JP2007030546A - 自動二輪車両におけるabs制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動二輪車両のABS制御装置において、走行中でないにもかかわらずABS制御が誤って開始されてしまうことを防止する。
【解決手段】 ABS制御許可判定処理として、走行状態判定(ステップ100)、空吹かし判定(ステップ140)、ノイズ判定(ステップ160)を実行する。そして、メインスタンドが立てられていて自動二輪車両が走行し得ない状態である場合、エンジンの空吹かしと判定された場合、もしくはノイズの発生が検出された場合に、ABS制御が開始されることを禁止する。これにより、自動二輪車両のABS制御装置において、走行中でないにもかかわらずABS制御が誤って開始されてしまうことを防止することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動二輪車両において、前後輪それぞれに備えられた車輪速度センサからの検出信号を用いて前後輪の車輪速度および車体速度(推定車体速度)を求め、これら前後輪の車輪速度および車体速度に基づいてABS(アンチスキッド)制御を実行するABS制御装置に関するものである。
従来から知られている四輪車両用のABS制御装置では、各車輪の車輪速度を用いて車体速度を求め、その車体速度と各車輪の車輪速度の偏差((車体速度−車輪速度)/車体速度)が所定のしきい値を超えた場合に、ABS制御が開始されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このようなABS制御装置が自動二輪車両に対して適用される場合にも、同様に、車体速度と前後輪それぞれの車輪速度の偏差が所定のしきい値を超えた場合に、ABS制御が開始されるようにすることになる。
特開平11−304830号公報
しかしながら、自動二輪車両の場合、以下の問題が発生することが確認された。
例えば、メインスタンドが立てられた状態で車輪空転やエンジン空吹かしを行った場合等に発生するノイズ等により、従動輪の車輪速度センサの検出信号が影響を受け、車輪速度がゼロであるはずなのに、あたかも車輪速度が発生しているように演算されることがある。この様子は、図4のように表され、後輪の車輪空転によって車輪速度が発生しているときに、ノイズの影響を受けて、様々な値にばらついた車輪速度が求められる。例えば、約100Hzのノイズが従動輪となる前輪の車輪速度15km/hに相当するものとなる。
このような状況になった場合、一般的に、従動輪の車輪速度がそのまま車体速度として用いられることから、前輪の車輪速度に対応して車体速度も持ち上がる。この場合おいて、例えばノイズの影響が少なくなる等によって後輪の車輪速度が急激に低下すると、車体速度と前輪の車輪速度の偏差が所定のしきい値を超えてしまい、走行中でないにもかかわらずABS制御が開始されてしまう。
そして、ABS制御が一旦開始されてしまうと、一般的に車体速度が前後輪の車輪速度のうちの大きい方の値とされることから、その後は前輪の車輪速度が車体速度として用いられることになり、車体速度と後輪の車輪速度の偏差が所定のしきい値を超えた状態が継続してしまうことになる。
これにより、例えばABS制御中に減圧用のリザーバに逃がされたブレーキ液のポンプによる吐出圧が反力としてブレーキペダルやブレーキレバーに作用し、ドライバにブレーキペダルもしくはブレーキレバーが操作できないという板感を感じさせ、ブレーキフィーリングの低下を招くことになる。
本発明は上記点に鑑みて、自動二輪車両のABS制御装置において、走行中でないにもかかわらずABS制御が誤って開始されてしまうことを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、走行状態判定手段(100)により、自動二輪車両のメインスタンド(25)が立てられているか否かを検出するメインスタンド検出手段(26)の検出信号に基づいて、該自動二輪車両が走行し得えない状態であるか走行し得る状態であるかを判定し、走行状態判定手段(100)にて、自動二輪車両が走行し得ない状態であると判定された場合に、ABS制御禁止手段(110)によってABS制御が開始されることを禁止することを特徴としている。
このように、メインスタンド(25)が立てられている場合には、ABS制御が禁止されるようにしている。このため、仮に、メインスタンド(25)が立てられた状態で車輪空転やエンジン空吹かしを行った場合等に発生するノイズ等により、従動輪の車輪速度センサの検出信号が影響を受け、車輪速度がゼロであるはずなのに、あたかも車輪速度が発生しているように演算され、それを用いて求められた車体速度とその車輪速度の偏差が所定にしきい値を超えたとしても、ABS制御が開始されないようにすることができる。
