JP2007039712A - スパッタリング装置、成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下層の薄膜にダメージを与えず、エロージョン領域を広くできるスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】第一、第二のターゲット21a、21bの表面を対向させ、裏面に第一、第二の磁石部材15a、15bを配置し、第一、第二のターゲット21a、21bをマグネトロンスパッタしながら成膜対象物5を第一、第二のターゲット21a、21bの側方を通過させ、少ないダメージで成膜した後、第三のターゲット21cと正対する位置を通過させ、大きな堆積速度で薄膜を積層する。第一、第二の磁石部材15a、15bを第一、第二のターゲット21a、21bの裏面で動かし、エロージョン領域を広くする。
【選択図】 図1

Description

本発明はスパッタリング技術にかかり、特に、成膜面のダメージが少ないスパッタリング装置と成膜方法に関する。
有機EL素子は表示素子として近年着目されている。
図10は、有機EL素子の構造201の構造を説明するための模式的な断面図である。
この有機EL素子201は、基板211上に、下部電極214と、有機層217、218と上部電極219とがこの順序で積層されており、下部電極214と上部電極219の間に電圧を印加すると、有機層217、218の内部又は界面で発光する。上部電極219をITO膜(インジウム錫酸化物膜)等の透明導電膜で構成させると、発光光は上部電極219を透過し、外部に放出される。
上記のような上部電極219の形成方法は主に蒸着法が用いられている。
蒸着法では、蒸着源から昇華または蒸発によって放出される粒子は、中性の低エネルギー(数eV程度)粒子であるので、有機EL素子の陰極や保護膜を形成する場合は、有機膜にダメージを与えず、良好な界面を形成できるといったメリットがある。
しかし、蒸着法では有機膜との密着性が悪いため、ダークスポットが発生したり長期駆動により電極が剥離してしまうといった不具合が生じている。
また、生産性の観点からは、点蒸発源のため大面積では膜厚分布がとりづらいといった問題や、蒸発ボートの劣化や蒸発材料の連続供給が困難なため、メンテナンスサイクルが短いなどの問題がある。
上記の問題を解決する手法としてスパッタ法が考えられる。しかし、成膜対象物をターゲットに正対させる平行平板型のスパッタ法では、有機層上にアルミニウムの上部電極を形成した場合、有機ELデバイスの駆動テストで発光開始電圧が著しく高くなったり、発光しないという不具合が生じている。これはスパッタ法ではプラズマ中の荷電粒子(Arイオン、2次電子、反跳Ar)や高い運動エネルギーを持ったスパッタ粒子が有機膜上へ入射するために、有機膜の界面を破壊して、電子の注入がうまく出来なくなるからである。
そこで従来技術でも対策が模索されており、図11に示すようなスパッタ装置110が提案されている。
このスパッタリングリング装置110は、真空槽111を有しており、該真空槽111内には、ITOから成る二台のターゲット121a、121bが裏面をバッキングプレート122a、122bに取りつけられ、表面は互いに一定距離だけ離間して平行に対向配置されている。
バッキングプレート122a、122bの裏面には、磁石部材115a、115bが配置されている。
磁石部材115a、115bは、ヨーク129a、129bにリング状の磁石123a、123bが取りつけられている。
各磁石123a、123bは、それぞれ一方の磁極をターゲット121a、121b向け、他方の磁極をターゲットとは反対方向に向けて配置されており、且つ、二個の磁石123a、123bは、異なる極性の磁極がターゲット121a、121bに向けられている。要するに、一方の磁石123aが、ターゲット121aにN極を向けている場合、他方の磁石123bは、ターゲット121bにS極を向けている。
真空排気系116によって真空槽111内を真空排気し、ガス導入系117からスパッタリングガスを導入し、ターゲット121a、121bに電圧を印加すると、ターゲット121a、121bで挟まれた空間にスパッタリングガスのプラズマが発生し、ターゲット121a、121bの表面がスパッタされる。
ターゲット121a、121bで挟まれた空間の側方には、成膜対象物113が配置されており、ターゲット121a、121bから斜めに飛び出し、真空槽111内に放出されたスパッタリング粒子によって、成膜対象物113表面に透明導電性薄膜(ITO薄膜)が形成される。
このスパッタリング装置110では、図12に示すように、二個の磁石123a、123bが形成する磁力線131により、ターゲット121a、121bが向かい合う空間が取り囲まれており、プラズマは磁力線131によって閉じこめられるため、成膜対象物113はプラズマに曝されず、成膜対象物113表面に露出する有機薄膜がダメージを受けない。
特開平10−255987号公報 特開2003−303681号公報
しかしながら、上述のスパッタリング装置110では、プラズマは磁力線128内に閉じこめられるものの、その強度は弱く、成膜速度が遅いという問題がある。
