JP2007031320A - 殺虫効果の向上した農園芸用水性懸濁状農薬製剤 - Google Patents

殺虫効果の向上した農園芸用水性懸濁状農薬製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】殺虫効果が高く、また高温域における製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れた水性懸濁状農薬製剤を提供すること。
【解決手段】殺虫活性成分、クラフトリグニンおよび植物油もしくは植物油由来の高級脂肪酸を含むことを特徴とする、水性懸濁状農薬製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、殺虫効果の向上した農園芸用水性懸濁状農薬製剤に関する。
水性懸濁状農薬製剤(フロアブル)については、従来より、貯蔵中に分散質が沈降したり、分離することのない安定な、また病害虫防除効果の向上された水性懸濁状農薬製剤を得るために、製剤に含有させる種々の界面活性剤、増粘剤、有機溶剤などについて多くの研究が行われてきている。
その水性懸濁状製剤に含有させる成分のひとつとして、アルカリリグニンの一種であるクラフトリグニンがあり、従来より分散剤として知られている。その使用例としては、次のものがある。
(1)農薬の作物に対する毒性緩和剤として使用することで、農薬の散布に起因する害から作物を効果的に保護できる(特許文献1参照)。
(2)不水溶性のアルカリリグニンと、農薬活性成分とを、農薬活性成分の融点以下に加熱して剪断力を加えて混合することにより、解離持続性を有する農薬混合物が得られる(特許文献2参照)。
(3)農薬製剤に、分散剤であるクラフトリグニンとともに、固体有機酸を配合すると、アルカリ性で分解する農薬有効成分が安定化されるとともに、クラフトリグニンの分散性が十分に発揮される(特許文献3参照)。
(4)従来のアルキルフェノールエトキシレート(APE)の特性が改善された界面活性剤として、(a)アルコキシル化ポリアリール化フェノールリン酸エステルと、(b)アルコキシル化リグノスルホン酸塩(すなわちアルコキシル化したクラフトリグニン)との組み合わせての使用が、農薬の水性懸濁濃縮物において優れた性能を与える(特許文献4参照)。
しかしながら、これらの文献中に記載の方法によっては、まだ十分な生物効果が得られないなど、満足のいく水性懸濁状農薬製剤が得られていないのが現状である。
一方、植物油、高級脂肪酸あるいはその誘導体を液状農薬製剤に用いた技術としては、油に可溶性の酸(例えばオレイン酸)と水に可溶性の酸(例えばクエン酸)を含む緩衝剤を使った殺菌剤組成物(フロアブル)に関するもの(特許文献5参照)、植物系油と8−オキシキノリン銅を用いた、油系フロアブルを含む殺菌剤組成物に関するもの(特許文献6参照)、植物油脂肪酸エステルを懸濁安定化剤として用いた水性懸濁状農薬に関するもの(特許文献7参照)、プロピレングリコールメチルエーテル等のアルキレングリコールアルキルエーテルと高級脂肪酸を効果増強剤として用いた液状殺虫製剤に関するもの(特許文献8参照)などがあげられる。
しかしながら、これらの技術で水性懸濁状農薬製剤を調製した場合、高温域における製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性が十分ではなく、得られる生物効果も十分ではない。
特開昭57−150602号公報 特公昭60−50761号公報 特開平8−277201号公報 特表2003−509445号公報 特開2001−64109号公報 特開平11−1408号公報 特開平10−7504号公報 特許第3115137号公報
本発明は、上記した従来の水性懸濁状農薬製剤が有していた問題点のない、殺虫効果が高く、また、高温域における製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れた水性懸濁状農薬製剤を提供することを目的とする。
発明者らは、このような目的を達成するために鋭意研究した。その結果、殺虫性農薬活性成分、クラフトリグニンおよび植物油もしくは植物油由来の高級脂肪酸を含む水性懸濁状農薬製剤が、極めて優れた殺虫効果、製剤懸濁安定性および水希釈時の分散性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の水性懸濁状農薬製剤は、優れた殺虫作用を示す。また、製剤の懸濁安定性がよく、長期にわたる保存が可能であると同時に、水希釈時の分散性にも優れる。
以下、本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用できる殺虫性農薬成分は特に限定されるものではなく、例えば以下のものが用いられる。
MPP、MEP、ECP、ピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、フロルピリホスメチル、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、プロフェノホス、マラソン、PAP、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホサロン、PMP、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、DDVP、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、NAC、MTMC、BPMC、PHC、XMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、チオジカルブ、アラニカルブ、アレスリン、レスメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブフロフェジン、フェノキシカルブ、除虫菊、デリス、硫酸ニコチン、マシン油、CPCBS、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、BPPS、キノキサリン、アミトラズ、ベンゾメート、フェノチオカルブ、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ジエノクロル、フェンピロキシメート、フルアジナム、ピリダベン、クロフェンテジン、DPC、ポリナフチン複合体、ミルベメクチン、DCIP、ダゾメット、ベンゾエピン、メタアルデヒド、DCV、BT、フェントロチオン、など。
