JP2007027874A - 画像の無線伝送装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波状況が不安定で最短の無線伝送経路が煩雑に変動するような状況であっても、一義的に切り換えないようにして、画像の途切れをなくして、安定した画像を取得できるようにする。また、経路探索、確立の確認を行っている間も、画像伝送を行えるようにして、画像の途切れをなくして、更に安定した画像を取得できるようにする。
【解決手段】探索された無線伝送経路の通信の確立が確認された場合には、その後に、新たに最短の無線伝送経路が探索されたとしても、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから、再度、無線伝送経路の探索、確立の確認を行い、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送させる。各経路制御部は、画像無線送信機、画像無線送受信機、画像無線受信機で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、最短の無線伝送経路の探索、無線伝送経路の通信確立の確認を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カメラ局で撮像された画像を、1または複数のリピータ局を経由して、モニタ局へ無線で伝送する画像の無線伝送装置および方法に関するものである。
近年、図1に示すように、建設機械80に、カメラ局10を設け、カメラ局10のカメラ11で撮像された画像を、1または複数のリピータ局20、40、30を経由して、モニタ局50へ無線で伝送して、モニタ局50のモニタ51の画面上に撮像画像を表示して、オペレータがモニタ51の画面をみながら、建設機械80を遠隔操作して作業を行うという建設機械の遠隔操作システムの開発がすすめられている。
この場合、建設機械80(カメラ局10)と、モニタ局50との間には、山や建造物などの無線通信用電波の障害物が存在する。建設機械80(カメラ局10)と、モニタ局50との間の無線伝送環境、つまり電界強度等は、建設機械80が移動することなどで、時々刻々と変動し、それに応じて、鮮明な画像を伝送できなくなることがある。
このため、常時、鮮明な画像をモニタ局50で取得するために、無線伝送環境に応じて、建設機械80(カメラ局10)からモニタ局50までの無線伝送経路を切り換える必要がある。
(従来技術1)
画像の無線伝送に関する技術に、マルチホップ無線伝送という技術がある。マルチホップ無線伝送は、無線LANで一般的に用いられている。マルチホップ画像伝送では、各ノード(カメラ局、各リピータ局、モニタ局)相互間で送受信が行われて、送受信が可能な各ノードのリンク状態を示す経路表が作成される。そして、経路表に基づいて、ノード数が最小(最小ホップ数)となる(最もリピータ局の数が小さくなる)最短の無線伝送経路が求められる。そして、求められた最短の無線伝送経路に沿って、終端のノード(モニタ局)から最初のノード(カメラ局)に向けてコマンドを送り最初のノード(カメラ局)から終端のノード(モニタ局)へコマンドを送り返すことで、最短の無線伝送経路が確立されているかを確認する。そして、確立が確認された最短の無線伝送経路に沿って画像の伝送が行われるように、各ノード(カメラ局、各リピータ局、モニタ局)の各画像無線機の送受信周波数が切り換えられる。
一般的なマルチホップ画像伝送では、同じ周波数の電波を用いて、画像が伝送されるとともに、無線伝送経路の探索や無線伝送経路の確立の確認が行われる。
(従来技術2)
特許文献1には、ある無線伝送経路で画像のパケットが伝送されている合間に、他の無線伝送経路に沿って、確立を確認するためのパケットを伝送させて、確立の確認を行い、現在画像が伝送されている無線伝送経路でパケットエラーが発生する前に、確立が確認された他の無線伝送経路に切り換えるという発明が記載されている。この特許文献1記載の発明は、画像伝送の合間に、無線伝送経路の探索、確立の確認を行うものであり、上記従来技術1と同様に、画像を伝送するための使用される周波数と、無線伝送経路の探索や無線伝送経路の確立の確認を行うために使用される周波数は、同じである。
(従来技術3)
カメラ局とモニタ局の間のリピータ局は、後段の他のリピータ局若しくはモニタ局に画像を送信するともに、前段の他のリピータ局若しくはカメラ局から画像を受信する。このため仮にリピータ局から送信する周波数帯とリピータ局で受信する周波数帯とが同じであると、信号が相互干渉し発振を引き起こす。
特許文献2では、この問題を解決するために、リピータ局の画像受信部で受信される信号の周波数帯とリピータ局の画像送信部から送信される信号の周波数帯とが異なる周波数帯となるように周波数を割り当てるという発明が記載されている。
また、特許文献2には、上記問題を解決するために、同一周波数帯域を時分割して、リピータ局の画像受信部で受信される時間とリピータ局の画像送信部から送信される時間とが異なる時間となるように時分割するという発明が記載されている。
特許第3549827号公報 特開2000−115764号公報
建設機械の遠隔操作システムでは、建設機械が行う作業の精度、効率を高めるために、鮮明で乱れや途切れや遅延のない動画像を取得することが必要である。
しかし、従来技術2によれば、新たな無線伝送経路の確立が確認されると、一義的に、その新たな無線伝送経路に切り換えられる。
電波の受信強度等が不安定な状況では、短時間のうちに無線伝送経路が煩雑に切り換えられてしまう。たとえば、図1においてリピータ局20とリピータ局30の間のb区間の電波状態が不安定であると、a−b−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局30−モニタ局50)という経路と、a−d−e−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局40−リピータ局30−モニタ局50)という経路とが煩雑に切り換わる。
このためモニタ画面上には、煩雑に途切れる動画像が表示される。無線伝送経路の煩雑な切換えは、静止画像では、問題は少ないものの、動画像のようなストリーミングデータの伝送では、画像が途切れることで建設機械側の情報を一時的にせよ取得できなくなるため、問題が大きい。
このように電波状況が不安定で短期的に頻繁な無線伝送経路の切り換えが行われると、画像の途切れが問題となる。このためモニタ画面をみながら建設機械を正確に操作できなくなり、建設機械が行う作業の精度、効率が損なわれる。
また、従来技術1、2によれば、経路探索、確立の確認を行うために使用される周波数と、画像伝送を行うために使用される周波数が同じであるため、経路探索、確立の確認を行っている間は、カメラ局側から画像を送信することができない。このためモニタ局側で画像の途切れや遅延が生じる。このため同様にモニタ画面をみながら建設機械を正確に操作できなくなり、建設機械が行う作業の精度、効率が損なわれる。
また、従来技術3で説明した特許文献2記載の発明は、リピータ局を固定してリピータ局で送信したり受信するための周波数帯を割り当てたり、リピータ局で送信したり受信したりするための時間を割り当てるというものであり、そもそも無線伝送経路を、電波状況に応じて切り換えるという課題はない。リピータ局を固定してしまうと、電波状況が変化したときに、カメラ局で撮像した画像自体をモニタ局で取得できないという問題がある。
また、時分割で画像の送受信を行うにすると、リピータ局の数が増えた場合に、画像伝送に割り当てられる時間が少なくなる。このため画質の低下やフレームレートの低下が生じる。このため同様にモニタ画面をみながら建設機械を正確に操作できなくなり、建設機械が行う作業の精度、効率が損なわれる事態を招く。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、電波状況が不安定で最短の無線伝送経路が煩雑に変動するような状況であっても、一義的に切り換えないようにして、画像の途切れをなくして、安定した画像を取得できるようにすることを第1の解決課題とするものである。
