JP2007037417A - ヒト歯髄細胞の判別及び選択方法 - Google Patents

ヒト歯髄細胞の判別及び選択方法 Download PDF

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【課題】 う蝕や歯周病などの疾患患者を治療することを可能にする硬組織形成の高いヒト歯髄細胞の判別及び選択方法を提供すること。
【解決手段】 ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として、硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択することを特徴とする、ヒト歯髄細胞の中から硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬組織形成能に優れるヒト歯髄細胞の判別及び選択方法に関する。より詳細には、本発明は、ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として硬組織形成能に優れるヒト歯髄細胞を判別及び選択する方法に関する。本発明はさらに、上記方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞を用いる硬組織形成方法に関する。
現代社会は高齢化社会であり、数年後には日本国民人口の約20%が65歳以上の高齢者になることが予想されている。これら高齢者の大多数は、一部又は全部の歯牙を喪失しており、多くの人は可綴式義歯(いわゆる入れ歯)を使用している。従来の義歯は、着脱が必要で装着感もよくないなどの実際的問題のみならず、心理的にも老化の象徴といった印象があり、できれば義歯を使用したくないというのが患者の一般的認識である。さらに、全ての歯牙を喪失した場合に、総義歯を装着すると、その咀嚼能力は通常の天然歯牙の約5分の1となることが知られている。さらに、脳に対する咀嚼刺激は痴呆防止の効果があり、咀嚼力の低下は痴呆の促進になることが明らかになってきている。
歯牙喪失の理由としてう蝕や歯周疾患が挙げられる。重度のう蝕により歯髄炎や歯髄壊死を起こした歯牙を温存するための治療としては根管治療が広く行なわれている。これはう蝕により感染した歯髄組織を除去し、人工的な薬剤で充填させる治療法であるが、根管が複雑な形状をしているために根管内を完全に密閉することが出来ず、根管及び象牙細管内の細菌を完全に除去できていない場合、二次感染を起こし再度治療をしなければならなく、根管治療を行った歯牙の寿命は短いと言われている。歯牙を長期間維持するためには歯髄を可及的に温存し、根管治療の成功率を上げる必要がある。これらの問題を解決するためにも天然の象牙質を再生させれば完全に密閉することができるようになり、髄腔の穿孔やう蝕の治療による露髄部を閉鎖させることや、根管治療での充填材としても利用することが可能となる。
天然の象牙質を再生させて治療に使用する方法が提案され、検討が行なわれている。例えば、非特許文献1には、培養ヒト歯髄細胞をハイドロキシアパタイト(以下、HApと略す)とリン酸三カルシウム(以下、β−TCPと略す)の複合体の粉体に播種した試料をヌードマウス皮下へ移植して6週間後に摘出することが開示されている。そして、摘出後のヘマトキシリン/エオシン染色像から硬組織の形成が確認され、さらにこの試料から抽出したRNAを、RT-PCRを用いて評価したところ、象牙芽細胞の分化マーカーのmRNAが発現していること、すなわち、得られた硬組織が象牙質様組織であったことが開示されている。ただし、形成された硬組織の量は非常に少なく、臨床応用にはより多量の象牙質再生が求められる。
一般にヒト歯髄細胞は、複数の種類の細胞の混合物であることが知られている。また、個体や年齢によってもその細胞の割合は異なっており、実際の臨床に利用する場合、歯髄中の象牙質形成能の高い細胞を判別、選択し、増殖させる技術を確立することは、細胞の品質管理上及び実際に象牙質、歯槽骨等の硬組織を効率的に形成させる上でも重要である。一般的な細胞の判別、選択方法としては、フローサイトメーター及び細胞クローニング等の手法も考えられる。例えば、特許文献1及び非特許文献2には、培養ヒト歯髄細胞中のCD146陽性細胞のみを分離し、ヌードマウス皮下内へ移植すると3ヶ月で象牙質の形成が認められたことが記載されている。しかしながら、フローサイトメーターについては歯髄細胞に最適な抗体の選択が困難である上、分析及び分離のために要する細胞が多く、評価にかなりの日数を必要とするために実際の治療に利用するのは困難である。細胞クローニングについても同様に分析に必要な細胞数を揃えるまでにかなりの日数を要するため実際に治療に利用するのは困難である。従って、より簡便で早期に歯髄細胞を判別及び選択する技術の確立が求められていた。
WO02/07679号公報 S.Gronthosら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2000,5;97(25):13625-30 Journal of Bone and Mineral Research 2003 18(4):696-704