なお、上記の殺虫性農薬活性成分は単独で、あるいは2種類以上用いてもよく、水性懸濁状農薬製剤への添加量は、0.1〜60重量%、好ましくは2〜50重量%の範囲である。上記の農薬活性成分名は、「農薬ハンドブック2001年度版」(社団法人 日本植物防疫協会 平成13年11月1日発行)などに記載の一般名である。
本発明で用いるクラフトリグニンとは、針葉樹のみを使ったクラフトパルプ液から分離、精製されるものであり、一般的なリグニン化合物、たとえば、広葉樹(ハードウッド)と針葉樹(ソフトウッド)の両方を含むサルファイトリグニンなどとは異なる特徴を持つ。すなわち、クラフトリグニンは分散性に優れた界面活性剤であり、水性懸濁状農薬の懸濁安定性や水希釈時の分散性の向上に寄与している。本発明のクラフトリグニンは陰イオン界面活性剤として、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ金属土類金属(マグネシウム、カルシウム)などの塩の形で用いられる。また、使用前に公知の方法にしたがつて調製したものや、市販品のものをそのまま用いることもできる。市販品の例としてその一部をあげると、POLYFON H、POLYFON O、POLYFON F、POLYFON T、KRAFTSPERSE DD−5、KRAFTSPERSE DD−8、KRAFTSPERSE DW−5、KRAFTSPERSE DW−8、REAX 100M、REAX 45A、REAX 45DA(以上、Westvaco社製の商品名)などがあるが、これらだけに限定されるものではない。クラフトリグニンは、スルホン酸化度すなわちリグニン中のスルホン酸の割合によって性質が異なっており、これらは使用する原体の種類などに応じて適宜選択して使用すればよく、これらの1種または2種以上を使用しても何ら問題ない。クラフトリグニンの農薬製剤への添加量は、0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。
本発明において、クラフトリグニンと共に、通常用いられる界面活性剤を併用しても何ら問題ない。使用できる界面活性剤としては、例えば以下の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤があげられる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ−テル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−デシン−4,7−ジオールなど)などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
陰イオン性界面活性剤の例としては、ポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
なお、これらの界面活性剤のうち、1種または2種類以上を使用してもよく、そして水性懸濁状農薬製剤への添加量は、0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
本発明で用いられる植物油または植物油由来の高級脂肪酸は、水性懸濁状農薬製剤に添加した場合、水性懸濁状農薬製剤中の農薬活性成分や他の補助成分の沈降を防止する作用がある。
これらの植物油として例えば以下のものをあげることができる。
あまに油、えの油、麻実油、桐油、大豆油、綿実油、ごま油、菜種油、落花生油、つばき油、オリーブ油、コーン油、米ぬか油、ヒマワリ油、やし油、ヒマシ油などがあげられる。
また、植物油由来の高級脂肪酸の例としては、例えば、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルチミン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リノレイン酸、カプリン酸、カプリル酸、エレオステアリン酸などがあげられる。これらは1種類または2種類以上を組み合わせてもよく、農薬製剤への添加量は有効成分1重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
水性懸濁状農薬製剤中の農薬活性成分やその他分散質の沈降を防止するため、植物油または植物油由来の高級脂肪酸を添加し、界面活性剤として、クラフトリグニンを併用することで水中分散が良好で製剤懸濁安定性に優れた水性懸濁製剤が得られると同時に、虫体、植物体への農薬活性成分の付着性が改善され、害虫防除に極めて優れた活性を示す。また、高い殺虫効果が長期にわたって持続する。
本発明の水性懸濁状農薬製剤は、必要に応じて、水溶性高分子、天然あるいは合成の鉱物質系増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防バイ剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの補助剤を添加してもよい。
具体的には以下の例があげられるが、本発明において使用できる補助剤はそれらの例に限定されるものではない。
水溶性高分子:デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、カラナーギン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、アラビノガラクタン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン、など。