これにより、自動二輪車両のABS制御装置において、走行中でないにもかかわらずABS制御が誤って開始されてしまうことを防止することが可能となる。そして、誤ってABS制御が開始されてしまった場合に、ドライバにブレーキレバー(11)もしくはブレーキペダル(12)が操作できないという板感を感じさせることを防げ、ブレーキフィーリングの低下を防止できる。
請求項2に記載の発明では、故障判定手段(120)によってメインスタンド検出手段(26)が故障しているか否かを判定し、メインスタンド検出手段(26)が故障していると判定された場合に、走行状態判定手段(100)にて自動二輪車両が走行し得ない状態であると判定されたとしても、ABS制御禁止手段(110)によるABS制御の開始の禁止を解除して、ABS制御許可手段(130)にてABS制御の開始を許可することを特徴としている。
このように、喩え走行状態判定手段(100)にて自動二輪車両が走行し得ない状態であると判定されたとしても、メインスタンド検出手段(26)が故障していると判定された場合は、ABS制御の開始を許可することができる。
例えば、請求項3に示されるように、故障判定手段(120)は、前輪(FW)の車輪速度と後輪(RW)の車輪速度の差が第1しきい値よりも小さく、かつ、前輪(FW)の車輪速度と後輪(RW)の車輪速度が第2しきい値以上である場合に、メインスタンド検出手段(26)が故障していると判定することができる。
請求項4に記載の発明では、空吹かし判定手段(140)により、自動二輪車両のエンジンの空吹かしが行われているか否かを判定し、空吹かしが行われていると判定された場合に、ABS制御禁止手段(150)にてABS制御が開始されることを禁止することを特徴としている。
このように、空吹かしが検出された場合にも、ABS制御が開始されることを禁止すれば、請求項1と同様の効果を得ることが可能となる。
例えば、請求項5に示されるように、空吹かし判定手段(140)は、前輪(FW)の車輪速度が第1しきい値以下になっており、かつ、後輪(RW)の車輪速度が第2しきい値以上になっている場合に、空吹かしが行われていると判定することができる。
請求項6に記載の発明では、ノイズ判定手段(160)により、前輪用車輪速度センサ(23)の検出信号にノイズが発生しているか否かを判定し、ノイズが発生していると判定された場合に、ABS制御禁止手段(170)にてABS制御が開始されることを禁止することを特徴としている。
このように、前輪用車輪速度センサ(23)の検出信号にノイズが検出されるような場合にも、ABS制御が開始されることを禁止すれば、請求項1と同様の効果を得ることが可能となる。
例えば、請求項7に示されるように、ノイズ判定手段(160)は、規定時間内における前輪(FW)の車輪速度と後輪(RW)の車輪速度との差のバラツキが規定値よりも大きい場合に、ノイズが発生していると判定することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態が適用された自動二輪車両用のABS制御装置1の全体構成を示したものである。このABS制御装置1は、前輪FWに対して制動力を発生させる第1配管系統と後輪RWに対して制動力を発生させる第2配管系統を有した構成となっている。
図1に示されるように、ABS制御装置1には、右側ハンドルに位置するブレーキレバー11と右足置き前方に位置するブレーキペダル12が備えられている。これらブレーキレバー11およびブレーキペダル12は、それぞれ前輪FWと後輪RWに対して制動力を発生させるためのブレーキ操作部材に相当するものであり、ドライバに独立して操作されるものである。これらブレーキレバー11およびブレーキペダル12は、図示しないマスタシリンダ(以下、M/Cという)などを介して、第1、第2配管系統を備えたブレーキ回路に接続されている。
ブレーキレバー11は、M/Cなどを介し、前輪FWに対して制動力を発生させる第1配管系統に接続されている。第1配管系統には、ブレーキレバー11の操作に応じたブレーキ液圧を発生させるM/Cに接続された主管路としての管路Aを有し、この管路Aを通じて前輪FWに備えられたホイールシリンダ(以下、W/Cという)13に接続されている。このため、ブレーキレバー11の操作に伴ってM/Cに発生させられたM/C圧は、管路Aを通じてW/C13に伝えられるようになっている。
また、管路Aには、減圧管路としての管路Bが接続されている。この管路Bにはリザーバ14が接続されていると共に、管路Bのうちリザーバ14よりも上流側、つまり管路A側には減圧制御弁15が配設されている。また、リザーバ14と管路Aとの間を結ぶように還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cにはリザーバ14から管路Aに向けてブレーキ液を吸入吐出するように、モータ16によって駆動されるポンプ17が設けられている。
