JP2007042370A - 二次電池の製造方法及び電極の製造方法 - Google Patents

二次電池の製造方法及び電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属箔集電体の腐食を抑制し、電池の内部抵抗の増加や電池出力の低下を抑制できる二次電池の製造方法及び電極の製造方法を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池は、アルカリにより腐食し得る、アルミニウムからなる正極金属箔集電体に、アルカリ性を示す、リチウム含有活物質を含む正極活物質ペーストにより正極活物質層が形成された正極電極を備える。この正極電極の製造方法は、正極金属箔集電体に上記の正極活物質ペーストを塗工する塗工工程と、正極金属箔集電体に塗工された正極活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程とを備える。そして更に、塗工工程後、乾燥工程の直前までの期間中、正極金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ低温保持工程を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属箔集電体に活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法、及び、このような電極の製造方法に関し、特に、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法、及び、このような電極の製造方法に関する。
従来より、二次電池の電極として、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて形成された活物質層を有するものが知られている。このような金属箔集電体としては、例えばアルミニウムからなる金属箔が挙げられる。また、このような活物質ペーストとしては、例えば、リチウムを含有するリチウム含有活物質、導電助剤、バインダ等を含む合剤を水で混練したものが挙げられる。
このような電極やこの電極を有する二次電池の製造方法は、例えば特許文献1〜3に開示されている。このうち、特許文献1では、活物質としてのリチウムコバルト複合酸化物を含むアルカリ性の活物質ペーストを40℃に加温し、これをアルミニウム箔からなる金属箔集電体に塗工している(例えば段落(0022),(0023)を参照)。このように活物質ペーストを加温することにより、活物質ペーストの粘度が低下するので、活物質ペーストをより確実に金属箔集電体に塗工できるからである。
また、特許文献2でも、概略同様に、活物質ペーストを20℃〜35℃に加温して、これを金属箔集電体に塗工している(例えば特許請求の範囲を参照)。また、この特許文献2では、活物質ペーストを塗工した後、100℃〜130℃の高温で活物質ペーストを乾燥させている(段落(0018)を参照)。
また、特許文献3には、活物質ペーストを金属箔集電体に塗工した後、80℃の熱風で活物質ペーストを乾燥させることが記載されている(例えば段落(0022)を参照)。
特開2004−199916号公報 特開平10−64524号公報 特開平11−260411号公報
しかしながら、アルカリ性の活物質ペーストをアルカリにより腐食し得る金属箔集電体に塗工すると、活物質ペーストに含まれるアルカリにより金属箔集電体が腐食することがある。つまり、アルカリと金属箔集電体とが反応して、金属箔集電体上に電気絶縁性の皮膜を形成する。そうすると、この電極を二次電池として使用したときに、この被膜に起因して二次電池の内部抵抗が大きくなったり、電池出力が低下してしまう。特に、上記特許文献1や2のように、活物質ペーストを加温して塗工すると、アルカリと金属箔集電体とがより反応しやすくなるため、アルカリにより金属箔集電体が腐食しやすい。また、上記特許文献2や3のように、活物質ペーストを加熱して乾燥させても、その際にアルカリと金属箔集電体とが反応しやすくなるため、アルカリにより金属箔集電体が腐食しやすい。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体にアルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池ついて、金属箔集電体の腐食を抑制し、電池内部抵抗の増加や電池出力の低下を抑制できる二次電池の製造方法、及び、このような二次電池に用いる電極の製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法であって、前記電極を形成する電極形成工程を備え、前記電極形成工程は、前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程と、前記塗工工程後、前記乾燥工程の直前までの間、前記金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ低温保持工程と、を有する二次電池の製造方法である。
或いは、その解決手段は、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された、二次電池の電極の製造方法であって、前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程と、前記塗工工程後、前記乾燥工程の直前までの間、前記金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ低温保持工程と、を備える電極の製造方法である。
