JP2007026753A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解液から露出することで起こる負極板の表面酸化を抑制することにより、電池の保管後に発生するエンジン始動性の低下を抑制する湿式即用鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】未化成極板で電池を組み立て、注液して電槽化成後に一部の電解液を排出し、液口部110を密封した湿式即用鉛蓄電池101において、正・負両極格子体にPb−Ca合金のエキスパンド格子を備え、極板群105は一部が電解液108に浸漬され、他の一部は露出し、負極板104がポリオレフィン樹脂シートからなる袋状のセパレータ103に収納され、負極板104に対向するセパレータ面をリブ等の突起を有さず平坦とし、かつ正極板102、負極板104、およびセパレータ103で構成した極板群105の総厚さをX、セル室107の内部寸法をYとしたときに、A=〔(Y−X)/Y〕×100で与えられる余裕率Aを5.0%以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
車両のエンジン始動用やバックアップ電源用といった様々な用途に鉛蓄電池が用いられている。鉛蓄電池はアルカリ蓄電池に比較して良好な自己放電特性を有している。しかしながら、その流通過程で長期間保管する間に自己放電が進行し、電池を使用する際に補充電が必要となる場合があった。したがって、鉛蓄電池において自己放電をさらに抑制することは、依然として重要な技術的課題である。
この長期保存に対する特性を改善することを目的とした鉛蓄電池には、特許文献1に示されたような、未化成極板を極板化成し、この化成済み極板で電池を組み立て、電池を使用する直前に電解液を注液する方式(乾式即用鉛蓄電池)と化成処理を施していない未化成極板で電池を組み立て、注液して電槽化成した後、電槽内の電解液を排出する方式(湿式即用鉛蓄電池)があり、それぞれ自己放電による容量の低下を抑制している。
これらの即用式鉛蓄電池は、保管状態において電解液を含まないか、含んだとしても電解液の一部が排出された状態となっているため通常の鉛蓄電池と比較して軽量であり、輸送・保管コストが低減するという利点がある。
上記した2種類の方式のうち乾式即用鉛蓄電池では、電池の組み立てに化成済み正負極板を使用する。極板状態で化成するには、未化成極板を希硫酸電解液を満たした化成槽に配置し、正−負の未化成極板間に通電した後、化成済み極板を水洗・乾燥する。特に負極板は乾燥時に活物質が酸化するため、真空もしくは酸素を殆ど含まない雰囲気中で乾燥する必要がある。この様に乾式即用鉛蓄電池は電池を組み立てる前に極板を化成するため、湿式即用の電池と比較して工数が多く作業が煩雑化するためコストが高くなる。
また、鋳造極板の場合、単一極板へ切断加工する前のパネル極板で化成処理を行うので比較的容易に極板化成できるが、エキスパンド格子体を用いた極板の場合、極板への通電経路の確保が困難であり、またハンドリング時に格子マス目から活物質が脱落しやすいため、エキスパンド格子体を用いた極板の極板化成は極めて困難である。
一方、湿式即用鉛蓄電池では、未化成極板で電池を組み立てた状態で極板の化成(電槽化成)を行う。未化成状態の活物質は化成状態の活物質に比較して強固であり、エキスパンド格子体であっても活物質の脱落は少ない。したがって、エキスパンド格子体を用いた極板で即用鉛蓄電池を作成する場合に適している。
湿式即用鉛蓄電池は、電槽化成後、電池本体を反転したり、吸出し等の方法により液口部から内部の電解液を排出し、液口部を密封する。本来、電池内部の電解液は完全に電池外に排出することが望ましいが、極めて困難であり、実際は一部の電解液が内部に残留する。
