JP2007040894A - 電磁妨害波測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーブを楕円曲面とした反射鏡41の二つの焦点のうち、反射面41aから遠い焦点F1に被試験機を置き、近い側の焦点F2に複数の微小ループアンテナ43ijをマトリクス状に配列させたアンテナ回路42を固定し、被試験機における焦点F1を中心とした測定対象領域中の微小領域から輻射されるノイズを各微小領域に対応する微小ループアンテナ43ijがそれぞれ受信するとした。結果、アンテナ装置40または被試験機を移動させることなく、各切替スイッチを切替えて全微小ループアンテナ43ijを一通り選択するだけで、一つの測定対象領域について、微小領域毎にノイズ検出を行うことができ、ノイズ検出の作業効率が上がり、かつノイズ源の特定も被試験機を構成する極めて小さな部品単位あるいは部品の一部箇所まで落とし込んで正確に行うことができる。
【選択図】図1
Description
一度の近磁界プローブの使用による被試験機におけるノイズ測定可能な範囲は、近磁界プローブの環の面積に依存する。そのため、ノイズ測定の効率を高めるには、近磁界プローブの環を大きくする必要がある。一方、近磁界プローブを大きくすれば、被試験機における微小な面積毎のノイズ測定ができないため、ノイズ源の正確な特定という観点からは不適切である。つまり、ノイズ測定において、作業の効率性と精密性とを両立することが困難であった。また、被試験機における測定対象部位を切替えるべく、近磁界プローブを順次移動させていく際に、近磁界プローブと各測定対象部位との距離を一定に保つことが困難であるため、かかる点からも厳密なノイズの測定およびノイズ源の特定は困難であった。
そこで、請求項3は、請求項2に記載の電磁妨害波測定装置において、上記アンテナ回路は、上記反射によって収束したノイズ信号をそれぞれの位置において受信する微小アンテナをマトリクス状に複数配列することにより構成される構成としてある。
かかる構成とすれば、被試験機のノイズ測定を、被試験機やノイズ信号取得手段の移動を伴う事無く、ノイズ測定対象領域分の面積を一度にまとめてかつ微小アンテナの大きさ単位で精密に細かく測定することができる。
つまり、2軸で定義されるマトリクスの各位置に微小アンテナを順次移動させ、移動先の各位置においてノイズ信号を受信させるとしてもよい。
また他の例として、請求項6の発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電磁妨害波測定装置において、上記微小アンテナは、ヘリカルアンテナである構成としてある。 つまり、被試験機のノイズ測定を微小な範囲毎に行うためのアンテナ回路の一例として、微小ループアンテナやヘリカルアンテナを2軸で定義されるマトリクスの各位置に存在させるとてもよい。
その結果、ノイズ測定対象領域においてある特定周波数のノイズがどのような分布および強さで発生しているのかが一目で判明し、ノイズ源の特定も容易となる。
つまり、エッジ強調後の電界強度分布を表示することにより、ノイズレベルの高い部位と低い部位との差がはっきりと判明し、ノイズ源の特定がより容易となる。
つまり、分布の様子の異なる電界強度分布を比較し、この比較結果を表示することで、時間や駆動状況など各種条件を変化させた被試験機においてノイズの輻射状況がどのように変化したかを容易に知ることができる。
上記ノイズ信号取得手段は、被試験機から輻射されたノイズ信号を反射する反射面のカーブが楕円曲面を描く反射鏡であって、被試験機のうち上記楕円曲面の二つの焦点のうち反射面から遠い側の焦点位置に存在するノイズ測定対象領域から輻射されるノイズ信号を反射する上記反射鏡と、上記二つの焦点のうち反射面に近い側の焦点位置に設置されたアンテナ回路であって、上記反射によって収束したノイズ信号をそれぞれの位置において受信する微小ループアンテナをマトリクス状に複数配列した上記アンテナ回路とからなり、上記ノイズ解析表示手段は、少なくとも、各微小ループアンテナによって捕らえたノイズ信号からそれぞれに特定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、当該バンドパスフィルタから抽出された周波数成分に基づいて上記ノイズ測定対象領域から輻射されているノイズ信号の上記特定の周波数における電界強度分布を表示する画像データを生成するとともに当該画像データに基づく表示を行うコンピュータとからなり、さらにコンピュータは、電界強度分布を表示する際に、上記画像データに対してエッジ強調処理を行いエッジが強調された後の電界強度分布を表示する構成としてある。
