JP2007030069A - 自動車用ホイールの切削加工方法及び切削加工装置 - Google Patents

自動車用ホイールの切削加工方法及び切削加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋳造工程後の行われる切削加工工程を効率化することにより、生産性を向上し得る自動車用ホイールの切削加工方法及び切削加工装置を提案する。
【解決手段】 意匠面5の加工時間以下で夫々切削加工可能な、前記リム部外周面9をその前後で区分したリム前部加工領域9aとリム後部加工領域9bと、リム部内周面10からハブ孔内周面6aに至る連続面を区分した第一内面加工領域15と第二内面加工領域16とを、第一切削工程でリム後部加工領域9bと第一内面加工領域15と第二内面加工領域16とを夫々並行して切削加工し、第二切削工程で、意匠面5とリム前部加工領域9aとを夫々並行して切削加工するようにした方法及び、第一切削工程を行う加工装置20を備えた装置である。これにより、切削加工工程の効率化と短時間化とを実現でき、総じて自動車用ホイールの生産性を高めることができ得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鋳造成形後にホイール内外面を切削加工して、所望のホイール形状に整える自動車用ホイールの切削加工方法に関するものである。
自動車用ホイールにあって、例えば、アルミニウム合金製のホイールは鋳造成形品が主流である。この鋳造成形による生産工程としては、鋳造工程、熱処理工程、切削加工工程、塗装工程の順に実行されることが一般的である。ここで、切削加工工程は、鋳造工程で得たホイール基体の鋳肌表面を切削加工することにより、所望のホイール形状に形成する工程である。
この切削加工工程は、例えば特許文献1のように、主に三工程により実行される。第一の工程では、鋳造工程で得たホイール基体を、その前側リムフランジ部を把持して、リム部外周面からリム部内周面を経てディスク部裏面まで連続的に切削加工する。ここで、リム部外周面にあって、前側リムフランジ部を把持している前側の部位は切削加工できずに残る。第二の工程では、ハブ孔、ボルト孔、バルブ孔を孔加工する。第三の工程では、このホイール基体を、その後側リムフランジ部を把持して、リム部外周面で切削加工されていない前側の部位から意匠面までを連続的に切削加工する。
ここで、切削加工工程は、上記第一の工程で、比較的正確かつ安定的に鋳造されるリム部前端面を基準面として、前側リムフランジ部を把持して切削加工を行い、その後、第三の工程で、第一の工程で切削加工したリム部後端面を基準面として後側リムフランジ部把持して切削加工を行うようにしている。
特開2004−122320号公報(段落番号「0004」、図4)
ところで、自動車用ホイールの生産工程にあって、生産性向上は常に求められている課題である。そして、この生産性向上のために、上記した切削加工工程ではその工程時間の短縮化が求められている。
上述した従来方法の切削加工工程では、リム部前端面を基準とする第一の工程と、リム部後端面を基準とする第三の工程とが順次行われる。ここで、第一の工程では、第三の工程で切削不能な部位を切削加工し、第三の工程では、第一の工程で切削不能な部位を切削加工することが必要となっている。このため、第三の工程で切削加工する意匠面とリム部外周面の前寄り部位とからなる加工面積に比して、第一の工程で切削加工する、リム部の後寄り部位とリム部内周面とディスク部裏面とからなる加工面積は広くなっており、第一の工程は、第三の工程に比して加工時間が長くなっていた。また、上記した第二の工程にあっても、ハブ孔、ボルト孔、バルブ孔を順次加工するために、第三の工程に比して加工時間が長くなっていた。このため、自動車用ホイールの製造ラインにあって、第二の工程では、第一の工程から製品が移送されてくるのを待っている待機時間が生じ、同様に、第三の工程では、第二の工程から製品が移送されてくるのを待つ待機時間が生じていた。そして、この待機時間により、切削加工工程は非効率的に実行されてることとなり、総じて当該切削加工工程の工程時間が長くなってしまう要因となっていた。
尚、切削加工工程の各工程にあって、加工時間を短縮するために、例えば、切削加工の加工速度を高めると、加工後の表面性状が荒れてしまい、自動車用ホイールとしての品質規格を満足させ得ない。したがって、単純に加工速度を高速化することはできない。
本発明は、鋳造工程後の切削加工工程に要する工程時間を短縮し得る自動車用ホイールの切削加工方法及び切削加工装置を提案する。
本発明は、鋳造工程後に、夫々連続する意匠面、リム部外周面、リム部内周面、ディスク部裏面、ハブ孔内周面を切削加工して所望のホイール形状に成形する自動車用ホイールの切削加工方法であって、前記意匠面の切削加工に要する加工時間以下で切削加工される加工領域となるように、前記リム部外周面を、その前後に沿ってリム前部加工領域とリム後部加工領域とに区分し、リム部内周面からディスク部裏面を経てハブ孔内周面に至る連続面を、その連続方向に沿って第一内面加工領域と第二内面加工領域とに区分すると共に、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々並行して切削加工する第一切削工程と、意匠面とリム前部加工領域とを夫々並行して切削加工する第二切削工程とを順に実行するようにしたことを特徴とする切削加工方法である。
ここで、第一内面加工領域と第二内面加工領域とは、夫々連続する加工領域である場合、連続しない複数の領域から構成された加工領域である場合のいずれであっても良い。また、ハブ孔内周面の切削加工としては、ハブ孔を形成するために、孔拡開加工する切削加工も含むものである。また、第一切削工程と第二切削工程とは、連続して順に実行するようにしても良いし、両工程間に別の切削工程を設定するようにしても良いものである。
