JP2007042393A - 非水電解質電池および負極活物質 - Google Patents

非水電解質電池および負極活物質 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、大電流特性に優れた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の非水電解質電池は、容器と、容器内に収納された正極と、容器内に収納され、炭素質物と、炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、シリコン酸化物中に分散されNiもしくはCuを含む金属相と、を有する複合体粒子を備える負極と、容器内に充填された非水電解質と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン非水電解質電池および負極活物質に係わる。
本発明者らは鋭意実験を重ねた結果、微細な一酸化珪素と炭素質物とを複合化し焼成した活物質において、微結晶SiがSiと強固に結合するシリコン酸化物相に包含または保持された状態で炭素質物中に分散した活物質を得られ、高容量化およびサイクル特性の向上を達成できることを見出し、特許文献1に開示した。
この活物質では、主としてリチウム吸蔵を行うシリコンが電子導電性の低いシリコン酸化物相に包含されている。このため、充電・放電時における大電流特性が従来の黒鉛負極材料に比較して低い。すなわち、大電流での放電においては過電圧による電圧の低下でエネルギー密度が低下し、また、充電時においては充電電流を大きくできないため時間がかかるという問題があった。
ここで、シリコン酸化物およびシリコンを含み、その表面に炭素、金属等の電子導電性材料を備えた負極活物質が知られている(特許文献2参照。)。
特開2004-119176公報 特開2004-71542公報
本発明は、上記事情に鑑みて、大電流特性に優れた非水電解質電池および負極活物質を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質電池は、容器と、容器内に収納された正極と、容器内に収納され、炭素質物と、炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、シリコン酸化物中に分散されNiもしくはCuを含む金属相と、を有する複合体粒子を備える負極と、容器内に充填された非水電解質と、を具備することを特徴とする。
本発明の負極活物質は、炭素質物と、炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、シリコン酸化物中に分散されNiもしくはCuを含む金属相を有することを特徴とする。
本発明は、大電流特性に優れた非水電解質電池および負極活物質を提供できる。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第一の実施の形態)
第一の実施の形態に係る電池単体の一例について、図1、図2を参照してその構造を説明する。図1に、第一の実施の形態に係わる扁平型非水電解質二次電池の断面模式図を示す。図2は、図1のAで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図を示す。
図1に示すように、外装部材7には、扁平状の捲回電極群6が収納されている。捲回電極群6は、正極3と負極4をその間にセパレータ5を介在させて渦巻状に捲回された構造を有する。非水電解質は、捲回電極群6に保持されている。
図2に示すように、捲回電極群6の最外周には負極4が位置しており、この負極4の内周側にセパレータ5、正極3、セパレータ5、負極4、セパレータ5、正極3、セパレータ5というように正極3と負極4がセパレータ5を介して交互に積層されている。負極4は、負極集電体4aと、負極集電体4aに担持された負極活物質含有層4bとを備えるものである。負極4の最外周に位置する部分では、負極集電体4aの片面のみに負極活物質含有層4bが形成されている。正極3は、正極集電体3aと、正極集電体3aに担持された正極活物質含有層3bとを備えるものである。
図1に示すように、帯状の正極端子1は、捲回電極群6の外周端近傍の正極集電体3aに電気的に接続されている。一方、帯状の負極端子2は、捲回電極群6の外周端近傍の負極集電体4aに電気的に接続されている。正極端子1及び負極端子2の先端は、外装部材7の同じ辺から外部に引き出されている。
以下、負極、非水電解質、正極、セパレータ、外装部材、正極端子、負極端子について詳細に説明する。
1)負極
負極は、負極集電体と、負極集電体の片面若しくは両面に担持され、負極活物質、負極導電剤および結着剤を含む負極層とを有する。
図7に示すように、負極活物質は、炭素質物と、炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、シリコン酸化物中に分散されたNiもしくはCuを含む金属相と、を有する複合体粒子であることを特徴とする。なお、「分散」とは、母構造の中に複数の相が点在している状態を示す。
シリコン相は、多量のリチウムを挿入脱離することができ、負極活物質の容量を大きく増進させる。シリコン酸化物相の中にシリコン相が分散されていることにより、リチウムの挿入脱離に伴うシリコン相の膨張収縮を緩和して、活物質粒子の微粉化を防ぐことができる。シリコン酸化物相は、シリコン相と強固に結合し、微細化されたシリコン相を保持するバッファーとして粒子構造を維持できる。炭素質物相は、負極活物質として重要な導電性を確保することができる。