図1は、本発明の一実施形態にかかる電磁妨害波測定装置の概略構成を示している。
電磁妨害波測定装置10は、概略、アンテナ装置40と、アンテナ装置移動機構60と、コンピュータ70と、バンドパスフィルタ(BPF)80と、シンクロスコープ90とからなる。コンピュータ70では、中央演算装置としてのCPUが、ROMやRAMなど所定の記憶装置に記録されたプログラムに従って、電磁妨害波測定装置10全体を制御し、コンピュータ70は、上述のアンテナ装置40、アンテナ装置移動機構60、BPF80、シンクロスコープ90とそれぞれに電気的に接続している。
アンテナ装置40は、反射鏡41とアンテナ回路42とから構成される。反射鏡41は、被試験機と相対することにより被試験機から輻射されるノイズを受け止めるとともに、この受け止めたノイズを特定位置に反射させる反射面41aを一方の側面に形成した皿状の部材である。当該反射鏡41は、反射面41aを形成した側を内側にして全体が滑らかに屈曲している。同図では、反射鏡41については鉛直方向の断面図により示している。
一方、被試験機は、必要に応じて設置面Aに置かれた台30の上に載置されている。そして、被試験機の一部領域であって上記焦点F1に位置する部位を中心とした所定領域が、測定対象領域21となる。
本実施形態においては、アンテナ回路42は、それぞれが所定の巻数となった複数の微小ループアンテナ43ij(i=1〜n,j=1〜m)の集合体として構成されている。複数の微小ループアンテナ43ijは、X方向とY方向の二軸方向にそれぞれ決まった間隔にてマトリクス状に配置されている。かかるマトリクス状に配置された微小ループアンテナ43ijのうちで中心に存在する微小ループアンテナ43ijが、上記焦点F2に位置することになる。各微小ループアンテナのループの直径は、例えば、1cm程度と考えられる。
なお、X方向とは、図1の紙面に垂直な方向(左右方向とも言う)を言い、Y方向とは鉛直方向(上下方向とも言う)を言うものとする。
次に、上記構成としたアンテナ回路42によるノイズの受信態様について説明する。
上述したように、焦点F1の位置には被試験機のある部位が存在しており、この部位を中心としてX方向とY方向とにある程度の広がりをもった領域が、上記測定対象領域21となる。測定対象領域21の面積は、全微小ループアンテナ43ijが上記の様にマトリクス状に配列した際に占める面積とほぼ等しい。従って、アンテナ回路42の側では、X方向切替スイッチ44aおよびY方向切替スイッチ44bによって各微小ループアンテナ43ijを順に選択していくことで、測定対象領域21から輻射されるノイズを微小な面積単位で満遍なく受信し、出力することができる。
BPF80は、一つの微小ループアンテナ43ijにて受信したノイズ信号に基づいて、所望の周波数成分を抽出することが可能である。微小ループアンテナ43ijにて受信した時点でのノイズ信号は、様々な周波数成分を含んでいる。そこで、BPF80においては、抽出する周波数を所定の周波数調整用ボリューム等によって調整し、同BPF80から目的周波数成分が抽出されるように設定しておく。ここでいう目的周波数成分(ノイズ成分)とは、被試験機におけるノイズの発生源を特定する際に注目すべき周波数成分、言い換えると対策を施すべき周波数成分であって、いわゆるEMI対策の観点から予め実験などによって定めておくことができる。
コンピュータ70は、各切替スイッチ44a,44bおよびアンテナ装置移動機構60に対する制御に加え、その表示部71に一つの測定対象領域21におけるノイズの分布表示を行う。
かかる分布表示のためにコンピュータ70が実行する画像処理について説明する。
そしてコンピュータ70は、上記のように画面中の各領域での階調値を決定した画像データに基づいて、ノイズの電界強度分布の表示を行う。
