JP2007040434A - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Kazuyuki Shiiba
一之 椎葉
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Abstract

【課題】運転者の意思に応じた走行性を確保することでドライバビリティの向上を図った車両の走行制御装置を提供する。
【解決手段】前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、自車の定常走行に必要な駆動力を検出する駆動力検出手段(S15)と、自車の駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力とに基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定する制御時間設定手段(S16、S17)とを具えたことを特徴とするものである。前記制御時間設定手段は、前記駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力との偏差に基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自車と前車との車間距離に応じて自車の変速機を制御する車両の走行制御装
置に関するものである。
自車と先行する前車との車間距離を検出し、この車間距離が安全な距離に維持されるよ
うに自車の車速を制御する技術が従来から知られている。一般には、自車と前車との車間
距離が安全車間距離よりも短くなったときに、自車の変速機をシフトダウンしてエンジン
ブレーキにより自車を減速させ、この車間距離制御中に、運転者がアクセルペダルを操作
した場合には、この減速制御を解除するようにしている。
このような技術としては、例えば、下記特許文献1に記載された技術がある。この特許
文献1に記載された車両用走行制御装置は、変速機のシフトダウンによる車間距離制御中
に、運転者がアクセルペダルを操作した場合、このアクセル開時間が所定値以上であると
きにシフトダウン制御を中止してシフトアップし、それ以外は現在のシフト段を維持する
ようにしたものである。従って、真に増速が必要であるときにだけシフトアップすること
で、ドライバビリティを向上することができる。
特開2000−318484号公報
車間距離制御では、自車が前方を走行する前車に対して追従走行するとき、自車と前車
との車間距離が減少すると、変速機をシフトダウンして自車のエンジンブレーキを増大さ
せて、相対車速を低下させるようにしている。その後、自車の運転者は前車に追従しよう
としたり、追い越そうとしたりすることがあり、アクセルペダルを踏み込んで加速させる
。一般に、自車が前方を走行する前車に追従したい場合、運転者は一度アクセルペダルを
踏み込んで自車が加速したら、早期にアクセルペダルを戻すような操作を行う。また、自
車が前車を追い越したい場合、運転者はアクセルペダルを一定時間踏み込み、自車が加速
して前車を追い越したら、アクセルペダルを直ちに戻すような操作を行う。即ち、追越走
行では、低速段を維持して一定時間加速走行したいが、追従走行では、低速段を長い時間
維持せずにシフトアップしたいという要求がある。
上述した従来の車両用走行制御装置にあっては、シフトダウンによる車間距離制御中に
、運転者がアクセルペダルを所定時間以上開操作すると、低速段の選択制御を中止するよ
うにしている。そのため、追越走行時に、運転者がアクセルペダルを所定時間以上踏込む
と、この制御を中止してシフトアップしてしまい、自車は十分な加速力を得ることができ
ず、前車をスムースに追い越すことができない。一方、所定時間を追越用に合わせると、
追従走行時には必要以上に低速段が選択されつづけ、自車は運転者の意図よりも大きな駆
動力が発生し、スムースな追従走行を行うことができない。
また、自車が前車に接近して追従走行したり、追越走行する場合に、運転者は様々なア
クセルの踏み方をする。即ち、追従走行や追越走行であっても、自車の運転状態、つまり
、車速や変速段によりアクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)や踏込み時間(アクセ
ル開時間)は異なるものである。そのため、アクセル開度やアクセル開時間だけでは、車
両の追従走行と追越走行とを正確に判別することができず、ドライバビリティを悪化させ
てしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、運転者の意思に応じた走行
性を確保することでドライバビリティの向上を図った車両の走行制御装置を提供すること
を目的とする。
本発明の車両の走行制御装置は、前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、自車の定常走行に必要な駆動力を検出する駆動力検出手段と、自車の駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力とに基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定する制御時間設定手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記制御時間設定手段は、前記駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力との偏差に基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定することを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力との偏差が大きいほど、前記制御時間
