JP2007037350A - アクチュエータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一対のリニア駆動式駆動部をその同期を図りながら作動させ、これにより被駆動部材を駆動させる。
【解決手段】 アクチュエータ装置10では、制御回路部66が、各回転数検出器17からのパルス数に基づいて一対の駆動部14L,14Rの各駆動モータ16のうち回転数の高い方の駆動モータ16を判別すると共に、各回転数検出器17からのパルス数が等しくなるように回転数の高い方の駆動モータ16を回転数の低い方の駆動モータ16に同期させる。そして、アクチュエータ装置10において、別体に形成された一対の駆動部14L,14Rのそれぞれは、駆動モータ16の回転駆動力を回転直動変換機構18により直動駆動力に変換して出力軸20を進退動させるリニア駆動式の構成となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アクチュエータ装置に係り、特に、別体で構成された一対のリニア駆動式駆動部を備え、この一対の駆動部によって被駆動部材を駆動させるようにしたアクチュエータ装置に関する。
従来から、リニア駆動式の駆動部によって被駆動部材を駆動させるようにしたアクチュエータ装置としては次のものがある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、身体弱者用の介助機能付用便装置が開示されている。この介助機能付用便装置には、便座を前方下傾の上昇位置と水平状の下降位置との間で昇降可能に支持する支持枠が設けられている。支持枠の一方のリンクには、このリンクを揺動させるリニア駆動式駆動部としての電動伸縮駆動体が接続されており、支持枠の他方のリンクには、便座が前方下傾となる揺動方向へ付勢するガススプリングが接続されている。
そして、上記構成からなる介助機能付用便装置において、電動伸縮駆動体を伸長させると、支持枠の一方のリンクが一方向に揺動すると共に、支持枠の他方のリンクがガススプリングの付勢力により一方向に揺動し、便座がゆっくりと上昇する。また、電動伸縮駆動体を短縮させると、支持枠の一方のリンクが他方向に揺動すると共に、支持枠の他方のリンクがガススプリングの付勢力に抗して他方向に揺動し、便座がゆっくりと下降する。
しかしながら、特許文献1に記載の介助機能付用便装置では、電動伸縮駆動体及びガススプリングにより便座を左右両側から持ち上げるようにしているが、ガススプリングによる荷重保持力は電動伸縮駆動体による荷重保持力よりも劣るため、例えば便座の左右一方側に着座する人の重心が偏った場合には、便座が左右に傾いてしまう虞がある。
この問題を解決するために、ガススプリングの代わりに電動伸縮駆動体を設け、この左右一対の電動伸縮駆動体によって支持枠の両側のリンクを揺動させて便座を昇降させることが考えられる。
ここで、従来から、この種の一対の駆動部により被駆動部材を駆動させるようにしたアクチュエータ装置としては次のものがある(例えば、特許文献2参照)。
例えば、特許文献2には、車輌用幌開閉装置が開示されている。この車輌用幌開閉装置には、幌の左右両側に設けられたリンク機構を作動させるアクチュエータ装置としてのモータ装置が左右一対設けられている。そして、このモータ装置では、モータを回転させて減速機構を介して出力軸としてのアームクランクを揺動させることによりリンク機構を作動させて幌を開閉させている。
また、特許文献2に記載の例では、各モータ装置について同期補正制御を行っている。すなわち、各モータに具備された回転センサからの回転パルスを検出し、二つのモータの回転センサからの回転パルスが等しくなるように回転数の高い方のモータを短時間停止させ、これにより、いずれか回転数の低い方のモータに回転数の高い方のモータを同期させている。
特開平10−5280号公報 特公平6−104416号公報
しかしながら、これまでに例えば特許文献1に記載の介助機能付用便装置に適用すべく、一対のリニア駆動式駆動部をその同期を図りながら作動させ、これにより被駆動部材を駆動させる技術は存在しなかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、一対のリニア駆動式駆動部をその同期を図りながら作動させ、これにより被駆動部材を駆動させることが可能なアクチュエータ装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のアクチュエータ装置は、それぞれ駆動モータの回転駆動力を回転直動変換機構により直動駆動力に変換して出力軸を進退動させる別体に形成された一対の駆動部と、前記一対の駆動部の各動作を制御する制御回路部と、を有し、前記一対の駆動部のそれぞれには、前記各駆動モータの回転数に応じてパルスを発生する回転数検出器が設けられ、前記制御回路部は、前記各回転数検出器からのパルス数に基づいて前記一対の駆動部の各駆動モータのうち回転数の高い方の駆動モータを判別すると共に、前記各回転数検出器からのパルス数が等しくなるように前記回転数の高い方の駆動モータを回転数の低い方の駆動モータに同期させることを特徴とする。
このように、請求項1に記載のアクチュエータ装置では、制御回路部が、各回転数検出器からのパルス数に基づいて一対の駆動部の各駆動モータのうち回転数の高い方の駆動モータを判別すると共に、各回転数検出器からのパルス数が等しくなるように回転数の高い方の駆動モータを回転数の低い方の駆動モータに同期させる。そして、請求項1に記載のアクチュエータ装置において、別体に形成された一対の駆動部のそれぞれは、駆動モータの回転駆動力を回転直動変換機構により直動駆動力に変換して出力軸を進退動させるリニア駆動式の構成となっている。
従って、この構成によれば、一対のリニア駆動式の駆動部をその同期を図りながら作動させ、これにより被駆動部材を駆動させることが可能となる。
このとき、請求項2に記載のアクチュエータ装置では、一対の駆動部は同一構成であると共に、一対の駆動部における各出力軸の進退動方向も同一とされる。
