以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.比較例
図1(A)に本実施形態の比較例となる集積回路装置500を示す。図1(A)の集積回路装置500はメモリブロックMB(表示データRAM)とデータドライバブロックDBを含む。そしてメモリブロックMBとデータドライバブロックDBはD2方向に沿って配置されている。またメモリブロックMB、データドライバブロックDBは、D1方向に沿った長さがD2方向での幅に比べて長い超扁平なブロックになっている。
ホスト側からの画像データはメモリブロックMBに書き込まれる。そしてデータドライバブロックDBは、メモリブロックMBに書き込まれたデジタルの画像データをアナログのデータ電圧に変換して、表示パネルのデータ線を駆動する。このように図1(A)において画像データの信号の流れはD2方向である。このため、図1(A)の比較例では、この信号の流れに合わせて、メモリブロックMBとデータドライバブロックDBをD2方向に沿って配置している。このようにすることで、入力と出力の間がショートパスになり、信号遅延を最適化でき、効率の良い信号伝達が可能になる。
ところが図1(A)の比較例では以下のような課題がある。
第1に、表示ドライバなどの集積回路装置では、低コスト化のためにチップサイズの縮小が要求される。ところが、微細プロセスを採用し、集積回路装置500を単純にシュリンクしてチップサイズを縮小すると、短辺方向のみならず長辺方向も縮小されてしまう。従って図2(A)に示すように実装の困難化の問題を招く。即ち出力ピッチは、例えば22μm以上であることが望ましいが、図2(A)のような単純シュリンクでは例えば17μmピッチになってしまい、狭ピッチのために実装が困難になる。また表示パネルのガラスの額縁が広くなり、ガラスの取れ数が減少し、コスト増を招く。
第2に、表示ドライバでは、表示パネルの種類(アモルファスTFT、低温ポリシリコンTFT)や画素数(QCIF、QVGA、VGA)や製品の仕様などに応じて、メモリやデータドライバの構成が変わる。従って図1(A)の比較例では、ある製品では図1(B)のように、パッドピッチとメモリのセルピッチとデータドライバのセルピッチが一致していたとしても、メモリやデータドライバの構成が変わると、図1(C)に示すようにこれらのピッチが一致しなくなる。そして図1(C)のようにピッチが一致しなくなると、回路ブロック間に、ピッチの不一致を吸収するための無駄な配線領域を形成しなければならなくなる。特にD1方向にブロックが扁平している図1(A)の比較例では、ピッチの不一致を吸収するための無駄な配線領域が大きくなる。この結果、集積回路装置500のD2方向での幅Wが大きくなり、チップ面積が増加し、コスト増を招く。
一方、このような事態を避けるために、パッドピッチとセルピッチが揃うようにメモリやデータドライバのレイアウトを変更すると、開発期間が長期化し、結局、コスト増を招く。即ち図1(A)の比較例では、各回路ブロックの回路構成やレイアウトを個別設計し、その後にピッチ等を合わせるという作業を行うため、無駄な空き領域が生じたり、設計が非効率化するなどの問題が生じる。
2.集積回路装置の構成
以上のような問題を解決できる本実施形態の集積回路装置10の構成例を図3に示す。本実施形態では、集積回路装置10の短辺である第1の辺SD1から対向する第3の辺SD3へと向かう方向を第1の方向D1とし、D1の反対方向を第3の方向D3としている。また集積回路装置10の長辺である第2の辺SD2から対向する第4の辺SD4へと向かう方向を第2の方向D2とし、D2の反対方向を第4の方向D4としている。なお、図3では集積回路装置10の左辺が第1の辺SD1で、右辺が第3の辺SD3になっているが、左辺が第3の辺SD3で、右辺が第1の辺SD1であってもよい。
図3に示すように本実施形態の集積回路装置10は、D1方向に沿って配置される第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBN(Nは2以上の整数)を含む。即ち、図1(A)の比較例では回路ブロックがD2方向に並んでいるが、本実施形態では回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に並んでいる。また各回路ブロックは、図1(A)の比較例のような超扁平なブロックになっておらず、比較的スクウェアなブロックになっている。
また集積回路装置10は、第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNのD2方向側に辺SD4に沿って設けられる出力側I/F領域12(広義には第1のインターフェース領域)を含む。また第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNのD4方向側に辺SD2に沿って設けられる入力側I/F領域14(広義には第2のインターフェース領域)を含む。より具体的には、出力側I/F領域12(第1のI/O領域)は、回路ブロックCB1〜CBNのD2方向側に、例えば他の回路ブロック等を介さずに配置される。また入力側I/F領域14(第2のI/O領域)は、回路ブロックCB1〜CBNのD4方向側に、例えば他の回路ブロック等を介さずに配置される。即ち少なくともデータドライバブロックが存在する部分において、D2方向において1つの回路ブロック(データドライバブロック)だけが存在する。なお集積回路装置10をIP(Intellectual Property)コアとして用いて他の集積回路装置に組み込む場合等には、I/F領域12、14の少なくとも一方を設けない構成とすることもできる。
出力側(表示パネル側)I/F領域12は、表示パネルとのインターフェースとなる領域であり、パッドや、パッドに接続される出力用トランジスタ、保護素子などの種々の素子を含む。具体的には、データ線へのデータ信号や走査線への走査信号を出力するための出力用トランジスタなどを含む。なお表示パネルがタッチパネルである場合等には、入力用トランジスタを含んでもよい。
入力側(ホスト側)I/F領域14は、ホスト(MPU、画像処理コントローラ、ベースバンドエンジン)とのインターフェースとなる領域であり、パッドや、パッドに接続される入力用(入出力用)トランジスタ、出力用トランジスタ、保護素子などの種々の素子を含むことができる。具体的には、ホストからの信号(デジタル信号)を入力するための入力用トランジスタやホストへの信号を出力するための出力用トランジスタなどを含む。
なお、短辺である辺SD1、SD3に沿った出力側又は入力側I/F領域を設けるようにしてもよい。また外部接続端子となるバンプ等は、I/F(インターフェース)領域12、14に設けてもよいし、それ以外の領域(第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBN)に設けてもよい。I/F領域12、14以外の領域に設ける場合には、金バンプ以外の小型バンプ技術(樹脂をコアとするバンプ技術など)を用いることで実現される。
また第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNは、少なくとも2つ(或いは3つ)の異なる回路ブロック(異なる機能を持つ回路ブロック)を含むことができる。集積回路装置10が表示ドライバである場合を例にとれば、回路ブロックCB1〜CBNは、データドライバ、メモリ、走査ドライバ、ロジック回路、階調電圧生成回路、電源回路のブロックの少なくとも2つを含むことができる。更に具体的には回路ブロックCB1〜CBNは、少なくともデータドライバ、ロジック回路のブロックを含むことができ、更に階調電圧生成回路のブロックを含むことができる。またメモリ内蔵タイプの場合には更にメモリのブロックを含むことができる。
例えば図4に種々のタイプの表示ドライバとそれが内蔵する回路ブロックの例を示す。メモリ(RAM)内蔵のアモルファスTFT(Thin Film Transistor)パネル用表示ドライバでは、回路ブロックCB1〜CBNは、メモリ、データドライバ(ソースドライバ)、走査ドライバ(ゲートドライバ)、ロジック回路(ゲートアレイ回路)、階調電圧生成回路(γ補正回路)、電源回路のブロックを含む。一方、メモリ内蔵の低温ポリシリコン(LTPS)TFTパネル用表示ドライバでは、走査ドライバをガラス基板に形成できるため、走査ドライバのブロックを省略できる。またメモリ非内蔵のアモルファスTFTパネル用では、メモリのブロックを省略でき、メモリ非内蔵の低温ポリシリコンTFTパネル用では、メモリ及び走査ドライバのブロックを省略できる。またCSTN(Collar Super Twisted Nematic)パネル、TFD(Thin Film Diode)パネル用では、階調電圧生成回路のブロックを省略できる。
図5(A)(B)に本実施形態の表示ドライバの集積回路装置10の平面レイアウトの例を示す。図5(A)(B)は、メモリ内蔵のアモルファスTFTパネル用の例であり、図5(A)は例えばQCIF、32階調用の表示ドライバをターゲットとし、図5(B)はQVGA、64階調用の表示ドライバをターゲットとしている。
図5(A)(B)では、第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNは、第1〜第4のメモリブロックMB1〜MB4(広義には第1〜第Iのメモリブロック。Iは2以上の整数)を含む。また第1〜第4のメモリブロックMB1〜MB4の各々に対して、D1方向に沿ってその各々が隣接して配置される第1〜第4のデータドライバブロックDB1〜DB4(広義には第1〜第Iのデータドライバブロック)を含む。具体的にはメモリブロックMB1とデータドライバブロックDB1がD1方向に沿って隣接して配置され、メモリブロックMB2とデータドライバブロックDB2がD1方向に沿って隣接して配置される。そしてデータドライバブロックDB1がデータ線を駆動するために用いる画像データ(表示データ)は、隣接するメモリブロックMB1が記憶し、データドライバブロックDB2がデータ線を駆動するために用いる画像データは、隣接するメモリブロックMB2が記憶する。
ここで図5(A)(B)では、図3と異なり、走査ドライバブロックSBが、回路ブロックCB1〜CBのD2方向側にD1方向に沿って配置される。即ち、回路ブロックCB1〜CBNとは異なる高電圧を電源電圧とする走査ドライバブロックSBが、回路ブロックCB1〜CBNが配列されるD1方向に沿って配置される。