を長く設定したことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御中に前記駆動力増大指示に相当する値が変更されたときに、前記制御時間設定手段は、変更された駆動力増大指示に相当する値に基づいて前記制御時間を更新することを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御中に前記駆動力増大指示が解除されたときに、前記制御時間をキャンセルすることを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記制御時間設定手段は、前記駆動力増大指示に相当する値としての現在のアクセル開度と、前記定常走行に必要な駆動力から求められた定常アクセル開度とに基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまでの制御時間を設定することを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置は、前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、衝突時間及び車間時間のいずれか一方と、予め設定された所定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置は、前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、車間距離と、予め設定された所定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、更に、衝突時間と予め設定された設定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御からの復帰には、車間距離又は衝突時間に基づいて決定される変速段まで復帰させることが含まれることを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置によれば、運転者の意思に応じた走行性を確保してドライバビリティの向上を図ることができる。
以下に、本発明にかかる車両の走行制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図、図2は、実施
例1の車両の走行制御装置による制御のフローチャート、図3は、実施例1の車両の走行
制御装置による制御のタイムチャート、図4−1は、実施例1の車両の走行制御装置によ
る追従制御1のタイムチャート、図4−2は、実施例1の車両の走行制御装置による追従
制御2のタイムチャート、図4−3は、実施例1の車両の走行制御装置による追越制御の
タイムチャート、図5−1は、追従走行時におけるアクセル開度を表すグラフ、図5−2
は、追越走行時におけるアクセル開度を表すグラフである。
本実施例の車両の走行制御装置において、図1に示すように、内燃機関としてのエンジ
ン11には、トルクコンバータ12を有する自動変速機13が連結されており、エンジン
11の駆動力は、このトルクコンバータ12を介して自動変速機13に入力され、図示し
ないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して駆動輪に伝達される。また、自
動変速機13は、油圧制御装置14により車両の運転状態に応じて変速比を自動的に制御
可能となっている。
車両にはエンジン11や自動変速機13などを制御する電子制御ユニット(ECU)1
5が設けられており、このECU15はエンジン11及び自動変速機13(油圧制御装置
14)の総合的な制御を行う。
即ち、車両にはアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセルポジショ
ンセンサ21が設けられており、検出したアクセル開度はECU15に出力される。エン
ジン11の吸気管22には電子スロットルバルブ23が設けられており、この電子スロッ
トルバルブ23はスロットルアクチュエータ24により開閉可能となっている。ECU1
5はこのスロットルアクチュエータ24により電子スロットルバルブ23を駆動し、スロ
ットル開度がアクセル開度に応じたものとなるように制御する。また、吸気管22には電
子スロットルバルブ23をバイパスするバイパス通路25が設けられており、このバイパ
ス通路25にはエンジン11のアイドル回転数を制御するために電子スロットルバルブ2
3の全閉時の吸気量を制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)2
6が設けられている。そして、電子スロットルバルブ23の全閉状態(アイドル状態)及
びスロットル開度を検出するアイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27が設け
られており、検出したアイドル信号及びスロットル開度はECU15に出力される。
また、吸気管22にて、電子スロットルバルブ23の上流側には吸入空気量を検出する
エアフローセンサ28が設けられており、検出した吸入空気量はECU15に出力される
。更に、エンジン11には、エンジン回転数(エンジン回転速度)を検出するエンジン回
転数センサ29が設けられると共に、車両の走行速度を検出する車速センサ30が設けら
れており、検出したエンジン回転数や車速はECU15に出力される。また、車両には、
運転者が操作するシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ31が設けられ
ており、検出したシフトポジションや変速段はECU15に出力される。なお、車両には
、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ33が設けられており、検出したブレーキ
信号はECU15に出力される。
従って、ECU15は、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度などのエンジン
