JP2007025519A - 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示領域を十分に確保することができると同時に、基板の大型化を回避することが可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置、シールマスク及びシール材印刷装置を提供すること。
【解決手段】 本実施形態によれば、例えばマザー基板100Sにスクリーン印刷法でシールパターン120aを形成する場合、シールパターン120aを形成した後に当該シールパターン120aとシールマスク103aとマザー基板100Sとで囲まれる領域が密閉されず、間隙123aが空気の通り道となるため、マザー基板100Sからシールマスク103aを取り外すときにシールパターン120aからの抵抗を受けなくて済む。
【選択図】 図13
【解決手段】 本実施形態によれば、例えばマザー基板100Sにスクリーン印刷法でシールパターン120aを形成する場合、シールパターン120aを形成した後に当該シールパターン120aとシールマスク103aとマザー基板100Sとで囲まれる領域が密閉されず、間隙123aが空気の通り道となるため、マザー基板100Sからシールマスク103aを取り外すときにシールパターン120aからの抵抗を受けなくて済む。
【選択図】 図13
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法及び電気光学装置に関する。
一般に液晶パネルは、マザー基板と呼ばれる大判の基板を2枚対向させ、一方のマザー基板に矩形環状にシール材を形成し、液晶を挟持するように2枚のマザー基板を貼り合わせて切断することによって形成される。マザー基板上にシール材を矩形環状に形成する手法としては、例えばシール材の形状に対応する矩形環状の開口部が設けられたシールマスクを用いてマザー基板上にシール材を印刷するスクリーン印刷法(例えば、特許文献1参照。)等がある。
特開2004−177941号公報
しかしながら、スクリーン印刷法によりシール材を印刷する場合では、パターンを環状にシール材を印刷したときにシールマスクとマザー基板とシールパターンのシール材とが密着しているため、シール材内部の空間が密閉されてしまう。このため、マザー基板からシールマスクを取り外すときにシール材がシールマスクに引っ張られるような抵抗を受けてしまう。このように、シールマスクとマザー基板とがスムーズに剥がれないと、シール材の塗布量が不均一となりシールパターンが変形する場合がある。シールパターンが変形した場合、2枚のマザー基板を貼り合わせたときにシール材の幅(シール幅)が均一にならないという問題がある。
このようにシール幅が不均一になると、その分シール材の内側の領域が狭くなってしまう。電気光学装置においては、通常、かかる領域は表示領域として利用されるものである。したがって、当該領域が狭くなってしまうと、利用できる表示領域が狭くなってしまう。あるいは、所定の面積の表示領域を確保しようとすると、基板を大型化せざるを得なくなってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、表示領域を十分に確保することができると同時に、基板の大型化を回避することが可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置、シールマスク及びシール材印刷装置を提供することにある。
このようにシール幅が不均一になると、その分シール材の内側の領域が狭くなってしまう。電気光学装置においては、通常、かかる領域は表示領域として利用されるものである。したがって、当該領域が狭くなってしまうと、利用できる表示領域が狭くなってしまう。あるいは、所定の面積の表示領域を確保しようとすると、基板を大型化せざるを得なくなってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、表示領域を十分に確保することができると同時に、基板の大型化を回避することが可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置、シールマスク及びシール材印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の主たる観点に係る電気光学装置の製造方法は、一対の基板間に環状のシール材が挟持されてなる電気光学装置の製造方法であって、スクリーン印刷法によって、前記一対の基板のうちの一方の基板に、前記シール材の一部を形成する工程と、前記一対の基板のうちの他方の基板に、前記シール材の一部とは平面的には間隙をもって前記シール材の残りの部分を形成する工程と、前記シール材の一部と前記シール材の残りの部分とで平面的に矩形環状となる領域の内側に電気光学材料を滴下する工程と、前記一対の基板を対向させて貼り合わせる工程とを具備し、前記一対の基板を対向させて貼り合わせる工程では、前記間隙が閉塞されるまで前記一対の基板を圧着することを特徴とする。
