JP2006227457A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温領域でも応答の速い液晶表示装置を実現する。
【解決手段】 ツイストネマティック液晶層のねじれピッチpとツイストネマティック液晶層の厚みとなる間隙dとの間に、p/d>10の関係を有する液晶表示素子を使用するとともに、駆動条件として、リセット電圧と表示データの書き込み電圧を調整して、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにされている。このような構成によれば、冬場の屋外に相当する、0℃以下の温度環境下でも、黒リセット後のデータ書き込みを速くする事が可能なので、0℃以下の温度環境下でも動画表示の視認性を改善できる。また、フィールドシーケンシャル方式を用いた場合も同様の形態で、0℃以下の低温環境下で使用しても、色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下を両立して改善できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、携帯型テレビ、携帯型情報端末、等に用いられる表示装置、特に高画質表示に適した液晶表示装置に関するものである。
現在の液晶表示装置は、従来の静止画像だけでなく動画像を表示する要求が増えてきている。しかし、液晶表示装置は、TV用のCRTモニターと比較すると、動画を表示した場合細部のコントラスト、画像の尾引き発生等、画質性能面で課題がある。
従来これを解決する方法として、新規データ書き込みの前に所定の液晶状態に揃えるようなリセット電圧を印加して映像を表示している期間に黒表示期間を設ける、走査型黒リセット駆動方式が知られている。(例えば、非特許文献1参照)。この文献によれば、画質性能面で改善する代わりに、各画素に1フレーム期間内に画像データに対応した電圧と黒挿入に対応した電圧を書き込む事から、応答速度の速い液晶が必要になる。この文献では、液晶表示素子として、ノーマリーホワイトのTN液晶パネルを使用し、液晶の応答を早める為にセルギャップを2μmと通常のパネル約5μmより狭くしている。結果、黒→白及び白→黒の応答時間がそれぞれ10.1ms、3msと速い応答を実現している。
また、表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献によれば、カラーフィルタを用いずにカラー表示を行なうことができるフィールドシーケンシャルカラー方式に、表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する駆動方式を導入している。フィールドシーケンシャルカラー方式では、複数のフィールドにより1フレームを構成するため、1フィールド期間が短く、液晶表示素子を高速度で動作させなければならない。そのために、この文献の駆動方法は、ホモジニアス配向型液晶表示素子の電極間に、液晶分子を基板面に対して略垂直に立ち上がり配向させるリセット電圧を印加し、その後、電極間に書き込みデータに応じた書き込み電圧を印加する事で、ホモジニアス配向型液晶表示素子を高速で応答させている。その結果、明るさの諧調の制御は、前のフレームにおける書き込み状態に影響されることなく、1フィールド毎に新たなデータの書き込みが行なえる。
佐々木、走査型黒リセット駆動による動画対応LCD、電子情報通信学会技術研究報告、財団法人電子情報通信学会、Vpl.101No600 L−17−22頁 特開2003−107426号公報(第3−5頁、第5図)
解決しようとする問題点は、表示データの書き込みに先立ってリセット電圧を液晶分子に印加する駆動方式を導入する事によって得られた効果が、低温領域で、失われるということである。すなわち、従来の非特許文献1のような、TN液晶パネルを、液晶の応答を早める為にセルギャップを2μmと通常のパネルより狭くした構成では、室温時に応答速度を満足しても、屋外で使用する事の多い携帯型情報端末の使用温度である0℃程度の低温では、液晶の応答速度が室温に比較して遅くなり、1フレーム時間ないに黒のリセットとデータの書き込みが充分出来なくなる。
一般に知られている、TN液晶セルの応答速度を低温で速くする手段には次のような方法が知られている。すなわち、(1)セルギャップを更に薄くする。(2)高電圧を印加する。(3)誘電率異方性を上げる。(4)粘性を低下させる。(5)液晶セル設計の最適化する。
