JP2007030097A - スリッター装置と記録材料のスリット断裁方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウエブを連続走行させつつ両側複数対の回転刃によって幅方向複数本に断裁する際、カエリ現象の発生を効果的に抑止する手段を提供する。
【解決手段】 走行するウエブWを挟んで対峙する上刃1と下刃2の複数対がウエブ幅方向に所定間隔置きに配置し、走行するウエブWを各対の回転刃間でスリットするように構成されたスリッター装置Mにおいて、各対の回転刃は刃先角度が40度未満の上刃1と、刃先角度が50度以上の下刃2の組合せからなり、ウエブ走行方向に対して0.001〜0.02度のトーイン角θをなして刃先同士を噛み合うように配置している。
【選択図】 図2
【解決手段】 走行するウエブWを挟んで対峙する上刃1と下刃2の複数対がウエブ幅方向に所定間隔置きに配置し、走行するウエブWを各対の回転刃間でスリットするように構成されたスリッター装置Mにおいて、各対の回転刃は刃先角度が40度未満の上刃1と、刃先角度が50度以上の下刃2の組合せからなり、ウエブ走行方向に対して0.001〜0.02度のトーイン角θをなして刃先同士を噛み合うように配置している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、塗工フィルム等の各種ウエブを連続走行させつつ幅方向複数本に断裁するのに使用されるスリッター装置と、このスリッター装置を用いた記録材料のスリット断裁方法に関する。
従来、塗工フィルム等のスリッター装置として、種々の断裁方式のものが知られるが、特に断裁精度の点から、連続走行するウエブを上下で対をなす円形刃同士の噛み合い部分で断裁するシャーカット方式のものが一般的に汎用されている。そして、このシャーカット方式においても、各対の上刃に円形皿刃を用いると共に、下刃に円筒状刃を用いたものが多用されている。
図6は従来のシャーカット方式によるスリッター装置の一例を示している。このスリッター装置では、走行するウエブWの上方側に上刃として、各々外周に円形皿刃31を嵌装した環状ホルダー32…が個々に昇降フレーム30に枢支されてウエブ幅方向に所定間隔置きに配列する一方、該ウエブWの下方側に下刃として、ウエブ幅方向に沿う回転駆動軸40に上刃に対応した複数個の円筒状刃41…が嵌装され、該回転駆動軸40の各円筒状刃41に隣接する環状溝40aの位置で、当該円筒状刃41に円形皿刃31が噛合してウエブWを断裁する。そして、上刃の各環状ホルダー32は、昇降フレーム30に固設された水平支軸33に軸受34を介して遊転自在に保持されており、その外周フランジ部32aとスナップリング35との間で、嵌装したドーナツ板状の円形皿刃31及び皿ばね36を保持すると共に、該皿ばね36の付勢を受けて円形皿刃31が下刃の円筒状刃41に押接することにより、回転駆動軸40の回転に伴って従動回転する。
しかるに、従来のシャーカット方式によるスリッター装置では、各断裁位置において円筒状刃41の周面上にあるウエブWを円形皿刃31が上方から押し切るように切断してゆく形になり、刃先両側の切断条件が大きく異なることから、ウエブWの切断縁に沿って盛り上がりを生じる所謂カエリ現象が発生し、これに起因して断裁後のウエブWが巻取り過程で蛇行し、もって巻取断面が不揃いになることが多々あった。しかして、上記のカエリ現象は、断裁対象のウエブWが支持体の片側に記録層を塗工した記録材料である場合、とりわけプラスチック製支持体の片側に水性の記録層用塗液による記録層を塗工した記録材料である場合に特に顕著であった。また、特に上記記録層を始めとする塗工層を有するウエブの場合に、スリットによる切断端部近傍の塗工面に微小なヒビ割れが発生し易いという問題もあった。