また図5(A)では、メモリブロックMB1〜MB4のうちのMB1(広義には第Jのメモリブロック。1≦J<I)のD3方向側に、データドライバブロックDB1〜DB4のうちのDB1(広義には第Jのデータドライバブロック)が隣接して配置される。またメモリブロックMB1のD1方向側に、メモリブロックMB2(広義には第J+1のメモリブロック)が隣接して配置される。そしてメモリブロックMB2のD1方向側に、データドライバブロックDB2(広義には第J+1のデータドライバブロック)が隣接して配置される。メモリブロックMB3、MB4、データドライバブロックDB3、DB4の配置も同様である。このように図5(A)では、MB1、MB2の境界線に対して線対称にMB1、DB1とMB2、DB2が配置され、MB3、MB4の境界線に対して線対称にMB3、DB3とMB4、DB4とが配置される。なお図5(A)では、DB2とDB3が隣接して配置されているが、これらを隣接させずに、その間に他の回路ブロックを配置してもよい。
一方、図5(B)では、メモリブロックMB1〜MB4のうちのMB1(第Jのメモリブロック)のD3方向側に、データドライバブロックDB1〜DB4のうちのDB1(第Jのデータドライバブロック)が隣接して配置される。またMB1のD1方向側にDB2(第J+1のデータドライバブロック)が配置される。またDB2のD1方向側にMB2(第J+1のメモリブロック)が配置される。DB3、MB3、DB4、MB4も同様に配置される。なお図5(B)では、MB1とDB2、MB2とDB3、MB3とDB4が、各々、隣接して配置されているが、これらを隣接させずに、その間に他の回路ブロックを配置してもよい。
図5(A)のレイアウト配置によれば、メモリブロックMB1とMB2や、MB3とMB4の間で(第J、第J+1のメモリブロックの間で)、カラムアドレスデコーダを共用できるという利点がある。一方、図5(B)のレイアウト配置によれば、データドライバブロックDB1〜DB4から出力側I/F領域12へのデータ信号出力線の配線ピッチを均等化でき、配線効率を向上できるという利点がある。
なお本実施形態の集積回路装置10のレイアウト配置は図5(A)(B)に限定されない。例えばメモリブロックやデータドライバブロックのブロック数を2、3或いは5以上にしてもよいし、メモリブロックやデータドライバブロックをブロック分割しない構成にしてもよい。またメモリブロックとデータドライバブロックが隣接しないようにする変形実施も可能である。またメモリブロック、電源回路ブロック又は階調電圧生成回路ブロックなどを設けない構成としてもよい。また回路ブロックCB1〜CBNと出力側I/F領域12や入力側I/F領域14の間に、D2方向での幅が極めて狭い回路ブロック(WB以下の細長回路ブロック)を設けてもよい。また回路ブロックCB1〜CBNが、異なる回路ブロックがD2方向に多段に並んだ回路ブロックを含んでもよい。
図6(A)に本実施形態の集積回路装置10のD2方向に沿った断面図の例を示す。ここでW1、WB、W2は、各々、出力側I/F領域12、回路ブロックCB1〜CBN及び走査ドライバブロックSB、入力側I/F領域14のD2方向での幅である。またWは集積回路装置10のD2方向での幅である。
本実施形態では図6(A)に示すように、D2方向において、回路ブロックCB1〜CBN(データドライバブロックDB)及び走査ドライバブロックSBと出力側、入力側I/F領域12、14との間に他の回路ブロックが介在しない構成にできる。従って、W1+WB+W2≦W<W1+2×WB+W2とすることができ、細長の集積回路装置を実現できる。具体的には、D2方向での幅Wは、W<2mmとすることができ、更に具体的にはW<1.5mmとすることができる。なおチップの検査やマウンティングを考慮すると、W>0.9mmであることが望ましい。また長辺方向での長さLDは、15mm<LD<27mmとすることができる。またチップ形状比SP=LD/Wは、SP>10とすることができ、更に具体的にはSP>12とすることができる。
なお図6(A)の幅W1、WB、W2は、各々、出力側I/F領域12、回路ブロックCB1〜CBN及び走査ドライバブロックSB、入力側I/F領域14のトランジスタ形成領域(バルク領域、アクティブ領域)の幅である。即ちI/F領域12、14には、出力用トランジスタ、入力用トランジスタ、入出力用トランジスタ、静電保護素子のトランジスタなどが形成される。また回路ブロックCB1〜CBNには、回路を構成するトランジスタが形成される。そしてW1、WB、W2は、このようなトランジスタが形成されるウェル領域や拡散領域などを基準に決められる。例えば、よりスリムな細長の集積回路装置を実現するためには、回路ブロックCB1〜CBN及び走査ドライバブロックSBのトランジスタの上にもバンプ(能動面バンプ)を形成することが望ましい。具体的には、そのコアが樹脂で形成され、樹脂の表面に金属層が形成された樹脂コアバンプなどをトランジスタ(アクティブ領域)上に形成する。そしてこのバンプ(外部接続端子)は、I/F領域12、14に配置されるパッドに、金属配線により接続される。本実施形態のW1、WB、W2は、このようなバンプの形成領域の幅ではなく、バンプの下に形成されるトランジスタ形成領域の幅である。
また回路ブロックCB1〜CBNの各々のD2方向での幅は、例えば同じ幅に統一できる。この場合、各回路ブロックの幅は、実質的に同じであればよく、例えば数μm〜20μm(数十μm)程度の違いは許容範囲内である。また回路ブロックCB1〜CBNの中に、幅が異なる回路ブロックが存在する場合には、幅WBは、回路ブロックCB1〜CBNの幅の中の最大幅とすることができる。この場合の最大幅は、例えばデータドライバブロック及び走査ドライバブロックSBのD2方向での幅とすることができる。或いはメモリ内蔵の集積回路装置の場合にはメモリブロック及び走査ドライバブロックSBのD2方向での幅とすることができる。なお回路ブロックCB1〜CBNとI/F領域12、14の間には、例えば20〜30μm程度の幅の空き領域を設けることができる。
また本実施形態では、出力側I/F領域12にはD2方向での段数が1段又は複数段となるパッドを配置できる。従ってパッド幅(例えば0.1mm)やパッドピッチを考慮すると、出力側I/F領域12のD2方向での幅W1は、0.13mm≦W1≦0.4mmとすることができる。また入力側I/F領域14には、D2方向での段数が1段となるパッドを配置できるため、入力側I/F領域14の幅W2は、0.1mm≦W2≦0.2mmとすることができる。また細長の集積回路装置を実現するためには、回路ブロックCB1〜CBN及び走査ドライバブロックSB上に、ロジック回路ブロックからのロジック信号や、階調電圧生成回路ブロックからの階調電圧信号や、電源配線を、グローバル配線により形成する必要があり、これらの配線幅は合計で例えば0.8〜0.9mm程度になる。従って、これらを考慮すると、回路ブロックCB1〜CBN及び走査ドライバブロックSBの幅WBは、0.65mm≦WB≦1.2mmとすることできる。
そしてW1=0.4mm、W2=0.2mmであったとしても、0.65mm≦WB≦1.2mmであるため、WB>W1+W2が成り立つ。またW1、WB、W2が最も小さい値である場合には、W1=0.13mm、WB=0.65mm、W2=0.1mmとなり、集積回路装置の幅はW=0.88mm程度になる。従って、W=0.88mm<2×WB=1.3mmが成り立つ。またW1、WB、W2が最も大きい値である場合には、W1=0.4mm、WB=1.2mm、W2=0.2mmとなり、集積回路装置の幅はW=1.8mm程度になる。従って、W=1.8mm<2×WB=2.4mmが成り立つ。従ってW<2×WBの関係式が成り立ち、細長の集積回路装置を実現できる。
図1(A)の比較例では、図6(B)に示すように2以上の複数の回路ブロックがD2方向に沿って配置される。またD2方向において、回路ブロック間や、回路ブロックとI/F領域の間に配線領域が形成される。従って集積回路装置500のD2方向(短辺方向)での幅Wが大きくなり、スリムな細長チップを実現できない。従って微細プロセスを利用してチップをシュリンクしても、図2(A)に示すようにD1方向(長辺方向)での長さLDも短くなってしまい、出力ピッチが狭ピッチになるため、実装の困難化を招く。
これに対して本実施形態では図3、図5(A)(B)に示すように走査ドライバブロックSBがそのD2方向側に配置されるものの、複数の回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に沿って配置される。また図6(A)に示すように、パッド(バンプ)の下にトランジスタ(回路素子)を配置できる(能動面バンプ)。また回路ブロック内の配線であるローカル配線よりも上層(パッドよりも下層)で形成されるグローバル配線により、回路ブロック間や、回路ブロックとI/F領域間等での信号線を形成できる。従って図2(B)に示すように、集積回路装置10のD1方向での長さLDを維持したままで、D2方向での幅Wを狭くでき、超スリムな細長チップを実現できる。この結果、出力ピッチを例えば22μm以上に維持することができ、実装を容易化できる。
また本実施形態では複数の回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に沿って配置されるため、製品の仕様変更等に容易に対応できる。即ち共通のプラットフォームを用いて様々な仕様の製品を設計できるため、設計効率を向上できる。例えば図5(A)(B)において、表示パネルの画素数や階調数が増減した場合にも、メモリブロックやデータドライバブロックのブロック数や、1水平走査期間での画像データの読み出し回数等を増減するだけで対応できる。また図5(A)(B)はメモリ内蔵のアモルファスTFTパネル用の例であるが、メモリ内蔵の低温ポリシリコンTFTパネル用の製品を開発する場合には、走査ドライバブロックSBを取り除くだけで済む。またメモリ非内蔵の製品を開発する場合には、メモリブロックを取り除けば済む。そしてこのように仕様に合わせて回路ブロックを取り除いても、本実施形態では、それが他の回路ブロックに及ぼす影響が最小限に抑えられるため、設計効率を向上できる。
また本実施形態では、各回路ブロックCB1〜CBNのD2方向での幅(高さ)を、例えばデータドライバブロックやメモリブロックの幅(高さ)に統一できる。そして各回路ブロックのトランジスタ数が増減した場合には、各回路ブロックのD1方向での長さを増減することで調整できるため、設計を更に効率化できる。例えば図5(A)(B)において、階調電圧生成回路ブロックや電源回路ブロックの構成が変更になり、トランジスタ数が増減した場合にも、階調電圧生成回路ブロックや電源回路ブロックのD1方向での長さを増減することで対応できる。