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、硬組織形成能に優れるヒト歯髄細胞をより効率的に判別及び選択する方法を提供することを解決すべき課題とした。また、本発明は、上記方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞を用いる硬組織形成方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として、硬組織形成能に優れるヒト歯髄細胞を判別及び選択し、該細胞を用いることにより効率良く硬組織を形成できることを実証した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として、硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択することを特徴とする、ヒト歯髄細胞の中から硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択する方法が提供される。
好ましくは、分離したヒト歯髄細胞を使用する。
好ましくは、1×103個/cm2から5×103個/cm2の範囲内の密度でヒト歯髄細胞を播種して培養し、培養7日後の細胞数が20倍以上に増殖するヒト歯髄細胞を硬組織形成能の高い細胞として判別及び選択する。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞を用いて硬組織を形成することを特徴とする、硬組織形成方法が提供される。
好ましくは、形成される硬組織は象牙質、セメント質又は骨である。
本発明の方法を利用して、硬組織形成能の高いヒト歯髄細胞を判別及び選択し、該細胞を使用することにより欠損部もしくは根管等を充填できるよう象牙質、セメント質又は骨を再生させることができる。この結果、歯牙もしくは歯槽骨を維持することが可能となり二次感染の確率の低い極めて有効な治療となる。また、自らの歯牙もしくは歯槽骨を長期間維持できることから、患者のQuality of Life(QOL)の向上に大きく貢献する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明によるヒト歯髄細胞の中から硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択する方法は、ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として、硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択することを特徴とする方法である。
本発明においてヒト歯髄細胞は、ヒト歯髄由来もしくはヒト歯髄に分化可能な組織由来の細胞であればよく、単一の細胞であってもよいし、2種類以上の細胞からなる細胞混合物であってもよい。
ヒト歯髄細胞はヒトの抜去歯等から採取することができる。ヒト歯髄由来の細胞は、例えばAbout I.,他 Experimental cell research,258,33-41,2000に記載の方法に従って採取することができる。また、ヒト歯髄に分化可能な組織由来の細胞は、例えば以下の方法で採取することができる。埋伏歯を無菌的に取り出し、Phosphate Buffered Saline(以下PBSと略す)溶液などの適当な保存液で保存する。歯牙の中の石灰化した部分を取り除き、メスにて組織を小片にして、PBS溶液などを用いて組織を洗浄する。次いで、コラゲナーゼやディスパーゼを用いて組織を酵素処理することが好ましい。酵素処理後、ピペッティング操作と遠心操作により細胞を回収することができる。
判別及び選択のために行うヒト歯髄細胞の培養においては、細胞が高密度になり細胞同士が接触してくると増殖速度が低下するために、増殖速度の比較が困難になる。従って、培養開始時と培養7日後の細胞数の比較により細胞増殖性を比較するためには、培養7日後に細胞が高密度になり過ぎないことが重要である。そのために、細胞の播種密度はある程度小さいことが望ましい。一方、細胞の播種密度が小さ過ぎても、増殖速度が低下したり、細胞数の測定自体が困難になる場合があるため、適度の播種密度で比較することが好ましい。細胞播種密度は、細胞増殖性が比較できる範囲内である限り、特には限定されないが、一般的には、1×103個/cm2から5×103個/cm2の範囲内の密度で播種することが好ましい。
細胞の培養は、動物細胞の培養に用いる通常の血清入り培地や無血清培地を用いて、通常の動物細胞の培養条件(例えば、室温から37℃の範囲内の温度;5%CO2インキュベーター内など)の下で行なうことができるが、増殖性の悪い培養条件を用いると比較が困難となる。従って、例えば15%牛胎児血清(以下FBSと略す)及び100μmol/lアスコルビン酸を含むDulbecco's Modified Eagle Medium培地(以下DMEM培地と略す):Nutrient Mixture F12(以下F12培地と略す)=1:1の混合培地を用い、37℃で5%CO2インキュベーター中にて静置培養するのが好ましい。
細胞数の測定は、トリプシン等の酵素を用いて剥がした後、血球計算盤等を用いて測定することも可能であるし、また、予め検量線を作成しておき、市販の試薬を用いて細胞内脱水素酵素の活性を測定する等して計測することも可能である。
