JP2007037330A - 相間絶縁紙組み付け治具 - Google Patents

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博久 市川
Hideaki Sugiura
英明 杉浦
Hiroshi Osada
浩 長田
Akihiro Fujita
晃裕 藤田
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Abstract

【課題】相間絶縁紙の連結脚部をステータコアのスロットに挿入する作業を、スムーズで効率のよいものにすることができる相間絶縁紙組み付け治具を提供すること。
【解決手段】相間絶縁紙の連結脚部をステータコアのスロットに挿入する際に用いる相間絶縁紙組み付け治具1であって、連結脚部を着脱可能に保持する脚部保持部4を2組有しており、脚部保持部4は、スロットに挿入可能な厚みを有すると共に、2本の連結脚部を挿入すべき2つのスロットに対応する間隔をあけて設けられている。相間絶縁紙組み付け治具1は、連結脚部を挿入すべき2つのスロットに対応する2つの内側挿入片24を設けた中央コア2と、中央コア2に対して開閉可能に連結されていると共に内側挿入片24に対面する外側挿入片34を設けた2つの側面コア3とを有し、内側挿入片24と外側挿入片34とによって脚部保持部4を構成することが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータを構成するステータコアに相間絶縁紙を組み付ける際に用いる治具に関する。
モータのステータは、ステータコアのスロットに複数のコイルを挿入配置して構成されている。各コイルは、ステータコアの軸方向の両端面にコイルエンドをはみ出した状態で装着されており、複数のコイルエンドが径方向に重なった状態となっている。そのため、従来より、コイルエンド間には、相間絶縁紙と呼ばれる絶縁部材を配設している。
ところで、上記相間絶縁紙としては、後述する図1に示すごとく、2つの絶縁紙本体部70を2本の連結脚部71によって連結してなる構造の相間絶縁紙7が広く使用されている。これは、ステータコアの軸方向両端面に位置する2箇所のコイルエンド間に配設される2つの絶縁紙本体部70を、上記連結脚部71によって連結することにより、装着状態における安定性を向上させたものである。
このような連結脚部71を有する相間絶縁紙7をステータコアに装着する場合には、そのスロットに連結脚部71を挿入する必要がある。しかしながら、相間絶縁紙7の連結脚部71をスロットに挿入する作業は、必ずしも容易ではなく、容易化させるための様々な工夫がなされてきた。
例えば、特許文献1〜5には、相間絶縁紙をスロットに挿入するための様々な装置が提案されている。しかし、これらの装置は非常に複雑で高価であるという問題がある。そこで、手作業で挿入作業をすることを前提として、その効率を従来よりも格段に向上させることができる相間絶縁紙組み付け治具を開発することが望まれていた。
特開2004−364449号公報 特開平5−260707号公報 特開平5−336713号公報 特開平7−143707号公報 特開平9−201019号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、相間絶縁紙の連結脚部をステータコアのスロットに挿入する作業を、スムーズで効率のよいものにすることができる相間絶縁紙組み付け治具を提供しようとするものである。
本発明は、2つの絶縁紙本体部を2本の連結脚部によって連結してなる相間絶縁紙の上記連結脚部をステータコアのスロットに挿入する際に用いる相間絶縁紙組み付け治具であって、
上記連結脚部を着脱可能に保持する脚部保持部を2組有しており、
該脚部保持部は、上記スロットに挿入可能な厚みを有すると共に、2本の上記連結脚部を挿入すべき2つの上記スロットに対応する間隔をあけて設けられていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具にある(請求項1)。
本発明の相間絶縁紙組み付け治具は、上記構成の脚部保持部を2組有している。そのため、この相間絶縁紙組み付け治具を用いれば、手作業によるステータコアへの相間絶縁紙の組み付け作業を非常にスムーズかつ効率よく行うことができる。
すなわち、上記相間絶縁紙組み付け治具(以下、適宜、単に治具という)を用いて相間絶縁紙をステータコアに組み付ける作業を行う場合には、まず、上記2組の脚部保持部に、それぞれ相間絶縁紙の連結脚部を保持させる。
次に、上記治具を、リング状のステータコアの開口端部に配置して、連結脚部を挿入すべき2つのスロットの軸方向端部に、それぞれ上記治具の脚部保持部一端を対面させ、スロットと脚部保持部とを同一線上に配置する。
次いで、上記治具を、スロットに沿ってステータコアの軸方向にスライドさせる。これにより、上記脚部保持部とこれらに挟持されている連結脚部がスロット内に挿入される。