これによれば、一対の駆動部は同一構成とされているので、駆動部を一対備えたことによるコスト増を低く抑えることができる。また、一対の駆動部における各出力軸の進退動方向も同一とされるので、一対の駆動部の各回転数検出器からのパルス数に補正を加えなくても、各パルス数をそのまま用いることにより各駆動部における出力軸のスライド量、すなわち各駆動部の作動量を比較できる。これにより、回転数検出器を含む回転検出機構の構造を簡素化できる。
また、請求項3に記載のアクチュエータ装置において、制御回路部は、一対の駆動部の一方に設けられた回転数検出器からのパルスを検出する毎にカウントアップすると共に、一対の駆動部の他方に設けられた回転数検出器からのパルスを検出する毎にカウントダウンし、このカウントアップ及びカウントダウンによるカウント値が予め定められた値よりも大きい場合には、一対の駆動部の一方に設けられた駆動モータへの電源を遮断し、カウント値が予め定められた値よりも小さい場合には、一対の駆動部の他方に設けられた駆動モータへの電源を遮断する。
この構成によれば、カウント値が予め定められた値よりも大きい場合には、一対の駆動部のうち一方の出力軸のスライド量の方が他方の出力軸のスライド量よりも大きいことになるので、この場合に一対の駆動部の一方に設けられた駆動モータへの電源を遮断することにより、この駆動モータの回転数が回転数の低い他方の駆動モータの回転数と一致するようになる。これにより、各駆動部が確実に同期されるので、被駆動部材の傾き等が確実に防止される。
また、カウント値が予め定められた値よりも小さい場合には、一対の駆動部のうち他方の出力軸のスライド量の方が一方の出力軸のスライド量よりも大きいことになるので、この場合に一対の駆動部の他方に設けられた駆動モータへの電源を遮断することにより、この駆動モータの回転数が回転数の低い一方の駆動モータの回転数と一致するようになる。従って、この場合にも、各駆動部が確実に同期されるので、被駆動部材の傾き等が確実に防止される。
また、このように回転数の高い駆動モータの回転数が回転数の低い駆動モータの回転数と一致するように各駆動モータの同期が図られるので、二つの駆動モータの特性にばらつきがあっても、回転数の低い方の駆動モータの能力を最大限に発揮させることができる。
また、請求項4に記載のアクチュエータ装置では、一対の駆動部のそれぞれに、各出力軸が全進出位置に達したときに全進出位置検出信号を出力する全進出位置検出スイッチが設けられ、制御回路部は、各全進出位置検出スイッチのいずれかから全進出位置検出信号を検出した場合には一対の駆動部の両方の駆動モータの全進出側への回転を停止させる。
この構成によれば、一方の出力軸が全進出位置に達することにより一方の駆動モータが停止されている状態で他方の駆動モータのみが回転して他方の出力軸が全進出位置側へスライドされることが防止される。これにより、片側のみの駆動モータが駆動することによる高負荷状況下での当該駆動モータの運転が防止されるので、この駆動モータが焼損する等の不具合を防止することができる。
また、請求項5に記載のアクチュエータ装置では、一対の駆動部のそれぞれに、各出力軸が全格納位置にあるときに全格納位置検出信号を出力する全格納位置検出スイッチが設けられ、制御回路部は、各全格納位置検出スイッチのそれぞれから対応する全格納位置検出信号を検出するまで各駆動モータを全格納側へ回転させる。
この構成によれば、一方の全格納位置検出信号が検出されて一方の駆動モータが停止されても、他方の全格納位置検出信号が検出されるまでは、他方の駆動モータの全格納側への回転が継続され、他方の全格納位置検出信号が検出されてはじめて他方の駆動モータの全格納側への回転が停止される。従って、両方の駆動モータが全格納側への回転を停止された場合には、一対の出力軸の両方が全格納位置において一致するようになる。これにより、出力軸により駆動される被駆動部材の初期位置のずれ等を防止できる。
また、請求項6に記載のアクチュエータ装置では、各駆動モータの駆動力を各出力軸に伝達する各回転直動変換機構が、駆動モータの回転に伴い回転するウォームと、ウォームに噛合されたウォームホイールと、ウォームホイールの回転に伴い回転する送りねじと、送りねじに螺合されて送りねじの回転に伴って軸線方向に移動することにより出力軸を軸線方向に進退動させるナットと、を備える。
従って、被駆動部材に負荷が加わることにより出力軸に対して軸線方向に荷重が加わった場合でも、送りねじ及びナットによる第一のセルフロック機能と、ウォーム及びウォームホイールによる第二のセルフロック機構の二重のロック機構により、駆動モータの回転が阻止される。これにより、出力軸により駆動される被駆動部材に負荷等が加わった場合に被駆動部材が移動してしまうなどの不具合を防止できる。
また、送りねじとウォームとは、ウォームホイールを介して直交配置とされているので、出力軸に加わった軸線方向への荷重がナットを介して送りねじに伝達された場合でも、ウォーム及び駆動モータに対して軸線方向へ荷重が加わることが無い。これにより、ウォーム及び駆動モータの軸線方向への変位を防止できるので、被駆動部材を介して出力軸に軸線方向への荷重が加わっている間もウォーム及び駆動モータの回転を円滑に維持できると共に、回転数検出器の検出精度も維持できる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
はじめに、図1乃至図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10の構成について説明する。
本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10は、例えば、後述するように、昇降式便座装置80(図9,図10参照)等における駆動装置として好適に使用されるものであり、図1に示されるように、それぞれ別体で構成された一対のアクチュエータ12L,12Rを有して構成されている。
各アクチュエータ12L,12Rには、図1,図2に示されるように、駆動部14L,14Rが設けられており、この各駆動部14L,14Rは、本実施形態では同一構成とされている。駆動部14L,14Rは、図2,図3に示されるように、駆動モータ16、回転直動変換機構18、出力軸20(ロッド)、エンドハウジング22、本体ハウジング24、フロントハウジング26、位置検出基板28を備えている。
