JP2007034220A - 液晶表示装置 - Google Patents

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照夫 海老原
Naoyuki Hirayama
尚幸 平山
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Abstract

【課題】 リセット電圧を液晶分子に印加する駆動方式を導入する事によって得られた効果が、低温領域で、失われるという課題を解決す。
【解決手段】 液晶表示素子の液晶層を、1画素内で液晶層の厚さが異なる2つ以上の領域に分割し、さらに液晶層の最小厚さが最大厚さの0.2〜0.8倍の関係を満たすようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯型テレビ、携帯型情報端末、等に用いられる表示装置、特に高画質表示に適したフィールドシーケンシャル液晶表示装置に関するものである。
フィールドシーケンシャル液晶表示装置は、表示装置の照明光であるバックライトを、赤・緑・青と時間的に切り替え、1枚の液晶表示素子でカラー表示を行う方法である。この方法は、1つの画素を3分割した電極それぞれにカラーフィルターを配置する必要が無いため、従来の3倍の高精細化が可能であると同時に、開口率を高くできるので光の利用効率が上がるといわれている。一方、フィールドシーケンシャル液晶表示装置では、1フィールドの1/3の時間で1色を表示する必要があるので、表示に使用できる時間は約5ms程度となる。従って、液晶の応答速度は5msより早くなければならない。このような高速な画像に応答できる液晶表示装置の必要性から様々な技術が検討され、高速な液晶表示モード技術が開発されている。これらの高速な液晶表示モード技術は、大きく二つの潮流に分かれている。一つは主流となっているネマティック液晶の応答速度を高速化する技術であり、もう一つは高速な応答が可能な液晶を使用する技術である。高速な応答が可能な液晶として、強誘電性液晶を使用する技術がある。しかし、製造における精度や均一性の要求レベルが高くなり、歩留まりが低下する欠点を有している。
表示素子の駆動方法として、表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する駆動方法が知られている。例えば、ホモジニアス配向型液晶表示素子の電極間に、液晶分子を基板面に対して略垂直に立ち上り配向させるリセット電圧を印加し、その後、電極間に書込みデータに応じた書込み電圧を印加することで、ホモジニアス配向型液晶表示素子を高速で応答させている(例えば、特許文献1参照)。その結果、明るさの諧調の制御は、前のフレームにおける書き込み状態に影響されることなく、1フィールド毎に新たなデータの書き込みが行える。
特開2003−107426号公報(第3−5頁、第5図)
従来の特許文献1のようなフィールドシーケンシャルカラー方式では、複数のフィールドで1フレームを構成するため、1フィールド期間が短くなる。赤(R)フィールド、緑(G)フィールド、青(B)フィールドで構成される場合は、各原色画像3枚を1組としたフィールド周波数を60[Hz]とし、原色画像当たりのサブフィールド周波数を180[Hz]とした場合、1サブフィールド期間が約5.56[msec]と1/3に短縮されることになる。
低温下の環境で液晶表示素子の応答速度は室温に比較して遅くなり、フィールドシーケンシャルカラー方式によるカラー表示の影響は大きくなる。低温環境下で応答速度が低下するのは、ネマティック液晶に限ったものでなく、強誘電性液晶でも同様の傾向である。従って、リセット時の黒表示モードから画像表示モードへ液晶分子が立ち下がる際、必要とされる期間内に十分に立ち下がらず、ほとんど動かなくなり透過率がほとんど取れなくなる。表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する駆動方式を導入する事によって得られた効果が、低温領域で、失われるということである。すなわち、従来の特許文献1のような構成では、室温時に応答速度を満足しても、屋外で使用する事の多い携帯型情報端末の使用温度である0℃以下の低温では、液晶の応答速度が室温に比較して遅くなり、1フィールド時間ないに黒のリセットとデータの書き込みが充分出来なくなる。その結果、低温時には色再現性の低下と原色表示時の輝度低下を招いている。