11の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ
や点火プラグなどを制御することができる。また、ECU15は、変速マップを有してお
り、スロットル開度、車速などに基づいて自動変速機13の変速段を決定し、この決定さ
れた変速段を成立させるように油圧制御装置14を制御することができる。また、変速時
の変速比の変化に伴ってエンジン回転数を適切に変化させるため、必要に応じてエンジン
11の出力制御を行うことができる。
また、本実施例では、自車と先行する前車との車間距離を検出し、この車間距離に基づ
いてダウンシフトを実施し、減速度を増大させる制御が可能となっている。この場合、E
CU15は、自車と前車との車間距離を自車速で除算した車間時間の値が所定値以下にな
ったときに、自車の自動変速機13をシフトダウンしてエンジンブレーキの作用により自
車を減速させ、この低速段側の変速段を選択中に、運転者がアクセルペダルを操作するな
ど駆動力増大の指示をした場合に、この低速段側の変速段を選択する制御を解除するよう
にしている。
そのため、車両には、前方を先行する車両(前車)との車間距離を計測する車間距離セ
ンサとしてのレーザレーダセンサ34が設けられており、検出した前車との車間距離はE
CU15に出力される。なお、車間距離センサはこのレーザレーダセンサ34に限るもの
ではなく、電波や超音波などを用いたもの、また、複数のカメラによる撮影画像により車
間距離を算出するようにしたものでも良い。
そして、本実施例では、ECU15は、上述した低速段側の変速段を選択する制御の実
行中に、自車の定常走行に必要な駆動力、例えば、アクセル開度(スロットル開度)を検
出(駆動力検出手段)し、駆動力増大の指示に相当する値、例えば、現在のアクセル開度
(スロットル開度)とこの定常走行に必要なアクセル開度(スロットル開度)との偏差を
算出し、このアクセル開度の偏差に基づいて、低速段側の変速段を選択する制御を実行後
にこの制御の解除判断がなされてから終了するまでの制御時間を設定(制御時間設定手段
)するようにし、この制御時間が経過したら低速段側の変速段を選択する制御を解除する
ようにしている。
具体的に、本実施例では、現在のアクセル開度と定常走行に必要なアクセル開度との偏
差並びにその偏差の変化状況をリアルタイムで継続して監視し、自車が前車を追従する運
転状態か、また、自車が前車を追越する運転状態かを判別する。そして、追従走行であれ
ば制御時間を短く設定し、短時間で低速段の選択制御を中止してシフトアップ可能とし、
追越走行であれば制御時間を長く設定し、追い越しに必要な駆動力を所定時間確保してス
ムースな追越運転を可能とする。
一般に、自車が前車に追従する運転の場合、図5−1に示すように、運転者は一度アク
セルペダルを踏み込んで自車が加速させた後、直ぐに前車に接近するため、直ちにアクセ
ルペダルを戻すような操作を行う傾向がある。また、自車が前車を追い越す運転をする場
合、図5−2に点線で示すように、運転者はアクセルペダルを踏み込んで自車を加速させ
た後、この状態を一定時間保持して前車を追い越したら、アクセルペダルを徐々に戻すよ
うな操作を行う傾向がある。この追従運転及び追越運転では、図5−1及び図5−2に示
すように、車速が増大するほどにアクセル開度が大きくなっており、また、変速段が高く
なるほどアクセル開度が大きくなると予測できる。但し、両者の運転にて、最初からアク
セルペダルをあまり踏み込まずにゆっくりと踏み込んでいくケースもある。
本実施例の車両の走行制御装置は、上述したように、現在のアクセル開度と定常走行に
必要なアクセル開度との偏差をリアルタイムで検出しており、このアクセル開度の偏差に
基づいて自車の運転状態を判定することで、追従運転状態か追越運転状態かを確実に判別することができる。そして、各運転状態に対応した制御時間を設定する。
この制御時間の設定方法は、例えば、下記表1を用いる。ここで、アクセル開度は、踏
込み角度を全開角度で除算したものであり、割合(%)で表示している。また、アクセル
開度の偏差は、現在のアクセル開度から定常走行でのアクセル開度を減算したものである
。この表1にて、アクセル開度の偏差が10%以下であれば、制御時間を2秒に設定し、
偏差が10%より大きく20%以下であれば3秒に、偏差が20%より大きく30%以下
であれば4秒に、偏差が30%より大きければ6秒にそれぞれ設定する。
Figure 2007040434
なお、上述した自車の定常走行とは、勾配のない走行路にて、車両の駆動力と走行抵抗
が釣り合った運転状態であり、運転者がアクセルペダルを所定量踏込んだ状態を維持し、
車速に変化のない走行状態を指すものである。そして、駆動力はエンジン性能、変速段な
どから求めることができ、走行抵抗は、車両の空気抵抗、路面摩擦係数、車重などから求
めることができるため、この駆動力と走行抵抗が釣り合ったときのスロットル開度、つま
り、アクセル開度が定常走行に必要な駆動力となる。なお、走行実験にて、車速及び変速
段ごとに車両の定常走行を再現し、このときのスロットル開度を求めてマップとして記憶
させておいても良い。
ここで、本実施例の車両の走行制御装置による走行制御を図2のフローチャートに基づ
いて説明する。
車両の走行制御において、図2に示すように、ステップS11にて、ECU15は、ダ
ウンシフト制御を実行するための実行条件が成立しているかどうかを判定する。ここでは
、アクセルペダルがOFF状態で、且つ、車間時間が予め設定された所定値より小さいと
きにダウンシフト実行条件が成立したと判定する。ここで、アクセルペダルのOFF状態
は、アイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27からのアイドル信号で判定する
ことができる。つまり、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないアイドル状態では、
