JP2009002757A - 電磁波測定装置及び電磁波測定方法 - Google Patents

電磁波測定装置及び電磁波測定方法 Download PDF

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博之 谷
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Abstract

【課題】被測定物の近傍電磁界分布を正しく評価することができるようにすること。
【解決手段】駆動部14により受信アンテナプローブ11を被測定物18の近傍の測定面19内の各測定点20−iへ移動させて被測定物18の放射電力を測定し、この各測定点20−iで測定した放射電力を用いて演算処理部15で補正演算処理して取得した補正値A(i)[dB]を、受信アンテナプローブ11で受信した近傍電磁波強度P[dBm]に加算する。これにより、被測定物18の放射電力の変化を補正した正しい近傍電磁界評価を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器からの電磁放射を測定するために用いられる電磁波測定装置及び電磁波測定方法に関する。
近年、各種の電子機器から発生する不要輻射による妨害を最小限に抑えるために、多くの国で規制が設けられている。例えば海外では、FCC(アメリカ連邦通信委員会)、CISPR(国際無線障害特別委員会)、VDE(ドイツ電気技術者協会)等で規格が作られている。日本でも、VCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)の自主規制規格が決められており、電子機器製造メーカにおいて、各種の電子機器から発生する不要輻射を抑える対策を行なうようになってきている。
その規格による電磁波測定方法は、不要輻射の発生源である電子機器から所定の遠方距離を隔てた位置での電界強度を測定するもので、測定環境や測定器は特殊なものになるため、測定技術としてかなりの専門技術を必要とする。また、この規格による電磁波測定方法は、被測定物から3[m]又は10[m]の遠方で電磁波を測定するため、電磁波の発生源が電子機器のどこであるのかを特定するのが困難で、不要輻射の対策を行うには、多くの時間と費用が発生する。
そこで、最近では、電子機器のプリント基板回路及び同様な回路装置から放射される近傍での電磁界強度を測定する電磁放射測定装置を用いて、計測の時間とコストの低減を図っている。このような計測機器として、例えば、電子機器の近傍を、電界センサあるいは磁界センサを用いて走査測定し、被測定物の近傍電磁界分布を測定することで、電磁波の発生源を推定するような電磁波測定装置への要求が高まっている。
このような被測定物の近傍電磁界分布を測定する近傍電磁界分布測定機として、被測定物近傍の平面を走査し、2次元電磁界分布を測定し、分布画像から、放射電磁界の大きい部分を特定することで、被測定物から放射された電磁界の評価を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、基準アンテナを用いて磁界プローブの校正を行うことで、近傍磁界測定の測定精度を向上させた測定装置がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−74969号公報 特開2000−214198号公報
しかしながら、従来の近傍電磁界分布測定機は、各測定点での測定精度を、マイクロストリップ線路などを用いて評価し、校正を行っている。このような測定方法の場合には、受信アンテナプローブが近接することで、被測定物から放射される電磁界が乱れ、放射電力が変化するという問題がある。従来の近傍電磁界分布測定機では、この問題を考慮して評価、補正していないため、測定精度を正しく評価できないという課題がある。
本発明は、かかる点を考慮してなされたものであり、被測定物の近傍電磁界分布を正しく評価することができる電磁波測定装置及び電磁波測定方法を提供する。
本発明の電磁波測定装置の1つの態様は、被測定物の近傍で受信アンテナプローブを移動しながら複数の測定点での電磁波強度を取得して、前記被測定物の近傍電磁波強度を測定する電磁波測定装置であって、前記受信アンテナプローブが前記被測定物に接近することによる前記被測定物の放射電磁界の変化量を計測する放射電磁界変化量計測手段と、前記放射電磁界変化量計測手段の計測値に基づいて、前記被測定物の近傍電磁波強度を補正する補正手段と、構成を採る。