本願発明において、電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称している。具体的には、電気光学物質として液晶を用いる液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)を用いる有機EL装置、無機ELを用いる無機EL装置、電気光学物質としてプラズマ用ガスを用いるプラズマディスプレイ装置等がある。さらには、電気泳動ディスプレイ装置(EPD:Electrophoretic Display)、フィールドエミッションディスプレイ装置(FED:電界放出表示装置:Field Emission Display)等がある。
本発明によれば、一方の基板にスクリーン印刷法でシール材を形成する場合、シール材を形成した後にシール材とシールマスクと基板とで囲まれる領域が密閉されず、当該間隙が空気の通り道となるため、基板からシールマスクを取り外すときにシール材からの抵抗を受けなくて済む。このため、シール材が変形することも無く、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにはシール材の広がりが均一になり、シール幅が均一になる。これにより、シール材の内側の領域が狭くなるのを回避することができ、電気光学装置の表示領域を十分に確保することができると共に、一定の表示領域を確保する場合にも基板の大型化を回避することができる。
また、前記シール材を形成する工程では、前記間隙が直線状に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、間隙を挟むシール材の各対向面が平坦になるため、一対の基板を貼り合わせる工程においてシール材同士が合着したときに、形状が乱れることが無い。
このような構成によれば、間隙を挟むシール材の各対向面が平坦になるため、一対の基板を貼り合わせる工程においてシール材同士が合着したときに、形状が乱れることが無い。
また、前記シール材を形成する工程では、幅が200μm以下になるように前記間隙が設けられることが好ましい。
電気光学装置を製造する際に設定される通常のシール材の幅、量、粘度等を考慮すると、間隙の幅を大きくし過ぎた場合には、一対の基板を貼り合わせた時にシール材同士が合着しない可能性がある。本発明のように間隙の幅を200μm以下に設定すれば、一対の基板を貼り合わせた時にシール材同士が確実に合着することになるので、シール材で囲まれた領域を確実に密閉することができる。なお、当該間隙の幅については、5μm〜50μmの範囲であればなお好ましい。
電気光学装置を製造する際に設定される通常のシール材の幅、量、粘度等を考慮すると、間隙の幅を大きくし過ぎた場合には、一対の基板を貼り合わせた時にシール材同士が合着しない可能性がある。本発明のように間隙の幅を200μm以下に設定すれば、一対の基板を貼り合わせた時にシール材同士が確実に合着することになるので、シール材で囲まれた領域を確実に密閉することができる。なお、当該間隙の幅については、5μm〜50μmの範囲であればなお好ましい。
また、前記シール材を形成する工程では、前記間隙が一定の幅で設けられることが好ましい。
間隙の幅が一定に設けられた場合、一対の基板を貼り合わせて圧着すると、シール材は圧着により間隙を均一に閉塞していくことになる。これにより、シール材を隙間なく均一に合着させることができる。
間隙の幅が一定に設けられた場合、一対の基板を貼り合わせて圧着すると、シール材は圧着により間隙を均一に閉塞していくことになる。これにより、シール材を隙間なく均一に合着させることができる。
また、前記シール材の粘度が、2×105cps〜2×106cpsの範囲内であることが好ましい。
シール材の粘度が高すぎる場合、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにシール材が十分に広がらず、間隙が閉塞されないおそれがある。また、シール材の粘度が低すぎる場合、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにシール材が過度に広がってしまうおそれがある。また、液晶封入時の液晶拡散力によりシールを破ってしまう不具合が生じる。更には、液晶拡散によるシールパスが発生してしまう。本発明のようにシール材の粘度を、2×105cps〜2×106cpsの範囲とすることにより、一対の基板を貼り合わせて圧着したときに、シール材が適度に広がるのである。なお、当該シール材の粘度については、2×105cps〜1×106cpsの範囲であれば、より好ましい。
