JP2007030812A - ガラスラン - Google Patents

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智 土岐
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Abstract

【課題】ドアガラスが少し開いた状態、又は全開した状態でもドアガラスを保持し、ガタツキや異音の発生を防止したガラスランを提供する。
【解決手段】ガラスラン10のリヤ側部11cにおけるリヤ側コーナー部の型成形部12bから100mm下方の領域で、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70が、型成形部から連続して延出している。この補強部70は車内側シールリップ60の根元から先端にかけて、その1/2の範囲に設けられている。また、補強部は型成形部と同じ材料で型成形時に同時に形成され、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に補強部が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内するとともに、ドアフレームとドアガラスの間をシールするガラスランに関するものである。
図5に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。その従来の断面構造を図6に示す。図6は、図5のZ−Z線に沿った部位での断面図である。
従来、ガラスラン110は、ドアフレーム2のチャンネル3内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。ガラスラン110は、押出成形により成形された直線状の押出成形部分をドアフレーム2のコーナー部等の形状に合わせて形成する型成形部で接続されている。
ガラスラン110は、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状の本体部を有している。車内側側壁130の先端付近から車内側シールリップ160が上記断面略コ字状の本体部の内側に向けて延出するように設けられている。また、車外側側壁120にもその先端付近から車外側シールリップ150が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。
なお、上記底壁140の横方向の外面またはその近傍からは、外側に向かって保持リップ170、180が突出されている。
そして、車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140の本体部がチャンネル3内に挿入され、各壁の外面の一部がチャンネル3の内面に当接されるとともに、上記保持リップ170、180によってガラスラン110がチャンネル3内に保持されている。
ドアガラス5は、ガラスラン110の断面略コ字状の本体部の内側を摺動するとともに、上記車外側シールリップ150と車内側シールリップ160によってその端部の両側面がシールされて保持されている。このため、両シールリップ150、160は、エチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体(EPDM)(以下、EPDMと略す)のソリッドゴム等の比較的硬質のソリッド材で形成されるとともに、そのドアガラス5との接触面側には、ドアガラス5との摺動を良好にするために摺動層190、200が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
ドアガラス5を閉じる時、パワーウインド等の駆動によってドアガラス5が上昇し、ドアガラス5の上端がドアフレーム2の上辺部に装着したガラスラン110のルーフ部内に進入し、上記車外側シールリップ150と車内側シールリップ160によってガラスラン110の上端部が保持される。
しかし、車内の換気等のため、ドアガラス5は下げられることがある。ドアガラス5が若干下げられたときは、ドアガラス5の上端は、ガラスラン110のルーフ部から外れる。
また、ドアガラス5を全開にするように最も下方に下げられ、ドアガラス5がドア1内に収納される場合、ドアガラス5の上端は、ガラスラン110やベルトラインBL部位に装着されているドアガラスウエザストリップ(図示せず)に保持されなく、フリーの状態となり、ドアガラス5の側端がドア1内のガラスラン110のリヤ側部とフロント側部のみにより保持される場合がある。
リヤ側部とフロント側部は、ドアガラス5が円滑に昇降するためにその各側壁120、130とドアガラス5との間に若干のクリアランスが設けられており、また、車内側シールリップ160と車外側シールリップ150は変形しやすく、自動車の走行時、あるいはドア1を強く閉めた時等に、ドアガラス5が大きく振動する場合がある。このため、ガラスラン110の各側壁120、130と各シールリップ150、160がそれぞれ接触し、異音が発生したり、ドアガラス5との間に振動音が発生したりする。
