JP2007040386A - 液化ガス貯蔵タンクおよびそれに用いる密封袋体 - Google Patents

液化ガス貯蔵タンクおよびそれに用いる密封袋体 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末断熱材を使用せず、かつ支受構造を簡素化することで全体の軽量化を図り、しかも、作業が簡単で、断熱性能の低下を招きにくい液化ガス貯蔵タンクを提供する。
【解決手段】タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクもしくは定置式の液化ガス貯蔵タンクであって、タンク本体1の内周面もしくは外周面に、内部が真空排気によって断熱された金属膜製の真空断熱パネル2が貼着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクや定置式の液化ガス貯蔵タンクおよびそれに用いる密封袋体に関するものである。
一般に、液体窒素,液体酸素等の極低温液化ガスを運搬するタンクローリー等の車両に搭載される移動式のタンク等は、図14に示すような断熱二重容器で構成されている。この断熱二重容器は、例えば液体酸素(図示せず)を貯蔵する内槽21と、この内槽21を取り囲む外槽22とを備えており、これら内槽21と外槽22との間の間隙にパーライト(商標)等の粉末断熱材23を充填し、さらに上記間隙を真空排気したもので構成されている。また、図15に示すように、内槽21の上面にマット状の補助断熱材24を接着,固定して内槽21の上面の断熱性能の低下を防ぐようにしたものも提案されている。図14および図15において、25は真空吸引弁、26はサポートであり、図15において、27は内槽21に補助断熱材24を縛り付けているひもである。
特開平7−243590号公報
しかしながら、図14に示す断熱二重容器では、粉末断熱材23の重量が重いため、タンク等の支受構造の強度を大きくする必要があり、その分重量がかなり重くなるとともに装置のコストがアップする。しかも、内槽21と外槽22間の間隙に隙間なく均一に粉末断熱材23を充填することが難しく、粉末断熱材23の充填密度にむらが生じ、断熱性能全体としてみると、性能が低くなるという事態を招きやすい。また、図15に示す断熱二重容器では、内槽21の上面の断熱性能が低下するのを防止できるものの、依然として上記2つの問題が残っている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、粉末断熱材を使用せず、かつ支受構造を簡素化することで全体の軽量化を図り、しかも、作業が簡単で、断熱性能の低下を招きにくい液化ガス貯蔵タンクおよびそれに用いる密封袋体の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクもしくは定置式の液化ガス貯蔵タンクであって、タンク本体の内周面もしくは外周面に、内部が真空排気によって断熱された金属膜製密封袋体が取り付けられている液化ガス貯蔵タンクを第1の要旨とし、タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクであって、タンク本体内に液相部とその上側の気相部とが形成され、上記液相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分が、内部が真空排気によって断熱された内外二重壁構造に形成され、上記気相部に防波板が配設されている液化ガス貯蔵タンクを第2の要旨とし、内部が真空排気によって断熱された密封袋体であって、相対向する金属膜同士間に、少なくとも一方の金属膜に固定された粒子状の低伝熱性材料を介在させた状態で、上記両金属膜が貼り合わされてなり、上記粒子の粒径によって上記両金属膜同士間に真空断熱用空間が形成されている密封袋体を第3の要旨とする。
すなわち、本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクは、タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクもしくは定置式の液化ガス貯蔵タンクであり、タンク本体の内周面もしくは外周面に、内部が真空排気によって断熱された金属膜製密封袋体が取り付けられている。したがって、金属膜製密封袋体の内部の真空断熱用空間により、タンク本体の内周部もしくは外周部に真空断熱層を形成することができ、この真空断熱層で断熱する、特に輻射熱の伝達を効果的に抑えることができる。しかも、タンク本体の内部に粉末断熱材を充填しておらず、かつ金属膜製密封袋体は粉末断熱材に比べて大幅に軽いため、本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクの支受構造を簡素化でき、全体として大幅な重量の軽減を実現することができるとともに、省資材によるコストダウンも図ることができる。しかも、製造,施工に際しては、タンク本体の内周面もしくは外周面に金属膜製密封袋体を取り付けるだけで足り、作業が簡単であるうえ、確実に真空断熱することができ、金属膜製密封袋体の内部の真空断熱作用によることから断熱性能の低下を招きにくい。