前述したように、電極を形成するにあたり、アルカリ性の活物質ペーストをアルカリにより腐食し得る金属箔集電体に塗工すると、活物質ペーストに含まれるアルカリにより金属箔集電体が腐食することがある。そうすると、この電極を用いて二次電池を構成したときに、電池の内部抵抗が大きくなったり、電池出力が低下してしまう。
これに対し本発明では、金属箔集電体に活物質ペーストを塗工した後(塗工工程後)、この活物質ペーストを乾燥させる(乾燥工程)直前までの間、金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ(低温保持工程)。このように金属箔集電体を低温に保つことで、塗工工程から乾燥工程の直前までの期間中に、活物質ペーストのアルカリと金属箔集電体とが反応しにくくなるので、アルカリにより金属箔集電体が腐食し、金属箔集電体上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを抑制できる。従って、この電極を用いて二次電池を構成すれば、従来の二次電池に比して、電池の内部抵抗を小さくし、また、電池出力を向上させることができる。
ここで、「金属箔集電体」は、上記のようにアルカリにより腐食し得るもので、二次電池の電極として用いることが可能であればよく、その材質や形態等は適宜選択できる。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、チタン箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、チタン箔や、これらの合金からなる金属箔などが挙げられる。また、金属箔集電体の形態としては、一般的には、長尺状をなすものが挙げられ、その寸法は、例えば、幅が約50mm〜約700mm、厚みが約10μm〜約30μmのものが例示できる。
また、「活物質ペースト」は、上記のようにアルカリ性で、金属箔集電体上に活物質層を形成可能であればよく、その組成や粘度などの物性等は適宜選択できる。活物質ペーストとしては、活物質に、例えば、導電剤や結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤、各種添加剤など加え、水等で混練したものが挙げられる。
活物質としては、リチウム系のものとして、例えば、LiMeO2(MeはNi,Mn,Coの少なくともいずれか)、LiMePO4(MeはNi,Mn,Coの少なくともいずれか)、LiMexMn(1-x)4(MeはNi,Co,Cu,Fe,Crの少なくともいずれか)が挙げられる。また、その他の金属系のものとして、例えば、MexTiO2、MexCrO2、MexCoO2、MexNiO2、MexTi2(PO43、MexFe2(PO43、Mex2(PO43、MexFeO2、MexMnO2(これらにおいてMeはNa,Ca,Mgのいずれか)が挙げられる。
導電剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラックが挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
「塗工工程」では、金属箔集電体に活物質ペーストを塗工すればよく、その手法や塗布量等は適宜選択できる。例えば、ドクターブレードやロールコータにより活物質ペーストを塗布する手法や、ノズルにより活物質ペーストを噴射して塗布する手法が挙げられる。活物質ペーストは、金属箔集電体の片面にのみ塗工してもよいし、両面に塗工してもよい。また、塗布する活物質ペーストの厚みは、一般的には、片面あたり約30μm〜約400μmとするのが好ましい。
「乾燥工程」では、金属箔集電体に塗工された活物質ペーストを乾燥させればよく、その手法や温度等は適宜選択できる。例えば、熱風を活物質ペーストに吹き付ける手法や、後述するように活物質ペーストを凍結乾燥させる手法が挙げられる。
「低温保持工程」では、塗工工程後、乾燥工程の直前までの間、金属箔集電体を12℃以下の低温に保てばよく、その手法は適宜選択できる。例えば、塗工工程で予め冷却しておいた金属箔集電体に活物質ペーストを塗工することで、この低温保持工程でも金属箔集電体を12℃以下に保持する方法がある。また、後述するように、塗工工程で予め冷却しておいた活物質ペーストを金属箔集電体に塗工することで、この低温保持工程でも金属箔集電体を12℃以下に保持する方法もある。また、塗工工程直後に金属箔集電体等を冷却して、この低温保持工程で金属箔集電体を12℃以下に保持する方法も挙げられる。
更に、上記の二次電池の製造方法であって、前記低温保持工程は、前記塗工工程において予め冷却した前記活物質ペーストを前記金属箔集電体に塗工することにより、前記金属箔集電体を低温に保つ二次電池の製造方法とすると良い。
或いは、上記の電極の製造方法であって、前記低温保持工程は、前記塗工工程において予め冷却した前記活物質ペーストを前記金属箔集電体に塗工することにより、前記金属箔集電体を低温に保つ電極の製造方法とするのが好ましい。
本発明によれば、塗工工程において予め冷却した活物質ペーストを金属箔集電体に塗工することにより、その後の低温保持工程において金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ。従って、活物質ペーストを冷却する冷却装置を利用すれば足り、金属箔集電体等を冷却装置などで別途冷却しなくても済むので、設備が簡単で安価に電極更には二次電池を製造できる。