駆動モータ16は、例えば、ブラシ付きモータ等で構成されており、エンドハウジング22の下端に固定される。また、駆動モータ16の内部には、回転数検出器17が内蔵されており、この回転数検出器17は、駆動モータ16の一回転毎にパルスを発生する。また、駆動モータ16には、給電用のコネクタ30が設けられている。
回転直動変換機構18は、駆動モータ16の回転駆動力を直動駆動力に変換して出力軸20を進退動させるものであり、図3に示されるように、駆動モータ16によって回転させられる回転軸32に形成されたウォーム33と、ウォーム33に噛合されるウォームホイール34と、ウォームホイール34に一体的に設けられた送りねじ36と、送りねじ36に螺合されると共に出力軸20に一体的に固定されたナット38と、を備える。
そして、駆動モータ16が回転するとウォーム33が回転し、ウォーム33の回転によりウォームホイール34及び送りねじ36が回転すると、ナット38の凹部46が本体ハウジング24の凸部48に係合されることによってナット38が回転不能とされた状態で軸線方向に移動する。これにより、図1に示されるように、出力軸20がそれぞれのハウジングケース40L,40Rから突出した状態で軸線方向(X方向)に進退動する。
出力軸20の先端には、後述する昇降式便座装置80(図9,図10参照)に設けられたリンク機構部94L,94Rの第一リンク部材96L,96Rに回動自在に接続固定される接続固定部21が設けられている。また、ナット38の位置検出基板28側には、図3に示されるように、後述する位置検出基板28の全進出位置検出スイッチ50及び全格納位置検出スイッチ52と当接する当接部39が形成されている。
エンドハウジング22の内部には、ウォーム33及びウォームホイール34が噛合された状態で収納されると共に、送りねじ36を軸支するベアリング42が収納される。また、エンドハウジング22には、後述する昇降式便座装置80(図9,図10参照)に設けられた本体ベース部材88の固定部90L,90Rに回動自在に接続固定される接続固定部44が設けられている。
そして、エンドハウジング22の前端には、本体ハウジング24が固定され、この本体ハウジング24のエンドハウジング22と反対側には、フロントハウジング26が固着具27によって固定される。本体ハウジング24の内側には、ナット38の回転を阻止すべくナット38に形成された凹部46と係合する凸部48が長手方向に沿って形成されている。
位置検出基板28は、出力軸20の全進出位置と全格納位置とを検知するものであり、出力軸20の全進出時に出力軸20の当接部39と当接する全進出位置検出スイッチ50を備えると共に、出力軸20の全格納時に当接部39と当接する全格納位置検出スイッチ52を備えている。位置検出基板28の一端は、エンドハウジング22によって支持され、位置検出基板28の他端は、フロントハウジング26によって支持される。また、位置検出基板28には、信号出力用のコネクタ31が設けられている。
アクチュエータ12Rのハウジングケース40R内には、図1に示されるように、電源回路部54が収納されている。電源回路部54は、図示しない外部電源からの電源供給(例えば、AC100V)に基づいて一対のアクチュエータ12L,12Rのそれぞれの駆動に必要な電源(例えば、DC24V)を生成する。
本実施形態の電源回路部54には、図1に示されるように、外部電源から延びる電源ケーブル62が接続されている。さらに、電源回路部54には、外部電源から供給された電圧を変圧するためのトランス64が設けられており、このトランス64は、電源回路56に配線接続されている。
一方、アクチュエータ12Lのハウジングケース40L内には、図1に示されるように、制御回路部66が収納されている。制御回路部66は、電源回路部54からの電源供給に基づいて一対のアクチュエータ12L,12Rのそれぞれを制御する。
制御回路部66には、図4に示されるように、演算部66A、カウンタ66B、出力部66Cが設けられている。カウンタ66Bには、駆動部14Rに設けられた回転数検出器17と、駆動部14Lに設けられた回転数検出器17とが接続されている。
そして、制御回路部66では、カウンタ66Bのカウント値に基づいて演算部66Aにおいて演算を行い、出力部66Cを介して駆動部14Rの駆動モータ16及び駆動部14Lの駆動モータ16にそれぞれ制御信号を出力する。なお、制御回路部66の動作については、以下に詳述する。
次に、図5乃至図10を参照しながら、上記構成からなるアクチュエータ装置10を昇降式便座装置80に適用した例と共にアクチュエータ装置10の動作について説明する。
本実施形態に係る昇降式便座装置80は、例えば、洋式の便器82に好適に使用されるものであり、昇降機構84を備えている。そして、この昇降機構84を作動させて被駆動部材としての便座86を昇降させるための駆動装置として、上述のアクチュエータ装置10が用いられている。
昇降式便座装置80には、左右一方側から他方側へ跨る本体ベース部材88が設けられている。本体ベース部材88は、便器82に対して固定状態とされており、この本体ベース部材88の左右に設けられた固定部90L,90Rには、アクチュエータ装置10のアクチュエータ12L,12Rに設けられた接続固定部44がそれぞれ回動自在に接続固定されている。そして、本実施形態では、接続固定部44に接続固定されたアクチュエータ12L,12Rにおける各出力軸20の進退動方向が同一とされている。
また、本実施形態の昇降式便座装置80には、便座86が載置される載置台92と、アクチュエータ装置10に備えられた左右一対のアクチュエータ12L,12Rの作動により載置台92を昇降させる左右一対のリンク機構部94L,94Rが備えられている。このリンク機構部94L,94Rは、第一リンク部材96L,96R及び第二リンク部材98L,98Rによりそれぞれ構成されている。