アイドルON信号が出力されており、ECU15はこのアイドルON信号を受けてアクセ
ルペダルのOFF状態を認識する。また、車間時間とは、現在の自車と前車との車間距離
を自車速で除算した時間であり、自車があと何時間(実際には、何秒)で前車の位置に到
達するかという時間である。即ち、アクセルペダルのOFF状態により運転者の減速意思
を確認し、車間時間の減少により車間距離が保たれていないことを確認している。
なお、アクセルペダルのOFF状態の判定はアイドルON信号に限らず、アクセルポジ
ションセンサ21が検出したアクセル開度により判定しても良い。即ち、現在のアクセル
開度が、自車の走行抵抗より小さい駆動力を発生するためのアクセル開度より小さければ
、アクセルペダルのOFF状態と判定すればよい。また、車間時間に代えて衝突時間を用
いても良い。この衝突時間とは、現在の自車と前車との車間距離を、自車と前車との相対車速(=前車車速−自車速)で除算した時間であり、自車があと何時間(実際には、何秒)で前車に衝突するかという時間である。なお、衝突時間は、相対車速の定義により負の値となる。
そして、ステップS11で、ECU15はダウンシフト実行条件が成立していれば、ス
テップS12に移行し、ダウンシフトを実行する。つまり、ECU15は、ダウンシフト
実行条件の成立を待って、自動変速機13の変速段を、例えば、4速から3速へシフトダ
ウンすることを決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御装置14を制
御する。即ち、ダウンシフト制御が実行されると共に、変速後の低速段(3速)が維持され
る制御(低速段の選択制御)が実行される。
ステップS13では、このダウンシフト実行後に、アクセルペダルのON状態を判定す
る。つまり、自車がダウンシフトによりエンジンブレーキ力が増大して減速し、前車との
相対車速が大きく(絶対値が小さく)なった場合、アクセルペダルのON状態を判定することで、運転者の加速意思を確認する。なお、このアクセルペダルのON状態は、前述したアクセルペダルのOFF状態と同様に、アイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27からのアイドル信号で判定すればよい。つまり、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ状態では、アイドルOFF信号が出力されており、ECU15はこのアイドルOFF信号を受けてアクセルペダルのON状態を認識する。なお、この判定はアイドル信号に限らず、アクセルポジションセンサ21が検出したアクセル開度により判定しても良い。
このステップS13でアクセルペダルのON状態が判定されなければ、低速段の選択制
御が継続される一方、アクセルペダルのON状態が判定されれば、ステップS14に移行
し、ここで、復帰タイマーをスタートさせる。そして、ステップS15にて、現在の車速
及び変速段において、自車の定常走行に必要なアクセル開度P0を算出する。アクセル開
度P0の算出方法としては、前述したように、定常走行での駆動力と走行抵抗が釣り合っ
たときのアクセル開度を演算によって求めたり、予め走行実験にてよって得たデータを記
憶したマップから求めても良い。そして、ステップS16にて、現在のアクセル開度Pと
この定常走行に必要なアクセル開度P0との偏差DPを算出し、ステップS17にて、こ
のアクセル開度の偏差DPに基づいて低速段の選択制御の解除指令を受けてからこの制御
が終了するまでの制御時間、つまり、復帰タイマー時間を表1により算出する。
ステップS18では、復帰タイマーのカウント時間が設定した復帰タイマー時間(制御
時間)を超えたかどうか、つまり、この復帰タイマー時間が経過したかどうかを判定する
。ここで、まだ、復帰タイマー時間が経過していなければ、ステップS19でアクセルペ
ダルがOFFされているかどうかを確認し、すでにアクセルペダルが戻されてアクセルペ
ダルがOFF状態であれば、ステップS20で復帰タイマーをリセットしてから、ステッ
プS13に戻り、再び、アクセルペダルのON操作を待つ。
一方、ステップS19でアクセルペダルがOFF状態でないと判定されると、ステップ
S15に戻り、再び、ここで、定常走行に必要なアクセル開度P0を算出し、ステップS
16で現在のアクセル開度Pと定常走行に必要なアクセル開度P0との偏差DPを算出し
、ステップS17でアクセル開度の偏差DPに基づいて制御時間、つまり、復帰タイマー
時間を表1により算出する。このとき、運転者によるアクセルペダルの踏込み量(アクセ
ル開度)の変化によりアクセル開度の偏差DPが増減するため、復帰タイマー時間が更新
される。
そして、ステップS18で、再び、復帰タイマーのカウント時間が復帰タイマー時間を
超えたかどうか、つまり、復帰タイマー時間が経過したかどうかを判定する。ここで、ま
だ、復帰タイマー時間が経過していなければ、ステップS19に移行し、前述と同様の処
理を行う。一方、このステップS18で、復帰タイマー時間が経過していれば、ステップ
S21に移行し、低速段の選択制御を解除してシフトアップを可能とし、通常の変速段制
御を実行する。即ち、ECU15は、スロットル開度、車速などに基づいて油圧制御装置
14により自動変速機13を制御する。
このような本実施例の車両の走行制御装置による走行制御を図3のタイムチャートを用
いて説明する。
図3に示すように、時刻t0でアクセルペダルが全閉(OFF)状態で、車間時間が所定
値より小さくなってダウンシフト実行条件が成立すると、ダウンシフト制御並びに低速段
の選択制御が開始される。即ち、時刻t0で変速段をn(例えば、4速)からn−1(例
えば、3速)へシフトダウンする変速指令が出力され、時刻t1で自動変速機13の入力
軸回転数が上昇して変速が開始され、時刻t2で変速が完了してダウンシフト制御が終了
する。但し、ダウンシフト制御が終了しても、変速後の低速段(3速)が維持されるように
低速段の選択制御はそのまま継続される。