本発明は、第1の解決課題に加えて、経路探索、確立の確認を行っている間も、画像伝送を行えるようにして、画像の途切れをなくして、更に安定した画像を取得できるようにすることを第2の解決課題とするものである。
第1発明は、
カメラ局で撮像された画像を、1または複数のリピータ局を経由して、モニタ局へ無線で伝送する画像の無線伝送装置であって、
カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに設けられ、画像を無線伝送する画像無線機と、
カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索する最短経路探索手段と、
無線伝送経路が確立されていることを確認するコマンドを、対応する無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認する無線伝送経路確立確認手段と、
確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送されるように、カメラ局、リピータ局、モニタ局の各画像無線機の送受信周波数を切換え制御する画像無線機切換制御手段と、
最短経路探索手段で新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせる経路切換制御手段と
を備えたことを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前記経路切換制御手段は、
最短経路探索手段で新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせること
を特徴とする。
経路切換制御手段は、
現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数と、最短経路探索手段で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数とを対比して、その対比結果に応じて、待ち時間を異ならせること
を特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明において、
無線伝送経路確立確認手段で、無線伝送経路の確立が規定時間内に確認できなかった場合には、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明において、
カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
各経路制御部は、画像無線機で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、各局間で送受信して、カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索すること
を特徴とする。
第5発明は、第1発明において、
カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
各経路制御部は、画像無線機で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、無線伝送経路が確立されていることを確認するためのコマンドを、無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認すること
を特徴とする。
第6発明は、第1発明において、
カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
各経路制御部は、対応する局の画像無線機に対して、画像を無線伝送する際に使用される周波数の情報を与えることで、対応する局の画像無線機の送受信周波数を切換え制御すること
を特徴とする。
第7発明は、
カメラ局で撮像された画像を、1または複数のリピータ局を経由して、モニタ局へ無線で伝送する画像の無線伝送方法であって、
カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索する最短経路探索ステップと、
無線伝送経路が確立されていることを確認するコマンドを、対応する無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認する無線伝送経路確立確認ステップと、
確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送されるように、カメラ局、リピータ局、モニタ局の各画像無線機の送受信周波数を切換え制御する画像無線機切換制御ステップと、
最短経路探索ステップで新たな最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから、再度、最短経路探索ステップで最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を、無線伝送経路確立確認ステップで行わせる経路切換制御ステップと
を含むことを特徴とする。
第8発明は、第7発明において、
前記経路切換制御ステップは、
最短経路探索ステップで新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、再度、最短経路探索ステップで最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を、無線伝送経路確立確認ステップで行わせること
を特徴とする。
第1発明、第7発明によれば、探索された無線伝送経路の通信の確立が確認された場合には(ステップ118の判断Yes)、その後に、新たに最短の無線伝送経路が探索されたとしても、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから(ステップ121〜124)、再度、無線伝送経路の探索、確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送させる(ステップ120)。
あるいは、第2発明、第8発明によれば、探索された無線伝送経路の通信の確立が確認された場合には(ステップ118の判断Yes)、その後に、新たに最短の無線伝送経路が探索されたとしても、現在の無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから(ステップ121〜124)、再度、無線伝送経路の探索、確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送させる(ステップ120)。
本発明によれば、新たな無線伝送経路が探索されたとしても、その無線伝送経路に直ぐに切り換えることはせずに、現在確立されている無線伝送経路を所定の待ち時間だけ維持してから、あるいは、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、改めて新たな無線伝送経路の探索を行いその通信経路の確立が確認されるとその無線伝送経路に切り換えるようにようにしたので、電波受信状態が不安定で最短の無線伝送経路が煩雑に変動するような状況であっても、短期的に頻繁に無線伝送経路が切り換えられることが抑制され、モニタ51の画面上での画像の途切れがなくなり安定した画像を取得することができる。このためモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作できるようになり建設機械80が行う作業の精度、効率が向上する。