また、ターゲットのエロージョン領域が狭くターゲットの使用効率が低いという問題もある。
上記課題を解決するため、本発明は、真空槽と、前記真空槽内に所定間隔を開けて配置された第一、第二のターゲットとを有し、前記第一、第二のターゲットの間にプラズマを発生させ、前記第一、第二のターゲットをスパッタリングして、前記第一、第二のターゲットの側方の成膜対象物に薄膜が形成されるように構成されたスパッタリング装置であって、前記第一、第二のターゲットの裏面には、第一、第二の磁石部材がそれぞれ配置され、前記第一の磁石部材は、リング形状の第一のリング磁石と、前記第一のリング磁石の内側に配置された第一の中心磁石とを有し、前記第一のリング磁石と前記第一の中心磁石は前記第一のターゲットの裏面に異なる極性の磁極を向けて配置され、前記第二の磁石部材は、リング形状の第二のリング磁石と、前記第二のリング磁石の内側に配置された第二の中心磁石とを有し、前記第二のリング磁石と前記第二の中心磁石は前記第二のターゲットの裏面に異なる極性の磁極を向けて配置され、前記第一のリング磁石と前記第二のリング磁石は異なる極性の磁極が対向するように配置され、前記第一の中心磁石と前記第二の中心磁石も異なる極性の磁極が対向するように配置されたスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記真空槽には反応性ガスを導入するガス導入系が接続され、前記成膜対象物の表面には、前記第一、第二のターゲットの成分と前記反応性ガスの反応生成物の薄膜が形成されるように構成されたスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記導入孔は、前記第一、第二のターゲットの、前記成膜対象物とは反対側の位置に設けられたスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記第一、第二の磁石部材は前記第一、第二のターゲットに対してそれぞれ相対的に移動しながらスパッタされるように構成されたスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記第一の磁石部材の前記第一のターゲットに対する相対的な移動と、前記第二の磁石部材の前記第二のターゲットに対する相対的な移動とは、所定範囲内を同一周期で行われ、前記第一の磁石部材と前記第二の磁石部材の位置は、半周期ずらされたスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記真空槽には、前記成膜対象物を移動させる移動機構が設けられ、前記成膜対象物を前記第一、第二のターゲットの側方位置を通過させながら前記薄膜を形成するスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記第一、第二の中心磁石は細長に形成され、前記第一、第二の中心磁石は前記成膜対象物の移動方向とは垂直な平面内に配置され、前記第一、第二の磁石部材の移動は、それぞれ前記第一、第二の中心磁石の長手方向と垂直な方向の成分を含むスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記真空槽内には第三のターゲットが、その表面を前記成膜対象物に向けて配置され、前記成膜対象物は、前記第一、第二のターゲットの側方位置を通過した後、前記第三のターゲットに面する位置を通過するように構成されたスパッタリング装置である。
また、本発明は、真空槽内に透明導電材料から成る第一、第二のターゲットを離間して配置し、前記第一、第二のターゲットの裏面に配置した第一、第二の磁石部材によって前記第一、第二のターゲット表面に磁場を形成し、前記真空槽内にスパッタリングガスと酸素ガスとを導入し、前記第一、第二のターゲットで挟まれた空間内にプラズマを形成し、有機薄膜が表面に露出する成膜対象物を、前記第一、第二のターゲットの側方を通過させ、前記有機薄膜表面に透明導電性薄膜を形成する透明導電性薄膜の成膜方法であって、N極とS極のいずれか一方の磁極を第一の磁極、他方を第二の磁極とすると、前記第一、第二の磁石部材にはリング形状に形成された第一、第二のリング磁石と、第一、第二の内側に配置された中心磁石を配置し、前記第一の磁石部材の前記第一の磁極と、前記第二の磁石部材の前記第二の磁極とをリング状にしてそれぞれ前記第一、第二のターゲットの裏面に向け、前記第一の中心磁石の前記第二の磁極と、前記第二の中心磁石の第一の磁極をそれぞれ前記第一、第二のターゲットの裏面に向け、前記第一、第二の磁石部材を前記第一、第二のターゲットに対して相対的に移動させながらスパッタリングを行う成膜方法である。
また、本発明は、前記第一の磁石部材の前記第一のターゲットに対する相対的な移動と、前記第二の磁石部材の前記第二のターゲットに対する相対的な移動とは、所定範囲内を同一周期で行わせ、前記第一の磁石部材と前記第二の磁石部材の位置を半周期ずらす成膜方法である。