金属相は、主としてシリコン酸化物相中に分散される。このため、絶縁体であるシリコン酸化物内において、シリコン相への電子の導電経路ができ、電子導電性を向上し、非水電解質電池の大電流特性を向上できる。
また、副次的効果として、金属相がシリコン酸化物相に分散すると、後述するSiO→Si+SiO2の反応の触媒効果が顕著となる。この結果、未反応のSiOが減り、サイクル特性が向上する。
金属相は、NiもしくはCuを含むことを特徴とする。NiおよびCuは、単体金属でもよいし、これらの元素を含み、リチウムと合金を形成しない合金であってもよい。このようなNi合金としては、Ni−Al−Ti合金、Ni−Cu−Fe合金、Ni−Cr−Mo−W合金等が挙げられる。このようなCu合金としては、Cu−Zn合金(黄銅)、Cu−Si−Zn合金(シルジン青銅)、Cu−Ni合金、Cu−Ni−Zn合金(白銅)等が挙げられる。
なお、これらの金属は、リチウムと合金を形成しないものであるため、充放電のサイクルを繰り返してもこの効果が失われることはない。
金属相は、Niを含むことが好ましい。NiはCuに比して、後述するSiO→Si+SiO2の反応の触媒としての効果が高いためである。
金属相は、前記複合体粒子に対し0.05wt%以上8.03wt%以下の含有量であると好ましい。
この範囲より少ないと導電性向上の効果が十分でなく、多すぎると複合体の重量あたりの容量が低下する。
また、金属相の含有量は、前記複合体粒子に対し2.05wt%以上8.03wt%以下であると特に好ましい。この範囲では特に導電性の改善による大電流特性向上の効果が大きく、かつ重量あたりの容量が大きい。
金属相は、複合体粒子の粉末X線回折測定から得られた回折パターン中に現れる該金属の回折ピークにより確認することができる。また、分散状態(サイズ、位置)は電子顕微鏡観察、エネルギー分散型けい光X線分析(EDX)、エネルギー分散型X線分光法(EDS)、電子線エネルギー損失スペクトル法(EELS)、 オージェ分光分析により直接観察することが可能である。
シリコン相は、リチウムを吸蔵放出する際の膨張収縮が大きく、この応力を緩和するためにできるだけ微細化されて分散されていることが好ましい。具体的には数nmのクラスターから、大きくても300nm以下のサイズで分散されていることが好ましい。
シリコン酸化物相は、非晶質、結晶質などの構造が採用できるが、シリコン相に結合しこれを包含または保持する形で活物質粒子中に偏りなく分散されていることが好ましい。
シリコン酸化物相のサイズは、50nm以上、5μm以下であることが好ましい。シリコン酸化物相はシリコン微粒子相を保持するが、SiO2は電子導電性が低いためシリコン酸化物相のサイズが大きくなると内部のシリコン微粒子相までの電子導電性を確保しづらくなる。その結果、容量が低下してしまう。さらに、酸化物相のサイズが大きいと、金属相の均一な分散が難しくなり添加の効果が低下する。また、小さすぎた場合にはシリコン相を保持する効果が低下し、その結果サイクル特性が低下してしまう。
炭素質物は、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン、アモルファス炭素またはアセチレンブラックが好ましい。好ましくは、グラファイト、あるいはグラファイトとハードカーボンの混合物が良い。グラファイトは、活物質の導電性を高める点で好ましい。ハードカーボンは、活物質全体を被覆し膨張収縮を緩和する効果が大きい。炭素質物はシリコン相、シリコン酸化物相を内包する形状となっていることが好ましい。
負極活物質の粒径は5μm以上100μm以下あるいは比表面積は0.5m2/g以上10m2/g以下であることが好ましい。活物質の粒径および比表面積はリチウムの挿入脱離反応の速度に影響し、負極特性に大きな影響をもつが、この範囲の値であれば安定して特性を発揮することができる。
さらに、粒径が5μm以上25μm以下あるいは比表面積は1.5m2/g以上10m2/g以下であると、シリコン酸化物相内の電子伝導およびリチウムの拡散が、大電流で充放電を行う際のリチウム挿入脱離反応の律速になる。このため、この範囲であると、特に本発明の効果が大きい。
また、負極活物質の粉末X線回折測定におけるSi(220)面の回折ピークの半値幅は、1.5°以上、2.8°以下であることが好ましい。1.5°以上であると、結晶粒が大であるほど顕著になる活物質の膨張収縮を回避しやすい。2.8°より大であると、シリコン相の生成が十分でなく残留しているSiOによりサイクル劣化が大きくなる。金属相はシリコン相の析出を促進するため、残留SiOの低減に効果がある。
シリコン相、シリコン酸化物相、炭素質物の比率は、SiとCのモル比が0.2≦Si/C≦2の範囲であることが好ましい。シリコン相とシリコン酸化物相の量的関係はモル比が0.6≦シリコン相/シリコン酸化物≦1.5であることが、負極活物質として大きな容量と良好なサイクル特性を得ることができるため望ましい。
次に、負極活物質の製造方法について説明する。
負極活物質は、原料を固相あるいは液相における力学的処理、攪拌処理等により混合し、その後焼成処理を経て合成することができる。
力学的な複合化処理としては、例えば、ターボミル、ボールミル、メカノフュージョン、ディスクミルなどを挙げることが出来る。