更に、上記のいずれかに記載の二次電池の製造方法であって、前記活物質ペーストは、リチウムを含有するリチウム含有活物質を含む二次電池の製造方法とすると良い。
或いは、上記のいずれかに記載の電極の製造方法であって、前記活物質ペーストは、リチウムを含有するリチウム含有活物質を含む電極の製造方法とするのが好ましい。
リチウムを含有するリチウム含有活物質は、水に溶解して強アルカリの水酸化リチウムとなるので、リチウム含有活物質を含む活物質ペーストを用いて電極を製造すると、強アルカリの水酸化リチウムにより、金属箔集電体が特に腐食しやすい。従って、活物質ペーストにリチウム含有活物質を含む場合に、前述の低温保持工程を行うと、特にその効果が大きく現れる。なお、リチウム含有活物質としては、例えば前述したリチウム系の活物質が挙げられる。
更に、上記のいずれかに記載の二次電池の製造方法であって、前記乾燥工程は、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程である二次電池の製造方法とすると良い。
或いは、上記の電極の製造方法であって、前記乾燥工程は、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程である電極の製造方法とすると良い。
従来技術で述べたように、活物質ペーストを高温で乾燥させると、乾燥の途中に活物質ペーストのアルカリにより金属箔集電体が腐食することがある。そうすると、電池の内部抵抗が大きくなったり、電池出力が低下してしまう。
これに対し本発明では、乾燥工程において、活物質ペーストを凍結乾燥させるので、この凍結乾燥工程において活物質ペーストのアルカリと金属箔集電体との反応は生じにくい。このため、アルカリにより金属箔集電体が腐食し、金属箔集電体上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを抑制できる。このように本発明では、低温保持工程だけでなく、乾燥工程(凍結乾燥工程)においても、金属箔集電体の腐食を抑制し、電気絶縁性被膜の形成を抑制しているので、この電極を用いて二次電池を構成すれば、更に電池の内部抵抗を小さくし、更に電池出力を向上させることができる。
なお、凍結乾燥における凍結方法は、金属箔集電体に塗工した活物質ペーストを凍結できる方法であればよく、例えば、後述するように液体窒素を用いて活物質ペーストを凍結させてもよいし、冷凍庫に入れて活物質ペーストを凍結させることもできる。
更に、上記の二次電池の製造方法であって、前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる二次電池の製造方法とすると良い。
更に、上記の電極の製造方法であって、前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる電極の製造方法とするのが好ましい。
本発明では、液体窒素を用いて活物質ペーストを凍結させるので、活物質ペーストを急速に凍結させることができる。このため、活物質ペーストが凍結するまでの間に活物質ペーストのアルカリが金属箔集電体と反応して金属箔集電体が腐食するのを、より効果的に抑制できる。また、凍結乾燥工程の工程時間の短縮にもなる。
また、他の解決手段は、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法であって、前記電極を形成する電極形成工程を備え、前記電極形成工程は、前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程と、を有する二次電池の製造方法である。
或いは、他の解決手段は、アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された、二次電池の電極の製造方法であって、前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程と、を備える電極の製造方法である。
前述したように、活物質ペーストを高温で乾燥させると、乾燥するまでの間に活物質ペーストのアルカリにより金属箔集電体が腐食することがある。そうすると、電池の内部抵抗が大きくなったり、電池出力が低下してしまう。
これに対し本発明では、乾燥工程において、活物質ペーストを凍結乾燥させるので、この凍結乾燥工程において活物質ペーストのアルカリと金属箔集電体との反応が生じにくい。このため、アルカリにより金属箔集電体が腐食し、金属箔集電体上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを抑制できる。従って、この電極を用いて二次電池を構成すれば、従来よりも、電池の内部抵抗を小さくし、電池出力を向上させることができる。
更に、上記の二次電池の製造方法であって、前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる二次電池の製造方法とすると良い。
或いは、上記の電極の製造方法であって、前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる電極の製造方法とするのが好ましい。