シール材の粘度が高すぎる場合、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにシール材が十分に広がらず、間隙が閉塞されないおそれがある。また、シール材の粘度が低すぎる場合、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにシール材が過度に広がってしまうおそれがある。また、液晶封入時の液晶拡散力によりシールを破ってしまう不具合が生じる。更には、液晶拡散によるシールパスが発生してしまう。本発明のようにシール材の粘度を、2×105cps〜2×106cpsの範囲とすることにより、一対の基板を貼り合わせて圧着したときに、シール材が適度に広がるのである。なお、当該シール材の粘度については、2×105cps〜1×106cpsの範囲であれば、より好ましい。
また、前記シール材を形成する工程が、シールマスクを用いたスクリーン印刷法により行われることが好ましい。
スクリーン印刷法によってシール材を形成する場合、シール材の一部の角部に間隙を設けることにより、シール材を形成した後にシール材とシールマスクと基板とで囲まれる領域が密閉されず、当該間隙が空気の通り道となるため、基板からシールマスクを取り外すときにシール材からの抵抗を受けなくて済む。このため、シール材が変形することも無く、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにはシール材の広がりが均一になり、シール幅が均一になる。
スクリーン印刷法によってシール材を形成する場合、シール材の一部の角部に間隙を設けることにより、シール材を形成した後にシール材とシールマスクと基板とで囲まれる領域が密閉されず、当該間隙が空気の通り道となるため、基板からシールマスクを取り外すときにシール材からの抵抗を受けなくて済む。このため、シール材が変形することも無く、一対の基板を貼り合わせて圧着したときにはシール材の広がりが均一になり、シール幅が均一になる。
本発明の別の観点に係る電気光学装置は、上記の電気光学装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、電気光学装置を製造する際に表示領域を十分に確保することができると共に、基板の大型化を回避することができるため、表示領域が広く、基板1枚あたりのコストパフォーマンスが高い電気光学装置を得ることができる。
本発明によれば、電気光学装置を製造する際に表示領域を十分に確保することができると共に、基板の大型化を回避することができるため、表示領域が広く、基板1枚あたりのコストパフォーマンスが高い電気光学装置を得ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。
同図に示すように、液晶装置1は、液晶パネル40と、バックライト41とを主体として構成されている。液晶パネル40は、アクティブマトリクス基板2とカラーフィルタ基板3とで液晶6を挟持するように設けられており、シール材4を介して貼り合わされた構成になっている。本実施形態では、薄膜ダイオード(TFD)や薄膜トランジスタ(TFT)等の非線形素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置を例に挙げて説明するが、パッシブマトリクス方式やその他の方式の液晶装置であっても本発明の適用は可能である。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。
同図に示すように、液晶装置1は、液晶パネル40と、バックライト41とを主体として構成されている。液晶パネル40は、アクティブマトリクス基板2とカラーフィルタ基板3とで液晶6を挟持するように設けられており、シール材4を介して貼り合わされた構成になっている。本実施形態では、薄膜ダイオード(TFD)や薄膜トランジスタ(TFT)等の非線形素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置を例に挙げて説明するが、パッシブマトリクス方式やその他の方式の液晶装置であっても本発明の適用は可能である。