Si原料はSiOX(0.8≦X≦1.5)を用いることが好ましい。特にSiO(X ≒1)を用いることが、シリコン相とシリコン酸化物 相の量的関係を好ましい比率とする上で望ましい。
また、SiOXの形状は塊状でも良いが、処理時間短縮のため細かい粉末であること好ましく、粒径は平均して100μm以下 0.5μm以上であることが好ましい。平均粒径が100μmを超えると、粒子中心部ではシリコン相を絶縁体のシリコン酸化物 相が厚く覆うこととなり、活物質のリチウム挿入脱離反応が阻害される恐れがある。一方、平均粒径を0.5μm未満にすると、表面積が大きくなるため、粒子表面がシリコン酸化物 になって組成が不安定となる可能性がある。
有機材料としては、グラファイト、コークス、低温焼成炭、ピッチなどの炭素材料および炭素材料前駆体のうち少なくとも一方を用いることが出来る。特に、ピッチなど加熱により溶融するものはミル処理中に溶融して複合化が良好に進まないため、コークス・グラファイトなど溶融しないものと混合して使用すると良い。
分散する金属の原料としては、金属の粉体の他に、酸化ニッケル、酸化銅などの化合物を用いることができる。化合物を用いる際には、熱処理において炭素により還元あるいは自己分解反応により金属となる化合物を用いる。
複合化処理の運転条件は機器ごとにことなるが、十分に粉砕・複合化が進行するまで行なうことが好ましい。しかしながら、複合化の際に出力を上げすぎる、あるいは時間を掛けすぎるとSiとCが反応してLiの挿入反応に対し不活性なSiCが生成する。そのため、処理の条件は、粉砕・複合化が十分進行し、かつSiCの生成が起こらない適度な条件を定める必要がある。
また、金属およびシリケートはシリコン酸化物相の表面あるいは内部に形成されることが好ましいため、第一の複合化処理において、SiOXと金属の原料との複合化を行い、第二の複合化処理においてさらに炭素原料との複合化を行うこともできる。
次の工程として、複合化処理によって得られた粒子に炭素被覆を行う。被覆に用いる材料としては、ピッチ、樹脂、ポリマーなど不活性雰囲気下で加熱されて炭素質物となるものを用いることが出来る。具体的には石油ピッチ、メソフェーズピッチ、フラン樹脂、セルロース、ゴム類など1200℃程度の焼成でよく炭化されるものが好ましい。これは焼成処理の項で後述するが、1400℃より高い温度では焼成を行うことができないためである。被覆方法は、モノマー中に複合体粒子を分散した状態で重合し固化したものを炭化焼成に供する。または、ポリマーを溶媒中に溶解し、複合体粒子を分散したのち溶媒を蒸散し得られた固形物を炭化焼成に供する。また、炭素被覆に用いる別の方法としてCVDによる炭素被覆を行うこともできる。この方法は800〜1000℃に加熱した試料上に不活性ガスをキャリアガスとして気体炭素源を流し、試料表面上で炭化させる方法である。この場合、炭素源としてはベンゼン、トルエン、スチレンなどを用いることができる。また、CVDによる炭素被覆を行った際、試料は800〜1000℃で加熱されるため、次に述べる焼成工程は必ずしも行わなくてもよい。
炭化焼成は、Ar中等の不活性雰囲気下にて行なわれる。炭化焼成においては、ポリマーまたはピッチが炭化されると共に、SiOxは不均化反応によりSiとSiO2の2相に分離する。x=1のとき反応は下の式(1)で表される。
2SiO → Si +SiO2 ・・・(1)
この不均化反応は800℃より高温で進行し、微小なシリコン相とSiO相に分離する。反応温度が上がるほどシリコン相の結晶は大きくなり、Si(220)のピークの半値幅は小さくなる。好ましい範囲の半値幅が得られる焼成温度は850℃〜1600℃の範囲である。また、不均化反応により生成したSiは1400℃より高い温度では炭素と反応してSiCに変化する。SiCはリチウムの挿入に対して全く不活性であるためSiCが生成すると活物質の容量は低下する。従って、炭化焼成の温度は850℃以上1400℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは900℃以上1100℃以下である。焼成時間は、1時間から12時間程度の間であることが好ましい。
以上のような合成方法により、負極活物質が得られる。炭化焼成後の生成物は各種ミル、粉砕装置、グラインダー等を用いて粒径、比表面積等を調製してもよい。
集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための負極導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
負極活物質と負極導電剤を結着させるための結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴム等が挙げられる。
負極活物質層の厚さは1.0〜150μmの範囲であることが望ましい。従って負極集電体の両面に担持されている場合は負極活物質層の合計の厚さは20〜300μmの範囲となる。片面の厚さのより好ましい範囲は30〜100μmである。この範囲であると大電流放電特性とサイクル寿命は大幅に向上する。
負極活物質、負極導電剤及び結着剤の配合比については、負極活物質は70重量%以上96重量%以下、負極導電剤は2重量%以上28重量%以下、結着剤は2重量%以上28重量%以下の範囲にすることが好ましい。負極導電剤量が2重量%未満であると、負極層の集電性能が低下し、非水電解質二次電池の大電流特性が低下する。また、結着剤量が2重量%未満であると、負極層と負極集電体の結着性が低下し、サイクル特性が低下する。一方、高容量化の観点から、負極導電剤及び結着剤は各々28重量%以下であることが好ましい。