また、本発明は、前記成膜対象物が前記第一、第二のターゲットの間を通過する間に、前記第一、第二の磁石部材は2周期以上移動させる成膜方法である。
また、本発明は、前記真空槽内に透明導電材料から成る第三のターゲットを配置し、前記成膜対象物を前記第一、第二のターゲット側方を通過させた後、前記第三のターゲットと面する位置を通過させ、前記第一、第二のターゲットによって形成した透明導電性薄膜の表面に、前記第三のターゲットによって形成した透明導電性薄膜を積層させる成膜方法である。
本発明によって形成できる透明導電性薄膜は、ITO薄膜、SnO2薄膜、ZnOx薄膜、IZO薄膜等の種々の透明導電材料の薄膜が含まれる。
本発明は上記のように構成されており、所定間隔で離間された第一、第二のターゲットで挟まれた空間の近傍を、成膜面をその空間に向け、第一、第二のターゲットの側面とは離間した位置を通過させる。ターゲットから斜め方向に飛び出した小さいエネルギーのスパッタリング粒子によって成膜されるため、成膜対象物の表面に露出している薄膜へのダメージが少ない。
第一、第二の磁石部材は、第一、第二のリング磁石と、その内側の第一、第二の中心磁石は、異なる磁極が第一、第二のターゲットの裏面に向いている。従って、第一、第二のターゲットの表面には、ターゲットの表面に対して平行な磁力線が形成され、マグネトロンスパッタが生じるので、第一、第二のターゲットのスパッタリング速度が速くなる。
第一、第二の磁石部材は、第一、第二のターゲットに対して移動させるため、エロージョン領域が広くなる。第一、第二の磁石部材を静止させ、第一、第二のターゲットを移動させてもよい。また、第一、第二の磁石部材と第一、第二のターゲットが相対的に移動するものであれば、磁石とターゲットを異なる方向に一緒に移動させてもよい。
成膜対象物の移動速度をS、第一、第二のターゲットの表面間の距離をWとすると、W/Sの間に、第一、第二の磁石部材は2周期以上移動する。これにより、移動に伴う成膜速度の変動が平均化される。
第一、第二のターゲットには、直流電圧を印加しても交流電圧を印加しても、それらを重畳した電圧を印加してもよい。
エロージョン領域を広げられるのでターゲットの使用効率が高くなる。
磁石部材を移動させても、成膜対象物に入射するスパッタリング粒子の量が平均化されるから、膜厚分布が均一な薄膜が得られる。
下層へのダメージの少ない薄膜の上に、高成膜レートで薄膜を積層させることができる。特に、有機薄膜上に電極膜を積層する場合に有機薄膜のダメージが少なく、発光量が多く、長寿命の有機EL素子が得られる。
図1の符号10は、本発明の一例のスパッタリング装置を示している。
このスパッタリング装置10は、縦型のインターバック式の装置であり、真空槽11を有している。真空槽11は、不図示のL/UL室とゲートバルブ41を介して接続されている。L/UL室は、成膜対象物を保持するキャリアの仕込み、取り出しを行うように構成されており、L/UL室内のキャリアに成膜対象物を保持させ、ゲートバルブ41を開け、真空槽11の内部に搬入する。
真空槽11の内部には、キャリアを搬送するための搬送機構が取り付けられている。図1の符号14はその搬送機構によってキャリアが移動される移動経路を示しており、ここでは移動経路14は直線であり、成膜対象物5を保持したキャリア13は真空槽11の内部を真っ直ぐ搬送されるように構成されている。
真空槽11の内部には、第一のスパッタ室16が設けられている。
第一のスパッタ室16内には、透明導電材料から成る第一、第二のターゲット21a、21bが配置されている。
第一、第二のターゲット21a、21bは板状であり、裏面はバッキングプレートに取りつけられている。第一、第二のターゲット21a、21bは、表面同士が向き合って所定間隔を開けて平行に配置されている。
各ターゲット21a、21bの裏面側には、第一、第二の磁石部材15a、15bがそれぞれ配置されている。ここでは、第一、第二の磁石部材15a、15bは真空槽11の外部に位置している。
第一、第二の磁石部材15a、15bの平面図を図5(a)、(b)にそれぞれ示す。図1及び後述する図2、及び図3、4に示した第一、第二の磁石部材15a、15bと第一、第二のターゲット21a、21bは、図5(a)、(b)のA−A線切断面図に相当する。
第一、第二の磁石部材15a、15bは、第一、第二のヨーク29a、29bを有しており、該第一、第二のヨーク29a、29bの表面には、リング形状の第一、第二のリング磁石23a、23bと、細長の第一、第二の中心磁石24a、24bがそれぞれ配置されている。
第一、第二のリング磁石23a、23bは、第一、第二のターゲット21a、21bの外周よりも内側に位置しており、第一、第二のターゲット21a、21bの縁に沿って配置されている。ターゲット21a、21bは長方形であり、従って、第一、第二のリング磁石23a、23bは、四角リング形状になっている。
第一、第二の中心磁石24a、24bは細長の長方形であり、第一、第二のリング磁石23a、23bの内側に配置されている。第一、第二の中心磁石24a、24bの長手方向は、第一、第二のリング磁石23a、23bの長手方向に沿って配置されている。