本発明では、液体窒素を用いて活物質ペーストを凍結させるので、活物質ペーストを急速に凍結させることができる。このため、活物質ペーストが凍結するまでの間に活物質ペーストのアルカリが金属箔集電体と反応して金属箔集電体が腐食するのを、より効果的に抑制できる。また、凍結乾燥工程の工程時間の短縮にもなる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係るリチウム二次電池(二次電池)100を示す。このリチウム二次電池100は、ハイブリットカーや電気自動車の動力源として利用される密閉型の非水系二次電池である。また、このリチウム二次電池100は、略直方体形状をなす角型電池である。リチウム二次電池100は、電池容器110、電池容器110に設けられた安全弁120、電池容器110内に収容された捲回型電極体130、電池容器110にそれぞれ固設された正極端子161及び負極端子163等から構成されている。電池容器110内には、非水系の電解液、具体的には、EC+DEC/1M−LiPF6 が注入され封止されている。
詳細には、電池容器110は、捲回型電極体130を収容する容器本体111と、この容器本体111を封口する蓋体113とからなる。容器本体111と蓋体113は、共に金属によって形成されている。容器本体111は、外形が直方体形状をなし、平板状で矩形状の底部111aと、平板状で矩形状をなし、底部111aの周縁からそれぞれ底部111aに対して垂直に延びる4つの側壁部111b,111b,111b,111bとから構成されている。一方、蓋体113は、概略板形状をなす。そして、容器本体111と蓋体113とは、容器本体111の各側壁部111b,111b,111b,111bに蓋体113を当接させた状態で蓋体113の全周にわたって溶接されている。
電池容器110の蓋体113の略中央には、安全弁120が設けられている。この安全弁120は、電池容器110内の圧力が一定以上に達したときに作動して、電池容器110内のガスを電池外部へ排出する。
また、蓋体113の所定位置には、正極端子161と負極端子163とがそれぞれ固設されている。正極端子161は、電池内部において、正極リード162等を介して、後述する捲回型電極体130の正極電極131と電気的に接続する一方、電池外部に露出し、外部との電気的接続に利用される。また、負極端子163は、電池内部において、負極リード164等を介して、後述する捲回型電極体130の負極電極141と電気的に接続する一方、電池外部に露出し、外部との電気的接続に利用される。
次に、捲回型電極体130について詳述する(図1の他、図2及び図3も参照)。図2に捲回型電極体130の概略形態を示す。但し、セパレータ151のうち最表面の部分は省略してある。また、図3に捲回型電極体130を構成する正極電極131、負極電極141及びセパレータ151の各部についての厚み方向の位置関係を示す。なお、図3中、上下方向がそれぞれ正極電極131、負極電極141及びセパレータ151の長手方向になる。
この捲回型電極体130は、長尺状の正極電極131と長尺状の負極電極141とを通気性を有する長尺状のセパレータ151を介して積層し、これを複数回、軸線AX周りに扁平状に捲回することにより構成されている(図2等参照)。捲回型電極体130の軸線AX方向の一端部(図1〜図3において左端部)には、前述の正極リード162と電気的に接続するために、正極電極131の一部が突出している。また、捲回型電極体130の軸線AX方向の他端部(図1〜図3において右端部)には、前述の負極リード部164と電気的に接続するために、負極電極141の一部が突出している。
正極電極131は、芯材として、アルミニウム箔からなる金属箔正極集電体132を有する(図3等参照)。この正極金属箔集電体132の表面(両面)には、正極活物質としてのリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )を含む正極活物質ペーストを長手方向に沿って塗工した帯状の正極活物質層133が形成されている。また、これに伴い正極金属箔集電体132の幅方向の一端部(図3中、左端部)には、正極活物質層133を有しない、正極活物質未塗工部135が長手方向に帯状に形成されている。
負極電極141は、芯材として、銅箔からなる負極金属箔集電体142を有する(図3等参照)。この負極金属箔集電体142の表面(両面)には、負極活物質としての天然黒鉛を含む負極活物質ペーストを長手方向に沿って塗工した負極活物質層143が形成されている。また、これに伴い負極金属箔集電体142の幅方向の一端部(図3中、右端部)には、負極活物質層143を有しない、負極活物質未塗工部145が長手方向に帯状に形成されている。
次に、このような正極電極131及び負極電極141、並びに、リチウム二次電池100の製造方法について説明する。
最初に、正極電極131の製造方法(電極形成工程)について説明する(図4及び図5参照)。まず、予め正極活物質ペーストを用意しておく。具体的には、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )86wt%と、カーボンブラック(CB)10wt%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)2wt%と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2wt%とからなる正極材料を、水中で攪拌混合して、正極活物質ペーストを作製する。このとき、水分量は、正極活物質ペースト全体の50%とする。この正極活物質ペーストは、リチウムを含むリチウム含有活物質であるリチウムコバルト複合酸化物を有するので、リチウムが水中に溶け出して、強アルカリの水酸化リチウムとなる。また一方で、厚み約15μmで長尺状をなすアルミニウム箔からなる正極金属箔集電体132も用意する。