第3発明では、無線伝送経路の通信の確立が規定時間内に確認できなかった場合には(ステップ118の判断No、ステップ119の判断Yes)、ステップ101に戻り、再度、最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を無線伝送させる(ステップ120)。
このように第3発明によれば、たとえばa−d−e−c(図1)という最短の無線伝送経路の通信の確立が確認できなかった場合には、迅速に、再度の探索、通信確立の確認を行って、通信確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を送受信させて、画像通信が途絶えることを回避する。
第4発明では、各経路制御部14、24、54は、画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線受信機52で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、最短の無線伝送経路の探索を行う。
第5発明では、各経路制御部14、24、54は、画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線受信機52で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、無線伝送経路の確立の確認を行う。
第4発明、第5発明によれば、無線伝送経路の探索、通信確立の確認を行うために使用される経路制御部14、24、54の送受信の周波数と、画像伝送を行うために使用される画像無線機12、22、52の送受信の周波数が重ならないように異ならせているため、経路探索や通信確立の確認を行っている間も、カメラ局10側からモニタ局50側に画像を送信することができる。このためモニタ局50側で画像の途切れや遅延が生じるようなことがなく、更に安定した画像を取得することができる。このため同様にモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作できるようになり、建設機械80が行う作業の精度、効率を一層向上させることができる。
第6発明によれば、カメラ局10、リピータ局20(30、40)、モニタ局50それぞれに、経路制御部14、24、54が設けられ、各経路制御部14、24、54は、対応する局の画像無線機12、22、52に対して、画像を無線伝送する際に使用される周波数(CH1、CH2、CH3…)の情報を与えることで、対応する局の画像無線機12、22、53の送受信周波数を切換え制御するようにしている。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の画像の無線伝送装置の構成を示している。なお、実施形態では、建設機械の遠隔操作システムを想定して説明する。
同図1に示すように、建設機械80には、カメラ局10が設けられている。カメラ局10のカメラ11は、建設機械が行う作業状態を撮像できる箇所に設けられている。カメラ局10のカメラ11で撮像された画像は、1若しくは複数のリピータ局20、40、30を経由して、モニタ局50へ無線で伝送される。モニタ局50のモニタ51の画面上には、撮像画像が表示される。オペレータは、モニタ51の画面上の撮像画像をみながら、建設機械80を遠隔操作して、建設機械80の作業機を作動させて、建設機械80に作業を行わせる。
カメラ局10、複数のリピータ局20、30、40、モニタ局50は、無線伝送経路の各ノードを構成している。
各ノード10、20、30、40、50にはそれぞれ、他のノードから識別するために、自己のノードを特定するノードID(識別コード)が付与されている。カメラ局10には、ノードIDとして「1」が、リピータ局20には、ノードIDとして「2」が、リピータ局30には、ノードIDとして「3」が、リピータ局40には、ノードIDとして「4」が、モニタ局50には、ノードIDとして「5」がそれぞれ付与されている。ただし、各ノードに自動的にIDを付与するようにしてもよい。
カメラ局10とリピータ局20の間の無線伝送路の区間をaとし、リピータ局20とリピータ局30との間の無線伝送路の区間をbとし、リピータ局30とモニタ局50との間の無線伝送路の区間をcとし、リピータ局20とリピータ局40との間の無線伝送路の区間をdとし、リピータ局40とリピータ局30との間の無線伝送路の区間をeとする。
無線伝送経路は、各区間を接続した経路、各ノードを結んだ経路で表される。 図1では、a−b−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局30−モニタ局50)という経路が無線伝送路になっている場合と、a−d−e−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局40−リピータ局30−モニタ局50)という経路が無線伝送路になっている場合を示している。
図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ、カメラ局10、リピータ局20(30、40)、モニタ局50の構成を示している。なお、各リピータ局20、30、40の構成は同じであるため、図2(b)では、リピータ局20を代表して示している。
これら図2(a)、(b)、(c)に示すように、カメラ局10、リピータ局20(30、40)、モニタ局50それぞれには、画像を無線伝送する画像無線機12、22、52が設けられている。カメラ局10の画像無線機12は、送信機能(送信部)を有する画像送信機であり、リピータ局20(30、40)の画像無線機22は、送信機能と受信機能(送受信部)を有する画像送受信無線機であり、モニタ局50の画像無線機52は、受信機能(受信部)を有する画像無線受信機である。
また、カメラ局10、リピータ局20(30、40)、モニタ局50それぞれには、経路制御部14、24、54が設けられている。経路制御部14、24、55はそれぞれ、無線伝送経路の探索、無線伝送経路の確立の確認を行い、対応する局の画像無線機に対して、画像を無線伝送する際に使用される周波数の情報を与えることで、対応する局の画像無線機の送受信周波数を切換え制御する。
画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線受信機52は、たとえばGHz帯の周波数帯域の電波を用いて、画像を無線伝送する。
リピータ局20、30、40は、後段の他のリピータ局若しくはモニタ局50に画像を送信するともに、前段の他のリピータ局若しくはカメラ局10から画像を受信する。このため仮にリピータ局から送信する周波数帯と、同じリピータ局で受信する周波数帯とが同じであると、信号が相互干渉し発振を引き起こす。
そこで、本実施形態では、図2に示すように、リピータ局の画像受信部で受信される信号の周波数帯と、同じリピータ局の画像送信部から送信される信号の周波数帯とが、異なる周波数帯(f1、f2)となるように周波数を割り当てるようにしている。
すなわち、画像を無線伝送するために使用されるGHz帯の周波数帯域は、相互に重ならないように、異なる複数の周波数帯CH1、CH2、CH3…に分割される。各周波数帯CH1、CH2、CH3…のデータは、送信CHセットデータとして、図3(e)に示すように、データテーブルに書き込まれる。CHの設定数(分割数)は、ノードの数に応じて定められる。このデータテーブルの内容は、各ノード10、20、30、40、50の記憶領域に記憶される。
各周波数帯CH1、CH2、CH3…は、同じものが重複しないように、無線伝送経路の各区間a、b、c、d、eに割り当てられる。
各経路制御部14、24、54は、画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線受信機52で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、経路の探索、経路の確立の確認の処理を行う。