一般的な自動車用ホイールにあって、意匠面の外観は最も重要視されるところであるから、この意匠面の切削加工は精密に設定されており、容易に変更することはできない。このため、本発明は、この意匠面の切削加工を基準として、該意匠面の切削加工に要する加工時間以下の加工時間で切削加工できるように、リム部外周面と、リム部内周面からディスク部裏面を経てハブ孔内周面に至る連続面とを夫々に区分し、それぞれを並行して切削加工するようにしている。これにより、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々切削加工する第一切削工程に要する加工時間と、意匠面とリム前部加工領域とを夫々各切削加工する第二切削工程に要する加工時間とを、ほぼ同等とすることができ得る。このように第一切削工程と第二切削工程とほぼ同じ加工時間で実行できることにより、切削加工工程に要する工程時間を短縮化することが可能となる。尚、第二切削工程にあっても、意匠面とリム前部加工領域とを並行して切削加工するようにしていることから、その加工時間を、上述した従来の切削加工工程の第三の工程に比して短時間化することができ得る。
また、本方法にあっては、第一切削工程で、ハブ孔内周面も切削加工するようにしている。すなわち、上述した従来構成のハブ孔とボルト孔とバルブ孔を成形する孔加工工程に比して、ボルト孔とバルブ孔とを成形する孔加工工程を設けるだけで良く、当該工程に要する加工時間も短縮することができる。
このように本発明の切削加工方法にあっては、上述した従来構成の切削加工工程でその三工程間に生じていた時間的な差異をほとんど無くし、第一切削工程と孔加工工程と第二切削工程とをほぼ同じ加工時間で実行できることとなる。したがって、各工程が順次効率良くかつ円滑に進行することとなり、総じて切削加工工程の工程時間を短縮でき、自動車用ホイールの生産性を向上することができ得る。ここで、切削加工工程の三工程では、各切削加工の加工速度を大きく上げる必要もないから、加工後の表面性状は充分に品質を満足し得るものとなる。
上述した切削加工方法にあって、第一切削工程は、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを、夫々単一の切削加工機器によりそれぞれ並行して切削加工する工程であって、第一内面加工領域を、リム部内周面から該スポーク部裏面の外寄面部に至る内面外部域と、ディスク部裏面を成すスポーク部裏面の内寄面部とに区分し、第二内面加工領域を、ハブ孔内周面からハブ取付面に至る内面中央部域と、リム部後端面とに区分すると共に、第一内面加工領域の内面外部域と第二内面加工領域の内面中央部域とを夫々の切削加工機器により並行して切削加工する内面切削第一過程と、第一内面加工領域のスポーク部裏面の内寄面部と第二内面加工領域のリム部後端面とを夫々の切削加工機器により並行して切削加工する内面切削第二過程とを順に実行する工程であるとした方法が提案される。
尚ここで、第一内面加工領域としては、リム部内周面からディスク部裏面のスポーク部裏面に至る領域であり、第二内面加工領域としては、ディスク部裏面のハブ取付面及びハブ孔内周面の連続面と、リム部後端面とからなる領域である。
かかる方法にあっては、リム後部加工領域、第一内面加工領域、第二内面加工領域をそれぞれ単一の切削加工機器により切削加工することにより、これら各加工領域を並行して切削するようにしている。ここで、第一内面加工領域と第二内面加工領域とを切削加工する各切削加工機器は、リム部で囲まれた空域内に進入して切削加工を行うこととなるため、それぞれが接触しないようにすることが必要となる。このため、内面切削第一過程として、第一内面加工領域内で外寄りの内面外部域とホイール中央の内面中央部域とを並行して切削加工し、内面切削第二過程として、第一内面加工領域内で内寄りのスポーク部裏面の内寄面部とリム部後端面とを並行して切削加工するようにしている。これにより、第一切削工程では、両切削加工機器が接触せずに第一内面加工領域及び第二内面加工領域を切削加工することができる。
尚、上記のように、限られた空域内で切削加工する場合、現実的には、一方の切削加工機器の切削加工時に、この切削加工を妨げないように、他方の切削加工機器を停止させなければならない非加工時間が生じてしまう。本方法によれば、この非加工時間を極力短くすることが可能である。したがって、この第一切削工程では、第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々に切削加工する各切削加工機器の、該第一切削工程の加工時間に対する稼動時間の割合(以下、時間稼動率と言う)を高くできるため、切削加工を効率良く行い、当該第一切削工程に要する時間を一層短縮化し得る。
一方、上述した自動車用ホイールの切削加工方法を具現化する切削加工装置として、鋳造工程後のホイール基体を、その前側リムフランジ部を把持し、ホイール中心軸線を中心として自転させる回転テーブルと、回転テーブルの周囲に所定間隔で配設され、ホイール基体を切削加工する切削刃具を、該ホイール基体の中心軸線に略平行な軸線方向とホイール径方向との二方向に変位作動する三つの切削加工機器と、前記意匠面の切削加工に要する加工時間以下で切削加工されるようした、前記リム部外周面をその前後に沿って区分した片方のリム後部加工領域と、リム部内周面からディスク部裏面を経てハブ孔内周面に至る連続面をその連続方向に沿って区分した第一内面加工領域と第二内面加工領域とを、前記三つの切削加工機器が夫々並行して切削加工するように、各切削加工機器を夫々制御する加工制御装置とを具備する第一切削加工装置を備えたものが提案される。
ここで、意匠面と、リム部外周面を区分したリム前部加工領域とは、第一切削加工装置とは別に、自動車用ホイールの切削加工装置を構成する他の加工装置で切削加工される。
