図2および図3は、それぞれ、本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例を示す。
図3において、半導体装置用ソケットは、プリント配線基板PB上に固定され、後述する半導体装置を着脱可能に収容する収容部を有するソケット本体部12と、装着された半導体装置の各端子をプリント配線基板PBの各電極部に電気的に接続するコンタクト端子群CGと、ソケット本体部12の上方に昇降動可能に設けられ後述する押え部材の当接部を半導体装置のパッケージの外面に対し選択的に押圧させるカバー部材10と、を含んで構成されている。
ソケット本体部12における外周面の各辺には、それぞれ、図示が省略される二つの細
長い溝が互いに平行に、かつ、プリント配線基板PBの表面に対し略直交するように形成されている。各溝には、それぞれ、後述するカバー部材10の各爪部が摺動可能に係合されている。
ソケット本体部12は、試験に供される半導体装置DVを収容する収容部18を中央に有している。半導体装置DVは、例えば、QFN型のパッケージを有する略正方形の半導体装置とされる。
収容部18は、略正方形の位置決め部材16内に形成されている。位置決め部材16は、図示が省略される複数のコイルスプリングを介して昇降可能にその底部における内側の基台部に支持されている。位置決め部材16は、半導体装置DVのパッケージが載置される平坦面部と、その平坦面部の周囲にそれぞれ形成される側壁部とにより形成されている。その平坦面部は、その下方のプリント配線基板PBの表面に対し略平行に形成されている。各側壁部の内側における4隅には、それぞれ、装着された半導体装置DVのパッケージの4隅にそれぞれ係合する位置決め部が形成されている。従って、装着される半導体装置DVのパッケージの各隅が位置決め部にそれぞれ係合することにより位置決めが行なわれることとなる。
各位置決め部相互間には、後述する各コンタクト端子の接点部がそれぞれ露出するスリットが所定の間隔で複数個形成されている。そのスリット相互間は、隔壁により仕切られている。なお、スリットの数量および間隔は、半導体装置DVの端子の数量および間隔に応じて設定されている。
また、平坦面部の中央部分には、後述するアース用コンタクト端子の接点部がそれぞれ露出するスリットが所定の角度で斜めに千鳥掛け状に複数個形成されている。
位置決め部材16における各側壁部の中央部は、後述する各押え部材の先端部が通過するように切欠かれている。
位置決め部材16の周囲には、装着された半導体装置DVのパッケージおよびその端子部を後述するコンタクト端子群CG、および複数のアース用コンタクト端子24aiの各接点部に向けて選択的に押圧する押え部材14A,14B,14C,および14Dが設けられている。押え部材14Aは,押え部材14Bに対向し,押え部材14Cは,押え部材14Dに対向して配されている。
押え部材14A,14B,14C,および14Dは、互いに同一の構造を有するので押え部材14Aについて、説明し、他の押え部材14B〜14Dの説明は省略する。
押え部材14Aは、ピン部材PaおよびPbがそれぞれ挿入される孔を所定の間隔をもって有するアーム部と、そのアーム部の一端に連なり、選択的に装着された半導体装置DVのパッケージの外周面に当接する当接部とを有している。アーム部に挿入されるピン部材Paの両端は、それぞれ、押え部材14Aを挟んで両側に形成される支持壁にそれぞれ
形成される長孔を介して後述するカバー部材のアームに連結されている。また、ピン部材Pbの両端は、それぞれ、上述の支持壁の長孔に隣接して設けられる溝に移動可能に係合されている。これにより、図3に示されるように、カバー部材が下降せしめられる場合、
押え部材14A〜14Dの当接部は、位置決め部材16から離れ互いに離隔する方向に回動されるので半導体装置DVのパッケージが着脱可能となるように収容部18の上方が開放されることとなる。一方、カバー部材が最上端位置にある場合、押え部材14A〜14Dの当接部は、位置決め部材16に近接するように互いに近接する方向に回動されるので
装着された半導体装置DVのパッケージの外周面が下方に向けて押圧されることとなる。
ソケット本体12における位置決め部材16の真下となる位置には、薄板金属材料で作られる複数のアース用コンタクト端子24aiを支持する支持部が形成されている。アース用コンタクト端子24aiは、図4(A)および(B)に示されるように、その支持部に圧入される爪部を有する固定部24Kと、固定部24Kの一端側に延びる半田付け端子部24Fと、固定部24Kの他端側に延びる可動片部24Bとから構成されている。可動片部24Bは、その先端に半導体装置DVのアース用電極部に接触する湾曲した接点部24Cを有している。