リザーバ14は、所定容量までブレーキ液を流入させることができるように構成されている。このリザーバ14のリザーバ室14a内には、所定ストロークを有するピストン14bとリザーバ室14a内のブレーキ液を排出させる方向にピストン14bを付勢するスプリング14cが備えられている。
このように構成されたリザーバ14は、W/C13に対してW/C圧を発生させているブレーキ液を逃がし、ポンプ17での吸入が行われると収容したブレーキ液をポンプ17に向けて排出するようになっている。
減圧制御弁15は、例えばW/C13とリザーバ14の間の連通・遮断状態を制御できる常閉型2位置電磁弁により構成されている。この減圧制御弁15は、通常ブレーキ時には、非励磁状態であるため、常時遮断状態とされている。
一方、ブレーキペダル12は、M/Cなどを介して後輪RWに対して制動力を発生させる第2配管系統に接続されている。第2配管系統は、ブレーキペダル12の操作に応じたブレーキ液圧を発生させるM/Cに接続された主管路としての管路Dを有し、この管路Dを通じて後輪RWに備えられたW/C18に接続されている。この第2配管系統は、第1配管系統と同様の構成とされているため、個々の構成要素についての詳細説明は行わないが、それぞれ、管路Dが管路A、管路Eが管路B、管路Fが管路C、減圧制御弁19が減圧制御弁15、リザーバ20がリザーバ14、ポンプ21がポンプ17に相当するものとして備えられている。
また、ABS制御装置1には、ブレーキECU22が備えられている。このブレーキECU22がABS制御を実行する制御部として機能するものであり、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従ってABS制御処理などの各種処理が実行される。
このブレーキECU22からの電気信号に基づいて、上記のように構成されたABS制御装置1における各減圧制御弁15、19及びポンプ17、21を駆動するためのモータ16への電圧印加制御が実行されるようになっている。これにより、各W/C13、18に発生させられるW/C圧が制御されるようになっている。
また、ABS制御装置1には、車輪速度センサ23、24も備えられている。車輪速度センサ23、24は、前輪FWおよび後輪RWそれぞれに対応して配設され、前輪FWおよび後輪RWの回転速度、すなわち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号をブレーキECU22に向けて出力する。このため、ブレーキECU22では、各車輪速度センサ23、24からの検出信号に基づいて、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度を求めると共に、この車輪速度を用いて車体速度を求め、これらに基づいてABS制御が実行されるようになっている。
さらに、ABS制御装置1には、自動二輪車両に備えられたメインスタンド25が立てられているか否かを検出するメインスタンドスイッチ26も備えられている。メインスタンドスイッチ26は、メインスタンド25に対応して配設され、メインスタンド25が立てられた状態になっているか否か、つまり自動二輪車両が走行し得ない状態か走行し得る状態かを示す検出信号をブレーキECU22に向けて出力する。
以上のようにして、本実施形態に示す自動二輪車両用のABS制御装置1が構成されている。
このように構成されるABS制御装置1では、例えば、ABS制御が実行されない通常のブレーキ時には、ブレーキECU22から減圧制御弁15、19およびモータ16を駆動するための制御電圧が印加されず、ブレーキレバー11やブレーキペダル12での操作量に応じたW/C圧が各W/C13、18に発生させられることになる。これにより、ブレーキレバー11やブレーキペダル12に応じた制動力が前輪FWや後輪RWに発させられる。
また、ABS制御時には、必要に応じて、ブレーキECU22から減圧制御弁15、19およびモータ16を駆動するための制御電圧が印加され、その印加電圧に応じて各減圧制御弁15、19が駆動されると共に、モータ16が駆動される。これにより、管路B、Eを通じて管路A、Dとリザーバ14、18が連通状態になり、各W/C13、18に発生させられたW/C圧が減少させられ、車輪スリップが抑制されることで車輪ロックを回避することが可能となる。
このようなABS制御を実行するにあたり、本実施形態のABS制御装置1では、ABS制御を実行しても構わないか否か判定を行うABS制御許可判定処理が実行される。以下、このABS制御許可判定処理について説明する。なお、本実施形態のABS制御装置1のうち、従来と異なる部分はこのABS制御許可判定処理についてであり、ABS制御処理そのものについては従来と同じものであるため、異なる部分となるABS制御許可判定処理についてのみ説明する。
図2は、本実施形態のABS制御装置1におけるブレーキECU22で実行されるABS制御許可判定処理のフローチャートである。この処理は、例えばイグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切替えられたあと、所定の演算周期(例えば、60msもしくは80ms)毎に実行される。