このため、図7に示すように、ガラスラン110の各側壁120、130と各シールリップ150、160の間にサブリップ210や突出部を形成して、各シールリップ150、160をそれぞれ支えてドアガラス5の大きな振動を防止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、単にサブリップ210や突出部を押出成形で形成した場合には、ガラスラン110の側部全体にサブリップ210や突出部を連続して形成することとなり、ドアガラス5の昇降時にサブリップ210や突出部がシールリップ150、160を支えるように働き、その結果、ドアガラス5の昇降時の摺動抵抗が増加することとなる。さらに、サブリップ210や突出部を後から各側壁120、130に接合する場合には、余分な作業が増えることとなる。
また、上記のように、ドア1のベルトラインBLよりも下の部分では、ドアガラス5がドア1内に入った場合(ドアガラス5の全開時)のドアガラス5の上端がドアガラスウエザストリップで保持されない場合がある。この場合、前後の側部だけでのドアガラス5の保持となり、保持力が不十分となって、ドア1の強閉時には、ドアガラス5がガラスラン110内で大きく振動することとなっていた。
特開2002−67700号公報 特許第3412551号公報
このため、本発明は、ドアガラスが少し開いた状態(ドアガラスの上端がドアフレームの上辺部から外れた状態)でも、あるいは全開した状態でもドアガラスを保持し、ドアガラスの昇降時においても摺動抵抗を増加させることなく、ガタツキや異音の発生を防止したガラスランを提供することを目的とするものである。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部と、から形成されるとともに、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、車外側側壁と車内側側壁の先端から断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、フロント側部またはリヤ側部のフロント側コーナー部またはリヤ側コーナー部の型成形部から若干下方の領域で、少なくとも車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部をコーナー部の型成形部から延出させるとともに、補強部を車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成したことを特徴とするガラスラン。
上記手段1によれば、ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部と、から形成されるとともに、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、車外側側壁と車内側側壁の先端から断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、フロント側部またはリヤ側部のフロント側コーナー部またはリヤ側コーナー部の型成形部から若干下方の領域で、少なくとも車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部をコーナー部の型成形部から延出させるとともに、補強部を車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成した。
このため、ドアガラスが若干下がり、その上端がドアフレームの上辺部から外れても、コーナー部の型成形部から若干下方の領域で、少なくとも車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部が、コーナー部の型成形部から延出されているので、この補強部により車内側シールリップを介してドアガラスの側端の上部を保持することができる。
従って、ドアガラスが少し開いた状態のときにおいてもドアガラスのガタツキや異音の発生を防止することができる。また、補強部はコーナー部の型成形部から延出させているので、その製造が容易である。
さらに、型成形部には、補強部が設けられておらず、しかも押出成形の車内側シールリップでは、その先端のリップ状が維持された形状に補強部が形成されているので、ドアガラスの昇降時においても摺動抵抗を増加させることなく、ガタツキや異音の発生を防止することができる。
手段2.ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部とから形成され、リヤ側部はベルトライン部位の若干下方の位置で上リヤ側部と下リヤ側部を連結する型接続部を有し、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、車外側側壁と車内側側壁の先端から断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、リヤ側部の型接続部から若干下方の領域に車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部を型接続部から延出させるとともに、補強部を車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成したことを特徴とするガラスラン。
上記手段2によれば、ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部とから形成され、リヤ側部はベルトライン部位の若干下方の位置で上リヤ側部と下リヤ側部を連結する型接続部を有し、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、車外側側壁と車内側側壁の先端から断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、リヤ側部の型接続部から若干下方の領域に車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部を型接続部から延出させるとともに、補強部を車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成した。