また、一般に知られている、ネマティック液晶セルの応答速度を低温で速くする手段にはセルギャップを更に薄くする方法が知られている。しかし、セルギャップ即ち液晶層の厚みdは、十分な透過率を得るために液晶の屈折率異方性Δnと一定の関係の範囲内でしか変えられない。一例としてTN液晶セルの場合、Δnとdの積がリタデーションでありこの値が400nmを下回ると顕著に透過率が低下するようになる。一方、最新の液晶材料を用いて、Δnを0.22より大きくすると粘度が上がり反対に応答速度に悪く作用したり、信頼性に欠ける材料であったりと実用に耐えないのが現状である。現状で、低温での応答速度が十分速くなるように液晶層をより薄くすると、リタデーションは400nnを大きく下まわり、結局透過率が犠牲となり低下する。
すなわち、液晶層の厚みを薄くする手法を用いて、低温環境下で応答速度を改善した液晶表示素子を用い、従来の特許文献1のような駆動を行うと、室温でも液晶表示素子の透過率が悪くなり暗くなってしまう。液晶層の厚みを薄くしない液晶表示素子と同じ明るさを得ようとすると、バックライトで消費する電力を増やす必要が生じ、バッテリー容量に限りのある携帯型情報端末では不向きとなる。
このように、従来の工夫によって、応答速度を高速化することには大きな限界が生じている。従来の工夫によっても、低温下の環境で液晶表示素子を用いてフィールドシーケンシャル方式に黒リセット駆動を用いると色再現性の低下は改善できるが、同時に室温での輝度低下は改善できない。同様に原色表示時の輝度低下も改善できるが同時に室温の輝度低下を改善することは不可能であった。
本発明は、液晶表示素子の液晶層を、1画素内で液晶層の厚さが異なる複数の領域に分割し、液晶層の最小厚さが最大厚さの0.2倍以上の関係を満たすようにした。このように、1画素内で、透過率をある程度犠牲にしても低温で高速応答する低ギャップ領域と低温では応答が遅く透過率が低下するが、室温で十分透過率が得られる高ギャップ領域を両方設けたことで、低ギャップ領域で得られる低温での高速応答と高ギャップ領域で得られる室温での高透過率を分割割合に応じて得られるようになる。
特に、本発明の液晶表示素子をフィールドシーケンシャル液晶表示装置に用いると、低温下の環境で、フィールドシーケンシャル方式で黒リセット駆動行っても、色再現性の低下と原色表示時の輝度低下を改善できると同時に、室温の輝度低下を分割割合に応じて改善できるようになった。更に、各温度に対応するリセット電圧または表示データの書込み電圧と液晶表示素子の液晶層の厚さが異なる2つ以上の領域の応答速度との関係を記憶したデータテーブルを使用して、バックライトの発光タイミングを制御して液晶表示素子を駆動するようにした。このように、1画素内で分割された領域により異なる応答速度の温度依存性のデータをもとに、バックライトの発光時間あるいは発光タイミングを制御することで、応答速度データから得られる透過率が最大となるタイミングにバックライトを発光させることが可能となる。その結果、色再現性の向上とバックライトの利用効率向上に寄与する。
更に段差層をストライプ状に形成し、そのストライブ幅を段差深さの2倍以上とした。このように、ストライプの幅と段差深さの関係を一定の範囲にすることで、液晶配向処理を溝全面に均一に処理できるようになり、配向欠陥を低減し光漏れによるコントラスト低下を防止する効果が得られる。また、同時にストライプの幅と段差深さの関係を満足する範囲でストライプ本数を1画素内に多数設定することが可能となり、その結果、低ギャップ領域と高ギャップ領域の接する境界域を増やすこととなり、その境界効果により影響を受けて高ギャップ領域の応答速度をより高速で応答させることが可能となる。
更に、ストライプ状に形成した段差層を、ストライプの方向とラビング方向とがほぼ同じ方向になるように形成した。このように段差の方向とラビング方向を同一方向にすることで、ラビング処理を段差の隅々まで処理可能となる。その結果、配向欠陥を低減し光漏れによるコントラスト低下を防止する効果が得られる。
更に、段差層は画素の中心に配置され、段差層を取り囲むように画素外周部に段差層を配置しないようにした。このように、段差層を画素の中心に配置するとともに、画素中心部に低ギャップ領域を配置し、画素周辺部に高ギャップ領域を配置する。その結果、高ギャップ領域は画素周辺部の境界効果の影響を受け、画素中心部に配置されるより、より高速で応答するようになる。
