JP2007030451A - ポリアミド系積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】各層の均一な膜厚形成など加工適性を良好にして安定した高いバリア性を発現させ、基材による収縮ダメージを受けにくく、高いバリア性を保持することができるポリアミド系積層体が望まれていた。
【解決手段】透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材層の一方の面にガラス転移点60℃以上の樹脂層を設け、反対面にアンカーコート層、無機酸化物の蒸着薄膜層、水溶性高分子と一種以上の金属アルコキシド及び/またはその加水分解物からなるガスバリア性被膜層、シーラント層が順次積層された積層体からなることを特徴とするポリアミド系積層体を提供するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材層の一方の面にガラス転移点60℃以上の樹脂層を設け、反対面にアンカーコート層、無機酸化物の蒸着薄膜層、水溶性高分子と一種以上の金属アルコキシド及び/またはその加水分解物からなるガスバリア性被膜層、シーラント層が順次積層された積層体からなることを特徴とするポリアミド系積層体を提供するものである。
【選択図】 図1
Description
ポリアミドフィルムを基材に用いたガスバリア性包材に関するもので、特に、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す用途に使用されるポリアミド系積層体に関するものである。
従来、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す必要がある食品や医薬品を充填する包材としては、積層構成のものが多く、特にアルミニウム箔からなるガスバリア層が積層された積層体からなるもの多く使用されいる。しかし、ガスバリア層としてアルミニウム箔が積層された積層体を使用すると、不透明であるので内容物の視認性が悪く、また使用後廃棄され、焼却された時にアルミニウム箔が塊として残ってしまい、焼却炉を痛めたりする等の弊害があった。そこで、アルミニウム箔の代替えとして、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂コートフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂若しくはメタキシリレンアジパミド(MXD6)樹脂を中間に設けた共押出多層フィルムが用いられたが、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂を使用したものは、耐湿性が悪く、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌時にガスバリア性が大きく低下する欠点があり、塩化ビニリデン樹脂を使用したものは、廃棄後の焼却時に有毒ガスなどを発生したり、耐熱性が劣る為に同様に煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌時にガスバリア性が大きく低下する欠点があり、また、前記共押出多層フィルムを使用したものも高温、高湿下でガスバリア性が大きく低下する欠点があった。これらの諸問題を改善する為に、二軸延伸ポリアミド系フィルムの片面に無機酸化物の蒸着薄膜層、シーラントを積層した積層材料が提案されている(特許文献1)。
特許文献は以下の通り。
特開2000−6341号公報
しかしながら、前記提案されている積層材料は二軸延伸ポリアミド系フィルムとして、特殊な樹脂組成からなるポリアミド樹脂を用いたフィルムが使用されており、コストも高くガスバリア性の点でまだ不十分であった。
本発明の課題は、ポリアミドフィルムを基材に用いたガスバリア性包材に関するもので、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す用途に用いても高いバリア性能を保持するポリアミド包材を提供することにある。
請求項1の発明は、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材層の一方の面にガラス転移点60℃以上の樹脂層を設け、反対面にアンカーコート層、無機酸化物の蒸着薄膜層、水溶性高分子と一種以上の金属アルコキシド及び/またはその加水分解物からなるガスバリア性被膜層、シーラント層が順次積層された積層体からなることを特徴とする包材である。
請求項2の発明は、前記ガラス転移点60℃以上の樹脂層がアクリル化合物からなることを特徴とする請求項1記載の包材。
請求項3の発明は、前記水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする
請求項1または2記載の包材である。
請求項1または2記載の包材である。
請求項4の発明は、前記無機酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の包材である。
請求項5の発明は、前記包材が煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す用途に用いられることを特徴とした請求項1乃至4何れか記載の包材である。
本発明によれば、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材層の一方の面にガラス転移点60℃以上の樹脂層を設けることで、ポリアミドフィルムの収縮を抑え、反対面に積層されたアンカーコート層、無機酸化物の蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層する際、各層の均一な膜厚形成など加工適性を良好にして安定した高いバリア性を発現させる。さらにガスバリア性被膜層の上にシーラント層を積層した包材では、反対面に設けた樹脂層によって、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌中の熱や水分によるポリアミドフィルム基材の収縮の影響を小さく保つことができ、よって逆面のガスバリア性被膜層も基材による収縮ダメージを受けにくく、高いバリア性を保持することができる。
本発明の包材を実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。