このため、ドアガラスが完全に開かれてドア内に下げられ、その上端がドアガラスウエザストリップから外れても、リヤ側部の型接続部から若干下方の領域に車内側側壁の内面と車内側シールリップの内面の間を充填する補強部を型接続部から延出されているので、この補強部により車内側シールリップを介してドアガラスの側端の上部を保持することができる。また、補強部を車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成したので、ドアガラスの昇降時においても摺動抵抗を増加させることなく、ガタツキや異音の発生を防止したガラスランを得ることができる。また、補強部は型接続部から延出させているので、その製造が容易である。
なお、型接続部には、補強部が設けられておらず、しかも押出成形の車内側シールリップでは、その先端のリップ状が維持された形状に補強部が形成されているので、両部位においてドアガラスの昇降時に摺動抵抗が増加することがない。
手段3.ガラスランの本体部はエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、型成形部と補強部、又は型接続部と補強部は、本体部よりも硬質のエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成されるとともに、本体部と型成形部又は型接続部及び補強部とが一体に形成されていることを特徴とする手段1または手段2に記載のガラスラン。
上記手段3によれば、上記手段1又は上記手段2と同様の作用効果が奏されるとともに、ガラスランの本体部はエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、型成形部と補強部、又は型接続部と補強部は、本体部よりも硬質のエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成され、本体部と型成形部又は型接続部及び補強部とが一体に形成されているので、耐候性が良好であるオレフィン系の材料を使用することができ、リサイクルも容易である。
手段4.型成形部又は型接続部から下方に延出した補強部の領域は、30mm〜100mmであることを特徴とする手段1または手段2に記載のガラスラン。
上記手段4によれば、上記手段1又は上記手段2と同様の作用効果が奏されるとともに、型成形部又は型接続部から下方に延出した補強部の領域は、30mm〜100mmとしたので、ドアガラスの昇降時においてもその摺動抵抗を増加させることなく、振動によるガタツキや異音の発生を防止することができる。
本発明は、上記のように構成したので、ドアガラスが少し開き、ドアガラスの上端がドアフレームの上辺部から外れた状態の時でも、あるいはドアガラスが全開してドアガラスウエザストリップからドアガラスの上端が外れた状態の時でも、ドアガラスの側端の上部をガラスランが保持することができる。また、ドアガラスの昇降時において摺動抵抗を増加させることなく、ドアガラスの振動時のガタツキや異音の発生を防止したガラスランを得ることができる。
なお、車内側シールリップの表面には、摺動層が形成されているので、車内側シールリップを介して補強部が設けられることによって、ドアガラスとの間の摺動抵抗を増加させることなく、ドアガラスの昇降をスムーズに行うことができる。
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。
図5は自動車ドアの側面図である。図5に示すように自動車のドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、図1に示すように、ドアフレーム2は、1枚の板金からロールフォーミングによって形成され、ガラスラン10が装着される部分は板金を断面略コ字形に折り曲げて形成されたチャンネル3が形成されている。なお、チャンネル3はドアフレーム2を断面略コ字形に折り曲げて形成せず、別に形成した断面略コ字形の部材をドアフレーム2に装着したものでもよい。そして、チャンネル3にはガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
第1の実施の形態を、フロントのドア1のドアフレーム2のリヤ側縦辺部に装着されるガラスラン10を例にとり説明する。なお、フロント側縦辺部に装着されるガラスラン10や、リヤ側のドア1のフロント側縦辺部及びリヤ側縦辺部にも同様に本発明のガラスランを使用することができる。
ガラスラン10は、全体として押出成形で形成された略直線状の押出成形部11と、型成形で形成されて押出成形部11を接続するコーナー部の型成形部12と、型成形で形成されて押出成形部11を接続する型接続部13とを有している。
押出成形部11は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられるルーフ部11bと、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられるリヤ側部11cと、ドアフレーム2のフロント側縦辺部に取付けられるフロント側部11aとからなる。