かかる構成の第一切削加工装置は、鋳造工程後のホイール基体を、回転テーブルでその前側リムフランジ部を把持して回転させ、三つの切削加工機器を軸線方向と径方向とに変位制御することにより、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々に並行して切削加工するようにしたものである。ここで、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とは、意匠面の意匠面の切削加工に要する加工時間以下で切削加工されるようにしていることから、当該第一切削加工装置による切削加工に要する加工時間を、意匠面を切削加工する他の加工装置の加工時間とほぼ等しくすることができる。尚、この第一切削加工装置により実行される切削加工が、上述した切削加工方法における第一切削工程となっている。
ここで、自動車用ホイールの切削加工装置にあっては、上記した意匠面とリム前部加工領域を切削加工する別の加工装置を必要としている。すなわち、この切削加工装置は、上記した第一切削加工装置とその他の加工装置との複数の加工装置から構成されるものとなる。例えば、上記した切削加工方法のように、意匠面とリム前部加工領域とを夫々並行して切削加工する第二切削工程を実行する第二切削加工装置を備えるものとすると、この第二切削加工装置と上記第一切削加工装置との各加工時間がほぼ同等となる。したがって、切削加工装置が全体として効率化され、該切削加工装置に要する時間が短縮されることとなり得る。
また、この第一切削加工装置は、上述したように、ハブ孔内周面を切削加工するようにしていることから、自動車用ホイールの切削加工装置として、ボルト孔とバルブ孔とを形成する加工装置を要する。一方、上述した従来構成にあっては、ボルト孔とバルブ孔とはハブ孔と共に切削加工するようにしていた。この従来構成の、ボルト孔とバルブ孔とハブ孔とを切削加工する加工時間に比して、本構成の第一切削加工装置を備えた場合の、ボルト孔とバルブ孔の加工装置は、その加工時間が短縮されることとなり、意匠面の加工時間との時間差が小さくなる。このように、第一切削加工装置の加工時間と、ボルト孔とバルブ孔の加工装置の加工時間とが、意匠面を切削加工する加工装置の加工時間に対して時間差が小さくなることによって、切削加工装置全体に要する時間が短時間化され、総じて自動車用ホイールの生産性を向上することができ得る。
上述した第一切削加工装置は、第一内面加工領域を切削加工する切削加工機器が、リム部内周面からディスク部裏面を成すスポーク部裏面の外寄面部に至る内面外部域を切削する切削刃具と、該スポーク部裏面の内寄面部を切削する切削刃具とを交換可能に備え、第二内面加工領域を切削加工する切削加工機器が、ハブ孔内周面を切削する切削刃具と、ハブ取付面及びリム部後端面を切削する切削刃具とを交換可能に備えてなり、加工制御装置が、第一内面加工領域の内面外部域と第二内面加工領域のハブ孔内周面及びハブ取付面とを並行して切削加工する内面切削第一過程と、第一内面加工領域のスポーク部裏面の内寄面部と第二内面加工領域のリム部後端面とを並行して切削加工する内面切削第二過程とを順に実行するように、前記二つの切削加工機器の変位作動とその切削刃具の交換作動とを夫々制御するようにした構成が提案される。
かかる構成にあっては、リム部に囲まれた空域内で、第一内面加工領域を切削加工する切削加工機器と第二内面加工領域を切削加工する切削加工機器とが互いに接触しないように、一方の加工機器がホイール外寄りの部位を切削加工している時、他方がホイール内寄り(中心寄り)の部位を切削加工するように制御している。これにより、一方の切削加工機器の切削加工を妨げないように、他方の切削加工機器の切削加工を停止している非加工時間を、極力減少させ得るようにしている。したがって、この第一切削加工装置は、内面切削第一過程と内面切削第二過程とを順次実行することにより、各切削加工機器の時間稼動率を高くでき、効率良く切削加工することができるため、当該第一切削加工装置に要する加工時間を一層短縮できるものである。
さらに、第一内面加工領域を切削加工する切削加工機器は、該加工領域を内外で区分した内面加工外部域とスポーク部裏面の内寄面部とを、それぞれに応じた切削刃具により切削加工するようにしている。すなわち、内面切削第一過程と内面切削第二過程との変換時に、切削刃具の交換も行うことから、切削刃具の交換に要する時間を効率良く行うことができる。一方、第二内面加工領域を切削加工する切削加工機器は、ハブ孔内周面と、ハブ取付面及びリム部後端面とを、夫々に適正な切削刃具により切削加工するようにしている。これにより、比較的高精度の加工が求められるハブ孔内周面とハブ取付面とを、所定の品質規格に適合させ得るようにしている。
このように、第一切削加工装置は、第一内面加工領域と第二内面加工領域とを効率よく切削加工するようにしていると共に、所望の品質に成形することができるものである。
本発明の自動車用ホイールの切削加工方法は、意匠面の加工時間以下で切削加工される加工領域となるように、前記リム部外周面をその前後に沿ってリム前部加工領域とリム後部加工領域とに区分し、リム部内周面からハブ孔内周面に至る連続面をその連続方向に沿って第一内面加工領域と第二内面加工領域とに区分すると共に、第一切削工程で、リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々並行して切削加工し、第二工程で、意匠面とリム前部加工領域とを夫々並行して切削加工するようにした方法であるから、第一切削工程と第二切削工程との各加工時間は、一般的に最も精度が要求される意匠面の切削加工時間に従って、ほぼ等しい時間となり得る。而して、鋳造工程後の切削加工工程の効率化と短時間化とを実現でき、総じて自動車用ホイールの生産性を高めることができ得る。