(1)の方法では、液晶層の厚みは、十分な透過率を得るために屈折率異方性Δnと一定の関係の範囲内でしか変えられない。更に、(2)や(3)の方法では、粘度、誘電異方性、弾性定数も全て物性値であるため、材料に大きく依存し、一定条件以上にすることは困難である。また、各々の物性値単体のみを大きく変化させることは極めて困難である。一方、(4)の印加電圧値を大きくする手法も消費電力の観点や高電圧用駆動回路が高コストである観点から大きな制約を受ける。また、(5)の液晶材料やセル設計の最適化により高速化する方法にはカイラルピッチの調整がある。アクティブマトリックス型のTN液晶表示素子はTFT素子をスイッチング素子として用いている。このために液晶表示素子内の基板表面に凹凸が形成されている。基板表面に凹凸があると液晶の配向性が乱れる。この現象を防止し、安定な配向を得るには、カイラルピッチ(ねじれピッチ:p。液晶分子が外部の影響なしに360°捻れるのに必要とする距離)とセルギャップdの比率p/dを30程度に設定し、配向不良の発生を防止している。
p/dの値を10〜30程度に設定されたTN型液晶表示素子の立ち上がり応答と立下り応答を比較すると、立ち上がり応答の方が速い。更にp/dを10以下にし、立ち上がり応答より立下り応答を速くすることも出来る。すなわち電圧印加時の応答(黒状態への応答)より電圧無印加時の応答(白状態への応答)を速くして、黒リセット後のデータ書き込みを速くする手法である。この方法には、電圧無印加の状態のねじれた液晶配向を安定化させるため、黒状態へ移行するために必要な電圧であるしきい値電圧が高くなり、印加電圧としきい値電圧の差の二乗に反比例する応答時間も遅くなりデメリットが生じてしまう。このように、従来の工夫によって、応答速度を高速化することには大きな限界が生じている。
以上の理由により0℃以下の低温で、従来の非特許文献1の駆動を行なうと、リセット時の黒表示から画像表示モードへ、液晶分子が立ち下がる際、必要とされる期間内に十分に立ち下がりきれないために、必要とされる光透過率が得られない。すなわち、例えば、黒表示から白表示に切り替える場合に、完全な白表示になりきらずグレー表示になる。
更に従来の特許文献1のような、フィールドシーケンシャルカラー方式では、複数のフィールドにより1フレームを構成するため、1フィールド期間が更に短くなる。赤(R)フィールド、緑(G)フィールド、青(B)フィールドで構成される場合は、各原色画像3枚を1組としたフィールド周波数を60[Hz]とし、原色画像当たりのサブフィールド周波数を180[Hz]とした場合、1サブフィールド期間が約5.56[msec]と1/3短縮されることになる。低温での応答速度低下による影響は、非特許文献1に比較して更に大きくなる。リセット時の黒表示から画像表示モードへ、液晶分子が立ち下がる際、必要とされる期間内に十分に立ち下がらず、ほとんど動かなくなり透過率がほとんど得られなくなる。
更に低温化での具体的な不具合は、p/dを10〜30程度に設定されたTN型液晶表示素子をフィールドシーケンシャル方式で黒リセット駆動を用いると、立ち上がり応答が立下り応答より速いので、黒リセット表示が優勢となる。そのため、リセット時の黒表示から原色表示モードへ液晶分子が立ち下がる際、必要とされる期間内に十分に立ち下がらず赤(R)フィールド、緑(G)フィールド、青(B)フィールドが単独構成される原色画像の輝度が非常に暗くなる。
更に低温化での不具合は、p/dを10以下にし、立ち上がり応答より立下り応答を速くすると、黒リセット表示劣勢となり、原色画像の補色にあたる、他の2色にあたる原色フィールドの黒表示画像の遮光が不充分となり、原色画像に補色の色が漏れて混色して色再現性を低下させる。
このように、従来の工夫によっても、低温下の環境でTN型液晶表示素子を用いてフィールドシーケンシャル方式に黒リセット駆動を用いると色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下同時に改善することは不可能であった。
本発明は、ツイストネマティック液晶層のねじれピッチpとツイストネマティック液晶層の厚みとなる間隙dとの間に、p/d>10の関係を有する液晶表示素子を使用するとともに、駆動条件として、リセット電圧と表示データの書き込み電圧を調整して、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにした。このように、表示データの書き込みにバックフロー効果を利用することで、低温時の表示データ書き込み時に液晶の応答速度が速くなり、その結果明るい表示が可能となる。