本発明においては、上記した本発明の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞を用いて硬組織を形成することができる。即ち、上記した本発明の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞は、例えば、そのままもしくは、必要に応じ象牙芽細胞に分化誘導させた後、担体等と一緒に歯科疾患を有する患者に移植することにより治療に供することができる。形成される硬組織としては、例えば、象牙質、セメント質又は骨などを挙げることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
比較例1:in vivo実験で硬組織を形成しなかった歯髄細胞の増殖
医師によるインフォームドコンセントの得られた患者の智歯を使用した。治療のため抜歯した智歯(18歳男性、25歳女性)をタービンで削り、歯髄を露出させ、無菌的に歯髄組織を採取し、10%抗生剤入りPBS溶液にて保存した。
メスにて歯髄組織を約2mmの小片にし、PBS溶液にて5回洗浄した。
2mg/mlコラゲナーゼをDMEM培地に溶解した酵素溶液を用いて、洗浄した組織を50分間酵素処理した。得られた組織を25ml用のピペットを用いて10分間ピペッティングした。25mlの上澄み液を遠心分離して細胞を回収した。得られた細胞をDMEM培地とNutrient Mixture F-12を1:1で混合した(以下DMEM/F12と略す)培地に15%血清を入れた培地にて5回洗浄した後、70μmセルストレイナーでろ過し、遠心分離することによって細胞を回収した。
回収した細胞を15%血清入りDMEM/F12培地に100μmol/lの濃度でアスコルビン酸を添加して37℃、5%CO2条件下で培養を行ない、2回継代した細胞をトリプシン-EDTAにて細胞培養用フラスコから剥離し、12ウェルプレートに1×104個/well播種をした後、37℃、5%CO2条件下で静置培養を行なった。
細胞数の測定にはCell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)を用いた。細胞播種後、3日間および7日間経過したプレートの培養上清を吸引除去し、DMEM/F12培地を各ウェルに1mlずつ加え、Cell Counting Kit-8溶液を各ウェルに100μlずつ添加して、37℃、5% CO2条件下で60分間呈色反応を行なった。反応後の試薬溶液を蒸留水で4倍希釈して、96穴プレートに200μl添加し、マイクロプレートリーダー(システムインスツルメンツ製 ImmunoMini NJ-2300)を用いて450nmの吸光度を測定した。
細胞数の測定結果を図1(M18dentin−、F25dentin−)に示す。いずれの細胞も培養7日目において播種した細胞数の約15倍となった。
実施例1:in vivo実験で硬組織を形成した歯髄細胞の増殖
医師によるインフォームドコンセントの得られた患者の智歯を使用した。治療のため抜歯した智歯(23歳男性、25歳男性)をタービンで削り、歯髄を露出させ、無菌的に歯髄組織を採取し、10%抗生剤入りPBS溶液にて保存した。
メスにて歯髄組織を約2mmの小片にし、PBS溶液にて5回洗浄した。
2mg/mlコラゲナーゼをDMEM培地に溶解した酵素溶液を用いて、洗浄した組織を50分間酵素処理した。得られた組織を25ml用のピペットを用いて10分間ピペッティングした。25mlの上澄み液を遠心分離して細胞を回収した。得られた細胞をDMEM/F12培地に15%血清を入れた培地にて5回洗浄した後、70μmセルストレイナーでろ過し、遠心分離することによって細胞を回収した。
回収した細胞を15%血清入りDMEM/F12培地に100μmol/lの濃度でアスコルビン酸を添加して37℃、5%CO2条件下で培養を行ない、2回継代した細胞をトリプシン-EDTAにて細胞培養用フラスコから剥離した後、12ウェルプレートに1×104個/well播種をした後、37℃、5%CO2条件下で静置培養を行なった。
細胞数の測定にはCell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)を用いた。細胞播種後、3日間および7日間経過したプレートの培養上清を吸引除去し、DMEM/F12培地を各ウェルに1mlずつ加え、Cell Counting Kit-8溶液を各ウェルに100μlずつ添加して、37℃、5%CO2条件下で60分間呈色反応を行なった。反応後の試薬溶液を蒸留水で4倍希釈して、96穴プレートに200μl添加し、マイクロプレートリーダー(システムインスツルメンツ製 ImmunoMini NJ-2300)を用いて450nmの吸光度を測定した。
細胞数の測定結果を図1(M23dentin+、M25dentin+)に示す。いずれの細胞も培養7日目において播種した細胞数の約35倍となった。
参考例1:硬組織形成能の低い歯髄細胞のin vivo実験
医師によるインフォームドコンセントの得られた患者の智歯を使用した。治療のため抜歯した智歯(18歳男性、25歳女性)をタービンで削り、歯髄を露出させ、無菌的に歯髄組織を採取し、10%抗生剤入りPBS溶液にて保存した。