ここで、第一切削工程では、第一内面加工領域を切削加工する切削加工機器により、第一内面加工領域から区分された内面外部域を切削加工すると共に、第二内面加工領域を切削加工する切削加工機器により、第二内面加工領域から区分された内面中央部域を切削加工する内面切削第一過程と、第一内面加工領域から区分されたスポーク部内寄面部を切削加工すると共に、第二内面加工領域から区分されたリム部後端面を切削加工する内面切削第二過程とを順に行うようにしたから、第一内面加工領域と第二内面加工領域とを切削加工する各切削加工機器が、リム部に囲まれた空域内で互いの切削加工を妨げることなく、順次所定部位を切削加工できるようになっている。これにより、一方の切削加工機器の加工中に生ずる、他方の切削加工機器が停止する非加工時間を極力減少させることができ、第一切削工程の効率化と短時間化とを一層進めることができ得る。
一方、自動車用ホイールの切削加工装置は、上記した切削加工方法の第一切削工程を実行する第一切削加工装置を備えてなるものであって、該第一切削加工装置が、前側リムフランジ部を把持してホイール基体を自転させる回転テーブルと、該回転テーブルの周囲に配設され、切削刃具を軸線方向とホイール径方向との二方向に変位作動する三つの切削加工機器と、前記三つの切削加工機器がリム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々並行して切削加工するように制御する加工制御装置とを具備するものとしたから、この第一切削加工装置は、最も高精度の加工を要求される意匠面を切削加工する加工時間とほぼ同等の加工時間で実行されるものとなる。したがって、切削加工装置を全体として効率化して短時間化することができ、総じて自動車用ホイールの生産性を向上し得る。
ここで、第一切削加工装置が、第一内面加工領域を区分した内面外部域とスポーク部裏面の内寄部面とを夫々切削する切削刃具を備えた切削加工機器と、第二内面加工領域のハブ孔内周面とハブ取付面及びリム部後端面とを夫々切削する切削刃具を備えた切削加工機器とを夫々制御して、内面切削第一過程と内面切削第二過程とを順に実行するようにしたものであるから、一方の切削加工機器の切削加工を妨げないように他方の切削加工機器の切削加工を停止する非加工時間を極力減少させることができ、この第一切削加工装置は効率的かつ短時間で各切削加工を行うことができ得る。さらに、切削加工する部位に応じた切削刃具を用いることにより、所望の品質に適合できることから、自動車用ホイールを品質を維持したまま、その生産性を向上することができ得る。
本発明の一実施例を添付図面を用いて詳述する。
鋳造成形により生産されるアルミニウム合金製の自動車用ホイールは、図1のように、アルミニウム合金の溶湯を所定の金型に注入する鋳造工程、該鋳造工程により得たホイール基体を熱処理する熱処理工程、このホイール基体1(図2参照)の表裏面を切削加工して所望のホイール形状に成形する切削加工工程、表面(主に意匠面5、図3参照)を塗装する塗装工程等を順次実行する生産工程により生産される。
上記した切削加工工程では、ディスク部2の意匠面5、リム部3のリム部外周面9、該リム部3のリム部内周面10、ディスク部2の裏面のスポーク部裏面8、ハブ取付面7、ハブ孔6、ボルト孔11、バルブ孔12が成形される(図2,3参照)。本実施例にあっては、この切削加工工程を、第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程に分けて、これら各工程を順次行うようにしている。ここで、第一切削工程では、鋳造工程と熱処理工程を経たホイール基体1を、そのリム部前端面3aを基準面として前側リムフランジ部4aを把持して固定し、リム部外周面9のリム後部加工領域9bと、リム部内周面10と、スポーク部裏面8と、ハブ取付面7と、ハブ孔6のハブ孔内周面6aとを切削加工する(図2参照)。また、孔加工工程では、ボルト孔11とバルブ孔12を孔加工する(図3(A)参照)。また、第二切削工程では、ホイール基体1を、そのリム部後端面3bを基準面として後側リムフランジ部4bを把持して固定し、意匠面5と、リム部外周面9のリム前部加工領域9aとを切削加工する(図3(B)参照)。ここで、リム部後端面3bは第一切削工程で切削加工し、リム部前端面3aは第二切削工程で意匠面5に連続して加工する。尚、第一切削工程では、鋳造工程で比較的安定的かつ適正に成形されるリム部前端面3aを基準面として切削加工し、第二切削工程では、第一切削工程で切削したリム部後端面3bを基準面として切削加工するようにしている。
尚、上記したスポーク部裏面8とハブ取付面7とから、本発明にかかるディスク部裏面が構成されている。
自動車用ホイールにあって、意匠面5の外観は最も重要視される点の一つであることから、優れた外観とするために、該意匠面5の切削加工には最も精密な加工が求められている。このため、意匠面5の切削加工は、所望の品質を満足し得る加工となっており、容易に変更することはできない。したがって、本発明にあっては、この意匠面5の切削加工を基準として、該意匠面5以外の面を、この意匠面5の切削加工に要する加工時間とほぼ同じ時間か、又は短い時間で切削加工することができる複数の加工領域に区分し、上記した第一切削工程及び第二切削工程で各加工領域を並行して切削加工するようにしている。これにより第一切削工程と第二切削工程とを、意匠面5の加工時間に従ってほぼ同等の加工時間とすることができる。
すなわち、リム部外周面9は、上記した意匠面5の加工時間以下で夫々切削加工できるように、前後に沿ってリム後部加工領域9bとリム前部加工領域9aとに区分する。そして、リム前部加工領域9aは、後側リムフランジ部4bを把持する第二切削工程で、意匠面5と夫々並行して切削加工される(図3(B)参照)。リム後部加工領域9bは、前側リムフランジ部4aを把持する第一切削工程で切削加工される(図2参照)。また、リム部内周面10からスポーク部裏面8とハブ取付面7を経てハブ孔6のハブ孔内周面6aに至る連続面にあっても、上記した意匠面5の加工時間以下で夫々切削加工できるように、連続方向に沿って二つの内面加工領域15,16に区分する。ここで、第一内面加工領域15はリム部内周面10及びスポーク部裏面8とし、第二内面加工領域16はハブ孔内周面6aとハブ取付面7とリム部後端面3bとしている。そして、第一切削工程では、第一内面加工領域15と第二内面加工領域16とを夫々並行して切削加工する(図2参照)。