ソケット本体12の底部におけるプリント配線基板PBに対向する部分には、コンタクト端子群CGを構成する二種類の各コンタクト端子の可動片部および固定部等がそれぞれ挿入されるスリットSiが形成されている。各スリットSiは、上述の位置決め部材16の位置決め部相互間におけるスリットに対応して形成されている。
コンタクト端子群CGは、収容部18を取り囲むように設けられている。各コンタクト端子群CGは、図1(A)に示されるように、コンタクト端子22’ai(i=1〜n,nは正の整数)とコンタクト端子22’bi(i=1〜n,nは正の整数)とが交互に配置されることにより形成されている。
コンタクト端子22’ai(i=1〜n,nは正の整数)は、例えば、薄板金属材料で作られ、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに半田付け固定される固定端子部22’Faと、固定端子部22’Faの基端に略直交するように連結される固定部22’Cと、固定部22’Cにおいて一方側に連結される固定端子部22’Faの軸線と共通の直線上にあって固定部22’Cの他方側となる位置に形成される係止部22’Fbと、固定部22’Cにおける係止部22’Fbと固定端子部22’Faとの間における一方の端に連結される可動片部22’Bとから構成される。
固定端子部22’Faおよび係止部22’Fbは、それぞれ、プリント配線基板PBの表面に略平行に配される固定部22’Cの長手方向に対して略直交するように一体に形成されている。固定部22’Cは、上述のスリットSiに連通するように底部に形成される凹部12Dに圧入されている。固定部22’Cは、その底面側から凹部12Dに圧入される。係止部22’Fbは、凹部12Dに対し直交するように底部に形成される孔12T内に圧入されている。孔12Tは、貫通孔であるが、斯かる例に限られることなく、その孔は、例えば、有底孔であってもよい。
係止部22’Fbの根元近傍には、孔12Tと凹部12Dとが交差する部分に対応して突き当て部22’Kが形成されている。突き当て部22’Kが形成されることにより、固定部22’Cが凹部12Dに圧入されるとき、固定部22’Cが傾いた姿勢で圧入されることが防止されることとなる。
所定の十分な弾性力を有し変位可能な可動片部22’Bの基端は、上述の固定端子部22’Faが固定部22’Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されている。また、可動片部22’Bは、固定端子部22’Faの軸線に対し略平行な直線に対し所定の角度θをなして形成されている。半導体装置DVの端子部に当接する可動片部22’Bの先端部には、固定部22’Cに対し略平行な直線状に形成される接点部22’bが形成されている。このように可動片部22’Bの基端は、固定端子部22’Faが固定部22’Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されているのでプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部22’bとの相互間における最短の信号路が形成され、従って、そのインダクタンスが低減され、その結果、高周波数帯域特性が改善されることとなる。また、コンタクト端子22’aiは、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに固定される固定端子部22’Faおよび係止部22’Fbにより支持されるので所定の圧力が接点部22’bに作用する場合、固定端子部22’Fa側に繰り返し曲げモーメントが作用しても接点部22’bにおける正規の初期位置が偏倚する虞がなく、しかも、コンタクト端子22’aiの耐久性も確保されることとなる。
コンタクト端子22’biの構造は、固定部における固定端子部22’Faの位置を除き、コンタクト端子22’aiの構造と同様とされる。コンタクト端子22’biの固定部における固定端子部22’Faの位置は、コンタクト端子22’aiにおける固定端子部22’Faの位置に比して位置決め部材16よりも離隔する方向の位置に設定されている。これにより、プリント配線基板PBにおけるコンタクト端子群CGの各固定端子部は千鳥掛け状に配置されることとなる。