第一、第二のリング磁石23a、23bの磁極と第一、第二の中心磁石24a、24bの磁極は、一方が第一、第二のターゲット21a、21bの裏面に向いた位置に形成され、他方がヨーク29a、29bの表面に向いた位置に形成されている。
従って、各磁石23a、23b、24a、24bの磁極は各磁石23a、23b、24a、24bの形状が反映され、第一、第二のリング磁石23a、23bの磁極はリング形状であり、第一、第二の中心磁石24a、24bの磁極は細長形状になっている。
第一、第二のリング磁石23a、23bと第一、第二の中心磁石24a、24bの磁極の二種類の極性(N極、S極)のうち、いずれか一方の極性の磁極を第一の磁極とし、他方の極性の磁極を第二の磁極とし、第一のターゲット21aの裏面に向けられた第一のリング磁石23aの磁極を第一の磁極とすると、第一の磁石部材15aでは、その内側の第一の中心磁石24aは、第二の磁極が第一のターゲット21aの裏面に向けられており、第一のリング磁石23aの第一の磁極と第一の中心磁石24aの第二の磁極の間に形成される磁力線が第一のターゲット21aを貫通し、第一のターゲット21aの表面に、一部が第一のターゲット21aの表面に対して平行な磁力線が生じるようになっている。
他方、第二の磁石部材15bの第二のリング磁石23bでは、第一のリング磁石23aとは反対の第二の磁極が第二のターゲット21bの裏面に向けられており、その内側の第二の中心磁石24bでは、第一の磁極が第二のターゲット21bの裏面に向けられている。
従って、第二の磁石部材15bでも、第二のターゲット21bの表面には、第二のリング磁石23bと第二の中心磁石24bの間に形成される磁力線が第二のターゲット21bを貫通し、一部が第二のターゲット21bの表面に、該第二のターゲット21bの表面に対して平行な磁力線が生じるようになっている。
第一、第二のターゲット21a、21b表面に平行な部分の磁力線は電子をトラップし、第一、第二のターゲット21a、21bのスパッタ効率を向上させる。
図2の符号31a、31bは、その磁力線を示している。図2では、第一の磁極が符号N、第二の磁極が符号Sで表されている。
また、第一、第二のリング磁石23a、23bは、異なる磁極が向き合っているので、第一、第二のリング磁石23a、23bの間に磁力線32が発生される。この磁力線32は、第一、第二のリング磁石23a、23bの間に筒状に形成される。この磁力線32は、荷電粒子が第一、第二のターゲット21a、21b間から外に飛び出すのを抑止する。
また、第一のリング磁石23aと第一の中心磁石24aの間には磁力線31aが発生する。磁力線31aは第一のターゲット21aに水平な成分を有するので、第一、第二のターゲット21a、21bの間に形成されるプラズマは、主に磁力線31aのターゲットと水平の部分に発生する。このプラズマにより第一のターゲット21aがスパッタされるので、水平磁場の部分が多くスパッタされ、均一にエロージョン領域が形成されない。第二のターゲット21bについても同様である。
第一、第二の磁石部材15a、15bには、不図示の移動装置が接続されており、第一、第二のターゲット21a、21bに対して相対的に移動するように構成されている。
その結果、第一、第二のターゲット21a、21bの表面を、磁力線31a、31bが移動することでプラズマが移動するので、第一、第二のターゲット21a、21b表面のエロージョン領域が拡大する。
第一、第二の磁石部材15a、15bの移動は、第一、第二のターゲット21a、21bの長手方向に対して垂直(即ち、短辺方向に対して平行)な方向であり、エロージョン領域ができるだけ広くなるようにされている。
また、第一、第二の磁石部材15a、15bは、所定の範囲を同一周期で繰り返し往復移動するように構成されており、且つ、第一、第二のターゲット21a、21bの移動は、半周期ずらされている。ここでは、第一、第二の磁石部材15a、15bの移動範囲は第一、第二のターゲット21a、21bの裏面からはみ出さない範囲であり、往復移動の距離は、互いに等しくされている。
第一、第二のターゲット21a、21bは、互いに正対しており、その長辺は、キャリア13の移動経路14に向けられている。第一、第二のターゲット21a、21bの表面は、キャリア13の移動経路14に対して垂直にされている。
従って、図3に示すように、第一の磁石部材15aがキャリア13の移動経路14に対して最も近づいたときには第二の磁石部材15bは、キャリア13の移動経路14から最も遠ざかり、その逆に、図4に示すように、第一の磁石部材15aがキャリア13の移動経路14から最も遠ざかったときには第二の磁石部材15bは、キャリア13の移動経路14に最も近づく。
図8(a)〜(c)は、半周期ずれた第一、第二の磁石部材15a、15bの相対的な位置関係を示しており、符号35は、第一、第二の磁石部材15a、15bの移動方向を示しており、直線上を周期的に移動する。
第一、第二のターゲット21a、21bは、第一、第二の磁石部材15a、15bで形成される磁力線が、第一、第二のターゲット21a、21bの表面に平行な部分が多くスパッタリングされるが、第一、第二の磁石部材15a、15bは交互に成膜対象物5に近づくため、成膜対象物5に入射するスパッタリング粒子の量の変動は平均化され、成膜対象物5表面の膜厚分布が均一になるように構成されている。