負極集電体は、負極活物質のLi吸蔵放出電位にて電気化学的に安定である銅、ニッケルもしくはステンレスが好ましい。負極集電体の厚さは5〜20μmであることが望ましい。この範囲であると電極強度と軽量化のバランスがとれるからである。
負極は、例えば、負極活物質、負極導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁し作製したスラリーを、負極集電体に塗布し、乾燥し、負極層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。その他、負極活物質、負極導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、負極層として用いても良い。
2)非水電解質
非水電解質としては、電解質を有機溶媒に溶解することにより調整される液状非水電解質、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質等が挙げられる。
液状非水電解質は、電解質を0.5mol/l以上2.5mol/l以下の濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製される。
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミトリチウム[LiN(CFSO]等のリチウム塩、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPFが最も好ましい。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート等の環状カーボネートや、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネートや、テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)等の環状エーテルや、ジメトキシエタン(DME)、ジエトエタン(DEE)等の鎖状エーテルや、γ-ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)等の単独若しくは混合溶媒を挙げることができる。
高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
なお、非水電解質として、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、無機固体電解質等を用いてもよい。
常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンとアニオンの組合せからなる有機塩の内、常温(15℃〜25℃)で液体として存在しうる化合物を指す。常温溶融塩としては、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質と混合させることで液体となる常温溶融塩、有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩等が挙げられる。なお、一般に、非水電解質電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に、4級アンモニウム骨格を有する。
高分子固体電解質は、電解質を高分子材料に溶解し固体化し調製する。
無機固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する固体物質である。
3)正極
正極は、正極集電体と、正極集電体の片面若しくは両面に担持され、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を含む正極活物質含有層とを有する。
正極活物質としては、酸化物、硫化物、ポリマー等が挙げられる。
例えば、酸化物としては、Liを吸蔵した二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、及び、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnyCo1-yO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4等)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。
例えば、ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロール等の導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料等が挙げられる。その他に、イオウ(S)、フッ化カーボン等も使用できる。
高い正極電圧が得られる正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1-yO2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。なお、x、yは0〜1の範囲であることが好ましい。
特に、リチウムニッケル複合酸化物を含むことが好ましい。リチウムニッケル複合酸化物の初期効率は、負極活物質の初期効率に近いためである。