便座86の左側面に設けられたリンク機構部94Lにおいて、第一リンク部材96Lは、アクチュエータ12Lの出力軸20の接続固定部21に回動自在に接続固定されると共に、本体ベース部材88の固定部90L及び載置台92の固定部100Lにそれぞれ回動自在に接続固定されている。また、第二リンク部材98Lは、第一リンク部材96Lの上側位置に配置され、本体ベース部材88の固定部90L及び載置台92の固定部100Lにそれぞれ回動自在に接続固定されている。
同様に、便座86の右側面に設けられたリンク機構部94Rにおいて、第一リンク部材96Rは、アクチュエータ12Rの出力軸20に回動自在に接続固定されると共に、本体ベース部材88の固定部90R及び載置台92の固定部100Rにそれぞれ回動自在に接続固定されている。また、第二リンク部材98Rは、第一リンク部材96Rの上側位置に配置され、本体ベース部材88の固定部90R及び載置台92の固定部100Rにそれぞれ回動自在に接続固定されている。
そして、上記構成からなる昇降式便座装置80において、各駆動モータ16が正回転すると、各回転直動変換機構18によりアクチュエータ12L,12Rの出力軸20がハウジングケース40L,40Rから進出する方向(X1方向)に同時にスライドする。これにより、リンク機構部94L,94Rの第一リンク部材96L,96R及び第二リンク部材98L,98RがR1,R2方向にそれぞれ回動し、図7の二点鎖線で示されるように、載置台92と共に便座86が上昇する。
このとき、制御回路部66のカウンタ66Bには、各駆動モータ16が一回転する毎に各回転数検出器17から一パルスが入力される。そして、制御回路部66は、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎に、図5の割り込み処理を行い、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎に、図6の割り込み処理を行う。
そして、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出された場合に、図5の割り込み処理では、まずカウンタ66Bを1カウントずつインクリメント(カウントアップ)する(ステップS1)。なお、起動直後においてカウンタ66Bのカウント値CはC=0にクリアされている。続いて、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1であるか、C>1であるか、それ以外であるかを判別する(ステップS2)。
そして、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16の通電を継続し、駆動部14Lの駆動モータ16の電源を一時的に遮断する(ステップS3)。また、カウンタ66Bのカウント値CがC>1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16の電源を一時的に遮断し、駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS4)。また、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1若しくはC>1でも無い場合、すなわち、C=−1,0,1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16及び駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS5)。
同様に、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出された場合に、図6の割り込み処理では、まずカウンタ66Bを1カウントずつデクリメント(カウントダウン)する(ステップS11)。続いて、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1であるか、C>1であるか、それ以外であるかを判別する(ステップS12)。
そして、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16の通電を継続し、駆動部14Lの駆動モータ16の電源を一時的に遮断する(ステップS13)。また、カウンタ66Bのカウント値CがC>1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16の電源を一時的に遮断し、駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS14)。また、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1若しくはC>1でも無い場合、すなわち、C=−1,0,1である場合には、駆動部14Rの駆動モータ16及び駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS15)。
このように、本実施形態では、便座86を上昇させる際に、駆動部14Rに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントアップすると共に、駆動部14Lに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントダウンし、このカウントアップ及びカウントダウンによるカウント値Cが予め定められた値(=1)よりも大きい場合には、駆動部14Rに設けられた駆動モータ16への電源を遮断し、カウント値Cが予め定められた値(=−1)よりも小さい場合には、駆動部14Lに設けられた駆動モータ16への電源を遮断する。
ここで、便座86を上昇させる際に、便座86が無負荷であるか若しくは便座86に左右均等に荷重が加わる等により駆動部14Rの駆動モータ16と駆動部14Lの駆動モータ16とが略同一の回転数で回転している場合には、図7(a),(b)に示されるように、各回転数検出器17から制御回路部66へ一定の間隔で交互にパルスが入力される。
