JP2007040837A - ヒータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒータのリード線と電極部との接合部の耐久性を向上させることができるヒータシステムを提供すること。
【解決手段】電気的絶縁材料からなるヒータ基材2と、該ヒータ基材2に形成された発熱部と一対の電極部32とを有するヒータパターンと、電極部32に電気的に接続されたリード線4とを有するヒータ1と、リード線4を介して一対の電極部32の間に電圧を付与する通電制御装置50とを有するヒータシステム10。リード線4と電極部32との接合部11は、異種金属間の接合となっている。ヒータシステム10は、一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成した極性制御手段5を有する。
【選択図】図1
【解決手段】電気的絶縁材料からなるヒータ基材2と、該ヒータ基材2に形成された発熱部と一対の電極部32とを有するヒータパターンと、電極部32に電気的に接続されたリード線4とを有するヒータ1と、リード線4を介して一対の電極部32の間に電圧を付与する通電制御装置50とを有するヒータシステム10。リード線4と電極部32との接合部11は、異種金属間の接合となっている。ヒータシステム10は、一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成した極性制御手段5を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発熱部を有するヒータパターンに電流を供給することにより発熱するヒータと、該ヒータへの通電を行う通電制御装置とを有するヒータシステムに関する。
例えば、自動車エンジンの排気管等には、排気ガス中の酸素濃度やNOx濃度等を測定して、エンジンの燃焼制御等に用いるガスセンサを設置する。
上記ガスセンサは、ガス濃度を検出する検出素子と、該検出素子を素子活性温度に加熱するためのヒータとを有する。検出素子は活性温度に加熱してやらねば正確なガス濃度の測定ができないため、ヒータを設ける必要がある。
上記ガスセンサは、ガス濃度を検出する検出素子と、該検出素子を素子活性温度に加熱するためのヒータとを有する。検出素子は活性温度に加熱してやらねば正確なガス濃度の測定ができないため、ヒータを設ける必要がある。
そして、後述する図4に示すごとき、有底のコップ型の固体電解質体69を備えたガスセンサ6に内蔵して用いるヒータの一例として、図13に示すような構成のヒータ9が知られている。
すなわち、該ヒータ9は、セラミック製のヒータ基材92と、該ヒータ基材92に形成された発熱部(図示略)と一対の電極部93とと、電極部93に電気的に接続されたリード線94とを有する(特許文献1参照)。Niを主成分とする上記リード線94は、図15(a)に示すごとく、電極部93に対して、Au/Cu合金からなるロウ材911を用いて接続されている。
そして、上記リード線94を通じて電力を与えることで、ヒータ9が発熱する。
すなわち、該ヒータ9は、セラミック製のヒータ基材92と、該ヒータ基材92に形成された発熱部(図示略)と一対の電極部93とと、電極部93に電気的に接続されたリード線94とを有する(特許文献1参照)。Niを主成分とする上記リード線94は、図15(a)に示すごとく、電極部93に対して、Au/Cu合金からなるロウ材911を用いて接続されている。
そして、上記リード線94を通じて電力を与えることで、ヒータ9が発熱する。
しかしながら、上記ヒータ9において、リード線94を接続した接続部91において導通不良等の不具合が発生することがあった。導通不良が生じたヒータ9を調べると、接続部91が腐食していた。
具体的には、例えば、図15(a)に示すごとく、リード線94を電極部93に取り付けるロウ材911とリード線94との界面に亀裂95が入り、図15(b)に示すごとく、リード線94が電極部93から脱落する等のの不具合が生じていた。
具体的には、例えば、図15(a)に示すごとく、リード線94を電極部93に取り付けるロウ材911とリード線94との界面に亀裂95が入り、図15(b)に示すごとく、リード線94が電極部93から脱落する等のの不具合が生じていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、リード線と電極部との接合部の腐食を防いでリード線と電極部との導通不良が生じ難いヒータシステムを提供しようとするものである。
なお、ヒータパターンへ極性の異なる電圧を交互に印加したり、ヒータパターンへ交流電流を流したりする方法については、下記の引用文献2、3に記載されている。しかしながら、これらの技術は、異種金属間の接合となっている電極部とリード部との接合部の腐食を防ぐものではない。
本発明は、電気的絶縁材料からなるヒータ基材と、該ヒータ基材に形成された発熱部と一対の電極部とを有するヒータパターンと、上記電極部に電気的に接続されたリード線とを有するヒータと、上記リード線を介して上記一対の電極部の間に電圧を付与する通電制御装置とを有するヒータシステムであって、
上記リード線と上記電極部との接合部は、異種金属間の接合となっており、
上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう制御する極性制御手段を有することを特徴とするヒータシステムにある(請求項1)。
上記リード線と上記電極部との接合部は、異種金属間の接合となっており、
上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう制御する極性制御手段を有することを特徴とするヒータシステムにある(請求項1)。
上述した図15に示す接合部91における腐食、断線は、Au/Cu合金からなるろう材とNiからなるリード線94との接合界面において、リード線94の接合界面が溶出することにより発生している。
この腐食、断線の原因について、発明者は以下のように考えている。
この腐食、断線の原因について、発明者は以下のように考えている。
上記ヒータ9においては、電極部93とリード部94とがろう材によってろう付け接合されている。ろう材はAu/Cu合金からなり、リード線94はNiからなる。
そして、ヒータ9を内蔵したガスセンサにおいては、排ガスが電極部93とリード線94との接合部91へ達しないように気密性を保つ構成としているが、近年の排ガス温度の上昇等に起因して、気密性が低下し、排ガスが上記接合部91へ達することもある。
そして、ヒータ9を内蔵したガスセンサにおいては、排ガスが電極部93とリード線94との接合部91へ達しないように気密性を保つ構成としているが、近年の排ガス温度の上昇等に起因して、気密性が低下し、排ガスが上記接合部91へ達することもある。
これにより、排ガス中の腐食要因となる物質(窒素酸化物等)が電極部93とリード部94との接合部91に達するおそれがある。また、接合部91には、排ガス中の水蒸気が付着したり、停車時等に結露するおそれもある。