本発明のフィールドシーケンシャル液晶表示装置は、ネマティック液晶を使用しても、1画素内に低ギャップ領域と高ギャップ領域を設け、ぞれぞれの領域の温度に対する応答速度に対応したデータをあらかじめ用意しておき、そのデータをもとに最良の透過率が得られるタイミングでバックライトを発光させる事と、更に低ギャップ領域で得られる低温での高速応答と高ギャップ領域で得られる室温での高透過率を分割割合に応じて得られる効果と境界効果によって高ギャップ領域が高速応答する相乗効果で、搭載した携帯型情報端末を冬場の屋外に相当する、0℃以下の温度環境下で使用しても、色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下を改善するとともに室温での輝度低下を両立して改善できる効果がある。
本発明の液晶表示装置は、1画素内の低ギャップ領域と高ギャップ領域のギャップ比率を0.2〜0.8の範囲に設定している。最良の比率は、使用するネマティック液晶材料の特性や使用する液晶モードなどより異なってくる。ただし、0.2以下に設定すると、低ギャップ領域の透過率低下が顕著になり、本来の目的である低温での透過率改善に寄与しなくなるのを避けるために設定を設けている。また、0.8を超えると高ギャップ領域と低ギャップ領域の特性の差が小さくなり、効果的でない。また、1画素内の低ギャップ領域と高ギャップ領域の面積比率は、室温での必要とする透過率、バックライトの消費電力と低温での色再現性と3原色表示時の輝度を考慮されて設定される。更に、バックライトに使用される光源の消費電力と輝度特性の温度依存性などにあわせて設定されると効率のよい設定となる。
以下、本発明の液晶表示装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施例のフィールドシーケンシャル液晶表示装置の構成を図1に模式的に示す。図示するように、TFTアレイ基板8にはプレーナ型のTFTスイッチ7を作成し、図では省略するが、TFTアレイを形成することで、TFTスイッチ7によるアレイ状の画素電極6を形成している。また、図では省略するが、TFT画素スイッチは走査用のゲート電極とデータ書き込み用のソース電極も形成されいわゆるアクティブマトリックス駆動できる構成になっている。
更に、TFTアレイ基板8に対向して対向基板1を設けている。対向基板側には厚さd3(この例では1μmに設定)の段差層4が形成されている。段差層4は、高ギャップ領域(図中のd1の領域)および低ギャップ領域(図中のd2の領域)を生じさせる目的で設けられるものであり、例えばアクリル樹脂で構成されている。このようなに、段差層4が低ギャップ領域に形成されていることにより、1画素内で、高ギャップ領域における液晶層の厚さ(セルギャップ)は、低ギャップ領域の液晶層の厚さよりも厚くなっている。ただし、この段差層のアクリル樹脂は、高ギャップ領域と低ギャップ領域の境界領域に、ある程度の勾配を持たせている。これは、段差上を含めて対向電極2を製膜する。この膜の密着や耐久性を考慮して勾配が決められる。
更に、高ギャップ領域のセルギャップが2.0μmになるようにパターニングされた柱を作製した。この柱は、セルギャップを保つためのスペーサとして使用される。TFTアレイ基板8または、対向基板1のどちらかに設けている。
TFTアレイ基板8と対向基板1との互いに対向する面に、ポリイミド系の配向膜5を印刷し、ラビングする事によって、組み立て後に90度の角度をなす配向方向が得られるようにした。その後、対向基板の画素領域外部に紫外線硬化用のシール材を塗布した。TFTアレイ基板8と対向基板1とを対向させを接着した。
このようにして製造されたTFT基板と対向基板の間隙に誘電率異方性が正のネマティックの液晶材料5を注入し、ツイストネマテック(TN)型の液晶表示素子を作製した。更に、1対の偏光板をパネル外部に配置し、ノーマリーホワイト(NW)表示が得られるようにし、赤、緑、青の原色バックライトと駆動回路組み合わせてフィールドシーケンシャル液晶表示装置を製作した。1画素内の液晶層の厚さは高ギャップ領域で2.0μmと低ギャップ領域で1.0μmになっている。液晶層の厚さdは応答速度に2乗で利いてくる。薄さに対しての制限はないが、液晶のねじれピッチの制限や透過率の低下を考慮して決定される。以下に1画素内の、高ギャップ領域と低ギャップ領域のギャップ設定条件について説明する。
図3は、室温でのTN型NW液晶表示素子のセルギャップに対する透過率と液晶の複屈折率異方性(Δn)の関係を表す図である。液晶層の厚みdは、十分な透過率を得るために液晶の屈折率異方性Δnと一定の関係の範囲内でしか変えられない。Δnとdの積をリタデーションといい、この値が400nmを下回ると顕著に透過率が低下してしまう。図3ではΔn0.22の液晶材料を使用するとセルギャップ約1.5μm以下で顕著に透過率が低下する。Δn0.2ではセルギャップ約1.7μm、Δn0.18ではセルギャップ約2.0μm以下で顕著に透過率低下が低下する。一方、液晶材料の粘度はΔnが大きくなるに従い大きくなるため、高速応答のためには粘度をできるだけ小さくする必要がある。最新の液晶材料でも、Δnを0.22より大きくすると粘度が上がり、応答速度に悪く作用したり、信頼性が低くなったりと実用に耐えないのが現状である。そこで、本実施例ではΔnを0.2に設定した。高ギャップ領域のセルギャップは2.0μmで透過率は約30%得られる。低ギャップ領域のセルギャップは1.0μmで透過率は約15%得られる。