従って、この場合には、各回転数検出器17からのパルスの立下がりエッジを検出する毎に図5,図6の各割り込み処理が交互に行われるので、両割り込み処理におけるステップS2及びステップS12の処理が交互に行われることにより、カウンタ66Bのカウント値Cは、図7(a)に示されるように、C=1,0,−1,0,1・・・となるか、若しくは、図7(b)に示されるように、C=−1,0,−1,0,−1・・・となる。
これにより、各割り込み処理におけるステップS2及びステップS12の判断では、C=−1,0,1であると判断される状態が継続されるので、駆動部14Rの駆動モータ16及び駆動部14Lの駆動モータ16の通電は継続され(ステップS4及びステップS14)、便座86が平行に保たれた状態で上昇する。
これに対して、便座86を上昇させる際に、便座86の左側に人が偏って着座する等により便座86に対して左側に荷重が加わるようになった場合(図8(a)のタイミングt1以降)には、駆動部14Lの駆動モータ16の回転数が駆動部14Rの駆動モータ16の回転数よりも低下する。このため、図8(a)に示されるように、タイミングt2以降に、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される前に、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが続けて検出されるため、カウンタ66Bのカウント値CがC>1となる。
従って、この場合には、図5の割り込み処理において、駆動部14Rの駆動モータ16の電源を一時的に遮断し、駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS4)。これにより、再び駆動部14Rの駆動モータ16の回転数と駆動部14Lの駆動モータ16の回転数とが一致するようになり、便座86の左側に人が偏って着座する等により便座86に対して左側に荷重が加わるようになった場合でも、便座86が平行に保たれた状態で上昇する。
また、便座86を上昇させる際に、便座86の右側に人が偏って着座する等により便座86に対して右側に荷重が加わるようになった場合(図8(b)のタイミングt1以降)には、駆動部14Rの駆動モータ16の回転数が駆動部14Lの駆動モータ16の回転数よりも低下する。このため、図8(b)に示されるように、タイミングt2以降に、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される前に、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが続けて検出されるため、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1となる。
従って、この場合には、図6の割り込み処理において、駆動部14Rの駆動モータ16の通電を継続し、駆動部14Lの駆動モータ16の電源を一時的に遮断する(ステップS13)。これにより、再び駆動部14Rの駆動モータ16の回転数と駆動部14Lの駆動モータ16の回転数とが一致するようになり、便座86の右側に人が偏って着座する等により便座86に対して右側に荷重が加わるようになった場合でも、便座86が平行に保たれた状態で上昇する。
このように、本実施形態では、便座86を上昇させる際に、各回転数検出器17からのパルス数に基づいて一対の駆動部14L,14Rの各駆動モータ16のうち回転数の高い方の駆動モータ16を判別すると共に、各回転数検出器17からのパルス数が等しくなるように回転数の高い方の駆動モータ16を回転数の低い方の駆動モータ16に同期させている。
そして、制御回路部66は、各全進出位置検出スイッチ50のいずれかから全進出位置検出信号を検出した場合に、一対の駆動部14L,14Rの両方の駆動モータ16の全進出側への回転を停止させる。
一方、各駆動モータ16が逆回転すると、アクチュエータ12L,12Rの出力軸20がハウジングケース40L,40Rに格納される方向(X2方向)に同時にスライドする。これにより、リンク機構部94L,94Rの第一リンク部材96L,96R及び第二リンク部材98L,98RがR3,R4方向にそれぞれ回動し、図10に示されるように、載置台92と共に便座86が下降する。
このとき、制御回路部66のカウンタ66Bには、便座86が上昇したときと同様に、各駆動モータ16が一回転する毎に各回転数検出器17から一パルスが入力される。そして、制御回路部66は、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される毎に、図5の割り込み処理を行い、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される毎に、図6の割り込み処理を行う。
つまり、本実施形態では、便座86を下降させる際に、駆動部14Rに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントアップすると共に、駆動部14Lに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントダウンし、このカウントアップ及びカウントダウンによるカウント値Cが予め定められた値(=1)よりも大きい場合には、駆動部14Rに設けられた駆動モータ16への電源を遮断し、カウント値Cが予め定められた値(=−1)よりも小さい場合には、駆動部14Lに設けられた駆動モータ16への電源を遮断する。
ここで、便座86を下降させる際に、便座86が無負荷であるか若しくは便座86に左右均等に荷重が加わる等により駆動部14Rの駆動モータ16と駆動部14Lの駆動モータ16とが略同一の回転数で回転している場合には、図7(a),(b)に示されるように、各回転数検出器17から制御回路部66へ一定の間隔で交互にパルスが入力される。
従って、この場合には、各回転数検出器17からのパルスの立下がりエッジを検出する毎に図5,図6の各割り込み処理が交互に行われるので、両割り込み処理におけるステップS2及びステップS12の処理が交互に行われることにより、カウンタ66Bのカウント値Cは、図7(a)に示されるように、C=1,0,−1,0,1・・・となるか、若しくは、図7(b)に示されるように、C=−1,0,−1,0,−1・・・となる。