更に上記接合部91の配設位置は、ガスセンサの外気取り入れ口から周囲の外気が取り込まれる位置であり、外気に含まれる水蒸気が常に存在する。
その結果、電極部93とリード部94との接合部91は腐食に関連するような水環境が出来る可能性がある。
更に上記接合部91の配設位置は、ガスセンサの外気取り入れ口から周囲の外気が取り込まれる位置であり、外気に含まれる水蒸気が常に存在する。
その結果、電極部93とリード部94との接合部91は腐食に関連するような水環境が出来る可能性がある。
また、本来一対の電極部93の間はヒータ基材92の表面に形成され互いに絶縁されている。上述のごとく、水分が付着しある種の水環境が作られると本来絶縁されている電極間の絶縁抵抗が低下する。
電極間に上記のような水環境ができた状態でヒータ9に、図14(a)に示すような通電が行われると、本来絶縁されていた一対の電極部93の間はヒータ基材92の表面に出来た水環境を介して電極部93の間をそれぞれ正極、陰極にバイアスする新たな経路が形成され、その水環境を介して本来存在しない漏れ電流が、図14(b)に示すごとく流れることが可能になる。結果として外部から電気的な影響を受ける構造が発生し、場合により腐食反応が電気化学的に促進される。
更に、この水環境中に排ガス等の腐食要因となる物質(窒素酸化物等)が溶解する場合、溶解した物質のイオン化により電気伝導性が増加し、漏れ電流が更に流れやすくなる。結果として電気化学反応に基づく腐食反応が進行しやすくなる。
同時に、上記の電極部93に水環境が出来るような状態でヒータパターンに通電させる際に、ろう材のAu又はCuとリード線94のNiとの間のイオン化傾向の差が顕在化する。
即ち本来接合部91の異種金属間で平衡を維持していたものが、外部から余分な電気エネルギーが供給されることによりその平衡状態からずらされるようになる。特に陽極側の電極部93bにおいては、相対的にイオン化傾向の高い卑な金属がイオン化して溶け出す陽極反応が進行する。
即ち本来接合部91の異種金属間で平衡を維持していたものが、外部から余分な電気エネルギーが供給されることによりその平衡状態からずらされるようになる。特に陽極側の電極部93bにおいては、相対的にイオン化傾向の高い卑な金属がイオン化して溶け出す陽極反応が進行する。
陽極側の電極部93bにおいてイオン化し溶け出したNiイオンは陰極側の電極部93aに向かって移動する。このような反応が継続的、または断続的であるが積算的に起きる場合、これにより、リード線94とろう材911との界面において、リード線94の溶出が連続、または断続的ではあるが積算的に起こり、接合部91の腐食が進行し、最終的に断線に至ると考えられる。
また、陰極側の電極部93aへ向かって移動したNiイオンは陰極側で還元析出していくと考えられる。
それ故、図14(a)に示すような従来のヒータの駆動法では上記の漏れ電流が一定の方向へ流れ続けることにより、陽極側の電極部93bからNiが次々と溶出することとなり腐食が進行し最終的に断線に至ると考えられる。
それ故、図14(a)に示すような従来のヒータの駆動法では上記の漏れ電流が一定の方向へ流れ続けることにより、陽極側の電極部93bからNiが次々と溶出することとなり腐食が進行し最終的に断線に至ると考えられる。
そこで漏れ電流の偏りをなくし、更に腐食に関連する漏れ電流量を実効的に抑制、軽減するため、一対の電極部93の間に双方向に漏れ電流が流れるような通電制御構成とすることにより、リード線94の溶出を抑制することが可能となると考えられる。
かかる観点から、発明者は、本発明をなすに至った。ただし、上記のリード線の腐食のメカニズムについては、あくまでも発明者の推測であり、本発明は、必ずしも上記メカニズムに基づく通電不良に対応するものに限定されるものではない。
かかる観点から、発明者は、本発明をなすに至った。ただし、上記のリード線の腐食のメカニズムについては、あくまでも発明者の推測であり、本発明は、必ずしも上記メカニズムに基づく通電不良に対応するものに限定されるものではない。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ヒータにおいては、上記極性制御手段が、上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成してある。これにより、上記電極部とリード部との接合部の腐食を防ぐことができる。
即ち、仮に、一対の電極部の間におけるヒータ基材の表面に水分や腐食物質等が付着し腐食環境が発生した場合においても、一対の電極部に上記のごとく交互に反対極性の電圧を付与することにより、接合部の腐食を抑制することができる。
その結果、リード部の脱落を防ぎ、接合部の耐久性を向上させることができる(実施例7参照)。なお、接合部の腐食の抑制効果のメカニズムについての発明者の考察は後述する。
また、上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与することで、発熱部におけるマイグレーションも抑制することができる。これにより、発熱部における断線も抑制することができる。
上記ヒータにおいては、上記極性制御手段が、上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成してある。これにより、上記電極部とリード部との接合部の腐食を防ぐことができる。
即ち、仮に、一対の電極部の間におけるヒータ基材の表面に水分や腐食物質等が付着し腐食環境が発生した場合においても、一対の電極部に上記のごとく交互に反対極性の電圧を付与することにより、接合部の腐食を抑制することができる。
その結果、リード部の脱落を防ぎ、接合部の耐久性を向上させることができる(実施例7参照)。なお、接合部の腐食の抑制効果のメカニズムについての発明者の考察は後述する。
また、上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与することで、発熱部におけるマイグレーションも抑制することができる。これにより、発熱部における断線も抑制することができる。
以上のごとく、ヒータのリード線と電極部との接合部の耐久性を向上させることができるヒータシステムを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記接合部は、リード線と電極部とが直接互いに異種金属間の接合となっていてもよいし、リード線と電極部との間に介在させる第3の金属と、リード線あるいは電極部との間の接合が異種金属間の接合となっていてもよい。
また、上記一対の電極部の間に付与する反対極性の電圧は、互いに同じ大きさの電圧であることが好ましい。
また、上記ヒータ基材は、例えばアルミナ等のセラミックによって構成することができる。
また、上記一対の電極部の間に付与する反対極性の電圧は、互いに同じ大きさの電圧であることが好ましい。