上記治具のスライドは、スライド方向における後方側に位置する相間絶縁紙の絶縁紙本体部が所望の位置に到達した時点で一旦完了する。そして、連結脚部を脚部保持部から外して、スロット内に押し込んで、治具と相間絶縁紙の係合状態を解除する。その後、治具のみをさらにスライドさせて、ステータコアから取り外すことにより、相間絶縁紙の組み付けが完了する。
このように、本発明の治具を用いれば、相間絶縁紙の連結脚部を上記脚部保持部に保持させた治具をスロットに沿ってスライドさせれば、自ずと相間絶縁紙の連結脚部の大部分がスロット内にスムーズに配置される。そのため、ステータコアへの相間絶縁紙の組付けを、スムーズかつ効率よく行うことができる。
本発明の相間絶縁紙組み付け治具の具体的構成としては、上記脚部保持部を有する限り、様々な構成を採用することができるが、次のような構成とすることが好ましい。
すなわち、上記相間絶縁紙組み付け治具は、上記連結脚部を挿入すべき2つの上記スロットに対応する2つの内側挿入片を設けた中央コアと、
該中央コアに対して開閉可能に連結されていると共に上記内側挿入片に対面する外側挿入片を設けた2つの側面コアとを有し、上記内側挿入片と上記外側挿入片とによって上記脚部保持部を構成しており、
上記側面コアを開状態とすることによって、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間に上記連結脚部を配置する間隙を形成可能であると共に、
上記側面コアを閉状態とすることによって、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間に上記連結脚部を挟持可能であり、
かつ、2つの上記側面コアを閉状態として、上記内側挿入片と上記外側挿入片とよりなる2組の上記脚部保持部を、それぞれ対応する上記スロットの軸方向開口端部から上記スロットに沿ってスライドさせることにより、2組の上記脚部保持部がそれぞれ対応する上記スロット内に同時に挿入可能に構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合に、相間絶縁紙の組み付け作業を行うに当たっては、まず、上記中央コアに対して2つの側面コアを開いた状態とし、2組の上記内側挿入片と上記外側挿入片との間にそれぞれ間隙を形成する。
次いで、この間隙に、相間絶縁紙の連結脚部を挿入する。
次いで、2つの側面コアを閉じた状態とし、2組の脚部保持部(上記内側挿入片と上記外側挿入片)にそれぞれ連結脚部を挟持する。
次に、上記相間絶縁紙を把持した上記治具を、上述したように、リング状のステータコアの開口端部に配置して、連結脚部を挿入すべき2つのスロットの軸方向端部に、それぞれ脚部保持部一端を対面させ、スロットと内側挿入片及び外側挿入片とを同一線上に配置する。
次いで、上記治具を、スロットに沿ってステータコアの軸方向にスライドさせる。これにより、脚部保持部(内側挿入片及び外側挿入片)と共に、これらに挟持されている連結脚部がスロット内に挿入される。
上記治具のスライドは、スライド方向における後方側に位置する相間絶縁紙の絶縁紙本体部が所望の位置に到達した時点で一旦完了する。そして、側面コアを可能な範囲で開状態とし、内側挿入片と外側挿入片との間から連結脚部をスロット内に押し込んで、挟持状態を解除する。その後、治具のみをさらにスライドさせて、ステータコアから取り外すことにより、相間絶縁紙の組み付けが完了する。
このように、上記内側挿入片を備えた中央コアと上記外側挿入片を備えた側面コアとを組み合わせることにより、相間絶縁紙の連結脚部を容易に着脱可能に保持する構造を実現することができる。
なお、上記治具を構成する中央コアと内側挿入片とは一体の部材で構成してもよいし、内側挿入片とその基端部分等を中央コアの本体部分と別部品として作製してから両者を一体化して構成してもよい。
同様に、各側面コアと外側挿入片とは一体の部材で構成してもよいし、外側挿入片とその基端部等を側面コアの本体部分と別部品として作製してから両者を一体化して構成してもよい。
また、上記中央コア又は上記側面コアには、該側面コアを閉状態に維持するためのロック部を設けてあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記ロック部を操作することによって上記側面コアを閉状態に維持することができるので、上記連結脚部を挟持した状態を確実かつ容易に維持することができる。そのため、上記治具をスライドさせる際に、連結脚部の挟持状態を考慮する必要がほとんど無く、作業者はスライド作業に専念できる。そのため、よりスムーズかつ効率よく作業を行うことができる。
また、上記中央コアと上記側面コアとの間には、該側面コアを開状態となる方向に付勢する付勢手段を配設してあることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記付勢手段によって容易に側面コアの開状態を維持することができるので、内側挿入片と外側挿入片との間の間隙に連結脚部を配置する作業を簡単にすることができる。
