのサブビームに分割され、この角度は公知の格子式で定義される。
Sinα=(Nλ)/P (1)
ここでNは回折次数の数であり、Pは格子周期である。
[0047] 格子によって反射されるサブビームの経路は、レンズシステムLを組み込み、このレンズシステムLは、複数のサブビームの異なる方向を、ある面内における当該サブビームの異なる位置unに変換する。この位置unは下記の式で求められる。
=fln (2)
ここでfはレンズシステムLの焦点距離である。
[0048] この面内には、異なるサブビームをさらに分離するための手段が設けられる。このために、この面内にはブレーズ型サブ波長格子(blazed sub-wavelength grating)状の偏向エレメントを備えたプレートを配してもよい。図2では、サブ波長格子は符号「10」で示される。
[0049] 焦点距離fを有する第2のレンズシステムLは、サブ波長格子10の後方に配される。このレンズシステムは、平面基準プレート(G)にマークPを結像する。サブ波長格子がない場合は、すべてのサブビームは基準プレートで重ね合わされることになるだろう。くさびプレート11を通過する異なるサブビームが異なる角度で偏向されるので、これらサブビームによって形成された像は、基準面内の異なる位置に達する。これらの位置Xは以下の式によって求められる。
=fγ (3)
ここでγは、サブビームがくさびプレート11によって偏向される角度である。
[0050] これらの位置には、図2で示されるように、基準格子G91、G93、G96を設けることができる。個別のディテクタ91、93、96が、基準格子G91、G92(←G93の誤記でしょうか?)、G96それぞれの後方に配される。各ディテクタの出力信号は、基板格子Pの像が該当する基準格子と一致する範囲に依存する。従って、基板格子のアライメント、ひいては基板のアライメントの範囲は、各ディテクタ91、93、96によって測定できる。しかし、測定を行う際の精度は、使用されるサブビームの次数の数に依存する。つまり、この次数の数がより大きい場合には、精度はより高くなる。図2では、簡潔にするために、すべての基準格子G91、G93、G96が同じ格子周期を有すると仮定されている。しかし、実際は、各格子の格子周期は、関連するサブビームの次数に合わせて調整される。次数が大きくなると、格子周期が減少するとともに、より小さいアライメントエラーを検出できる。
[0051] ここまでは、1組の回折次数だけを考慮してきた。周知のように、回折格子は、+1、+2、+3などの次数のサブビームに加えて、−1、−2、−3などの回折次数のサブビームも形成する。格子イメージを形成するために、プラス次数およびマイナス次数の両方のサブビームを使用することができる。すなわち、格子マークの第1のイメージが+1と−1次数のサブビームによって共同で形成され、第2のイメージが+2と−2次数のサブビームによって共同で形成され、続くイメージも同様に形成される。
[0052] 図2では、明確にするために、1次数b(+1)およびb(−1)のサブビーム、7次数b(+7)およびb(−7)のサブビーム、別の次数(例えば5次数)b(+i)およびb(−i)のサブビームのみが示されている。図2で示されるように、サブ波長格子では、サブビームb(+7)およびb(−7)が平行方向に偏向され、第2のレンズシステムによって1つの基準格子G96上に収束される。また、サブビームb(+i)およびb(−i)はサブ波長格子によって平行方向に偏向され、1つの基準格子G91上に収束される。1次数のサブビームは必ずしも偏向されず、第2のレンズシステムによって1つの基準格子G93に収束される。各回折次数のプラス次数とマイナス次数とを使用することによって、基板格子マークPの真のイメージが、関連する基準格子上に形成され、利用可能な放射を最大限に利用することができる。基準格子によって回折されると、サブビームは、基準マークの位置に対するアライメントマーク位置に関する情報を含み、ミスアライメントがある場合は、検査され補正されるべき相対位置についてそれぞれ、サブビームはディテクタ91、93、96によって検出される。
[0053] 本発明は、リソグラフィ装置によって使用される露光波長がアライメント波長 λよりもはるかに小さいということを利用している。
[0054] アライメント波長は、赤外線または可視光(例えば、LSA633nmもしくはFIA560〜630nm、またはHeNeレーザもしくはハロゲンランプからの放射(すなわち、基板上のレジスト層に影響を及ぼさない任意の波長))でよく、一方、露光波長は通常、紫外線または同様のものである。
