JP2007023871A - エネルギーの有効利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 生成された蒸気を利用して、ボイラなどに再利用するのに適した凝縮水を生成するとともに、この凝縮水のさらなる有効利用を図ることができるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】 エンジン1の排ガスを利用して蒸気を発生させる蒸気発生部2の主蒸気供給ライン3とは別個の第一副蒸気供給ライン4に被減圧部6と接続した蒸気エゼクタ5を用いたエネルギーの有効利用システムにおいて、前記蒸気エゼクタ5を通過した蒸気を凝縮させる間接式凝縮部7と凝縮水貯留部8とを有する凝縮装置9と、前記凝縮装置9内を減圧する減圧手段10と、この凝縮装置9内から凝縮水を排出する凝縮水排出手段11と、前記エンジン1のインタークーラー17を通過する冷却水および/または前記エンジン1のジャケット18を通過する冷却水を冷却する冷却塔13とを備えたエネルギーの有効利用システム。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エネルギーの有効利用を図るシステムに関するものである。
エンジンにより発電機を作動させて電力を得る一方で、このエンジンから排出される排ガスを排ガスボイラへ送り、蒸気を生成させてエネルギーを有効利用するものとして、特許文献1に記載のものが知られている。このシステムでは、図2に示すように、レシプロエンジン100により発電機101を作動させ、これにより排出される排ガスを排ガスボイラ102へ送り、そこで蒸気を生成させる。前記レシプロエンジン100のジャケット冷却水は、温水熱交換機103によって減圧蒸発缶104内の温水に熱を与える。この温水は、蒸気エゼクタ105の負圧作用によって蒸発させられ、前記排ガスボイラ102からの蒸気とともに蒸気使用設備106へ送られる。この蒸気使用設備106で使用された蒸気は、第一ドレンタンク107内へ溜められ、その後、第二ドレンタンク108および軟水器109を経由して前記排ガスボイラ102へ戻されて再利用されている。
以上のように、このシステムでは、ジャケット冷却水から熱回収した温水を蒸気へ変換し、再利用することでエネルギーの有効利用を図っている。
特開2002−4943号公報
しかしながら、このシステムにおいて生成される凝縮水は、ボイラなどの補給水としてはその水質の純度が低下する可能性があり、すなわちボイラなどの補給水として求められる高機能水(脱気された純水を含む。)としては不適である。したがって、このシステムにおける凝縮水をボイラなどに再利用すると、排ガスボイラの水管などが腐食し易くなる。この点において、このシステムで生成される凝縮水を高機能水(脱気された純水を含む。)とするためには、さらに別途、脱気装置などの設備が必要となる。
この発明は、このような従来技術の問題点を解決することを目的とする。具体的には、生成された蒸気を利用して、ボイラなどに再利用に適した凝縮水を生成することを目的とする。また、この再利用に適した凝縮水を積極的に生成してエネルギーのさらなる有効利用を図ることができるシステムを提供することを目的とする。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、エンジンの排ガスを利用して蒸気を発生させる蒸気発生部の主蒸気供給ラインとは別個の副蒸気供給ラインに被減圧部と接続した蒸気エゼクタを用いたエネルギーの有効利用システムにおいて、前記蒸気エゼクタを通過した蒸気を凝縮させる間接式凝縮部と凝縮水貯留部とを有する凝縮装置と、この凝縮装置内を減圧する減圧手段と、前記凝縮装置内から凝縮水を排出する凝縮水排出手段と、 前記エンジンのインタークーラー冷却水および/または前記エンジンのジャケット冷却水を冷却する冷却塔とを備えていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記エンジンのジャケット冷却水と熱交換を行うための熱交換機を一つ以上備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記蒸気発生部および/または前記冷却塔は、前記凝縮水排出手段から排出される凝縮水を補給水として使用することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項において、前記間接式凝縮部内を通る冷却水ラインは、一つ以上の間接式熱交換機を備えることを特徴としている。