また、本発明の第2の液化ガス貯蔵タンクは、タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクであり、タンク本体内に液相部とその上側の気相部とが形成され、上記液相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分が、内部が真空排気によって断熱された内外二重壁構造に形成され、上記気相部に防波板が配設されている。したがって、内外二重壁構造の内部の真空断熱用空間により、タンク本体の周壁に真空断熱層を形成することができ、この真空断熱層で断熱する、特に輻射熱の伝達を効果的に抑えることができる。しかも、上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分に真空断熱層を形成していないものの、上記気相部には防波板が配設されているため、車両移動中に車両が揺動等し、これに伴って液相部の液体が揺動しても、この液体が防波板でタンク本体の内周面の頂部等に達するのを防ぐことができ、上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分から液相部の液体に外部熱が伝達されるのを防ぐことができる。しかも、上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分が内外二重壁構造になっていないため、タンク本体が軽くなっており、本発明の第2の液化ガス貯蔵タンクの支受構造を簡素化でき、全体として大幅な重量の軽減を実現することができるとともに、省資材によるコストダウンも図ることができる。しかも、製造,施工に際しては、上記液相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分に内外二重壁構造の真空断熱層を形成するだけで足り、作業が簡単であるうえ、確実に真空断熱することができ、真空断熱層の真空断熱作用によることから断熱性能の低下を招きにくい。
また、本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクにおいて、上記密封袋体は、相対向する金属膜同士間に、少なくとも一方の金属膜に固定された粒子状の低伝熱性材料を介在させた状態で、上記両金属膜が貼り合わされてなり、上記粒子の粒径によって上記両金属膜同士間に真空断熱用空間が形成されていると、上記粒子状の低伝熱性材料により、上記一側面から他側面への熱の伝達が効果的に抑制され、優れた断熱性能を有する。しかも、少なくとも一方の金属膜に粒子状の低伝熱性材料が固定されているため、金属膜製袋本体内で粒子状の低伝熱性材料が移動することがなく、密封袋体を液化ガス貯蔵タンクの周面にどのような姿勢で貼着しても、金属膜製袋本体内にその全体にわたって真空断熱用空間を確保することができる。
また、本発明の第2の液化ガス貯蔵タンクにおいて、上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分に断熱材が設けられていると、この断熱材で、上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分を断熱することができる。なお、上記断熱材は、簡易で、軽量で、施工等も簡単に行えるものでよい。
一方、本発明の密封袋体によれば、これを上記両液化ガス貯蔵タンクに用いることで、上記優れた効果を奏する。しかも、上記したように、粒子状の低伝熱性材料により、上記一側面から他側面への熱の伝達が効果的に抑制されるうえ、少なくとも一方の金属膜に粒子状の低伝熱性材料が固定されているため、密封袋体を液化ガス貯蔵タンクの周面にどのような姿勢で貼着しても、金属膜製袋本体内にその全体にわたって真空断熱用空間を確保することができる。
つぎに、本発明を実施の形態にもとづいて詳しく説明する。