[0055] アライメントビームのサブ次数(sub-orders)を偏向する偏向エレメントとして、構造体のサブ波長周期2−Dアレイ(sub-wavelength periodic 2-D arrays)を作成してもよい。かかる周期2−Dアレイは、アライメント波長用の人工水晶として機能する。かかるクリスタルの微視的光学特性、例えば、屈折率の効果的な実際のおよび仮想の部分は、構造体の形状および2−Dアレイの周期性によって正確に制御できる。これは、光学エレメントの巨視的光学特性がアライメント波長に合わせて調整できることを意味する。特に、アライメントビームは、特定のスペクトラムを有する特定のディテクタG91、G93、G96上へ、必要に応じて特定の偏向角で偏向される。アライメントビームの波長の光学特性は、露光ビームの波長の結像能力を利用することによって制御される。
[0056] 図3および図4で示される本発明は、従来技術のアライメントツールのくさびの代わりに、ブレーズ型サブ波長格子10をビームデフレクタ(として使用することを示す。ブレーズ型透過格子(blazed transmission gratings)10は、格子周期に応じた任意のオフセット方向で、広い範囲の偏向角に入射ビームを導くことができる、サブビームデフレクタとして機能する。格子のサブ波長セグメント12を使用することによって、非常に効率的なブレーズ格子を実現できる。後述するようにかつ図4で示されるように、格子の周期をより小さいサブ波長周期pに細区分し、かつこれらのサブ波長周期の負荷サイクルを変更することによって、ブレーズ効果を達成できる。負荷サイクルを変更することによって、格子周期内の効果的な屈折率は、直線的に変更することができ、周期内の局部位相の直線的な変化(0からまで)が得られる。
[0057] さらに、500nmよりも大きいアライメント波長の範囲で作動するサブ波長ブレーズ格子は、光学リソグラフィまたは従来のレチクル書込装置を使用することによって、ガラス基板上に容易に製造できる。
[0058] 図3は、二次元の光結晶に基づく光学エレメントの例を示している。この実施形態では、暗い列10は、例えばガラス基板の電極窓の2−Dアレイ12で構成される。アレイ12で使用される構造体は、アライメントビーム(1−Dまたは2−D)の波長用の人工水晶を形成する任意の繰り返しフィーチャとすることができる。実際には、このフィーチャは電極窓であるだろう。また、深いトレンチの適用で使用されるような「レンガ」状の構造体であってもよい。例えば、銅のダマシンプロセスでは、ホールのアレイがプリントされ、酸化ケイ素にエッチングされ、銅が充填される。余分な銅は磨き取られる。
[0059] 本発明の一実施形態では、図3で示されるアレイのフィーチャサイズdとピッチpの両方が、アライメントビームλの波長よりもはるかに小さい。本発明の好適な実施例では、ピッチpはアライメントビームの波長よりも小さいが、一方、フィーチャサイズdはオプションとしてより小さくてもよい。これらの構造体または電極窓をアライメントビーム波長より小さく、かつ露光ビーム波長よりも大きくすることによって、制御された光学特性を有する人工材料が作成される。この光学特性は、効果的な屈折率の実際の部分(屈折度または反射率)および仮想部分(吸収)でもよい。アライメント波長についての制御光学特性を有する人工材料は、リソグラフィ技術を利用することによって製造できる。すなわち、これらのアライメント技術がリソグラフィで使用される場合、リソグラフィ装置自体を使って光学エレメントを作成してもよい。アライメントサブビームの波長よりも小さい構造体(ブレーズ格子周期)を使用することによって、入射光は、これらのフィーチャを分解できず、従って構造体を均質な媒体としてとらえる。この均質な媒体は、構造体および構造体の幾何学的配置(すなわち周期および負荷サイクル)を構成する材料の屈折率に依存する効果的な屈折率(実際のかつ仮想の)を有することになる。
[0060] 2−D周期アレイを利用することによって、結果として生じる材料の光学特性を、アライメントビームの波長に対して等方性とすることができる。偏光感応性は、構造体の幾何学的配置に依存し、この構造体の幾何学的配置とは一般的に正方形および円などの対称的なフィーチャであり、かつ偏光感応性を有するマークをもたらす。
[0061] M. Collischon等による文献“Optimized Artificial Index Gratings”Infrared phys. Technol. 36 (1995の915〜921頁は、サブ波長マイクロ構造体のミニ格子から成るバイナリ格子である人工指数格子について記載している。この文献は、サブ波長マイクロ構造体のアレイのおかげで、全体的に「効果的な」屈折率を有する格子を含む材料をもたらす、金属性または誘電性のサブ波長格子の使用について説明している。この効果的な屈折率によって、マイクロ構造体は、分散指数を有する材料のように作用する。この種の構造体の利点は、入射アライメント波長に応じて、0次数の回折次数だけが検出可能で、残りの回折次数が一過性であるように、構造体の周期性と負荷サイクルを設定できるということである。このようにして、ほぼ100%の効率で0次数ですべての入射エネルギーを透過するかまたは反射することができる。サブセグメントまたはマイクロ構造体の負荷サイクルを変更することによって、格子周期内の局所位相を制御でき、その結果、格子から透過または反射された光の方向を変えることができる。これは、サブ波長格子をビームデフレクタとして使用することによって、アライメントビームをアライメントマーク上に焦合させることがはるかに容易になることを意味する。