アクティブマトリクス基板2は、例えばガラスや石英等の透明な材料により形成された矩形の基板である。表示領域Dは、画像や動画等が表示される領域であり、当該表示領域Dには、図示しない画素電極と、スイッチング素子とが設けられている。また、カラーフィルタ基板3は、例えばガラスやプラスチック等の透明な材料によって形成された矩形の基板である。カラーフィルタ基板3上には図示しない遮光層が設けられており、当該遮光層で囲まれた領域(画素)に対応して赤色層、緑色層、青色層とを有するカラーフィルタが設けられている。また、当該カラーフィルタ基板3上には、カラーフィルタを覆うようにオーバーコート層(図示せず)が形成され、オーバーコート層上には配向膜(図示せず)が形成されている。
シール材4は、例えばエポキシ樹脂等の材料によって形成されている。当該シール材4は、液晶パネル40の表示領域Dを囲むように矩形環状に設けられており、4辺(辺7、辺8、辺9及び辺10)を有している。4辺のうち、辺7と辺9とが平行になっており、辺8と辺10とが平行になっている。また、辺10にはシール材同士が合着した合着部10a、10bが形成されている。
図2は、本実施形態に係るシール材印刷装置101の構成を示す模式図である。
シール材印刷装置101は、ステージ102と、シールマスク103と、印刷手段104とを主体として構成されている。当該シール材印刷装置101は、液晶パネルを構成するパネル基板にスクリーン印刷法によってシール材を印刷する装置である。本実施形態では、一枚のマザー基板から複数のパネル基板を採取する多数個取りと呼ばれる手法により液晶パネルを製造する工程の中でシール材を形成する場合を例に挙げて説明する。
シール材印刷装置101は、ステージ102と、シールマスク103と、印刷手段104とを主体として構成されている。当該シール材印刷装置101は、液晶パネルを構成するパネル基板にスクリーン印刷法によってシール材を印刷する装置である。本実施形態では、一枚のマザー基板から複数のパネル基板を採取する多数個取りと呼ばれる手法により液晶パネルを製造する工程の中でシール材を形成する場合を例に挙げて説明する。
ステージ102は、マザー基板100を載置して保持する基台である。
シールマスク103は、マザー基板100上に形成するシールパターンを成形するものである。本実施形態では、2枚のシールマスク(103a、103b)が用いられる。具体的には、2枚のマザー基板のうち、例えばカラーフィルタが形成されるマザー基板100Sに対してはシールマスク103aが用いられ、画素電極やスイッチング素子等が形成されるマザー基板100Tに対してはシールマスク103bが用いられる。
シールマスク103は、マザー基板100上に形成するシールパターンを成形するものである。本実施形態では、2枚のシールマスク(103a、103b)が用いられる。具体的には、2枚のマザー基板のうち、例えばカラーフィルタが形成されるマザー基板100Sに対してはシールマスク103aが用いられ、画素電極やスイッチング素子等が形成されるマザー基板100Tに対してはシールマスク103bが用いられる。
シールマスク103aは、マザー基板100Sに対して着脱可能に設けられる。当該シールマスク103aは、図3に示すように、マスクパターン110aとして開口部111aが形成されている。当該開口部111aは、4辺を有する矩形環状をなし、当該4辺のうち一辺の一部には接続部113aが設けられている。
シールマスク103bは、マザー基板100Tに対して着脱可能に設けられる。当該シールマスク103bは、図4に示すように、マスクパターン110bとして開口部111bが形成されている。当該開口部111bは、シールマスク103aとシールマスク103bとを重ね合わせたときにマスクパターン110aの接続部113aに平面的に重なる位置に設けられており、接続部113aの面積よりも小さい面積になるように形成されている。
図2に戻って、印刷手段104は、スクレッパ105と、スキージ106と、これらスクレッパ105及びスキージ106を保持する保持部材108とを有している。スクレッパ105は、シールマスク103上に供給されたシール材料をマスクパターン110の開口部111に流し入れる(コートする)部材である。スキージ106は、マスクパターン110の開口部111にコートされたシール材料をマザー基板Sに転写させる(プリントする)部材である。スクレッパ105及びスキージ106のそれぞれには、シールマスク103に対して着脱可能となるように昇降機構が設けられている。また、保持部材108にも、スクレッパ105及びスキージ106の昇降機構とは別に図示しない昇降機構が設けられている。
スクレッパ105及びスキージ106は保持部材108に保持されており、当該保持部材108には、図示しない駆動機構が設けられている。当該駆動機構によって保持部材108が図中の左右に移動可能となっており、保持部材108が図中の左右に移動することによって、スクレッパ105及びスキージ106がシールマスク103の図中左端部から右端部へと、又は、図中右端部から左端部へとスキャンするようになっている。