更に、ツイストネマティック液晶の少なくとも一方の基板側の電極表面におけるプレチルト角方向のアンカリング強度が弱くなる配向膜を用ことにより、バックフロー効果容易に発生させる事が可能となる。
更に、低温側ではリセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせる駆動方式を、高温側ではリセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせない駆動方式を、温度検出器からの信号により切り替えて駆動する事により、低温から高温まで広い温度範囲で最適な駆動で表示出来るようになる。
更に、駆動方式にオーバードライブ駆動を適用すると、リセットの黒書き込みが高速化するとともに、バックフロー効果を生じさせ安くなる。
更に、駆動方式にコモン電圧を変調する駆動手段を適用すると、リセットの黒書き込みが高速化するとともに、バックフロー効果を生じさせ安くなる。
更に、本発明の液晶表示装置にフィールドシーケンシャル方式の駆動方式を適用すると、低温環境下での色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下の改善を両立できるようになる。
本発明の液晶表示装置は、リセット電圧と表示データの書き込み電圧を調整して、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにした事により、動画に対応した走査型黒リセット駆動方式を用いた液晶表示装置を搭載した携帯型情報端末を冬場の屋外に相当する、0℃以下の温度環境下で使用しても動画表示の視認性を改善できるという効果がある。
更に、本発明の液晶表示装置にフィールドシーケンシャル方式を用いた場合、リセット電圧と表示データの書き込み電圧を調整して、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにした事により、フィールドシーケンシャル方式を用いた液晶表示装置を搭載した携帯型情報端末を冬場の屋外に相当する、0℃以下の温度環境下で使用しても、色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下を両立して改善できるという効果がある。
互いに対向する基板間にツイストネマティック液晶層を備えた液晶表示素子を備える液晶表示装置において、ツイストネマティック液晶層は、電界が印加されていない状態で液晶分子が基板面に対して実質的に平行で、且つ分子配列が捩れている。そして、ツイストネマティック液晶層のねじれピッチpとツイストネマティック液晶層の厚みdとの間に、p/d>10の関係がある。さらに、表示データの書き込みに先立って液晶分子を基板面に対して立たせるリセット電圧を印加し、その後、リセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なっている。
ここで、少なくとも一方の基板側に形成される配向膜として、液晶分子のプレチルト角方向のアンカリング強度が弱くなるような配向膜が形成されている。
さらに、温度検出器を備えており、基準温度より低温のときのみに、表示データの書き込みに先立って液晶分子を基板面に対して立たせるリセット電圧を印加し、その後、リセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうこととした。また、リセット電圧を印加する方法としてオーバードライブ駆動やコモン電圧を変調する駆動方法を用いることとした。
このように、本発明の液晶表示装置は、ツイストネマティック液晶層のねじれピッチpとツイストネマティック液晶層の厚みとなる間隙dとの間に、p/d>10の関係を有する液晶表示素子を使用するとともに、駆動条件として、リセット電圧と表示データの書き込み電圧を調整して、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにされている。このような構成によれば、冬場の屋外に相当する、0℃以下の温度環境下でも、黒リセット後のデータ書き込みを速くする事が可能なので、0℃以下の温度環境下でも動画表示の視認性を改善できる。また、本発明の液晶表示装置にフィールドシーケンシャル方式を用いた場合も同様の形態で、0℃以下の低温環境下で使用しても、色再現性の低下と3原色表示時の輝度低下を両立して改善できる。