すなわち、各ノード10、20(30、40)、50の経路制御部14、24、54はそれぞれ、アンテナ15、25、55を介して、経路の探索、経路の確立の確認の処理を行うための信号を送信するとともに、他のノードから送信された同信号を受信する。
各経路制御部14、24、54はそれぞれ、対応する自局の画像無線機で使用される周波数帯のCHの情報を、自局の画像無線機に与えて、自局の画像無線機の送受信周波数を切換える。
たとえば図1において、各経路制御部14、24、54相互間で信号が送受信されることで、経路の探索が行われて、a−b−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局30−モニタ局50)という経路が無線伝送路として確立されていることが確認されたとする。
この場合には、カメラ局10の経路制御部14は、自局10の画像無線送信機12に対して、送信CH指令として「CH1」を与える。また、リピータ局20の経路制御部22は、自局20の画像無線送受信機22に対して、受信CH指令として「CH1」を与えるとともに、送信CH指令として「CH2」を与える。また、リピータ局30の経路制御部22は、自局30の画像無線送受信機22に対して、受信CH指令として「CH2」を与えるととに、送信CH指令として「CH3」を与える。また、モニタ局50の経路制御部54は、自局50の画像無線受信機52に対して、受信CH指令として「CH3」を与える。
各局10、20、30、50の画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線送受信機22、画像無線受信機52はそれぞれ、与えられたCH指令に応じた周波数で送受信が行われるように、送受信の周波数を切換える。
カメラ11で撮像された画像信号は、画像無線送信機12に入力される。画像無線送信機12では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH1」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ13を介して送信される。
リピータ局20の画像無線送受信機22では、アンテナ21を介して、受信CH指令として与えられた「CH1」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。リピータ局20の画像無線送受信機22では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH2」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ23を介して送信される。
リピータ局30の画像無線送受信機22では、アンテナ21を介して、受信CH指令として与えられた「CH2」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。リピータ局30の画像無線送受信機22では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH3」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ23を介して送信される。
モニタ局50の画像無線受信機52では、アンテナ53を介して、受信CH指令として与えられた「CH3」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。復調された画像信号は、モニタ51に入力される。モニタ51には、カメラ11の撮像画像が表示される。
ここで、a−d−e−c(カメラ局10−リピータ局20−リピータ局40−リピータ局30−モニタ局50)という経路が、新たに探索されて、無線伝送路として確立されていることが確認されたとする。
この場合には、カメラ局10の経路制御部14は、自局10の画像無線送信機12に対して、送信CH指令として「CH1」を与える。また、リピータ局20の経路制御部22は、自局20の画像無線送受信機22に対して、受信CH指令として「CH1」を与えるととに、送信CH指令として「CH2」を与える。また、リピータ局40の経路制御部22は、自局40の画像無線送受信機22に対して、受信CH指令として「CH2」を与えるととに、送信CH指令として「CH3」を与える。また、リピータ局30の経路制御部22は、自局30の画像無線送受信機22に対して、受信CH指令として「CH3」を与えるととに、送信CH指令として「CH4」を与える。また、モニタ局50の経路制御部54は、自局50の画像無線送信機52に対して、受信CH指令として「CH4」を与える。
各局10、20、40、30、50の画像無線送信機12、画像無線送受信機22、画像無線送受信機22、画像無線送受信機22、画像無線受信機52はそれぞれ、与えられたCH指令に応じた周波数で送受信が行われるように、送受信の周波数を切換える。
カメラ11で撮像された画像信号は、画像無線送信機12に入力される。画像無線送信機12では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH1」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ13を介して送信される。
リピータ局20の画像無線送受信機22では、アンテナ21を介して、受信CH指令として与えられた「CH1」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。リピータ局20の画像無線送受信機22では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH2」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ23を介して送信される。
リピータ局40の画像無線送受信機22では、アンテナ21を介して、受信CH指令として与えられた「CH2」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。リピータ局40の画像無線送受信機22では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH3」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ23を介して送信される。
リピータ局30の画像無線送受信機22では、アンテナ21を介して、受信CH指令として与えられた「CH3」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。リピータ局30の画像無線送受信機22では、画像信号が、送信CH指令として与えられた「CH4」の周波数帯の信号に変調されて、アンテナ23を介して送信される。
モニタ局50の画像無線受信機52では、アンテナ53を介して、受信CH指令として与えられた「CH4」の周波数帯の画像信号が受信されて復調される。復調された画像信号は、モニタ51に入力される。モニタ51には、カメラ11の撮像画像が表示される。
つぎに、図4、図5、図6、図7、図8のフローチャートを参照して、本実施例の処理手順について説明する。この処理は、経路制御部14、24、54で行われる。
この処理を実行するにあたり、図3に示すリクエストコマンド、アンサコマンド、データテーブル、経路表が使用される。
図3(a)は、無線伝送経路が確立されていることを確認するために、モニタ局50側からカメラ局10側に送信されるリクエストコマンドのデータ構造を示している。
図3(b)は、無線伝送経路が確立されていることを確認するために、カメラ局10側からモニタ局50側に送り返されるアンサコマンドのデータ構造を示している。
図3(c)は、各ノードのノードID記憶領域に記憶されるデータテーブルの内容を示している。各ノードのデータテーブルには、自己のノードからみて通信が確立されている各ノードのノードIDが、書き込まれる。