残留した電解液は正極板と負極板の下部を浸漬し、上部が電解液より露出した状態となる。このように、極板の一部が電解液に浸漬され、かつ他の一部が電解液より露出した場合、特に負極板において、液口部を密封しても電槽内に存在する酸素により活物質中の金属鉛が容易に酸化されてしまい、負極の放電特性や充電受入性を低下させる。なお、電解液を排出すると同時に電池内に大気が流入することにより、電槽内に酸素が残存する他、正極活物質である二酸化鉛が自己放電して硫酸鉛に還元されるプロセスにおいても酸素が発生する。
このような酸化による負極での放電特性や充電受入性の低下は、電池に電解液を補充後、充放電サイクルを数サイクル繰り返すことによって解消する一時的なものではあるが、車両搭載直後のエンジン始動性を著しく低下させ、即用性能が低下するという課題があった。
特開昭52−93930号公報
本発明は湿式即用鉛蓄電池において電解液から露出することで起こる負極板の表面酸化を抑制することにより、生産から時間を経て市場で電解液を補充し使用する際のエンジン始動性の低下を抑制し、即用性能に優れた鉛蓄電池を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、Pb−Ca合金からなる正極エキスパンド格子を備えた正極板、Pb−Ca合金からなる負極エキスパンド格子を備えた負極板およびセパレータとからなる極板群がセル室に収納され、正極板、負極板およびセパレータのそれぞれの一部は電解液に浸漬し、かつそれぞれの他の一部は電解液から露出し、かつセル室内と外部とを連通する液口部が密封され、電池使用時に、液口から電解液を補充する鉛蓄電池において、負極板がポリオレフィン樹脂シートからなる袋状のセパレータに収納され、負極板に対向するセパレータ面はリブ等の突起を有さず平坦であり、かつ正極板、負極板、およびセパレータで構成した極板群の総厚さをX、セル室の内部寸法をYとしたときに、A=〔(Y−X)/Y〕×100で与えられる余裕率Aを5.0%以下とした鉛蓄電池を示すものである。
本発明の構成によれば、電池内部に一部の電解液が残存することによって発生する、電池に電解液を補充した直後の放電特性の低下を抑制し、電解液補充直後も優れた始動性能を有し、即用性能にすぐれた鉛蓄電池を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の鉛蓄電池101の構成を示す一部破載図である。本発明による鉛蓄電池101は、Pb−Ca合金製の正極エキスパンド格子(図示せず)を有した正極板102と、ポリオレフィン樹脂シートの袋状セパレータ103中に収納した負極板104とからなる極板群105を有する。なお、負極板104は正極板102と同様、Pb−Ca合金製の負極エキスパンド格子(図示せず)を備える。
なお、エキスパンド格子体に用いるPb−Ca合金中のCa濃度は、エキスパンド加工時の加工性や格子の機械的強度を確保するに必要な0.02質量%〜0.10質量%程度とする。また、Pb−Ca合金中に、機械的強度向上や、耐腐食性向上を目的として、0.1〜2.0質量%程度の濃度のSnを含有させることができる。
袋状セパレータ103として、従来から用いられている微孔を有したポリエチレン樹脂シートやポリエチレンと同様の耐薬品性を有したポリプロピレン樹脂シートといったポリオレフィン樹脂シートを用いることができる。図2および図3に示したように、この袋状セパレータ103の負極板104の極板面と対向する面、すなわち、袋状セパレータ103の内側面103aにはリブ等の突起を有さず、平坦な面とする。なお、正極板102に対向する袋状セパレータ103の外側面103bには、リブ103cを形成し、正極板102と外側面103bとの接触と、これによる外側面103bの酸化劣化を抑制することができる。