次に、上記のシール材印刷装置101を用いて液晶装置1を製造する方法を説明する。本実施形態においては、大面積の2枚のマザー基板、すなわち、カラーフィルタ側マザー基板とアクティブマトリクス側マザー基板とを別個に形成し、そのうちの一方の基板(本実施形態では、カラーフィルタ側マザー基板)にシール材を介して液晶を塗布し、両マザー基板を貼り合わせ、貼り合わせた状態で切断することにより個々の液晶パネルに分離する方法(多数個取り)を例に挙げて説明する。また、シール材を形成する方法については、上述したシール材印刷装置101を用いたスクリーン印刷法を例に挙げて説明する。
まず、カラーフィルタ側マザー基板を形成する工程について説明する。ガラスやプラスチック等の透光性材料からなるマザー基板100Sの各表示領域D(図9等参照)に各液晶パネルについての電極やカラーフィルタを形成し、平坦化膜を形成する。平坦化膜の表面には、ギャップ制御用の図示しないスペーサ及び隔壁を形成する。スペーサは、各表示領域Dについてそれぞれ形成する。さらに、マザー基板100Sに形成されたカラーフィルタを覆うように配向膜を形成し、当該配向膜に対してラビング処理を実行する。
次に、マザー基板100Sの表示領域Dを囲むようにシールパターンを形成する。以下、当該シールパターン形成工程について説明する。
まず、シール材印刷装置101内のステージ102上にマザー基板100Sを保持し、シールマスク103aをマザー基板100Sに装着する。この状態で、図5に示すように、シールマスク103上(図中、シールマスク103の右端)にシール材料80を供給する。なお、シールマスク103上に供給するシール材料80の粘度は、2×106cps以下であることが好ましく、2×105cps〜1×106cpsの範囲であればなお好ましい。本実施形態では、マザー基板Sに液晶を滴下してから貼り合わせる方法により液晶装置1を製造するので、上記のように粘度の高いシール材を採用している。
まず、シール材印刷装置101内のステージ102上にマザー基板100Sを保持し、シールマスク103aをマザー基板100Sに装着する。この状態で、図5に示すように、シールマスク103上(図中、シールマスク103の右端)にシール材料80を供給する。なお、シールマスク103上に供給するシール材料80の粘度は、2×106cps以下であることが好ましく、2×105cps〜1×106cpsの範囲であればなお好ましい。本実施形態では、マザー基板Sに液晶を滴下してから貼り合わせる方法により液晶装置1を製造するので、上記のように粘度の高いシール材を採用している。
次に、図6に示すように、シールマスク103上のシール材料80をスクレッパ105によりコートし、シールマスク103の開口部111にシール材料80を供給する。スクレッパ105がシールマスク103の右端部から左端部へとスキャンすることにより、シールマスク103上の開口部111にシール材料80が充填される。
次に、図7に示すように、シールマスク103の開口部111に充填されたシール材料80をマザー基板Sにプリントする。スキージ106がシールマスク103の左端部から右端部へスキャンすることにより、シールマスク103上のシール材料80が開口部111からマザー基板S上に押し出され、マザー基板S上にシール材料80がマスクパターン110に対応する形状で印刷される。次に、図8に示すように、シールマスク103をマザー基板Sから取り外す。このとき、マザー基板S上には、シールパターン120が図9に示すように形成されている。以上の工程により、カラーフィルタ側マザー基板が形成される。その後、このように形成されたカラーフィルタ側マザー基板のシールパターン120の内側の領域に、液晶を滴下する。
ここで、マザー基板100S上に形成されたシールパターン120aの構成を説明する。
図9に示すように、シールパターン120aは、表示領域Dを囲むように矩形枠状に設けられており、矩形枠のうちの1辺(例えば、図中右側の辺)に、間隙123aが設けられている。なお、間隙123aは、シール材料がプリントされない隙間の部分であり、上述したシールマスク103aの接続部113aに対応する部分である。
図9に示すように、シールパターン120aは、表示領域Dを囲むように矩形枠状に設けられており、矩形枠のうちの1辺(例えば、図中右側の辺)に、間隙123aが設けられている。なお、間隙123aは、シール材料がプリントされない隙間の部分であり、上述したシールマスク103aの接続部113aに対応する部分である。