図は本発明の一実施形態の包材の側断面図であり、基材層(1)、ガラス転移点60℃以上の樹脂層(2)、反対面にアンカーコート層(3)、無機酸化物の蒸着薄膜層(4)、ガスバリア性被膜層(5)、接着剤層(6)、シーラント層(7)が順次積層された積層構成になっている。
前記基材層(1)は、プラスチック材料の中で柔軟性に優れているポリアミド樹脂からなり、延伸された透明フイルムが良好であり、例えば、ε−カプロラクタムの開環重合反応で得られるポリアミド6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸塩との縮重合反応で得られるポリアミド66、メタキシレンジアミンとアジピン酸を縮重合して得られるMXD6ポリアミド、ポリアミド11、ポリアミド12等からなる汎用の単層フイルムを使用する。延伸方法は2軸延伸方法でも逐次延伸方法でもかまわない。厚みはフイルムの製膜性及び経済性等の観点から12〜25μmの範囲のものが好ましい。また、この基材層(1)のフイルムに種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、ガラス点移転60°以上の樹脂層(2)やアンカーコート層(3)との密着性を良くするために、その表面に前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
次ぎに前記ガラス転移点60℃以上の樹脂層(2)は、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、シランカップリング剤や有機チタネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノールなどを用いることができ、これら樹脂に対し周知の硬化剤を組み合せてガラス点移転を60℃以上にして樹脂層を形成してもかまわない。ガラス転移点が60℃以下では、基材であるポリアミドフィルムのガラス転移点より低くなり、温度によるポリアミド収縮に追従してしまうため効果を発揮しない。
特にアクリル化合物からなる樹脂層は、硬化時のガラス転移点も高くポリアミド基材との密着も良好で透明性も高く、さらに耐水性にも優れるため吸湿による収縮をも抑制することができ好ましい。アクリル化合物はアクリル及び/またはメタクリル酸エステル化合
物とポリオールモノマーとを反応させたアクリル及び/またはメタクリルポリオール樹脂と、硬化剤であるイソシアネート化合物とを反応させて樹脂層を形成させたものである。アクリル酸エステル化合物としてはメチルエステル、メタクリル酸、アルキルエステル、脂環・芳香環・複素環及びビニル基含有エステル・アルコキシ含有エステル、ジおよびトリメタクリル酸エステル、カルボン酸含有エステル、ジアルキルアミノエチルエステル、フルオロアルキルエステル等が用いられるがそれらは特に規制しない。
物とポリオールモノマーとを反応させたアクリル及び/またはメタクリルポリオール樹脂と、硬化剤であるイソシアネート化合物とを反応させて樹脂層を形成させたものである。アクリル酸エステル化合物としてはメチルエステル、メタクリル酸、アルキルエステル、脂環・芳香環・複素環及びビニル基含有エステル・アルコキシ含有エステル、ジおよびトリメタクリル酸エステル、カルボン酸含有エステル、ジアルキルアミノエチルエステル、フルオロアルキルエステル等が用いられるがそれらは特に規制しない。
さらに基材との密着を考慮して、樹脂層へ添加剤としてシランカップリング剤やコロイダルシリカ、有機チタネートなどで無機成分を導入しても良い。
樹脂層の形成方法としては、ポリアミド基材と樹脂層とが密着すれば既存のどんな方法でも良く、樹脂を加熱溶融させカーテン状に押し出すエキストルージョンラミネート法や、樹脂成分を溶剤に希釈しコーティング後に乾燥オーブンで硬化させる、グラビアコート法、ロールコート法、スプレー法などの湿式ロールコーティング法などを用いても良い。
樹脂層の厚みは特に制限を設けるものではないが、0.05μm以下では基材収縮の抑制にはなりにくく、20μm以上ではフィルムの風合いが変わり包材として好ましくない。
また、樹脂層は基材を挟んでガスバリア性被膜層とは反対面に設ける必要がある。本発明を包装材料として用いたとき、一般的にはガスバリア性被膜層とは反対面が外層側に使用される。煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌によるポリアミドからなる基材の収縮を抑えるためには、外層側から基材の収縮を抑える方法が効果がある。
次ぎに、樹脂層と基材を挟んで反対面に設ける前記アンカーコート層(3)について説明する。アンカーコート層(3)は、基材層(1)と無機酸化物の蒸着薄膜層(4)との間の密着強度を高め、デラミネーションの発生やガスバリア性の劣化等を防止する作用も有する。アンカーコート層(3)として用いることができるのは、一般式R1Si(OR)3(式中、R1はアミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基などの官能基、Rはアルキル基)で表される3官能オルガノシラン若しくはその加水分解物とポリオール化合物とイソシアネート化合物との複合物、あるいは、ウレタン/ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ変性アクリル樹脂のいずれかの樹脂とイソシアネート化合物と一般式R1Si(OR)3(式中、R1はアミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基などの官能基、Rはアルキル基)で表される3官能オルガノシラン若しくはその加水分解物との複合物、あるいは、一般式M(OR)n(式中、Mは金属元素、RはCH3、C2H5などのアルキル基、nは金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物とポリオール化合物とイソシアネート化合物との複合物である。厚みは0.01〜5μmの範囲が好ましい。
前記蒸着薄膜層(4)の無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物が用いられるが、特にガスバリア性、生産性の観点から酸化アルミニウムが好ましい。