図1および図2は本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクの一実施の形態を示している。この実施の形態では、液化ガス貯蔵タンクとして、タンクローリーに搭載される移動式(移動用)の液化ガス貯蔵タンクが用いられている。これらの図において、1は液体酸素等の極低温液化ガス(図示せず)を貯蔵するステンレス製のタンク本体であり、略円筒形状の胴体部分1aと、この胴体部分1aの左右両端の開口部を閉塞する湾曲形状の左右一対の閉塞壁部分1bとからなっている。このタンク本体1は、従来の断熱二重容器における外槽(例えば、図14および図15の外槽22参照)と同様の形状,寸法に形成されている。
2は上記タンク本体1の内周面にその円周方向に沿って貼着された多数の帯状の真空断熱パネル(密封袋体)であり、その内部が真空排気により断熱されている。上記各真空断熱パネル2は、図3に示すように、アルミニウム箔(厚み10〜200μ)を用いて作製された縦断面略四角形枠体状の袋本体(幅30〜80cm,長さ100〜200cm,厚み0.5〜5cm)11を主材とし、その長さ方向をタンク本体1の円周方向に合わせるようにタンク本体1の内周面に貼着されており、かつ隣接する袋本体11同士の間に隙間ができないように周設されている。この袋本体11には、その内周面の相対向する両側面のうちの一側面(タンク本体1の内周面に貼着された状態で、外周壁となる一側壁の内周面)に、多数のセラミック粒子(粒子状の低伝熱性材料)12(例えば、粒径0.1〜10mm)(図1および図2では、図示せず)が蒸着されており、これら各セラミック粒子12の粒径や各セラミック粒子12間の距離を利用して、袋本体11の内部に真空断熱用空間が形成されている。図3において、13は蒸着部である。
上記真空断熱パネル2を作製する場合には、例えば、平板状に形成された帯状の第1アルミニウム箔11a、およびこのアルミニウム箔11aの上面外周縁に沿って形成された長方形状枠状体11bとこの長方形状枠状体11bの上面開口を閉塞する天井板11cとからなる帯状の第2アルミニウム箔11dを準備し、第1アルミニウム箔11aの上面に多数のセラミック粒子12を略均一に分散して蒸着し、つぎに、第1アルミニウム箔11a上に第2アルミニウム箔11dを載置して第1アルミニウム箔11aの上面外周部と第2アルミニウム箔11dの長方形状枠状体11bの下端部とを密封状に溶接して貼り合わせ(図3参照)、そののち、両アルミニウム箔11a,11dの内部空間を公知の手段により真空排気により断熱することを行う。このとき、上記蒸着および溶接は、アルミニウム箔からなる袋本体11を損わないように低温で行われる。
このように構成,作製された真空断熱パネル2では、各セラミック粒子12の粒径,各セラミック粒子12間の距離,袋本体11(両アルミニウム箔11a,11d)の周方向の長さ等を利用し、上記相対向する両側面のうちの一側面(第1アルミニウム箔11aの内面)に蒸着された多数のセラミック粒子12の先端部が、上記相対向する両側面のうちの他側面(タンク本体1の内周面に貼着された状態で、内周壁となる一側壁の内周面で、第2アルミニウム箔11dの天井板11cの内面)に当接してスペーサーとして作用し、真空断熱用空間のための空隙を確保し、また、隣接するセラミック粒子12同士が当接し合うことによっても、真空断熱用空間のための空隙を確保している。また、各セラミック粒子12が、上記一側面に蒸着されていて移動しないため、真空断熱パネル2をタンク本体1の内周面にどのような姿勢で貼着しても、各セラミック粒子12が袋本体11内のいずれかの部分に偏在することがなく、真空断熱パネル2の全体にわたって略均一に上記空隙を確保することができる。
このような真空断熱パネル2は、タンク本体1の内周面に、通常2層(1層もしくは3層以上でもよい)スポット溶接等で貼着されており、これにより、タンク本体1の内周部に、多数の真空断熱用空間からなる保冷層(真空断熱層)が設けられている。より詳しく説明すると、上記タンク本体1の胴体部分1aの内周面の全体に真空断熱パネル2がスポット溶接等で貼着されており、これにより、タンク本体1の内周部に第1の保冷層が形成されている。そしてさらに真空断熱の効果を高めるため、この第1の保冷層の上に、上記と同様にして、さらに真空断熱パネル2が敷設され、溶接等で貼着されて第2の保冷層が形成されている。
一方、上記タンク本体1の両閉塞壁部分1bの内周面にもその全面に真空断熱パネル2がスポット溶接等で貼着されている。この場合、両閉塞壁部分1bの側端側では、その形状に対応する形状の真空断熱パネル2(上記真空断熱パネル2と同様の構造をしている)がスポット溶接等で貼着されており、これら貼着された各真空断熱パネル2の上にもさらに真空断熱パネル2が貼着されて二層の保冷層が形成されている。