ノイズの電界強度分布は、モノクロ画像によって表現されており、電界強度が高い位置ほど高階調値(高輝度)であるため白に近く、電界強度が低い位置ほど、低階調値(低輝度)であるため黒に近くなる。むろん、同図が示すノイズは、周波数は共通(目的周波数)である。同図においては、斜線の密度の濃さで画像の濃淡を表している。同図の例によれば、点Pの地点が最も白に近いことから、このときの測定対象領域における各微小領域のうち、点Pの位置に対応する微小領域にノイズ源が存在すると判断できる。
さらに、本発明においては、以下に示す各種実施形態を採用可能である。
電磁妨害波測定装置10は、図1に示した構成に限られず、図5に示す構成としてもよい。図5においては、スペクトルアナライザ100を備える点で図1と相違する。
スペクトルアナライザ100には、各微小ループアンテナ43ijにおいて受信されたノイズ信号が上記切替の順序に従って順次入力されるようになっている。スペクトルアナライザ100は、一つの微小ループアンテナ43ijを介して入力したノイズ信号に対して周波数分析を行うことが可能であり、図示しないその表示部にはノイズ信号のスペクトル分布を表示する。この場合、横軸に周波数、縦軸に各周波数における電界強度が示されるため、微小ループアンテナ43ijを介して受信したノイズ信号においていずれの周波数成分が多く発生しているかが容易に判別できる。
さらに、コンピュータ70は、上記電界強度分布を表示する場合、一つの周波数における電界強度分布のみを示すのではなく、複数の周波数について、それぞれにノイズの電界強度分布を表示してもよい。これは、同じ測定対象領域であっても、周波数が異なれば発生しているノイズの分布の様子も異なる場合があるからである。
この結果、ユーザは、ノイズ測定の条件を異ならせた前後においてノイズの電界強度分布がどのように変化したかを容易に把握することができる。
図6は、アンテナ回路の上記反射面41aと相対している側の詳細な構造であって、図2とは異なる例を示している。
同図に示すように、アンテナ回路45は、一つの微小ループアンテナ46と、これの位置を移動させるためのX方向移動装置47a、Y方向移動装置47bとから構成されている。
なお、各位置毎において微小ループアンテナ46によって受信されたノイズ信号は、上記所定の順序に従って、微小ループアンテナ46に接続された図示しない導線を介して、BPF80(または、スペクトルアナライザ100)へ出力される。
このように本発明によれば、反射面41aのカーブを楕円曲面とした反射鏡41の二つの焦点のうち、反射面41aから遠い側の焦点F1に被試験機を置き、近い側の焦点F2に、複数の微小ループアンテナ43ijをマトリクス状に配列させたアンテナ回路42を固定することにより、被試験機における焦点F1を中心とした測定対象領域中の微小領域から輻射されるノイズを、各微小領域に対応する微小ループアンテナ43ijがそれぞれ受信するとした。そのため、アンテナ装置40または被試験機を移動させることなく、各切替スイッチを切替えて全微小ループアンテナ43ijを一通り選択するだけで、一つの測定対象領域について、微小ループアンテナ43ijという極めて微小な面積とほぼ同等の微小領域毎にノイズ検出を行うことができ、ノイズ検出の作業効率が上がり、かつ、ノイズ源の特定も被試験機を構成する極めて小さな部品単位あるいは部品の一部箇所まで落とし込んで正確に行うことができる。
20…プラズマテレビジョン
21…測定対象領域
40…アンテナ装置
41…反射鏡
41a…反射面
42,45…アンテナ回路
43ij,46…微小ループアンテナ
44a…X方向切替スイッチ
44b…Y方向切替スイッチ
47a…X方向移動装置
47b…Y方向移動装置
70…コンピュータ
71,91…表示部
80…BPF
90…シンクロスコープ
100…スペクトルアナライザ
Claims (9)
- 被試験機から輻射されるノイズ信号を捕らえるアンテナをマトリクス状に複数配列して構成したノイズ信号取得手段と、対象とするアンテナを所定の順序にて切替えて各アンテナからそのアンテナが捕らえたノイズ信号を出力させるアンテナ位置切替手段と、当該出力されたノイズ信号に基づいて被試験機におけるノイズ信号の発生状況を所定の表示部に表示するノイズ解析表示手段とからなる電磁妨害波測定装置において、