なお、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられるリヤ側部11cは、ベルトライン部位BLの若干下方の位置で型接続部13によって接続されている上リヤ側部11dと下リヤ側部11eから形成されている。
コーナー部の型成形部12は、上記の押出成形部11(フロント側部11aとルーフ部11b、ルーフ部11bとリヤ側部11c)をドアフレーム2に対応した形状となるように成形して接続しており、ドアフレーム2のコーナー部に装着される部分となる。
なお、ガラスラン10におけるコーナー部の型成形部12は、ルーフ部11bとフロント側部11aを連結するフロント側コーナー部12aと、ルーフ部11bとリヤ側部11cを連結するリヤ側コーナー部12bである。
第1の実施の形態のガラスラン10のリヤ側部11cの断面形状は、図1に示すように、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されて本体部を構成している。なお、図1は、図5のX−X線に沿った部分の断面図である。
車内側側壁30の先端からは、EPDMソリッドゴムからなる湾曲状の車内側シールリップ60が上記断面略コ字状の本体部の内側に向けて延設されており、車内側カバー突起31が車内側側壁30の先端で車内方向に延設されている。
また、車外側側壁20の先端付近からは、同様に車外側シールリップ50が上記断面略コ字状の本体部の内側に向けて延設されており、車外側カバー突起21が車外側側壁20の先端で車外方向に延設されている。
なお、車外側シールリップ50と車内側シールリップ60によりドアガラス5の端部の車外側面及び車内側面をシールしている。
車内側側壁30の外面の一部と車内側カバー突起31の下面にチャンネル3の車内側側壁が当接されている。また、車外側側壁20の外面の一部と車外側カバー突起21の裏面にもチャンネル3の車外側側壁が当接されて、これらの構造でチャンネル3の先端をカバーするとともに、底壁40の外面との当接、及び保持リップ41、42、43による保持とを加えてガラスラン10をチャンネル3内に保持している。
なお、車内側シールリップ60のドアガラス5と当接する側の表面にはウレタン樹脂の摺動層65が設けられている。
また、車外側シールリップ50のドアガラス5と当接する側の表面にもウレタン樹脂等の摺動層55が設けられている。
なお、底壁40のガラスラン本体部の内側の表面にも摺動層が設けられており、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
ガラスラン10のリヤ側部11cにおけるリヤ側コーナー部の型成形部12bから30mm〜100mm下方の領域で、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70が、コーナー部の型成形部12bから連続して延出している。本実施の形態では、100mmの範囲に設けられている。この補強部70は車内側シールリップ60の根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設けられている。本実施の形態では、1/2の範囲に設けられている。
また、この補強部70は型成形部12bと同じ材料で型成形時に同時に形成されている。この型成形時には、リヤ側部11cの車内側シールリップ60の先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持されて補強部70が形成されている。
このため、車内側シールリップ60の先端は、裏面側の補強部70の存在にも関わらず可撓性を有し、ドアガラス5との間の摺動抵抗を増加させることなく、ドアガラス5の昇降をスムーズに行うことができる。
なお、ガラスラン10の本体部はエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体(EPDM)のソリッド材又は微発泡材で形成され、型成形部12bと補強部70は、本体部よりも硬質のEPDM又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成されるとともに、本体部(リヤ側部11c)と型成形部12bと補強部70とが一体に形成されている。
また、ガラスラン10の本体部の硬度は、例えば、JIS硬度HA80°程度であり、型成形部12b及び補強部70の硬度は、本体部の硬度よりも高く、例えば、JIS硬度HA85°〜90°のものを使用することができる。
ガラスラン10のリヤ側コーナー部の型成形部12bでの断面形状を図2に示す。なお、図2は図5のY−Y線に沿った部分の断面図である。
図2に示すように、リヤ側コーナー部の型成形部12bの断面形状は基本的には図1の断面形状と同じであるが、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70は設けられていない点と、車内側シールリップ60と車外側シールリップ50のドアガラス5と当接する側の表面にはウレタン樹脂の摺動層65、55も設けられていない点が異なっている。
通常、型成形部のシールリップには、ウレタン樹脂等の摺動層が設けられないため、この部分に補強部70を設けると、車内側シールリップ60の耐摩耗性が悪くなる。また、リヤ側コーナー部の型成形部12bは大部分が、ドアフレーム2の上辺部内に装着されるので、型成形部12bに補強部70を設けても、ドアガラス5が若干下げられてドアフレーム2の上辺部から外れた場合でのドアガラス5に振動抑制には効果が余りないために設けられていない。