本発明の電磁波測定方法の1つの態様は、被測定物の近傍で受信アンテナプローブにより電磁波強度を取得する電磁波強度取得ステップと、前記受信アンテナプローブで受信した前記電磁界強度を測定処理する受信処理ステップと、前記受信アンテナプローブを前記被測定物の近傍測定面内で各測定点へ移動させる走査ステップと、前記各測定点において前記受信アンテナプローブで受信した結果と前記各測定点での補正値を用いて、前記被測定物の近傍電磁波強度の補正演算処理を行う補正演算処理ステップと、を具備する。
本発明によれば、被測定物の近傍で受信アンテナプローブを移動しながら各点での電磁波強度を取得し、近傍電磁波分布を測定する電磁波測定装置において、受信アンテナプローブが被測定物に近接することによる被測定物の放射電磁界の変化を推定し、補正演算を行うことで、被測定物の近傍電磁界を正しく評価することができ、近傍電磁界分布測定装置としての精度評価を行うことができ、装置の信頼性が確保できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態1に係る電磁波測定装置100の構成を示す。電磁波測定装置100は、受信アンテナプローブ11と、受信部12と、計測制御部13と、駆動部14と、演算処理部15と、表示部16と、メモリ17と、を備えて構成されている。
電磁界センサとしての受信アンテナプローブ11は、被測定物18からの電磁波成分を受信する。受信処理手段としての広帯域の受信部12は、受信アンテナプローブ11が受信した電磁波成分を受信処理する。計測制御部13は、受信部12で受信処理された電磁波成分をデータ処理して計測する。走査手段としての駆動部14は、受信アンテナプローブ11と被測定物18とをXYZの各座標軸方向に相対移動させる。演算処理部15は、計測制御部13で計測された電磁波成分に対して、被測定物18の各測定点での補正値を用いて補正演算を実行する。表示部16は、演算処理部15で演算処理された各種結果を表示する。メモリ17は、被測定物18から放射される電磁界の乱れを補正するための補正データを記憶する。
電磁波測定装置100は、校正用の基準アンテナとしての被測定物18に対して、受信アンテナプローブ11を被測定物18から一定距離離れた測定面19内で移動させながら、測定面19内の各座標点である各測定点20−i(i=1〜n)での電磁界強度を測定する。被測定物18としては、ダイポールアンテナ、ヘリカルダイポールアンテナ、マイクロストリップ線路などがある。これらの被測定物18は、Q値が大きく、受信アンテナプローブ11が接近することで、その共振周波数がずれ、その放射電力が大きく変化する。例えば、被測定物18がヘリカルダイポールアンテナの場合には、図2(a)に示すように受信アンテナプローブ11が接近していない場合と、図2(b)に示すように受信アンテナプローブ11が接近した場合とで、その電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)が大きく変化する。
受信アンテナプローブ11としては、ループアンテナ、微小ダイポールアンテナなどを用いることができるが、これらに限られるものではない。なお、受信アンテナプローブ11は、アレイ状に複数配置したものであってもよい。このように、受信アンテナプローブ11をアレイ状に複数配置した場合には、複数の受信アンテナプローブ11と受信部12とを1対1に対応させることで、測定面19内の広範囲の電磁界強度を一括して高速測定することができる。ただし、この場合には、アレイ状の複数の受信アンテナプローブ11が被測定物18に接近することによる放射電力の電磁界の乱れは一層大きくなる。
本例の電磁波測定装置100は、この被測定物18から放射される電磁界の乱れを補正する補正データを用いて、受信部12で受信した電磁界強度を補正演算する構成を採っている。図3に、電磁波測定装置100で用いる補正データを、高周波特性(インピーダンスなど)を測る計測器であるネットワークアナライザ21を用いて作成する場合の構成を示す。
この電磁波測定装置100では、ネットワークアナライザ21と被測定物18とを同軸ケーブル22で接続し、受信アンテナプローブ11が被測定物18に接近したときの、測定面19内の測定点20−1〜測定点20−nの各測定点でのリターンロスを、受信アンテナプローブ11により測定し、取得した測定値を用いて、各測定点20−i(i=1〜n)についての補正値A(i)[dB]を計算する。