なお第2の比較例として、例えばデータドライバブロックをD1方向に細長に配置し、データドライバブロックのD4方向側に、メモリブロックなどの他の複数の回路ブロックをD1方向に沿って配置する手法も考えられる。しかしながらこの第2の比較例では、メモリブロックなどの他の回路ブロックと出力側I/F領域との間に、幅の大きなデータドライバブロックが介在するようになるため、集積回路装置のD2方向での幅Wが大きくなり、スリムな細長チップの実現が困難になる。またデータドライバブロックとメモリブロックの間に無駄な配線領域が生じてしまい、幅Wが更に大きくなってしまう。またデータドライバブロックやメモリブロックの構成が変わった場合には、図1(B)(C)で説明したピッチの不一致の問題が生じ、設計効率を向上できない。
また本実施形態の第3の比較例として、同一機能の回路ブロック(例えばデータドライバブロック)だけをブロック分割して、D1方向に並べて配置する手法も考えられる。しかしながら、この第3の比較例では、集積回路装置に同一機能(例えばデータドライバの機能)だけしか持たせることができないため、多様な製品展開を実現できない。これに対して本実施形態では、回路ブロックCB1〜CBNは、少なくとも2つの異なる機能を有する回路ブロックを含む。従って図4、図5(A)(B)に示すように、様々なタイプの表示パネルに対応した多様な機種の集積回路装置を提供できるという利点がある。
3.回路構成
図7に集積回路装置10の回路構成例を示す。なお集積回路装置10の回路構成は図7に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。メモリ20(表示データRAM)は画像データを記憶する。メモリセルアレイ22は複数のメモリセルを含み、少なくとも1フレーム(1画面)分の画像データ(表示データ)を記憶する。この場合、1画素は例えばR、G、Bの3サブピクセル(3ドット)で構成され、各サブピクセルについて例えば6ビット(kビット)の画像データが記憶される。ローアドレスデコーダ24(MPU/LCDローアドレスデコーダ)はローアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ22のワード線の選択処理を行う。カラムアドレスデコーダ26(MPUカラムアドレスデコーダ)はカラムアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ22のビット線の選択処理を行う。ライト/リード回路28(MPUライト/リード回路)はメモリセルアレイ22への画像データのライト処理や、メモリセルアレイ22からの画像データのリード処理を行う。なおメモリセルアレイ22のアクセス領域は、例えばスタートアドレスとエンドアドレスを対頂点とする矩形で定義される。即ちスタートアドレスのカラムアドレス及びローアドレスと、エンドアドレスのカラムアドレス及びローアドレスでアクセス領域が定義され、メモリアクセスが行われる。
ロジック回路40(例えば自動配置配線回路)は、表示タイミングを制御するための制御信号やデータ処理タイミングを制御するための制御信号などを生成する。このロジック回路40は例えばゲートアレイ(G/A)などの自動配置配線により形成できる。制御回路42は各種制御信号を生成したり、装置全体の制御を行う。具体的には階調電圧生成回路110に階調特性(γ特性)の調整データ(γ補正データ)を出力したり、電源回路90の電圧生成を制御する。またローアドレスデコーダ24、カラムアドレスデコーダ26、ライト/リード回路28を用いたメモリへのライト/リード処理を制御する。表示タイミング制御回路44は表示タイミングを制御するための各種の制御信号を生成し、メモリから表示パネル側への画像データの読み出しを制御する。ホスト(MPU)インターフェース回路46は、ホストからのアクセス毎に内部パルスを発生してメモリにアクセスするホストインターフェースを実現する。RGBインターフェース回路48は、ドットクロックにより動画のRGBデータをメモリに書き込むRGBインターフェースを実現する。なおホストインターフェース回路46、RGBインターフェース回路48のいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。
図7において、ホストインターフェース回路46、RGBインターフェース回路48からは1画素単位でメモリ20へのアクセスが行われる。一方、データドライバ50へは、ホストインターフェース回路46、RGBインターフェース回路48とは独立した内部表示タイミングにより、ライン周期毎に、ラインアドレスで指定されライン単位で読み出された画像データが送られる。
データドライバ50は表示パネルのデータ線を駆動するための回路であり、図8(A)にその構成例を示す。データラッチ回路52は、メモリ20からのデジタルの画像データをラッチする。D/A変換回路54(電圧選択回路)は、データラッチ回路52にラッチされたデジタルの画像データのD/A変換を行い、アナログのデータ電圧を生成する。具体的には階調電圧生成回路110から複数(例えば64段階)の階調電圧(基準電圧)を受け、これらの複数の階調電圧の中から、デジタルの画像データに対応する電圧を選択して、データ電圧として出力する。出力回路56(駆動回路、バッファ回路)は、D/A変換回路54からのデータ電圧をバッファリングして表示パネルのデータ線に出力し、データ線を駆動する。なお、出力回路56の一部(例えば演算増幅器の出力段)をデータドライバ50には含ませずに、他の領域に配置する構成としてもよい。
走査ドライバ70は表示パネルの走査線を駆動するための回路であり、図8(B)にその構成例を示す。シフトレジスタ72は順次接続された複数のフリップフロップを含み、シフトクロック信号SCKに同期してイネーブル入出力信号EIOを順次シフトする。レベルシフタ76は、シフトレジスタ72からの信号の電圧レベルを、走査線選択のための高電圧レベルに変換する。出力回路78は、レベルシフタ76により変換されて出力された走査電圧をバッファリングして表示パネルの走査線に出力し、走査線を選択駆動する。なお走査ドライバ70は図8(C)に示す構成であってもよい。図8(C)では、走査アドレス生成回路73が走査アドレスを生成して出力し、アドレスデコーダが走査アドレスのデコード処理を行う。そしてこのデコード処理により特定された走査線に対して、レベルシフタ76、出力回路78を介して走査電圧が出力される。
電源回路90は各種の電源電圧を生成する回路であり、図9(A)にその構成例を示す。昇圧回路92は、入力電源電圧や内部電源電圧を、昇圧用キャパシタや昇圧用トランジスタを用いてチャージポンプ方式で昇圧し、昇圧電圧を生成する回路であり、1次〜4次昇圧回路などを含むことができる。この昇圧回路92により、走査ドライバ70や階調電圧生成回路110が使用する高電圧を生成できる。レギュレータ回路94は、昇圧回路92により生成された昇圧電圧のレベル調整を行う。VCOM生成回路96は、表示パネルの対向電極に供給するVCOM電圧を生成して出力する。制御回路98は電源回路90の制御を行うものであり、各種の制御レジスタなどを含む。
階調電圧生成回路(γ補正回路)110は階調電圧を生成する回路であり、図9(B)にその構成例を示す。選択用電圧生成回路112(電圧分割回路)は、電源回路90で生成された高電圧の電源電圧VDDH、VSSHに基づいて、選択用電圧VS0〜VS255(広義にはR個の選択用電圧)を出力する。具体的には選択用電圧生成回路112は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するラダー抵抗回路を含む。そしてVDDH、VSSHを、このラダー抵抗回路により分割した電圧を、選択用電圧VS0〜VS255として出力する。階調電圧選択回路114は、ロジック回路40により調整レジスタ116に設定された階調特性の調整データに基づいて、選択用電圧VS0〜VS255の中から、例えば64階調の場合には64個(広義にはS個。R>S)の電圧を選択して、階調電圧V0〜V63として出力する。このようにすれば表示パネルに応じた最適な階調特性(γ補正特性)の階調電圧を生成できる。なお極性反転駆動の場合には、正極性用のラダー抵抗回路と負極性用のラダー抵抗回路を選択用電圧生成回路112に設けてもよい。またラダー抵抗回路の各抵抗素子の抵抗値を、調整レジスタ116に設定された調整データに基づいて変更できるようにしてもよい。また選択用電圧生成回路112や階調電圧選択回路114に、インピーダンス変換回路(ボルテージフォロワ接続の演算増幅器)を設ける構成にしてもよい。
図10(A)に、図8(A)のD/A変換回路54が含む各DAC(Digital Analog Converter)の構成例を示す。図10(A)の各DACは、例えばサブピクセル毎(或いは画素毎)に設けることができ、ROMデコーダ等により構成される。そしてメモリ20からの6ビットのデジタルの画像データD0〜D5とその反転データXD0〜XD5に基づいて、階調電圧生成回路110からの階調電圧V0〜V63のいずれかを選択することで、画像データD0〜D5をアナログ電圧に変換する。そして得られたアナログ電圧の信号DAQ(DAQR、DAQG、DAQB)を出力回路56に出力する。
なお低温ポリシリコンTFT用の表示ドライバ等で、R用、G用、B用のデータ信号をマルチプレクスして表示ドライバに送る場合(図10(C)の場合)には、R用、G用、B用の画像データを、1つの共用のDACを用いてD/A変換することもできる。この場合には図10(A)の各DACは画素毎に設けられる。
図10(B)に、図8(A)の出力回路56が含む各出力部SQの構成例を示す。図10(B)の各出力部SQは画素毎に設けることができる。各出力部SQは、R(赤)用、G(緑)用、B(青)用のインピーダンス変換回路OPR、OPG、OPB(ボルテージフォロワ接続の演算増幅器)を含み、DACからの信号DAQR、DAQG、DAQBのインピーダンス変換を行って、データ信号DATAR、DATAG、DATABをR、G、B用のデータ信号出力線に出力する。なお例えば低温ポリシリコンTFTパネルの場合には、図10(C)に示すようなスイッチ素子(スイッチ用トランジスタ)SWR、SWG、SWBを設け、R用、G用、B用のデータ信号が多重化されたデータ信号DATAを、インピーダンス変換回路OPが出力するようにしてもよい。またデータ信号の多重化を複数画素に亘って行うようにしてもよい。また出力部SQに、図10(B)(C)のようなインピーダンス変換回路を設けずに、スイッチ素子等だけを設ける構成にしてもよい。
4.回路ブロックの配置
4.1 走査ドライバブロックの配置