次に、第2の実施の形態を、フロントのドア1のドアフレーム2のリヤ側縦辺部における装着される型接続部13近傍を例にとり説明する。
なお、型接続部13は、図5に示すように、ベルトラインBL部位の若干下方の位置でドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられるリヤ側部11cの上リヤ側部11dと下リヤ側部11eを接続している。
図3(a)に示すように、型接続部13の断面形状は、基本的には、図2に示したものと同じであり、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されて本体部を構成している。なお、図3(a)は、図5のV−V線に沿った部分の断面図である。
車内側側壁30の先端からは、EPDMソリッドゴムからなる湾曲状の車内側シールリップ60が上記断面略コ字状の本体部の内側に向けて延設されており、車外側側壁20の先端付近からは、同様に車外側シールリップ50が上記断面略コ字状の本体部の内側に向けて延設されているが、図2とは異なり、車内側カバー突起31、車外側カバー突起21及び保持リップ43は設けられていない。
また、摺動層55、65等も設けられていない。
車内側カバー突起31等が設けられていないのは、ドア1のドアパネル内のチャンネル3の幅等が小さく設定されているためであり、図2と同じ断面を使用することもできる。
図3(b)に、型接続部13よりさらに下方の所定領域における断面形状を示す。
図3(b)に示すように、その断面形状は基本的には、図3(a)に示したものと同じであるが、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70が設けられている点が異なっている。なお、図3(b)は、図5のW−W線に沿った部分の断面図である。
すなわち、第2の実施の形態のガラスラン10では、リヤ側部11cはベルトラインBL部位の若干下方の位置で上リヤ側部11dと下リヤ側部11eを連結する型接続部13を有し、この型接続部13から30mm〜100mm下方の領域で、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70が、型接続部13から連続して延出している。本実施の形態では、80mmの範囲に設けられている。この補強部70は車内側シールリップ60の根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設けられている。本実施の形態では、1/2の範囲に設けられている。
また、この補強部70は型接続部13と同じ材料で型成形時に同時に形成されている。この型成形時には、下リヤ側部11eの車内側シールリップ60の先端は型成形の材料を充足させないリップ状が維持された形状に形成して補強部70が形成されるものである。
このため、ドアガラス5が完全に開かれてドア1内に下げられ、その上端がドアガラスウエザストリップ(図示せず)から外れても、リヤ側部11cの型接続部13から80mm下方の領域に、車内側側壁30の内面と車内側シールリップ60の内面の間を充填する補強部70を型接続部から延出されているので、この補強部70により車内側シールリップ60を介してドアガラス5の側端の上部を保持することができる。また、補強部70を車内側シールリップ60の根元から先端にかけて、その1/2の範囲で設け、かつ、車内側シールリップ60の先端は型成形の材料を充足させないリップ状が維持された形状に形成したので、ドアガラス5の昇降時においても摺動抵抗を増加させることなく、ガタツキや異音の発生を防止したガラスラン10を得ることができる。
なお、補強部70は型接続部13から延出させているので、その製造が容易である。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記の実施の形態では、フロントドアに対応するガラスラン10について具体化しているが、リヤドア、スライドドア等の他のドアに設けられるガラスランについて適用することも可能である。
(b)上記の実施の形態では、ガラスラン10のリヤ側部に適用したものを示したが、ガラスラン10のフロント側部に適用させても良い。この場合、ドアガラス5の側端の上部をフロント側部とリヤ側部の両方で保持することができる。
また、図4に示すように、車内側カバー突起31と車外側カバー突起21が長く形成されてそれぞれモールリップとされ、プレスドアタイプのドアに装着されるガラスランに適用することも可能である。
(c)上記の実施の形態では、ガラスラン10の本体部等をEPDMソリッドゴムを使用したものを示したが、ガラスラン10の本体部等はオレフィン系の熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成しても良い。また、上記摺動層65等をオレフィン系の熱可塑性エラストマー又はオレフィン系の熱可塑性樹脂で、上記本体部と同時押出成形によってその表面に一体に形成しても良い。
この場合、全構成要素の材料を同じオレフィン系としたため、それぞれが剥離することなく強固に積層される。さらに、この場合、加硫工程が不要となるのでガラスランを容易に製造することができる。
(d)上記の実施の形態では、車内側シールリップ60の形状を湾曲状にしたものを示したが、シールリップは略平板状や、サブリップと併せて全体として略く字形に延出させても良い。