また、上記中央コア又は上記側面コアには、上記内側挿入片と上記外側挿入片の存在する部位よりもスライド方向に突出した余長部を設けてあり、該余長部を上記ステータコアの径方向内面に当接させることにより、上記ステータコアに対する径方向位置の位置合わせが可能に構成されていることが好ましい(請求項5)。
上記2組の内側挿入片と外側挿入片とは、それぞれのスロットの傾きに応じて傾いて設けられることが好ましいが、これらをステータコアの内周面側の狭い開口部からスロット内に挿入できるように設計することは難しい。そこで、内側挿入片と外側挿入片の長手方向端部をスロットの軸方向開口部に対面させてからスライドすることが必要となる。このとき、上記治具をステータコアに対する径方向位置を合わせることは必ずしも容易ではない。そこで、上記のように、余長部を設けることによって、これをステータコアの内周面に当接させれば、位置合わせ作業を簡単にすることができる。
また、上記余長部には、上記脚部保持部を挿入すべき上記スロットの隣のスロットの内周面側の開口部に係合する位置決め突起部が設けられていることが好ましい(請求項6)。この場合には、上記余長部によってステータコアの径方向における位置合わせをすると共に、上記位置決め突起部によって周方向における位置合わせも容易に行うことができる。
また、上記中央コア又は上記側面コアのスライド方向後方側の端面には、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間の間隙に挿入される上記連結脚部の挿入深さを規制する規制部材が配設されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記規制部材を設けた側に挟持する上記連結脚部の挿入深さを浅く規制し、その反対側における挿入深さを比較的深くすることが容易に実現できる。そのため、上記連結脚部の保持状態を、治具に対して平行ではなく斜めにすることが容易である。それ故、この状態で相間絶縁紙を保持した上記治具をスロットに対してスライドすることにより、後方側の浅く保持した側の連結脚部及びそれよりも後方の部分をスムーズにスロット内に挿入することができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る相間絶縁紙組み付け治具につき、図1〜図17を用いて説明する。
本例では、図11に示すごとく、三相交流モータにおけるリング状のステータコア8の内周面に設けたスロット80に相間絶縁紙を組み付ける。実際には、位相の異なる3相のコイル(図示略)をスロット80に挿入する作業の間に相間絶縁紙の組み付け作業を行い、U相のコイルのコイルエンドとV相のコイルエンドの間、及びV相のコイルエンドとW相のコイルエンドの間に、後述する絶縁紙本体部70が配置するように相間絶縁紙7を配置する。
本例で用いる相間絶縁紙7は、図1(a)(b)に示すごとく、2種類のものを用い、いずれも2つの絶縁紙本体部70を2本の連結脚部71により連結した構造を有している。それぞれの絶縁紙本体部70は、立体的に変形させた変形部72、73等を有しているが、これらの形状は特に限定されるものではない。
相間絶縁紙組み付け治具1は、図2、図3に示すごとく、連結脚部71を着脱可能に保持する脚部保持部4を2組有しており、脚部保持部4は、スロット80に挿入可能な厚みを有すると共に、2本の連結脚部71を挿入すべき2つのスロット80に対応する間隔をあけて設けられている。
以下、さらに詳説する。
図2、図3に示すごとく、相間絶縁紙組み付け治具1は、連結脚部71を挿入すべき2つのスロット8に対応する2つの内側挿入片24を設けた中央コア2と、中央コア2に対して開閉可能に連結されていると共に内側挿入片24に対面する外側挿入片34を設けた2つの側面コア3とを有し、内側挿入片24と外側挿入片34とによって上記脚部保持部4を構成している。
上記中央コア2は、図2、図3に示すごとく、略台形状の断面形状を有し、その平らな底面部21の両端に上記内側挿入片24を有している。2つの内側挿入片24は、互いの間の角度が52.5°となるように設定されている。この52.5°という角度は、後述する図11に示すごとく、連結脚部71を挿入すべき2つのスロット80とステータコア8の軸心を結んだ線の間の角度と一致するものである。
また、上記2つの内側挿入片24は、その基端部241の間隔が、挿入すべき2つのスロット80の内周面側の開口部810(図11)の間隔に対応して設けてある。
また、図2、図3、図5、図7に示すごとく、内側挿入片24は、中央コア2の先端面221から後退した位置から、中央コア2の後端面222の位置まで繋がる平板形状となるように設けてある。
また、中央コア2のうち、上記内側挿入片24及びこれを支持する部分245は、鋼により作製してあり、その他の主な部分は軽量のアルミ合金により作製してある。
なお、中央コア2は、内側挿入片24及びこれを支持する部分245を一体的に有する一部品で構成することも可能である。