上記した第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程は、それぞれ第一切削加工装置20(図4参照)、孔加工装置(図示書略)、第二切削加工装置(図示書略)により実行される。そして、これら第一切削加工装置20、孔加工装置、第二切削加工装置とに、熱処理工程から移送されて来たホイール基体1を順次移送することにより、第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程が順次実行される。ここで、第一切削加工装置20、孔加工装置、第二切削加工装置と、これら各装置へホイール基体1を順次移送する移送装置(図示省略)とによって、本発明にかかる自動車用ホイールの切削加工装置が構成されている。また、第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程とを順次実行させる切削加工工程を行うことが、本発明にかかる自動車用ホイールの切削加工方法である。
次に、このように設定した第一切削工程を実行する第一切削加工装置20について説明する。
図4のように、この第一切削加工装置20は、この前工程である熱処理工程から移送されたホイール基体1を把持し、該ホイール基体1の中心軸線Oを中心として所定速度で回転させる回転テーブル21と、該回転テーブル21の周囲に配設されて、ホイール基体1を切削加工する三つの切削加工機器22L,22R,22Cと、各切削加工機器22L,22R,22Cを夫々に変位制御する加工制御装置23とから構成されている。
上記した回転テーブル21には、ホイール基体1を載置する載置テーブル部25と、該載置テーブル部25に載置されたホイール基体1を、その前側リムフランジ部4aを把持して固定する固定アーム26と、載置テーブル部25を回転させる駆動モータ(図示省略)を備えた駆動装置27とから構成されている。そして、この固定アーム26は、載置テーブル部25上で、ホイール基体1の中心軸線Oが駆動モータの回転軸に沿うようにして、該ホイール基体1を固定するようになっている。
一方、ホイール基体1を切削加工する切削加工機器22L,22R,22Cにあって、切削加工機器22Lは上述した第一内面加工領域15(図2参照)を切削加工するものであり、切削加工機器22Rは第二内面加工領域16(図2参照)を切削加工するものであり、切削加工機器22Cはリム後部加工領域9b(図2参照)を切削加工するものである。そして、切削加工機器22Lと切削加工機器22Rとは、回転テーブル21を挟んで対峙するように、該回転テーブル21に固定されたホイール基体1に対して、その周方向で約180度隔てた位置に夫々配されている。また、切削加工機器22Cは、両切削加工機器22L,22Rからほぼ等距離にあり、回転テーブル21に固定されたホイール基体1に対して、その周方向で各切削加工機器22L,22Rから約90度隔てた位置に配されている。
そして、この三つの切削加工機器22L,22R,22Cは、それぞれ図示しない各駆動装置によって、上述した回転テーブル21に固定されたホイール基体1の中心軸線Oとほぼ平行な軸方向Zと、当該ホイール基体1の各径方向XL,XR,XCとの二軸で夫々変位作動するようになっている。すなわち、切削加工機器22Lは軸方向Zと径方向XLの二軸で変位し、切削加工機器22Rは軸方向Zと径方向XRの二軸で変位し、切削加工機器22Cは軸方向Zと径方向XCの二軸で変位する。尚、この各切削加工機器22L,22R,22Cを各径方向XL,XR,XCと軸方向Zとに夫々変位する各駆動装置(図示省略)としては、本実施例にあって例えば、各切削加工機器22L,22R,22Cの各径方向XL,XR,XCと軸方向Zとに沿った各二組の案内レール(図示省略)と、切削加工機器22L,22R,22Cに設けられ、該案内レールに従って移動可能な移動滑車(図示省略)と、該移動滑車を回動する回動モータ(図示省略)とから構成されている。そして、この各駆動装置は、各切削加工機器22L,22R,22Cを介して加工制御装置23と可動ケーブル(図示省略)により接続されており、該該加工制御装置23からの指示に従って各切削加工機器22L,22R,22Cを夫々変位するようになっている。
上記した三つの切削加工機器22L,22R,22Cには、ホイール基体1を夫々に切削する切削刃具が設けられている。第一内面加工領域15を切削加工する切削加工機器22Lには、リム部内周面10とスポーク部裏面8を内外方向で区分した外寄りの外寄面部8aとを切削する切削刃具30と、スポーク部裏面8の内寄りの内寄面部8bを切削する切削刃具31とが、両切削刃具30,31を交換する刃具交換機構28Lを介して設けられている。また、第二内面加工領域16を切削加工する切削加工機器22Rには、ハブ孔内周面6aを孔加工する切削刃具32と、ハブ取付面7及びリム部後端面3bを切削加工する切削刃具33とが、両切削刃具32,33を交換する刃具交換機構28Rを介して設けられている。また、リム後部加工領域9bを切削加工する切削加工機器22Cには、該リム後部加工領域9bを切削する切削刃具34が設けられている。ここで、刃具交換機構28L,28Rは、それぞれ切削加工機器22L,22R内に設けられた回転モータ(図示省略)を備えており、各回転モータが回動することにより、切削刃具30,31の変換、切削刃具32,33の変換を夫々行うことができるようになっている。そして、この刃具交換機構28L、28Rにあっても、上記した加工制御装置23の指示に従って回動するようになっている。尚、この刃具交換機構28Lによって、切削刃具30と切削刃具31の一方がホイール基体1を切削加工可能とする下方位置の加工状態に変換され、他方が上方位置の非加工状態に変換されるようになっている。同様に、刃具交換機構28Rによっても、切削刃具32,33の一方が加工状態となり、他方が非加工状態となるように変換される。