[0062] 図4は、本発明の一実施形態に従った格子の構造体の組織の一例を示している。構造体11のサイズは、構造体のアレイの一方端から他方端まで直線的に変動する(すなわち、構造体の屈折率に比例する位相は、アレイの一方端から他方端まで変動する)。しかし、1つの構造体の左端から次の構造の左端までの距離(サブ波長ピッチ)は一定であり、距離bとされている。格子周期(すなわち周期の最小から最大)はaとされており、構造体11と構造体11の間の変動する距離はcとされており、ここでmは個々の構造体11の数である。
[0063] 負荷サイクルtは次のように定義される。
=(b−c)/b (4)
[0064] 格子周期内で直線的に変動する局部位相を作成するためにサブセグメントの負荷サイクルtを変動させることによって、ブレーズ格子は、バイナリサブ波長構造体のみを使用して作成され、すべての入射光は、格子周期に特徴的な単一次数に反射されることになる。
[0065] これらの周期的な2−Dアレイの他の用語は「人工水晶」である。これらの水晶の微視的光学特性、例えば、屈折率の効果的な実際のおよび仮想の部分(「実効屈折率」)は、負荷サイクルtおよびアレイの周期性aによって正確に制御できる。従って光学エレメントの微視的光学特性は、微視的光学特性のおかげでアライメント波長に合わせて調整できる。
[0066] サブ波長ブレーズ格子をビームデフレクタとして使用することによって、より強固でコンパクトなアライメントツールがもたらされる。また、デフレクタは安価に製造でき、かつアライメントツールの残りの部分に簡単にインストールできて位置合わせすることができる。さらに非常に高い精度で偏向角を実現できる。
[0067] 上述の使用モードの組合せおよび/または変形物、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0068] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、当然のことながら、本明細書記載のリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得る。そのような別の用途においては、本明細書で使われている「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義とみなされ得ると、当業者は理解するであろう。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板処理ツールおよびその他の基板処理ツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、積層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使われる基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。露光ビームが基板上に投影される都度、確実に露光ビームが基板上に既に存在するパターンと位置合わせされるようにすることが重要である。このようにするため、各レジスト層にアライメントマークが存在しており、同じ投影システムから投影されたアライメントビームがアライメントマークを使用して、投影システムとパターニング手段が、基板とそして基板上の既存のパターン(およびアライメントマーク)とに確実に位置合わせされると、露光ビームによって露光が実行される。
[0069] 光学リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光学リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されたパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[0070] 本明細書で使われている「放射」および「ビーム」という用語は、紫外光(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外光(EUV)放射(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[0071] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光学コンポーネントを含むさまざまな種類の光学コンポーネントのどれか1つまたは組合せを指すことができる。