ここで、受信アンテナプローブ11が被測定物18の測定面19内の測定点20−iにあるときのリターンロスをRL(i)[dB]とし、受信アンテナプローブ11が被測定物18から十分離れた位置にあるときのリターンロスをRL_far[dB]とすると、測定点20−iにおける補正値A(i)は、式(1)で表される。
A(i)[dB]=RL_far−RL(i)・・・(1)
図4に、受信アンテナプローブ11が被測定物18としてのダイポールアンテナに接近した状態で、被測定物18に対して受信アンテナプローブ11を、X=0でY軸方向に移動した時のリターンロス(dB)の変化を示す。図5に、ダイポールアンテナ(被測定物18)と受信アンテナプローブ11が十分離れた状態での、リターンロスをRL_far=14[dB]とした場合の各測定点20−i(i=1〜n)における補正値A[dB]を示す。
この補正値A(i)[dB]は、受信アンテナプローブ11が被測定物18から遠く離れた際と近接した際の被測定物18の放射電力の差、つまり受信アンテナプローブ11が被測定物18に近接することによる被測定物18の放射電力の変化に相当する。
そこで、本例の電磁波測定装置100においては、上述のようにして求めた補正値A(i)[dB]を、各測定点20−i(i=1〜n)での近傍電磁界強度P[dBm]に加算する。これにより、被測定物18の放射電力の変化を補正した正しい近傍電磁界評価が行える。
図6に、電磁波測定装置100の電磁波測定動作の一例を示す。ここでは、受信アンテナプローブ11が被測定物18に接近したときのリターンロスを事前に測定し、その補正値A(i)をメモリ17に補正データとして格納しておき、この補正データを用いて演算処理部15で補正演算を行うものとする。
電磁波測定装置100の電磁波測定動作がスタートすると、駆動部14が動作して、受信アンテナプローブ11を被測定物18の測定範囲20内の測定点20−iへ移動する(ステップST601)。そして、受信アンテナプローブ11で受信した電磁波を広帯域の受信部12で周波数毎に検波し、その結果を計測制御部13でデータ処理して、測定点20−iでの電磁界強度P(i)[dB]を測定する(ステップST602)。
次いで、測定点20−iで測定した補正値A(i)を用いて、演算処理部15で補正演算を行い(ステップST603)、演算結果である電磁界強度P(i)[dB]の補正データ(P’(i)=P(i)+A(i)[dB])をメモリ17に保存する。
そして、受信アンテナプローブ11による、被測定物18の測定範囲20内の各測定点20−i(i=1〜n)についての電磁界強度P(i)[dB]の測定、及び補正演算が全て完了したか否か、つまりi=nとなったか否か判断する(ステップST604)。
このステップST604において、全ての測定点20−i(i=1〜n)での電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の測定及び補正演算が完了していないと判断した場合には、駆動部14により受信アンテナプローブ11を次の測定点20−i+1へ移動しながら(ステップST605)、ステップST601の電磁界強度P(i)[dB]の測定、及びステップST603の補正演算を、測定範囲20内の全ての測定点20−i(i=1〜n)について順次行っていく。
そして、ステップST604において、全ての測定点20−i(i=1〜n)での電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の測定及び補正計算が完了したと判断した場合には、測定した電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の補正データ(P’(1)=P(1)+A(1)[dB]〜P’(n)=P(n)+A(n))の分布を表示部16に表示して(ステップST606)、電磁波測定装置100の電磁波測定動作を終了する。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、駆動部14により受信アンテナプローブ11を被測定物18の近傍の測定面19内の各測定点20−iへ移動させて被測定物18の放射電力を測定し、この各測定点20−iで測定した放射電力を用いて演算処理部15で補正演算処理して取得した補正値A(i)[dB]を、受信アンテナプローブ11で受信した近傍電磁波強度P[dBm]に加算するので、被測定物18の放射電力の変化を補正した正しい近傍電磁界評価を行うことができる。