次に、アクティブマトリクス側マザー基板を形成する工程について説明する。
ガラスやプラスチック等の透光性材料からなるマザー基板100T(図10等参照)の各表示領域E(図10等参照:当該表示領域は、マザー基板100Sの表示領域Dに対応するものである)に、公知の方法で走査電極や、画素電極、平坦化層等を形成する。その後、各表示領域E内にポリイミド等からなる配向膜を形成し、この配向膜に対してラビング処理を施す。
ガラスやプラスチック等の透光性材料からなるマザー基板100T(図10等参照)の各表示領域E(図10等参照:当該表示領域は、マザー基板100Sの表示領域Dに対応するものである)に、公知の方法で走査電極や、画素電極、平坦化層等を形成する。その後、各表示領域E内にポリイミド等からなる配向膜を形成し、この配向膜に対してラビング処理を施す。
次に、マザー基板100Tの表示領域Eを囲むようにシールパターンを形成する。まず、シール材印刷装置101内のステージ102上にマザー基板100Tを保持し、シールマスク103bをマザー基板100Tに装着して、マザー基板100Sにシールパターン120aを形成したときと同様に、マザー基板100Tにシールパターンを形成する。マザー基板100T上には、シールパターン120bが図10に示すように形成される。
ここで、マザー基板100T上に形成されたシールパターン120bの構成を説明する。
図10に示すように、シールパターン120bは、マザー基板100Sとマザー基板100Tとを重ね合わせたときにマザー基板100Sに形成されたシールパターン120aの間隙123aに平面的に重なる位置に形成される。上述したシールマスク103bの開口部111bに対応する部分である。なお、シールパターン120bは、延在方向の長さLが間隙123aの幅Tよりも小さくなるように形成される。
図10に示すように、シールパターン120bは、マザー基板100Sとマザー基板100Tとを重ね合わせたときにマザー基板100Sに形成されたシールパターン120aの間隙123aに平面的に重なる位置に形成される。上述したシールマスク103bの開口部111bに対応する部分である。なお、シールパターン120bは、延在方向の長さLが間隙123aの幅Tよりも小さくなるように形成される。
次に、カラーフィルタ側マザー基板とアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着する。具体的には、図11に示すように、マザー基板100Tの表示領域Eとマザー基板100Sの表示領域Dとが一致するように位置合わせをし、位置が合ったところで両基板を貼り合わせて圧着する。シールパターン120a及びシールパターン120bは圧着により潰され、シール幅(R)が広がり、シールパターン120aとシールパターン120bとが合着して間隙123aが閉塞される。また、カラーフィルタ側マザー基板に滴下された液晶は、両マザー基板の圧着により、シールパターン120a及びシールパターン120bによって閉塞された領域全体に広がる。
その後、貼り合わせた2枚の基板にスクライブ線を形成し、当該スクライブ線に沿って液晶パネルを切断し、複数の液晶パネルを形成する。各液晶パネルの洗浄を行い、駆動ドライバ等を実装し、必要に応じてバックライト41や偏光板等を取り付けて、液晶装置1が完成する。
本実施形態によれば、例えばマザー基板100Sにスクリーン印刷法でシールパターン120aを形成する場合、シールパターン120aを形成した後に当該シールパターン120aとシールマスク103aとマザー基板100Sとで囲まれる領域が密閉されず、間隙123aが空気の通り道となるため、マザー基板100Sからシールマスク103aを取り外すときにシールパターン120aからの抵抗を受けなくて済む。
このため、シールパターン120aが変形することも無く、カラーフィルタ側マザー基板とアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着したときには、シールパターン120a及びシールパターン120bの広がりが均一になり、シール幅Rが均一になる。これにより、シールパターン120a及びシールパターン120bで囲まれた領域が狭くなるのを回避することができ、表示領域D、Eを十分に確保することができると共に、一定の表示領域D、Eを確保する場合にもマザー基板100S、100Tの大型化を回避することができる。