そして、各切削加工機器22L,22R,22Cは、上述したように、それぞれ軸方向Zと各径方向XL,XR,XCとに変位することによって、回転テーブル21に固定されたホイール基体1を切削加工する。すなわち、切削加工機器22Lの、加工状態の切削刃具30(31)が軸方向Zと径方向XLとに変位制御されて、所定の切削加工が実行される。同様に、切削加工機器22Rの、加工状態の切削刃具32(33)が軸方向Zと径方向XRとに変位制御されて、所定の切削加工が実行される。同様に、切削加工機器22Cの切削刃具34が軸方向Zと径方向XCとに変位制御されて、所定の切削加工が実行される。
ここで、第一内面加工領域15を切削加工する切削加工機器22Lと、第二内面加工領域16を切削加工する切削加工機器22Rとを、ホイール基体1を挟んで配していることにより、ホイール基体1のリム部3に囲まれた空域内で、両方の切削刃具が互いに最も離間して切削加工することができるようにしている。したがって、互いの切削加工を妨げる状態となる時間を短縮することができる。
尚、上記した切削加工機器22Lが切削刃具30で切削加工する、リム部内周面10からスポーク部裏面8の外寄面部8aに至る領域が、本発明にかかる内面外部域である。また、上記した切削加工機器22Rが切削加工するハブ孔内周面6aとハブ取付面7とからなる領域が、本発明にかかる内面中央部域である。
また、上記した加工制御装置23は、各切削加工機器22L,22R,22Cを制御することにより、リム後部加工領域9bと第一内面加工領域15と第二内面加工領域16とを切削加工する第一切削工程を効率的に実行するように制御している。この制御過程を、図5のタイムチャートにしたがって、以下説明する。
加工制御装置23は、熱処理工程から移送されたホイール基体1を回転テーブル21上に固定すると、所定回転速度で回転する。そして、切削加工機器22Lの刃具交換機構28Lを駆動して、切削刃具30を加工状態とすると共に、切削加工機器22Rの刃具交換機構28Rを駆動して、切削刃具32を加工状態とする。そして、図2(A)のように、切削加工機器22Lを変位作動することにより、その切削刃具30がリム部内周面10からスポーク部裏面8の外寄面部8aに至る領域を切削する。この切削加工機器22Lと並行して、切削加工機器22Rを変位作動することにより、その切削刃具32がハブ孔6のハブ孔内周面6aを切削する。さらに、これら切削加工機器22L,22Rと並行して、切削加工機器22Cを変位作動することにより、その切削刃具32がリム後部加工領域9bを切削する。
そして、この切削加工機器22Rは、ハブ孔内周面6aの切削加工が終了すると、切削刃具32をホイール基体1から一旦離間するように上方へ変位した後、刃具交換機構28Rを駆動して切削刃具33を加工状態とし、再び変位作動して該切削刃具33によりハブ取付面7を切削する。ここで、切削加工機器22Lがリム部内周面10からスポーク部裏面8の外寄面部8aに至る領域を切削加工する時間が、図5の加工時間T1である。また、切削加工機器22Rがハブ孔内周面6aを切削加工する時間が、図5の加工時間S1であり、ハブ取付面7を切削加工する時間が、図5の加工時間S2である。また、切削加工機器22Cの切削加工に要する時間が、図5の加工時間R1である。
このように、切削加工機器22Lが、リム部内周面10からスポーク部裏面8の外寄面部8aに至る領域を切削し、この切削加工と並行して、切削加工機器22Rが、ハブ孔内周面6aとハブ取付面7とを切削するようにした過程が、本発明にかかる内面切削第一過程である。尚、この内面切削第一過程にあって、切削加工機器22Rがハブ取付面7を切削加工している時に、切削加工機器22Lの切削加工が終了すると、該切削加工機器22Lはその切削刃具30をホイール基体1から離間するように上方へ変位した後、その刃具交換機構28Lを駆動して切削刃具31を加工状態として、切削加工を一時中断する。この切削加工を中断している時間が、図5の非加工時間P1である。
上記した切削加工機器22Rによるハブ取付面7の切削加工が終了すると、この切削加工機器22Rは、リム部後端面3bを切削加工するために、切削刃具33がハブ取付面7から該リム部後端面3bに移動する。ここで、切削刃具33がハブ取付面7から離間すると、図2(B)のように、切削加工機器22Lの変位作動を再開して、その切削刃具31がスポーク部裏面8の内寄面部8bを加工し始める。そして、スポーク部裏面8の内寄面部8bの切削加工と、リム部後端面3bの切削加工とが並行して行われる。このように、切削加工機器22Lがスポーク部裏面8の内寄面部8bを切削加工し、この切削加工と並行して、切削加工機器22Rがリム部後端面3bを切削加工するようにした過程が、本発明にかかる内面切削第二過程である。この内面切削第二過程で、切削加工機器22Lがスポーク部裏面8の内寄面部8bを切削加工する時間が、加工時間T2であり、切削加工機器22Rがリム部後端面3bを切削加工する時間が、図5の加工時間S3である。
尚、この内面切削第二過程にあって、切削加工機器22Lがスポーク部裏面8の内寄面部8bを切削加工している時に、切削加工機器22Rがリム部後端面3bの切削加工を終了すると、当該切削加工機器22Rをホイール基体1から離間させて待機状態とする。この切削加工を先に終了して待機している時間が、図5の非加工時間P2である。