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項において、前記副蒸気供給ラインが複数設けられていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、再利用に適した凝縮水を生成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記エンジンのエネルギーの有効利用を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、生成された凝縮水を補給水として蒸気発生部に使用した場合は、濃縮水の排水量(ブロー量)の低減が可能となり、また腐食,スケールなどの発生を抑制することができる。そして、生成された凝縮水を補給水として冷却塔に使用した場合は、藻類,スライム,レジオネラ属菌の繁殖の抑制が可能となり、循環水の濃縮の低減や腐食の発生を抑制するとともに、循環水の排水量(ブロー量)を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記蒸気発生部により生成される蒸気のエネルギーのさらなる有効利用を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、生成された凝縮水を複数の箇所で生成することができる。
(実施の形態)
この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、エンジンの排ガスを利用して蒸気を発生させる蒸気発生部の主蒸気供給ラインとは別個の副蒸気供給ラインに被減圧部と接続した蒸気エゼクタを用いたエネルギーの有効利用システムにおいて、前記蒸気エゼクタを通過した蒸気を凝縮させる間接式凝縮部と凝縮水貯留部とを有する凝縮装置と、この凝縮装置内を減圧する減圧手段と、前記凝縮装置内から凝縮水を排出する凝縮水排出手段と、前記エンジンのインタークーラー冷却水および/または前記エンジンのジャケット冷却水を冷却する冷却塔とを備えている。
この実施の形態によれば、前記蒸気エゼクタを通過した蒸気は、前記凝縮装置へ送られて凝縮水となるが、蒸気は不純物を含まないので純水となる。前記凝縮装置内は、前記減圧手段によって非凝縮性ガスである空気が排出されているので、得られた凝縮水は脱気されたものとなる。したがって、得られた凝縮水を好適に使用できる装置に補給水として使用すれば、トータルコストの低減を図ることができる。
つぎに、この実施の形態の構成要素について説明する。前記エンジンは、ガスエンジン,ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ガスタービンエンジンなどを含むものである。
前記蒸気発生部は、蒸気を生成するものであればよい。前記蒸気発生部としては、内部に複数の水管を備え、エンジンからの排ガスにより前記水管を加熱し、これにより蒸気を生成する排ガスボイラを例示することができる。排ガスボイラは、蒸気を生成しないときのため、前記エンジンからの排ガスを内部へ通過させないように排ガスのバイパス経路を本体の外部または内部に設けているものを含む。
前記主蒸気供給ラインおよび前記副蒸気供給ラインは、いずれも前記蒸気発生部で生成された蒸気を各種の蒸気使用機器(一般に「負荷機器」と称されている。)へ導くためのものであるが、前記副蒸気供給ラインは、下流側に前記蒸気エゼクタなどが設けられているのに対して、前記主蒸気供給ラインの下流側には、一般的には、前記蒸気エゼクタが設けられていない。また、供給できる蒸気量の違い,前記負荷機器の設備の規模や重要度などにより、いずれが蒸気供給ラインの主であるか副であるかを問題としない。前記主蒸気供給ラインおよび前記副蒸気供給ラインの両者を直接的に前記蒸気発生部へ接続していてもよく、いずれか一方を直接的に前記蒸気発生部と接続し、他方を一方のラインから分岐させて設けてもよい。前記副蒸気供給ラインは、複数設けることもでき、前記主蒸気供給ラインおよび他の前記副蒸気供給ラインから分岐させて設けてもよく、前記蒸気発生部と直接的に接続してもよい。
前記被減圧部は、真空式冷水製造装置,真空式解凍機,真空式冷却機,蒸煮冷却装置などを含み、内部を減圧されることで所定の目的を達成することができるものである。
前記蒸気エゼクタは、蒸気を通過させることで、内部に負圧領域が形成される。前記蒸気エゼクタを前記被減圧部と接続して蒸気を内部に通過させると、負圧作用によって前記被減圧部内部を減圧する。
前記凝縮装置は、前記間接式凝縮部と前記凝縮水貯留部とからなるもので、熱交換作用によって前記蒸気発生部で生成された蒸気を凝縮させる装置である。前記間接式凝縮部は、前記蒸気発生部で生成された蒸気と間接的に熱交換して凝縮させる機能を有し、好ましくはシェルアンドチューブ式の熱交換機を例示することができる。凝縮を間接的に行うことで、凝縮水に不純物の混入を避けることができる。前記凝縮水貯留部は、前記間接式凝縮部により凝縮された凝縮水を貯留するためのもであり、前記間接式凝縮部とは別個に離れた箇所に設けられているものを含むが、前記間接式凝縮部の直下に設けることが好ましい。さらに、直下に設ける場合も、一体型あるいは別体型として構成することができる。