中でも、常温溶融塩を含む非水電解質を用いる際には、リチウムリン酸鉄、LixVPO4F、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物を用いることが、サイクル寿命の観点から好ましい。これは、上記正極活物質と常温溶融塩との反応性が少なくなるためである。
また、一次電池用の正極活物質には、例えば、二酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、硫化鉄、フッ化カーボンなどが挙げられる。
正極活物質の一次粒子径は、100nm以上1μm以下であると好ましい。100nm以上であると、工業生産上扱いやすい。1μm以下であると、リチウムイオンの固体内拡散をスムーズに進行させることができる。
正極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上10m2/g以下であることが好ましい。0.1m2/g以上であると、リチウムイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下であると、工業生産上扱いやすく、良好な充放電サイクル性能を確保できる。
集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための正極導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を挙げることができる。
正極活物質と正極導電剤を結着させるための結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム等が挙げられる。
正極活物質層の片面の厚さは1.0μm〜150μmの範囲であることが、電池の大電流放電特性とサイクル寿命の保持の点から望ましい。従って正極集電体の両面に担持されている場合は正極活物質層の合計の厚さは20μm〜300μmの範囲となることが望ましい。片面のより好ましい範囲は30μm〜120μmである。この範囲であると大電流放電特性とサイクル寿命は向上する。
正極活物質、正極導電剤及び結着剤の配合比については、正極活物質は80重量%以上95重量%以下、正極導電剤は3重量%以上18重量%以下、結着剤は2重量%以上17重量%以下の範囲にすることが好ましい。正極導電剤については、3重量%以上であることにより上述した効果を発揮することができ、18重量%以下であることにより、高温保存下での正極導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤については、2重量%以上であることにより十分な電極強度が得られ、17重量%以下であることにより、電極の絶縁体の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
正極は、例えば、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁し作製したスラリーを、正極集電体に塗布し、乾燥し、正極活物質含有層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。その他、正極活物質、正極導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、正極活物質含有層として用いても良い。
前記正極集電体は、アルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚さは、5μm以上20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1%以下にすることが好ましい。
4)セパレータ
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、またはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンからなる多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であり、安全性向上の観点から好ましい。
5)外装部材
外装部材としては、肉厚0.2mm以下のラミネートフィルムや、肉厚0.5mm以下の金属製容器が挙げられる。金属製容器の肉厚は、0.2mm以下であるとより好ましい。
形状としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型等が挙げられる。なお、無論、携帯用電子機器等に積載される小型電池の他、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池でも良い。
ラミネートフィルムは、金属層と金属層を被覆する樹脂層とからなる多層フィルムである。軽量化のために、金属層はアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、金属層を補強するためのものであり、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより成形する。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等が挙げられる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量は1%以下にすることが好ましい。これにより、高温環境下での長期信頼性、放熱性を飛躍的に向上させることが可能となる。