前記蒸着薄膜層(4)の厚さは1〜200nmの範囲内であることが望ましく、膜厚が1nm以下になると均一な薄膜が形成されないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない。また、膜厚が200nmを超えた場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じる恐れがあるため良くない。
前記蒸着薄膜層(4)を形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、化学気相成長法などを用いることもできる。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、蒸着薄膜の密着性及び蒸着薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着薄膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなどを吹き込んだりする反応蒸着を行ってもよい。
前記ガスバリア性被膜層(5)は、蒸着薄膜の後工程での二次的な各種損傷を防止すると共に、高いガスバリア性を付与するために、無機酸化物の蒸着薄膜層の上に設けられるものであり、その構成成分は水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布して形成する。水溶性高分子を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接または予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を蒸着薄膜層上にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。
前記ガスバリア性被膜層(5)に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全鹸化PVAまでを含み、特に限定されない。
さらに、前記金属アルコキシドはテトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムあるいはそれらの混合物が好ましい。
前記ガスバリア性被膜層(5)の塗布方法は、通常用いられるグラビアコート法、ロールコート法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。乾燥後の被膜厚さが0.01μm以上あればよいが、厚さが50μmを超えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
前記接着剤層(6)には、一般的にポリウレタン系接着剤が使用され、塗布量は1〜5g/m2(乾燥状態)が良好である。
前記シーラント層(7)、ヒートシール性を有する樹脂若しくは樹脂フィルムからなっており、樹脂の種類はシール対象となる容器の材質や使用される用途によって適宜選択でき、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、、ポリエステル樹脂又はポリスチレン樹脂が使用でき、積層方法は公知の溶融押出ラミネート法やドライラミネート法で積層する。厚みは10〜200μmである。
ガスバリア性被膜層(5)上には必要に応じて、印刷層を積層する事も可能であるし、接着剤を介して複数の樹脂を積層する事も可能である。樹脂層(2)上にも印刷層、ヒートシール層、接着剤を介する複数の樹脂の積層も可能である。
以下に、本発明の包材を具体的な実施例を挙げて説明する。
〈樹脂層Aの調整〉
ガラス点移転70℃のポリエステルポリオールのOH基に対してNCO基が等量になるようにトリレンジイソシアネートを混合し、全体の固形分が30w%になるように混合し
てコート液Aとした。
〈樹脂層Bの調整〉
ガラス点移転120℃のアクリルポリオールのOH基に対してNCO基が等量になるようにトリレンジイソシアネートを混合し、全体の固形分が30w%になるように混合してコート液Bとした。
〈樹脂層Aの調整〉
ガラス点移転70℃のポリエステルポリオールのOH基に対してNCO基が等量になるようにトリレンジイソシアネートを混合し、全体の固形分が30w%になるように混合し
てコート液Aとした。
〈樹脂層Bの調整〉
ガラス点移転120℃のアクリルポリオールのOH基に対してNCO基が等量になるようにトリレンジイソシアネートを混合し、全体の固形分が30w%になるように混合してコート液Bとした。
〈アンカーコート層のコート液Cの調整〉
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるよう酢酸エチルで希釈し、さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5w%添加して混合した溶液。
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるよう酢酸エチルで希釈し、さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5w%添加して混合した溶液。
〈ガスバリア性被膜層のコート液Dの調整〉
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸を89.6g加え、30分攪拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2換算)の溶液とポリビニルアルコール3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水/イソプロピルアルコ−ルは重量%比で90/10)を重量%比で60/40に混合し、コート液Bを調整した。
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸を89.6g加え、30分攪拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2換算)の溶液とポリビニルアルコール3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水/イソプロピルアルコ−ルは重量%比で90/10)を重量%比で60/40に混合し、コート液Bを調整した。