メスにて歯髄組織を約2mmの小片にし、PBS溶液にて5回洗浄した。
2mg/mlコラゲナーゼをDMEM培地に溶解した酵素溶液を用いて、洗浄した組織を50分間酵素処理した。得られた組織を25ml用のピペットを用いて10分間ピペッティングした。25mlの上澄み液を遠心分離して細胞を回収した。得られた細胞をDMEM/F12培地に15%血清を入れた培地にて5回洗浄した後、70μmセルストレイナーでろ過し、遠心分離することによって細胞を回収した。
回収した細胞を15%血清入りDMEM/F12培地に100μmol/lの濃度でアスコルビン酸を添加して37℃、5%CO2条件下で培養を行ない、2回継代した細胞をトリプシン-EDTAにて細胞培養用フラスコから剥離した後、15%血清入りDMEM/F12培地にて1.0×106個/100μlの細胞懸濁液に調整し、96穴プレートでセラミックス系多孔体130mg(全気孔率約60%、気孔径約300μm、HAp/β-TCP=2/8、日本特殊陶業製)に播種をした後、37℃、5%CO2条件下で静置培養を1時間行なった。
移植動物としては、ヌードマウスKSNを用いた。ヌードマウス背部皮膚を切開し、細胞を播種した担体を皮下に入れ、皮膚を縫合した。
移植後6週にて試料を採取した。摘出した試料は、4%Paraformaldehyde(以下PFAと略す)溶液にて固定し、常法に従ってパラフィンに包埋して連続組織切片を作成した。その後、切片にヘマトキシリン-エオジン染色を施し、組織学的に観察した。
移植6週で摘出した移植体は生体に吸収されることなく原型を維持していた。また、ヘマトキシリン-エオジン染色した組織を観察した結果、硬組織形成は確認できなかった(図2及び図3)。
参考例2:硬組織形成能の高い歯髄細胞のin vivo実験
医師によるインフォームドコンセントの得られた患者の智歯を使用した。治療のため抜歯した智歯(23歳男性、25歳男性)をタービンで削り、歯髄を露出させ、無菌的に歯髄組織を採取し、10%抗生剤入りPBS溶液にて保存した。
メスにて歯髄組織を約2mmの小片にし、PBS溶液にて5回洗浄した。
2mg/mlコラゲナーゼをDMEM培地に溶解した酵素溶液を用いて、洗浄した組織を50分間酵素処理した。得られた組織を25ml用のピペットを用いて10分間ピペッティングした。25mlの上澄み液を遠心分離して細胞を回収した。得られた細胞をDMEM/F12培地に15%血清を入れた培地にて5回洗浄した後、70μmセルストレイナーでろ過し、遠心分離することによって細胞を回収した。
回収した細胞を15%血清入りDMEM/F12培地に100μmol/lの濃度でアスコルビン酸を添加して37℃、5%CO2条件下で培養を行ない、2回継代した細胞をトリプシン-EDTAにて細胞培養用フラスコから剥離した後、15%血清入りDMEM/F12培地にて1.0×106個/100μlの細胞懸濁液に調整し、96穴プレートでセラミックス系多孔体130mg(全気孔率約60%、気孔径約300μm、HAp/β-TCP=2/8、日本特殊陶業製)に播種をした後、37℃、5%CO2条件下で静置培養を1時間行なった。
移植動物としては、ヌードマウスKSNを用いた。ヌードマウス背部皮膚を切開し、細胞を播種した担体を皮下に入れ、皮膚を縫合した。
移植後6週にて試料を採取した。摘出した試料は、4%PFA溶液にて固定し、常法に従ってパラフィンに包埋して連続組織切片を作成した。その後、切片にヘマトキシリン-エオジン染色を施し、組織学的に観察した。
移植6週で摘出した移植体は生体に吸収されることなく原型を維持していた。また、ヘマトキシリン-エオジン染色した組織を観察した結果、担体の内面に沿って硬組織形成が確認できた(図4及び図5)。
図1は、細胞数の測定結果を示す。 図2は、硬組織形成能の低い細胞の移植(HE染色/18歳男性)を示す。 図3は、硬組織形成能の低い細胞の移植(HE染色/25歳女性)を示す。 図4は、硬組織形成能の高い細胞の移植(HE染色/23歳男性)を示す。 図5は、硬組織形成能の高い細胞の移植(HE染色/25歳男性)を示す。

Claims (6)

  1. ヒト歯髄細胞を培養し、その増殖速度を指標として、硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択することを特徴とする、ヒト歯髄細胞の中から硬組織形成能の高い細胞を判別及び選択する方法。
  2. 分離したヒト歯髄細胞を使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 1×103個/cm2から5×103個/cm2の範囲内の密度でヒト歯髄細胞を播種して培養し、培養7日後の細胞数が20倍以上に増殖するヒト歯髄細胞を硬組織形成能の高い細胞として判別及び選択する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞。
  5. 請求項1から3の何れかに記載の方法により判別及び選択されたヒト歯髄細胞を用いて硬組織を形成することを特徴とする、硬組織形成方法。
  6. 形成される硬組織が象牙質、セメント質又は骨である、請求項5に記載の硬組織形成方法。
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