時刻t3で運転者の加速意思によりアクセルペダルが踏み込まれると入力軸回転数が上
昇し、アクセルペダルのON状態が判定されると、この時刻t3で復帰タイマーを作動さ
せる。この間、アクセル開度の偏差DPに基づいて、低速段の選択制御を解除する判断が
なされてからこの制御を終了するまでの制御時間(t3〜t4間での時間)を求める。そ
して、時刻t4で制御時間が経過すると復帰タイマーをリセットし、低速段の選択制御を
終了し、アップシフト制御を開始する。即ち、時刻t4で変速段をn−1からnへシフト
アップする変速指令が出力され、時刻t5で自動変速機13の入力軸回転数が下降して変
速が開始され、時刻t6で変速が完了してアップシフト制御が終了する。
また、ここで、上述した車両の走行制御装置による走行制御の具体例を図4−1から図
4−3のタイムチャートに基づいて説明する。なお、この図4−1から図4−3にて、実
線は現在のアクセル開度、点線は定常走行のアクセル開度を表す。
本実施例の車両の走行制御装置による追従制御1において、図4−1に示すように、低
速段の選択制御中に、アクセルペダルが踏み込まれる(ON状態)と、復帰タイマーがス
タート(時間=0)し、現在のアクセル開度Pと定常走行のアクセル開度P0との偏差D
Pに基づいて復帰タイマー時間(制御時間)が求められる。この場合、当初、復帰タイマ
ー時間が4秒に設定される。しかし、復帰タイマー時間がリアルタイムで更新されている
ため、復帰タイマーのカウント時間が4秒を経過する前にアクセルペダルが戻されると、
復帰タイマー時間は4秒から3秒、2秒に更新される。従って、この状態は、追従運転で
あると判断され、アクセルペダルが踏み込まれてから2秒を経過すると、低速段の選択制
御が解除されてシフトアップが可能となり、不必要な駆動力が発生せずにスムースな追従
走行を行うことができる。
また、車両の走行制御装置による追従制御2において、図4−2に示すように、低速段
の選択制御中に、アクセルペダルが踏み込まれる(ON状態)と、復帰タイマーがスター
ト(時間=0)し、現在のアクセル開度Pと定常走行のアクセル開度P0との偏差DPに
基づいて復帰タイマー時間(制御時間)が求められる。この場合、アクセルペダルの踏込
み量が大きくないためにアクセル開度の偏差は小さく、復帰タイマー時間が2秒に設定さ
れる。そして、アクセル開度に変化がないため、復帰タイマー時間は2秒のままとなる。
従って、この状態は、追従運転であると判断され、アクセルペダルが踏み込まれてから2
秒を経過すると、低速段の選択制御が解除されてシフトアップが可能となり、不必要な駆
動力が発生せずにスムースな追従走行を行うことができる。
そして、車両の走行制御装置による追越制御において、図4−3に示すように、低速段
の選択制御中に、アクセルペダルが踏み込まれる(ON状態)と、復帰タイマーがスター
ト(時間=0)し、現在のアクセル開度Pと定常走行のアクセル開度P0との偏差DPに
基づいて復帰タイマー時間(制御時間)が求められる。この場合、アクセルペダルの踏込
み量が大きいためにアクセル開度の偏差が大きく、復帰タイマー時間が6秒に設定される
。そして、アクセル開度に変化がないまま復帰タイマー時間は6秒に維持されるが、復帰
タイマーのカウント時間が6秒を経過する前に、アクセルペダルが戻されたため、復帰タ
イマー時間は6秒から4秒に更新される。従って、この状態は、追越運転であると判断さ
れ、アクセルペダルが戻されたときに復帰タイマー時間が4秒に更新されるが、この時点
で、すでにアクセルペダルが踏み込まれてから4秒以上経過しており、ここで低速段の選
択制御が解除されてシフトアップが可能となる。そのため、低速段の選択制御が4秒以上
継続したこととなり、追い越しに必要な駆動力を所定時間確保してスムースな追越運転を
行うことができる。
このように実施例1の車両の走行制御装置にあっては、自車と先行する前車との車間距
離を検出し、この車間距離が設定した値以下、あるいは自車と前車との車間距離を自車速
で除算した車間時間が所定値以下になったときに、自車の自動変速機13をシフトダウン
してエンジンブレーキの作用により自車を減速させるダウンシフトを実行して変速後の低
速段を維持し、この低速段の選択制御中に、現在のアクセル開度と自車の定常走行に必要
なアクセル開度との偏差を算出し、このアクセル開度の偏差に基づいてこの制御が終了す
るまでの制御時間を設定し、この制御時間を経過したら低速段の選択制御を解除するよう
にしている。
従って、現在のアクセル開度と自車の定常走行に必要なアクセル開度との偏差を用いる
ことで、運転者の意図する運転を適正に読み取ることができ、追従運転では、短時間で低
速段の選択制御が解除されてシフトアップが可能となり、不必要な駆動力が発生せずにス
ムースな追従走行を行うことができる一方、追越運転では、所定時間低速段の選択制御が
継続されるため、追い越しに必要な駆動力を確保してスムースな追越運転を行うことがで
きる。その結果、運転者の意思に応じた走行性を確保してドライバビリティの向上を図る
ことができる。
また、低速段の選択制御中は、現在のアクセル開度と定常走行に必要なアクセル開度と
の偏差をリアルタイムで常時監視しており、この偏差に変化があったときには、制御時間
を随時更新することとなり、運転者の運転意図を直ちに読み取って適正な変速制御を可能
とすることができ、ドライバビリティの向上を図ることができる。更に、低速段の選択制
御が実行されて制御時間を計測する復帰タイマーがスタートしても、アクセルペダルが戻
されてOFFされたら、復帰タイマーをリセットするようにしており、運転者の運転意図
の変更も確実に読み取って適正な変速制御を可能とすることができる。