図3(d)は、各ノード毎に作成される経路表を示している。
すなわち、各ノード(カメラ局10、各リピータ局20、30、40、モニタ局50)相互間で送受信が行われて、送受信が可能な各ノードのリンク状態を示す経路表が作成される。
たとえば図1において、リピータ局30というノードは、他のノードと送受信することで、自己のノードと送受信が可能なノードとしてリピータ局40、リピータ局20、モニタ局50というノードの情報を取得する。この自己のノードと送受信が可能な各ノードのリンク状態(区間b、e、cで送受信が可能)の情報は、自己の経路表に書き込まれる。また、リピータ局40というノードは、他のノードから経路表の情報を取得して、自己の経路表に書き込む。これにより、たとえばa−d−e−cというリンク状態あるいはa−b−cというリンク状態(孤立しているノード以外の全ノード間のリンク状態)が探索される。
そして、経路表に基づいて、ノード数が最小(最小ホップ数)となる(最もリピータ局の数が小さくなる)最短の無線伝送経路が求められる。たとえば、a−b−cという最短の無線伝送経路が求められる。
そして、求められた最短の無線伝送経路に沿って、終端のノード(モニタ局50)から最初のノード(カメラ局10)に向けてリクエストコマンドを送り最初のノード(カメラ局10)から終端のノード(モニタ局50)へアンサコマンドを送り返すことで、最短の無線伝送経路が確立されているかが確認される。
そして、確立が確認された最短の無線伝送経路に沿って画像の伝送が行われるように、各ノード(カメラ局10、各リピータ局20、30、40、モニタ局50)の各画像無線機12、22、52にCH指令を与えて、送受信周波数が切り換えられる。
以下では、a−d−e−cという最短の無線伝送経路が探索された場合(a−b−cという経路は探索されなかったとする)を想定して説明する。
図4に示すように、モニタ局50の経路制御部54は、自己の経路表に基づいて、最短の無線伝送路(「a−d−e−c」)を探索する。モニタ局50の経路制御部54は、探索された最短の無線伝送経路にしたがって、自己のノード50からつぎにリクエストコマンドを送信すべきノード(「リピータ局30」)のノードID(=「3」)を取得する(ステップ101)。つぎに、この次ノード(「リピータ局30」)のノードID(「3」)を、ノードID記憶領域の「次ノードID」に書き込む(ステップ102)。
図4に示すように、モニタ局50の経路制御部54は、リクエストコマンドの「送信元ノードID」に、自己のノード(「モニタ局50」)のノードID(=「5」)を書き込み、付加して(ステップ103)、リクエストコマンドを、次ノード(「リピータ局30」)の経路制御部24に送信する(ステップ104)。
図5に示すように、リピータ局30の経路制御部24では、リクエストコマンドが受信される(ステップ105)。これを受けて、リピータ局30の経路制御部24は、自己の経路表に基づいて、最短の無線伝送路(「a−d−e」)を探索する。リピータ局30の経路制御部24は、探索された最短の無線伝送経路にしたがって、自己のノード30からつぎにリクエストコマンドを送信すべきノード(「リピータ局40」)のノードID(=「4」)を取得する(ステップ106)。つぎに、受信したリクエストコマンドから「送信元ノードID」(=「5」)を読み出して、この「送信元ノードID」(=「5」)を、ノードID記憶領域の「送信元ノードID」に書き込むとともに、次ノード(「リピータ局40」)のノードID(「4」)を、ノードID記憶領域の「次ノードID」に書き込む(ステップ107)。
リピータ局30の経路制御部24は、リクエストコマンドの「送信元ノードID」に、自己のノード(「リピータ局30」)のノードID(=「3」)を書き込み、付加して(ステップ108)、リクエストコマンドを、次ノード(「リピータ局40」)の経路制御部24に送信する(ステップ109)。
リクエストコマンドが、カメラ局10の経路制御部14で受信されるまで、図5に示す処理が、最短の無線伝送経路に沿った各リピータ局の経路制御部24で行われる。
すなわち、つぎのリピータ局40の経路制御部24では、リクエストコマンドが受信される(ステップ105)。これを受けて、リピータ局40の経路制御部24は、自己の経路表に基づいて、最短の無線伝送路(「a−d」)を探索する。リピータ局40の経路制御部24は、探索された最短の無線伝送経路にしたがって、自己のノード40からつぎにリクエストコマンドを送信すべきノード(「リピータ局20」)のノードID(=「2」)を取得する(ステップ106)。つぎに、受信したリクエストコマンドから「送信元ノードID」(=「3」)を読み出して、この「送信元ノードID」(=「3」)を、ノードID記憶領域の「送信元ノードID」に書き込むとともに、次ノード(「リピータ局20」)のノードID(「2」)を、ノードID記憶領域の「次ノードID」に書き込む(ステップ107)。
リピータ局40の経路制御部24は、リクエストコマンドの「送信元ノードID」に、自己のノード(「リピータ局40」)のノードID(=「4」)を書き込み、付加して(ステップ108)、リクエストコマンドを、次ノード(「リピータ局20」)の経路制御部24に送信する(ステップ109)。
つぎのリピータ局20の経路制御部24では、リクエストコマンドが受信される(ステップ105)。これを受けて、リピータ局20の経路制御部24は、自己の経路表に基づいて、最短の無線伝送路(「a」)を探索する。リピータ局20の経路制御部24は、探索された最短の無線伝送経路にしたがって、自己のノード20からつぎにリクエストコマンドを送信すべきノード(「カメラ局10」)のノードID(=「1」)を取得する(ステップ106)。つぎに、受信したリクエストコマンドから「送信元ノードID」(=「4」)を読み出して、この「送信元ノードID」(=「4」)を、ノードID記憶領域の「送信元ノードID」に書き込むとともに、次ノード(「カメラ局10」)のノードID(「1」)を、ノードID記憶領域の「次ノードID」に書き込む(ステップ107)。
リピータ局20の経路制御部24は、リクエストコマンドの「送信元ノードID」に、自己のノード(「リピータ局20」)のノードID(=「2」)を書き込み、付加して(ステップ108)、リクエストコマンドを、次ノード(「カメラ局10」)の経路制御部14に送信する(ステップ109)。
図6に示すように、つぎのカメラ局10の経路制御部14では、リクエストコマンドが受信される(ステップ110)。これを受けて、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、1番目の送信CH(=「CH1」)を読み出して、自局10の画像無線送信機12に、送信CH指令として出力する(ステップ111)。
つぎに、カメラ局10の経路制御部14は、アンサコマンドの「ホップ数」に、最初のノードであることを示す「1」を書き込み、付加するとともに、アンサコマンドの「送信CHセット」に、ステップ111で送信CH指令として出力した送信CH(=「CH1」)を書き込み、付加する(ステップ112)。
つぎに、カメラ局10の経路制御部14は、リクエストコマンドの「送信元ノードID」(=「2」)を読み出して、この「送信元ノードID」(=「2」)に対応するノード、つまりリクエストコマンドを送信してきたノード(「リピータ局20」)の経路制御部24に対して、アンサコマンドを送り返す(ステップ113)。
図7に示すように、つぎのリピータ局20の経路制御部24では、アンサコマンドが受信される(ステップ114)。これを受けて、アンサコマンドから「送信CHセット」(=「CH1」)と「ホップ数」(=「1」)を読み出して、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「1」)番目の送信CH(=「CH1」)を読み出して、自局20の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+1番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局20の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する(ステップ115)。