また、車外側シールリップ50側にも本発明を適用しても良く、さらに、上記の第1の実施の形態と第2の実施の形態をそれぞれ独立して適用させても良いし、上記のように両方を併せて適用しても良い。この場合、ドアガラス5が若干下げられた場合と、完全に下げられドアパネル内に収納された場合の両方に1本のガラスランで対応することができる。
本発明の第1の実施の形態のガラスラン10のリヤ側部11cの断面図であり、図5のX−X線に沿った部位での断面図である。 本発明の第1の実施の形態のガラスラン10のリヤ側コーナー部の型成形部12bの断面図であり、図5のY−Y線に沿った部位での断面図である。 本発明の第2の実施の形態のガラスラン10の断面図であり、(a)は、図5のV−V線に沿った部位での断面図、(b)は、図5のW−W線に沿った部位での断面図である。 本発明の他の実施の形態であるガラスランの断面図である。 自動車ドアの側面図である。 従来のガラスランの断面図であり、図5におけるZ−Z線に沿った部位での断面図である。 従来の他のガラスランの断面図である。
符号の説明
1 ドア
2 ドアフレーム
5 ドアガラス
10 ガラスラン
20 車外側側壁
30 車内側側壁
40 底壁
50 車外側シールリップ
55 摺動層
60 車内側シールリップ
65 摺動層
70 補強部

Claims (4)

  1. 自動車のドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内するガラスランにおいて、
    上記ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、上記ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、上記ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部と、から形成されるとともに、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、上記車外側側壁と車内側側壁の先端から上記断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
    上記フロント側部またはリヤ側部の上記フロント側コーナー部またはリヤ側コーナー部の型成形部から若干下方の領域で、少なくとも上記車内側側壁の内面と上記車内側シールリップの内面の間を充填する補強部を上記コーナー部の型成形部から延出させるとともに、該補強部を上記車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、上記車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成したことを特徴とするガラスラン。
  2. 自動車のドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内するガラスランにおいて、
    上記ガラスランは、ドアフレームの上辺部に装着されるルーフ部と、ドアフレームのフロント側縦辺部に装着されるフロント側部と、ドアフレームのリヤ側縦辺部に装着されるリヤ側部と、上記ルーフ部とフロント側部を連結するフロント側コーナー部の型成形部と、上記ルーフ部とリヤ側部を連結するリヤ側コーナー部の型成形部とから形成され、リヤ側部はベルトライン部位の若干下方の位置で上リヤ側部と下リヤ側部を連結する型接続部を有し、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体部を形成し、上記車外側側壁と車内側側壁の先端から上記断面略コ字形の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップをそれぞれ設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
    上記リヤ側部の型接続部から若干下方の領域に上記車内側側壁の内面と上記車内側シールリップの内面の間を充填する補強部を上記型接続部から延出させるとともに、該補強部を上記車内側シールリップの根元から先端にかけて、その1/4から2/3の範囲で設け、かつ、上記車内側シールリップの先端は型成形の材料を充足させないでリップ状が維持された形状に形成したことを特徴とするガラスラン。
  3. 上記ガラスランの本体部はエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、上記型成形部と補強部、又は上記型接続部と補強部は、上記本体部よりも硬質のエチレン・プロピレン・非共役ジエン・三元重合体、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成されるとともに、上記本体部と上記型成形部又は上記型接続部及び補強部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスラン。
  4. 上記型成形部又は上記型接続部から下方に延出した補強部の領域は、30mm〜100mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスラン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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