このスパッタリング装置10を用い、成膜対象物5表面に薄膜を形成する工程を説明する。
先ず、真空槽11に接続された真空排気系19を動作させ、真空槽11内部を所定圧力まで真空排気しておく。
第一、第二のターゲット21a、21bの一長辺は成膜対象物5の移動経路14に向かい、他の長辺は第一のスパッタ室16の壁面に向けられており、その壁面には、ガス供給系18が接続され、第一、第二のターゲット21a、21bの間に反応性ガスとスパッタリングガスを導入できるように構成されている。
反応性ガスとスパッタリングガスを導入し、第一のスパッタ室16の内部が所定圧力で安定した後、第一、第二のターゲット21a、21bに交流電圧又は直流電圧を印加すると、第一、第二のターゲット21a、21bの間の空間にプラズマが形成される。プラズマは水平磁場の近傍に発生する。
第一、第二の磁石部材15a、15bを上記のように移動させ、第一、第二のターゲット21a、21bの表面をスパッタリングすると、スパッタリング粒子の一部は第一、第二のターゲット21a、21bの間の空間から成膜対象物5の移動経路14に向かって飛行する。
この状態でキャリア13が移動経路14に沿って移動し、第一、第二のターゲット21a、21bで挟まれた空間に面する位置に至ると、キャリア13に保持された成膜対象物5は、第一、第二のターゲット21a、21bの間の空間に正対する。従って、成膜対象物5が、第一、第二のターゲット21a、21bで挟まれた空間に面する位置を通過すると、スパッタリング粒子が成膜対象物5の表面に到達する。
このとき、成膜対象物5の表面に入射するスパッタリング粒子は第一、第二のターゲット21a、21bの表面から斜め方向に飛び出した粒子であり、そのエネルギーは小さいため、成膜対象物5の表面にダメージを与えることなく薄膜が形成される。
また、第一、第二のターゲット21a、21bをスパッタリングするプラズマは、第一、第二のターゲット21a、21bの間の空間に閉じこめられており、成膜対象物5がプラズマに曝されないので、成膜対象物5表面がプラズマによってダメージを受けない。
成膜対象物5の移動経路14の第一のスパッタ室16に面する位置よりも下流側には第二のスパッタ室17が配置されている。
第二のスパッタ室17内には第三のバッキングプレート22cが配置されており、その表面には第三のターゲット21cが設けられている。第三のターゲット21cの裏面側には、第三の磁石部材15cが配置されている。ここでは、第三のターゲットは、第一、第二のターゲット21a、21bと同じ物質で構成されている。
第三の磁石部材15cは、ヨーク29c上に第三のリング磁石23cと第三の中心磁石24cが配置されており、第三のターゲット21cの表面に、該第三のターゲット21cの表面と平行な部分を有する磁力線が形成され、第三のターゲット21cの表面は高効率でスパッタされるようになっている。
第三のターゲット21cの表面は移動経路14に向けられており、成膜対象物5が第三のターゲット21cと正対する位置を通過するように構成されており、これにより、第三のターゲット21cから垂直に飛び出したスパッタリング粒子が成膜対象物5に到達する。
このとき、成膜対象物5の表面には第一、第二のターゲット21a、21bによって第一の薄膜が形成されており、第三のターゲット21cのスパッタリング粒子は、第一の薄膜の表面に入射し、第一の薄膜の下層の薄膜にダメージを与えることなく第二の薄膜が形成される。ここでは、第一、第二の薄膜はITO薄膜から成る透明導電性薄膜である。
そのスパッタリング粒子は、第三のターゲット21cの表面から垂直に飛び出した粒子であり、第一、第二のターゲット21a、21bから入射するスパッタリング粒子の量に比べて多量であり、第一の薄膜に比べると第二の薄膜の成膜速度は速い。
なお、実験によると、第一、第二のリング磁石23a、23bの短辺方向の長さ(幅)が90mmであった場合、短辺と平行な方向に第一、第二の磁石部材15a、15bを±10mm移動させることにより、第一、第二のターゲット21a、21bの表面の非エロージョン部はなくすことが可能であった。
第一、第二のターゲット21a、21bの間隔(表面と表面の距離)は、40〜150mmに設定するのが好ましい。対向する間隔が狭いと成膜レートが遅くなり、ターゲット間隔が大きすぎると対向したターゲット空間中に発生する磁場を有効に使えなくなるためであり、上記設定値が有効な範囲であることを、下記表1の実験結果に示す。
実験条件は、成膜対象物5はガラス基板、スパッタリングガスはアルゴンガス、反応性ガスは無添加又はO2ガス、ターゲットはITOであり、成膜対象物5の表面にITO薄膜から成る透明導電性薄膜を形成した。
Figure 2007039712