また、図2、図3に示すごとく、中央コア2の台形状の上辺部両端近傍には、側面コア3を回動可能に支持する支軸部29が設けられている。支軸部29を介して配設された2つの側面コア3は、左右対称に構成されており、それぞれ上記中央コア2の側面23に対する離隔状態(図2、図3、図8)又は当接状態(図4)を、上記支軸部29を中心に回動することにより実現できるように構成されている。以下、適宜、上記離隔状態を開いた状態(開状態)、上記当接状態を閉じた状態(閉状態)という。
各側面コア3は、その底面部31における上記中央コア2寄りの端部に、上記外側挿入片34を有している。各外側挿入片34は、対向する中央コア2の内側挿入片24と同形状に設けてあり、側面コア3を閉状態とした場合に、重なり合うように構成されている。すなわち、図2、図3、図5、図7に示すごとく、各側面コア34は、側面コア3の先端面321から後退した位置から、側面コア3の後端面322の位置まで繋がる平板形状となるように設けてある。
また、側面コア3のうち、上記側面コア34及びこれを支持する部分345は、鋼により作製してあり、その他の主な部分は軽量のアルミ合金により作製してある。
なお、側面コア3は、外側挿入片34及びこれを支持する部分345を一体的に有する一部品で構成することも可能である。
そして、図2、図3、図8に示すごとく、側面コア3を開状態とすることによって内側挿入片24と外側挿入片34との間に連結脚部71を配置する間隙を形成可能であると共に、図4に示すごとく、側面コア3を閉状態とすることによって、内側挿入片24と外側挿入片34との間に連結脚部71を挟持可能となっている。そして、図11に示すごとく、側面コア3を閉状態として、内側挿入片24と外側挿入片34とよりなる2組の脚部保持部4を、それぞれ対応する上記スロット80の軸方向開口端部からスロット80に沿ってスライドさせることにより、2組の上記脚部保持部4がそれぞれ対応するスロット80内に同時に挿入可能に構成されている。
また、図4、図6〜図9に示すごとく、中央コア2には、側面コア3を閉状態に維持するためのロック部27を設けてある。ロック部27は、中央コア2の上面部に配設されたロック軸271と、該ロック軸271に回動可能に配設されたロックバー272とにより構成されている。そして、図4、図6、図7に示すごとく、ロックバー272を上記脚部保持部4の配設方向(スライド方向)と直交する方向に配置する(ロック状態にする)ことにより、側面コア3の上端角部37がロックバー272に当接して、側面コア3が閉状態のまま維持される。
また、図8、図9に示すごとく、ロックバー272を上記脚部保持部4の配設方向と平行な方向に近づくように配置する(ロック解除状態にする)ことにより、側面コア3の上端角部37とロックバー272との当接状態が解除され、側面コア2が開状態となりうるように構成されている。
ここで、中央コア2と各側面コア3との間には、側面コア3を開状態となる方向に付勢する付勢手段としてのスプリング(図示略)を配設してある。そのため、上記ロックバー272をロック解除状態にすることにより、側面コア3が常に開状態となる。
また、図3、図5に示すごとく、中央コア2及び側面コア3には、内側挿入片24と外側挿入片34の存在する部位よりもスライド方向に突出した余長部28、38を設けてある。さらに、側面コア3の余長部38には、脚部保持部4を挿入すべきスロット80の隣のスロット80の内周面側の開口部810に係合する位置決め突起部385が設けられている。本例では、この位置決め突起部385を、余長部38の長さ分だけではなく、側面コア3の全長に設けた。
このような余長部28、38を上記ステータコアの径方向内面に当接させると共に、上記位置決め突起部385を、連結脚部71を挿入すべきスロット80のとなりのスロット80に挿入することにより、簡単に治具1とステータコア7との位置決めが可能である。
また、図2に示すごとく、各側面コア3のスライド方向後方側の端面である後端面322には、内側挿入片24と外側挿入片34との間の間隙に挿入される連結脚部71の挿入深さを規制する規制部材39を配設してある。規制部材39は、側面コア3に固定した薄板鋼板よりなり、その端面391が連結脚部71の挿入深さを規制するように構成してある。
次に、上記のような構造を有する相間絶縁紙組み付け治具1を用いて、ステータコア8に相間絶縁紙7を組み付ける作業例について説明する。
まず、図8、図9に示すごとく、上記ロック部27のロックバー272をロック解除状態として、中央コア2に対して2つの側面コア3を開いた状態とし、2組の内側挿入片24と外側挿入片34との間にそれぞれ間隙を形成する。
次いで、図10に示すごとく、この間隙に、相間絶縁紙の連結脚部を挿入する。
次いで、2つの側面コア3を閉じた状態とし、2組の脚部保持部4(内側挿入片24と外側挿入片34)にそれぞれ連結脚部71を挟持する。そして、ロック部27のロックバー272をロック状態として、連結脚部71を各脚部保持部4において挟持した状態を固定する。