一方、上述したように、切削加工機器22Cは、その切削刃具34によりリム部外周面9のリム後部加工領域9bを、上記した内面切削第一過程及び内面切削第二過程と並行して、切削加工している。そして、内面切削第二過程の終了前に、リム後部加工領域9bの切削加工が終了すると、この切削加工機器22Cは、その切削刃具34をホイール基体1から離間させるように変位して待機状態となる。この切削加工を先に終了して待機している時間が、図5の非加工時間P3である。
上述した切削加工機器22Lによるスポーク部裏面8の内寄面部8bの切削加工が終了すると、内面切削第二過程を終了する。これにより第一切削工程が終了する。尚、この第一切削工程に要した時間は、図5の加工時間W1である(図6参照)。そして、切削加工機器22Lをホイール基体1から離間して待機状態とし、回転テーブル21に固定されているホイール基体1を開放して、当該ホイール基体1を次の孔加工工程へ移送する。
このような第一切削加工装置20による第一切削工程にあっては、リム部3に囲まれた空域内で切削加工を行う二つの切削加工機器22L,22Rを、内面切削第一過程と内面切削第二過程を順次実行するようにして制御している。これにより、二つの切削加工機器22L,22Rの、第一切削工程の総加工時間に対する稼動時間の割合(時間稼働率)を充分に高めている。したがって、上記した非加工時間P1,P2,P3をできるだけ短縮することができ、第一切削工程を比較的短時間で実行し得ることとなっている。
上述したように第一切削加工装置20が第一切削工程を終了すると、そのホイール基体1を、孔加工工程、第二切削工程へ順次移送して、切削加工工程が進行する(図1参照)。
ここで、孔加工工程は、ボール盤から構成される孔加工装置(図示省略)により実行される。孔加工装置は、図3(A)のように、第一切削加工装置20から移送されてきたホイール基体1を所定位置に固持し、ボルト孔11用の専用ドリル35とバルブ孔12用の専用ドリル36によって、順次孔開加工する。そして、ボルト孔11及びバルブ孔12が形成すると、当該ホイール基体1を開放して、次の第二切削工程へ移送する。尚、この孔加工工程に要した時間は、図6の加工時間W2である。
次の第二切削工程は、図示しない第二切削加工装置により実行される。
この第二切削加工装置は、図3(B)のように、ホイール基体1の意匠面5とリム部外周面9のリム前部加工領域9aとを並行して切削加工するものである。すなわち、この第二切削加工装置は、上記した孔加工工程から移送されてきたホイール基体1を、所定の回転テーブル(図示省略)上で後側リムフランジ部4bを把持固定して、ホイール基体1を所定回転速度で回転させる。そして、図示しない二つの切削加工機器がそれぞれ、意匠面5とリム前部加工領域9aとを並行して切削加工する。ここでは、意匠面5用の専用切削刃具37を駆動すると並行して、リム前部加工領域9a用の専用切削刃具38を駆動することにより、意匠面5とリム前部加工領域9aとを切削加工するようにしている。この切削加工が終了すると、第二切削工程が終了する。ここで、意匠面5の切削加工に要する加工時間に比して、リム前部加工領域9aの切削加工に要する加工時間が短ければ、該リム前部加工領域9aを切削加工する切削加工機器は、その切削刃具(図示省略)をホイール基体1から離間して、待機状態とする。尚、この第二切削工程に要した時間は、図6の加工時間W3である。
このようにして、第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程が終了すると、切削加工工程が終了する。そして、この切削加工工程後に、塗装工程等が実行されて、所望の自動車用ホイールが生産されることとなる。
ここで、図6のように、第一切削工程の加工時間W1、孔加工工程の加工時間W2、第二切削工程の加工時間W3は、全てほぼ等しい時間となっている。これにより、切削加工工程が効率化され、この工程時間も短縮化されるため、総じて自動車用ホイールの生産性が向上する。
尚、図示しない従来構成の切削加工工程にあっては、その第一の工程で、リム部の固定されていない後寄りの外周面と、該リム部の内周面と、スポーク部裏面と、ハブ取付面とを連続して切削加工する。さらに次の第二の工程で、ハブ孔の成形と、ボルト孔及びバルブ孔の孔開加工を行い、次の第三の工程で、意匠面と第一切削工程で切削されていないリム部外周面の前寄り領域とを連続して切削加工する。ここで、第三の工程の加工時間V3は、図6のように、意匠面とリム部外周面の前寄り領域とを連続して切削加工していることから、上述した本実施例の第二切削工程の加工時間W3に比して、長くなってしまう。また、この従来の第一の工程の加工時間V1は、前記第三の工程に比して加工面積が広く、かつ各面を連続して加工していたことから、その加工時間V3に比して、約1.5倍以上の時間を要していた。さらに、従来の第二の工程の加工時間V2にあっても、ハブ孔6の成形を行うことから、第三の工程の加工時間に比して約1.5倍の時間を要していた。したがって、従来の切削加工工程では、その第一の工程と第二の工程とが第三の工程に比して長時間を要することから、最も加工時間の長い第一の工程に従って進行することとなっていた。すなわち、製造ラインとして進行している場合にあって、第二の工程では、その加工時間V2と第一の工程の加工時間V1との時間差だけ、加工を停止して待っている待機時間となり、第三の工程では、その加工時間V3と加工時間V1との時間差だけ、加工を停止して待っている待機時間となる。このように、従来の切削加工工程は、製造ラインとして効率が悪く、総じて当該切削加工工程で単位時間当りに切削加工されるホイール基体の個数が比較的少数に限定されることとなっていた。