また、上記ヒータ基材は、例えばアルミナ等のセラミックによって構成することができる。
また、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上とするよう構成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、電極部とリード線との接合部の腐食を効果的に防ぐことができる。
上記切替周波数が1Hz未満の場合には、上記接合部の腐食を充分に抑制することが困難となるおそれがある。
また、上記切替周波数は、上述の漏れ電流が飽和値に達する前に切り替え、漏れ電流を実効的に少なくする観点から、ヒータの発熱部に必要な電力を充分に供給でき、切り替えに伴う電磁ノイズが問題とならない範囲で可能な限り高い切替周波数であることが好ましい。
この場合には、電極部とリード線との接合部の腐食を効果的に防ぐことができる。
上記切替周波数が1Hz未満の場合には、上記接合部の腐食を充分に抑制することが困難となるおそれがある。
また、上記切替周波数は、上述の漏れ電流が飽和値に達する前に切り替え、漏れ電流を実効的に少なくする観点から、ヒータの発熱部に必要な電力を充分に供給でき、切り替えに伴う電磁ノイズが問題とならない範囲で可能な限り高い切替周波数であることが好ましい。
また、上記極性制御手段は、反対極性の2つの電源のいずれか一方を上記一対の電極部の間に接続することにより上記一対の電極部の間にかける電圧の極性を切り替える切替回路を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、電圧の極性の切替を容易に行うことができると共に、プラス電源とマイナス電源との干渉を容易に防ぐことができる。
この場合には、電圧の極性の切替を容易に行うことができると共に、プラス電源とマイナス電源との干渉を容易に防ぐことができる。
また、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧を連続的に掃引して極性を切り替えるよう構成してもよい(請求項4)。
この場合にも、電圧の極性の切替を容易に行うことができる。また、漏れ電流を少なくすることができ、接合部の腐食をより抑制することができる。
この場合にも、電圧の極性の切替を容易に行うことができる。また、漏れ電流を少なくすることができ、接合部の腐食をより抑制することができる。
また、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替時に、通電を停止する時間帯を設けるよう構成してあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記極性制御手段における短絡を防いで、極性制御手段を保護することができる。
この場合には、上記極性制御手段における短絡を防いで、極性制御手段を保護することができる。
また、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の波形を、ピークに達する直前でなまらせるよう構成してあることが好ましい(請求項6)。
この場合には、ヒータパターンへ通電する電圧の極性を切り替えたときに、一時的に大きな電圧がかかるオーバーシュート或いはアンダーシュートが発生することを防ぎ、電極部とリード線との接合部の腐食を抑制することができる。
即ち、オーバーシュート或いはアンダーシュートが発生する場合、オーバーシュート或いはアンダーシュート時の過大な電圧変化が腐食反応部に負荷され、腐食反応が異常に促進する可能性がある。そのため、上記のごとくオーバーシュート或いはアンダーシュートの発生を防ぐことで、接合部の腐食を抑制することができる。
この場合には、ヒータパターンへ通電する電圧の極性を切り替えたときに、一時的に大きな電圧がかかるオーバーシュート或いはアンダーシュートが発生することを防ぎ、電極部とリード線との接合部の腐食を抑制することができる。
即ち、オーバーシュート或いはアンダーシュートが発生する場合、オーバーシュート或いはアンダーシュート時の過大な電圧変化が腐食反応部に負荷され、腐食反応が異常に促進する可能性がある。そのため、上記のごとくオーバーシュート或いはアンダーシュートの発生を防ぐことで、接合部の腐食を抑制することができる。
また、上記ヒータは、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子の温度を調整するためのヒータとすることができる(請求項7)。
この場合には、耐久性に優れたガスセンサ素子用のヒータを得ることができる。すなわち、ガスセンサ素子の温調に用いるヒータの電極部は、水分や腐食物質を含む排ガス等の被測定ガスに曝されて、腐食しやすい過酷な環境下におかれるおそれがある。かかる過酷な環境下においても、上記のような通電制御を行うことにより、接合部の腐食を抑制することができる。
この場合には、耐久性に優れたガスセンサ素子用のヒータを得ることができる。すなわち、ガスセンサ素子の温調に用いるヒータの電極部は、水分や腐食物質を含む排ガス等の被測定ガスに曝されて、腐食しやすい過酷な環境下におかれるおそれがある。かかる過酷な環境下においても、上記のような通電制御を行うことにより、接合部の腐食を抑制することができる。
また、上記接合部は、Ni−Au接合とすることができる(請求項8)。
この場合には、本発明の効果を充分に発揮することができる。即ち、NiとAuとは、イオン化傾向の差が大きく、陽極反応によってNiがイオン化されて溶出しやすい。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、Niの溶出を防ぎ、接合部の腐食を効果的に抑制することができる。
この場合には、本発明の効果を充分に発揮することができる。即ち、NiとAuとは、イオン化傾向の差が大きく、陽極反応によってNiがイオン化されて溶出しやすい。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、Niの溶出を防ぎ、接合部の腐食を効果的に抑制することができる。
また、上記電極部と上記リード線とは、Au/Cu合金からなるろう材によってろう付け接合されており、上記リード線はNiからなることが好ましい(請求項9)。
この場合にも、本発明の効果を充分に発揮することができる。即ち、Au/Cu合金からなるろう材とNiからなるリード線との接合という観点からは、上記の構成は陽極反応によってリード線のNiが溶出しやすい条件にある。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、Niの溶出を防ぎ、接合部の腐食を効果的に抑制することができる。