なお、図6の例では、ステップST602における測定点20−iでの電磁界強度P(i)[dB]の測定を行った後に、演算処理部15での補正演算を行っているが、この演算処理部15での補正演算は、測定範囲20内の全ての測定点20−i(i=1〜n)についての電磁界強度P(i)[dB]を全て測定し終わってから、一括で行うようにしてもよい。
(実施の形態2)
図7に、本発明の実施の形態2に係る電磁波測定装置200の構成を示す。電磁波測定装置200は、実施の形態1に係る電磁波測定装置100に、ネットワークアナライザ201を加えた構成を有している。ネットワークアナライザ201は、被測定物18と同軸ケーブル202で接続されている。その他の構成は、実施の形態1に係る電磁波測定装置100と同様であるので、同符号を付してその説明は省略する。
図8に、本例の電磁波測定装置200の電磁波測定動作の一例を示す。
電磁波測定装置200の電磁波測定動作がスタートすると、駆動部14が動作して、受信アンテナプローブ11を被測定物18の測定範囲20内の測定点20−iへ移動する(ステップST801)。そして、受信アンテナプローブ11で受信した電磁波を広帯域の受信部12で周波数毎に検波し、その結果を計測制御部13でデータ処理して、測定点20−iでの電磁界強度P(i)[dB]を測定する(ステップST802)。
本例の電磁波測定装置200では、ステップST802での電磁界強度P(i)[dB]の測定処理と同時に、ネットワークアナライザ201により、受信アンテナプローブ11が被測定物18の測定面19内の測定点20−iにあるときのリターンロスRL(i)[dB]を測定する(ステップST803)。
このネットワークアナライザ201で測定したリターンロスRL(i)[dB]を演算処理部15に入力し、このリターンロスRL(i)[dB]と、受信アンテナプローブ11が被測定物18から十分離れた位置にあるときのリターンロスRL_far[dB]とから、測定点20−iにおける補正値A(i)=RL_far−RL(i)を、演算処理部15により演算する(ステップST804)。
次いで、測定点20−iで測定した補正値A(i)を用いて、演算処理部15で補正演算を行い(ステップST805)、演算結果である電磁界強度P(i)[dB]の補正データ(P’(i)=P(i)+A(i)[dB])をメモリ(不図示)に保存する。
そして、受信アンテナプローブ11による、被測定物18の測定範囲20内の各測定点20−i(i=1〜n)についての電磁界強度P(i)[dB]の測定、リターンロスRL(i)[dB]の測定、補正値演算、及び補正演算が全て完了したか否か、つまりi=nとなったか否か判断する(ステップST806)。
このステップST806において、全ての測定点20−i(i=1〜n)での電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の測定、リターンロスRL(i)[dB]の測定、補正値演算、及び補正演算が完了していないと判断した場合には、駆動部14の動作により受信アンテナプローブ11を次の測定点20−i+1へ移動しながら(ステップST807)、ステップST802の電磁界強度P(i)[dB]の測定、ステップST803のリターンロスRL(i)[dB]の測定、ステップST804の補正値演算、及びステップST805の補正演算を、測定範囲20内の全ての測定点20−i(i=1〜n)について順次行っていく。
そして、ステップST806において、全ての測定点20−i(i=1〜n)での電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の測定、リターンロスRL(i)[dB]の測定、補正値演算、及び補正計算が完了したと判断した場合には、測定した電磁界強度P(1)〜P(n)[dB]の補正データ(P’(1)=P(1)+A(1)[dB]〜P’(n)=P(n)+A(n))の分布を表示部16に表示して(ステップST808)、電磁波測定装置200の電磁波測定動作を終了する。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、受信アンテナプローブ11で受信した電磁波を広帯域の受信部12で周波数毎に検波して電磁界強度P(i)を測定すると同時に、ネットワークアナライザ201によりリターンロスRL(i)を測定し、補正値A(i)求めて、演算処理部15で補正演算を行っているので、被測定物18の放射電力の変化を補正した正しい近傍電磁界評価を行うことができるとともに、受信アンテナプローブ11による測定エリアや測定ピッチなどの測定条件が変化した場合でも、この変化に応じた補正値A(i)をリアルタイムで取得することができる。