[0072] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、説明された方法以外の別の方法で実行可能であることが明らかである。例えば、本発明は、前述の開示された方法を記載した機械可読命令の1つ以上のシーケンスを包含するコンピュータプログラムの形式、またはこのようなコンピュータプログラムを格納したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気または光学ディスク)を採用することもできる。
[0073] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
[0016] 図1は、本発明の一実施形態にかかるリソグラフィ装置を示している。 [0017] 図2は、本発明の一実施形態にかかるアライメントツールの一部を示している。 [0018] 図3は、本発明の一実施形態にかかるサブ波長格子を示している。 [0019] 図4は、本発明の他の実施形態にかかるサブ波長格子を示している。

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの基準マークと、
    アライメント放射ビームが回折アライメントマークによって、それぞれ異なる回折次数を有するサブビームへと回折されるように、アライメント放射ビームを基板上の回折アライメントマークへと誘導するように構成されたイルミネータと、
    前記サブビームの回折次数に従って前記アライメントマークから少なくとも1つの基準マークへと前記サブビームを偏向させる偏向エレメントと
    前記少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置を判断するために、前記少なくとも1つの基準マークから回折した前記サブビームを検査するように構成されたディテクタと
    を備え
    前記少なくとも1つの基準マークは、各サブビームが当該少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置の表示を含むように、前記サブビームをさらに回折するように構成されており、
    前記偏向エレメントは、構造体のサブ波長格子を含み、隣接する前記構造体間の距離は前記サブビームの波長よりも短く、
    前記構造体のフィーチャサイズdと該構造体のピッチpは、前記アライメント放射ビームの波長よりも小さい、
    アライメントツール。
  2. 前記サブ波長格子は、構造体の周期アレイを含み、前記構造体同士は前記サブビームの波長よりも短い距離だけ離れている、
    請求項1に記載のアライメントツール。
  3. 前記構造体の位相が前記周期アレイの第1端から前記周期アレイの第2端へと直線的に変動するように、前記構造体の幅が周期内で変動する、
    請求項2に記載のアライメントツール。
  4. (b−c)/bとして定義される負荷サイクル(cは隣接する構造体mと構造体m+1との間の距離であり、bはアレイ周期である)は、サブ波長格子が前記周期アレイの第1端から前記周期アレイの第2端までの直線的に変動する位相を有するように変動する、
    請求項2又は3に記載のアライメントツール。
  5. 前記サブ波長格子がブレーズされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のアライメントツール。
  6. 前記サブ波長格子及び/又は前記構造体が非くさび状をなし且つ断面矩形状をなす、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のアライメントツール。
  7. 基板上のパターンのアライメントを検査する検査方法であって、
    アライメント放射ビームが、それぞれ異なる回折次数を有するサブビームへと回折されるように、アライメント放射ビームで基板上の回折アライメントマークを照らす工程と、
    偏向エレメントにより、前記サブビームの回折次数に従って前記アライメントマークから少なくとも1つの基準マークへと前記サブビームを偏向させる工程と、
    前記少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置を判断するために、前記少なくとも1つの基準マークによって回折された前記サブビームを検査する工程と、
    含み、
    前記少なくとも1つの基準マークは、各サブビームが当該少なくとも1つの基準マークに対する前記アライメントマークの位置の表示を含むように、前記サブビームをさらに回折するように構成されており、
    前記偏向エレメントは、構造体のサブ波長格子を含み、隣接する前記構造体間の距離は前記サブビームの波長よりも短く、
    前記構造体のフィーチャサイズdと該構造体のピッチpは、前記アライメント放射ビームの波長よりも小さい、
    検査方法。
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