6)負極端子
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位にて電気化学的に安定であり、かつ導電性を備える材料から形成することができる。具体的には、銅、ニッケル、ステンレスが挙げられる。接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料が好ましい。
7)正極端子
正極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が3V以上5V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料から形成することができる。具体的には、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金、アルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料が好ましい。
第一の実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図1及び図2に示す構成のものに限らず、例えば、図3及び図4に示す構成にすることができる。図3は第一の実施形態に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図で、図4は図3のB部の拡大断面図である。
図3に示すように、ラミネートフィルム製の外装部材8内には、積層型電極群9が収納されている。積層型電極群9は、図4に示すように、正極3と負極4とをその間にセパレータ5を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極3は複数枚存在し、それぞれが正極集電体3aと、正極集電体3aの両面に担持された正極活物質含有層3bとを備える。負極4は複数枚存在し、それぞれが負極集電体4aと、負極集電体4aの両面に担持された負極活物質含有層4bとを備える。それぞれの負極4の負極集電体4aは、一辺が正極3から突出している。正極3から突出した負極集電体4aは、帯状の負極端子2に電気的に接続されている。帯状の負極端子2の先端は、外装部材8から外部に引き出されている。また、ここでは図示しないが、正極3の正極集電体3aは、負極集電体4aの突出辺と反対側に位置する辺が負極4から突出している。負極4から突出した正極集電体3aは、帯状の正極端子1に電気的に接続されている。帯状の正極端子1の先端は、負極端子2とは反対側に位置し、外装部材8の辺から外部に引き出されている。
(第二の実施の形態)
第二の実施の形態に係る電池パックは、第一の実施の形態に係る電池単体を複数有する。各々の電池単体は電気的に直列もしくは並列に配置され、組電池を為している。
電池単体には、図1または図3に示す扁平型電池を使用することができる。
図5の電池パックにおける電池単体21は、図1に示す扁平型非水電解質電池から構成されている。複数の電池単体21は、正極端子1と負極端子2が突出している向きを一つに揃えて厚さ方向に積層されている。図6に示すように、電池単体21は、直列に接続されて組電池22をなしている。組電池22は、図5に示すように、粘着テープ23によって一体化されている。
正極端子1および負極端子2が突出する側面に対しては、プリント配線基板24が配置されている。プリント配線基板24には、図6に示すように、サーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用の端子27が搭載されている。
図5及び図6に示すように、組電池22の正極側配線28は、プリント配線基板24の保護回路26の正極側コネクタ29に電気的に接続されている。組電池22の負極側配線30は、プリント配線基板24の保護回路26の負極側コネクタ31に電気的に接続されている。
サーミスタ25は、電池単体21の温度を検知するためのもので、検知信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路と外部機器への通電用端子との間のプラス側配線31a及びマイナス側配線31bを遮断できる。所定の条件とは、例えば、サーミスタの検出温度が所定温度以上になったとき、電池単体21の過充電、過放電、過電流等を検知したとき等である。この検知方法は、個々の電池単体21もしくは電池単体21全体について行われる。個々の電池単体21を検知する場合、電池電圧を検知してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検知してもよい。後者の場合、個々の電池単体21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図6の場合、電池単体21それぞれに電圧検知のための配線32を接続し、これら配線32を通して検知信号が保護回路26に送信される。
第2の実施形態の場合、電池電圧の検知による正極もしくは負極電位の制御に優れるため、保護回路が電池電圧のみを検知する場合に特に適合する。
組電池22について、正極端子1および負極端子2が突出する側面以外の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート33が配置される。正極端子1および負極端子2が突出する側面とプリント配線基板24との間には、ゴムもしくは樹脂からなるブロック状の保護ブロック34が配置される。