まず、ステップ100では、自動二輪車両が走行できる状態であるか否かを判定する走行状態判定が行われる。具体的には、メインスタンド25が立てられているか否かが判定される。この判定は、メインスタンドスイッチ26の検出信号に基づいて行われる。そして、メインスタンド25が立てられていると判定された場合には、自動二輪車両が走行できる状態ではないものとして、ステップ110に進み、ABS制御禁止処理が実行される。例えば、ABS制御禁止フラグをセットするなどにより、ブレーキECU22におけるRAMにその旨を記憶させる。
次いで、ステップ120に進み、メインスタンドスイッチ故障判定が行われる。具体的には、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度および前輪FWおよび後輪RWの車輪速度の差が求められ、前後の車輪速度の差が予め設定された規定値(第1しきい値)よりも小さく、かつ、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度が規定値(第2しきい値)以上であるか否かが判定される。
つまり、メインスタンド25が立てられ、後輪RWが浮かされたような状態の場合には、基本的には上述したノイズの影響を除いて前輪FWの車輪速度が高くなることはない。このため、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度が規定値以上になった場合、ノイズの影響もしくはメインスタンドスイッチ26の故障が要因となってこのような状況が生じているものと想定し、さらに、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度の差が小さければ、それがノイズの影響ではなくメインスタンドスイッチ26の故障が要因により生じているものと判定する。
したがって、ステップ120で否定判定された場合には、メインスタンドスイッチ26の故障はなく、前輪FWの車輪速度が高くなっていたとしても、それはノイズの影響によるものであるとして、そのまま処理が終了させられる。このため、この場合には、メインスタンド25が立てられているためにABS制御禁止フラグがセットされたままの状態となり、ABS制御が開始されないようにされる。
逆に、ステップ120で肯定判定された場合には、メインスタンドスイッチ26の故障であるものとして、一旦ステップ110でABS制御禁止処理が実行されたものの、それは誤りであったものとして、ステップ130に進む。これにより、ABS制御許可処理が実行される。したがって、ABS制御禁止フラグがリセットされ、ABS制御が開始可能な状態となる。
一方、ステップ100で否定判定された場合には、ステップ140に進み、空ぶかし判定処理が実行される。具体的には、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度が求められ、前輪FWの車輪速度が規定値(第1しきい値)以下であり、かつ、後輪RWの車輪速度が規定値(第2しきい値)以上であるか否かが判定される。
前輪の車輪速度が規定値以下のような場合において、後輪RWの車輪速度が規定値以上になるような場合には、空ぶかしによって後輪RWのみが空転しているものと想定される。このため、このような条件を満たす場合には、ステップ150に進んで空吹かし判定が為され、ステップ110と同様にABS制御禁止処理が実行される。
逆に、上記条件を満たさない場合には、空吹かしではないものとして、ステップ160に進み、ノイズ判定処理が実行される。具体的には、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度が規定時間内においてバラツキが大きいか否かが判定される。図3に前輪FWおよび後輪RWの車輪速度の変化の様子を示し、これについて説明する。
図3に示されるように、車輪空転や空吹かし等に発生するノイズ等によって従動輪となる前輪FWの車輪速度が生じた場合、その車輪速度は短時間で大きく変動し、バラツキが大きくなる。それに対して、駆動輪となる後輪RWの車輪速度は車輪空転などであっても通常走行とあまり変わりなく大きくなる。このため、前輪FWおよび後輪RWの車輪速度差を求め、それを規定時間内モニタし、例えば車輪速度差の最小値と最大値の差が所定のしきい値を超えているような場合には、バラツキが大きいものとして、ノイズが生じているものと判定することができる。
したがって、ステップ160で肯定判定された場合には、ステップ170に進み、ノイズ判定が為され、ステップ110およびステップ150と同様にABS制御禁止処理が実行される。
逆に、ステップ160で否定判定された場合には、ノイズも発生していないものとして、ステップ180に進んでステップ130と同様のABS制御許可処理が実行され、その後、処理が終了になる。