図4は低温領域でのΔnを0.2に設定したパネルを使用してフィールドシーケンシャル駆動した時の、セルギャップと色再現性の関係を表す図である。色再現性の評価値は、国際照明委員会の勧告によるCIE1931のXYZ表色系における色度座標xyにおいて、R(赤)G(緑)B(青)各々の色度座標を結んで得られる三角形の面積に全米テレビジョン方式委員会の定めるNTSC1953方式のR(赤)G(緑)B(青)各々の色度座標を結んで得られる三角形の面積の比率で表現する。一般にNTSC比として一般化している評価値を使用している。図中記載されていないが、室温でNTSC比のセルギャップの関係は100%でギャップに多く依存しない。一方、低温側ではより低温になるほど、ギャップ依存性が大きくなり、NTSC比を高くするにはギャップを薄くする必要がある。
本実施例の条件で−20℃のNTSC比を見積もると、高ギャップ領域のセルギャップ2.0μmでNTSC比は約5%得られる。低ギャップ領域のセルギャップ1.0μmでNTSC比は約40%得られる。
図5は低温領域でのΔnを0.2に設定したパネルを用いて、フィールドシーケンシャル駆動した時の、セルギャップと単色/白輝度比の関係を表す図である。単色/白輝度比の評価値は、フィールドシーケンシャル駆動特有の評価値で、3原色の場合、1フレーム3原色に対応する原色3フィールドで白を表示する。R(赤)G(緑)B(青)の単色表示は1フィールドで表示する。単色/白輝度比はR(赤)G(緑)B(青)の1フィールドで表示する単色輝度の3フィールド合計と3フィールドで表示する白輝度の比である。フィールドシーケンシャル駆動では、単色は1フィールドで液晶の応答を完結させる必要があり、白は3フィールドで完結させる。従って、現実的には液晶の応答が1フィールドで完結させるほど速くないので、1フィールド内での透過率は3フィールド内の透過率よりも低くなり、単色/白輝度比は1より小さくなる。低温では液晶の応答速度がさらに低下するので図5に示すように、かなり1より小さい値となる。フィールドシーケンシャル駆動以外のカラーフィルター方式の駆動では、R(赤)G(緑)B(青)の単色表示それぞれの輝度の合計と白輝度が原理的に等しくなる。つまり、単色/白輝度比が温度によらず1になる。
本実施例の条件で−20℃の単色/白輝度比を見積もると、高ギャップ領域のセルギャップ2.0μmで単色/白輝度比は約0.1以下である。低ギャップ領域のセルギャップ1.0μmで単色/白輝度比は約0.25得られる。
以上、図3、図4、図5で説明したように、1画素内で、透過率をある程度犠牲にしても低温で高速応答する低ギャップ領域と低温では応答が遅く透過率が低下するが室温で十分透過率が得られる高ギャップ領域を両方設けたことで、低ギャップ領域で得られる低温での高速応答と高ギャップ領域で得られる室温での高透過率を分割割合に応じて得られるようになる。その結果、低温下の環境で、本発明の液晶表示素子を用いてフィールドシーケンシャル方式で黒リセット駆動を用いても、色再現性の低下と原色表示時の輝度低下を改善できると同時に、室温の輝度低下を分割割合に応じて改善できるようになった。
次に、高温から低温まで最適に駆動するために、各温度に対応するリセット電圧または表示データの書込み電圧と液晶表示素子の液晶層の厚さが異なる2つ以上の領域の応答速度との関係を記憶したデータテーブルを予め測定により作成した。具体的には、10℃間隔で、リセット電圧に対して、高ギャップ領域と低ギャップ領域の電圧印加時から液晶の透過率が最大になるまでの応答時間を測定した。このデータをもとにバックライトの発光タイミングを、液晶の透過率が最大になるタイミングに制御して発光するようにした。このように、1画素内で分割された領域により異なる応答速度の温度依存性のデータをもとに、バックライトの発光時間、あるいは発光タイミングを制御することで、応答速度データから得られる透過率が最大となるタイミングにバックライトを発光させることが可能となり、その結果、色再現性の向上とバックライトの利用効率向上に寄与できる。