枠状のカバー部材10は、その中央に、開口部10aを有している。開口部10aは、半導体装置DVの着脱のとき、半導体装置DVが通過するものとされる。カバー部材10の各短辺には、それぞれ、上述のソケット本体部12の溝に移動可能に係合される一対の爪部がソケット本体部12の外周面に向けて突出している。カバー部材10は、カバー部材10とソケット本体部12との間に設けられるコイルスプリング20により、ソケット本体部12から離隔する方向に付勢されている。なお、カバー部材10の最上端位置は、図示が省略される爪部の端部が溝の端に係合することにより、位置規制されている。
また、カバー部材10の内周部に下方に向けて突出するアーム部の先端には、上述のピン部材Paの両端が連結されている。
図5(A)、(B)は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例および後述する実施例に用いられるコンタクト端子群CGを構成するコンタクト端子の他の一例を示す。
図5(A)、(B)において、コンタクト端子22aiは、例えば、薄板金属材料で作られ、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに半田付け固定される固定端子部22Faと、固定端子部22Faの基端に略直交するように連結される固定部22Cと、固定部22Cにおいて一方側に連結される固定端子部22Faの軸線と共通の直線上にあって固定部22Cの他方側となる位置に形成される係止部22Fbと、固定部22Cにおける係止部22Fbと固定端子部22Faとの間における一方の端に連結される可動片部22Bとから構成されている。
固定端子部22Faおよび係止部22Fbは、それぞれ、プリント配線基板PBの表面に略平行に配される固定部22Cの長手方向に対して略直交するように一体に形成されている。固定部22Cは、上述のスリットSiに連通するように底部に形成される凹部12Dに圧入されている。凹部12Dはプリント配線基板PBの表面に向けて開口しているので固定部22Cは、その底面側から圧入されることとなる。係止部22Fbは、凹部12Dに対し直交するように底部に形成される孔12T内に圧入されている。孔12Tは、貫通孔であるが、斯かる例に限られることなく、その孔は、例えば、有底孔であってもよい。係止部22Fbの根元近傍には、孔12Tと凹部12Dとが交差する部分に対応して突き当て部22Kが形成されている。突き当て部22Kが形成されることにより、固定部22Cが凹部12Dに圧入されるとき、固定部22Cが傾いた姿勢で圧入されることが防止されることとなる。
所定の十分な弾性力を有し変位可能な可動片部22Bの基端は、上述の固定端子部22Faが固定部22Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されている。また、可動片部22Bは、固定端子部22Faの軸線に対し略平行な直線に対し所定の角度θをなして形成されている。半導体装置DVの端子部に当接する可動片部22Bの先端部には、円弧状の接点部22bが形成されている。このように円弧状に形成されるのは、半導体装置DVの端子部に接点部が当接するとき、ワイピングを円滑に行なうためである。このように可動片部22Bの基端が固定端子部22Faが固定部22Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されているのでプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部22bとの相互間における最短の信号路が形成される。従って、そのインダクタンスが低減され、その結果、高周波数帯域特性が改善されることとなる。また、コンタクト端子22aiは、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに固定される固定端子部22Faおよび係止部22Fbにより支持されるので所定の圧力が接点部22bに作用する場合、固定端子部22Fa側に繰り返し曲げモーメントが作用しても接点部22bにおける正規の初期位置が偏倚する虞がなく、しかも、コンタクト端子22aiの耐久性も確保されることとなる。