つぎにリピータ局20の経路制御部24は、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「1」)+1番目の送信CH(=「CH2」)を読み出して、自局20の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+2番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局20の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する(ステップ116)
つぎにリピータ局20の経路制御部24は、アンサコマンドの「ホップ数」に、現在のホップ数(=「1」)を+1インクリメントした数を、書き込む(「ホップ数」=「2」)とともに、アンサコマンドの「送信CHセット」に、ステップ116で送信CH指令として出力した送信CH(=「CH2」)を書き込んだ上で、自己のノードID記憶領域に記憶されている「送信元ノードID」(=「4」)に対応するノード、つまりリクエストコマンドを送信してきたノード(「リピータ局40」)の経路制御部24に対して、アンサコマンドを送り返す(ステップ117)。
アンサコマンドが、モニタ局50の経路制御部54で受信されるまで、図7に示す処理が、リクエストコマンドを送ってきた経路(最短の無線伝送経路)に沿った各リピータ局の経路制御部24で行われる。
すなわち、つぎのリピータ局40の経路制御部24では、アンサコマンドが受信される(ステップ114)。これを受けて、アンサコマンドから「送信CHセット」(=「CH2」)と「ホップ数」(=「2」)を読み出して、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「2」)番目の送信CH(=「CH2」)を読み出して、自局40の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+1番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局20の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する(ステップ115)。
つぎにリピータ局40の経路制御部24は、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「2」)+1番目の送信CH(=「CH3」)を読み出して、自局40の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+2番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局40の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する(ステップ116)
つぎにリピータ局40の経路制御部24は、アンサコマンドの「ホップ数」に、現在のホップ数(=「2」)を+1インクリメントした数を、書き込む(「ホップ数」=「3」)とともに、アンサコマンドの「送信CHセット」に、ステップ116で送信CH指令として出力した送信CH(=「CH3」)を書き込んだ上で、自己のノードID記憶領域に記憶されている「送信元ノードID」(=「3」)に対応するノード、つまりリクエストコマンドを送信してきたノード(「リピータ局30」)の経路制御部24に対して、アンサコマンドを送り返す(ステップ117)。
つぎのリピータ局30の経路制御部24では、アンサコマンドが受信される(ステップ114)。これを受けて、アンサコマンドから「送信CHセット」(=「CH3」)と「ホップ数」(=「3」)を読み出して、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「3」)番目の送信CH(=「CH3」)を読み出して、自局30の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+1番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局30の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する(ステップ115)。
つぎにリピータ局30の経路制御部24は、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「3」)+1番目の送信CH(=「CH4」)を読み出して、自局30の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+2番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局30の画像無線送受信機22に、送信CH指令として出力する(ステップ116)
つぎにリピータ局30の経路制御部24は、アンサコマンドの「ホップ数」に、現在のホップ数(=「3」)を+1インクリメントした数を、書き込む(「ホップ数」=「4」)とともに、アンサコマンドの「送信CHセット」に、ステップ116で送信CH指令として出力した送信CH(=「CH4」)を書き込んだ上で、自己のノードID記憶領域に記憶されている「送信元ノードID」(=「5」)に対応するノード、つまりリクエストコマンドを送信してきたノード(「モニタ局50」)の経路制御部54に対して、アンサコマンドを送り返す(ステップ117)。
図8に示すように、モニタ局50の経路制御部54では、アンサコマンドが受信されたか否かが判断され(ステップ118)、アンサコマンドの受信がリクエストコマンドを送信してから規定時間(たとえば5秒)以内であるか否かが判断される(ステップ119)。
モニタ局50の経路制御部54からリクエストコマンドを送信してからアンサコマンドを受信するまでの時間が規定時間以内であれば(ステップ118の判断Yes)、探索された無線伝送経路の通信の確立は確認されたものと判断して、つぎのステップ120に進む。
ステップ120では、モニタ局50の経路制御部54は、受信したアンサコマンドから「送信CHセット」(=「CH4」)と「ホップ数」(=「4」)を読み出して、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から、「ホップ数」(=「4」)番目の送信CH(=「CH4」)を読み出して、自局50の画像無線受信機52に、受信CH指令として出力する。ただし、CHの数が足りなくなった場合には、「ホップ数」を、設定されたCHの数で割った余り+1番目の送信CHを、送信CHセットデータのデータテーブル(図3(e))から読み出して、自局50の画像無線送受信機22に、受信CH指令として出力する(ステップ120)。
このようにして確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送されるように、カメラ局10、リピータ局20、40、30、モニタ局50の各画像無線機12、22、52の送受信周波数が切換えられる。
すなわち、a−d−e−cという最短の無線伝送経路の通信の確立が確認されるている場合には、カメラ局10から画像信号がCH1の周波数で送信されてリピータ局20で受信され、リピータ局20からCH2の周波数で送信されてリピータ局40で受信され、リピータ局40からCH3の周波数で送信されてリピータ局30で受信され、リピータ局30からCH4の周波数で送信されてモニタ局50で受信されて、モニタ局50のモニタ51の画面に表示されることになる。