鉱物質系増粘剤:コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、など。
凍結防止剤:エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、など。
消泡剤:シリコーン系消泡剤(例えばジメチルポリシロキサンなど)、脂肪族系化合物、など。
防バイ剤:ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ-メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチル、など。
本発明の殺虫性水性懸濁状農薬製剤の調製方法は特に限定されず、以下のような方法で調製すればよい。すなわち、具体的には、水に殺虫性農薬活性成分、クラフトリグニン、植物油または植物油由来の高級脂肪酸、必要に応じて界面活性剤、増粘剤、凍結防止剤、溶剤、防バイ剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの補助剤を加え、混合攪拌(ホモミキサーなど)する。必要であれば、さらに増粘剤および/または水を加え、製剤粘度を調整し、本発明の水性懸濁状農薬製剤とする。
本発明の殺虫性水性懸濁状農薬製剤は、そのままの形で、あるいは水に希釈して用いることができる。また、処理方法については特に限定されず、農薬活性成分に応じて適当な公知の方法で処理できる。具体的には、植物体や害虫への直接散布、土壌中への灌注処理、水田への水面施用、種籾への浸種または吹きつけ、空中散布、地上液剤少量散布(パンフルスプレー、ブームスプレーヤーなど)などがあげられる。また、いずれの処理方法、希釈形態においても、本発明の水性懸濁状農薬製剤は、水希釈時の分散性に優れ、高い殺虫効果を有する。
次に本発明の水性懸濁状農薬製剤について、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例において「部」とはすべて「重量部」の意味である。
水42.9部に、MEP25部、POLYFON H(クラフトリグニンスルホン酸のナトリウム塩、Westvaco社製の商品名)2部およびプロピレングリコール5部を加えて混合し、あらかじめ溶解させておいたポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加数18)5部とオレイン酸20部(有効成分1重量部に対して0.8重量部)との混合液を加え、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名)にて5000r.p.mで10分間攪拌混合した。その後、得られた攪拌混合物にキサンタンガム0.1部を加え、スターラーにて30分間攪拌混合し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、POLYFON H 2部を、REAX 45DA(クラフトリグニンスルホン酸のナトリウム塩、Westvaco社製の商品名)2部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、オレイン酸20部を、ひまし油20部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、POLYFON Hの添加量を2部から5部に増量し、水の添加量を42.9部から39.9部とした以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、POLYFON Hの添加量を2部から0.5部に減量し、オレイン酸20部を大豆油20部におきかえ、水の添加量を42.9部から44.4部とした。それ以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、MEPの添加量を25部から10部に減量し、POLYFON Hの添加量を2部から10部に増量し、オレイン酸20部を、ひまし油10部(有効成分1重量部に対して1.0重量部)におきかえ、水の添加量を42.9部から59.9部とした。それ以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例6において、POLYFON Hの添加量を10部から20部に増量し、ひまし油10部を、オレイン酸10部におきかえ、水の添加量を59.9部から49.9部とした。それ以外は、実施例6と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た
実施例1において、MEPの添加量を25部から5部に減量し、オレイン酸の添加量を20部から30部(有効成分1重量部に対して6.0重量部)に増量し、水の添加量を42.9部から52.9部とした。それ以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、オレイン酸の添加量を20部から5部(有効成分1重量部に対して0.2重量部)に減量し、水の添加量を42.9部から57.9部とした以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例8において、MEPの添加量を5部から2部(オレイン酸の添加量は有効成分1重量部に対して15重量部)に減量し、水の添加量を42.9部から55.9部とした以外は、実施例8と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、POLYFON H 2部を、REAX 100M(クラフトリグニンスルホン酸のナトリウム塩、Westvaco社製の商品名)2部におきかえ、オレイン酸20部を、菜種油20部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、POLYFON H 2部をREAX 45DA 5部におきかえ、オレイン酸20部を、大豆油20部におきかえ、水の添加量を42.9部から39.9部とした。