特に、本実施形態のように、スクリーン印刷法によってシールパターンを形成する場合、本実施形態とは異なるように、例えば図12(a)に示すようにシールパターンを隙間無く印刷した場合には、図12(b)(図12(a)のA−A断面図)に示すようにシールマスク53とマザー基板100Sとシールパターン54とが密着しているため空気の通り道が無く、図12(c)(図12(a)のB−B断面図)に示すようにマザー基板100Sからシールマスク53を取り外すときにシールパターン54から引っ張られる力を受け、シールマスク53とマザー基板100Sとがスムーズに剥がれないため、シールパターン54が変形してしまうことがある。
特に、本実施形態のように、スクリーン印刷法によってシールパターンを形成する場合、本実施形態とは異なるように、例えば図12(a)に示すようにシールパターンを隙間無く印刷した場合には、図12(b)(図12(a)のA−A断面図)に示すようにシールマスク53とマザー基板100Sとシールパターン54とが密着しているため空気の通り道が無く、図12(c)(図12(a)のB−B断面図)に示すようにマザー基板100Sからシールマスク53を取り外すときにシールパターン54から引っ張られる力を受け、シールマスク53とマザー基板100Sとがスムーズに剥がれないため、シールパターン54が変形してしまうことがある。
これに対して、本実施形態のようにシールパターン120aの辺部分に間隙123aを設けることで、シールパターン120aを形成した後では、図13(a)及び図13(b)に示すように、当該シールパターン120aとシールマスク103aとマザー基板100Sとで囲まれる領域が密閉されない状態になる。このため、図13(c)に示すように、当該カラーフィルタ側マザー基板からシールマスク103aを取り外すときにシールパターン120aからの抵抗を受けずに済み、当該シールパターン120aが変形することも無い。
よって、カラーフィルタ側マザー基板とアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着したときには、シールパターン120aの広がりが均一になり、シール幅(R)が均一になる。これにより、シールパターン120a、120bで囲まれた領域が狭くなるのを回避することができ、液晶装置1の表示領域Dを十分に確保することができると共に、一定の表示領域を確保する場合にもマザー基板の大型化を回避することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、シールパターン120a、120bの形状を、図14〜図16に示す形状にすることも可能である。
例えば、シールパターン120a、120bの形状を、図14〜図16に示す形状にすることも可能である。
例えば、図14(a)に示すように、矩形枠のうち、対向する2辺同士をシールパターン120aとして形成し、各辺の端部同士の間を間隙123aとした形状であっても良い。この場合、図14(b)に示すように、間隙123aに平面的に重なる位置には、シールパターン120aの各辺に直交するように、対向する2辺のシールパターン120bが設けられる。シールパターン120aが設けられたカラーフィルタ側マザー基板と、シールパターン120bが設けられたアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着した場合、図14(c)に示すように、シールパターン120aとシールパターン120bとが4箇所で合着し、閉塞された領域130が形成される。このとき、シールパターン120aとシールパターン120bとで形成される領域130の角部は、精度の高い直角になるため、液晶装置1の表示領域を広く確保することができる。
また、図15(a)に示すように、矩形枠のうち直交する2辺を1つのシールパターン120aとして形成しても良い。この場合、シールパターン120aの一方の端部と他方の端部との間の領域が間隙123aとなる。また、シールパターン120bについては、例えば図15(b)に示すように、シールパターン120aと組み合わせた場合に矩形枠状に形成されるように、シールパターン120aと線対称の形状に形成され、シールパターン120aの対角上に設けられるようにする。上記のようにシールパターン120aが設けられたカラーフィルタ側マザー基板と、シールパターン120bが設けられたアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着した場合、図15(c)に示すように、シールパターン120aとシールパターン120bとが2箇所で合着し、閉塞された領域130が形成される。
