JP2007029909A - 乳化方法とその装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】
分散相の粒径が均一であるエマルジョンを多量に生産したい。
【解決手段】
平面形流路の微小流路を備えたマイクロ流体チップで薄く幅広の平面的な連続相となる液の流れに対し分散相となる液を直交するように分散して供給することにより第一次のエマルジョンを得て、この第一次のエマルジョンをベンチュリ管における絞りを通過させることにより微細な分散相とした第二次のエマルジョンを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水あるいは油の連続相に油あるいは水の分散相が均一に分散したエマルジョンを生産する乳化方法とその装置に関する。
エマルジョンとは、水と油のようにお互いに混じり合わない二つの液体に界面活性剤(乳化剤)を添加し、攪拌等の機械的操作を加えることで生産される、油滴(分散相)が水中(連続相)に分散したO/W(oil in water)型と水滴(分散相)が油中(連続相)に分散したW/O(water in oil)型の乳濁液である。
従来の一般的なエマルジョン生成方法としては、分散法を用いたバッチ式生産が知られている。これは大型の容器に油,水相,界面活性剤を投入し、回転・攪拌機構を用いて一度に大量のエマルジョンを製造する生産方法である。
しかし、この生産方式には、回転・攪拌時に加えられるせん断力が液体全体に均一に加わらないために、油滴あるいは液滴の粒径が均一でないという問題点が存在する。また、この粒径分布が一定の値に安定化するためには20分以上の回転・攪拌が必要とされている。
エマルジョンの粒径が均一で無い状態では、その効果・性能にバラツキが生じ品質低下の原因となる。
上記の問題を解決する方法として、マイクロ流体チップを用いてエマルジョンを生成する方法がある。マイクロ流体チップは、幅及び深さが数μmから数百μmの微小流路に液体を供給し、乳化を微小流路内で行なうものである。
具体的には、下記特許文献1に開示されているような、油と水を多数の流れに分割し、それらを交互に配することで、液体の総体積に占める各液体の接触面積の割合を増加させた流れを形成し、流路を段階的に絞り込むことにより流路壁面との間に生じる流体剪断速度を利用して乳化を進める方法、あるいは、下記特許文献2に開示されているように、幅及び高さが10μm程度のマイクロチャンネル(微小流体通路)を介して連続相(水)中に分散相(油)を圧入することにより生成するものなどが知られている。
特開2004−81924号公報 特開2004−267837号公報
上記従来技術は、多量例えば、数十〜数百ml/min程度の流量で乳化を行なうべくマイクロ流体チップに高速で液体を流すと、マイクロチャンネルが微小過ぎる、あるいは液体体積に占める流路壁面との接触面積が大であるために内部の圧力損失が過大となって、所望の流量を流すことが難しい。
所望の流量を流し確実な乳化を行なうためには、高圧力に耐えられるポンプ等を用意するか、ナンバリングアップと呼ばれる複数のマイクロ流体チップを用いた並列処理などを行なう必要があり、いずれの方法を取っても装置全体が大型化する。
さらに、エマルジョンは季節の変化による温度変動により粒径が変化するだけでなく、ある一定の温度で油滴から水滴、あるいは水滴から油滴へと変化する転相と呼ばれる性質を持ち、温度の影響を強く受ける。
バッチ方式では一度に多量のエマルジョンを生産することができても、攪拌を行なう容器内に温度分布が生じやすく、分散相の均一な粒径の分散相を得られないだけでなくO/W型とW/O型が混在することがあり、これを避けるために温度調整に多くの労力がかかる。
それゆえ本発明の目的は、分散相の粒径が微細で均一であるエマルジョンを多量に生産することができる乳化方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、分散相の粒径が微細で均一であるエマルジョンを多量に生産することができる小型な乳化装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、分散相の粒径が微細で均一であるエマルジョンを多量に生産することができる小型で温度調整が容易な乳化装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明方法の特徴とするところは、エマルジョンの連続相と分散相となる2種の液体をマイクロ流体チップにおける微小流路に供給して、該微小流路において乳化を行ない、エマルジョンを得る乳化方法において、平面形流路の微小流路を備えたマイクロ流体チップで薄く幅広の平面的な連続相となる液の流れに対し分散相となる液を直交するように分散して供給することにより第一次のエマルジョンを得て、この第一次のエマルジョンをベンチュリ管における絞りを通過させることにより微細な分散相とした第二次のエマルジョンを得ることにある。