このようにして、本実施形態のABS制御装置1によるABS制御許可判定処理が完了となる。なお、図2中に示したステップは、ブレーキECU22における各種処理を実行する手段に対応している。具体的には、ステップ100の処理を実行する部分が走行状態判定手段、ステップ110、150、170の処理を実行する部分がABS制御禁止手段、ステップ120の処理を実行する部分が故障判定手段、ステップ130の処理を実行する部分がABS制御許可手段、ステップ140の処理を実行する部分が空吹かし判定手段、ステップステップ160の処理を実行する部分がノイズ判定手段に相当するものとなっている。
以上のように、本実施形態で示すABS制御装置1では、ABS制御の開始を許可するか否かを判定するABS制御許可判定処理を実行するようにしている。そして、このABS制御許可判定処理において、走行状態判定(ステップ100)、空吹かし判定(ステップ140)、ノイズ判定(ステップ160)を実行している。
このため、仮に、メインスタンドが立てられた状態で車輪空転やエンジン空吹かしを行った場合等に発生するノイズ等により、従動輪の車輪速度センサ23の検出信号が影響を受け、車輪速度がゼロであるはずなのに、あたかも車輪速度が発生しているように演算され、それを用いて求められた車体速度とその車輪速度の偏差が所定にしきい値を超えたとしても、ABS制御が開始されないようにすることができる。
これにより、自動二輪車両のABS制御装置において、走行中でないにもかかわらずABS制御が誤って開始されてしまうことを防止することが可能となる。そして、誤ってABS制御が開始されることで、ドライバにブレーキレバー11もしくはブレーキペダル12を操作できないという板感を感じさせることを防げ、ブレーキフィーリングの低下を防止できる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、メインスタンドスイッチ26の故障判定として、ステップ120で示した条件を満たすか否かの判定を行ったが、この他、例えば、メインスタンドスイッチ26の検出信号が正常に入力されているか否か、もしくは、検出信号そのものが故障を示すダイアグ信号となっているか否か等を故障判定の基準として用いることができる。
また、空吹かし判定として、ステップ140で示した条件を満たすか否かの判定を行ったが、この他、例えば、車内LANを通じてエンジンECU等からエンジントルク信号を受け取り、それに示されるエンジン回転数から空吹かしであるか否かを判定しても良い。
さらに、ノイズ判定として、ステップ160で示した条件を満たすか否かの判定を行ったが、この他、例えば、前輪FWの車輪速度のバラツキが規定値よりも大きいか否かに基づいて判定を行っても良い。また、前輪FWの車輪速度が後輪RWの車輪速度よりも規定値以上大きいような場合にも、ノイズのよる影響とみなすことができる。
また、上記実施形態では、メインスタンド検出手段としてメインスタンドスイッチ26を用いてメインスタンド25が立てられているか否かの検出を行ったが、メインスタンド25の角度を角度センサ等で検出したり、後輪RW側のサスペンションに掛かる荷重を荷重センサ等で検出することでメインスタンド25が立てられているか否かを検出しても良い。
本発明の第1実施形態における車体速度演算装置が備えられる自動二輪車両用のABS制御装置1の全体構成を示した図である。 図1に示すABS制御装置1のブレーキECU22で実行されるABS制御許可判定処理のフローチャートである。 前輪FWおよび後輪RWの車輪速度の変化の様子を示したタイミングチャートである。 ノイズ等によって従動輪の車輪速度センサの検出信号が影響を受け、車輪速度がゼロであるはずなのに、あたかも車輪速度が発生しているように演算されるときの様子を示したタイミングチャートである。
符号の説明
1…ABS制御装置、11…ブレーキレバー、12…ブレーキペダル、13、18…W/C、14、20…リザーバ、15、19…減圧制御弁、16…モータ、17、21…ポンプ、23…車輪速度センサ(前輪用車輪速度センサ)、24…車輪速度センサ(後輪用車輪速度センサ)、25…メインスタンド、26…メインスタンドスイッチ、A〜F…管路、FW…前輪、RW…後輪。

Claims (7)

  1. 従動輪となる前輪(FW)と駆動輪となる後輪(RW)それぞれに対して設けられた前輪用車輪速度センサ(23)および後輪用車輪速度センサ(24)からの検出信号を受け取り、前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度を求め、これら前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度とに基づいて車体速度の演算を行うと共に、該車体速度と前記前輪(FW)の車輪速度もしくは前記後輪(RW)の車輪速度の偏差に基づいて、車輪ロック傾向を回避すべくABS制御を実行するように構成された自動二輪車両のABS制御装置であって、