また、図10に示すごとく、連結脚部71の挟持位置は、相間絶縁紙7の一方の絶縁紙本体部70近傍の部分とし、治具の後端面222側(スライド方向の後方側)に、相間絶縁紙7の連結脚部71の大部分が残った状態とする。また、上述した規制部材39の存在により、治具1の後端面222近傍においては、内側挿入片24と外側挿入片34との間に連結脚部71が挟持された状態となる。一方、治具1の先端面221近傍においては、本例では、中央コア2と外側挿入片3の間の間隙における比較的奥まで連結脚部71を挿入した状態で挟持した。
次に、図11に示すごとく、相間絶縁紙1を把持した上記治具1を、リング状のステータコア8の開口端部に配置し、連結脚部71を挿入すべき2つのスロット80の軸方向端部に、それぞれ脚部保持部4の一端を対面させ、スロット80と内側挿入片24及び外側挿入片34とを同一線上に配置する。このとき、まだ、内側挿入片24及び外側挿入片34は、スロット80には挿入しない。そして、位置決めは、上述した余長部28、38をステータコア8の径方向内面に当接させると共に、位置決め突起部385を、連結脚部を挿入すべきスロット80の隣のスロット80に挿入することにより、確実に行うことができる。
次に、図12、図13及び図14、図15に示すごとく、治具1を、ステータコア8の内周面においてスロット80に沿ってスライドさせる。これにより、治具1に挟持されている連結脚部71及びその後方に続く連結脚部71は、治具1の移動に伴って順次スロット80内に挿入される。
次に、図16に示すごとく、相間絶縁紙1がステータコア8の軸方向の位置において所望の位置に到達した時点で、治具1のスライドを止める。具体的には、図16に示すごとく、治具1の進行方向と反対側に位置する絶縁紙本体部70がステータコア8の軸方向端面から突出しているスロット内絶縁紙(スロットセル)のカフス部(図示略)に当接する位置に到達した時点で治具1のスライドを止めることが好ましい。
次に、図16、図17に示すごとく、治具1におけるロック部2のロックバー272をロック解除状態とする。これにより、側面コア3は、外側挿入片34をスロット80内に挿入したままの状態で、可能な限り開状態となり、内側挿入片24と外側挿入片34との間の間隔が若干広がる。そこで、作業者は、治具1に挟持されていた連結脚部71のすべてをスロット80内に押し込む。
その後、図17に示すごとく、相間絶縁紙7の先端側の絶縁紙本体部70を治具1のスライド方向に干渉しないように変形させておき、治具1のみをさらにスライドさせて、ステータコア8から取り外すことにより、相間絶縁紙1の組み付けが完了する。
このように、本例では、上記脚部保持部4を有する相間絶縁紙組み付け治具1を用いることによって、ステータコア8への相間絶縁紙1の組付けを、スムーズかつ効率よく行うことができる。
(実施例2)
本例では、図18に示すごとく、実施例1における治具1の後端面222に、保持した相間絶縁紙7の後方に位置する絶縁紙本体部70をスロット側に向けてガイドするガイド部材19を設けた。
このガイド部19を取り付けた場合には、同図に示すごとく、ステータコア8の内面の上方側に治具1を対面させた場合でも、相間絶縁紙7が自重によって垂れ下がることを防止することができる。
その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
実施例1における、相間絶縁紙の構成を示す説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を後方斜めから見た開状態の斜視図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を前方斜めから見た開状態の斜視図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を前方から見た閉状態の正面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を底面側から見た閉状態の平面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を上面側から見た閉状態の背面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を側面側から見た閉状態の側面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を前方から見た開状態の正面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具を上面側から見た開状態の背面図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具の脚部保持部に連結脚部を挿入した状態を示す説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具をステータコアに当接させた状態を示す説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具をスロットに