なお、上記実施例1では、上記のように、低速段の選択制御中に、現在のアクセル開度と自車の定常走行に必要なアクセル開度との偏差を算出し、このアクセル開度の偏差に基づいてこの制御が終了するまでの制御時間を設定した。これに代えて、現在のアクセル開度と自車の定常走行に必要なアクセル開度との比率を算出し、このアクセル開度の比率に基づいてこの制御が終了するまでの制御時間を設定することができる。即ち、実施例1では、駆動力増大の指示に相当する値と、自車の定常走行に必要な駆動力に基づいて、低速段側に選択変更する制御が終了するまでの制御時間を設定することができる。
上記比率に基づく制御時間の設定方法は、例えば、下記表2を用いることができる。ここで、アクセル開度の比率は、現在のアクセル開度と定常走行でのアクセル開度との比率を分数(現在のアクセル開度/定常走行でのアクセル開度)で表したものである。この表2にて、アクセル開度の比率が1.2以下であれば、制御時間を2秒に設定し、比率が1.2より大きく2.5以下であれば3秒に、比率が2.5より大きく4以下であれば4秒に、比率が4より大きければ6秒にそれぞれ設定する。
Figure 2007040434



定常走行負荷がそれ程大きくない中低速では、この領域での駆動力を一定値と見做すことでアクセル開度やスロットル開度の絶対値で復帰タイマー時間を決めることも考えられる。このことはアクセル開度やスロットル開度を検出することだけで実質的に偏差(上記表1)や比率(表2)を求めることに相当する。
図6は、本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置による制御のフローチャートであ
る。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付
して重複する説明は省略する。
本実施例の車両の走行制御装置の概略構成は、前述した実施例1とほぼ同様であるため
、説明は省略する。本実施例の車両の走行制御装置では、ダウンシフトを実行した後に低
速段の選択制御の解除条件が成立したとき、衝突時間(=車間距離/相対車速)を算出し(上記のように、相対車速の定義により衝突時間は負の値となる)、この衝突時間が予め設定された所定時間以下であるときに低速段の選択制御の解除を許可し、この制御を終了するようにしている。以下、本実施例の走行制御について説明する。
本実施例の車両の走行制御装置において、図6に示すように、ステップS101にて、
ECU15は、ダウンシフトを実行するための実行条件が成立しているかどうかを判定す
る。即ち、アクセルペダルがOFF状態で、且つ、車間時間が予め設定された所定値より
小さいときにダウンシフト実行条件が成立したと判定する。このステップS101で、ダ
ウンシフト実行条件が成立していれば、ステップS102に移行してダウンシフトを開始
し、ECU15は自動変速機13の変速段を、例えば、4速から3速へシフトダウンする
ように油圧制御装置14を制御する。
ステップS103では、ダウンシフトが実行されて変速後の変速段が維持されていると
き、アクセルペダルのON状態を判定することで、運転者の加速意思を確認する。このス
テップS103でアクセルペダルのON状態が判定されなければ、低速段の選択制御が継
続される一方、アクセルペダルのON状態が判定されれば、ステップS104に移行して
、低速段の選択制御を終了するための条件が成立しているかどうかを判定する。そして、
このステップS104で低速段の選択制御の終了条件が成立していないと判定されると、
ステップS103に戻り、低速段の選択制御の終了条件が成立していると判定されると、
ステップS105に移行する。
なお、この低速段の選択制御の終了条件成立の判定は、前述した実施例1における処理
(ステップS11〜S18)を用いても良い。つまり、現在のアクセル開度Pと定常走行
に必要なアクセル開度P0との偏差DPを算出し、このアクセル開度の偏差DPに基づい
て制御時間を設定し、復帰タイマーを用いてこの制御時間の経過を待って低速段の選択制
御の終了条件が成立したと判定する。また、低速段の選択制御の終了条件成立の判定は、
この方法以外に、例えば、現在のアクセル開度が所定値を越えたとき、アクセル開時間が
所定値を超えたときに、制御終了条件が成立したと判定するようにしても良い。
ステップS104にて、低速段の選択制御の終了条件が成立したと判定されると、ステ
ップS105では、衝突時間が予め設定された所定値以下であるか否かを判定する。この場合、衝突時間に代えて、現在の自車と前車との車間距離を自車速で除算した車間時間を用いても良い。
そして、このステップS105で衝突時間が所定値より大きいと判定されたとき、自車は前車との車間距離が十分でないという判断であり、この状態で変速段を復帰させると、自車が前車に衝突してしまう虞がある。そのため、ECU15は、変速段を復帰させずにステップS103に戻る。一方、衝突時間が所定値以下であると判定されたとき、自車は前車との車間距離が十分であるという判断であり、この状態で低速段の選択制御を終了しても、自車が前車に衝突してしまう虞はほとんどない。そのため、ステップS106に移行し、ECU15は、変速段が車間距離に基づいて決まる変速段まで復帰するように制御する。この場合、車間距離に基づいて決まる変速段は、車間距離が小さいほど、規制変速段が低速段側となるように設定される。車間距離が大きくなるに連れて、変速段は相対的に高速段まで復帰する。
なお、上記ステップS106では、車間距離に基づいて決まる変速段まで復帰するように制御されたが、これに代えて、衝突時間に基づいて決まる変速段まで復帰するように制御されてもよく(この場合、衝突時間の絶対値が小さいほど規制変速段は低速段側とする)、またさらに、車間距離及び衝突時間に基づいて決まる変速段まで復帰するように制御されてもよい。
ステップS106の次に、ステップS107に移行して、ECU15は、変速段が例えば、車速とアクセル開度(通常の変速段制御)から決まる変速段に到達したか否かを判定する。その判定の結果、肯定的に判定されれば、本制御フローは終了し、否定的に判定されれば、ステップS103に戻る。
このように実施例2の車両の走行制御装置にあっては、低速段の選択制御の終了条件が