また上記目的を達成する本発明装置の特徴とするところは、エマルジョンの連続相と分散相となる2種の液体をマイクロ流体チップにおける微小流路に供給して、該微小流路において乳化を行ない、エマルジョンを得る乳化装置において、幅広の平面的な連続相となる液の流れに対し分散相となる液を直交するように分散して供給する平面形流路の微小流路を備え排出口から第一次のエマルジョンを得るマイクロ流体チップと、該マイクロ流体チップから排出される第一次のエマルジョンを通過させ微細な分散相の第二次のエマルジョンを得るベンチュリ管とを備えたことにある。
また、上記目的を達成する本発明装置の特徴とするところは、該マイクロ流体チップに温度調節手段を設けたことにある。
本発明では、マイクロ流体チップにおいて直径は大きいが分散相が均一である第一次のエマルジョンを低圧力損失の下に多量に生成し、次にそのエマルジョンをベンチュリ管において均一な分散相の微細化を図るという2段階に分けた生成により、簡単な構成で多量のエマルジョンを安定に得ることができる。
以下、図に示す一実施形態について説明する。
図1に、本発明になる乳化装置1の構成を示す。なお、本実施例は、連続相に水と界面活性剤の混合物,分散相に食用油を用いて、水中に油滴が分散したO/W型エマルジョンを生成する事例で説明する。
エマルジョンの溶媒となる連続相(水,界面活性剤)と、溶質となる分散相(食用油)は別々の液体タンク91A,91Bに納められている。各液体タンク91A,91Bに納められた液体は、ポンプ92A,92Bにより送液チューブ93A,93Bと逆流防止用の逆止弁94A,94Bを経てマイクロ流体チップ10へと送液され、後述するようにマイクロ流体チップ10において第一次のエマルジョンを生成する。
ポンプ92A,92Bは、送液条件が頻繁に変更され且つ送液精度が必要とされる場合にはシリンジポンプを、送液条件が固定され且つ長時間の連続送液が必要とされる場合にはギアポンプやロータリーポンプを使用することが好ましい。これらポンプ92A,92Bは、後述する理由により吐出圧力が数気圧程度の低圧ポンプで事足りる。また、送液チューブ93A,93Bは、耐蝕性が高く、膨張し難い(硬い)フッ素樹脂製チューブなどを使用することが好ましい。
マイクロ流体チップ10は、マイクロ流体チップ10を構成するアダプタ部材30(図2)に取り付けられた温調装置(温度調節装置)95と温調装置95を制御する温度制御器96によって任意の温度に調節され、マイクロ流体チップ10内の微小流路に送られた液体(溶媒と溶質)は後述する理由により、温度に対して高い反応性を持ち、短時間で任意の温度に維持される。これにより、液体粘度の調整やエマルジョン粒径の安定化を図ることが可能となる。
温調装置95は多様な条件に対応するために加熱,冷却両方の機能を持つことが望ましいので、本実施例ではペルチェ素子を用いて電流の向きを制御して加熱と冷却を行なえるようにした。
マイクロ流体チップ10で生成された第一次のエマルジョンは送液チューブ97を経てベンチュリ管40に送り、後述するようにベンチュリ管40において分散相を微細化した第二次のエマルジョンを生成し、エマルジョンタンク98へ納められる。
以上のように、本発明装置では送液ポンプ92A,92Bで液体を送液するだけでフロー式にエマルジョンを生成することが可能であり、バッチ式生産のような液体の分注機構,攪拌機構を別個に設ける必要は無く、装置の小型化・単純化が可能となる。
なお、本実施例ではベンチュリ管40はマイクロ流体チップ10と別部品としたが、これはエマルジョンを微細化する必要が無い場合はベンチュリ管40を取り外して使用できるようにするためであり、微細なエマルジョンのみを生成する場合は、マイクロ流体チップ10内にベンチュリ管40と同様の流路を設け、両者を一体化した構成としても良い。
以下、各部の詳細について説明する。
図2は表側から見たマイクロ流体チップ10の分解斜視図、図3は裏側(図2の反対側)から見たマイクロ流体チップ10の分解斜視図である。