コンタクト端子22biの構造は、固定部における固定端子部22Faの位置を除き、コンタクト端子22aiの構造と同様とされる。コンタクト端子22biの固定部における固定端子部22Faの位置は、コンタクト端子22aiにおける固定端子部22Faの位置に比して位置決め部材16よりも離隔する方向の位置に設定されている。これにより、プリント配線基板PBにおけるコンタクト端子群CGの各固定端子部は千鳥掛け状に配置されることとなる。
図6は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例および後述する実施例に用いられるコンタクト端子群CGを構成するコンタクト端子のさらなる他の一例を示す。
コンタクト端子26aiは、例えば、薄板金属材料で作られ、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに半田付け固定される固定端子部26Faと、固定端子部26Faの基端に略直交するように連結される固定部26Cと、固定部26Cにおいて一方側に連結される固定端子部26Faの軸線と共通の直線上にあって固定部26Cの他方側となる位置に形成される係止部26Fbと、固定部26Cにおける係止部26Fbと固定端子部26Faとの間における一方の端に連結される可動片部26Bとから構成される。
固定端子部26Faおよび係止部26Fbは、それぞれ、プリント配線基板PBの表面に略平行に配される固定部26Cの長手方向に対して略直交するように一体に形成されている。固定部26Cは、上述のスリットSiに連通するように底部に形成される凹部12Dに圧入されている。凹部12Dはプリント配線基板PBの表面に向けて開口しているので固定部26Cは、その底面側から圧入されることとなる。係止部26Fbは、凹部12Dに対し直交するように底部に形成される孔12T内に圧入されている。
所定の十分な弾性力を有し変位可能な可動片部26Bの基端は、上述の固定端子部26Faが固定部26Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されている。また、可動片部26Bは、固定端子部22Faの軸線に対し略平行な直線に対し略直交するように形成されている。半導体装置DVの端子部に当接する可動片部26Bの先端部には、円弧状の接点部26bが形成されている。このように円弧状に形成されるのは、上述の例と同様に半導体装置DVの端子部に接点部が当接するとき、ワイピングを円滑に行なうためである。このように可動片部26Bの基端が固定端子部26Faが固定部26Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されているのでプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部26bとの相互間における最短の信号路が形成される。従って、そのインダクタンスが低減され、その結果、高周波数帯域特性が改善されることとなる。特に、可動片部26Bは、固定端子部22Faの軸線に対し略平行な直線に対し略直交するように形成されているので図1(A)、図5(A)に示される例に比してより短い信号路がプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部26bとの相互間に形成されることとなる。また、ソケット本体12の低背化が図られることとなる。
また、コンタクト端子26aiは、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに固定される固定端子部26Faおよび係止部26Fbにより支持されるので所定の圧力が接点部26bに作用する場合、固定端子部26Fa側に繰り返し曲げモーメントが作用しても接点部22bにおける正規の初期位置が偏倚する虞がなく、しかも、コンタクト端子26aiの耐久性も確保されることとなる。
コンタクト端子26biの構造は、固定部における固定端子部26Faの位置を除き、コンタクト端子26aiの構造と同様とされる。コンタクト端子26biの固定部における固定端子部26Faの位置は、コンタクト端子26aiにおける固定端子部26Faの位置に比して位置決め部材16よりも離隔する方向の位置に設定されている。これにより、プリント配線基板PBにおけるコンタクト端子群CGの各固定端子部は千鳥掛け状に配置されることとなる。
なお、上述の例においては、カバー部材10に連動する押え部材14〜14Dが備えられているが、斯かる例に限られることなく、例えば、半導体装置DVが図示が省略される搬送ロボットのハンドリング装置により、ソケット本体12に対し保持され押えられる構成であってもよい。