このデータテーブルに保管されるデータは、フィールドシーケンシャル液晶表示装置内に不揮発性メモリとして保管されてもよい。また、不揮発性メモリ容量を節約するために、書き込みデータに対する応答時間のみだけでもよく、更に高ギャップ領域と低ギャップ領域の合成された応答の最大透過率が得られる時間を保管してもよい。温度間隔は、10℃に限ったもので無く、特に温度に対する液晶の応答速度変化の急峻な温度範囲をより細かい間隔で設定するとより最適な駆動を可能にする。
次に、上記の効果を更に改善する液晶表示素子の構造を説明する。図2は、本実施例のストライプ状の段差層を示す模式図である。対向基板1は1画素に対応する領域のみを描写している。また、段差の形状であるストライプ幅Wは、段差層4の段差深さd3の2倍以上の幅にすることで、1画素に複数のストライプを形成できる。その結果、高ギャップ領域と低ギャップ領域は段差層の有無に対応して複数のストライプ状に配置される。ここで低ギャップ領域と高ギャップ領域の境界領域にある液晶は、1画素に形成されるストライプの本数に比例して多くなる。
この境界領域の液晶の応答に関して図7と図8を用いて説明する。図7は、表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する駆動方式を導入した場合の、リセット電圧印加状態の高ギャップ領域と低ギャップ領域と境界領域の様子を示す模式図である。図中の斜線部が境界領域に相当する。図中の液晶材料は液晶分子を模式的に表現したものであり、電界印加により分子が電界方向に揃っている状態を表している。1画素内の高ギャップ領域と低ギャップ領域と境界領域の液晶分子はすべて立った状態となりノーマリーホワイトモードでは黒表示になる。
図8は、リセット電圧に続いて、白表示データの書き込み電圧を印加した後の液晶分子立ち下がり応答途中経過状態での、高ギャップ領域と低ギャップ領域と境界領域の様子を示した模式図である。電界強度が緩和され、液晶分子が立った状態から水平方向に立ち下がる過程の液晶分子の傾きを模式的に表したものである。分子の長さの違いはツイスト角度の違いを表現している。液晶層の厚さdは応答速度に2乗で利いてくるので、液晶の傾き角度は高ギャップ領域より低ギャップ領域が水平に近くなる。完全に水平になったときの透過率は、屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdの積であるリタデーション値によって決まった値になる。この例では図3で示されるように高ギャップ領域のセルギャップは2.0μmで透過率は約30%得られる。低ギャップ領域のセルギャップは1.0μmで透過率は約15%得られる。しかしながら、1フィールド内でリセットとデータの書込みを完結するフィールドシーケンシャル駆動では1フィールド内に液晶分子は完全に水平に戻れない場合が生じてくる。特に室温以下に温度が低下すると液晶の応答速度が低下するため顕著に現れる。室温よりある程度低い温度では、1フィールド内での液晶分子の立下りが高ギャップ領域より低ギャップ領域の方が早いので、結果として低ギャップ領域の方が高い透過率を得られる。図8の高ギャップ領域と低ギャップ領域の液晶分子の傾き角度の違いは、この状態を表したものである。
さらに、図8の斜線で表す境界領域で、高ギャップ領域内の斜線部の液晶分子は、低キャップ領域の早い立下りの影響を受けて、高ギャップ領域内の斜線の無い領域の液晶分子よりも早く立ち下がるようになる。これは、リセット時に液晶分子を立たせた状態からデータ書込みによって緩和過程に移行するときに生じるバックフローを低減させる効果があるためと推測される。従って,1画素内の平均応答速度を改善するには、この境界領域を増やすことが有効である。
本実施例では、図2に示すように段差の形状であるストライプ幅Wは、段差層4の段差深さd3の2倍以上の幅にすることで、1画素に複数のストライプを形成し、境界領域を増やしている。幅Wを、段差深さの2倍以下にすると、高ギャップ領域の対向基板側の段差層との間の溝に対する配向処理に課題が生じる。一般に配向処理方法としてラビング法を用いると、ラビング布の毛足の接触で、溝段差の影の部分に接触不完全部が生じて、配向不良を発生させるようになる。よって、ストライプ幅Wは、段差層の段差深さの2倍以上必要である。また、倍率を大きくする、境界領域が減少し、効果低減するので、2倍から数倍の範囲に設定されることが望ましい。
また、ストライプの方向とラビング方向とをほぼ同じ方向になるように、段差層を形成されるようにした。このように段差の方向とラビング方向を同一方向にすることで、ラビング処理を段差の隅々まで処理可能にする。その結果、配向欠陥を低減し光漏れによるコントラスト低下を防止する効果が得られる。