以下、バックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうようにした液晶表示装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施例の液晶表示装置の構成を図1に模式的に示す。図示するように、TFTアレイ基板8にはプレーナ型のTFTスイッチ7を作成し、図では省略するが、TFTアレイを形成することで、TFTスイッチ7によるアレイ状の画素電極6を形成している。また、図では省略するが、TFT画素スイッチは走査用のゲート電極とデータ書き込み用のソース電極も形成されいわゆるアクティブマトリックス駆動できる構成になっている。TFTアレイ基板8に対向して、対向電極2が形成された対向基板1を設けている。
更に、対向基板側に1.5μmのパターニングされた柱を作製した。この柱は、セルギャップを保つためのスペーサとして使用されると同時に耐衝撃力を有するようにした。この柱は、セルギャップを保つためのもので、柱の高さは液晶パネルの設計により適宜変えることができる。TFTアレイ基板8と対向基板1との互いに対向する面に、TFTアレイ基板8側には脂肪族系ポリイミドのアレイ基板配向膜5を印刷し、対向基板1側にはポリイミド系の対向基板配向膜3を印刷し、ラビングする事によって、組み立て後に90度の角度をなす配向方向が得られるようにした。その後、対向基板の画素領域外部に紫外線硬化用のシール材を塗布した。TFTアレイ基板8と対向基板1とを対向させを接着した後、液晶を注入し液晶表示素子が形成される。
TFTアレイ基板8側に使用する脂肪族系ポリイミド配向膜はプレチルト角方向のアンカリング強度が弱くなる配向膜であればよく、フッ素基を導入したポリマー系の配向膜を使用しても良い。また対向基板1側のポリイミド系配向膜、はプレチルト角方向のアンカリング強度が強く、非対称になる事が望ましい。また、TFTアレイ基板8と対向基板1を同じ配向膜を使用しても本発明の効果は得られるものである。
上記の方法で製造されたTFT基板と対向基板との間隙に液晶材料4として、ねじれピッチの異なる液晶を用意し、それぞれに対して液晶表示素子を作製した。更に、1対の偏向板をパネル外部に配置し、ノーマリーホワイト表示が得られるようにした。基板の間隙(液晶層の厚さ)を1.5μmにし、ねじれピッチが6μm、30μm、の液晶を用いた。液晶層の厚さは応答速度に2乗で利いてくる。薄さに対しての制限はないが、液晶のねじれピッチの制限や基板の間隙、製造上の困難性を考えると0.5μm以上が好ましい。
更に、外部にオーバードライブ用駆動回路を設け、高い電圧を必要とする立ち上がり駆動時にはオーバードライブ駆動を行い、印加電圧が低くなる立下り駆動時にはオーバードライブ駆動を行なわなかった。この状態で立上がり時(液晶の立下り時の光学応答、すなわち、ノーマリーホワイト配置では暗い状態から明るい状態への応答)の液晶の時間−透過率特性を−20℃で観測した。
図4から、ねじれピッチが小さく6μmの場合は、液晶の立下り時間は透過率の上昇が見られない時間が約5msある。これに対して、ねじれピッチ30μmと大きい場合は、2ミリ秒以内でのサブピークに達する応答が可能となる。この効果は、一言で言えば、バックフロー効果といえる。リセットの高い電圧が印加されると液晶配向が十分に立ち上がる。この状態から電圧を切ると、液晶は寝た配向に動こうとするが、十分に立ち上がった状態ではどの方向に倒れるかが規定されない。これによって、配向が不安定になりバックフローが生じる。
本発明のこの作用を、図を用いて模式的に説明する。図1の液晶分子4の状態は、電圧無印加の初期は配向状態である。図2は、リセット電圧が印加され液晶分子9が十分に立ち上がった状態。図3は、リセット電圧印加から所定の時間後にデータ書き込みが行われて、バックフローを起こした液晶分子10の状態である。この状態は急激にチルト角とツイスト角度が変化した状態で、液晶分子の複屈折効果が寄与して透過率の上昇が現れる。
バックフローを積極的に発生させるには、リセット電圧が充分である事、ねじれピッチが大きいことが望まれる。また、TFTアレイ基板8と対向基板1との互いに対抗する面の配向膜はその配向規制力に影響するアンカリング強度が非対称にする事も有効である。とくに、ねじれピッチが10μmより小さくなると、バックフローの発生を抑制する様になるので、ねじれピッチは15μmより大きい事が望まれる。しかし、ねじれピッチが過大になると、基板の凹凸の影響でリバースツイストを発生する。したがって、基板の凹凸を考慮した大きな値に設定する必要がある。