両図2,3において、マイクロ流体チップ10は、送液する液体の種類に応じて金属,ガラス,シリコン,樹脂などの数mm厚の板材により形成したマイクロ流体チップ本体11と、マイクロ流体チップ本体11の表側となる一主面に配置されマイクロ流体チップ本体11における流路の天井部分を構成する蓋部材20と、この蓋部材20とは反対側になるマイクロ流体チップ本体11の裏側の主面に配置され送液ポンプ92A,92Bなどの送液機構とマイクロ流体チップ10をつなぐアダプタ部材30、及びこれら3部材間に配設した図示していないシール部材からなり、3部材間(20−11−30)をねじ締結により液体が漏れないようにしている。
シール部材は、厚さ0.5mmの耐食性に優れたフッ素ゴムを蓋部材20とマイクロ流体チップ本体11の裏面に設けたパッキン溝12、21に嵌め込むように打ち抜いたものを使用する。
本実施例では、分解清掃を可能とするためにシール部材を使用したが、レーザー接合や接着剤など他の方法を用いてマイクロ流体チップ本体11の表裏に蓋部材20やアダプタ部材30を直接固定しても良い。なお、図2,図3において、マイクロ流体チップ本体11,蓋部材20,アダプタ部材30の外周沿いに描いてある楕円はねじ孔である。
図4,図5はマイクロ流体チップ本体11の一主面側(表側)の正面図及び図4のA−A切断線に沿った縦断面図である。
マイクロ流体チップ本体11には、以下具体的に説明する液体供給部から液体排出部に至る各種形状の溝及び穴からなる流路を設けてあり、マイクロ流体チップ本体11の表面に密着固定される蓋部材20とアダプタ部材30はそれらの溝を密封する蓋の機能を果たしている。
マイクロ流体チップ本体11は表側の主面に微小流路16、裏側の主面に連続相供給部14と分散相供給部15を備え、さらに両主面に掛けてエマルジョン排出部17を備えている。連続相供給部14,分散相供給部15,エマルジョン排出部17は、後述するように、連続相の送液チューブ93A,分散相の93Bおよび第一次エマルジョンの送液チューブ97をそれぞれ接続するためにアダプタ部材30に設けられたネジ穴31,32,33(図2,図3参照)と連通している。
図2,図4に示すように、微小流路16は長方形で一方の短辺を半楕円形とした平面形状をしており、直線状の短辺側を上流側、半楕円形の短辺側を下流側としている。
図3に示すように、連続相供給部14は野球のホームベース状の平面形状をしている連続相バッファ14aと野球での投手側に相当するホームベース形状の辺の位置に設けてある連続相ノズル14bから構成される。連続相ノズル14b方向に向けて幅が広くなる三角形状の連続相バッファ14aの頂点部分は、アダプタ部材30における連続相送液チューブ93Aの接続用ネジ穴31と連通する連続相吐出口34の開孔位置としてある。
図4において左側の円内に拡大して示すように、連続相ノズル14bはマイクロ流体チップ本体11の裏から表へ通じるマイクロ流体チップ本体11の幅方向に連続した開孔(長円形)で構成され、連続相バッファ14aの幅は連続相ノズル14bの位置においてノズル幅と等しい。連続相ノズル14bの表側での開孔位置は微小流路16の上流側端部となっている。
連続相吐出口34より供給される連続相は図5において(1)で示す矢印(図4では点線で示す)のように流れ、連続相バッファ14aを満たした後に連続相ノズル14bから微小流路16に吐出して、図中(2)に示す微小流路16にその全幅と等しい薄いシート状の流れを形成する。
エマルジョンの生成において、連続相ノズル14bから吐出されるシート状流れは幅方向で均一な流速を持つことが好ましい。そのために、連続相バッファ14aでの圧力損失に対して連続相ノズル14bでのそれを十分に大きくして幅方向の吐出量を平均化する。本実施例では連続相ノズル14bを幅26mm、長さ0.2mmの高アスペクト比を持つ長円形のノズルとし、連続相バッファ14aと比較して100倍の圧力損失を発生させ、均一な流速を持つシート状流れを実現した。
図3,図4に示すように、分散相供給部15は、連続相供給部14と同様に野球のホームベース状の平面形状をしている分散相バッファ15aと野球での投手側に相当するホームベース形状の辺の位置に設けてある多数の分散相ノズル15bから構成される。
分散相ノズル15b方向に向けて幅が広くなる三角形状の分散相バッファ15aの頂点部分は、アダプタ部材30における分散相送液チューブ93Bの接続用ネジ穴32と連通する分散相吐出口35の開孔位置としてある。分散相バッファ15aにおける分散相吐出口35の開孔位置側が上流側で、分散相ノズル15b側が下流側である。