この場合にも、本発明の効果を充分に発揮することができる。即ち、Au/Cu合金からなるろう材とNiからなるリード線との接合という観点からは、上記の構成は陽極反応によってリード線のNiが溶出しやすい条件にある。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、Niの溶出を防ぎ、接合部の腐食を効果的に抑制することができる。
また、上記極性制御手段は、上記通電制御装置に組み込まれていることが好ましい(請求項10)。
この場合には、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。また、システム全体の小型化を図ることができる。
この場合には、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。また、システム全体の小型化を図ることができる。
また、上記極性制御手段は、上記通電制御装置と上記ヒータとを接続するケーブルの途中に配設されていてもよい(請求項11)。
この場合にも、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。
この場合にも、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。
また、上記極性制御手段は、上記通電制御装置と上記ヒータとを接続するコネクタの内部に配設されていてもよい(請求項12)。
この場合にも、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。
この場合にも、ヒータシステムの配線を容易に行うことができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るヒータシステムにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のヒータシステム10は、図1〜図3に示すごとく、ヒータ1と該ヒータ1に電圧を供給する通電制御装置50とを有する。
上記ヒータ1は、電気的絶縁材料からなるヒータ基材2と、該ヒータ基材2に形成された発熱部31と一対の電極部32とを有するヒータパターン3と、電極部32に電気的に接続されたリード線4とを有する。また、通電制御装置50は、リード線4を介して一対の電極部32の間に電圧を付与する。
本発明の実施例に係るヒータシステムにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のヒータシステム10は、図1〜図3に示すごとく、ヒータ1と該ヒータ1に電圧を供給する通電制御装置50とを有する。
上記ヒータ1は、電気的絶縁材料からなるヒータ基材2と、該ヒータ基材2に形成された発熱部31と一対の電極部32とを有するヒータパターン3と、電極部32に電気的に接続されたリード線4とを有する。また、通電制御装置50は、リード線4を介して一対の電極部32の間に電圧を付与する。
リード線4と電極部32との接合部11は、異種金属間の接合となっている。
そして、ヒータシステム10は、図5(a)に示すごとく上記一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう制御する極性制御手段5を有する。
また、極性制御手段5は、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上としている。
また、上記一対の電極部32の間に付与する反対極性の電圧は、互いに同じ大きさの電圧Vである。
そして、ヒータシステム10は、図5(a)に示すごとく上記一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう制御する極性制御手段5を有する。
また、極性制御手段5は、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上としている。
また、上記一対の電極部32の間に付与する反対極性の電圧は、互いに同じ大きさの電圧Vである。
また、上記接合部11は、Ni−Au接合となっている。即ち、図2、図3に示すごとく、電極部32とリード線4とは、Au/Cu合金からなるろう材111によってろう付け接合されており、リード線4はNiを主成分とするものからなる。
また、上記ヒータ基材2は、アルミナ等のセラミックによって構成してある。
そして、ヒータ基材2は、略円柱形状を有しており、セラミックからなる心棒21の外周に、セラミックからなるシート状体22を巻回してなる。該シート状体22には、図2、図3に示すごとく、発熱部31と、電極部32と、両者の間に形成されたリード部33及びスルーホール34とからなるヒータパターン3が形成されている。発熱部31及びリード部33と、電極部32とは、互いにシート状体22の反対側の面に形成されている。そして、シート状体22は、発熱部31及びリード部33が内側になるように、心棒21に巻回されている。
そして、ヒータ基材2は、略円柱形状を有しており、セラミックからなる心棒21の外周に、セラミックからなるシート状体22を巻回してなる。該シート状体22には、図2、図3に示すごとく、発熱部31と、電極部32と、両者の間に形成されたリード部33及びスルーホール34とからなるヒータパターン3が形成されている。発熱部31及びリード部33と、電極部32とは、互いにシート状体22の反対側の面に形成されている。そして、シート状体22は、発熱部31及びリード部33が内側になるように、心棒21に巻回されている。
また、電極部32は、ヒータ1の基端部12において、対角上に一対形成されている。そして、各電極部32に、上述のごとくリード線4がろう材111によって接合されている。
また、一対の電極部32のうちの一方の電極部32aは接地されている。そして、極性制御手段5は、他方の電極部32bに対して、図5(a)に示すごとく、プラスの電圧(+V)とマイナスの電圧(−V)とを交互に付与している。即ち、極性制御手段5は、図1に示すごとく、バッテリー51の電力を基に、電極部32bにプラスの電圧を付与するためのプラス電源52と、電極部32bにマイナスの電圧を付与するためのマイナス電源53とを並列配置してなる。そして、ヒータパターン3への通電に使用する電源を、プラス電源52とマイナス電源53との間で交互に切り替えるための切替回路54が設けてある。
また、一対の電極部32のうちの一方の電極部32aは接地されている。そして、極性制御手段5は、他方の電極部32bに対して、図5(a)に示すごとく、プラスの電圧(+V)とマイナスの電圧(−V)とを交互に付与している。即ち、極性制御手段5は、図1に示すごとく、バッテリー51の電力を基に、電極部32bにプラスの電圧を付与するためのプラス電源52と、電極部32bにマイナスの電圧を付与するためのマイナス電源53とを並列配置してなる。そして、ヒータパターン3への通電に使用する電源を、プラス電源52とマイナス電源53との間で交互に切り替えるための切替回路54が設けてある。