この組電池22は、各保護シート33、保護ブロック34およびプリント配線基板24と共に収納容器35に収納される。すなわち、収納容器35の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート33が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池22は、保護シート33及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。収納容器35の上面には、蓋36が取り付けられる。
なお、組電池22の固定には、粘着テープ23に代えて、熱収縮テープを用いても良い。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、該熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
なお、図5,6に示した電池単体21は直列に接続されているが、電池容量を増大させるためには並列に接続しても良い。無論、組み上がった電池パックを直列、並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。
第二の実施の形態の電池パックの用途としては、大電流特性が望まれるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、車載用が好適である。
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
遊星ボールミル(FRITSCH社製型番P−5)を用いて、次のような原料組成、ボールミル運転条件、焼成条件により合成を行なった。
ボールミルの際には容積が250mlのステンレス製容器と10mmφのボールを用いた。原料には平均粒径が45μmのSiO粉末を10gと、酸化ニッケル(NiO)を0.0.015gを用い、周波数150rpm、処理時間3hで混合した。さらに炭素材料として平均粒径が6μmの黒鉛粉末を10gを加え、120rpmで18h処理を行った。
ボールミル処理により得られた混合物を、次のような方法でハードカーボンと複合化した。フルフリルアルコール5.0gとエタノール10gと水0.125gの混合液に複合体粒子を3g加え混練した。さらにフルフリルアルコールの重合触媒となる希塩酸を0.2g加え室温で放置して複合体粒子を得た。
得られた炭素複合体を1000℃で3h、Arガス中にて焼成し、室温まで冷却後、粉砕し30μm径のふるいをかけて、分散されたNi相を0.05wt%有する複合体粒子からなる負極活物質を得た。
(実施例2)
原料のニッケル酸化物の量を0.2gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(実施例3)
原料のニッケル酸化物の量を0.6gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(実施例4)
原料のニッケル酸化物の量を1.51gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(実施例5)
原料のニッケル酸化物の量を2.5gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(実施例6)
添加する金属の原料を酸化銅とし、添加量を1.0gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(実施例7)
添加する金属の原料を黄銅(Cu:Zn=7:3)とし、添加量を0.50gとした他は実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を、実施例1と同条件で焼成し負極活物質を得た。
(比較例1)
金属、リチウム塩を加えずに実施例1と同様な方法で複合化した一酸化珪素−炭素複合体粒子を実施例1と同条件で焼成処理し、活物質を得た。
(比較例2)
比較例1で得た複合体粒子に、ニッケル金属粉末1.7gを加え遊星ボールミルを用いて周波数100rpm、処理時間2hで複合化し、表面に金属相を備える負極活物質を得た。
(比較例3)
原料に、平均粒径が5μmのSi粉末を3.2gと、シリカ粉末(SiO)6.8gと酸化ニッケル(NiO)を0.20gを用い、周波数150rpm、処理時間3hで混合した。さらに炭素材料として平均粒径が6μmの黒鉛粉末10gを加え、120rpmで18h処理を行った。さらに実施例1と同条件でフルフリルアルコールの添加、焼成を行い、Si、SiO2、Ni粒子がCマトリックス中に単純に分散された負極活物質を得た。
実施例1において得られた活物質について、充放電試験、X線回折測定を行い、充放電特性および物性を評価した。
(充放電試験)
得られた試料に平均径6μのグラファイト30wt%、ポリフッ化ビニリデン12wt%を分散媒としてN-メチルピロリドンを用いて混練し、厚さ12μmの銅箔上に塗布して圧延した後、100℃で12時間真空乾燥し試験電極とした。対極および参照極を金属Li、電解液を1MLiPFのEC・DEC(体積比1:2)溶液とした電池をアルゴン雰囲気中で作製した。
充放電試験の条件は、参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで1mA/cmの電流密度で充電、さらに0.01Vで8時間の定電圧充電を行い、放電は1mA/cmの電流密度で1.5Vまで行った。