分散相吐出口35から図中(3)に示す矢印のように供給される分散相は、分散相バッファ15aを満たした後に多数の分散相ノズル15bから微小流路16の連続相の流れに吐き出される。
図6は、図4において右側の円内に示したB−B切断線に沿った分散相ノズル15b部分の拡大斜視断面図である。
各分散相ノズル15bは中心に微小な開孔を持つ富士山形,フジツボ形あるいは裁頭円錐形の突起であり、これらがマイクロ流体チップ本体11の幅方向に一定の間隔を持って一列に並べて微小流路16側に突出したものを千鳥配置に四段、合計で126個設けてある。各分散相ノズル15bの段数と1段に配列させる突起数は生成したいエマルジョンの粒径,処理量,連続相と分散相の比率などから決めれば良い。
分散相ノズル15bは微小流路16の底面を極細のエンドミルで切削して形成する。分散相ノズル15bの角度はこのエンドミルの刃先先端角に合せてあるため、エンドミルで円を描くように切削するだけで容易にノズルを形成でき生産性に優れる。
各分散相ノズル15bからの吐出量は均一であることが望ましいので、前述した連続相ノズル14bと同様に各分散相ノズル15bを直径0.1mmとして分散相バッファに比べて圧力損失を高めた。
図6に(3)で示すように各分散相ノズル15bから吐出された分散相は、直交する形で流れてくる図中(2)で示す連続相によりせん断され液滴になる。液滴の粒径は連続相と分散相の流速比を変化させることで調整できる。また、分散相ノズル15bは裁頭円錐形の突起であるため、平面に穴を設けたノズルの場合に比べて分散相はせん断されやすく、粒径が安定しやすい。
各分散相ノズル15bにおいて上記のように液滴が生成されるが、前述したように連続相は流路の幅方向で均一な流速であり、また各分散相ノズル15bから吐出される流速も均一であるため、全ての各分散相ノズル15bにおいて直径の等しい液滴が生成され、その結果、粒径の均一な第一次エマルジョンの生成が可能となる。
マイクロ流体チップ本体11において生成された第一次エマルジョンは、微小流路16の下流に設けられたエマルジョン排出部17を経て、エマルジョン排出部17と連通するようにアダプタ部材30に設けられたエマルジョン排出口36からネジ穴33(図2,図3参照)に至り、チップ外へと排出される。
以上のように、マイクロ流体チップ10において粒径の均一な第一次エマルジョンが生成される。チップ内流路で最小寸法の場所は分散相ノズル15bの0.1mmであり、これは従来のチップに比べると大きい。このようにチップ内流路の寸法を大きくすることで圧力損失の増加を抑え、粘性が低い液体の場合数十〜100ml/min程度の液量を処理しても、圧力損失を数気圧以下に抑えることが可能となる。
ただし、ノズル直径が大きいためにこの段階での第一次エマルジョンは、条件にもよるが、分散相の粒径が100μm前後になる。そこで、より微細なエマルジョンを得るために、本実施例ではベンチュリ管40を用いてエマルジョンの微細化を行う。
なお、マイクロ流体チップ本体11の裏面中央部には図3に示すように温度センサを設置するための温度センサ用溝13を設けてある。この溝13に熱電対や白金抵抗体といった温度センサを設置して温度を計測し、この温度情報をもとに図1に示した温度制御器96が温調装置95を制御する。
マイクロ流体チップ10内に設けられた微小流路16は平面形状で、容積はチップ10の体積に比べて十分に小さいため、チップ10の温度を調整することでチップ10内に送液された液体を短時間でチップ温度と等しくすることができる。
図7は、ベンチュリ管40の分解斜視図である。
ベンチュリ管40は、ベンチュリ管蓋41とベンチュリ管本体42の2つの部品からなる円筒である。ベンチュリ管蓋部41にはメスネジを設けてあり、ベンチュリ管本体42にはそれに対応するオスネジを設けてある。ベンチュリ管本体42の蓋部と接する面にはOリング溝43を設けてあり、この溝にOリングを入れた状態で蓋部を本体にねじ込むことで液漏れの無いベンチュリ管40となる。
ベンチュリ管40の両端には切り欠き44A,44Bを設けてあり、レンチ等の工具を使 って容易に組み立て、あるいは分解することができる。なお、ベンチュリ管40を分割式にしたのは、ワイヤ放電加工を使用して管内流路を加工する際の作業性を向上させるためである。
図8は、図7に示したC−C切断線に沿ったベンチュリ管40の縦断面図である。