本実施形態では図11に示すように、D1方向に沿って配置される回路ブロックCB1〜CBNのD2方向側に、走査線を走査するための走査ドライバブロックSBがD1方向に沿って配置される。表示ドライバの走査線と電気的に接続されるパッドが、走査ドライバブロックSBのD1方向側に配置されるとき、該パッドとショートパスで接続された走査信号出力線を介して、走査ドライバブロックSBが走査信号を出力させることができる。この結果、走査信号出力線をシンプルに配線でき、特に他の信号線との交差に伴う走査信号出力線の配線領域の削減に寄与できる。
また表示パネルを駆動するための電源電圧の電圧レベルとして、複数の種類が必要とされる。一般的に走査ドライバブロックSBの電源電圧が最も高電位、最も低電位のものが採用される
図12に、電源回路ブロックPBにおいて生成される各種の電源電圧の電位関係の一例を示す。電源回路ブロックPBでは図9(A)に示す昇圧回路92によりシステム電源電圧VDD及びシステム接地電源電圧VSSの間の電圧が昇圧され、電源電圧VOUTが生成される。また昇圧回路92はシステム電源電圧VDD及びシステム接地電源電圧VSSの間の電圧を負方向に昇圧し、システム接地電源電圧VSSより低電位の電圧VOUTMを生成する。更に昇圧回路92はシステム電源電圧VDD又は所定の内部電圧VDCを正方向に昇圧して高電位側電源電圧VDDHGを生成すると共に、該高電位側電源電圧VDDHGを負方向に昇圧して低電位側電源電圧VEEを生成する。
レギュレータ回路94は電源電圧VOUTの電位を調整してVCOM電圧の高電位側電圧VCOMHを生成する。またレギュレータ回路94は電圧VOUTMの電位を調整してVCOM電圧の低電位側電圧VCOMLを生成する。更にレギュレータ回路94は、システム電源電圧VDDの電位を低くして図示しない電源電圧VCOREを生成できる。
ここで電圧VOUTは、データドライバブロックDB1〜DB4、階調電圧生成回路ブロックGBの電源電圧として供給される。電源電圧VCOREは、ロジック回路ブロックLB(メモリを内蔵する場合はメモリブロックMB)の電源電圧として供給される。VCOM電圧の高電位側電圧VCOMH、低電位側電圧VCOMLは、VCOM電圧として表示パネルのコモン電圧として供給される。高電位側電源電圧VDDHG、低電位側電源電圧VEEは、走査ドライバブロックの電源電圧として供給される。
ところで、走査ドライバブロックSBでは、走査信号を生成する回路すべてに高電圧の電源電圧を供給するために、電源供給線を引き回す必要がある。図11のように走査ドライバブロックSBを配置すれば、該走査ドライバブロックSB内においてD1方向に沿って電源供給線を配線できる。そのため、走査信号を生成する回路すべてに対し、容易に電源供給線を接続でき、無駄に配線を引き回す必要がなくなる。
図13(A)(B)に走査ドライバブロックの電源電圧を供給する電源供給線の説明図を示す。図13(A)に示すように回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に沿って配置される場合に、走査ドライバブロックSBが回路ブロックCB1〜CBNのD2方向側にD1方向に沿って配置される。そして、少なくとも走査線と電気的に接続される複数のパッドが、出力側I/F領域12にD1方向に沿って配置されている。
走査ドライバブロックSBにおいては、電源供給線PWL1、PWL2がD1方向に沿って配線される。電源供給線PWL1には、電源回路ブロックPBにおいて生成される高電位側電源電圧VDDHGが供給される。電源供給線PWL2には、電源回路ブロックPBにおいて生成される低電位側電源電圧VEEが供給される。例えば電源供給線PWL1、PWL2は、走査ドライバブロックSBを構成するトランジスタ間を接続するローカル配線の上層の配線とすることができる。
こうすることで、回路ブロックCB1〜CBNの上に電源供給線を引き回さずに済むため、回路ブロックCB1〜CBNが高電圧の電源が供給される電源供給線とのカップリングによる誤動作等の悪影響を確実に回避できる。また、電源供給線に高電圧特有のガードリング等の対策が必要な場合には、電源供給線の配線領域をほぼ走査ドライバブロックSB内に収めることができ、レイアウト設計を容易化できる。また、電源供給線PWL1、PWL2を、出力側I/F領域12においてD1方向に沿って配線しても、電源供給線とのカップリングによる誤動作等の悪影響を確実に回避できる。
なお走査ドライバブロックSBにおいて低電位側電源電圧VEEとしてシステム接地電源電圧VSSを供給する場合、電源回路ブロックPBにおいて生成された電圧が供給される電源供給線PWL2を省略でき、集積回路装置10全体に引き回されるシステム接地電源線によりシステム接地電源電圧VSSを供給できる。
更に図11に示すように、回路ブロックCB1〜CBNは、データ線を駆動するための少なくとも1つのデータドライバブロック(図11ではデータドライバブロックDB1〜DB4)を含むことができる。この場合、図13(B)に示すようにデータドライバブロックDB1〜DB4がデータ線を駆動するための駆動信号を出力する駆動信号出力線が、走査ドライバブロックSBにおいてD2方向に沿って配線される。そして、走査ドライバブロックSBからの走査信号出力線が、走査ドライバブロックSBにおいて駆動信号出力線と異なる配線層を介してパッドと電気的に接続される。こうすることで、集積回路装置10のD1方向に沿って配置される走査ドライバブロックSBから、走査信号出力線とパッドとをショートパスで接続できる。従って、高電圧電源の配線が他の回路ブロックに及ぼす悪影響を最小限に抑えることができる。
また本実施形態では、走査ドライバブロックSBのうち少なくとも1つの出力用トランジスタを出力側I/F領域12に設け、該出力用トランジスタと電気的に接続されるパッドの下層に配置してもよい。
図14(A)(B)に走査信号の出力パッド下に形成される出力用トランジスタの構成例を示す。図8(B)のシフトレジスタ72は走査線S1〜Snの各走査線に対応した各フリップフロップが縦続接続されたフリップフロップFF1〜FFnを含み、図14(A)は図8(B)に示す走査ドライバ70のうち走査線St(1≦t≦n、tは整数)への1出力当たりの構成を示している。同様に、図14(B)は図8(C)に示す走査ドライバ70のうち走査線Stへの1出力当たりの構成を示している。
図14(A)に示すように、フリップフロップFFtの出力信号の電圧レベルが、レベルシフタ76tによって変換される。レベルシフタ76tには、高電位側電源電圧VDDHG及び低電位側電源電圧VEEが供給され、フリップフロップFFtの出力信号の電圧レベルを、高電位側電源電圧VDDHG又は低電位側電源電圧VEEの電圧レベルに変換する。このレベルシフタ76tの出力が、出力回路78tを構成する出力用トランジスタのゲート信号となる。出力用トランジスタは、例えば互いのドレインが接続されたP型金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタpDTrtとN型MOSトランジスタnDTrtとを含み、そのいずれかを走査信号の出力パッドの下層に形成されることが望ましい。トランジスタpDTrtのソースには、高電位側電源電圧VDDHGが供給され、トランジスタnDTrtのソースには低電位側電源電圧VEEが供給される。高電位側電源電圧VDDHG及び低電位側電源電圧VEEは、電源回路ブロックPBにおいて図9(A)の昇圧回路92によって生成される。
図14(A)では、静電気保護素子ESDtが接続されている。この静電気保護素子ESDtは、N型MOSトランジスタGCDTrtにより構成される。トランジスタGCDTrtのゲートはそのソースに接続される。トランジスタGCDTrtは、トランジスタnDTrtのドレイン、ソース間に該トランジスタnDTrtと並列に設けられる。トランジスタGCDTrtのドレインに高電圧が印加されたとき、トランジスタnDTrtの破壊を防ぐために電流を低電位側の電源に逃がす。なお出力パッドとトランジスタGCDTrtのドレインノードDNDt間に直列に保護抵抗素子を挿入し、ドレインノードDNDtとトランジスタnDTrt間に直列に保護抵抗素子を挿入してもよい。
また図14(A)に示す構成においては、走査ドライバ70の出力毎に設けられる静電気保護素子ESDt、及び出力回路78tのトランジスタpDTrt、nDTrtのうち少なくとも1つが、出力パッドの下に形成される。
一方、図14(B)では、アドレスデコーダ74によってデコードされた結果の出力信号の電圧レベルが、レベルシフタ76tによって変換される。そして、図14(B)に示す走査ドライバ70の出力毎に設けられる静電気保護素子ESDt、及び出力回路78tのトランジスタpDTrt、nDTrtのうち少なくとも1つが、出力パッドの下に形成される。
図15(A)に出力パッドの配置例を示す。図15(A)では出力側I/F領域12の第4の辺SD4側にD2方向で2段のパッドがD1方向に配置される。そして各パッドの下層にD2方向(D4方向)に長い矩形のトランジスタ形成領域が設けられる。
図15(B)に各トランジスタ形成領域のレイアウトイメージの一例を示す。例えば走査線Stが電気的に接続されるパッドPDtの下層のトランジスタ形成領域TAtでは、静電気保護素子ESDtが形成される静電気保護素子領域EAt、トランジスタnDTrtが形成されるN型トランジスタ領域NAt、トランジスタpDTrtが形成されるP型トランジスタ領域PAtを有する。トランジスタ形成領域TAtは、D4方向に沿って静電気保護素子領域EAt、N型トランジスタ領域NAt、P型トランジスタ領域PAtを有する。これに対して、パッドPDt+1の下層にも、同様にトランジスタ形成領域TAt+1が設けられるが、パッドPDt+1は、N型トランジスタ領域NAt+1及びP型トランジスタ領域PAt+1の上層に配置される。パッドPDt+2は、パッドPDtと同様である。このように、パッドを、例えば静電気保護素子領域の上層、N型トランジスタ領域及びP型トランジスタ領域の上層に交互に配置することで、D2方向で2段に配置される。
図16に静電気保護素子ESDtとして形成されたトランジスタGCDTrtのレイアウト平面図の一例を示す。図17に図16のA−A線での断面構造の一例を模式的に示す。
図16ではP型半導体基板PSUBに形成されたN型ウェル領域NWL内にP型ウェル領域PWEが形成される。P型ウェル領域PWE内には、P型不純物拡散領域PFが周回するように形成された2つの領域内に、それぞれ電気的に分離された3つN型不純物拡散領域NFが設けられている。これらのN型不純物拡散領域NF間には、ゲート電極GMが設けられ、3つのN型不純物拡散領域NFが、2つのソース領域と1つのドレイン領域とになる。P型不純物拡散領域PF、N型不純物拡散領域NF及びゲート電極GMには、コンタクトCNTを介して低電位側電源電圧VEEが供給されている。