これに対してモニタ局50の経路制御部54からリクエストコマンドを送信してから規定時間を超えても(タイムアウト)、アンサコマンドを受信できなかった場合には(ステップ118の判断No、ステップ119の判断Yes)、探索された無線伝送経路の通信の確立は確認されなかったものと判断して、ステップ101に戻り、再度、最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を無線伝送させる(ステップ120)。
このように、a−d−e−cという最短の無線伝送経路の通信の確立が確認できなかった場合には、迅速に、再度の探索、通信確立の確認を行って、通信確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を送受信させて、画像通信が途絶えることを回避する。
これに対して、探索された無線伝送経路の通信の確立が確認された場合には(ステップ118の判断Yes)、その後に、新たに最短の無線伝送経路が探索されたとしても、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから(ステップ121〜124)、再度、無線伝送経路の探索、確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送させる(ステップ120)。
あるいは、探索された無線伝送経路の通信の確立が確認された場合には(ステップ118の判断Yes)、その後に、新たに最短の無線伝送経路が探索されたとしても、現在の無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから(ステップ121〜124)、再度、無線伝送経路の探索、確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送させる(ステップ120)。
すなわち、ステップ121では、モニタ局50の経路制御部54は、上記ステップ101と同様に、自己の経路表に基づいて、最短の無線伝送路を再度、探索する。そして、再度、探索された最短の無線伝送経路のホップ数(ノード数)を算出する。たとえばa−d−e−cという最短の無線伝送経路が探索された場合には、ホップ数は、5つである(ステップ121)。
つぎに、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数と、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数とが対比され、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数が、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数よりも小さいか否かが判断される。ここで、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数は、アンサコマンドの「ホップ数」(=「4」)を+1インクリメントした数(「ホップ数」=「5」)として求められる(ステップ122)。
本実施例では、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数と、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数とを対比して、その対比結果に応じて、現在確立されている無線伝送経路を維持するための待ち時間を異ならせるようにしている。
ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数が、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数よりも小さい場合には(ステップ122の判断Yes)、第1の待ち時間(たとえば10秒)待ってから(ステップ123)、ステップ101に戻り、再度、最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を行う(ステップ101〜119)。
たとえば、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路が「a−b−c」でホップ数が「4」であったとする。これに対して、現在確立が確認されている無線伝送経路が「a−d−e−c」で、ホップ数が「5」であったとする。このように新たに探索された無線伝送経路が、現在確立されている無線伝送経路よりも短くなるような場合は、新たに探索された無線伝送経路(「a−b−c」)の電波環境が不安定で、仮にこの無線伝送経路(「a−b−c」)に直ぐに切り換えて画像を伝送させたとしても、直ぐに元の無線伝送経路(現在確立されている無線伝送経路;「a−d−e−c」)に戻る可能性が高い。このため短期的に頻繁な無線伝送経路の切り換えが行われ、モニタ51の画面上で画像の途切れが生じる可能性が高い。このためモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作できなくなり、建設機械80が行う作業の精度、効率が損なわれるおそれがある。
そこで、第1の待ち時間(10秒)は、現在確立されている安定した無線伝送経路(「a−d−e−c」)を維持する。そして、第1の待ち時間後に、改めて無線伝送経路の新たな探索、確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を無線伝送させる(ステップ120)。
一方、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路のホップ数が、現在確立が確認されている無線伝送経路のホップ数以上である場合には(ステップ122の判断No)、第1の待ち時間よりも短い第2の待ち時間(たとえば1秒)待ってから(ステップ124)、ステップ103に戻る。但し、この場合、各ノードは、無線伝送経路の新たな探索は実施せずに、現在確立されている無線伝送経路の確立の確認のみを行う(ステップ101〜119)。
たとえば、ステップ121で新たに探索された最短の無線伝送経路が「a−b−d−e−c」でホップ数が「5」であったとする。これに対して、現在確立が確認されている無線伝送経路が「a−b−c」で、ホップ数が「4」であったとする。
この場合、第2の待ち時間(1秒)は、現在確立されている無線伝送経路(「a−b−c」)を維持する。そして、第2の待ち時間後に、現在確立されている無線伝送経路の確立の確認を行う(ステップ101〜119)。確立が確認されている限りは、無線伝送経路に沿って画像が無線伝送される(ステップ120)。しかし、無線伝送経路の確立が確認されなくなると(ステップ118の判断No、ステップ119の判断Yes)、ステップ101に戻り、再度、最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を行い(ステップ101〜119)、確立が確認された無線伝送経路に沿って画像を無線伝送させる(ステップ120)。
このように本実施例によれば、新たな無線伝送経路が探索されたとしても、その無線伝送経路に直ぐに切り換えることはせずに、現在確立されている無線伝送経路を所定の待ち時間だけ維持してから、あるいは、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、改めて新たな無線伝送経路の探索を行いその通信経路の確立が確認されるとその無線伝送経路に切り換えるようにようにしたので、電波受信状態が不安定で最短の無線伝送経路が煩雑に変動するような状況であっても、短期的に頻繁に無線伝送経路が切り換えられることが抑制され、モニタ51の画面上での画像の途切れがなくなり安定した画像を取得することができる。このためモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作できるようになり建設機械80が行う作業の精度、効率が向上する。