次に、図4に示すように、正極金属箔集電体132の表面に、正極活物質ペーストを塗布する(塗工工程)。具体的には、正極金属箔集電体132の両面に、この正極金属箔集電体132の両端部に長手方向に沿う帯状の未塗工部138,138を形成しつつ、中央部に正極活物質ペーストを塗布し、帯状の活物質塗工部137を形成する。具体的には、予め正極活物質ペーストを5℃以下に冷却しておく。そして、ロールコータ170を用いて、約10mg/cm2 の割合で、この冷却された正極活物質ペーストを正極金属箔集電体132に連続的に塗布する。正極金属箔集電体132の搬送速度は約100cm/minである。
次に、塗工された正極活物質ペーストを乾燥させるが、ロールコータ170から後述する乾燥炉175までの距離が約40cmあり、搬送速度が上記のように約100cm/minであるから、塗工工程を終えてから乾燥工程に入るまで約24秒間かかる。ここで、従来のように、正極金属箔集電体132等の温度が室温やそれ以上の場合には、正極活物質ペーストのアルカリ(水酸化リチウム)と正極金属箔集電体132(アルミニウム)とが反応して、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成される。特に、本実施形態1では、正極活物質ペーストに含まれるアルカリが強アルカリの水酸化リチウムなので、正極金属集電箔132上に電気絶縁性被膜を形成しやすい。
これに対し、本実施形態1では、塗工工程で5℃以下の低温に冷却した正極活物質ペーストを塗布しているので、塗工工程を終えてから乾燥工程に入るまでの期間中も、正極金属箔集電体132を7℃程度の低温に保持できる。なお、この期間中が本発明の低温保持工程に相当する。従って、正極活物質ペーストのアルカリ(水酸化リチウム)と正極金属箔集電体132(アルミニウム)との反応を従来よりも抑制し、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを従来よりも抑制できる。また、本実施形態1では、塗工工程において、予め冷却した正極活物質ペーストを正極金属箔集電体132に塗工するので、その後の低温保持工程において、金属箔集電体132等を冷却装置などを用いて別途冷却しなくても、金属箔集電体132を容易に低温に保つことができる。従って、設備が簡単で安価に正極電極131、更にはリチウム二次電池100を製造できる。
次に、図5に示すように、正極金属箔集電体132に塗工された正極活物質ペーストを乾燥させる(乾燥工程)。具体的には、正極金属箔集電体132等を乾燥炉175に入れ、約80℃の熱風を吹き付けて、正極活物質ペーストを乾燥させ、正極活物質層133を形成する。
次に、電極密度を向上させるために、正極活物質層133のプレス成形を行う。即ち、正極活物質層133が形成された正極金属箔集電体132を一対の加圧ロール(図示しない)間に通して厚み方向に加圧し、正極活物質層133を圧縮成形する。その後は、このシート状正極電極を裁断し、所定形状の正極電極131を形成する。かくして、正極電極131ができる。
次に、負極電極141の製造方法について説明する。まず、予め負極活物質ペーストを用意しておく。具体的には、天然黒鉛94wt%と、スチレンブタジエンゴム(SBR)3wt%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)3wt%とからなる負極材料を、水中で攪拌混合して、負極活物質ペーストを作製する。このとき、水分量は、負極活物質ペースト全体の50%とする。なお、この負極活物質ペーストは、上記の正極活物質ペーストとは異なり、アルカリ性ではない。また一方で、厚み約10μmで長尺状をなす銅箔からなる負極金属箔集電体142も用意する。
次に、負極金属箔集電体142の表面に、負極活物質ペーストを塗布する。具体的には、負極金属箔集電体142の両面に、この負極金属箔集電体142の両端部に長手方向に沿う帯状の未塗工部148,148を形成しつつ、中央部に負極活物質ペーストを塗布し、帯状の活物質塗工部147を形成する(図4参照)。この塗工は、ロールコータ170を用いて、約8mg/cm2 の割合で連続的に行う。なお、この負極活物質ペーストは、上記の正極活物質ペーストとは異なり、冷却しないで常温の状態で使用する。
次に、負極金属箔集電体142に塗工された負極活物質ペーストを乾燥させる。本実施形態1の負極活物質ペーストは、前述のようにアルカリ性ではないので、負極活物質ペーストにより負極金属箔集電体142が腐食することはない。従って、正極電極131を製造するときのように、低温保持工程を行う必要はない。乾燥工程は、正極電極131を製造する場合と同様に、負極活物質ペーストが塗工された負極金属箔集電体142を乾燥炉175に入れ、約80℃の熱風を吹き付けて、負極活物質ペーストを乾燥させ、負極活物質層143を形成する(図5参照)。
次に、電極密度を向上させるために、負極活物質層143が形成された負極金属箔集電体142を一対の加圧ロール(図示しない)間に通して厚み方向に加圧し、負極活物質層143を圧縮成形する。その後は、このシート状負極電極を裁断し、所定形状の負極電極141を形成する。かくして、負極電極141ができる。
次に、正極電極131と負極電極141とをセパレータ151を介して位置合わせをして積層する。その後、公知の手法により、これらを所定回数、扁平状に捲回して、捲回型電極体130を作製する。