ベンチュリ管40には図中に矢印で示す方向にマイクロ流体チップ10で生成された第一次エマルジョンを送液する。このためベンチュリ管40の上下両端には配管継手を接続するためのメスネジが設けてあり、上が供給側ネジ穴45、下が吐出側ネジ穴46である。
ベンチュリ管40の内部には円形の流路が設けられており、供給側ネジ穴45の直後に設けられた直径最小となるのど部(絞り)47と、その後徐々に直径を増していくテーパー状の拡大部48からなる。
ベンチュリ管40に送液された第一次のエマルジョンは流路断面積が小さいのど部47において流速の上昇に反比例して圧力が低下し、流路断面積が増加する拡大部へ移ることで急激に圧力を回復する。
この急峻な圧力変動によって第一次のエマルジョンは崩壊し、分散相は微細化され、第二次のエマルジョンとなる。分散相の微細化は圧力の変動が大であるほど顕著であるので、エマルジョンの流量を多くするか、のど部47の直径を小さくすることが、微細な分散相のエマルジョン生成に望ましい。
本実施例ではベンチュリ管40を分割式にした上でワイヤ放電加工を使用し、のど部47の直径0.3mmを実現した。
これによりエマルジョン流量50ml/min程度と多量で、分散相直径が均一で数μmと微細なエマルジョンを得ることができた。
以上の説明では、水中に油滴が分散したO/W型エマルジョンを生成する事例を紹介したが、連続相と分散相を交換し、油中に水滴が分散したW/O型のエマルジョンを生成することもできる。
図1のベンチュリ管40に代わるものとして、絞りを備えたオリフィスやキャピラリを使用してもよい。
本発明の一実施形態を示す乳化装置の構成図である。 図1に示したマイクロ流体チップを表側から見た分解斜視図である。 図1に示したマイクロ流体チップを裏側から見た分解斜視図である。 図2に示したマイクロ流体チップ本体の正面図である。 図4のA−A切断線に沿ったマイクロ流体チップ本体の縦断面図である。 図4のB−B切断線に沿った分散相ノズル部の拡大斜視断面図である。 図1に示したベンチュリ管の分解斜視図である。 図7のC−C切断線に沿ったベンチュリ管の縦断面図である。
符号の説明
1…乳化装置
10…マイクロ流体チップ
11…マイクロ流体チップ本体
14…連続相供給部
14b…連続相ノズル
15…分散相供給部
15b…分散相ノズル
16…微小流路
17…エマルジョン排出部
20…蓋部材
30…アダプタ部材
40…ベンチュリ管
42…ベンチュリ管本体
47…のど部(絞り)
48…拡大部
91A…液体(連続相)タンク
91B…液体(分散相)タンク
98…エマルジョンタンク
95…温調装置

Claims (5)

  1. エマルジョンの連続相と分散相となる2種の液体をマイクロ流体チップにおける微小流路に供給して、該微小流路において乳化を行ない、エマルジョンを得る乳化方法において、
    平面形流路の微小流路を備えたマイクロ流体チップで薄く幅広の平面的な連続相となる液の流れに対し分散相となる液を直交するように分散して供給することにより第一次のエマルジョンを得て、この第一次のエマルジョンをベンチュリ管における絞りを通過させることにより微細な分散相とした第二次のエマルジョンを得ることを特徴とする乳化方法。
  2. エマルジョンの連続相と分散相となる2種の液体をマイクロ流体チップにおける微小流路に供給して、該微小流路において乳化を行ない、エマルジョンを得る乳化装置において、
    幅広の平面的な連続相となる液の流れに対し分散相となる液を直交するように分散して供給する平面形流路の微小流路を備え排出口から第一次のエマルジョンを得るマイクロ流体チップと、該マイクロ流体チップから排出される第一次のエマルジョンを通過させ微細な分散相の第二次のエマルジョンを得るベンチュリ管とを備えたことを特徴とする乳化装置。
  3. 上記請求項2の乳化装置において、該マイクロ流体チップは該微小流路の幅とほぼ同じ長さを持つ開孔から連続相を供給する連続相ノズルと該微小流路の幅方向に一定の間隔を持って少なくとも一列に並び該微小流路側に裁頭円錐形に突出し中心の開孔を持つ多数の分散相ノズルを有するものであることを特徴とする乳化装置。
  4. 上記請求項2の乳化装置において、該マイクロ流体チップに温度調節手段を設けたことを特徴とする乳化装置。
  5. 上記請求項2の乳化装置において、該ベンチュリ管に代えてオリフィスあるいはキャピラリを用いたことを特徴とする乳化装置。
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