本発明の鉛蓄電池では、図1に示したように、前記した正極板102、袋状セパレータ103および負極板104で構成された極板群は電槽106に設けられたセル室107に収納される。本発明の鉛蓄電池101では、正極板102、負極板104および袋状セパレータ103のそれぞれの一部は電解液108に浸漬し、かつそれぞれの他の一部は電解液108から露出した構成を有する。
なお、電槽化成時に正極板102と負極板104の極板面は電解液108にすべて浸漬された状態であるが、電槽化成終了後、鉛蓄電池101本体を反転したり、また液口110より吸出しを行い、セル室107の電解液を電池外に排出する。
そして、大気中から新たに酸素が電池内部へ流入することや、電池内部に残っている電解液108が蒸発などで急激に失われないように、蓋109に設けた液口110に液口栓111を装着し、さらに密封用の粘着テープ112を貼り付けてセル室107内を密封する。なお、セル室107をなんらかの手段により密封すればよいので、液口栓111に代えて密閉栓(図示せず)で液口110を装着してもよい。
本発明の鉛蓄電池は、前記した正極板102、負極板104および袋状セパレータ103で構成したおよびセパレータで構成した極板群の総厚さをX、セル室107の内部寸法をYとしたときに、A=〔(Y−X)/Y〕×100で与えられる余裕率Aを5.0%以下とする。
本発明では余裕率Aを5.0%以下とすることにより、負極板104と袋状セパレータ103の内側面103aとの間を毛細管現象により電解液108が這い上がることにより、負極板104の極板面が電解液皮膜に覆われた状態となる。その結果、負極活物質と酸素との接触が抑制され、負極活物質の酸化が抑制され、放電容量の低下を抑制することができる。
酸素と直接接触することによって、負極板上で生成する硫酸鉛は放電反応によって生成した硫酸鉛に比較して充電受入性が低く、特に車両用鉛蓄電池で行われる定電圧充電によって回復しにくい。酸素による負極活物質の直接酸化を抑制することにより、これによる充電受入性の低下を抑制することができる。
なお、極板群105の厚みXはそれを構成する正極板102、負極板104および袋状セパレータ103のそれぞれの無加圧状態の厚みの和として表すことができる。なお、余裕率A=0%において、極板群105の厚みXとセル室107の内部寸法Yとが等しくなる。さらに極板群105の厚みXをセル室107の内部寸法Yよりも大きく設定することも可能である。この場合、余裕率Aは負の値となる。
これは極板群105に群圧を加え圧縮したた状態でセル室107に収納する場合に対応する。この場合、袋状セパレータ103は塑性変形もしくは弾性変形によりその厚みが減少した状態でセル室107に収納される。このような場合、極板群105をセル室107に挿入する工程で、極板群105にセル室107内壁より摩擦力が加わる。群圧が大きくなるにつれてこの摩擦力は大きくなるため、挿入工程で極板が変形する場合がある。したがって、余裕率を0未満の負の値とする場合には、摩擦力による極板の変形が発生しない程度に余裕率の下限値を設定する。
電池の保管が終了し、本発明の鉛蓄電池101を使用する際には、液口110に装着した液口栓111や粘着テープ112等の密封用の部材を取り外し、液口110より電解液を所定の液面位置まで補充した後、液口110に液口栓111を再度装着する点は、従来の即用式鉛蓄電池と全く変わるところはない。なお、液口栓111は、セル室内部で発生したガスを電池外部に放出するための経路を有したものを用いることは言うまでもない。
本発明の鉛蓄電池では、正・負両極の格子体にPb−Ca合金を用いるが、負極格子体にPb−Sb合金を用いると、電解液と負極活物質とが接した状態で自己放電が進行するため、保存中の容量低下が大きく、本発明では用いない。
また、正極格子に1.5〜3.5質量%程度の濃度のSbを含むPb−Sb合金、負極格子にSbを含まないPb−Ca合金を用いる場合であっても、化成充電中に正極格子中からSbが溶出し、負極格子上で析出することにより、自己放電が進行しやすくなるため、本発明では用いない。