成膜対象物5を移動させながら成膜する場合、形成する薄膜の全膜厚分を、対向する第一、第二のターゲット21a、21bで成膜するのは非効率であり、上記実施例のように、下地膜へのダメージ回避が目的であれば、成膜の初期だけダメージを回避する方法で成膜し、残りの膜厚は成膜レートが大きい平行平板型スパッタリング法によって成膜した方が効率的である。
下記表2に、第一、第二のターゲット21a、21bで成膜したITO薄膜の上に、第三のターゲット21cで形成したITO薄膜を積層した場合の抵抗値と透過率を示す。形成温度は室温である。
Figure 2007039712
合計膜厚が同じであっても第一の薄膜の膜厚が薄いほど抵抗値が低いという結果になった。ダメージについては有機薄膜上へ第一、第二のターゲット21a、21bと、第三のターゲット21cの順に成膜してITO薄膜を形成し、有機EL素子を形成し、発光輝度、発光開始電圧を調べた。有機層と密着する第一の薄膜を第一、第二のターゲット21a、21bで形成した場合、合計膜厚を100,200,300Åと増加させても、蒸着で成膜した上部電極膜と同レベルであった。
以上は第一、第二の中心磁石24a、24bが直線状であったが本発明はそれに限定されるものではない。
例えば、図6の磁石部材15dに示すように、第一、第二の中心磁石24dはリング状であってもよい。この場合、第一、第二の中心磁石24dのリングを長方形にし、長手方向を第一、第二のリング磁石23dの長手方向に合致させ、その中央に配置するとよい。図6の符号29d、及び下記の図7の符号29eはヨークである。
また、図7の磁石部材15eに示すように、第一、第二のリング磁石23eの中央に、直線状の第一、第二の中心磁石24eを、第一、第二のリング磁石23eの長手方向に合致する方向に配置し、更に、第一、第二のリング磁石23eと、第一、第二の中心磁石24eの間に、リング形状の付加的な磁石25eを配置してもよい。
要するに、本発明の第一、第二の磁石部材15a、15bは、第一、第二のリング磁石23a、23b、23d、23eと、第一、第二の中心磁石24a、24b、24d、24eとを含む他、付加的な磁石25eのような他の磁石が設けられていてもよい。
移動方向については、上記例では第一、第二の磁石部材15a、15bを、長辺に垂直な方向に一定周期で往復移動させたが、本発明はそれに限定されるものではなく、長辺に垂直方向の成分に加え、長辺に沿った方向の成分を含んでいてもよい。例えば、第一、第二のターゲット21a、21bに対して円運動や楕円運動をしてもよい。
図9(a)〜(h)は、第一、第二の磁石部材15a、15bが楕円形状の移動方向36に沿って移動する場合の相対的な位置関係を示す図である。
この場合も、第一、第二の磁石部材15a、15bは、所定範囲内を同じ周期で繰り返し移動するように構成されており、半周期ずらすと、第一、第二の磁石部材15a、15bは、交互に成膜対象物5に近接するので、成膜対象物5に入射するスパッタリング粒子の量が平均化され、成膜対象物5表面の膜厚分布が均一になる。
本発明では、第一、第二のターゲット21a、21bの側方を通過する成膜対象物5の速度は、10cm/分〜100cm/分である。第一、第二のターゲット21a、21bの表面は平行であり、その間隔は100mm程度であり、第一、第二の磁石部材15a、15bの移動周期は、成膜対象物5が、第一、第二のターゲット21a、21bの間を通過する間に二周期以上の移動が行われるようになっており、これにより、第一、第二の磁石部材15a、15bの移動が半周期ずれていることに加え、更に第一、第二の磁石部材15a、15bの移動による成膜速度の変化が平均化されるようになっている。
なお、上記例では第一、第二のターゲット21a、21bは平行に配置したが、角度を付け、間隔が広い方の側面の近傍を成膜対象物5を通過させてもよい。
<実施例1>
有機EL製造装置(アルバック(株)製SATELLA)にて、Ag/ITO電極がパターニングされたガラス基板の表面をO2プラズマ洗浄し、有機ELの各層を順次蒸着法で形成した。
例えば4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(以下NPBと略す)を正孔輸送層として35nmの厚さで形成し、さらに例えば8−オキシキノリノアルミニウム錯体(以下Alq3と略す)を発光層として50nmの厚さで形成し、さらに陰極バッファ層としてLiFを蒸着により5nmの厚さで形成した。
有機EL製造装置に取り付けられている窒素置換のグローブボックス内へ基板を搬送して、密閉容器内へ基板を入れて密閉容器を大気中に取り出した。その後、上記スパッタリング装置10に取り付けられたN2グローブボックス中へ密閉容器を仕込み、その中で密閉容器を開封して基板を取り出し、L/UL室に取り付けられたキャリア13上へその基板をセットした。
さらに、その基板上にITO薄膜を電極として形成するためのマスクを装着して成膜対象物5を構成させた後、L/UL室内を真空排気した。
所定の圧力になったところでゲートバルブ41を開け、成膜対象物5を真空槽11内へ搬入し、キャリア13を移動させながら成膜した。第一、第二のターゲット21a、21bにより20nm、第三のターゲット21cにより80nmのITO膜を形成した。