また、ヒータ1は、排ガス等の被測定ガス中の酸素濃度等の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子65の温度を調整するためのヒータである。即ち、ヒータ1は、図4に示すごとく、ガスセンサ6に内蔵されている。
ガスセンサ6は、筒型のハウジング68と該ハウジング68に挿通したコップ型のガスセンサ素子65と、上記ハウジング68の先端側に設けた被測定ガス側カバー61と、ハウジング68の基端側に設けた大気側カバー62とを有する。
ガスセンサ6は、筒型のハウジング68と該ハウジング68に挿通したコップ型のガスセンサ素子65と、上記ハウジング68の先端側に設けた被測定ガス側カバー61と、ハウジング68の基端側に設けた大気側カバー62とを有する。
上記被測定ガス側カバー61の内部は被測定ガス雰囲気の被測定ガス室610を構成し、ここに導入された排ガス等の被測定ガスに基づいて、上記ガスセンサ素子65が酸素濃度等の特定ガス濃度の測定を行う。
大気側カバー62の内部は大気雰囲気の大気室620を構成し、ガスセンサ素子65の内部もこれに連通し、大気室620の一部を構成する。
大気側カバー62の内部は大気雰囲気の大気室620を構成し、ガスセンサ素子65の内部もこれに連通し、大気室620の一部を構成する。
上記ハウジング68の内部には上記ガスセンサ素子65が挿通されるが、両者の間には粉末シール材631、絶縁部材632が配置され、気密性、液密性が確保されている。
上記絶縁部材632の基端側はリング状部材634を介して、上記ハウジング68の基端側が内側に曲げられて、かしめられている。
上記絶縁部材632の基端側はリング状部材634を介して、上記ハウジング68の基端側が内側に曲げられて、かしめられている。
上記ガスセンサ素子65は、有底筒型の固体電解質体69の外側面と内側面にそれぞれ外側電極と内側電極とを設けてなる(図示略)。固体電解質体69の内部に上記セラミックヒータ1が配置される。
また、ガスセンサ素子65には、外側電極、内側電極とそれぞれ電気的に導通する接触端子671、672が設けてあり、該接触端子671、672は外部リード線603、604に接続される。
また、上記セラミックヒータ1の電極部32に接続された2本のリード線4は、2本の外部リード線601(1本は図示略)にそれぞれ接続され、上記極性制御手段5(図1)に接続される。
また、上記セラミックヒータ1の電極部32に接続された2本のリード線4は、2本の外部リード線601(1本は図示略)にそれぞれ接続され、上記極性制御手段5(図1)に接続される。
極性制御手段5は、図6に示すごとく、上記通電制御装置50としてのECU(エンジン制御ユニット)に組み込まれている。通電制御装置50は、ガスセンサ6と、ケーブル551、552、及びコネクタ553によって電気的に接続されている。ケーブル551は、ガスセンサ6の上記外部リード線603、604を通電制御装置50に接続し、ケーブル552は、上記外部リード線601を通電制御装置50における極性制御手段5に接続している。
通電制御装置50は、例えば、ガスセンサ6からの信号を受け、該信号に基づき、エンジンにおける空燃比等を電子的に制御する。また、通電制御装置50は、ヒータ1への通電も制御している。そして、通電制御装置50からの指令に基づき、極性制御手段5が、上述のごとく、上記一対の電極部32にかける電圧の極性を切り替える。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ヒータ1においては、上記極性制御手段5が、上記一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成してある。これにより、上記電極部32とリード部4との接合部11の腐食を防ぐことができる(実施例7参照)。
即ち、仮に、一対の電極部32の間におけるヒータ基材2の表面に水分や腐食物質が付着した場合においても、一対の電極部32に上記のごとく交互に反対極性の電圧を付与することにより、接合部11の腐食を抑制することができる。
その結果、リード部4の脱落を防ぎ、接合部11の耐久性を向上させることができる。
上記ヒータ1においては、上記極性制御手段5が、上記一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう構成してある。これにより、上記電極部32とリード部4との接合部11の腐食を防ぐことができる(実施例7参照)。
即ち、仮に、一対の電極部32の間におけるヒータ基材2の表面に水分や腐食物質が付着した場合においても、一対の電極部32に上記のごとく交互に反対極性の電圧を付与することにより、接合部11の腐食を抑制することができる。
その結果、リード部4の脱落を防ぎ、接合部11の耐久性を向上させることができる。
この接合部11の腐食の抑制効果のメカニズムについて、発明者は次のように考えている。
上述したごとく、接合部91(図13、図15)の腐食原因としては、本来絶縁されている電極93間に流れる漏れ電流に起因するものが考えられる。即ち、電極93間の絶縁抵抗が水分の結露等で低下した状態で、ヒータ通電が行われると、一対の電極部93の間においてヒータ基材92の表面を伝って本来存在しない微量の漏れ電流が流れるようになる(図14)。その結果として、本来絶縁されていた電極部93の間をそれぞれに陽極、陰極にバイアスする新たな経路が形成され、外部から電気的なエネルギーの影響を受ける構造が発生し、場合により電気化学的な腐食反応が促進することがある。
上述したごとく、接合部91(図13、図15)の腐食原因としては、本来絶縁されている電極93間に流れる漏れ電流に起因するものが考えられる。即ち、電極93間の絶縁抵抗が水分の結露等で低下した状態で、ヒータ通電が行われると、一対の電極部93の間においてヒータ基材92の表面を伝って本来存在しない微量の漏れ電流が流れるようになる(図14)。その結果として、本来絶縁されていた電極部93の間をそれぞれに陽極、陰極にバイアスする新たな経路が形成され、外部から電気的なエネルギーの影響を受ける構造が発生し、場合により電気化学的な腐食反応が促進することがある。
更にはこの水環境中に腐食要因物質が溶解する場合、溶解物質のイオンによる電気伝導性が更に増加し漏れ電流が多く流れるようになる。電気化学反応に基づく腐食反応が進行しやすくなる。
そして、一対の電極部93の間におけるヒータ基材92の表面を伝って流れる漏れ電流が、一方の電極部93bから他方の電極部93aへ向かって一定の方向へ流れ続けることにより、上記一方の電極部93bとリード線94との接合部91からNiが溶出し、腐食が発生し、最終的には断線に至ることが考えられる。
そして、一対の電極部93の間におけるヒータ基材92の表面を伝って流れる漏れ電流が、一方の電極部93bから他方の電極部93aへ向かって一定の方向へ流れ続けることにより、上記一方の電極部93bとリード線94との接合部91からNiが溶出し、腐食が発生し、最終的には断線に至ることが考えられる。