これにより、各割り込み処理におけるステップS2及びステップS12の判断では、C=−1,0,1であると判断される状態が継続されるので、駆動部14Rの駆動モータ16及び駆動部14Lの駆動モータ16の通電は継続され、便座86が平行に保たれた状態で下降する。
これに対して、便座86を下降させる際に、何らかの要因により便座86の左側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合(図8(a)のタイミングt1以降)には、駆動部14Lの駆動モータ16の回転数が駆動部14Rの駆動モータ16の回転数よりも低下する。このため、図8(a)に示されるように、タイミングt2以降に、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される前に、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが続けて検出されるため、カウンタ66Bのカウント値CがC>1となる。
従って、この場合には、図5の割り込み処理において、駆動部14Rの駆動モータ16の電源を一時的に遮断し、駆動部14Lの駆動モータ16の通電を継続する(ステップS4)。これにより、再び駆動部14Rの駆動モータ16の回転数と駆動部14Lの駆動モータ16の回転数とが一致するようになり、何らかの要因により便座86の左側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合でも、便座86が平行に保たれた状態で下降する。
また、便座86を下降させる際に、何らかの要因により便座86の右側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合(図8(b)のタイミングt1以降)には、駆動部14Rの駆動モータ16の回転数が駆動部14Lの駆動モータ16の回転数よりも低下する。このため、図8(b)に示されるように、タイミングt2以降に、駆動部14Rの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが検出される前に、駆動部14Lの回転数検出器17からのパルスの立下りエッジが続けて検出されるため、カウンタ66Bのカウント値CがC<−1となる。
従って、この場合には、図6の割り込み処理において、駆動部14Rの駆動モータ16の通電を継続し、駆動部14Lの駆動モータ16の電源を一時的に遮断する(ステップS13)。これにより、再び駆動部14Rの駆動モータ16の回転数と駆動部14Lの駆動モータ16の回転数とが一致するようになり、何らかの要因により便座86の左側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合でも、便座86が平行に保たれた状態で上昇する。
このように、本実施形態では、便座86を下降させる際に、各回転数検出器17からのパルス数に基づいて一対の駆動部14L,14Rの各駆動モータ16のうち回転数の高い方の駆動モータ16を判別すると共に、各回転数検出器17からのパルス数が等しくなるように回転数の高い方の駆動モータ16を回転数の低い方の駆動モータ16に同期させている。
このとき、制御回路部66は、各全格納位置検出スイッチ52のそれぞれから対応する全格納位置検出信号を検出するまで各駆動モータ16を全格納側へ回転させる。そして、制御回路部66は、各全格納位置検出スイッチ52のそれぞれから全格納位置検出信号を検出すると、この全角格納位置検出信号を出力した駆動部14L,14Rの駆動モータ16の全格納側への回転をそれぞれ独立して停止させる。
次に、上記構成からなる昇降式便座装置80及びアクチュエータ装置10の作用及び効果について説明する。
本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10では、制御回路部66が、各回転数検出器17からのパルス数に基づいて一対の駆動部14L,14Rの各駆動モータ16のうち回転数の高い方の駆動モータ16を判別すると共に、各回転数検出器17からのパルス数が等しくなるように回転数の高い方の駆動モータ16を回転数の低い方の駆動モータ16に同期させる。
そして、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10において、別体に形成された一対の駆動部14L,14Rのそれぞれは、駆動モータ16の回転駆動力を回転直動変換機構18により直動駆動力に変換して出力軸20を進退動させるリニア駆動式の構成となっている。
従って、この構成によれば、一対のリニア駆動式の駆動部14L,14Rをその同期を図りながら作動させることができる。これにより、リニア駆動式の駆動部14L,14Rを用いて、例えば、被駆動部材としての便座86等を昇降させることが可能となる。
そして、本実施形態に係る昇降式便座装置80では、アクチュエータ装置10に備えられた一対のアクチュエータ12L,12Rを便座86の左右両側に配置して各出力軸20を同時にスライドさせることにより昇降機構84のリンク機構部94L,94Rを介して便座86を昇降させる。
従って、一対のアクチュエータ12L,12Rを便座86の左右両側に配置して各出力軸20を同時にスライドさせることにより、便座86を左右に傾かせること無く昇降させることが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10において、制御回路部66は、駆動部14Rに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントアップすると共に、駆動部14Lに設けられた回転数検出器17からのパルスの立下りエッジを検出する毎にカウントダウンし、このカウントアップ及びカウントダウンによるカウント値Cが予め定められた値(=1)よりも大きい場合には、駆動部14Rに設けられた駆動モータ16への電源を遮断し、カウント値Cが予め定められた値(=−1)よりも小さい場合には、駆動部14Lに設けられた駆動モータ16への電源を遮断する。