このようなタンクを、つぎのようにして製作することができる。すなわち、まず、一側開口部(図4〜図6では、右側開口部)からタンク本体1内に作業員が入り、タンク本体1の他端側の閉塞壁部分1b(図4〜図6では、左側の閉塞壁部分1b)の内周面にその一側からその部分の形状に合わせてつくられた真空断熱パネル2をスポット溶接し、順次他側に向かって、それぞれの形状に合わせてつくられた真空断熱パネル2を施工する(図4参照)。そして、その上からさらに、上記と同様にして、真空断熱パネル2(図1,図4〜図6では、図示せず)をスポット溶接し、2層の保冷層を形成する。つぎに、タンク本体1の胴体部分1aの内周面の他端部(図4〜図6では、左側端部)に真空断熱パネル2を周方向に並置し、スポット溶接で貼着する。これを繰り返し、その周方向の全周に真空断熱パネル2(この実施の形態では、3本の真空断熱パネル2)を貼着,固定する(図5参照)。このようにしてタンク本体1の他端部内周面の全周に1層の保冷層を形成したのち、この層の上に、さらに上記と同様にして、真空断熱パネル2(図1,図2,図5および図6では、図示せず)を積重溶接し、2層目の保冷層を形成する。
つぎに、上記2層に積重した真空断熱パネル2の隣りに、上記と同様にして、2層に積重した真空断熱パネル2を形成する。このようにして、タンク本体1の他端側から順次施工することにより、タンク本体1の胴体部分1a内部の全てに、2層に積重した真空断熱パネル2を設ける(図6参照。図1,図6では、2層目の真空断熱パネル2を図示せず)。つぎに、作業員は胴体部分1a内部から出て、内周面に真空断熱パネル2がスポット溶接された右側の閉塞壁部分1b(図1参照)をタンク本体1の右側開口部に溶接,固定する。これにより、作業が完了し、目的物(図1参照)が得られる。
このように、上記実施の形態では、上記タンク本体1の内周部に保冷層が形成されているため、充分な真空断熱が行える。しかも、上記各真空断熱パネル2は軽く、上記タンク本体1の支受構造を強くする必要がなくなり、全体の大幅な軽量化を実現することができるとともに、省資材化が可能となり、コストダウンも達成することができる。しかも、上記各真空断熱パネル2の貼着作業が簡単であり、目視により確認できることから、確実に均一に貼着することができ、断熱材の偏在にもとづく断熱性能の低下を招かない。しかも、上記各真空断熱パネル2に設けた多数のセラミック粒子12の粒径等により、真空断熱に際しても袋本体11の内面同士の密着が防がれ、真空断熱用空間が確保されることから、高度な真空状態に耐えうるようになる。
図7および図8は本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクの他の実施の形態を示している。この実施の形態では、タンク本体1の内周面のうち、上側部分(略3/10円弧状部分)を残した部分(略7/10円弧状部分)にだけ真空断熱パネル2が貼着されており、上記上側部分には真空断熱パネル2が貼着されていない。すなわち、タンク本体1の内部にその内容積の70%程度の極低温液化ガス(図示せず)を収容した場合に、気相部となる部分には真空断熱パネル2が貼着されておらず、液相部となる部分に真空断熱パネル2が貼着されている。また、上記上側部分には、その内周面から、略扇状に形成された(すなわち、上面が、上記上側部分の内周面に沿うようにして略3/10円弧状に形成されているとともに、下面が水平面に形成された)複数枚の防波板15が突設されており、上記気相部となる部分に配設されている。これら複数枚の防波板15は、上記タンク本体1の長手方向に対し所定の傾斜角度α(15〜45°程度)で傾斜した状態で、上記タンク本体1の長手方向に沿って略等間隔で並設状に溶接,固定されており、タンクローリーの走行中にタンク本体1内の極低温液化ガスが揺動したときに、極低温液化ガスがタンク本体1の内周面の上記上側部分に接触するのを防ぐ作用をする。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、タンク本体1の内部にその内容積の70%程度の極低温液化ガスを収容した場合に、極低温液化ガスの周りにはタンク本体1の内周面に真空断熱パネル2が貼着されており、断熱効果を奏する。しかも、タンクローリーの走行中にタンク本体1内の極低温液化ガスが揺動した場合にも、防波板15により極低温液化ガスがタンク本体1の内周面の上記上側部分に触れることがなく、極低温液化ガスに外部熱が伝達されるのを防ぐことができる。しかも、真空断熱パネル2の貼着量が減少し、さらにタンク本体1の軽量化を図ることができる。