また一方で、公知の手法で製造された、リチウム二次電池100を構成するその他の部品を用意する。そして、捲回型電極体130とその他の部品を用いて、公知の手法により、リチウム二次電池100を組み立てる。かくして、リチウム二次電池100が完成する。なお、本実施形態1では、正極電極131の製造において低温保持工程を行うことにより、正極金属箔集電体132の腐食が抑制されているので、このリチウム二次電池100は、従来よりも電池の内部抵抗が小さく、電池出力を向上させることができる。
(実施例1,2及び比較例1,2)
本発明の効果を検証するために、実施例1として、上記実施形態1に係る正極電極131及びこれを用いたリチウム二次電池100を用意した。また、実施例2として、低温保持工程を約12℃(上記実施形態1では約7℃)で行い、それ以外は上記実施形態1と同様にして製造した正極電極131及びこれを用いたリチウム二次電池100を用意した。なお、正極金属箔集電体132の温度測定には、K型熱電対及びKEYENCE社製GR−3000を使用した。具体的には、熱電対の先端を塗工直後に正極電属箔集電体132に貼り付け、乾燥炉175に入るまでの期間の温度の平均値を、この期間中の金属箔集電体132の温度とした。
一方、比較例1として、低温保持工程に相当する期間中(塗工工程後、乾燥工程の直前までの期間中)の金属箔集電体132の温度を20℃とし、それ以外は上記実施形態1と同様にして製造した正極電極131及びこれを用いたリチウム二次電池100を用意した。また、比較例2として、低温保持工程に相当する期間中の金属箔集電体132の温度を40℃とし、それ以外は上記実施形態1と同様にして製造した正極電極131及びこれを用いたリチウム二次電池100を用意した。
次に、各々のリチウム二次電池100の内部抵抗を測定した。具体的には、リチウム二次電池100をSOC60%の状態に充電した後、1C、5C、10Cの電流で10秒間放電し、各電流における到達電圧を求める。次に、横軸に電流、縦軸に到達電圧をプロットし、その傾きを内部抵抗と定義する。その結果、実施例1では約53mΩ、実施例2では約54mΩ、比較例1では約58mΩ、比較例2では約66mΩであった。図6にこれらの結果をグラフで示す。この結果から明らかなように、塗工後、乾燥炉175に入るまでの期間中における正極金属箔集電体132の温度が高くなるほど、リチウム二次電池100の内部抵抗が増加する。正極活物質ペーストのアルカリ(水酸化リチウム)がアルミニウムからなる正極金属箔集電体132と温度が高いほどよく反応して、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜を形成するためと考えられる。一方、この期間中の温度が約12℃以下では、温度が違っても、リチウム二次電池100の内部抵抗はあまり異ならないことが判る。十分に温度が低いため、反応が殆ど進行せず、内部抵抗に差異が生じにくいためと考えられる。従って、この期間中の温度を12℃以下に保持する、即ち、低温保持工程を12℃以下で行うことが、電池内部抵抗の増加を効果的に抑制する点で好適であることが判る。
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態2は、塗工された正極活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程が、上記実施形態2の乾燥工程と大きく異なる。それ以外は、概略上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態2のリチウム二次電池の形態は、上記実施形態1のリチウム二次電池100と同様であり、電池容器110、安全弁120、捲回型電極体130、正極端子161、負極端子163等から構成されている(図1参照)。また、捲回型電極体130も、正極電極131と負極電極141とをセパレータ151を介して積層し、これを扁平状に捲回することにより構成されている(図2等参照)。そして、正極電極131及び負極電極141の形態も、上記実施形態1と同様である(図3等参照)。
本実施形態2における、正極電極131及び負極電極141並びにリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
最初に、正極電極131の製造方法(電極形成工程)について説明する(図4及び図7〜図9参照)。まず、上記実施形態1と同様な組成の正極活物質ペーストを用意すると共に、長尺状をなす正極金属箔集電体132を用意する。次に、図4に示すように、上記実施形態1と同様にして、正極金属箔集電体132の両面に、正極活物質ペーストを塗布する(塗工工程)。本実施形態2でも、正極活物質ペーストを予め5℃以下に冷却して塗工する。
次に、本実施形態2では、塗工された正極活物質ペーストを凍結乾燥させるが、ロールコータ170から後述する凍結装置180までの距離が約40cmあり、搬送速度が約100cm/minであるから、塗工を終えてから凍結装置180に入るまで約24秒間かかる。このため、この期間中に、正極活物質ペーストのアルカリ(水酸化リチウム)と正極金属箔集電体132(アルミニウム)とが反応して、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成されやすい。