沿ってスライドさせている状態を示す説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具をスロットに沿ってスライドさせている状態を示す説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具をスロットに沿ってスライドさせている状態をステータコアの軸方向に沿った断面から見た説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具をスロットに沿ってスライドさせている状態をステータコアの軸方向に沿った断面から見た説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具のスライドを停止した状態を示すステータコアの軸方向に沿った断面から見た説明図。 実施例1における、相間絶縁紙組み付け治具のみをステータコアから抜き出している状態をステータコアの軸方向に沿った断面から見た説明図。 実施例2における、相間絶縁紙組み付け治具をスロットに沿ってスライドさせている状態をステータコアの軸方向に沿った断面から見た説明図。
符号の説明
1 相間絶縁紙組み付け治具
2 中央コア
24 内側挿入片
27 ロック部
272 ロックバー
28、38 余長部
3 側面コア
34 外側挿入片
385 位置決め突起部
4 脚部保持部
7 相間絶縁紙
70 絶縁紙本体部
71 連結脚部
8 ステータコア
80 スロット

Claims (7)

  1. 2つの絶縁紙本体部を2本の連結脚部によって連結してなる相間絶縁紙の上記連結脚部をステータコアのスロットに挿入する際に用いる相間絶縁紙組み付け治具であって、
    上記連結脚部を着脱可能に保持する脚部保持部を2組有しており、
    該脚部保持部は、上記スロットに挿入可能な厚みを有すると共に、2本の上記連結脚部を挿入すべき2つの上記スロットに対応する間隔をあけて設けられていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  2. 請求項1において、上記相間絶縁紙組み付け治具は、上記連結脚部を挿入すべき2つの上記スロットに対応する2つの内側挿入片を設けた中央コアと、
    該中央コアに対して開閉可能に連結されていると共に上記内側挿入片に対面する外側挿入片を設けた2つの側面コアとを有し、上記内側挿入片と上記外側挿入片とによって上記脚部保持部を構成しており、
    上記側面コアを開状態とすることによって、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間に上記連結脚部を配置する間隙を形成可能であると共に、
    上記側面コアを閉状態とすることによって、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間に上記連結脚部を挟持可能であり、
    かつ、2つの上記側面コアを閉状態として、上記内側挿入片と上記外側挿入片とよりなる2組の上記脚部保持部を、それぞれ対応する上記スロットの軸方向開口端部から上記スロットに沿ってスライドさせることにより、2組の上記脚部保持部がそれぞれ対応する上記スロット内に同時に挿入可能に構成されていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  3. 請求項2において、上記中央コア又は上記側面コアには、該側面コアを閉状態に維持するためのロック部を設けてあることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  4. 請求項2又は3において、上記中央コアと上記側面コアとの間には、該側面コアを開状態となる方向に付勢する付勢手段を配設してあることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項において、上記中央コア又は上記側面コアには、上記内側挿入片と上記外側挿入片の存在する部位よりもスライド方向に突出した余長部を設けてあり、該余長部を上記ステータコアの径方向内面に当接させることにより、上記ステータコアに対する径方向位置の位置合わせが可能に構成されていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  6. 請求項5において、上記余長部には、上記脚部保持部を挿入すべき上記スロットの隣のスロットの内周面側の開口部に係合する位置決め突起部が設けられていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項において、上記中央コア又は上記側面コアのスライド方向後方側の端面には、上記内側挿入片と上記外側挿入片との間の間隙に挿入される上記連結脚部の挿入深さを規制する規制部材が配設されていることを特徴とする相間絶縁紙組み付け治具。
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