この構成によれば、カウント値Cが予め定められた値(=1)よりも大きい場合には、駆動部14Rの出力軸20のスライド量の方が駆動部14Lの出力軸20のスライド量よりも大きいことになるので、この場合に駆動部14Rに設けられた駆動モータ16を一時的に停止させることにより、この駆動モータ16の回転数が回転数の低い駆動部14Lの駆動モータ16の回転数と一致するようになる。
これにより、便座86を上昇させる際に、便座86の左側に人が偏って着座する等により便座86に対して左側に荷重が加わるようになった場合や、便座86を下降させる際に、何らかの要因により便座86の左側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合でも、各駆動部14L,14Rが確実に同期されるので、便座86の傾き等が確実に防止される。
また、カウント値Cが予め定められた値(=−1)よりも小さい場合には、駆動部14Lの出力軸20のスライド量の方が駆動部14Rの出力軸20のスライド量よりも大きいことになるので、この場合に駆動部14Lに設けられた駆動モータ16への電源を遮断することにより、この駆動モータ16の回転数が回転数の低い駆動部14Rの駆動モータ16の回転数と一致するようになる。
従って、便座86を上昇させる際に、便座86の右側に人が偏って着座する等により便座86に対して右側に荷重が加わるようになった場合や、便座86を下降させる際に、何らかの要因により便座86の右側に下降方向に対して負荷が加わるようになった場合でも、各駆動部14L,14Rが確実に同期されるので、便座86の傾き等が確実に防止される。
また、このように回転数の高い駆動モータ16の回転数が回転数の低い駆動モータ16の回転数と一致するように各駆動モータ16の同期が図られるので、二つの駆動モータ16の特性にばらつきがあっても、回転数の低い方の駆動モータ16の能力を最大限に発揮させることができる。
また、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10では、一対の駆動部14L,14Rのそれぞれに、各出力軸20が全進出位置に達したときに全進出位置検出信号を出力する全進出位置検出スイッチ50が設けられ、制御回路部66は、各全進出位置検出スイッチ50のいずれかから全進出位置検出信号を検出した場合には一対の駆動部14L,14Rの両方の駆動モータ16の全進出側への回転を停止させる。
この構成によれば、一方の出力軸20が全進出位置に達することにより一方の駆動モータ16が停止されている状態で他方の駆動モータ16のみが回転して他方の出力軸20が全進出位置側へスライドされることが防止される。これにより、片側のみの駆動モータ16が駆動することによる高負荷状況下での当該駆動モータ16の運転が防止されるので、この駆動モータ16が焼損する等の不具合を防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10では、一対の駆動部14L,14Rのそれぞれに、各出力軸20が全格納位置にあるときに全格納位置検出信号を出力する全格納位置検出スイッチ52が設けられ、制御回路部66は、各全格納位置検出スイッチ52のそれぞれから対応する全格納位置検出信号を検出するまで各駆動モータ16を全格納側へ回転させる。
この構成によれば、一方の全格納位置検出信号が検出されて一方の駆動モータ16が停止されても、他方の全格納位置検出信号が検出されるまでは、他方の駆動モータ16の全格納側への回転が継続され、他方の全格納位置検出信号が検出されてはじめて他方の駆動モータ16の全格納側への回転が停止される。従って、両方の駆動モータ16が全格納側への回転を停止された場合には、一対の出力軸20の両方が全格納位置において一致するようになる。これにより、出力軸20により駆動される便座86の初期位置のずれ等を防止できる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ装置10では、各駆動モータ16の駆動力を各出力軸20に伝達する各回転直動変換機構18が、駆動モータ16の回転に伴い回転するウォーム33と、ウォーム33に噛合されたウォームホイール34と、ウォームホイール34の回転に伴い回転する送りねじ36と、送りねじ36に螺合されて送りねじ36の回転に伴って軸線方向に移動することにより出力軸20を軸線方向に進退動させるナット38と、を備える。
従って、便座86に人が着座するなどの負荷が加わることにより出力軸20に対して軸線方向に荷重が加わった場合でも、送りねじ36及びナット38による第一のセルフロック機能と、ウォーム33及びウォームホイール34による第二のセルフロック機構の二重のロック機構により、駆動モータ16の回転が阻止される。これにより、便座86に負荷等が加わった場合に便座86が上下動してしまうなどの不具合を防止できる。
また、送りねじ36とウォーム33とは、ウォームホイール34を介して直交配置とされているので、出力軸20に加わった軸線方向への荷重がナット38を介して送りねじ36に伝達された場合でも、ウォーム33及び駆動モータ16に対して軸線方向へ荷重が加わることが無い。これにより、ウォーム33及び駆動モータ16の軸線方向への変位を防止できるので、便座86等を介して出力軸20に軸線方向への荷重が加わっている間もウォーム33及び駆動モータ16の回転を円滑に維持できると共に、回転数検出器17の検出精度も維持できる。
また、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置10では、一対の駆動部14L,14Rは同一構成とされているので、駆動部14L,14Rを一対備えたことによるコスト増を低く抑えることができる。
また、本発明の一実施形態に係る昇降式便座装置80では、一対の駆動部14L,14Rにおける各出力軸20の進退動方向も同一とされている。従って、一対の駆動部14L,14Rの各回転数検出器17からのパルス数に補正を加えなくても、各パルス数をそのまま用いることにより各駆動部14L,14Rにおける出力軸20のスライド量、すなわち各駆動部14L,14Rの作動量を比較できる。これにより、回転数検出器17を含む回転検出機構の構造を簡素化できる。