また、図6に示すように、段差層4は画素の中心に配置され、段差層を取り囲むように画素外周部に段差層を配置し無いようにした。このように、段差層を画素の中心に配置すると、画素中心部に低ギャップ領域を配置し、画素周辺部に高ギャップ領域を配置する。その結果、高ギャップ領域は、画素中心部の低ギャップ領域との境界領域による高速化と画素周辺部の境界効果の影響による高速化の影響を受け、画素中心部に配置されるより、より高速で応答するようになる。これは、画素周辺部の画素電極の外側の液晶は、電界印加の作用が無いので、常に水平配向している事により得られる効果である。
本発明において、ねじれ角(ツイスト角)は必ずしも90度に限らず、ねじれを有する構造であればよく、また、水平配向モードを利用しても同様の効果が得られる。これらの効果により、本発明では、材料の物性値に制限されて限界に到達している液晶の立ち下がりの応答速度を高速化することが出来る。さらに、この効果は、フィールドシーケンシャル駆動に限らず、高速動画表示時に用いられる黒挿入駆動や高フレーム周波数で駆動する液晶表示装置にも利用できる。
本発明は、透過型の液晶表示装置の応答性が改善でき、画像に動きが多い、ゲーム用の電子機器に搭載すると、低温環境下でもその特性を維持することが可能となるので、携帯情報機器での高度な映像表示を広い温度範囲で利用できるようになる。更に, フィールドシーケンシャル駆動する液晶表示装置に適用すると、室温より低い低温環境下でもその特性低下を改善し、携帯情報機器への搭載を実現するものである。
本実施例のフィールドシーケンシャル液晶表示装置を模式的に示す断面図。 本実施例のストライプ状の段差層を示す模式図。 TN型NW液晶表示素子のセルギャップに対する透過率と液晶の複屈折率異方性(Δn)の関係を表す図表。 フィールドシーケンシャル駆動した時の、セルギャップと色再現性の関係を表す図表。 フィールドシーケンシャル駆動した時の、セルギャップと単色/白輝度比の関係を表す図表。 本実施例の画素内に配置された段差層を示す模式図。 リセット電圧印加状態の高ギャップ領域と低ギャップ領域の境界領域を示す模式図。 データ電圧印加後の応答途中経過状態の高ギャップ領域と低ギャップ領域の境界領域を示す模式図。
符号の説明
1 対向基板
2 対向電極
3 配向膜
4 段差層
5 液晶材料
6 画素電極
7 TFTスイッチ
8 TFTアレイ基板

Claims (7)

  1. 一対の基板間に液晶層が設けられた液晶表示素子を備える液晶表示装置において、
    前記液晶層は、1画素内で液晶層の厚さが異なる複数の領域を有し、前記液晶層の最小厚さが最大厚さの0.2〜0.8倍であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶層の薄い領域に対応するように、前記液晶表示素子の少なくとも一方の基板に前記液晶層に段差を生じさせる段差層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記段差層はストライプ状に形成され、そのストライブ幅は前記段差の2倍以上の幅を有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記段差層は、ストライプの方向と前記液晶表示素子のラビング方向が、ほぼ同じ方向になるように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記段差層は画素の中心に配置され、前記段差層を取り囲むように画素外周部には段差層が設けられていないことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶表示素子の観察側とは反対側に配置されたバックライトを備え、前記液晶表示装置は、複数の原色の画像データを前記液晶表示素子に書込み、前記複数の原色の画像データの書込みに同期させて、バックライトから原色の光を照明することにより原色の画像データに応じた画像を表示するフィールドシーケンシャル液晶表示装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 各温度に対応するリセット電圧または表示データの書込み電圧と、前記液晶表示素子の液晶層の厚さが異なる複数の領域の応答速度と、の関係を記憶したデータテーブルを使用して、前記バックライトの発光タイミングを制御することを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
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