そして図17に示すように、ゲート電極GMの下部のチャネル領域には、LOCOS酸化膜、LOCOS酸化膜の下層にはオフセット層OFTが設けられる。このようなトランジスタGCDTrtのうちドレイン領域として設けられるN型不純物拡散領域NFは、1又は複数のスルーホール及び配線層MTLを介して、例えば図15(B)のパッドPDtに電気的に接続される。図17では、パッドPDtの直下にトランジスタGCDTrtのドレイン領域が設けられ、パッドPDtに印加された電圧が、ほぼ同じインピーダンスを有する複数の経路を介して最短距離で該ドレイン領域に印加されるようになっている。こうすることで、静電気保護耐性を強化できる。
なお図17では、パッドの下層にトランジスタGCDTrtが形成される場合の構造について説明したが、パッドの下層にトランジスタnDTrt、pDTrtも同様に形成できる。この場合、図17の構造に対し、ゲート電極にレベルシフタの出力が供給される点が異なる。
ところで、静電気保護素子ESDtでは、例えばN型MOSトランジスタのドレイン領域、ソース領域において電流の局所化を回避するようにその形状(大きさを含む)やコンタクト配置を調整することで、静電気が印加された場合のホットスポットの発生を防止できる。そこで本実施形態では、トランジスタnDTrtに静電気保護素子ESDtの機能を兼用させることができる。こうすることで、図15(C)に示すようにD2方向の幅をより一層小さくできるようになる。
このように出力用トランジスタの一部又は全部を出力パッド下に形成することで、集積回路装置10のD2方向での幅Wをより一層小さくでき、スリムな細長の集積回路装置10を実現できる。そして、出力用トランジスタに静電気保護素子の機能を兼用させることで、更にD2方向での幅Wを小さくできる。また静電気保護の観点からも耐性を強化できる。
4.2 ロジック回路、階調電圧生成回路及びデータドライバ等のブロックの配置
4.2.1 データドライバブロックの配置
本実施形態では図18に示すように、回路ブロックCB1〜CBNが、階調特性の調整データの設定を行うロジック回路ブロックLBと、設定された調整データに基づいて階調電圧を生成する階調電圧生成回路ブロックGBを含む。また階調電圧生成回路ブロックGBからの階調電圧を受け、データ線を駆動するためのデータドライバブロックDB1〜DB4(広義には少なくとも1つのデータドライバブロック)と、電源電圧を生成する電源回路ブロックPBを含む。そして本実施形態では、データドライバブロックDB1〜DB4が、ロジック回路ブロックLB及び階調電圧生成回路ブロックGBと、電源回路ブロックPBとの間に配置されている。
図18の配置によれば、回路面積が比較的大きいロジック回路ブロックLB及び階調電圧生成回路ブロックGBや電源回路ブロックPBが、データドライバブロックDB1〜DB4の両側に配置されるようになる。従って、ロジック回路ブロックLB及び階調電圧生成回路ブロックGBのD4方向側の空きスペース(C1に示すスペース)を利用して、ロジック回路用パッドやそのパッド下に形成される入力用トランジスタ等を配置できるようになる。また電源回路ブロックPBのD4方向側の空きスペース(C2に示すスペース)を利用して、トランジスタサイズが大きい電源回路の昇圧用トランジスタ等を配置できるようになる。また図18の配置によれば、データドライバブロックDB1〜DB4を集積回路装置の中央付近に集中して配置できるようになるため、DB1〜DB4からのデータ信号の出力線を、出力側I/F領域12において効率良くシンプルに配線できる。従って、出力側I/F領域12や入力側I/F領域14での配線効率や配置効率を向上でき、集積回路装置のD2方向での幅Wを小さくでき、スリムな細長の集積回路装置を実現できる。
また図18の配置によれば、ロジック回路ブロックLBからの調整データに基づき階調電圧生成回路ブロックGBにより生成された階調電圧の出力線を、グローバル線等を利用して効率良く配線してデータドライバブロックDB1〜DB4に接続できる。従って、配線効率を向上でき、回路ブロックCB1〜CBNのD2方向での幅を小さくでき、スリムな細長の集積回路装置を実現できる。
また図18では、ロジック回路ブロックLBと階調電圧生成回路ブロックGBを、D1方向に沿って隣接して配置している。その理由は以下の通りである。
例えば図19に、階調電圧生成回路ブロックGBの詳細な回路構成例を示す。なお図19には正極性用の回路を示しているが、負極性用の回路も同様の構成で実現できる。振幅調整レジスタ300、傾き調整レジスタ302、微調整レジスタ304には、階調特性の調整データが設定される。この調整データの設定(書き込み)はロジック回路ブロックLBにより行われる。例えば振幅調整レジスタ300に調整データを設定することで、図20(A)のB1、B2に示すように電源電圧VDDH、VSSHの電圧レベルが変化し、階調電圧の振幅調整が可能になる。また傾き調整レジスタ302に調整データを設定することで、図20(B)のB3〜B6に示すように、階調レベルの4ポイントにおける階調電圧が変化し、階調特性の傾き調整が可能になる。即ち傾き調整レジスタ302に設定される4ビットの調整データVRP3に基づいて、ラダー抵抗を構成する抵抗素子RL12の抵抗値が変化し、B3に示すような傾き調整が可能になる。VRP2〜VRP0についても同様である。また微調整レジスタ304に調整データを設定することで、図20(C)のB7〜B14に示すように、階調レベルの8ポイントにおける階調電圧が変化し、階調特性の微調整が可能になる。即ち微調整レジスタ304に設定される3ビットの調整データVP8に基づいて、8to1セレクタ318が、抵抗素子RL11の8個のタップのうちから1つのタップを選択し、選択されたタップの電圧をVOP8として出力する。これにより図20(C)のB7に示すような微調整が可能になる。VP7〜VP1についても同様である。
階調アンプ部320は、8to1セレクタ311〜318の出力VOP1〜VOP8やVDDH、VSSHに基づいて、階調電圧V0〜V63を出力する。具体的には階調アンプ部320は、VOP1〜VPOP8が入力される第1〜第8のインピーダンス変換回路(ボルテージフォロワ接続された演算増幅器)を含む。そして例えば第1〜第8のインピーダンス変換回路のうちの隣り合うインピーダンス変換回路の出力電圧を抵抗分割することで、階調電圧V1〜V62が生成される。
以上のような調整を行えば、表示パネルの種類に応じた最適な階調特性(γ特性)を得ることができ、表示品質を向上できる。
しかしながら、このような調整を行うための調整データのビット数は図19に示すように多い。このため、ロジック回路ブロックLBから階調電圧生成回路ブロックGBへの調整データの信号線の本数も多い。従ってロジック回路ブロックLBと階調電圧生成回路ブロックGBを隣接して配置しないと、調整データの信号線のための配線領域が原因となってチップ面積が増加するそれがある。
そこで本実施形態では図18に示すようにロジック回路ブロックLBと階調電圧生成回路ブロックGBをD1方向に沿って隣接して配置させている。このようにすれば、ロジック回路ブロックLBからの調整データの信号線をショートパスで階調電圧生成回路ブロックGBに接続できるため、配線領域を原因とするチップ面積の増加を防止できる。
なお本実施形態の比較例として、階調電圧生成回路ブロックGBとロジック回路ブロックLBをD2方向に沿って隣接して配置する手法も考えられる。しかしながら、この比較例の手法によると、D2方向で2つの回路ブロックがスタックされて配置されるようになるため、その分だけD2方向での集積回路装置の幅が大きくなってしまう。また表示パネルの種類や画素数、表示ドライバの仕様等に応じて、D2方向にスタックされた回路ブロックのうちの一方の回路ブロックの回路構成が変化し、一方の回路ブロックのD2方向での幅やD1方向での長さが変化すると、その影響が他方の回路ブロックに及んでしまい、設計が非効率化する。
これに対して本実施形態では、階調電圧生成回路ブロックGBとロジック回路ブロックLBがD1方向に沿って配置される。従って、D2方向での集積回路装置の幅Wを小さくでき、図2(B)に示すようなスリムな細長チップを実現できる。また表示パネルの種類等に応じて、隣り合う回路ブロックのうちの一方の回路ブロックの回路構成が変化した場合には、その一方の回路ブロックのD1方向での長さ等を調整するだけで済む。従って、一方の回路ブロックの影響が他方の回路ブロックに及ぶのを防止でき、設計を効率化できる。
また図18では、階調電圧生成回路ブロックGBは、データドライバブロックDB1〜DB4とロジック回路ブロックLBの間に配置される。
即ち図18において、階調電圧生成回路ブロックGBとロジック回路ブロックLBの間には、調整データの信号線が配線され、その本数は図19で説明したように多い。また階調電圧生成回路ブロックGBは、データドライバブロックDBに対して階調電圧を出力する必要があり、その階調電圧出力線の本数も非常に多い。従って図18において、階調電圧生成回路ブロックGBを、データドライバブロックDBとロジック回路ブロックLBの間に配置せずに、LBのD1方向側に配置すると、GBとLBの間において、調整データの信号線のみならず階調電圧出力線も配線する必要が生じる。従ってGBとLBの間において、他の信号線や電源線をグローバル線等で配線することが難しくなり、配線効率が低下する。
これに対して図18では、階調電圧生成回路ブロックGBは、データドライバブロックDBとロジック回路ブロックLBの間に配置されるため、GBとLBの間には、階調電圧出力線を配線しなくても済むようになる。従って、GBとLBの間において、他の信号線や電源線をグローバル線等により配線できるようになり、配線効率を向上できる。
なお本実施形態では図18に示すように、データドライバブロックDBからのデータ信号の出力線DQLを、DB内においてはD2方向に沿って配線している。一方、データ信号出力線DQLを、出力側I/F領域12(第1のインターフェース領域)内においてはD1(D3)方向に沿って配線している。具体的には、出力側I/F領域12において、パッドよりも下層であり領域内のローカル線(トランジスタ配線)よりも上層のグローバル線を用いて、データ信号出力線DQLをD1方向に沿って配線している。このようにすれば図18に示すように、調整データ、階調電圧、データ信号の信号線を無駄なく配線して、データドライバブロックDBからのデータ信号をパッドを介して表示パネルに適正に出力できるようになる。またデータ信号出力線DQLを図18のように配線すれば、データ信号出力線DQLを出力側I/F領域12を利用してパッド等に接続することが可能になり、集積回路装置のD2方向での幅Wの増加を防止できる。