基材層(1)として、片面がコロナ処理された厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ(株)、エンブレムON)を使用し、グラビアコート機を用いて前記フイルムの非コロナ処理面に前記コート液Aを塗布、乾燥した厚さが5μmになるように樹脂層(2)を積層した。このフィルムを50℃の雰囲気下に1週間保存した。次ぎに逆面のコロナ処理面に前記コート液Cを塗布、乾燥した厚さが0.1μmの乾燥被膜からなるアンカーコート層(3)を積層し、次に、前記アンカーコート層(3)を積層したフイルムを真空蒸着装置に装着し、そのアンカーコート層(3)の上に厚さ25nmの酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(4)を積層した。さらに、前記蒸着薄膜層(4)を積層したフイルムを再度グラビアコート機に装着し、蒸着薄膜層(4)の上に前記コート液Dを塗布、乾燥した厚さ0.5μmの乾燥被膜からなるガスバリア性被膜層(5)を積層して、透明ガスバリア性積層フイルムを得た。引き続き、ドライラミネート機を用いて、前記透明ガスバリア性積層フイルムのガスバリア性被膜層(5)面にポリウレタン系接着剤を使用して塗布量3g/m2(乾燥状態)の接着剤層(6)を積層し、その上に厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなるシーラント層(7)を積層した積層体を作成し、本発明の包材を得た。
実施例1において、樹脂層にコート液Bを使用した以外は、同様にして積層体を作成し本発明の包材を得た。
比較例として実施例1において、樹脂層を設けなかったこと以外は、同様にして積層体を作成し本発明の包材を得た。
〈評価〉
得られた包装フィルムで4方パウチを作成し、水道水を充填して95℃、120分間ボイル処理(煮沸処理)し、ボイル処理前後の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。
得られた包装フィルムで4方パウチを作成し、水道水を充填して95℃、120分間ボイル処理(煮沸処理)し、ボイル処理前後の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。
表より樹脂層のない実施例3はボイル処理により酸素バリア性が劣化するのに対し、実
施例1および2は、劣化は見られない。
施例1および2は、劣化は見られない。
〈効果〉
高い酸素バリア性を有し、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌処理後もバリア性が劣化しない、密着性も良好なバリア性フィルムの作成が可能となり、これを用いて印刷工程やドライラミネート、溶融押し出しラミネート、熱圧着ラミネートなどの後加工を行い、食品及びボイル・レトルト食品、医薬品や電子部材等の非食品等の包装に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能となった。
高い酸素バリア性を有し、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌処理後もバリア性が劣化しない、密着性も良好なバリア性フィルムの作成が可能となり、これを用いて印刷工程やドライラミネート、溶融押し出しラミネート、熱圧着ラミネートなどの後加工を行い、食品及びボイル・レトルト食品、医薬品や電子部材等の非食品等の包装に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能となった。
以下に表を示す。
1…基材 2…樹脂層 3…アンカーコート層 4…蒸着薄膜層 5…ガスバリア性被膜層 6…接着剤層 7…シーラント層
Claims (5)
- 透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材層の一方の面にガラス転移点60℃以上の樹脂層を設け、反対面にアンカーコート層、無機酸化物の蒸着薄膜層、水溶性高分子と一種以上の金属アルコキシド及び/またはその加水分解物からなるガスバリア性被膜層、シーラント層が順次積層された積層体からなることを特徴とするポリアミド系積層体。
- 前記ガラス転移点60℃以上の樹脂層がアクリル化合物からなることを特徴とする請求項1記載のポリアミド系積層体。
- 前記水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド系積層体。
- 前記無機酸化物が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載のポリアミド系積層体。
- 前記包材が煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す用途に用いられることを特徴とした請求項1乃至4何れか記載のポリアミド系積層体。
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JP2005220431A JP2007030451A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | ポリアミド系積層体 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
EP2036717A2 (en) | 2007-09-14 | 2009-03-18 | Fujifilm Corporation | Gas barrier film, and display device comprising the same |
-
2005
- 2005-07-29 JP JP2005220431A patent/JP2007030451A/ja active Pending
Cited By (2)
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EP2036717A2 (en) | 2007-09-14 | 2009-03-18 | Fujifilm Corporation | Gas barrier film, and display device comprising the same |
US8067085B2 (en) | 2007-09-14 | 2011-11-29 | Fujifilm Corporation | Gas barrier film, and display device comprising the same |
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