また、本実施例によれば、無線伝送経路の探索、通信確立の確認を行うために使用される経路制御部14、24、54の送受信の周波数と、画像伝送を行うために使用される画像無線機12、22、52の送受信の周波数が重ならないように異ならせているため、経路探索や通信確立の確認を行っている間も、カメラ局10側からモニタ局50側に画像を送信することができる。このためモニタ局50側で画像の途切れや遅延が生じるようなことがなく、更に安定した画像を取得することができる。このため同様にモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作できるようになり、建設機械80が行う作業の精度、効率を一層向上させることができる。なお、経路制御部14、24、54の無線機は、無線LAN、無線モデム等の安価な無線機を使用することができる。また、画像無線機12、22、52は、画像のみを送受信できればよく、経路制御のための通信は不要である。このためデータ多重化機能等の特殊な機能を付加する必要はない。このため、安価な画像の伝送システムを構築することができる。
また、本実施例によれば、時分割して画像の送受信するのではなく、周波数帯を分割して画像を送受信するようにしたので、画像伝送帯域幅は一定で全ての時間を画像伝送に割り当てられるので、リピータ局の数が増えた場合でも、画質の低下やフレームレートの低下が生じることがない。このため同様にモニタ画面をみながら建設機械80を正確に操作でき、建設機械80が行う作業の精度、効率を一層向上させることができる。
本発明の画像の無線伝送装置は、建設機械の遠隔操作システムに適用される場合のみならず、画像を無線伝送することが必要なあらゆるシステムに応用することができる。
図1は、実施例の画像の無線伝送装置の全体構成を示す図である。 図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ、カメラ局、リピータ局、モニタ局の構成を示す図である。 図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)はそれぞれ、リクエストコマンド、アンサコマンド、ノードID記憶領域に格納されたデータ、経路表、送信CHセットデータの構造を示した図である。 図4は実施例の処理手順を示すフローチャートである。 図5は実施例の処理手順を示すフローチャートである。 図6は実施例の処理手順を示すフローチャートである。 図7は実施例の処理手順を示すフローチャートである。 図8は実施例の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 カメラ局 12、22、52 画像無線機 14、24、54 経路制御部 20、30、40 リピータ局 50 モニタ局

Claims (8)

  1. カメラ局で撮像された画像を、1または複数のリピータ局を経由して、モニタ局へ無線で伝送する画像の無線伝送装置であって、
    カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに設けられ、画像を無線伝送する画像無線機と、
    カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索する最短経路探索手段と、
    無線伝送経路が確立されていることを確認するコマンドを、対応する無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認する無線伝送経路確立確認手段と、
    確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送されるように、カメラ局、リピータ局、モニタ局の各画像無線機の送受信周波数を切換え制御する画像無線機切換制御手段と、
    最短経路探索手段で新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせる経路切換制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像の無線伝送装置。
  2. 前記経路切換制御手段は、
    最短経路探索手段で新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせること
    を特徴とする請求項1記載の画像の無線伝送装置。
  3. 無線伝送経路確立確認手段で、無線伝送経路の確立が規定時間内に確認できなかった場合には、再度、最短経路探索手段で最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を無線伝送経路確立確認手段で行わせること
    を特徴とする請求項1または2記載の画像の無線伝送装置。
  4. カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
    各経路制御部は、画像無線機で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、各局間で送受信して、カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索すること
    を特徴とする請求項1記載の画像の無線伝送装置。
  5. カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
    各経路制御部は、画像無線機で画像を無線伝送する際に使用される周波数帯とは異なる周波数帯を用いて、無線伝送経路が確立されていることを確認するためのコマンドを、無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認すること
    を特徴とする請求項1記載の画像の無線伝送装置。
  6. カメラ局、リピータ局、モニタ局それぞれに、経路制御部を設け、
    各経路制御部は、対応する局の画像無線機に対して、画像を無線伝送する際に使用される周波数の情報を与えることで、対応する局の画像無線機の送受信周波数を切換え制御すること
    を特徴とする請求項1記載の画像の無線伝送装置。
  7. カメラ局で撮像された画像を、1または複数のリピータ局を経由して、モニタ局へ無線で伝送する画像の無線伝送方法であって、
    カメラ局からモニタ局へ画像を無線伝送する最短の経路を探索する最短経路探索ステップと、
    無線伝送経路が確立されていることを確認するコマンドを、対応する無線伝送経路に沿って無線伝送することで、無線伝送経路の確立を確認する無線伝送経路確立確認ステップと、
    確立が確認された無線伝送経路に沿って画像が無線伝送されるように、カメラ局、リピータ局、モニタ局の各画像無線機の送受信周波数を切換え制御する画像無線機切換制御ステップと、
    最短経路探索ステップで新たな最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路を維持するために所定時間待ってから、再度、最短経路探索ステップで最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を、無線伝送経路確立確認ステップで行わせる経路切換制御ステップと
    を含む画像の無線伝送方法。
  8. 前記経路切換制御ステップは、
    最短経路探索ステップで新たに最短の無線伝送経路が探索されると、現在確立されている無線伝送経路の確立が確認されなくなるまで待ってから、再度、最短経路探索ステップで最短の無線伝送経路を探索させて、この探索された無線伝送経路の確立の確認を、無線伝送経路確立確認ステップで行わせること
    を特徴とする請求項7記載の画像の無線伝送方法。
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