なお図18ではロジック回路ブロックLBと階調電圧生成回路ブロックGBを隣接して配置しているが、これらを隣接させない変形実施も可能である。また階調電圧生成回路ブロックGBをロジック回路ブロックLBとデータドライバブロックDB1〜DB4の間に配置しない変形実施も可能である。また階調電圧生成回路ブロックGBとデータドライバブロックDB4は、隣接させて配置してもよいし、隣接させずに配置してもよい。また電源回路ブロックPBとデータドライバブロックDB1も、隣接させて配置してもよいし、隣接させずに配置してもよい。
4.2.2 階調電圧生成回路ブロックの配置の詳細
図21(A)に示すように、階調電圧生成回路ブロックGBは、電源電圧に基づいて選択用電圧(分割電圧)を出力する選択用電圧生成回路SVG(電圧分割回路)を含む。また、ロジック回路ブロックLBにより設定された調整データと選択用電圧とに基づいて、階調電圧を選択して出力する階調電圧選択回路GVSを含む。また調整データを設定するための調整レジスタARを含む。なお調整レジスタARはロジック回路ブロックLBに含ませてもよい。
そして図21(A)では、選択用電圧生成回路SVGは、階調電圧選択回路GVSのD4方向側に配置される。なおSVGをGVSのD2方向側に配置してもよい。また階調電圧選択回路GVSは、データドライバブロックDBとロジック回路ブロックLBの間に配置される。
図21(A)の配置によれば、階調電圧選択回路GVSは、D1方向側に配置されるロジック回路ブロックLBから調整レジスタARを介して調整データを受ける。またD4方向側に配置される選択用電圧生成回路SVGから選択用電圧を受ける。そして、これらの調整データと選択用電圧に基づき生成された階調電圧を、D3方向側に配置されるデータドライバブロックDBに出力する。従って、これらの調整データ、選択用電圧、階調電圧の信号の流れに無駄が無く、信号線がクロスしてしまう部分を最小限に抑えることができる。また調整データ、選択用電圧、階調電圧の信号線をグローバル線等を利用して効率良く配線できるため、配線効率を向上できる。
図21(B)に、集積回路装置がメモリを内蔵する場合の詳細な配置例を示す。図21(B)では、メモリブロックMBとデータドライバブロックDBがD1方向に沿って隣接して配置されている。またメモリブロックMBは、データドライバブロックDBと階調電圧生成回路ブロックGBの間に配置される。
例えば図1(A)の比較例では、メモリブロックMBとデータドライバブロックDBは、信号の流れに合わせて、短辺方向であるD2方向に沿って配置される。このためD2方向での集積回路装置の幅が大きくなり、スリムな細長チップの実現が難しい。また表示パネルの画素数、表示ドライバの仕様、メモリセルの構成等が変化し、メモリブロックMBやデータドライバブロックDBのD2方向での幅やD1方向での長さが変化すると、その影響が他の回路ブロックにも及んでしまい、設計が非効率化する。
これに対して図21(B)では、データドライバブロックDBとメモリブロックMBがD1方向に沿って配置されるため、D2方向での集積回路装置の幅Wを小さくでき、図2(B)に示すようなスリムな細長チップを実現できる。また表示パネルの画素数等が変化した場合には、メモリブロックを分割することなどで、これに対応できるため、設計を効率化できる。
また図1(A)の比較例では、ワード線WLが長辺方向であるD1方向に沿って配置されるため、ワード線WLでの信号遅延が大きくなり、画像データの読み出し速度が遅くなる。特にメモリセルに接続されるワード線WLはポリシリコン層により形成されるため、この信号遅延の問題は深刻である。この場合、この信号遅延を低減するために、メモリセルアレイ間にバッファ回路を設ける手法もある。しかしながら、この手法を採用するとその分だけ回路規模が大きくなり、コスト増を招く。
これに対して図21(B)では、メモリブロックMB内において、ワード線WLは短辺方向であるD2方向に沿って配線され、ビット線BLは長辺方向であるD1方向に沿って配置される。また本実施形態ではD2方向での集積回路装置の幅Wは短い。従ってメモリブロックMB内でのワード線WLの長さを短くでき、WLでの信号遅延を図1(A)の比較例に比べて格段に小さくできる。またメモリセルアレイ間にバッファ回路を設けなくても済むため、回路面積も小さくできる。また図1(A)の比較例では、ホストからメモリの一部のアクセス領域にアクセスされた時においても、D1方向に長く寄生容量の大きいワード線WLが選択されてしまうため、消費電力が大きくなる。これに対して本実施形態のようにD1方向にメモリをブロック分割する手法を採用すれば、ホストアクセス時に、アクセス領域に対応するメモリブロックのワード線WLだけが選択されるようになるため、低消費電力化を実現できる。なお図21(B)のWLは、メモリブロックMBのメモリセル(転送トランジスタ)に接続されるワード線である。一方、図21(B)のBLは、メモリブロックMBに記憶される画像データがデータドライバブロックDBに対して出力されるビット線である。
5.メモリブロック、データドライバブロックの詳細
5.1 ブロック分割
図22(A)に示すように表示パネルが、垂直走査方向(データ線方向)での画素数がVPN=320であり、水平走査方向(走査線方向)での画素数がHPN=240であるQVGAのパネルであったとする。また1画素分の画像(表示)データのビット数PDBが、R、G、Bの各々が6ビットであり、PDB=18ビットであったとする。この場合には、表示パネルの1フレーム分の表示に必要な画像データのビット数は、VPN×HPN×PDB=320×240×18ビットになる。従って集積回路装置のメモリは、少なくとも320×240×18ビット分の画像データを記憶することになる。またデータドライバは、1水平走査期間毎(1本の走査線が走査される期間毎)に、HPN=240本分のデータ信号(240×18ビット分の画像データに対応するデータ信号)を表示パネルに対して出力する。
そして図22(B)では、データドライバは、DBN=4個のデータドライバブロックDB1〜DB4に分割される。またメモリも、MBN=DBN=4個のメモリブロックMB1〜MB4に分割される。従って、各データドライバブロックDB1〜DB4は、1水平走査期間毎にHPN/DBN=240/4=60本分のデータ信号を表示パネルに出力する。また各メモリブロックMB1〜MB4は、(VPN×HPN×PDB)/MBN=(320×240×18)/4ビット分の画像データを記憶する。なお図22(B)では、メモリブロックMB1とMB2でカラムアドレスデコーダCD12を共用し、メモリブロックMB3とMB4でカラムアドレスデコーダCD34を共用している。
5.2 1水平走査期間に複数回読み出し
図22(B)では、各データドライバブロックDB1〜DB4は、1水平走査期間に60本分のデータ信号を出力する。従ってDB1〜DB4に対応するメモリブロックMB1〜MB4からは、1水平走査期間毎に240本分のデータ信号に対応する画像データを読み出す必要がある。
しかしながら、1水平走査期間毎に読み出す画像データのビット数が増えると、D2方向に並ぶメモリセル(センスアンプ)の個数を多くする必要が生じる。この結果、集積回路装置のD2方向での幅Wが大きくなり、チップのスリム化が妨げられる。またワード線WLが長くなり、WLの信号遅延の問題も招く。
そこで本実施形態では、各メモリブロックMB1〜MB4から各データドライバブロックDB1〜DB4に対して、各メモリブロックMB1〜MB4に記憶される画像データを1水平走査期間において複数回(RN回)読み出す手法を採用している。
例えば図23ではA1、A2に示すように、1水平走査期間においてRN=2回だけメモリアクセス信号MACS(ワード選択信号)がアクティブ(ハイレベル)になる。これにより各メモリブロックから各データドライバブロックに対して画像データが1水平走査期間においてRN=2回読み出される。すると、データドライバブロック内に設けられた図24のデータドライバDRa、DRbが含むデータラッチ回路が、A3、A4に示すラッチ信号LATa、LATbに基づいて、読み出された画像データをラッチする。そしてDRa、DRbが含むD/A変換回路が、ラッチされた画像データのD/A変換を行い、DRa、DRbが含む出力回路が、D/A変換により得られたデータ信号DATAa、DATAbをA5、A6に示すようにデータ信号出力線に出力する。その後、A7に示すように、表示パネルの各画素のTFTのゲートに入力される走査信号SCSELがアクティブになり、データ信号が表示パネルの各画素に入力されて保持される。
なお図23では第1の水平走査期間で画像データを2回読み出し、同じ第1の水平走査期間においてデータ信号DATAa、DATAbをデータ信号出力線に出力している。しかしながら、第1の水平走査期間で画像データを2回読み出してラッチしておき、次の第2の水平走査期間で、ラッチされた画像データに対応するデータ信号DATAa、DATAbをデータ信号出力線に出力してもよい。また図23では、読み出し回数RN=2である場合を示しているが、RN≧3であってもよい。
図23の手法によれば、図24に示すように、各メモリブロックから30本分のデータ信号に対応する画像データが読み出され、各データドライバDRa、DRbが30本分のデータ信号を出力する。これにより各データドライバブロックからは60本分のデータ信号が出力される。このように図23では、各メモリブロックからは、1回の読み出しにおいて30本分のデータ信号に対応する画像データを読み出せば済むようになる。従って1水平走査期間に1回だけ読み出す手法に比べて、図24のD2方向でのメモリセル、センスアンプの個数を少なくすることが可能になる。この結果、集積回路装置のD2方向での幅を小さくでき、図2(B)に示すような超スリムな細長チップの実現が可能になる。特に1水平走査期間の長さは、QVGAの場合は52μsec程度である。一方、メモリの読み出し時間は例えば40nsec程度であり、52μsecに比べて十分に短い。従って、1水平走査期間での読み出し回数を1回から複数回に増やしたとしても、表示特性に与える影響はそれほど大きくない。
また図22(A)はQVGA(320×240)の表示パネルであるが、1水平走査期間での読み出し回数を例えばRN=4にすれば、VGA(640×480)の表示パネルに対応することも可能になり、設計の自由度を増すことができる。