これに対し、本実施形態2でも、塗工工程で5℃以下の低温に冷却した正極活物質ペーストを塗布しているので、塗工工程を終えてから凍結乾燥工程に入るまでの期間中も、正極金属箔集電体132を7℃程度の低温に保持できる。なお、この期間中が本発明の低温保持工程に相当する。従って、上記実施形態1と同様に、正極活物質ペーストのアルカリ(水酸化リチウム)と正極金属箔集電体132(アルミニウム)との反応を従来よりも抑制し、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを従来よりも抑制できる。
次に、正極金属箔集電体132に塗工された正極活物質ペーストを凍結乾燥させる(凍結乾燥工程)。具体的には、まず、図7に示すように、正極活物質ペーストが塗工された正極金属箔集電体132を凍結装置180に搬入する。そして、この凍結装置180において液体窒素により正極活物質ペーストを急速に凍結させる。その後、図8に示すように、正極活物質ペーストを凍結乾燥させた正極金属箔集電体132をローラ185を用いて捲回する。次に、図9に示すように、捲回した正極金属箔集電体132等を真空乾燥させる。詳細には、捲回した正極金属箔集電体132等をチャンバ190に入れ、チャンバ190内を−20℃の低温に保つと共に5.0×10-5 MPaに減圧し、12時間かけて正極活物質ペーストを乾燥させる。その後は、減圧状態のままチャンバ190内を室温に戻し、正極活物質ペーストの乾燥を促進させて、正極活物質層133を形成する。かくして、凍結乾燥工程が終了する。
ここで、従来技術や上記実施形態1で述べたように正極活物質ペーストを高温で乾燥させると、乾燥の途中に正極活物質ペーストのアルカリにより正極金属箔集電体132が腐食することがある。そうすると、リチウム二次電池100の内部抵抗が大きくなったり、電池出力が低下してしまう。これに対し本実施形態2では、正極活物質ペーストを凍結乾燥させるので、この凍結乾燥工程において正極活物質ペーストのアルカリと金属箔集電体との反応が生じにくい。このため、アルカリにより正極金属箔集電体132が腐食し、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを抑制できる。このように本実施形態2では、低温保持工程だけでなく、凍結乾燥工程においても、正極金属箔集電体132の腐食を抑制し、電気絶縁性被膜の形成を抑制しているので、上記実施形態1のリチウム二次電池100よりも、電池内部抵抗を更に小さくし、電池出力を更に向上させることができる。
凍結乾燥工程後は、上記実施形態1と同様に、プレス成形を行って、更にこれを所定形状に裁断して、正極電極131を形成する。なお、負極電極141は、上記実施形態1と同様にして製造する。また、その後も上記実施家位置1と同様にして、リチウム二次電池100を組み立てる。なお、その他、上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用効果を奏する。
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態3は、正極電極131の製造において低温保持工程を行わない点が、上記実施形態2と大きく異なる。それ以外は、概略上記実施形態2と同様であるので、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。なお、本実施形態3のリチウム二次電池の形態は、上記実施形態1,2のリチウム二次電池100と同様であり、また、正極電極131及び負極電極141の形態も、上記実施形態1,2と同様である(図1〜図3等参照)。
本実施形態3における、正極電極131及び負極電極141並びにリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
最初に、正極電極131の製造方法(電極形成工程)について説明する(図4及び図7〜図9参照)。まず、上記実施形態1と同様な組成の正極活物質ペーストを用意すると共に、長尺状をなす正極金属箔集電体132を用意する。そして、本実施形態3では、上記実施形態1,2とは異なり、正極活物質ペーストを冷却せずに室温の状態で、正極金属箔集電体132の両面に塗工する(図4参照)。
次に、上記実施形態2と同様に、正極金属箔集電体132に塗工された正極活物質ペーストを凍結乾燥させる(凍結乾燥工程)。具体的には、まず、図7に示すように、正極活物質ペーストが塗工された正極金属箔集電体132を凍結装置180に搬入する。そして、この凍結装置180において液体窒素により正極活物質ペーストを急速に凍結させる。その後、図8に示すように、正極活物質ペーストを凍結乾燥させた正極金属箔集電体132をローラ185を用いて捲回する。次に、図9に示すように、捲回した正極金属箔集電体132等を真空乾燥させる。
本実施形態3でも、上記実施形態2と同様に、正極活物質ペーストを凍結乾燥させるので、この凍結乾燥工程の期間中に正極活物質ペーストのアルカリと金属箔集電体との反応が生じにくい。このため、アルカリにより正極金属箔集電体132が腐食し、正極金属箔集電体132上に電気絶縁性の被膜が形成されるのを抑制できる。従って、従来の方法で製造したリチウム二次電池よりも、電池内部抵抗を小さくし、電池出力を向上させることができる。