また、図16(a)に示すように、矩形枠のうち、各辺の中央部を除いた形状のシールパターン120aとしても良い。この場合、各辺の中央部が間隙123aとなる。また、図16(b)に示すように、シールパターン120aの中央部の間隙123aに平面的に重なる部分にシールパターン120bを形成する。上記のようにシールパターン120aが設けられたカラーフィルタ側マザー基板と、シールパターン120bが設けられたアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着した場合、図16(c)に示すように、シールパターン120aとシールパターン120bとが8箇所で合着し、閉塞された領域130が形成される。
また、図17(a)に示すように、矩形枠のうちの3辺をシールパターン120aとし、当該3辺で形成される2箇所の角部に例えば直線状の隙間120cが設けられるような構成にしても良い。この場合、矩形枠のうち他の1辺の部分(矩形枠のうち抜けている1辺の部分)が間隙123aとなる。また、図17(b)に示すように、矩形枠のうち、この他の(抜けている)1辺がシールパターン120bとなる。シールパターン120bは、シールパターン120aとシールパターン120bとを矩形状に配置したときに(図17(a)の実線部及び破線部)形成される他の2つの角部に隙間120eができるように、その端部120dを例えば鋭角状に形成する。上記のようにシールパターン120aが設けられたカラーフィルタ側マザー基板と、シールパターン120bが設けられたアクティブマトリクス側マザー基板とを貼り合わせて圧着した場合、図17(c)に示すように、シールパターン120aとシールパターン120bとが合着し、閉塞された領域130が形成される。この場合、貼り合わせによって、シールパターン120aとシールパターン120bとが、隙間120c及び隙間120eを埋めるように広がって合着するため、領域130の各角部130aは、精度の高い直角になる。なお、シールパターン120bとして、例えば導通粒子等の導通部材を含めた材料を用いても良い。この場合、シールパターン120aには導通部材を含めないようにするのが好ましい。
1…液晶装置 4…シール材 40…液晶パネル 100S、100T…マザー基板 101…シール材印刷装置 120a、120b…シールパターン 123a…間隙 130…領域
Claims (7)
- 一対の基板間に環状のシール材が挟持されてなる電気光学装置の製造方法であって、
スクリーン印刷法によって、前記一対の基板のうちの一方の基板に、前記シール材の一部を形成する工程と、
前記一対の基板のうちの他方の基板に、前記シール材の一部とは平面的には間隙をもって前記シール材の残りの部分を形成する工程と、
前記シール材の一部と前記シール材の残りの部分とで平面的に矩形環状となる領域の内側に電気光学材料を滴下する工程と、
前記一対の基板を対向させて貼り合わせる工程と
を具備し、
前記一対の基板を対向させて貼り合わせる工程では、前記間隙が閉塞されるまで前記一対の基板を圧着することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記シール材を形成する工程では、前記間隙が直線状に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記シール材を形成する工程では、幅が200μm以下になるように前記間隙が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記シール材を形成する工程では、前記間隙が一定の幅で設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記シール材の粘度が、2×105cps〜2×106cpsの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記シール材を形成する工程が、シールマスクを用いたスクリーン印刷法により行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法により製造されたことを特徴とする電気光学装置。
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---|---|---|---|
JP2005210850A JP2007025519A (ja) | 2005-07-21 | 2005-07-21 | 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置 |
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- 2005-07-21 JP JP2005210850A patent/JP2007025519A/ja not_active Withdrawn
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