但し、特開平2−121261号公報に記載されたように、電池を放置する間に正極格子−活物質間での不導体層(高抵抗層)の生成を抑制するために、負極に移行して自己放電量を増大させない程度の量のSb(政正極活物質量の0.005〜0.25%に相当する質量)を含む層を形成したPb−Ca合金格子を本発明の鉛蓄電池の正極格子に用いることができる。
以上の構成を有した本発明の鉛蓄電池は、負極板面が液膜で覆われるため、負極板が電解液面より露出した状態であっても、負極活物質と酸素との接触とこれによる負極活物質の酸化が抑制され、鉛蓄電池を保管した際に生じるエンジン始動性の低下をはじめとする放電特性の低下を抑制することができる。
また、従来の即用鉛蓄電池と同様、電池保管時での電解液量は通常の液式鉛蓄電池に比較して少ないため、軽量であり、輸送・保管コストを低減することができる。
上記の本発明の構成は、図4に示したような内部寸法Y´のセル室401に厚みdのスペーサ402を収納した場合にも用いることができる。このような場合、スペーサ402の厚みdの分、極板群105を収納しうるセル室401の内部寸法が(Y´−d)となっているため、実質的なセル室401の内部寸法Y=Y´−d、余裕率A=〔(Y´−d−X)/(Y´−d)〕×100とし、この余裕率Aを5.0%以下とすればよい。
さらに、図5に示したような、内部寸法Y″のセル室107の内壁107aに高さtのリブ501を形成した場合も、スペーサ402を収納した場合と同様に扱うことができる。この場合、リブ501の高さtの分、極板群105を収納しうるセル室107の内部寸法が(Y″−t)となっているため、実質的なセル室107の内部寸法Y=Y″−tとすれば、余裕率A=〔(Y″−t−X)/(Y″−t)〕×100とし、この余裕率Aを5.0%以下とすればよい。
以下、実施例により、本発明の効果を説明する。
JIS D5301(始動用鉛蓄電池)で規定する55D23形鉛蓄電池(12V48Ah)について、以降に示す本発明例および比較例の電池を作成した。
(1−1)正極板A1
正極板A1は厚さ1.1mmのPb−1.5質量%Sn−0.06質量%Ca合金の圧延シートをエキスパンド加工して得たエキスパンド網目に、鉛粉を水と希硫酸で練合したペースト状の活物質を充填し、熟成乾燥を行い未化成の正極板Aを作成した。耳部を除く極板面の寸法は横135mm×縦110mmである。
(1−2)正極板A2
正極板A2はPb−7質量%Sb層を7μmの厚みで表面上に形成した厚さ1.1mmのPb−1.5質量%Sn−0.06質量%Ca合金の圧延シートをエキスパンド加工して得たエキスパンド網目に、鉛粉を水と希硫酸で練合したペースト状の活物質を充填し、熟成乾燥を行い未化成の正極板Aを作成した。耳部を除く極板面の寸法は横135mm×縦110mmである。なお、格子の活物質と接する表面にPb−Sb層が形成されており、層に含まれるSb質量は化成後の正極活物質量の0.15%である。
(1−3)正極板B
正極板BはPb−2.5質量%Sb合金の鋳造格子体に、正極板A1,A2で用いたものと同じペースト状の活物質を充填し、熟成乾燥を行い未化成の正極板Bを作成した。耳部を除く極板面の寸法は横135mm×縦110mmである。
(2)負極板
負極板はPb−0.2質量%Sn−0.06質量%Ca合金の圧延シートをエキスパンド加工して得たエキスパンド網目に、鉛粉と硫酸バリウムおよびリグニンを水と希硫酸で練合したペースト状の活物質を充填し、熟成乾燥を行い未化成の負極板を作成した。耳部を除く極板面の寸法は横135mm×縦110mmである。
(3−1)袋状セパレータA
袋状セパレータAは図2および図3で示した袋状セパレータ103である。袋状セパレータA103は厚み0.2mmの微孔性ポリエチレンシートをU字折りし、左右両側部をメカニカルシールで接合して得られた、上部のみが開口し、左右両側部および下部が閉じられた袋状のセパレータである。袋状セパレータA103の内側面103aはリブを設けず、平坦面とした。なお、袋状セパレータA103の外側面103bには、0.5mm高さのリブ103cの複数本を上下方向に形成した。この袋状セパレータAを用いる場合、袋内側に負極板を収納する。