なお、図8の例では、各測定点20−iでの電磁界強度P(i)[dB]及びリターンロスRL(i)の測定を行う度に、演算処理部15での補正値演算及び補正演算を行っているが、この演算処理部15での補正値演算及び補正演算は、測定範囲20内の全ての測定点20−i(i=1〜n)についての電磁界強度P(i)[dB]及びリターンロスRL(i)を全て測定し終わってから、一括で行うようにしてもよい。
(実施の形態3)
図9に、本発明の実施の形態3に係る電磁波測定装置300の構成を示す。電磁波測定装置300は、実施の形態1に係る電磁波測定装置100に、被測定物18の近傍位置に固定配置した補正値A(i)を測定するための補正値測定専用の補正用受信アンテナプローブ301と、補正用受信アンテナプローブ301が受信した電磁波成分を受信処理する第2の受信部302と、を加えた構成を有している。その他の構成は、実施の形態1に係る電磁波測定装置100と同様であるので、同符号を付してその説明は省略する。
この電磁波測定装置300では、受信アンテナプローブ11が被測定物18の各測定点20−iに近接することによる、被測定物18の放射電磁界の変化を、補正用受信アンテナプローブ301で測定し、この補正用受信アンテナプローブ301の測定結果を補正値A(i)として用いて、演算処理部15での補正演算を行うようにしている。
図10に、被測定物18としてのヘリカルダイポールアンテナに受信アンテナプローブ11が近接した際の放射電磁界の変化を補正用受信アンテナプローブ301で測定した測定結果を示す。
受信アンテナプローブ11が被測定物18の各測定点20−iに近接した際の補正用受信アンテナプローブ301での測定結果Pref(i)と、受信アンテナプローブ11が被測定物18から十分離れた位置にあるときの補正用受信アンテナプローブ301での測定結果Pref_farとを用いて補正演算した測定点20−iにおける補正値B(i)は、式(2)で表される。
B(i)[dB]=Pref_far−Pref(i)・・・(2)
図11に、Pref_far=−64[dBm]としたときの、補正値B(i)の変化を示す。
このようにして求めた補正値B(i)を、各測定点20−iでの近傍電磁界強度Pに加算することで、被測定物18の放射電力の変化を補正した正しい近傍電磁界評価が行える。
図12に、被測定物18としてヘリカルダイポールアンテナを用いた場合の、電磁波測定装置300で補正演算を行う前の放射電磁界の測定値と、補正後の値と、理論計算による理論値と、を示す。図12から、本例の電磁波測定装置300の補正用受信アンテナプローブ301の測定結果Pref(i)とPref_farとを用いて補正演算することで、補正後の値が理論計算による理論値に近づき、被測定物18であるヘリカルダイポールアンテナの分布を正しく測定できていることが分かる。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、受信アンテナプローブ11が被測定物18の各測定点20−iに近接することによる、被測定物18の放射電磁界の変化を、補正用受信アンテナプローブ301で測定し、この補正用受信アンテナプローブ301の測定結果を補正値A(i)として用いて、演算処理部15での補正演算を行うので、実際に被測定物18から放射された電磁界強度を補正用受信アンテナプローブ301で測定して被測定物18の放射電力の変化を高精度に補正することができる。
本発明に係る電磁波測定装置及び電磁波測定方法は、被測定物の正しい近傍磁界分布を評価することができ、電子機器からの近傍電磁界分布測定装置としての正しい評価が行えるので、電磁波を発生する種々の電子機器、電子部品の信頼性評価技術に広く適用して好適である。
本発明の実施の形態1に係る電磁波測定装置の構成を示すブロック図 図2(a)は受信アンテナプローブが接近していない場合の電圧定在波比を示す図、図2(b)は受信アンテナプローブが近づくことによる被測定物の放射電力の乱れを示す図 本発明の実施の形態1に係る電磁波測定装置の補正データの作成方法を示す図 本発明の実施の形態1に係る電磁波測定装置において被測定物としてダイポールアンテナを用いた場合のリターンロスの変化を示す図 本発明の実施の形態1に係る電磁波測定装置において被測定物としてダイポールアンテナを用いた場合の補正値を示す図 