そこで、図5(a)に示すごとく、一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に付与することにより、図5(b)に示すごとく、一対の電極部32の間における漏れ電流が、一方の電極部32a(32b)から他方の電極部32b(32a)へ向かって一定の方向へ流れ続けることを防ぐことができる。
また、漏れ電流は、図5(c)、(d)に示すごとく、ヒータパターン3へ付与する電圧の立上り時においては、飽和電流値I0に達するまでに多少の時間(飽和到達時間t0)がかかる。それ故、図5(a)に示すごとく、ヒータパターン3へ付与する電圧の極性の切替を、漏れ電流が飽和する前の短い周期で行えば、図5(b)に示すごとく、漏れ電流を小さくすることができる。
このような電圧の極性の切替を繰り返し行うことにより、漏れ電流の総和を小さくすることができる。
その結果、接合部11におけるリード線4のNiの溶出を抑制し、接合部11の腐食を抑制することができるものと考えられる。
このような電圧の極性の切替を繰り返し行うことにより、漏れ電流の総和を小さくすることができる。
その結果、接合部11におけるリード線4のNiの溶出を抑制し、接合部11の腐食を抑制することができるものと考えられる。
また、上記一対の電極部32の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与することで、発熱部31におけるマイグレーションを抑制することもできる。これにより、発熱部31における断線も抑制することができる。
また、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上としてあるため、電極部32とリード線4との接合部11の腐食を効果的に防ぐことができる。
また、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上としてあるため、電極部32とリード線4との接合部11の腐食を効果的に防ぐことができる。
また、上記ヒータ1は、上記ガスセンサ素子65の温度を調整するためのヒータであるため、耐久性に優れたガスセンサ素子65用のヒータ1とすることができる。すなわち、ガスセンサ素子65の温調に用いるヒータ1の電極部32は、水分や腐食物質を含む排ガス等の被測定ガスに曝されて、腐食しやすい過酷な環境下におかれるおそれがある。かかる過酷な環境下においても、上記のような通電制御を行うことにより、接合部11の腐食を抑制することができる。
また、上記接合部11は、Ni−Au/Cu接合としているため、本発明の効果を充分に享受することができる。即ち、NiとAuとは、イオン化傾向の差が大きく、陽極反応によってNiがイオン化されて溶出しやすい。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、接合部11において相対的に卑な金属であるNiの溶出を防ぎ、接合部11の腐食を効果的に抑制することができる。具体的には、電極部32とリード線4とは、Au/Cu合金からなるろう材111によってろう付け接合されており、リード線4はNiからなる。Au/Cu合金からなるろう材とNiからなるリード線との接合という観点からは、上記の構成は、陽極反応によってリード線4のNiが溶出しやすい条件にある。そこで、上述したような本発明の通電制御を行うことにより、Niの溶出を防ぎ、接合部11の腐食を効果的に抑制することができる。
以上のごとく、ヒータのリード線と電極部との接合部の耐久性を向上させることができるヒータシステムを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図7に示すごとく、極性制御手段5が、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替時に、通電を停止する時間帯Δtを設けるよう構成してある例である。
即ち、電極部32bに付与したプラスの電圧(+V)を立ち下げた後、Δtの時間だけ通電を停止して、その後、通電部32bにマイナスの電圧(−V)を立ち上げる。更に、電極部32bに付与したマイナスの電圧(−V)を立ち下げた後、Δtの時間だけ通電を停止して、その後、通電部32bにプラスの電圧(+V)を立ち上げる。極性制御手段5は、このような通電を繰り返す。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、図7に示すごとく、極性制御手段5が、一対の電極部32の間にかける電圧の極性の切替時に、通電を停止する時間帯Δtを設けるよう構成してある例である。
即ち、電極部32bに付与したプラスの電圧(+V)を立ち下げた後、Δtの時間だけ通電を停止して、その後、通電部32bにマイナスの電圧(−V)を立ち上げる。更に、電極部32bに付与したマイナスの電圧(−V)を立ち下げた後、Δtの時間だけ通電を停止して、その後、通電部32bにプラスの電圧(+V)を立ち上げる。極性制御手段5は、このような通電を繰り返す。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、上記極性制御手段5における短絡を防いで、極性制御手段5を保護することができる。即ち、図5(a)に示すごとく、プラスの電圧(+V)を立ち下げると同時にマイナスの電圧(−V)を立ち上げようとすると、場合によっては、プラス電源52とマイナス電源53とが一時的に短絡するおそれがある。そこで、図7に示すごとく、電圧の極性の切替時に通電を停止する時間帯Δtを設けることにより、上記の短絡を確実に防ぐことができる。
また切替時に通電を停止する時間帯Δtを変える制御をすることでヒータへの供給電力量を制御し、発熱部の温度調整を行うことに利用することもできる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
また切替時に通電を停止する時間帯Δtを変える制御をすることでヒータへの供給電力量を制御し、発熱部の温度調整を行うことに利用することもできる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図8に示すごとく、極性制御手段5が、一対の電極部32の間にかける電圧の波形を、ピークに達する直前でなまらせるよう構成してある例である。
即ち、電圧の立上り時において、電圧値を一気にピーク(最大値である+Vまたは−V)まで上げることなく、ピークの直前から徐々に電圧値を上げてピーク(+Vまたは−V)に到達させる。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、図8に示すごとく、極性制御手段5が、一対の電極部32の間にかける電圧の波形を、ピークに達する直前でなまらせるよう構成してある例である。