ITO成膜条件は成膜圧力0.67Pa、導入ガスはAr200SCCM、酸素2.0SCCMである。投入パワーは第一、第二のターゲット21a、21bには、AC電源970W(1.08W/cm2/cathode)であり、第三のターゲット21cには、DC電源620W(1W/cm2)である。
ダイナミックレートは第一、第二のターゲット21a、21bが2nm・m/min、第三のターゲット21cが8nm・m/minであった。
搬送速度は0.1m/minである。また、第一、第二の磁石部材15a、15bは、20mm幅、30回/min周期で往復運動させた。
透明導電性薄膜の成膜が完了したのち、キャリア13をL/UL室に戻して、基板を取り出した。
作製した有機EL素子をN2雰囲気中のチャンバーにセットして、初期輝度300cd/m2の条件で連続発光させたところ、5000h後もダークスポットの発生は認められなかった。電圧上昇は2Vであった。蒸着透明導電性薄膜のEL素子を作製と比較して同様な結果が得られたため、本スパッタリング装置10で作製したスパッタ透明導電性薄膜はスパッタダメージがないことが確認された。
<実施例2>
実施例1記載の有機EL素子作製工程においてITOから成る第一、第二のターゲット21a、21bに、AC電源の代わりにDC電源を用い、それぞれDCパワー450W(1W/cm2)で透明導電性薄膜の成膜を行った。ダイナミックレートは2nm・m/minであった。それ以外はすべて実施例1と同様なプロセスとした。
作製した有機EL素子の評価を実施例1に準じて行った。初期輝度300cd/m2の条件で連続発光させたところ、5000h後もダークスポットの発生は認められなかった。
<実施例3>
実施例1記載のEL素子基板作製工程においてITOから成る第一、第二のターゲット21a、21bで形成した薄膜の膜厚と、ITOから成る第三のターゲット21cで形成した薄膜の膜厚を変化させた。第一、第二/第三を、10nm/90nm、30nm/70nm、50nm/50nmとした。それぞれの膜厚はキャリア13の搬送速度を調節することにより変えた。
作製した有機EL素子の評価を実施例1に準じて行った。初期輝度300cd/m2の条件で連続発光させたところ、5000h後もダークスポットの発生は認められなかった。
<比較例1>
実施例1記載のEL素子基板作製工程においてITO成膜部分で第一、第二のターゲット21a、21bを使用せず、第三ターゲット21cだけで透明導電性薄膜を形成した。膜厚は100nmである。それ以外は実施例1と同様のプロセスとした。
作製した有機EL素子の評価を実施例1に準じて行った。初期輝度300cd/m2の条件で連続発光させようとしたが、20V印加しても250cd/m2の輝度しか得られず、初期劣化が認められた。
なお、上記の実施例では、ITO薄膜を成膜する場合について説明したが、本発明で形成できる透明導電性薄膜はITO薄膜に限定されるものではなく、SnO2、ZnOx、IZO等の種々の透明導電材料の薄膜を形成することができる。
更に、SiOx、SiNx等の保護膜やアルミニウムなどの金属薄膜の形成にも用いることができる。
本発明のスパッタリング装置を説明するための図 第一、第二の磁石部材が形成する磁力線を説明するための図 第一、第二の磁石部材の移動を説明するための図(1) 第一、第二の磁石部材の移動を説明するための図(2) (a)、(b):第一、第二の磁石部材の磁石配置の一例を説明するための平面図 第一、第二の磁石部材の磁石配置の他の例を説明するための平面図 第一、第二の磁石部材の磁石配置の更に他の例を説明するための平面図 (a)〜(c):第一、第二の磁石部材が直線上を移動する場合の相対的な位置関係を説明するための図であり、一周期の移動を示す (a)〜(h):第一、第二の磁石部材が楕円上を移動する場合の相対的な位置関係を説明するための図であり、一周期の移動を示す 有機EL素子の構造を説明するための模式的な断面図 従来技術のスパッタリング装置を説明するための図 その磁石部材が形成する磁力線を説明するための図
符号の説明
5……成膜対象物
10……スパッタリング装置
11……真空槽
15a……第一の磁石部材
15b……第二の磁石部材
21a……第一のターゲット
21b……第二のターゲット
21c……第三のターゲット
23a……第一のリング磁石
23b……第二のリング磁石
23d、23e……第一、第二のリング磁石
24a……第一の中心磁石
24b……第二の中心磁石
24d、24e……第一、第二の中心磁石

Claims (12)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽内に所定間隔を開けて配置された第一、第二のターゲットとを有し、
    前記第一、第二のターゲットの間にプラズマを発生させ、前記第一、第二のターゲットをスパッタリングして、前記第一、第二のターゲットの側方の成膜対象物に薄膜が形成されるように構成されたスパッタリング装置であって、
    前記第一、第二のターゲットの裏面には、第一、第二の磁石部材がそれぞれ配置され、