これらの効果により、本発明では、材料の物性値に制限されて限界に到達している液晶の立ち下がりの応答速度を高速化することが出来る。尚、リセットにオーバードライブ駆動を用いているが、液晶の立下りの応答時間はオーバードライブ駆動を行なわずとも高速化されることは言うまでもない。また、オーバードライブ駆動とリセット駆動をあわせたような駆動をするコモン電圧を変調する駆動回路を使用した場合に電源電圧を高く設定する必要がなく特に有効である。
本実施例でも実施例1と同様の液晶パネルを用いた。図6に示すタイミングチャートにより、フィールドシーケンシャル表示した場合の例を説明する。具体的には、赤・青・緑のフィールド時間ないにリセットと画像データの書き込みを行なう。図6(a)はコモン駆動波形を、図6(b)はパネルの透過率の時間変化を表わす。
本実施例においては、コモン電圧を変調する駆動を行った。このとき、フィールドを5.56msとした。リセット並びにオーバードライブに相当するコモン電圧を高い電圧に変化させる期間はリセット期間と同じで0.8msとした。この状態での透過率の時間変化を、実施例1と同じねじれピッチが30μmの条件で室温と−20℃で測定し、ねじれピッチが6μmの条件は−20℃のみ測定した。
室温のねじれピッチが30μmの条件では、フィールド期間の5.56ms以内にリセットとデータの書き込みが行われ、液晶の応答もこれに追従してリセットでは液晶分子が立った状態の黒になり、データの書き込みに対して液晶分子は立ち下がり安定した初期配向状態で透過率が飽和している。(図6(b)を参照)。この状態での各色フィールドに対応したバックライトの色切り替えを行なうことでコントラストのよいカラー表示可能となる。−20℃のねじれピッチが30μmの条件では、室温時の駆動からバックフローを利用した駆動方式に切り替えている。フィールド期間の5.56ms以内にリセットとデータの書き込みが行われ、液晶の応答もこれに追従している(図6(b)を参照)。この状態での各色フィールドに対応したバックライトの色切り替えを行なう事でコントラストの取れたカラー表示可能となる。
図5は、−20℃のねじれピッチが30μmの条件で、リセット後のデータ書き込み電圧に対する透過率の時間応答を表わすものである。0から5msの時間は、バックフローによる透過率応答である。階調に対応する透過率がフィールド期間の5.56ms以内で応答していることを示す。5ms以降の応答は、TNモードの立下り応答に相当する。バックフローによる透過率は、この立下り応答と図6のbの室温時の透過率に比較して悪くなっている。この理由は、液晶偏光変調モードの違いによる。バックフロー時は複屈折効果による透過率寄与が大きくなり光の利用効率が低下するためと思われる。液晶の複屈折率とセルギャップと偏光板の偏光軸設定で最適化されれば改善可能である。
−20℃でねじれピッチが6μmの条件では、バックフロー駆動行なっても、ねじれピッチが6μmと小さいために、リセット後のバックフローを抑制してしまい、フィールド期間の5.56ms以内に液晶の応答が反応せず、透過率の低い状態で安定してしまう。その結果、各色フィールドに対応したバックライトの色切り替えを行なってデータに対応した透過率が得られないので黒に近い表示になってしまう。
図6の結果から、低温で、p/dが10以上では、フィールド5.56msの間に透過率が室温時の3割近く得られる。しかし、p/dが10未満の場合、フィールド5.56msの間に0%に近くの透過率応答しか得られない。
温度検出器からの信号で、温度が高く通常駆動で液晶がフィールド期間内に応答し透過率が十分得られる場合と低温でリセット後のバックフローでしか十分な透過率が得られない場合をデータ化し、携帯機器のメモリーに内蔵し、最適な駆動条件を選択する事で、広温度範囲にわたって表示品質の高い表示を実現できるようになる。この場合、室温では、リセット電圧を低温時に比較して低くすることで、バックフローを使用しない駆動を行なうことができる。