即ち、電圧の立上り時において、電圧値を一気にピーク(最大値である+Vまたは−V)まで上げることなく、ピークの直前から徐々に電圧値を上げてピーク(+Vまたは−V)に到達させる。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、ヒータパターン3へ通電するの電圧の極性を切り替えたときに、一時的に大きな電圧がかかるオーバーシュート或いはアンダーシュートが発生することを防ぎ、電極部32とリード線4との接合部11の腐食を抑制することができる。即ち、電圧の立上り時においては、一時的に+Vまたは−Vを超える大きな電圧がかかることがある(オーバーシュート、アンダーシュート)。これにより、接合部11の腐食が大きく促進されるおそれがある。そこで、通電電圧波形をピークに達する直前でなまらせるよう制御することにより、オーバーシュート及びアンダーシュートの発生を防ぎ、接合部11の腐食を防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、本例においても、実施例2と同様に電圧の極性の切替時に通電を停止する時間帯を設けてもよい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、本例においても、実施例2と同様に電圧の極性の切替時に通電を停止する時間帯を設けてもよい。
(実施例4)
本例は、図9に示すごとく、極性制御手段5を、一対の電極部32の間にかける電圧を連続的に掃引して極性を切り替えるよう構成してある例である。
この場合には、例えばアンプ等を用いて電圧を連続的に掃引しながら上記一対の電極部32の極性をプラスからマイナス、或いはマイナスからプラスへ切り替える。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、図9に示すごとく、極性制御手段5を、一対の電極部32の間にかける電圧を連続的に掃引して極性を切り替えるよう構成してある例である。
この場合には、例えばアンプ等を用いて電圧を連続的に掃引しながら上記一対の電極部32の極性をプラスからマイナス、或いはマイナスからプラスへ切り替える。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、電圧の極性の切替を容易に行うことができる。また、漏れ電流を少なくすることができ、接合部11の腐食をより抑制することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、図10に示すごとく、極性制御手段5を、通電制御装置50としてのECU(エンジン制御ユニット)とヒータ1とを接続するケーブル552の途中に配設した例である。
通電制御装置50は、ケーブル551、552、及びコネクタ553によって、ガスセンサ6と電気的に接続されている。そして、ケーブル551は、ガスセンサ素子65の出力端子に接続された外部リード線603、604を通電制御装置50に接続し、ケーブル552は、ヒータ1のリード線4に接続された外部リード線601を通電制御装置50に接続している。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、ヒータシステム10の配線を容易に行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図10に示すごとく、極性制御手段5を、通電制御装置50としてのECU(エンジン制御ユニット)とヒータ1とを接続するケーブル552の途中に配設した例である。
通電制御装置50は、ケーブル551、552、及びコネクタ553によって、ガスセンサ6と電気的に接続されている。そして、ケーブル551は、ガスセンサ素子65の出力端子に接続された外部リード線603、604を通電制御装置50に接続し、ケーブル552は、ヒータ1のリード線4に接続された外部リード線601を通電制御装置50に接続している。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、ヒータシステム10の配線を容易に行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例6)
本例は、図11に示すごとく、極性制御手段5を、通電制御装置50とヒータ1とを接続するコネクタ553の内部に配設した例である。
コネクタ553は、ガスセンサ6の外部リード線601、603、604の端子として設けてあり、通電制御装置50に繋がるケーブル551、552と接続するよう構成されている。そして、上記コネクタ553の内部に、極性制御手段5を配設してある。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、ヒータシステム10の配線を容易に行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図11に示すごとく、極性制御手段5を、通電制御装置50とヒータ1とを接続するコネクタ553の内部に配設した例である。
コネクタ553は、ガスセンサ6の外部リード線601、603、604の端子として設けてあり、通電制御装置50に繋がるケーブル551、552と接続するよう構成されている。そして、上記コネクタ553の内部に、極性制御手段5を配設してある。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、ヒータシステム10の配線を容易に行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例7)
本例は、図12に示すごとく、ヒータの一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替周波数と、接合部の腐食寿命との関係につき調べた例である。
即ち、自動車エンジンの排気系と同等の腐食環境を作り出し、この腐食環境に、実施例1に示したヒータ1を配置する。そして、ヒータ1に通電したとき、電極部とリード線との接合部の腐食が発生する時間、即ち腐食寿命を測定した。
本例は、図12に示すごとく、ヒータの一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替周波数と、接合部の腐食寿命との関係につき調べた例である。
即ち、自動車エンジンの排気系と同等の腐食環境を作り出し、この腐食環境に、実施例1に示したヒータ1を配置する。そして、ヒータ1に通電したとき、電極部とリード線との接合部の腐食が発生する時間、即ち腐食寿命を測定した。
このとき、ヒータ1の一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替周波数を種々変更したものについて同様の試験を行った。この中に、切替周波数0Hz、即ち極性の切り替えを行わず直流電圧を付与し続けたもの(従来の通電方式)もあり、これを比較例とした。
腐食寿命は、この比較例の腐食寿命を1として、これとの比で評価した。
腐食寿命は、この比較例の腐食寿命を1として、これとの比で評価した。