凍結乾燥工程後は、上記実施形態1,2と同様に、プレス成形を行って、更にこれを所定形状に裁断して、正極電極131を形成する。なお、負極電極141は、上記実施形態1,2と同様にして製造する。また、その後も上記実施家位置1,2と同様にして、リチウム二次電池100を組み立てる。なお、その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、上記実施形態1または2と同様な作用効果を奏する。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態1〜3に係るリチウム二次電池の概略形態を示す説明図である。 実施形態1〜3に係るリチウム二次電池の捲回型電極体の概略形態を示す説明図である。 実施形態1〜3に係るリチウム二次電池の捲回型電極体を構成する正極板、負極板及びセパレータについて、各部の厚さ方向の位置関係を示す説明図である。 実施形態1,2に係るリチウム二次電池の正極電極の製造方法に関し、正極または負極金属箔集電体に正極または負極活物質ペーストを塗布する塗工工程を示す説明図である。 実施形態1に係るリチウム二次電池の正極電極の製造方法に関し、正極活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程を示す説明図である。 実施例1,2及び比較例1,2に関し、塗工工程後、乾燥工程前の正極金属箔集電体の温度とリチウム電池の内部抵抗との関係を示すグラフである。 実施形態2,3に係るリチウム二次電池の正極電極の製造方法に関し、正極活物質ペーストを凍結させる工程を示す説明図である。 実施形態2,3に係るリチウム二次電池の正極電極の製造方法に関し、凍結した正極活物質ペーストを有する正極金属箔集電体を捲回する工程を示す説明図である。 実施形態2,3に係るリチウム二次電池の正極電極の製造方法に関し、凍結した正極活物質ペーストを真空乾燥させる工程を示す説明図である。
符号の説明
100 リチウム二次電池(二次電池)
131 正極電極
132 正極金属箔集電体
133 正極活物質層
170 ロールコータ
175 乾燥炉
180 凍結装置
185 ローラ
190 チャンバ

Claims (10)

  1. アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法であって、
    前記電極を形成する電極形成工程を備え、
    前記電極形成工程は、
    前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程と、
    前記塗工工程後、前記乾燥工程の直前までの間、前記金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ低温保持工程と、を有する
    二次電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記低温保持工程は、
    前記塗工工程において予め冷却した前記活物質ペーストを前記金属箔集電体に塗工することにより、前記金属箔集電体を低温に保つ
    二次電池の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記活物質ペーストは、リチウムを含有するリチウム含有活物質を含む
    二次電池の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記乾燥工程は、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程である
    二次電池の製造方法。
  5. 請求項4に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる
    二次電池の製造方法。
  6. アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された電極を備える二次電池の製造方法であって、
    前記電極を形成する電極形成工程を備え、
    前記電極形成工程は、
    前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程と、を有する
    二次電池の製造方法。
  7. 請求項6に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記凍結乾燥工程は、液体窒素を用いて、前記活物質ペーストを凍結させる
    二次電池の製造方法。
  8. アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された、二次電池の電極の製造方法であって、
    前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを乾燥させる乾燥工程と、
    前記塗工工程後、前記乾燥工程の直前までの間、前記金属箔集電体を12℃以下の低温に保つ低温保持工程と、
    を備える電極の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電極の製造方法であって、
    前記乾燥工程は、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程である
    電極の製造方法。
  10. アルカリにより腐食し得る金属箔集電体に、アルカリ性の活物質ペーストを用いて活物質層が形成された、二次電池の電極の製造方法であって、
    前記金属箔集電体に前記活物質ペーストを塗工する塗工工程と、
    前記金属箔集電体に塗工された前記活物質ペーストを凍結乾燥させる凍結乾燥工程と、を備える電極の製造方法。
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