このコモン電圧を変調する駆動においては、通常のコモン反転駆動に相当する駆動が適用できる。その結果、例えば、従来のデータ信号がコモン電圧に対し±4.5Vであった場合、振幅幅9Vの駆動が必要であったが、コモン反転駆動によって振幅幅は半分の4.5Vとすることが可能である。特に本発明によって、応答速度が改善した、TN液晶を用いても、低消費電力で高輝度なフィールドシーケンシャル 表示が得られる。このフィールドシーケンシャル 駆動では、色再現性が非常に良い事に加えて、常にリセットがされるため動画表示性能も非常に良好であった。オーバードライブ駆動とリセットパルス駆動とコモン変調駆動の組み合わせは、温度によって、本発明のバックフロー効果と組み合わせることにより低消費電力で応答速度を速めることが可能となる。
このようにTN液晶でフィールドシーケンシャル 駆動が良好に実現できるために、強誘電性液晶のような特殊な材料を用いず、一般的な材料が使用できるために、長期信頼性に有利である。
本発明の液晶表示装置を光源と同期してフィールドシーケンシャル 駆動する事によって、従来TNーTFT型では困難であると考えられていた低温下でのフィールドシーケンシャル型表示装置が実現できる。本発明において、ねじれ角(ツイスト角)は90度でなく、ねじれを有する構造であればよく、角度に規定はない。本発明は、透過型の表示装置の応答性が改善でき、画像に動きが多い、ゲーム用の携帯機器電子機器に搭載すると効果的である。
本発明は、透過型の表示装置の応答性が改善でき、画像に動きが多い、ゲーム用の電子機器に搭載すると、低温環境下でもその特性を維持することが可能となるので、携帯情報機器での高度な映像表示を広い温度範囲で利用できるようになる。
本実施例の液晶表示装置の構成を示す模式図である。 液晶表示装置にリセット電圧が印加された状態を示す模式図である。 液晶表示装置のバックフロー状態を示す模式図である。 ねじれピッチ6μmと30μmのときの−20℃での液晶の時間−透過率特性を示す図表である。 −20℃のねじれピッチが30μmの条件で、リセット後のデータ書き込み電圧に対する透過率の時間応答を示す図表である。 フィールドシーケンシャル表示した場合のタイミングチャート
符号の説明
1 対向基板
2 対向電極
3 アレイ基板配向膜
4 液晶分子
5 対向基板配向膜
6 画素電極6
7 TFTスイッチ
8 TFTアレイ基板
9 リセット電圧が印加され液晶分子
10 バックフローを起こした液晶分子

Claims (6)

  1. 互いに対向する基板間にツイストネマティック液晶層を備えた液晶表示素子を備える液晶表示装置において、
    前記ツイストネマティック液晶層は、電界が印加されていない状態で液晶分子が基板面に対して実質的に平行で且つ分子の配列が捩れているとともに、前記液晶分子のねじれピッチpと前記ツイストネマティック液晶層の厚みdとの間にp/d>10の関係を有し、
    表示データの書き込みに先立って前記液晶分子を基板面に対して立たせるリセット電圧を印加し、その後、リセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 少なくとも一方の基板側に、前記液晶分子のプレチルト角方向のアンカリング強度が弱くなる配向膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 温度検出器を備えるとともに、基準温度より低温のときのみに、表示データの書き込みに先立って前記液晶分子を基板面に対して立たせるリセット電圧を印加し、その後、リセット電圧と表示データの書き込み電圧によりバックフロー効果を生じさせて、データ表示を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記リセット電圧がオーバードライブ駆動を用いて印加されることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記リセット電圧がコモン電圧を変調する駆動方法で印加されることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶表示素子がフィールドシーケンシャル駆動されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102417157A (zh) * 2011-09-21 2012-04-18 河南工业大学 用于mems的液晶微流体驱动与控制方法
CN105129721A (zh) * 2015-09-10 2015-12-09 上海理工大学 基于液晶背流效应的微驱动器、驱动装置及其动态性能测量装置

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