(3−1)袋状セパレータB
袋状セパレータBは、袋状セパレータAと同様、厚み0.2mmの微孔性ポリエチレンシートをU字折りし、左右両側部をメカニカルシールで接合して得た、上部のみが開口し、左右両側部および下部が閉じられた袋状のセパレータである。袋状セパレータBの外側面には、袋状セパレータAと同様、複数本の線条リブを形成したが、その高さを0.3mmとした。また、外側面の線条リブを形成した部位の裏側(袋状セパレータ内側面)に高さ0.2mmの複数本の線条リブを形成した。袋状セパレータBを用いる場合、袋内側に負極板を収納する。
(3−2)袋状セパレータC
袋状セパレータCは袋状セパレータAのU字折りを反対方向とすることにより、外側面が平坦面であり、内側面に0.5mm高さの線条リブの複数本を形成したセパレータである。袋状セパレータCを用いる場合、袋内側に正極板を収納する。
(3−3)袋状セパレータD
袋状セパレータDは袋状セパレータBのU字折りを反対方向とすることにより、外側面に0.2mmの複数本の線条リブ、内側面に高さ0.3mmの線条リブの複数本を形成したセパレータである。袋状セパレータCを用いる場合、袋内側に正極板を収納する。
上記の正極板A1,A2,Bのいずれか6枚、負極板6枚および袋状セパレータA,B,C,Dのいずれか6枚を用いて、55D23形鉛蓄電池を作成した。なお、用いた電槽は隔壁で6つのセル室に分割され、セル室の極板群の厚み方向に対応する内部寸法は34.0mmとし、種々の厚みのスペーサを極板群−隔壁間に挿入することにより、セル室の内部寸法Yを見かけ上変化させることにより、A=〔(Y−X)/Y〕×100(但し、内部寸法Y=34.0mm−スペーサ厚み寸法)で表す余裕率Aを種々に変化させた。なお、極板群の厚み寸法Xは30.0mmと一定寸法である。
電池を組立た後、20℃での密度が1.165g/cm3の希硫酸を負極板上端の40.0mm上方のレベルまで注液した後、通電化成を行った。その後、電池を反転してセル室内部の電解液を排出した。排出後、電解液面は負極板下端より20mm上方のレベルに調整した。その後、液口を密閉栓で密閉し、表1に示す本発明例および比較例の電池とした。
Figure 2007026753
表1に示した本発明例および比較例の電池を40℃の雰囲気下で6ヶ月間の放置後、引き続き常温で約1日間の冷却を行った電池に20℃での密度が1.280g/cm3の電解液を希硫酸を負極板上端の40.0mm上方のレベルまで補充した後、JIS D5301:1991に規定するコールドクランキング電流を計測した。なお、コールドクランキング電流とは、完全充電状態の試験電池を−18.0Cで放電した場合、30秒目の放電電圧が7.2Vとなる放電電流を意味し、エンジン始動性を評価する指標として用いられているものである。表1に示した各電池のコールドクランキング電流の測定結果を表2に示す。
Figure 2007026753
表2に示したように、本発明例の鉛蓄電池は、比較例の鉛蓄電池に比較して、40℃で6ヶ月の放置を行った後のコールドクランキング電流が高い。なお、初期状態の55D23形電池のJIS D5301におけるコールドクランキング電流規格値は356Aであることを考慮すると、本発明例の鉛蓄電池は、比較例の鉛蓄電池に比較して放置後のコールドクランキング電流の低下が顕著に抑制されている。