図7は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例を示す。
図7において、半導体装置用ソケットは、クラムシェルタイプとされ、試験される半導体装置を着脱可能に収容するソケット本体42と、ソケット本体42の上部に対して開閉可能に配される蓋ユニット30とを含んで構成されている。
なお、図7および後述する図8に示される例においては、図2および3に示される例において同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
ソケット本体42は、プリント配線基板PBに固定するための固定用小ネジが挿入される孔(不図示)を4隅に有している。ソケット本体42における相対向する辺には、後述するラッチ部材36の先端がそれぞれ選択的に係合する爪部42Nが形成されている。
また、ソケット本体42は、試験される半導体装置DVが着脱可能に装着される位置決め部材46を収容する位置決め部材収容部42Aを内部中央に有している。また、位置決め部材収容部42Aの底部には、上述の複数のコンタクト端子22ai(i=1〜n,nは正の整数)および22biが圧入される複数のスリットが所定の間隔で形成されている。複数のスリットは、位置決め部材収容部42Aにおける位置決め部材46の真下となる位置に形成される空間に連通している。また、複数のスリットは、プリント配線基板PBの表面に対して開口している。位置決め部材収容部42Aは、上方に向けて開口している。
位置決め部材46を上方に向けて付勢する複数のコイルスプリング(不図示)が、位置決め部材46の下部と上述のソケット本体42の基台との間に設けられている。
位置決め部材46は、その中央部に半導体装置DVが着脱可能に装着される被装着部を有している。被装着部の内周面は、半導体装置DVの外周部が所定の隙間をもって嵌合するように形成されている。被装着部を形成する底面部には、各コンタクト端子22aiおよび22biの可動片部の接点部が挿入される貫通孔が複数個形成されている。従って、半導体装置DVが被装着部に嵌合されることにより、被装着部に装着された半導体装置DVの電極部の接点部に対する位置決めがなされることとなる。
蓋ユニット30は、ソケット本体42に保持されるとき、ソケット本体42の上端を覆う蓋本体部と、蓋本体部の一方の辺に支持軸38を介して回動可能に設けられ、蓋本体部を選択的にソケット本体42に保持するラッチ部材36と、蓋本体部におけるソケット本体42に対向する側に配され装着された半導体装置DVのパッケージの外面を押圧する押込み部材32と、を主な要素として構成されている。
蓋本体部の他方の辺は、支持軸44を介してソケット本体42に回動可能に連結されている。これにより、蓋本体部は、ソケット本体42の上部に対し離隔し待機する位置、または、ソケット本体42の上部に対して接触し覆う位置をとることとなる。
蓋本体部は、ラッチ部材36が配される凹部を一方の辺に有している。その凹部内には、ラッチ部材36の係合端を爪部42Nに係合する方向に付勢するコイルスプリング40の一端を受け止める窪みが形成されている。蓋本体部の中央部には、押込み部材32が挿入される凹部が形成されている。凹部の周囲には、押込み部材32を揺動自在に支持する支持軸34の両端が挿入される孔が形成されている。
押込み部材32は、蓋本体部における凹部内に揺動可能に配されている。押込み部材32は、その中央部にソケット本体42側に向けて突出する押圧面部を有している。
斯かる構成において、半導体装置DVがソケット本体42における位置決め部材46に装着された後、蓋ユニット30は、ラッチ36の先端が爪部42Nに係合されることにより、ソケット本体42に保持されることとなる。
従って、斯かる実施例においても、コンタクト端子22aiにおける可動片部22Bの基端が固定端子部22Faが固定部22Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されているのでプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部22bとの相互間における最短の信号路が形成され、従って、そのインダクタンスが低減され、その結果、高周波数帯域特性が改善されることとなる。また、コンタクト端子22aiは、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに固定される固定端子部22Faおよび係止部22Fbにより支持されるので所定の圧力が接点部22bに作用する場合、固定端子部22Fa側に繰り返し曲げモーメントが作用しても接点部22bにおける正規の初期位置が偏倚する虞がない。