本発明は、上述の状況に鑑み、ウエブを連続走行させつつ両側複数対の回転刃によって幅方向複数本に断裁する際、前記カエリ現象の発生を効果的に抑止する手段を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、図面の参照符号を付して示せば、走行するウエブWを挟んで対峙する両側一対の回転刃(上刃1,下刃2)の複数対がウエブ幅方向に所定の間隔を置いて配置し、走行するウエブWを各対の回転刃間でスリットするように構成されたスリッター装置Mであって、前記各対の回転刃は、刃先角度が40度未満の一方の回転刃と、刃先角度が50度以上の他方の回転刃との組合せからなり、ウエブ走行方向に対して0.001〜0.02度のトーイン角θをなして刃先同士を噛み合うように配置していることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のスリッター装置Mにおいて、前記各対の回転刃の一方がウエブ走行方向に対して順方向に回転駆動する駆動側回転刃(下刃1)であり、他方が該駆動側回転刃及びウエブWとの接触摩擦によって従動回転する従動側回転刃(上刃1)であるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2のスリッター装置Mにおいて、各回転刃が各々独立した支軸(水平支軸15,回転駆動軸26)に取り付けられたものとしている。
一方、請求項4の発明に係る記録材料のスリット断裁方法は、前記請求項1〜3のいずれかに記載のスリッター装置Mにより、ウエブWとしてプラスチック基材Bの片側に少なくとも水性の記録層用塗液を塗工した記録材料W1を、その記録層用塗液の塗工側に前記刃先角度が40度未満の一方の回転刃が当接する状態でスリットすることを特徴としている。
請求項5の発明は、上記請求項4の記録材料のスリット断裁方法において、前記記録材料W1の記録層用塗液を塗工した側を鉛直方向の上面側にしてスリットすることを特徴としている。
請求項1の発明に係るスリッター装置によれば、ウエブを挟む各対の回転刃が、特定範囲の刃先角度を有する組合せからなって、且つ特定のトーイン角θをなして刃先同士を噛み合うように配置していることから、ウエブの切断縁に沿うカエリ現象の発生が効果的に抑止され、もって該カエリ現象に起因して断裁後の巻取断面が不揃いになるのを防止できる。また、特に塗工層を有するウエブの場合に、スリットによる切断端部近傍の塗工面に微小なヒビ割れが発生するのを防止できるという利点もある。
請求項2の発明によれば、前記スリッター装置において、各対の回転刃の一方の回転駆動に伴って他方の回転刃が従動回転する構成であるから、スリッターとしての装置構成が簡素となり、設備コストが低減される。
請求項3の発明によれば、前記スリッター装置において、各回転刃が各々独立した支軸に取り付けられていることから、刃体が損傷したり交換時期に達した際の交換脱着操作が極めて容易になると共に、ウエブの幅方向の断裁位置による長手方向及び幅方向の張力の違いに対応して、良好な断裁状態になるように刃先同士の側圧や噛み合い量等を個別調整できる。
請求項4の発明に係るスリット断裁方法によれば、前記請求項1〜3のスリッター装置により、ウエブとしてプラスチック基材の片側に少なくとも記録層用塗液を塗工した記録材料を対象とし、その記録層側に各対の一方の回転刃が接する形でスリットすることから、該記録材料がスリット断裁によって切断縁に沿うカエリ現象を生じ易いものであるにも関わらず、該カエリ現象を効果的に抑止できる。
請求項5の発明によれば、上記スリット断裁方法において、前記記録材料の記録層用塗液を塗工した側を鉛直方向の上面側にしてスリットすることから、特にスリット断裁によるカエリ現象を生じ易い記録層側について、そのカエリ現象を効果的に抑止できるという利点がある。
以下、本発明の一実施形態に係るスリッター装置及びスリット断裁方法について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、このスリッター装置Mは、断裁対象のウエブWがガイドロールG1,G1対とガイドロールG2,G2対との間を水平方向に沿って連続走行する区間内に設置されており、該ウエブWを挟んで上下に対向配置する上刃1と下刃2との対がウエブ幅方向に所定間隔置きに複数対配置し、各対の上刃1と下刃2の噛み合いによって該ウエブWを幅方向複数本に断裁するようになってなる。