なお、本発明例において、特に正極格子表面に制限されたSbを含む層を形成した電池A9〜A12は、電池A3〜A6に比較してコールドクランキング電流が高い。電池を放置した場合、自己放電の進行とともに、正極格子−活物質間に高抵抗層が生成し、放電電圧特性が低下するが、Sbを含む層を形成することにより、高抵抗層の生成が抑制され、放電電圧特性がより抑制されたことによると考えられる。しかしながら、後述するPb−Sb合金を正極格子に用いた電池では自己放電が急激に進行するため、Sb層を形成する場合は、本実施例のように、Sb量を正極活物質量の0.15%もしくは0.25%程度までに制限すべきである。
余裕率Aを7%および9%とした比較例の電池A1,A2は負極板と袋状セパレータ内側面の間に液膜が存在しないがために、負極が酸化し、コールドクランキング電流が低下したと推測される。一方、余裕率Aを5%以下とした本発明例の電池A3,A4,A5,A6は、負極板と袋状セパレータ内側面に毛細管現象により液膜が形成され、負極板の酸化と、これによるコールドクランキング電流の低下が抑制されたと考えられる。
一方、正極格子にPb−Sb合金の鋳造格子を用いた比較例の電池B1〜B6は、本発明例の電池に比較して極端にコールドクランキング電流値の低下が大きい。これは電槽化成中に正極格子中のSbが負極に移行し、自己放電を促進したものと考えられる。
さらに、負極板を収納する袋状セパレータ内側面にリブを形成した比較例の電池C1〜C6では、余裕率を5%以下とした場合でもコールドクランキング電流値の低下が著しい。これは袋状セパレータ内側面にリブを設けたことにより、負極板面と袋状セパレータ内側面との間に毛細管現象によって電解液が這い上がらない程度の間隔で隙間が形成し、これにより、負極板が電解液膜で被覆されない状態となったためと推測できる。
また、負極板を袋状セパレータに収納しなかった電池D1〜電池D6および電池E1〜電池E6については、余裕率を制限した場合においてもコールドクランキング電流の低下を抑制できなかった。袋状セパレータで負極板を覆い、かつ袋状セパレータの負極板との対向面をリブのない平坦形状とし、余裕率Aを5.0%以下とすることにより、負極板表面に効果的に電解液膜が形成され、負極板の酸化と、これによるコールドクランキング電流の低下、すなわちエンジン始動性の低下を顕著に抑制できる。
本発明は、湿式即用鉛蓄電池で保管中に発生する負極板の酸化を抑制し、コールドクランキング電流値の低下を顕著に抑制することから、始動用鉛蓄電池に好適である。
本発明の鉛蓄電池を示す図 負極板を収納した袋状セパレータを示す図 負極板を収納した袋状セパレータを示す断面図 セル室にスペーサを収納した状態を示す図 セル室内壁にリブを形成した状態を示す図
符号の説明
101 鉛蓄電池
102 正極板
103 袋状セパレータ
103a 内側面
103b 外側面
103c リブ
104 負極板
105 極板群
106 電槽
107 セル室
107a 内壁
108 電解液
109 蓋
110 液口
111 液口栓
112 粘着テープ
401 セル室
402 スペーサ
501 リブ

Claims (1)

  1. Pb−Ca合金からなる正極エキスパンド格子を備えた正極板、Pb−Ca合金からなる負極エキスパンド格子を備えた負極板およびセパレータとからなる極板群がセル室に収納され、
    正極板、負極板およびセパレータのそれぞれの一部は電解液に浸漬し、かつそれぞれの他の一部は電解液から露出し、
    かつセル室内と外部とを連通する液口部が密封され、電池使用時に、液口から電解液を補充する鉛蓄電池であって、
    前記負極板がポリオレフィン樹脂シートからなる袋状のセパレータに収納され、
    前記負極板に対向する前記セパレータ面をリブ等の突起を有さず平坦とし、
    かつ正極板、負極板、およびセパレータで構成した極板群の総厚さをX、
    前記セル室の内部寸法をYとしたときに、
    A=〔(Y−X)/Y〕×100で与えられる余裕率Aを5.0%以下としたことを特徴とする鉛蓄電池。
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