なお、ここで腐食寿命とは、接合部において、リード線がろう材から分離(断線)するまで(図15(b)参照)の積算の通電時間をいうものとする。
測定結果を図12に示す。
同図から分かるように、通電電圧の極性の切り替えを行うことにより、接合部の腐食寿命が延びる。また、通電電圧の極性の切替周波数を大きくするほど、接合部の腐食寿命が延びる。
そして、通電電圧の極性の切り替えを行わなかった比較例(切替周波数0Hz)の腐食寿命に対し、切替周波数を1Hz以上とした場合の接合部の腐食寿命は、7倍以上とすることができる。
同図から分かるように、通電電圧の極性の切り替えを行うことにより、接合部の腐食寿命が延びる。また、通電電圧の極性の切替周波数を大きくするほど、接合部の腐食寿命が延びる。
そして、通電電圧の極性の切り替えを行わなかった比較例(切替周波数0Hz)の腐食寿命に対し、切替周波数を1Hz以上とした場合の接合部の腐食寿命は、7倍以上とすることができる。
なお、上記実施例においては、ヒータとして円筒形状のものを示したが、その形状は、板形状その他種々の形状とすることができる。
また、上記実施例においては、リード線と電極部とをろう材によってろう付けした構成を示したが、上記接合部は、リード線と電極部とが直接接触された状態であってもよい。そして、リード線と電極部とは溶接されていてもよいし、単なる押圧接触であってもよい。
また、上記実施例においては、リード線と電極部とをろう材によってろう付けした構成を示したが、上記接合部は、リード線と電極部とが直接接触された状態であってもよい。そして、リード線と電極部とは溶接されていてもよいし、単なる押圧接触であってもよい。
1 ヒータ
10 ヒータシステム
11 接合部
2 ヒータ基材
3 ヒータパターン
31 発熱部
32 電極部
4 リード線
5 極性制御手段
50 通電制御装置
6 ガスセンサ
65 ガスセンサ素子
10 ヒータシステム
11 接合部
2 ヒータ基材
3 ヒータパターン
31 発熱部
32 電極部
4 リード線
5 極性制御手段
50 通電制御装置
6 ガスセンサ
65 ガスセンサ素子
Claims (12)
- 電気的絶縁材料からなるヒータ基材と、該ヒータ基材に形成された発熱部と一対の電極部とを有するヒータパターンと、上記電極部に電気的に接続されたリード線とを有するヒータと、上記リード線を介して上記一対の電極部の間に電圧を付与する通電制御装置とを有するヒータシステムであって、
上記リード線と上記電極部との接合部は、異種金属間の接合となっており、
上記一対の電極部の間に反対極性の電圧を交互に繰り返し付与するよう制御する極性制御手段を有することを特徴とするヒータシステム。 - 請求項1において、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替周波数を1Hz以上とするよう構成してあることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1又は2において、上記極性制御手段は、反対極性の2つの電源のいずれか一方を上記一対の電極部の間に接続することにより上記一対の電極部の間にかける電圧の極性を切り替える切替回路を有することを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1又は2において、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧を連続的に掃引して極性を切り替えるよう構成してあることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の極性の切替時に、通電を停止する時間帯を設けるよう構成してあることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記極性制御手段は、上記一対の電極部の間にかける電圧の波形を、ピークに達する直前でなまらせるよう構成してあることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記ヒータは、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子の温度を調整するためのヒータであることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、上記接合部は、Ni−Au接合となっていることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項8において、上記電極部と上記リード線とは、Au/Cu合金からなるろう材によってろう付け接合されており、上記リード線はNiからなることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜9のいずれか一項において、上記極性制御手段は、上記通電制御装置に組み込まれていることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項1〜9のいずれか一項において、上記極性制御手段は、上記通電制御装置と上記ヒータとを接続するケーブルの途中に配設されていることを特徴とするヒータシステム。
- 請求項11において、上記極性制御手段は、上記通電制御装置と上記ヒータとを接続するコネクタの内部に配設されていることを特徴とするヒータシステム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005225656A JP2007040837A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | ヒータシステム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011085581A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-04-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | セラミックヒータ及びそれを備えたガスセンサ |
JP2011247657A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサ |
JP2015148538A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | 日本特殊陶業株式会社 | ガス検出装置 |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225656A patent/JP2007040837A/ja not_active Withdrawn
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