図2に示すように、各上刃1は、環状ホルダー10の外周にドーナツ板状の円形皿刃11及び皿ばね12を嵌装し、その外周フランジ部10aとスナップリング13との間で保持したものであり、昇降フレーム14に固設された水平支軸15に軸受16を介して遊転自在に枢支されている。一方、各下刃2は、同じく環状ホルダー20の外周にドーナツ板状の円形皿刃21及び皿ばね22を嵌装し、その外周フランジ部20aとスナップリング23との間で保持したものであるが、環状ホルダー20が昇降フレーム24に取り付けたモーター25の回転駆動軸26に固着されている。しかして、上刃1及び下刃2の円形皿刃11,21は共に、刃体としての剛性を確保するため、平板状ではなく径断面ハの字形に若干開いた形態を備えている。
なお、上刃1…の昇降フレーム14…の全部と、下刃2…の昇降フレーム24…の全部は、それぞれウエブWの走行位置の上下に設けた昇降手段(図示省略)によって一体的に昇降動作し、スリット断裁の停止状態では各対の上刃1と下刃2を上下に離間できるようになっている。また、各昇降フレーム14,24は該昇降手段に対する取付位置がウエブW幅方向に可変であり、これによってウエブWのスリット断裁幅を任意に設定できるようになっている。
ここで、下刃2は円形皿刃21における回転軸と直交する回転面がウエブWの走行方向と一致するように設定されるが、図3に示すように、上刃1は円形皿刃11の回転面F(回転軸Oと直交する面)がウエブWの走行方向Sに対して角度θをなすように設定される。この角度θは、上刃1と下刃2とが噛み合う際のトーイン角で、図では強調して大きな開きで示しているが、0.001〜0.02度の範囲である。すなわち、上刃1と下刃2とは、0.001〜0.02度のトーイン角θをなして刃先同士が噛み合うように配置している。そして、このトーイン角θは、0.001〜0.02度の範囲外ではウエブの切断縁に沿う塗工層側端部が損なわれる現象の抑止効果が不充分になり、また0.01〜0.02度の範囲では上記抑止効果の点で最も好結果が得られる。
また、上刃1及び片刃2の円形皿刃11,21の刃先は、図4に示すように、各々垂直面内にある回転面Fに一面側が沿うと共に他面側が角度α,βで傾斜した片刃になっており、互いに回転面Fに沿う一面側で上下方向にラップ量Lで重なってウエブWを断裁するように設定されている。このように片刃で回転面Fに沿う一面側で噛み合う構成では、切断された端面が損なわれにくい上に、刃先部の摩耗が抑えられて耐久性向上に繋がることになる。これに対し、刃先の両側面が回転面Fに対して傾斜した両刃の場合、そのような端面への影響が出にくいように10度未満の刃先角度にすることが好ましい。
なお、上刃1側の円形皿刃11の刃先角度αは、40度未満、好ましくは35度以下がよい。この刃先角度αが40度以上では上刃1に対向するウエブWの上面側にカエリが発生し易くなる。逆に刃先角度αがあまりに小さくなると刃の耐久性に劣ることになるから、30度以上が望ましい。
一方、下刃2側の円形皿刃21の刃先角度βは、50度以上とする。この刃先角度βが50度未満では、下刃2に対向するウエブWの下面側にカエリが発生し易くなる。カエリの発生を抑止する上では、該刃先角度βは50〜90度の範囲が好ましい。
上記構成のスリッター装置Mでは、下刃2…をモーター25の作動によってウエブWの送り方向と順方向に回転駆動させながら、図1及び図2に示すように各対の上刃1と下刃2とを上下に噛み合わせることにより、連続走行するウエブWを幅方向複数本に断裁するが、各上刃1は下刃2及びウエブWとの接触摩擦によって従動回転する。
このようなスリッター装置Mの断裁対象とするウエブWには特に材質的な制約はないが、スリット断裁によって切断縁に沿うカエリ現象を生じ易いものには本発明の適用効果が大きい。すなわち、このスリッター装置Mでは、ウエブWを挟む各対上下の回転刃が共に円形皿刃11,21で、しかも刃先同士を特定範囲の刃先角度の組合せとすることで、ウエブWの切断縁に沿うカエリ現象が効果的に抑止され、このカエリ現象に起因して断裁後の巻取断面が不揃いになるのを防止できる。
しかして、本発明のスリット断裁方法では、上記カエリ現象を生じ易いものとして、例えば図5に示すように支持体Bの片側に記録層用塗液の塗工による記録層Cを設けた記録材料W1、とりわけ支持体Bがプラスチックのフィルム乃至シートで、記録層Cが水性の記録層用塗液の塗膜からなる記録材料W1を断裁対象とし、その記録層C側を鉛直方向の上面側にしてスリット断裁するようにしている。