図9および図10は本発明の第1の液化ガス貯蔵タンクのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図7および図8に示す密封容器において、タンク本体1には、その外周面のうち、上側部分(略3/10円弧状部分)を残した部分(略7/10円弧状部分)に多数の真空断熱パネル2が貼着されている。したがって、タンク本体1の内周面には真空断熱パネル2が貼着されていない。それ以外の部分は、図7および図8に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、図7および図8に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、タンク本体1の外周面に真空断熱パネル2を貼着する場合には、貼着作業がさらに容易になる。
図11および図12は本発明の第2の液化ガス貯蔵タンクの一実施の形態を示している。この実施の形態では、図7および図8に示す実施の形態において、その内周面のうち、上側部分(略3/10円弧状部分)を残した部分(略7/10円弧状部分)に、上記タンク本体1の内周面との間に所定の隙間を設けた状態でタンク本体1の内側に配設されるステンレス製の真空断熱用内壁17と、この真空断熱用内壁17の外周縁に沿った状態でタンク本体1と真空断熱用内壁17との間に配設されこれらタンク本体1と真空断熱用内壁17との隙間を閉塞する側周壁18とが設けられており、これにより、内部に密封空間が形成された内外二重壁構造が形成されている。この内外二重壁構造の内部の密封空間は、真空排気により断熱されており、真空断熱用空間(真空断熱層)として作用している。また、上記上側部分に対応する上記タンク本体1の部分(すなわち、気相部に対応する上記タンク本体1の部分)には、その外周面に、グラスウール,パーライト等の断熱材16を取り付け、その外周部をカラートタン等の化粧板(図示せず)で覆い、上記断熱材16への雨等の水浸入を防止するようにしている。それ以外の部分は図7および図8に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この実施の形態でも、タンク本体1の周壁に、内外二重壁構造からなる真空断熱層を形成することができ、この真空断熱層で断熱することができる。しかも、気相部に対応する上記タンク本体1の周壁の部分に真空断熱層を形成していないものの、上記気相部には防波板15が配設されているため、タンクローリーの走行中にタンク本体1内の極低温液化ガスが揺動しても、防波板15でタンク本体1の内周面の頂部等に達するのを防ぐことができ、上記気相部に対応する上記タンク本体1の周壁の部分から極低温液化ガスに外部熱が伝達されるのを防ぐことができる。しかも、上記気相部に対応する上記タンク本体1の周壁の部分が内外二重壁構造になっていないため、タンク本体1が軽くなっており、タンク本体1の支受構造を簡素化でき、全体として大幅な重量の軽減を実現することができるとともに、省資材によるコストダウンも図ることができる。しかも、製造,施工に際しては、極低温液化ガスに対応する上記タンク本体1の周壁の部分に真空断熱用内壁17,側周壁18を設けるだけで足り、作業が簡単であるうえ、確実に真空断熱することができ、真空断熱層の真空断熱作用によることから断熱性能の低下を招きにくい。しかも、上記断熱材16により、上記気相部に対応する上記タンク本体1の部分をも断熱することができる。
図13は上記真空断熱パネル2の変形例を示している。この例では、上記袋本体11の内部に1枚の金属箔、例えばステンレス箔(厚み0.01〜1mm)製の帯状仕切体19が、上記袋本体11の長手方向に沿って配設されており、この帯状仕切体19により、上記袋本体11の内部が上下2つの真空断熱用空間に気密状に仕切られている。そして、上記帯状仕切体19の一側面(上記タンク本体1の内周面に貼着された状態で、内周面となる一側面)に多数のセラミック粒子12が蒸着されている。それ以外の部分は図3に示す真空断熱パネル2と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この例の真空断熱パネル2を用いた場合にも、図1〜図6に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、1つの真空断熱パネル2に2層の真空断熱用空間が形成されているため、真空断熱性能に優れる。
なお、図1〜図10に示す3つの実施の形態および図13に示す真空断熱パネル2の変形例では、真空断熱パネル2の袋本体11,帯状仕切体19の材料として、アルミニウム箔を用いているが、これに限定するものではなく、ステンレス箔,銅箔,チタン箔等の各種金属箔を用いてもよい。また、上記袋本体11の内周面の両側面,帯状仕切体19の両側面に多数のセラミック粒子12を蒸着してもよい。また、上記袋本体11の内周面等に多数のセラミック粒子12を蒸着して固定しているが、蒸着以外の各種の固定手段を用いてもよい。また、セラミック粒子12に代えて、FPR(強化プラスチック),シリカ粒子等を用いてもよい。また、図11および図12に示す実施の形態では、真空断熱用内壁17の材料として、ステンレス板を用いているが、各種の金属板を用いてもよい。