なお1水平走査期間での複数回読み出しは、各メモリブロック内で異なる複数のワード線をローアドレスデコーダ(ワード線選択回路)が1水平走査期間において選択する第1の手法で実現してもよいし、各メモリブロック内で同じワード線をローアドレスデコーダ(ワード線選択回路)が1水平走査期間において複数回選択する第2の手法で実現してもよい。或いは第1、第2の手法の両方の組み合わせにより実現してもよい。
5.3 データドライバ、ドライバセルの配置
図24にデータドライバと、データドライバが含むドライバセルの配置例を示す。図24に示すように、データドライバブロックは、D1方向に沿って並んで配置される複数のデータドライバDRa、DRb(第1〜第mのデータドライバ)を含む。また各データドライバDRa、DRbは、複数の30個(広義にはQ個)のドライバセルDRC1〜DRC30を含む。
データドライバDRaは、メモリブロックのワード線WL1aが選択され、図23のA1に示すように1回目の画像データがメモリブロックから読み出されると、A3に示すラッチ信号LATaに基づいて、読み出された画像データをラッチする。そしてラッチされた画像データのD/A変換を行い、1回目の読み出し画像データに対応するデータ信号DATAaを、A5に示すようにデータ信号出力線に出力する。
一方、データドライバDRbは、メモリブロックのワード線WL1bが選択され、図23のA2に示すように2回目の画像データがメモリブロックから読み出されると、A4に示すラッチ信号LATbに基づいて、読み出された画像データをラッチする。そしてラッチされた画像データのD/A変換を行い、2回目の読み出し画像データに対応するデータ信号DATAbを、A6に示すようにデータ信号出力線に出力する。
このようにして、各データドライバDRa、DRbが30個の画素に対応する30本分のデータ信号を出力することで、合計で60個の画素に対応する60本分のデータ信号が出力されるようになる。
図24のように、複数のデータドライバDRa、DRbをD1方向に沿って配置(スタック)するようにすれば、データドライバの規模の大きさが原因になって集積回路装置のD2方向での幅Wが大きくなってしまう事態を防止できる。またデータドライバは、表示パネルのタイプに応じて種々の構成が採用される。この場合にも、複数のデータドライバをD1方向に沿って配置する手法によれば、種々の構成のデータドライバを効率良くレイアウトすることが可能になる。なお図24ではD1方向でのデータドライバの配置数が2個である場合を示しているが、配置数は3個以上でもよい。
また図24では、各データドライバDRa、DRbは、D2方向に沿って並んで配置される30個(Q個)のドライバセルDRC1〜DRC30を含む。ここでドライバセルDRC1〜DRC30の各々は、1画素分の画像データを受ける。そして1画素分の画像データのD/A変換を行い、1画素分の画像データに対応するデータ信号を出力する。このドライバセルDRC1〜DRC30の各々は、データラッチ回路や、図10(A)のDAC(1画素分のDAC)や、図10(B)(C)の出力部SQを含むことができる。
そして図24において、表示パネルの水平走査方向の画素数(複数の集積回路装置により分担して表示パネルのデータ線を駆動する場合には、各集積回路装置が受け持つ水平走査方向の画素数)HPNとし、データドライバブロックのブロック数(ブロック分割数)をDBNとし、ドライバセルに対して1水平走査期間に入力される画像データの入力回数をINとしたとする。なおINは、図23で説明した1水平走査期間での画像データの読み出し回数RNと等しくなる。この場合に、D2方向に沿って並ぶドライバセルDRC1〜DRC30の個数Qは、Q=HPN/(DBN×IN)と表すことができる。図24の場合には、HPN=240、DBN=4、IN=2であるため、Q=240/(4×2)=30個になる。
なおドライバセルDRC1〜DR30のD2方向での幅(ピッチ)をWDとした場合に、第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNのD2方向での幅WB(最大幅)は、Q×WD≦WB<(Q+1)×WDと表すことができる。またメモリブロックが含む周辺回路部分(ローアドレスデコーダRD、配線領域等)のD2方向での幅をWPCとした場合には、Q×WD≦WB<(Q+1)×WD+WPCと表すことができる。
また表示パネルの水平走査方向の画素数をHPNとし、1画素分の画像データのビット数をPDBとし、メモリブロックのブロック数をMBN(=DBN)とし、1水平走査期間においてメモリブロックから読み出される画像データの読み出し回数をRNとしたとする。この場合に、センスアンプブロックSABにおいてD2方向に沿って並ぶセンスアンプ(1ビット分の画像データを出力するセンスアンプ)の個数Pは、P=(HPN×PDB)/(MBN×RN)と表すことができる。図24の場合には、HPN=240、PDB=18、MBN=4、RN=2であるため、P=(240×18)/(4×2)=540個になる。なお個数Pは、有効メモリセル数に対応する有効センスアンプ数であり、ダミーメモリセル用のセンスアンプ等の有効ではないセンスアンプの個数は含まない。
またセンスアンプブロックSABが含む各センスアンプのD2方向での幅(ピッチ)をWSとした場合には、センスアンプブロックSAB(メモリブロック)のD2方向での幅WSABは、WSAB=P×WSと表すことができる。そして、回路ブロックCB1〜CBNのD2方向での幅WB(最大幅)は、メモリブロックが含む周辺回路部分のD2方向での幅をWPCとした場合には、P×WS≦WB<(P+PDB)×WS+WPCと表すこともできる。
5.4 メモリセル
図25(A)にメモリブロックが含むメモリセル(SRAM)の構成例を示す。このメモリセルは、転送トランジスタTRA1、TRA2と、負荷トランジスタTRA3、TRA4と、駆動トランジスタTRA5、TRA6を含む。ワード線WLがアクティブになると、転送トランジスタTRA1、TRA2がオンになり、ノードNA1、NA2への画像データの書き込みや、ノードNA1、NA2からの画像データの読み出しが可能になる。また書き込まれた画像データは、トランジスタTRA3〜TRA6により構成されるフリップフロップ回路によりノードNA1、NA2に保持される。なお本実施形態のメモリセルは図25(A)の構成に限定されず、例えば負荷トランジスタTRA3、TRA4として抵抗素子を使用したり、他のトランジスタを追加するなどの変形実施が可能である。
図25(B)(C)にメモリセルのレイアウト例を示す。図25(B)は横型セルのレイアウト例であり、図25(C)は縦型セルのレイアウト例である。ここで横型セルは図25(B)に示すように、各メモリセル内においてワード線WLの方がビット線BL、XBLよりも長いセルである。一方、縦型セルは図25(C)に示すように、各メモリセル内においてビット線BL、XBLの方がワード線WLよりも長いセルである。なお図25(C)のWLは、ポリシリコン層で形成され転送トランジスタTRA1、TRA2に接続されるローカルなワード線であるが、WLの信号遅延防止、電位安定化のためのメタル層のワード線を更に設けてもよい。
図26に、メモリセルとして図25(B)に示す横型セルを用いた場合のメモリブロック、ドライバセルの配置例を示す。なお図26は、ドライバセル、メモリブロックのうち1画素に対応する部分を詳細に示している。
図26に示すように1画素分の画像データを受けるドライバセルDRCは、R(赤)用、G(緑)用、B(青)用のデータラッチ回路DLATR、DLATG、DLATBを含む。各データラッチ回路DLATR、DLATG、DLATBはラッチ信号LAT(LATa、LATb)がアクティブになると画像データをラッチする。またドライバセルDRCは、図10(A)で説明したR用、G用、B用のDACR、DACG、DACBを含む。また図10(B)(C)で説明した出力部SQを含む。
センスアンプブロックSABのうち1画素に対応する部分は、R用のセンスアンプSAR0〜SAR5と、G用のセンスアンプSAG0〜SAG5と、B用のセンスアンプSAB0〜SAB5を含む。そしてセンスアンプSAR0のD1方向側にD1方向に沿って並ぶメモリセルMCのビット線BL、XBLは、SAR0に接続される。またセンスアンプSAR1のD1方向側にD1方向に沿って並ぶメモリセルMCのビット線BL、XBLは、SAR1に接続される。他のセンスアンプとメモリセルの関係についても同様である。
ワード線WL1aが選択されると、WL1aに転送トランジスタのゲートが接続されるメモリセルMCからビット線BL、XBLに対して、画像データが読み出され、センスアンプSAR0〜SAR5、SAG0〜SAG5、SAB0〜SAB5が信号の増幅動作を行う。そしてDLATRが、SAR0〜SAR5からの6ビットのR用の画像データD0R〜D5Rをラッチし、DACRが、ラッチされた画像データのD/A変換を行い、出力部SQがデータ信号DATARを出力する。またDLATGが、SAG0〜SAG5からの6ビットのG用の画像データD0G〜D5Gをラッチし、DACGが、ラッチされた画像データのD/A変換を行い、出力部SQがデータ信号DATAGを出力する。またDLATBが、SAB0〜SAB5からの6ビットのB用の画像データD0B〜D5Bをラッチし、DACBが、ラッチされた画像データのD/A変換を行い、出力部SQがデータ信号DATABを出力する。
そして図26の構成の場合には、図23に示す1水平走査期間での画像データの複数回読み出しは、次のようにして実現できる。即ち第1の水平走査期間(第1の走査線の選択期間)においては、まずワード線WL1aを選択して画像データの1回目の読み出しを行い、図23のA5に示すように1回目のデータ信号DATAaを出力する。次に、同じ第1の水平走査期間においてワード線WL1bを選択して画像データの2回目の読み出しを行い、図23のA6に示すように2回目のデータ信号DATAbを出力する。また次の第2の水平走査期間(第2の走査線の選択期間)においては、まずワード線WL2aを選択して画像データの1回目の読み出しを行い、1回目のデータ信号DATAaを出力する。次に、同じ第2の水平走査期間においてワード線WL2bを選択して画像データの2回目の読み出しを行い、2回目のデータ信号DATAbを出力する。このように横型セルを用いる場合には、メモリブロック内において異なる複数のワード線(WL1a、WL1b)を1水平走査期間において選択することで、1水平走査期間での複数回読み出しを実現できる。