それ以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、MEPの添加量を25部から20部(オレイン酸の添加量は有効成分1重量部に対して1.0重量部)に減量し、陰イオン界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩 5部を加えた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、オレイン酸の添加量を20部から15部(有効成分1重量部に対して0.6重量部)に減量し、水の添加量を42.9部から47.9部とした以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、オレイン酸20部を、ひまし油20部におきかえ、キサンタンガム0.1部を、グアーガム0.1部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、MEP25部を、NAC20部(オレイン酸の添加量は有効成分1重量部に対して1.0重量部)におきかえ、水の添加量を42.9部から47.9部にした以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例16において、POLYFON H 2部をPOLYFON O(クラフトリグニンスルホン酸のナトリウム塩、Westvaco社製の商品名) 2部におきかえた以外は、実施例16と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例16において、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル5部を、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル5部に、オレイン酸20部を、大豆油20部におきかえた以外は、実施例16と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例16において、オレイン酸20部を、ひまし油30部(有効成分1重量部に対して1.5重量部)とし、水の添加量を47.9部から37.9部とした以外は、実施例16と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例1において、MEP25部を、BPMC25部におきかえ、オレイン酸20部を、菜種油20部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例20において、POLYFON H 2部を、REAX 45DA 2部におきかえ、菜種油20部を、オレイン酸20部におきかえた以外は、実施例20と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例20において、菜種油20部を、ひまし油20部におきかえた以外は、実施例20と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
実施例20にさらに陰イオン界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩5部を加え、水の添加量を42.9部から37.9部とした以外は、実施例20と同様に調製し、本発明の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例1
実施例1において、POLYFON Hおよびオレイン酸を添加せず、水の添加量を42.9部から64.9部とした以外は実施例1と同様に調製し、比較例1の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例2
実施例1において、POLYFON Hを添加せず、水の添加量を42.9部から44.9部とした以外は実施例1と同様に調製し、比較例2の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例3
比較例2において、オレイン酸20部を、大豆油30部(有効成分1重量部に対して1.2重量部)におきかえ、水の添加量を44.9部から34.9部とした以外は、比較例2と同様に調製し、比較例3の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例4
実施例1において、POLYFON H 2部を、リグニンスルホン酸ナトリウム(日本製紙(株)製の商品名 サンエキスP−252)2部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、比較例4の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例5
実施例1において、POLYFON H 2部を、リグニンスルホン酸カルシウム(日本製紙(株)製の商品名 サンエキスP−201)2部におきかえ、オレイン酸20部を、大豆油20部におきかえた以外は、実施例1と同様に調製し、比較例5の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例6
実施例1において、オレイン酸を添加せず、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル5部を、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル5部におきかえ、水の添加量を42.9部から62.9部とした以外は、実施例1と同様に調製し、比較例6の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例7