    前記第一の磁石部材は、リング形状の第一のリング磁石と、前記第一のリング磁石の内側に配置された第一の中心磁石とを有し、前記第一のリング磁石と前記第一の中心磁石は前記第一のターゲットの裏面に異なる極性の磁極を向けて配置され、
    前記第二の磁石部材は、リング形状の第二のリング磁石と、前記第二のリング磁石の内側に配置された第二の中心磁石とを有し、前記第二のリング磁石と前記第二の中心磁石は前記第二のターゲットの裏面に異なる極性の磁極を向けて配置され、
    前記第一のリング磁石と前記第二のリング磁石は異なる極性の磁極が対向するように配置され、
    前記第一の中心磁石と前記第二の中心磁石も異なる極性の磁極が対向するように配置されたスパッタリング装置。
  2. 前記真空槽には反応性ガスを導入するガス導入系が接続され、
    前記成膜対象物の表面には、前記第一、第二のターゲットの成分と前記反応性ガスの反応生成物の薄膜が形成されるように構成された請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記導入孔は、前記第一、第二のターゲットの、前記成膜対象物とは反対側の位置に設けられた請求項2記載のスパッタリング装置。
  4. 前記第一、第二の磁石部材は前記第一、第二のターゲットに対してそれぞれ相対的に移動しながらスパッタされるように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
  5. 前記第一の磁石部材の前記第一のターゲットに対する相対的な移動と、前記第二の磁石部材の前記第二のターゲットに対する相対的な移動とは、所定範囲内を同一周期で行われ、
    前記第一の磁石部材と前記第二の磁石部材の位置は、半周期ずらされた請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
  6. 前記真空槽には、前記成膜対象物を移動させる移動機構が設けられ、前記成膜対象物を前記第一、第二のターゲットの側方位置を通過させながら前記薄膜を形成する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
  7. 前記第一、第二の中心磁石は細長に形成され、前記第一、第二の中心磁石は前記成膜対象物の移動方向とは垂直な平面内に配置され、
    前記第一、第二の磁石部材の移動は、それぞれ前記第一、第二の中心磁石の長手方向と垂直な方向の成分を含む請求項6記載のスパッタリング装置。
  8. 前記真空槽内には第三のターゲットが、その表面を前記成膜対象物に向けて配置され、
    前記成膜対象物は、前記第一、第二のターゲットの側方位置を通過した後、前記第三のターゲットに面する位置を通過するように構成された請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
  9. 真空槽内に透明導電材料から成る第一、第二のターゲットを離間して配置し、
    前記第一、第二のターゲットの裏面に配置した第一、第二の磁石部材によって前記第一、第二のターゲット表面に磁場を形成し、
    前記真空槽内にスパッタリングガスと酸素ガスとを導入し、前記第一、第二のターゲットで挟まれた空間内にプラズマを形成し、
    有機薄膜が表面に露出する成膜対象物を、前記第一、第二のターゲットの側方を通過させ、前記有機薄膜表面に透明導電性薄膜を形成する透明導電材料膜の成膜方法であって、
    N極とS極のいずれか一方の磁極を第一の磁極、他方を第二の磁極とすると、
    前記第一、第二の磁石部材にはリング形状に形成された第一、第二のリング磁石と、第一、第二の内側に配置された中心磁石を配置し、
    前記第一の磁石部材の前記第一の磁極と、前記第二の磁石部材の前記第二の磁極とをリング状にしてそれぞれ前記第一、第二のターゲットの裏面に向け、
    前記第一の中心磁石の前記第二の磁極と、前記第二の中心磁石の第一の磁極をそれぞれ前記第一、第二のターゲットの裏面に向け、前記第一、第二の磁石部材を前記第一、第二のターゲットに対して相対的に移動させながらスパッタリングを行う成膜方法。
  10. 前記第一の磁石部材の前記第一のターゲットに対する相対的な移動と、前記第二の磁石部材の前記第二のターゲットに対する相対的な移動とは、所定範囲内を同一周期で行わせ、
    前記第一の磁石部材と前記第二の磁石部材の位置を半周期ずらす請求項9記載の成膜方法。
  11. 前記成膜対象物が前記第一、第二のターゲットの間を通過する間に、前記第一、第二の磁石部材は2周期以上移動させる請求項10記載の成膜方法。
  12. 前記真空槽内に透明導電材料から成る第三のターゲットを配置し、
    前記成膜対象物を前記第一、第二のターゲット側方を通過させた後、前記第三のターゲットと面する位置を通過させ、
    前記第一、第二のターゲットによって形成した透明導電性薄膜の表面に、前記第三のターゲットによって形成した透明導電性薄膜を積層させる請求項9又は請求項11のいずれか1項記載の成膜方法。
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