充放電試験において、充電容量および放電容量は、充電または放電の開始から終了するまでに流れた電気量とした。また、初回充放電効率は、1サイクル目の放電容量の、1サイクル目の充電容量に対する百分率として求めた。
次に同様に参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで1mA/cmの電流密度で充電、さらに0.01Vで8時間の定電圧充電を行い、放電を10mA/cmの電流密度で1.5Vまで行った。放電時の電流密度1mA/cmの際の容量に対する10mA/cm際の容量の比を比較して大電流特性を評価した。
また、参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで1mA/cmの電流密度で充電、1mA/cmの電流密度で1.5Vまで放電するサイクルを100回行い1サイクル目に対する100サイクル目の放電容量の維持率を測定した。
(X線回折測定)
得られた粉末試料について粉末X線回折測定を行い、Si(220)面のピークの半値幅を測定した。測定は株式会社マック・サイエンス社製X線回折測定装置(型式M18XHF22)を用い、以下の条件で行った。
対陰極:Cu
管電圧:50kv
管電流:300mA
走査速度:1°(2θ)/min
時定数:1sec
受光スリット:0.15mm
発散スリット:0.5°
散乱スリット:0.5°
回折パターンより、d=1.92Å(2θ=47.2°)に現れるSiの面指数(220)のピークの半値幅(°(2θ))を測定した。また、Si(220)のピークが活物質中に含有される他の物質のピークと重なりをもつ場合には、ピークを単離し半値幅を測定した。
表1に、各実施例および比較例について、金属相の組成および含有量と、評価結果と、を示す。
Figure 2007042393
金属相の含有量が同程度である実施例5と比較例2とを比較すると、実施例5の方が大電流特性に優れることがわかる。従って、複合体粒子中に、所定の金属相を分散させると、大電流特性を向上できることがわかる。
実施例1〜2と、実施例3〜5を比較すると、実施例3〜5の方が大電流特性に優れることがわかる。従って、金属相の含有量は、2.05(wt%)以上8.03(wt%)以下であると好ましいことがわかる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限られず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。また、本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
第一の実施の形態に係わる扁平型非水電解質二次電池の断面模式図。 図1のAで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図。 第一の実施の形態に係わる別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示した部分切欠斜視図。 図3のB部の拡大断面図。 第二の実施形態に係る電池パックの分解斜視図。 図5の電池パックの電気回路を示すブロック図。 第一の実施の形態に係わる負極活物質の断面模式図。
符号の説明
1…正極端子、2…負極端子、3…正極、3a…正極集電体、3b…正極活物質含有層、4…負極、4a…負極集電体、4b…負極活物質含有層、5…セパレータ、6…捲回電極群、7,8…外装部材、9…積層電極群、21…電池単体、22…組電池、23…粘着テープ、24…プリント配線基板、28…正極側配線、29…正極側コネクタ、30…負極側配線、31…負極側コネクタ、33…保護ブロック、35…収納容器、36…蓋。

Claims (4)

  1. 容器と、
    前記容器内に収納された正極と、
    前記容器内に収納され、炭素質物と、前記炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、前記シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、前記シリコン酸化物中に分散されNiもしくはCuを含む金属相と、を有する複合体粒子を備える負極と、
    前記容器内に充填された非水電解質と、
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記金属相は、前記複合体粒子に対し2.05wt%以上8.03wt%以下の含有量であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
  3. 粉末X線回折測定におけるSi(220)面の回折ピークの半値幅が1.5°以上2.8°以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の非水電解質電池。
  4. 炭素質物と、
    前記炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、
    前記シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、
    前記シリコン酸化物中に分散されNiもしくはCuを含む金属相を有することを特徴とする負極活物質。

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