成立したときに、衝突時間を算出し、この衝突時間が予め設定された所定値以下であるときに、変速段を車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方に基づいて決まる変速段まで復帰させ、通常の変速段制御で決まる変速段まで到達したら、この制御を終了するようにしている。
従って、低速段の選択制御を終了するときに、衝突時間を考慮したことで、変速操作が繰り返し行われて車間距離が頻繁に変わるような制御が行われることはなく、また、車間距離が極端に短くなって安全が損なわれるような制御が行われることはなく、運転者の意思に応じた走行性を確保してドライバビリティの向上を図ることができる。
本発明者による検討の結果、車間距離が小さい場合には、衝突時間が大きい(相対車速が小さい)場合であっても、高速段への復帰を許可しないほうが走行性能上より良いという新たな知見が得られた。実施例2は、この知見に基づくものである。即ち、車間距離が小さい場合には、再度のアクセルオフによりダウンシフトが実行される頻度が高く、減速応答性の向上やビジーシフトの抑制の観点から変速段の復帰を無制限に許可することなく、復帰先変速段を車間距離(又は衝突時間)によって変更させる。
なお、上述した実施例2では、ステップS105にて、衝突時間が所定値より大きいと判定されたときには、変速段を車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方に基づいて決まる変速段まで復帰させた上で通常の変速段制御で決まる変速段まで到達するのを待って、本制御を終了させるという制御(ステップS106及びステップS107)を行うことなく衝突時間が所定値以下になるのを待ったが、このとき、衝突時間と所定値との差あるいは両者の比に応じて遅延時間を算出し、低速段の選択制御の終了時間を設定しても良い。また、低速段の選択制御の終了条件を許可するときに用いた所定値より小さい第2所定値を設定し、衝突時間が第2所定値より短いと判定されたときに、更に低い変速段へのダウンシフトを実行するようにしても良い。また、この衝突時間に代えて相対速度を加味した車間距離や車間時間を用いても良い。
図7は、本発明の実施例3に係る車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
上述した実施例2では、ダウンシフトを実行した後に低速段の選択制御の解除条件が成立したとき、衝突時間を算出し、この衝突時間が予め設定された所定時間以下であるときに、変速段を車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方に基づいて決まる変速段まで復帰させ、通常の変速段制御で決まる変速段まで到達したら、本制御を終了させるようにした。
これに対して、実施例3では、衝突時間が所定値以下である場合には、ステップSA106に移行して、車間距離が予め設定された所定値よりも大きいか否かが判定される。その判定の結果、否定的に判定されれば、ステップSA103に戻り、肯定的に判定されたときに、低速段の選択解除を許可し、この制御を終了するようにしている。
この実施例3も、車間距離が小さい場合には、衝突時間が大きい(相対車速が小さい)場合であっても、高速段への復帰を許可しないほうが走行性能上より良いという新たな知見に基づくものである。車間距離が所定値よりも小さい場合には、再度のアクセルオフによりダウンシフトが実行される頻度が高く、減速応答性の向上やビジーシフトの抑制の観点から低速段を選択する制御を終了させないようにしたものである。
なお、実施例3の変形例として、ステップSA105を省略する構成を採用することも可能である。
図8は、本発明の実施例4に係る車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4では、衝突時間が所定値以下である場合には、ステップSB106に移行して、車間距離が予め設定された所定値よりも大きいか否かが判定される。その判定の結果、否定的に判定されれば、ステップSB103に戻り、肯定的に判定されたときに、変速段を車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方に基づいて決まる変速段まで復帰させ、通常の変速段制御で決まる変速段まで到達したら、本制御を終了させるようにしている。
この実施例4も、車間距離が小さい場合には、衝突時間が大きい(相対車速が小さい)場合であっても、高速段への復帰を許可しないほうが走行性能上より良いという新たな知見に基づくものである。車間距離が小さい場合には、再度のアクセルオフによりダウンシフトが実行される頻度が高く、減速応答性の向上やビジーシフトの抑制の観点から、車間距離が所定値よりも大きい場合であっても、変速段の復帰を無制限に許可することが好ましくない場合があるので、復帰先変速段を車間距離(又は衝突時間)によって変更させることとしている。
なお、実施例4の変形例として、ステップSB105を省略する構成を採用することも可能である。
また、上述した各実施例では、駆動力の増大指示信号として、アイドルスイッチ付スロ
ットルポジションセンサ27からのアイドルOFF信号(ステップS13,S103,SA103,SB103)、または、アクセルポジションセンサ21からのアクセル開度(ステップS16,S104,SA104,SB104)を用いたが、これらに限定されるものではない。例えば、アクセルペダルスイッチのON信号、スロットル開度の増加などとしても良い。
また、各実施例では、制御時間設定手段としてのECU15が、現在のアクセル開度と
定常運転でのアクセル開度の偏差に基づいて、低速段の選択制御の解除判断がなされてか
ら終了するまでの制御時間を設定するようにしたが、アクセル開度に代えて前述したスロ
ットル開度を用いても良い。更に、ECU15はアクセル開度の偏差から制御時間を設定
するようにしたが、この制御時間を距離に置き換えて制御しても良く、この場合、低速段
の選択制御の解除判断がなされてから終了するまでの走行距離が制御距離に達したときに