図8は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例を示す。
図8において、半導体装置用ソケットは、試験される半導体装置を着脱可能に収容するソケット本体60と、ソケット本体60の上部に対して着脱可能に配される押込み蓋ユニット50とを含んで構成されている。
ソケット本体60は、プリント配線基板PBに固定するための固定用小ネジが挿入される孔(不図示)を4隅に有している。ソケット本体60における相対向する辺には、後述するラッチ部材54の先端がそれぞれ選択的に係合する爪部60Nが形成されている。
また、ソケット本体60は、上述の複数のコンタクト端子22ai、22bi(i=1〜n,nは正の整数)をそれぞれ収容するスリットと、各スリットに連通し半導体装置DVが着脱可能に装着される位置決め部材62を収容する位置決め部材収容部と、を内部中央に有している。
各スリットは、位置決め部材収容部の全内周面に沿って所定の間隔で形成されている。
各スリットは、上述のコンタクト端子22ai、22biの固定部22C、および係止部22Fbがそれぞれ圧入される部分と、可動片部22Bが通過する部分とから構成されている。各スリットは、プリント配線基板PBに対して開口している。これにより、コンタクト端子22ai、22biの固定部22C、および係止部22Fbは、プリント配線基板PB側から各スリットに圧入されることとなる。
上方に向けて開口している位置決め部材収容部には、位置決め部材62が図示が省略される複数の弾性部材を介して移動可能に設けられている。
位置決め部材62は、その中央部に半導体装置DVが着脱可能に装着される被装着部を有している。被装着部の内周面は、半導体装置DVの外周部が所定の隙間をもって嵌合するように形成されている。被装着部を形成する底面部には、各コンタクト端子22ai、22biの接点部が露出するスリットがそれぞれ所定の間隔で内周面に沿って形成されている。斯かる構成により、被装着部に装着された半導体装置DVの電極部の各コンタクト端子22ai、22biの接点部に対する位置決めがなされることとなる。また、底面部の略中央部には、アース用コンタクト端子の接点部が露出する孔が複数個、所定の間隔で形成されている。
位置決め部材収容部の周辺には、後述する各位置決めピン58が挿入される孔60aが複数個形成されている。
押込み蓋ユニット50は、ソケット本体60に保持されるとき、ソケット本体60の上端を覆う蓋本体部と、蓋本体部の相対向する辺にそれぞれ支持軸56を介して回動可能に設けられ、蓋本体部を選択的にソケット本体60に保持するラッチ部材54と、蓋本体部におけるソケット本体60に対向する側に配され装着された半導体装置DVの外面を押圧する押圧体としての押込み部材PMとを主な要素として構成されている。
蓋本体部は、ラッチ部材54がそれぞれ配される凹部を相対向する辺に有している。その各凹部内には、ラッチ部材54の係合端を爪部60Nに係合する方向に付勢するコイルスプリング52の一端を受け止める窪みが形成されている。蓋本体部の中央部には、押込み部材PMが配される凹部50Rが形成されている。また、その凹部50Rの周囲には、複数箇所に、位置決めピン58がそれぞれ設けられている。
斯かる構成において、半導体装置DVがソケット本体60の位置決め部材62の被装置部に装着された後、押込み蓋ユニット50は、ラッチ54の先端が爪部60Nに係合されることにより、ソケット本体60に保持されることとなる。
その際、本実施例においても、コンタクト端子22aiにおける可動片部22Bの基端が固定端子部22Faが固定部22Cに連結される部分に近い位置に一体に形成されているのでプリント配線基板PBのはんだスルーホールと接点部22bとの相互間における最短の信号路が形成され、従って、そのインダクタンスが低減され、その結果、高周波数帯域特性が改善されることとなる。また、コンタクト端子22aiは、プリント配線基板PBのはんだスルーホールに固定される固定端子部22Faおよび係止部22Fbにより支持されるので所定の圧力が接点部22bに作用する場合、固定端子部22Fa側に繰り返し曲げモーメントが作用しても接点部22bにおける正規の初期位置が偏倚する虞がない。