次に、上記実施形態から特許請求の範囲に記載の発明以外に導き出される技術的思想について以下に示す。
つまり、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のアクチュエータ装置において、前記一対の駆動部は、便器に設置された便座の左右両側に配置されて前記各出力軸を駆動させることにより前記便座を昇降させることを特徴とするアクチュエータ装置である。
このように構成されていると、一対の駆動部が便座の左右両側に配置されて各出力軸を駆動させることにより、便座を左右に傾かせること無く昇降させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置の内部構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータの駆動部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置の動作を示す第一説明図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータ装置の動作を示す第二説明図である。 本発明の一実施形態に係る回転数検出器から出力されるパルスを示す第一説明図である。 本発明の一実施形態に係る回転数検出器から出力されるパルスを示す第二説明図である。 本発明の一実施形態に係る昇降式便座装置を便器に装着した状態示す図である。 本発明の一実施形態に係る昇降式便座装置によって便器の便座が上昇する様子を示す図である。
符号の説明
10・・・アクチュエータ装置、12L,12R・・・アクチュエータ、14L,14R・・・駆動部、16・・・駆動モータ、17・・・回転数検出器、18・・・回転直動変換機構、20・・・出力軸、21・・・接続固定部、22・・・エンドハウジング、24・・・本体ハウジング、26・・・フロントハウジング、27・・・固着具、28・・・位置検出基板、30,31・・・コネクタ、32・・・回転軸、33・・・ウォーム、34・・・ウォームホイール、38・・・ナット、39・・・当接部、40L,40R・・・ハウジングケース、42・・・ベアリング、44・・・接続固定部、46・・・凹部、48・・・凸部、50・・・全進出位置検出スイッチ、52・・・全格納位置検出スイッチ、54・・・電源回路部、62・・・電源ケーブル、62・・・電源回路、64・・・トランス、66・・・制御回路部、66A・・・演算部、66B・・・カウンタ、66C・・・出力部、80・・・昇降式便座装置、82・・・便器、84・・・昇降機構、86・・・便座、88・・・本体ベース部材、90L,90R・・・固定部、92・・・載置台、94L,94R・・・リンク機構部、96L,96R・・・第一リンク部材、98L,98R・・・第二リンク部材、100L,100R・・・固定部

Claims (6)

  1. それぞれ駆動モータの回転駆動力を回転直動変換機構により直動駆動力に変換して出力軸を進退動させる別体に形成された一対の駆動部と、
    前記一対の駆動部の各動作を制御する制御回路部と、を有し、
    前記一対の駆動部のそれぞれには、前記各駆動モータの回転数に応じてパルスを発生する回転数検出器が設けられ、
    前記制御回路部は、前記各回転数検出器からのパルス数に基づいて前記一対の駆動部の各駆動モータのうち回転数の高い方の駆動モータを判別すると共に、前記各回転数検出器からのパルス数が等しくなるように前記回転数の高い方の駆動モータを回転数の低い方の駆動モータに同期させることを特徴とするアクチュエータ装置。
  2. 前記一対の駆動部は同一構成であると共に、前記一対の駆動部における各出力軸の進退動方向も同一とされることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  3. 前記制御回路部は、前記一対の駆動部の一方に設けられた回転数検出器からのパルスを検出する毎にカウントアップすると共に、前記一対の駆動部の他方に設けられた回転数検出器からのパルスを検出する毎にカウントダウンし、前記カウントアップ及び前記カウントダウンによるカウント値が予め定められた値よりも大きい場合には、前記一対の駆動部の一方に設けられた駆動モータへの電源を遮断し、前記カウント値が予め定められた値よりも小さい場合には、前記一対の駆動部の他方に設けられた駆動モータへの電源を遮断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ装置。
  4. 前記一対の駆動部のそれぞれには、前記各出力軸が全進出位置に達したときに全進出位置検出信号を出力する全進出位置検出スイッチが設けられ、
    前記制御回路部は、前記各全進出位置検出スイッチのいずれかから前記全進出位置検出信号を検出した場合には前記一対の駆動部の両方の駆動モータの全進出側への回転を停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアクチュエータ装置。
  5. 前記一対の駆動部のそれぞれには、前記各出力軸が全格納位置にあるときに全格納位置検出信号を出力する全格納位置検出スイッチが設けられ、
    前記制御回路部は、前記各全格納位置検出スイッチのそれぞれから対応する前記全格納位置検出信号を検出するまで前記各駆動モータを全格納側へ回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のアクチュエータ装置。
  6. 前記各回転直動変換機構は、
    前記駆動モータの回転に伴い回転するウォームと、
    前記ウォームに噛合されたウォームホイールと、
    前記ウォームホイールの回転に伴い回転する送りねじと、
    前記送りねじに螺合されて前記送りねじの回転に伴って軸線方向に移動することにより前記出力軸を軸線方向に進退動させるナットと、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアクチュエータ装置。
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