    前記自動二輪車両のメインスタンド(25)が立てられているか否かを検出するメインスタンド検出手段(26)の検出信号に基づいて、該自動二輪車両が走行し得えない状態であるか走行し得る状態であるかを判定する走行状態判定手段(100)と、
    前記走行状態判定手段(100)にて、前記自動二輪車両が走行し得ない状態であると判定された場合に、ABS制御が開始されることを禁止するABS制御禁止手段(110)と、を備えていることを特徴とする自動二輪車両のABS制御装置。
  2. 前記メインスタンド検出手段(26)が故障しているか否かを判定する故障判定手段(120)と、
    前記故障判定手段(120)によって前記メインスタンド検出手段(26)が故障していると判定された場合に、前記走行状態判定手段(100)にて前記自動二輪車両が走行し得ない状態であると判定されたとしても、前記ABS制御禁止手段(110)による前記ABS制御の開始の禁止を解除して、該ABS制御の開始を許可するABS制御許可手段(130)と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車両のABS制御装置。
  3. 前記故障判定手段(120)は、前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度の差が第1しきい値よりも小さく、かつ、前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度が第2しきい値以上である場合に、前記メインスタンド検出手段(26)が故障していると判定することを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車両のABS制御装置。
  4. 従動輪となる前輪(FW)と駆動輪となる後輪(RW)それぞれに対して設けられた前輪用車輪速度センサ(23)および後輪用車輪速度センサ(24)からの検出信号を受け取り、前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度を求め、これら前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度とに基づいて車体速度の演算を行うと共に、該車体速度と前記前輪(FW)の車輪速度もしくは前記後輪(RW)の車輪速度の偏差に基づいて、車輪ロック傾向を回避すべくABS制御を実行するように構成された自動二輪車両のABS制御装置であって、
    前記自動二輪車両のエンジンの空吹かしが行われているか否かを判定する空吹かし判定手段(140)と、
    前記空吹かし判定手段(140)にて、前記空吹かしが行われていると判定された場合に、ABS制御が開始されることを禁止するABS制御禁止手段(150)と、を備えていることを特徴とする自動二輪車両のABS制御装置。
  5. 前記空吹かし判定手段(140)は、前記前輪(FW)の車輪速度が第1しきい値以下になっており、かつ、前記後輪(RW)の車輪速度が第2しきい値以上になっている場合に、前記空吹かしが行われていると判定することを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車両のABS制御装置。
  6. 従動輪となる前輪(FW)と駆動輪となる後輪(RW)それぞれに対して設けられた前輪用車輪速度センサ(23)および後輪用車輪速度センサ(24)からの検出信号を受け取り、前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度を求め、これら前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度とに基づいて車体速度の演算を行うと共に、該車体速度と前記前輪(FW)の車輪速度もしくは前記後輪(RW)の車輪速度の偏差に基づいて、車輪ロック傾向を回避すべくABS制御を実行するように構成された自動二輪車両のABS制御装置であって、
    前記前輪用車輪速度センサ(23)の検出信号にノイズが発生しているか否かを判定するノイズ判定手段(160)と、
    前記ノイズ判定手段(160)にて、前記ノイズが発生していると判定された場合に、ABS制御が開始されることを禁止するABS制御禁止手段(170)と、を備えていることを特徴とする自動二輪車両のABS制御装置。
  7. 前記ノイズ判定手段(160)は、規定時間内における前記前輪(FW)の車輪速度と前記後輪(RW)の車輪速度との差のバラツキが規定値よりも大きい場合に、前記ノイズが発生していると判定することを特徴とする請求項6に記載の自動二輪車両のABS制御装置。
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