この従来の切削加工工程に対して、上述した本実施例の構成は、図6のように、その第一切削工程及び孔加工工程の各加工時間W1,W2が、第二切削工程の加工時間W3とほぼ等しくなるように短縮されている。さらに、第二切削工程の加工時間W3も、上記した従来の第三の工程に比して短時間化されている。このように第一切削工程と孔加工工程と第二切削工程とがほぼ同じ加工時間で行われることから、各工程の待機時間もほとんど無くなり、切削加工工程が全体として円滑かつ効率的に進行することとなっている。この実施例の切削加工工程では、従来構成に比して、単位時間当りに切削されるホイール基体1の個数が約50%向上し、高い生産性も確認できた。また、本実施例の切削加工工程では、切削加工の加工速度を大きく増加するようにしていないことから、従来構成と同様に、所定の品質規格を充分に満足する自動車用ホイールを成形できる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、リム部内周面10からスポーク部裏面8とハブ取付面7を経てハブ孔内周面6aに至る連続面を区分した二つの内面加工領域を、上記実施例と異なる領域とすることもできる。
本発明にかかる実施例の、自動車用ホイールの生産工程を表す工程図である。 同上の実施例の第一切削工程で実行される、(A)内面切削第一過程と(B)内面切削第二過程とを表す説明図である。 同上の実施例の、(A)孔加工工程と(B)第二切削工程とを表す説明図である。 第一切削工程を行う第一切削加工装置20を表す概略図である。 同上の第一切削工程における、各切削加工機器22L,22R,22Cの加工時間を表すタイムチャート図である。 本実施例の切削加工工程の、第一切削工程、孔加工工程、第二切削工程に要する時間を表す説明図である。
符号の説明
1 ホイール基体
3b リム部後端面
5 意匠面
6 ハブ孔
7 ハブ取付面
8 スポーク部裏面
8a 外寄面部
8b 内寄面部
9 リム部外周面
9a リム前部加工領域
9b リム後部加工領域
10 リム部内周面
15 第一内面加工領域
16 第二内面加工領域
20 第一切削加工装置
21 回転テーブル
22L,22R,22C 切削加工機器
23 加工制御装置
30,31,32,33,34 切削刃具

Claims (4)

  1. 鋳造工程後に、夫々連続する意匠面、リム部外周面、リム部内周面、ディスク部裏面、ハブ孔内周面を切削加工して所望のホイール形状に成形する自動車用ホイールの切削加工方法であって、
    前記意匠面の切削加工に要する加工時間以下で切削加工される加工領域となるように、前記リム部外周面を、その前後に沿ってリム前部加工領域とリム後部加工領域とに区分し、リム部内周面からディスク部裏面を経てハブ孔内周面に至る連続面を、その連続方向に沿って第一内面加工領域と第二内面加工領域とに区分すると共に、
    リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを夫々並行して切削加工する第一切削工程と、意匠面とリム前部加工領域とを夫々並行して切削加工する第二切削工程とを順に実行するようにしたことを特徴とする自動車用ホイールの切削加工方法。
  2. 第一切削工程は、
    リム後部加工領域と第一内面加工領域と第二内面加工領域とを、夫々単一の切削加工機器により並行して切削加工する工程であって、
    第一内面加工領域を、リム部内周面から該スポーク部裏面の外寄面部に至る内面外部域と、ディスク部裏面を成すスポーク部裏面の内寄面部とに区分し、第二内面加工領域を、ハブ孔内周面からハブ取付面に至る内面中央部域と、リム部後端面とに区分すると共に、
    第一内面加工領域の内面外部域と第二内面加工領域の内面中央部域とを夫々の切削加工機器により並行して切削加工する内面切削第一過程と、
    第一内面加工領域のスポーク部裏面の内寄面部と第二内面加工領域のリム部後端面とを夫々の切削加工機器により並行して切削加工する内面切削第二過程と
    を順に実行する工程である請求項1に記載の自動車用ホイールの切削加工方法。
  3. 鋳造工程後に、夫々連続する意匠面、リム部外周面、リム部内周面、ディスク部裏面、ハブ孔内周面を切削加工して所望のホイール形状に成形する自動車用ホイールの切削加工装置であって、
    鋳造工程後のホイール基体を、その前側リムフランジ部を把持し、ホイール中心軸線を中心として自転させる回転テーブルと、
    回転テーブルの周囲に所定間隔で配設され、ホイール基体を切削加工する切削刃具を、該ホイール基体の中心軸線に略平行な軸線方向とホイール径方向との二方向に変位作動する三つの切削加工機器と、
    前記意匠面の切削加工に要する加工時間以下で切削加工されるようした、前記リム部外周面をその前後に沿ってリム前部加工領域及びリム後部加工領域に区分した該リム後部加工領域と、リム部内周面からディスク部裏面を経てハブ孔内周面に至る連続面をその連続方向に沿って区分した第一内面加工領域と第二内面加工領域とを、前記三つの切削加工機器が夫々並行して切削加工するように、各切削加工機器を夫々制御する加工制御装置と
    を具備する第一切削加工装置を備えたものであることを特徴とする自動車用ホイールの切削加工装置。
  4. 第一切削加工装置は、
    第一内面加工領域を切削加工する切削加工機器が、リム部内周面からディスク部裏面を成すスポーク部裏面の外寄面部に至る内面外部域を切削する切削刃具と、該スポーク部裏面の内寄面部を切削する切削刃具とを交換可能に備え、
    第二内面加工領域を切削加工する切削加工機器が、ハブ孔内周面を切削する切削刃具と、ハブ取付面及びリム部後端面を切削する切削刃具とを交換可能に備えてなり、
    加工制御装置が、第一内面加工領域の内面外部域と第二内面加工領域のハブ孔内周面及びハブ取付面とを並行して切削加工する内面切削第一過程と、第一内面加工領域のスポーク部裏面の内寄面部と第二内面加工領域のリム部後端面とを並行して切削加工する内面切削第二過程とを順に実行するように、前記二つの切削加工機器の変位作動とその切削刃具の交換作動とを夫々制御するようにしたものである請求項3に記載の自動車用ホイールの切削加工装置。
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