本発明の実施の形態1に係る電磁波測定装置の電磁波測定動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る電磁波測定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る電磁波測定装置の電磁波測定動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る電磁波測定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る電磁波測定装置において被測定物としてヘリカルダイポールアンテナを用いた場合の放射電磁界の変化を補正用受信アンテナプローブで測定した測定結果を示す図 本発明の実施の形態3に係る電磁波測定装置において被測定物としてヘリカルダイポールアンテナを用いた場合の補正値B(i)の変化を示す図 本発明の実施の形態3に係る電磁波測定装置において被測定物としてヘリカルダイポールアンテナを用いた場合の、補正演算を行う前の放射電磁界の測定値と、補正後の値と、理論計算による理論値と、を示す図
符号の説明
11 受信アンテナプローブ
12 受信部
13 計測制御部
14 駆動部
15 演算処理部
16 表示部
17 メモリ
18 被測定物
19 測定面
20−i 測定点
21,201 ネットワークアナライザ
22,202 同軸ケーブル
301 補正用受信アンテナプローブ
302 第2の受信部

Claims (6)

  1. 被測定物の近傍で受信アンテナプローブを移動しながら複数の測定点での電磁波強度を取得して、前記被測定物の近傍電磁波強度を測定する電磁波測定装置であって、
    前記受信アンテナプローブが前記被測定物に接近することによる前記被測定物の放射電磁界の変化量を計測する放射電磁界変化量計測手段と、
    前記放射電磁界変化量計測手段の計測値に基づいて、前記被測定物の近傍電磁波強度を補正する補正手段と、
    を具備する電磁波測定装置。
  2. 被測定物の近傍で受信アンテナプローブを移動しながら複数の測定点での電磁波強度を取得して、前記被測定物の近傍電磁波強度を測定する電磁波測定装置であって、
    前記受信アンテナプローブが前記被測定物に接近することによる前記被測定物の放射電力の変化量を測定する放射電力変化量測定手段と、
    放射電力変化量測定手段の測定結果に基づいて、前記被測定物の近傍電磁波強度を補正する補正手段と、
    を具備する電磁波測定装置。
  3. 前記被測定物の近傍に固定されて、前記受信アンテナプローブが前記被測定物に近接した際の前記放射電磁界の変化量を測定する補正用受信アンテナプローブを、さらに備え、
    前記補正手段は、前記補正用受信アンテナプローブの測定結果に基づいて、前記被測定物の近傍電磁波強度を補正する
    請求項1に記載の電磁波測定装置。
  4. 被測定物の近傍で受信アンテナプローブにより電磁波強度を取得する電磁波強度取得ステップと、
    前記受信アンテナプローブで受信した前記電磁界強度を測定処理する受信処理ステップと、
    前記受信アンテナプローブを前記被測定物の近傍測定面内で各測定点へ移動させる走査ステップと、
    前記各測定点において前記受信アンテナプローブで受信した結果と前記各測定点での補正値を用いて、前記被測定物の近傍電磁波強度の補正演算処理を行う補正演算処理ステップと、
    を具備する電磁波測定方法。
  5. 被測定物の近傍で受信アンテナプローブにより電磁波強度を取得する電磁波強度取得ステップと、
    前記受信アンテナプローブで受信した前記電磁界強度を測定処理する受信処理ステップと、
    前記被測定物の放射電力を測定する放射電力測定ステップと、
    前記受信アンテナプローブを前記被測定物の近傍測定面内で前記各測定点へ移動させる走査ステップと、
    前記各測定点において、前記受信アンテナプローブで受信した受信結果を前記各測定点において測定した放射電力を用いて、前記被測定物の近傍電磁波強度の補正演算処理を行う補正演算処理ステップと、
    を具備する電磁波測定方法。
  6. 前記被測定物の近傍に固定された補正用受信アンテナプローブにより、前記受信アンテナプローブが前記被測定物に近接した際の前記放射電磁界の変化量を測定する放射電磁界変化量測定ステップを、さらに備え、
    前記補正演算処理ステップは、前記補正用受信アンテナプローブの測定結果に基づいて、前記被測定物の近傍電磁波強度を補正する
    請求項4に記載の電磁波測定方法。
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