かくしてスリット断裁された記録材料は切断縁に沿うカエリ現象が抑止されたものとなり、その巻き取り過程での蛇行が発生せず、巻取断面が不揃いになることが確実に回避される。
上記の記録材料としては、特に制約はないが、記録層Cに感熱、感圧、感光による発色を生じるようにしたもの、あるいはインクジェットにより記録されるようにしたものが一般的である。そして、上記支持体Bのプラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリプチレンテレフタレートの如きポリエステルフィルム、三酢酸セルロースの如きセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられる。
また、記録層Cの形成に用いる水性の記録層用塗液としては、例えば感熱記録層用塗液では、一般に水を媒体とし、ロイコ染料、呈色剤、接着剤、及び必要により顔料等の助剤を混合攪拌して調製されるものがある。
なお、このような記録材料の支持体Bの厚さは100〜300μm程度、記録層Cの厚さは10〜30μm程度がよい。
本発明でスリット断裁の対象とする記録材料は、図5で示すような支持体Bの片面のみに記録層Cを有するものに限らず、支持体Bの両面に記録層Cを有するもの、支持体Bの記録層Cを有する側とは反対側の面にバック層を有するもの、記録層C上に保護層等の上塗り層を設けたもの、支持体Bの表面と記録層Cとの間にプライマー層の如き中間層を備えるもの等、種々の構成のものがある。
なお、前記実施形態のスリッター装置Mでは各上刃1と各下刃2が共に刃体毎に独立した支軸に取付けられているが、本発明は上刃1…と下刃2…の一方又は両方が共通支軸に取付けられた構成を包含する。ただし、刃体毎に独立した支軸に取り付けることにより、刃体が損傷したり交換時期に達した際の交換脱着操作が極めて容易になる上、ウエブWの幅方向の断裁位置による長手方向及び幅方向の張力の違いに対応して、良好な断裁状態になるように刃先同士の側圧や噛み合い量等を個別調整することが可能となる。
また、前記実施形態のスリッター装置Mでは下刃2がモーター25の回転駆動軸26に直接に固着されているが、該モーター25の突出がスリット断裁幅を小さくする際の支障にならないように、離れた位置に設けたモーターからタイミングベルト、Vベルト、ギヤ等を介して回転駆動力を伝達する構成としてもよい。更に、各上刃1や各下刃2に円形皿刃11,21を保護するカバーを設けてもよい。その他、各対の上刃1と下刃2の上下ラップ量、接圧、トーイン角、オフセット量等について、これらを計測する適当なセンサーを付設し、その計測値を表示したり、更には該計測値に基づき、適当なコントローラー及び調整機構を介したフィードバックによって好適値になるように自動調整することも可能である。
実施例1,2
図1〜図3に示す構造で下記構成のスリッター装置Mを用い、下記方法によって製造した幅1200mmの感熱記録体を記録層側を上にして25m/分で水平方向に連続走行させつつ、各断裁幅を350mmに設定してスリット断裁を行った。
図1〜図3に示す構造で下記構成のスリッター装置Mを用い、下記方法によって製造した幅1200mmの感熱記録体を記録層側を上にして25m/分で水平方向に連続走行させつつ、各断裁幅を350mmに設定してスリット断裁を行った。
〔スリッター装置M〕
ガイドロールG1,G2・・・・100mm径、ロール対間の距離250mm
スリット断裁位置 ・・・・ロール対間の中間点
上刃1の円形皿刃11 ・・・・径100mm、厚さ2mm、刃先角α=30度
下刃2の円形皿刃21 ・・・・径100mm、厚さ2mm、刃先角β=60度
上刃1と下刃2のラップ量・・・0.2mm
上刃1と下刃2の接圧・・・・・100〜160g
上刃1と下刃2の刃先角度・・・後記表1記載
トーイン角 ・・・・・後記表1記載
ガイドロールG1,G2・・・・100mm径、ロール対間の距離250mm
スリット断裁位置 ・・・・ロール対間の中間点
上刃1の円形皿刃11 ・・・・径100mm、厚さ2mm、刃先角α=30度
下刃2の円形皿刃21 ・・・・径100mm、厚さ2mm、刃先角β=60度
上刃1と下刃2のラップ量・・・0.2mm
上刃1と下刃2の接圧・・・・・100〜160g
上刃1と下刃2の刃先角度・・・後記表1記載
トーイン角 ・・・・・後記表1記載
〔感熱記録体の製造〕