また、図1〜図6に示す実施の形態において、タンク本体1の外周面の全面に真空断熱パネル2を貼着してもよい。すなわち、タンク本体1の内周面の全面および外周面の全面の双方に真空断熱パネル2を貼着してもよい。また、図1〜図6に示す実施の形態において、タンク本体1の外周面の全面にだけ真空断熱パネル2を貼着してもよい。この場合には、タンク本体1の内周面に真空断熱パネル2を全く貼着しない。また、図7および図8に示す実施の形態において、タンク本体1の外周面の、上記上側部分を残した部分に真空断熱パネル2を貼着してもよい。また、図11および図12に示す実施の形態において、タンク本体1の周壁の外側に真空断熱用内壁17,側周壁18を設けて内外二重壁構造に形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、タンクローリーに搭載される移動式のタンクが用いられているが、図1〜図10に示す3つの実施の形態では、貯槽タンク等、定置式(定置用)のタンクを用いてもよい。また、図7〜図12に示す3つの実施の形態では、防波板15が、タンク本体1の長手方向に傾斜しているが、垂下していても(すなわち、傾斜していなくても)よいし、タンク本体1の内周面に沿う形状に形成した防波板15(水平板でもよいし、ブロック状体でもよい)をタンク本体1の内周面から吊り下げ、防波板15でタンク本体1の上部を覆うようにしてもよい。また、図11および図12に示す実施の形態において、断熱材16および化粧板を用いなくてもよいし、図7および図8に示す実施の形態および図9および図10に示す実施の形態において、気相部に対応する上記タンク本体1の部分に断熱材16および化粧板を用いてもよい。
本発明の第1の密封容器の一実施の形態を示す断面図である。 上記密封容器の要部を示す説明図である。 真空断熱パネルの断面図である。 上記密封容器の製作方法を示す断面図である。 上記密封容器の製作方法を示す断面図である。 上記密封容器の製作方法を示す断面図である。 本発明の第1の密封容器の他の実施の形態を示す断面図である。 上記密封容器の要部を示す説明図である。 本発明の第1の密封容器のさらに他の実施の形態を示す断面図である。 上記密封容器の要部を示す説明図である。 本発明の第2の密封容器の一実施の形態を示す断面図である。 上記密封容器の要部を示す説明図である。 真空断熱パネルの変形例を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。 他の従来例を示す断面図である。
符号の説明
1 タンク本体
2 真空断熱パネル

Claims (5)

  1. タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクもしくは定置式の液化ガス貯蔵タンクであって、タンク本体の内周面もしくは外周面に、内部が真空排気によって断熱された金属膜製密封袋体が取り付けられていることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
  2. 上記密封袋体は、相対向する金属膜同士間に、少なくとも一方の金属膜に固定された粒子状の低伝熱性材料を介在させた状態で、上記両金属膜が貼り合わされてなり、上記粒子の粒径によって上記両金属膜同士間に真空断熱用空間が形成されている請求項1記載の液化ガス貯蔵タンク。
  3. タンクローリー等の車両に搭載される移動式の液化ガス貯蔵タンクであって、タンク本体内に液相部とその上側の気相部とが形成され、上記液相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分が、内部が真空排気によって断熱された内外二重壁構造に形成され、上記気相部に防波板が配設されていることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
  4. 上記気相部に対応する上記タンク本体の周壁の部分に断熱材が設けられている請求項3記載の液化ガス貯蔵タンク。
  5. 内部が真空排気によって断熱された密封袋体であって、相対向する金属膜同士間に、少なくとも一方の金属膜に固定された粒子状の低伝熱性材料を介在させた状態で、上記両金属膜が貼り合わされてなり、上記粒子の粒径によって上記両金属膜同士間に真空断熱用空間が形成されていることを特徴とする密封袋体。
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