図27に、メモリセルとして図25(C)に示す縦型セルを用いた場合のメモリブロック、ドライバセルの配置例を示す。縦型セルでは、D2方向での幅を横型セルに比べて短くできる。従ってD2方向でのメモリセルの個数を横型セルに比べて2倍にすることができる。そして縦型セルでは、カラム選択信号COLa、COLbを用いて、各センスアンプに接続するメモリセルの列を切り替える。
例えば図27において、カラム選択信号COLaがアクティブになると、センスアンプSAR0〜SAR5のD1方向側にあるメモリセルMCのうち、カラムCa側のメモリセルMCが選択されて、センスアンプSAR0〜SAR5に接続される。そしてこれらの選択されたメモリセルMCに記憶された画像データの信号が増幅されて、D0R〜D5Rとして出力される。一方、カラム選択信号COLbがアクティブになると、センスアンプSAR0〜SAR5のD1方向側にあるメモリセルMCのうち、カラムCb側のメモリセルMCが選択されて、センスアンプSAR0〜SAR5に接続される。そしてこれらの選択されたメモリセルMCに記憶された画像データの信号が増幅されて、D0R〜D5Rとして出力される。他のセンスアンプに接続されるメモリセルの画像データの読み出しも同様である。
そして図27の構成の場合には、図23に示す1水平走査期間での画像データの複数回読み出しは、次のようにして実現できる。即ち第1の水平走査期間においては、まずワード線WL1を選択し、カラム選択信号COLaをアクティブにして、画像データの1回目の読み出しを行い、図23のA5に示すように1回目のデータ信号DATAaを出力する。次に、同じ第1の水平走査期間において同じワード線WL1を選択し、カラム選択信号COLbをアクティブにして、画像データの2回目の読み出しを行い、図23のA6に示すように2回目のデータ信号DATAbを出力する。また次の第2の水平走査期間においては、ワード線WL2を選択し、カラム選択信号COLaをアクティブにして、画像データの1回目の読み出しを行い、1回目のデータ信号DATAaを出力する。次に、同じ第2の水平走査期間において同じワード線WL2を選択し、カラム選択信号COLbをアクティブにして、画像データの2回目の読み出しを行い、2回目のデータ信号DATAbを出力する。このように縦型セルの場合には、メモリブロック内において同じワード線を1水平走査期間において複数回選択することで、1水平走査期間での複数回読み出しを実現できる。
なおドライバセルDRCの構成、配置は図26、図27に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば低温ポリシリコンTFT用の表示ドライバ等で、図10(C)のようにR用、G用、B用のデータ信号をマルチプレクスして表示パネルに送る場合には、1つの共用のDACを用いて、R用、G用、B用の画像データ(1画素分の画像データ)のD/A変換を行うことができる。従ってこの場合には、ドライバセルDRCは、図10(A)の構成の共用のDACを1つ含めばよい。また図26、図27では、R用の回路(DLATR、DACR)、G用の回路(DLATG、DACG)、B用の回路(DLATB、DACB)が、D2(D4)方向に沿って配置されている。しかしながら、R用、G用、B用の回路を、D1(D3)方向に沿って配置するようにしてもよい。
5.5 階調電圧出力線の配線、ビット線のシールド
図28(A)に示すように本実施形態では、階調電圧生成回路ブロックGBからの階調電圧が出力される階調電圧出力線が、回路ブロックCB1〜CBN上でD1方向に沿って配線される。具体的には、この階調電圧出力線は、回路ブロック内のローカル線よりも上層のグローバル線GLで形成される。
即ち図28(A)に示すように、階調電圧生成回路ブロックGBからの階調電圧は、D1方向に沿って並ぶデータドライバブロックDB1〜DB4に対して供給する必要がある。そして階調電圧出力線をI/F領域12、14上に配線すると、これらのI/F領域12、14において、他の信号線や電源線をグローバル線で配線することが難しくなる。従って、I/F領域12、14での配線効率が低下し、I/F領域12、14のD2方向での幅を広くしなければならなくなる事態が生じる。特に出力側I/F領域12では、データドライバブロックからの多数のデータ信号出力線や走査ドライバブロックからの多数の走査信号出力線を配線する必要があるため、階調電圧出力線を出力側I/F領域12上に配線することは望ましくない。
この点、図28(A)では、階調電圧生成回路ブロックGBからの階調電圧出力線が回路ブロックCB1〜CBN上でD1方向に沿って配線される。従って、I/F領域12、14のグローバル線を、階調電圧出力線以外の信号線や電源線の配線に使用でき、配線効率を向上できる。
しかしながら、階調電圧出力線などのグローバル線GLを、メモリブロックMB1〜MB4上に配線すると、次のような問題が生じるおそれがある。例えば図28(B)では、ワード線WLがアクティブになり、ビット線BLの電圧レベルの方がビット線XBLの電圧レベルよりも高くなることで、センスアンプの出力SAQが、正常な論理「1」を出力している。
これに対して図28(C)では、グローバル線GLの電圧レベルが変化することで、GLとその下層のビット線XBLとの間のカップリング容量によりXBLの電圧レベルが変化してしまう。これによりセンスアンプの出力SAQが、異常な論理「0」を出力するおそれがある。
そこで本実施形態では、図28(A)のメモリブロックMB1〜MB4において、ビット線の上層にシールド線を配線し、シールド線の上層に、階調電圧生成回路ブロックGBからの階調電圧出力線を配線している。
例えば図29(A)に横型セルの場合のシールド線SDLの配線例を示す。図29(A)では、最下層の第1の金属配線ME1はノード接続に使用され、その上層の第2の金属配線ME2は、ビット線BL、XBLと、VDD(広義には第2の電源)の電源線に使用される。また第3の金属配線ME3は、ワード線WLと、VSS(広義には第1の電源)の電源線に使用され、第4の金属配線ME4は、VSSに接続されるシールド線SDLに使用される。また最上層の第5の金属配線ME5は、階調電圧出力線などのグローバル線GLに使用される。
また図29(B)に縦型セルの場合のシールド線SDLの配線例を示す。図29(B)では、金属配線ME1はノード接続に使用され、金属配線ME2はワード線WLとVDD電源線に使用される。また金属配線ME3は、ビット線BL、XBLとVSS電源線に使用され、金属配線ME4は、シールド線SDLに使用される。また金属配線ME5は、階調電圧出力線などのグローバル線GLに使用される。
そして図29(A)(B)では共に、ビット線BL、XBLがD1方向(集積回路装置の長辺方向)に沿って配線され、シールド線SDLがビット線BL、XBLにオーバラップするようにD1方向に配線される。即ちシールド線SDLがビット線BL、XBLを覆うようにBL、XBLの上層に形成される。
このようにすれば、階調電圧出力線などのグローバル線GLの電圧レベルの変化がカップリング容量によりビット線BL、XBLに伝わるのをシールドできる。従って、図28(C)に示すようにビット線BL、XBLの電圧レベルが変化してセンスアンプが誤出力してしまう事態を効果的に防止できる。
なお図29(A)(B)に示すようにシールド線SDLを各メモリセルに配線すれば、シールド線SDLがベタ配線にならず、シールド線間にスリットが形成されるようになる。このようなスリットが形成されることで、金属層と絶縁膜の間の脱ガスが可能になり、信頼性や歩留まりの向上を図れる。
また図29(B)では、隣り合うシールド線SDLの間のスリットの場所に、VSS電源線が配線される。このようにすれば、上方向のシールドはシールド線SDLにより実現し、横方向のシールドはVSS電源線により実現できるようになり、効果的なシールドが可能になる。
6.電子機器
図30(A)(B)に本実施形態の集積回路装置10を含む電子機器(電気光学装置)の例を示す。なお電子機器は図30(A)(B)に示されるもの以外の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を含んでもよい。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
図30(A)(B)においてホストデバイス410は、例えばMPU(Micro Processor Unit)、ベースバンドエンジン(ベースバンドプロセッサ)などである。このホストデバイス410は、表示ドライバである集積回路装置10の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図30(B)の画像処理コントローラ(表示コントローラ)420は、ホストデバイス410に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
表示パネル400は、複数のデータ線(ソース線)と、複数の走査線(ゲート線)と、データ線及び走査線により特定される複数の画素を有する。そして、各画素領域における電気光学素子(狭義には、液晶素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。この表示パネル400は、TFT、TFDなどのスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお表示パネル400は、アクティブマトリクス方式以外のパネルであってもよいし、液晶パネル以外のパネルであってもよい。
図30(A)の場合には、集積回路装置10としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には集積回路装置10は、ホストデバイス410からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、表示パネルを駆動する。一方、図30(B)の場合には、集積回路装置10としてメモリ非内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストデバイス410からの画像データは、画像処理コントローラ420の内蔵メモリに書き込まれる。そして集積回路装置10は、画像処理コントローラ420の制御の下で、表示パネル400を駆動する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(第1のインターフェース領域、第2のインターフェース領域等)と共に記載された用語(出力側I/F領域、入力側I/F領域等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また集積回路装置や電子機器の構成、配置、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。