上記ノイズ信号取得手段は、被試験機から輻射されたノイズ信号を反射する反射面のカーブが楕円曲面を描く反射鏡であって、被試験機のうち上記楕円曲面の二つの焦点のうち反射面から遠い側の焦点位置に存在するノイズ測定対象領域から輻射されるノイズ信号を反射する上記反射鏡と、上記二つの焦点のうち反射面に近い側の焦点位置に設置されたアンテナ回路であって、上記反射によって収束したノイズ信号をそれぞれの位置において受信する微小ループアンテナをマトリクス状に複数配列した上記アンテナ回路とからなり、
上記ノイズ解析表示手段は、少なくとも、各微小ループアンテナによって捕らえたノイズ信号からそれぞれに特定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、当該バンドパスフィルタから抽出された周波数成分に基づいて上記ノイズ測定対象領域から輻射されているノイズ信号の上記特定の周波数における電界強度分布を表示する画像データを生成するとともに当該画像データに基づく表示を行うコンピュータとからなり、さらにコンピュータは、電界強度分布を表示する際に、上記画像データに対してエッジ強調処理を行いエッジが強調された後の電界強度分布を表示することを特徴とする電磁妨害波測定装置。 - 被試験機から輻射されるノイズ信号を捕らえるアンテナを直交する2軸によって決定される各位置に存在させることにより構成したノイズ信号取得手段と、アンテナの位置を所定の順序にて切替えてアンテナが捕らえたノイズ信号を出力させるアンテナ位置切替手段と、当該出力されたノイズ信号に基づいて被試験機におけるノイズ信号の発生状況を所定の表示部に表示するノイズ解析表示手段とからなる電磁妨害波測定装置において、
上記ノイズ信号取得手段は、
被試験機から輻射されたノイズ信号を反射する反射面のカーブが楕円曲面を描く反射鏡であって、被試験機のうち上記楕円曲面の二つの焦点のうち反射面から遠い側の焦点位置に存在するノイズ測定対象領域から輻射されるノイズ信号を反射する上記反射鏡と、
上記二つの焦点のうち反射面に近い側の焦点位置に設置されたアンテナ回路であって、上記反射によって収束したノイズ信号を上記2軸によって決定される各位置において受信する微小アンテナを備えた上記アンテナ回路とからなることを特徴とする電磁妨害波測定装置。 - 上記アンテナ回路は、上記反射によって収束したノイズ信号をそれぞれの位置において受信する微小アンテナをマトリクス状に複数配列することにより構成されることを特徴とする請求項2に記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記アンテナ回路は、上記アンテナ位置切替手段による制御に基づいて、上記2軸によって決定される各位置のうちいずれかの位置に移動可能な一つの微小アンテナを備えることを特徴とする請求項2に記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記微小アンテナは、微小ループアンテナであることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記微小アンテナは、ヘリカルアンテナであることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記ノイズ解析表示手段は、各位置における微小アンテナによって捕らえたノイズ信号から特定の周波数成分をそれぞれ抽出するとともに、この抽出した周波数成分に基づいて上記ノイズ測定対象領域から輻射されているノイズ信号の上記特定の周波数における電界強度分布を表示することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記ノイズ解析表示手段は、上記電界強度分布を表示する際に、同分布を表す画像データに対してエッジ強調処理を行い、エッジが強調された電界強度分布を表示することを特徴とする請求項7に記載の電磁妨害波測定装置。
- 上記ノイズ解析表示手段は、上記電界強度分布を取得する処理を複数回実行するとともに、取得した異なる電界強度分布を比較し、当該比較結果を表示することを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の電磁妨害波測定装置。
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