低速段の選択制御を終了するようにすれば良い。
更に、アクセル開度の偏差から制御時間を設定する場合、車両重量(積荷の積載量、乗
員の人数など)や路面勾配(上り坂、下り坂)を加味して算出してもよく、これにより計
算精度が向上して、更に運転者の意図に則した制御が可能となる。
以上のように、本発明に係る車両の走行制御装置は、現在のアクセル開度と定常走行の
アクセル開度とに応じて低速段の選択制御の終了時期を設定するものであり、自動変速機、無段変速機、自動変速モード付の手動変速機、ハイブリッド車両の駆動装置などの車間距離制御を実行する車両の走行制御装置に有用である。
本発明の実施例1に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図である。 実施例1の車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。 実施例1の車両の走行制御装置による制御のタイムチャートである。 実施例1の車両の走行制御装置による追従制御1のタイムチャートである。 実施例1の車両の走行制御装置による追従制御2のタイムチャートである。 実施例1の車両の走行制御装置による追越制御のタイムチャートである。 追従走行時におけるアクセル開度を表すグラフである。 追越走行時におけるアクセル開度を表すグラフである。 本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。 本発明の実施例3の車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。 本発明の実施例4の車両の走行制御装置による制御のフローチャートである。
符号の説明
11 エンジン
13 自動変速機
14 油圧制御装置
15 電子制御ユニット、ECU(駆動力検出手段、制御時間設定手段)
21 アクセルポジションセンサ
27 スロットルポジションセンサ
30 車速センサ
34 レーザレーダセンサ

Claims (10)

  1. 前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、自車の定常走行に必要な駆動力を検出する駆動力検出手段と、自車の駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力とに基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定する制御時間設定手段とを具えたことを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の走行制御装置において、前記制御時間設定手段は、前記駆動力増大指示に相当する値と前記駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力との偏差に基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまで制御時間を設定することを特徴とする車両の走行制御装置。
  3. 請求項2記載の車両の走行制御装置において、前記駆動力増大指示に相当する値と前記
    駆動力検出手段が検出した定常走行に必要な駆動力との偏差が大きいほど、前記制御時間
    を長く設定したことを特徴とする車両の走行制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御中に前記駆動力増大指示に相当する値が変更されたときに、前記制御時間設定手段は、変更された駆動力増大指示に相当する値に基づいて前記制御時間を更新することを特徴とする車両の走行制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御中に前記駆動力増大指示が解除されたときに、前記制御時間をキャンセルすることを特徴とする車両の走行制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記制御時間設
    定手段は、前記駆動力増大指示に相当する値としての現在のアクセル開度と、前記定常走行に必要な駆動力から求められた定常アクセル開度とに基づいて前記低速側に変更する制御が終了するまでの制御時間を設定することを特徴とする車両の走行制御装置。
  7. 前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、衝突時間及び車間時間のいずれか一方と、予め設定された所定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とする車両の走行制御装置。
  8. 前車との位置関係に基づいて変速機の変速段又は変速比を低速側に変更する制御を実行する車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、車間距離と、予め設定された所定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とする車両の走行制御装置。
  9. 請求項8記載の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更した後に、更に、衝突時間と予め設定された設定値とに基づいて、前記低速側に変更する制御からの復帰を行うことを特徴とする車両の走行制御装置。
  10. 請求項7から9のいずれか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記低速側に変更する制御からの復帰には、車間距離又は衝突時間に基づいて決定される変速段まで復帰させることが含まれることを特徴とする車両の走行制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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