実施例1において、オレイン酸20部を、大豆油1部(有効成分1重量部に対して0.04重量部)におきかえ、水の添加量を42.9部から61.9部とした以外は、実施例1と同様に調製し、比較例7の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例8
比較例7において、MEPの添加量を25部から2部に減量し、大豆油の添加量を1部から50部(有効成分1重量部に対して25重量部)に増量し、水の添加量を61.9部から35.9部とした。それ以外は、比較例7と同様に調製し、比較例8の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例9
実施例7において、POLYFON Hの添加量を20部から40部に増量し、水の添加量を49.9部から29.9部とした以外は、実施例7と同様に調製し、比較例9の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例10
比較例2において、MEP25部を、NAC20部(オレイン酸の添加量は有効成分1重量部に対して1.0重量部)におきかえ、水の添加量を44.9部から49.9部とした以外は、比較例2と同様に調製し、比較例10の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例11
比較例10において、オレイン酸20部を、ひまし油20部におきかえた以外は、比較例10と同様に調製し、比較例11の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例12
比較例6において、MEP25部を、NAC20部におきかえ、POLYFON H 2部を、REAX 45DA 2部におきかえ、水の添加量を62.9部から67.9部とした。それ以外は、比較例6と同様に調製し、比較例12の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例13
比較例2において、MEP25部を、BPMC25部におきかえた以外は、比較例2と同様に調製し、比較例13の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例14
比較例11において、オレイン酸20部を、菜種油20部におきかえた以外は、比較例11と同様に調製し、比較例14の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例15
比較例6において、MEP25部を、BPMC25部におきかえた以外は、比較例6と同様に調製し、比較例15の水性懸濁状農薬製剤を得た。
比較例16
実施例1において、MEP25部を、BPMC25部におきかえ、POLYFON Hの添加量を2部から0.05部に減量し、水の添加量を42.9部から44.85部とした。それ以外は、実施例1と同様に調製し、比較例16の水性懸濁状農薬製剤を得た。
試験例1 茶のチャハマキに対する殺虫効果
直径30cmのプラスチック製ポットで栽培した茶苗木(品種:やぶきた)をターンテーブルの上に置き、そこに実施例1〜19および比較例1〜12により調製した水性懸濁状農薬製剤の所定濃度希釈液を10アールあたり200Lの割合でスプレーガンにより散布した。
これを風乾させたあと、ポットをガラス温室内に置き、散布当日および散布3日後に処理苗葉を切り取り、直径9cmのプラスチックシャーレに入れた。この中に、チャハマキの3令幼虫を10頭ずつ放虫し、25℃下に置く。放虫3日後に幼虫の死亡数を調べ、死虫率(%)を求めた。
本試験は3連制で実施し、平均死虫率を算出した。
試験例2 イネのヒメトビウンカに対する殺虫効果
1/10,000アール相当のポットで栽培した、5〜6葉期のイネ(品種:コシヒカリ)をターンテーブルの上に置き、そこに実施例20〜23および比較例13〜16により調製した水性懸濁状農薬製剤の所定濃度希釈液を10アールあたり100Lの割合でスプレーガンにより散布した。
これを風乾させたあと、ポットをガラス温室内に置き、散布当日および散布3日後に処理イネを直径3cm、長さ20cmの試験管に入れた。この中に、ヒメトビウンカの3令幼虫を10頭ずつ放虫し、25℃下に置いた。放虫3日後に幼虫の死亡数を調べ、死虫率(%)を求めた。
本試験は3連制で実施し、平均死虫率を算出した。
試験例3 製剤懸濁安定性試験
実施例1〜23および比較例1〜16で調製した水性懸濁農薬製剤を、容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に30ml入れ、密栓をし、50℃の恒温器中に静置した。そして、1か月後に、試験管中に該製剤が下層に沈降し、上層に生じた水層(上スキ層)と全層の高さ(cm)を測定して、下記式により算出した。
Figure 2007031320
試験例4 水中分散性試験
3度硬水を99ml入れた100ml容有栓シリンダー(高さ25cmのもの)に実施例1〜23および試験例1〜16で調製した水性懸濁状農薬製剤1gを加えた後、20回倒立させ、分散直後の薬液の凝集および未分散粒子の有無を次の評価基準で確認した。
なお、倒立とは、有栓シリンダーを180℃回転し、次いで元の状態に戻す操作を約2秒間で1回の割合で行うことを意味する。
評価基準
○:凝集および未分散粒子なし
△:凝集および未分散粒子が若干認められる
×:凝集および未分散粒子が認められる
試験例1〜4の試験結果を表1に示す。
Figure 2007031320

Claims (1)

  1. 殺虫性農薬活性成分、クラフトリグニンおよび植物油もしくは植物油由来の高級脂肪酸を含むことを特徴とする、水性懸濁状農薬製剤。
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