(1)A液調製…3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20重量部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20重量部、及び水10重量部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて、平均粒子径が約0.3μmになるまで粉砕してA液を調製した。
(1)A液調製…3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20重量部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20重量部、及び水10重量部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて、平均粒子径が約0.3μmになるまで粉砕してA液を調製した。
(2)B液調製…4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン50重量部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液50重量部、及び水25重量部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて、平均粒子径が約0.3μmになるまで粉砕してB液を調製した。
(3)感熱記録層用塗液の調製…A液44重量部、B液60重量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA117)の10%水溶液20重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、固形分50%、旭化成工業社製)50重量部、コロイダルシリカ(商品名:AT−20A、固形分20%、旭電化工業社製)15重量部、及び水45重量部からなる組成物を攪拌混合して感熱記録層塗液を調製した。
(4)保護層用塗液の調製…カオリン(商品名:UW−90、EC社製)の60%分散液(平均粒径約0.5μm)30重量部、カルボキシ変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセナールT−330、日本合成化学工業社製)の10%水溶液350重量部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−7−30、固形分31.5%、中京油脂社製)15重量部、ポリアミドエピクロルヒドリンの20%水溶液10重量部、及び水200重量部からなる組成物を攪拌混合して保護層用塗液を調製した。
(5)感熱記録体の作製…厚さ175μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:帝人テトロンフィルムHPE、帝人デュポンフィルム社製)の一方の面に、前記の感熱記録層用塗液と保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗工量が25g/m2 、4g/m2 となるように順次塗布乾燥して感熱記録層と保護層とを設け、感熱記録体を作製した。
比較例1〜4
上刃1及び下刃2の刃先角度とトーイン角を後記表1記載のようにした以外は、実施例1,2と同様にして感熱記録体のスリット断裁を行った。
上刃1及び下刃2の刃先角度とトーイン角を後記表1記載のようにした以外は、実施例1,2と同様にして感熱記録体のスリット断裁を行った。
以上の実施例1,2及び比較例1〜4のスリット断裁にて得られた各テープ状感熱記録体について、スリット断裁による切断縁のカエリと記録層のヒビ割れ状態を調べた。その結果を、上下刃1,2の刃先角度及びトーイン角と共に、後記表1に示す。なお、カエリと記録層のヒビ割れ状態の判定評価は次のとおりである。
〔カエリ〕
スリットしたフィルムを10枚重ね、切断縁と切断縁から離れた位置の厚さをマイクロゲージで測定し、その差を10で除して1枚平均のカエリ値(μm)を求めた。このカエリ値が5μm未満であれば、問題のないレベルとされる。
スリットしたフィルムを10枚重ね、切断縁と切断縁から離れた位置の厚さをマイクロゲージで測定し、その差を10で除して1枚平均のカエリ値(μm)を求めた。このカエリ値が5μm未満であれば、問題のないレベルとされる。
〔記録層のヒビ割れ状態〕
スリットした切断縁の記録層側を目視観察し、次の4段階で評価した。
◎・・・異常なく綺麗に切断されている。
○・・・部分的に微小なヒビ割れが認められるが、実用上問題のない程度である。
△・・・実用上で問題になるレベルのヒビ割れが認められる。
×・・・ヒビ割れによって記録層の剥がれを生じている。
スリットした切断縁の記録層側を目視観察し、次の4段階で評価した。
◎・・・異常なく綺麗に切断されている。
○・・・部分的に微小なヒビ割れが認められるが、実用上問題のない程度である。
△・・・実用上で問題になるレベルのヒビ割れが認められる。
×・・・ヒビ割れによって記録層の剥がれを生じている。
上表で示すように、上刃の刃先角度が40度以上になるとカエリ現象を生じ、逆に下刃は刃先角度が50度未満になるとカエリ現象を生じており、この結果からカエリを抑止する上で上刃と下刃の刃先角度を各々本発明の規定範囲にすべきことが判る。また、上表より、トーイン角を適正範囲に設定することにより、切断縁の記録層側のひび割れや剥がれ等を防止できることが判る。
1 上刃
2 下刃
11 円形皿刃
11a 傾斜角の小さい側
21 円形皿刃
21a 傾斜角の小さい側
B 支持体
C 記録層
F 回転面
L ラップ量
M スリッター装置
O 回転軸
S ウエブの走行方向
W ウエブ
W1 記録材料
α 上刃の刃先角度
β 下刃の刃先角度
θ トーイン角
2 下刃
11 円形皿刃
11a 傾斜角の小さい側
21 円形皿刃
21a 傾斜角の小さい側
B 支持体
C 記録層
F 回転面
L ラップ量
M スリッター装置
O 回転軸
S ウエブの走行方向
W ウエブ
W1 記録材料
α 上刃の刃先角度
β 下刃の刃先角度
θ トーイン角
Claims (5)
- 走行するウエブを挟んで対峙する両側一対の回転刃の複数対がウエブ幅方向に所定の間隔を置いて配置し、走行するウエブを各対の回転刃間でスリットするように構成されたスリッター装置であって、
前記各対の回転刃は、刃先角度が40度未満の一方の回転刃と、刃先角度が50度以上の他方の回転刃との組合せからなり、ウエブ走行方向に対して0.001〜0.02度のトーイン角をなして刃先同士が噛み合うように配置していることを特徴とするスリッター装置。 - 前記各対の回転刃の一方がウエブ走行方向に対して順方向に回転駆動する駆動側回転刃であり、他方が該駆動側回転刃及びウエブとの接触摩擦によって従動回転する従動側回転刃である請求項1記載のスリッター装置。
- 各回転刃が各々独立した支軸に取り付けられてなる請求項1又は2に記載のスリッター装置。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載のスリッター装置により、ウエブとしてプラスチック基材の片側に少なくとも水性の記録層用塗液を塗工した記録材料を、その記録層用塗液の塗工側に前記刃先角度が40度未満の一方の回転刃が当接する状態でスリットすることを特徴とする記録材料のスリット断裁方法。
- 前記記録材料の記録層用塗液を塗工した側を鉛直方向の上面側にしてスリットすることを特徴とする請求項4記載の記録材料のスリット断裁方法。
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JP2013228597A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Nichirei Magnet Kk | 切り込み付き可撓性シート |
CN106881739A (zh) * | 2015-12-15 | 2017-06-23 | 柯尼卡美能达株式会社 | 光学膜的制造方法及制造装置 |
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- 2005-07-27 JP JP2005216909A patent/JP2007030097A/ja not_active Withdrawn
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