前記減圧手段は、前記凝縮装置内を減圧状態にして非凝縮性ガスである空気を排出するためのものである。前記凝縮装置内を減圧して蒸気を凝縮することにより、凝縮水に空気が溶存しないので、前記凝縮装置内の凝縮水は、脱気されたものになる。前記減圧手段は、前記間接式凝縮部の下流側に接続すると、凝縮前の蒸気を排出しにくくできる点で好ましい。また、前記減圧手段は、前記凝縮水貯留部に貯留された凝縮水の水面から上方位置において減圧すると、凝縮水を排出しないので好ましい。前記減圧手段としては、真空ポンプ,蒸気エゼクタ,水エゼクタを例示することができるが、好ましくは真空ポンプとして水封式真空ポンプを用いる。
前記凝縮水排出手段は、前記凝縮装置内の凝縮水を排出するためのものである。この前記凝縮水排出手段は、前記減圧手段の減圧作動を阻害しないような排出処理能力を備えている。
以下、この発明を実施したエネルギーの有効利用システムの具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施例のエネルギーの有効利用システムを示している。
図1において、この実施例のエネルギーの有効利用システムは、ガスエンジン1の排ガスを利用して蒸気を発生させる蒸気発生部の具体例としての排ガスボイラ2と、主蒸気供給ライン3とは別個の第一副蒸気供給ライン4の経路上に設けられた蒸気エゼクタ5と、この蒸気エゼクタ5に接続された被減圧部の具体例としての真空式冷水製造機6と、前記蒸気エゼクタ5を通過した蒸気を凝縮させる間接式凝縮部7と凝縮水貯留部8とを有する凝縮装置9と、この凝縮装置9内を減圧する減圧手段の具体例としての水封式真空ポンプ10と、前記凝縮装置9内から凝縮水を排出する凝縮水排出手段の具体例としての排出ポンプ11と、凝縮水,すなわち高機能水(脱気された純水を含む。以下、同じ。)を貯留する貯留タンク12と、この高機能水を補給水として使用し、前記ガスエンジン1のインタークーラー冷却水および前記ガスエンジン1のジャケット冷却水を第一熱交換機14および第二熱交換機15を介して冷却する冷却塔13などにより構成されている。
この実施例のエネルギーの有効利用システムでは、さらに前記間接式凝縮部7内を通る冷却水は、第三熱交換機16を介して前記冷却塔13により冷却される構成となっている。また、前記排ガスボイラ2は、前記貯留タンク12内の高機能水を補給水として使用する構成となっている。
前記ガスエンジン1は、ターボチャージャーの圧縮空気を冷却水で冷却するインタークーラー17と、前記ガスエンジン1を冷却水で冷却するためのジャケット18をそれぞれ備えている。このジャケット18を通過する冷却水の入口温度は約80℃であり、またその出口温度は約90℃である。前記ガスエンジン1は、発電機33を作動させて電力を発電させるとともに、前記排ガスボイラ2へ排ガスを送り、蒸気を生成させる。
前記排ガスボイラ2は、蒸気発生部に相当するもので、前記ガスエンジン1からの排ガスを利用して蒸気を発生させる。前記排ガスボイラ2には、前記主蒸気供給ライン3と、それとは別個の前記第一副蒸気供給ライン4が接続されており、さらに前記第一副蒸気供給ライン4から分岐して第二副蒸気供給ライン19が設けられている。前記排ガスボイラ2への給水は、前記貯留タンク12内の高機能水と、軟水器28および適宜な脱気装置(図示省略)を通過した脱気された軟水とが補給水タンク29で合流し、前記排ガスボイラ2へ送られる。前記補給水タンク29の下流側には、薬注装置30が設けられている。これは、前記排ガスボイラ2へ供給される高機能水にpH調整剤として炭酸水素ナトリウム,水酸化ナトリウムなどを注入し、最適化を図るためのものである。これにより、前記排ガスボイラ2のさらなる腐食の抑制を行うことができる。
前記真空式冷水製造機6は、被減圧部に相当し、減圧状態となった本体の内部へ処理水供給ポンプ20から処理水を供給し、本体上方から処理水を散布すると、処理水は蒸発潜熱を奪われて冷水となる。得られた冷水は、冷水送水ポンプ21から各所へ送られて利用される。
前記凝縮装置9は、前記間接式凝縮部7と前記凝縮水貯留部8とからなり、この実施例においては、シェルアンドチューブ式熱交換機である。前記間接式凝縮部7には、蒸気を導入する複数のチューブ22,22,…が所定間隔を空けて立設されており、冷却用の水が冷却水ライン23から前記間接式凝縮部7へ導入され、前記各チューブ22の外側と接触することにより、蒸気と間接的に熱交換を行う。冷却用の水は、熱交換したあと、前記第三熱交換機16を介して前記冷却塔13により冷却され、再び前記間接式凝縮部7へ循環される。
前記水封式真空ポンプ10は、減圧手段に相当するもので、前記凝縮装置9内を減圧状態にすることによって、前記蒸気エゼクタ5からの蒸気を積極的に前記凝縮装置9内へ導
入するとともに、非凝縮性ガスである空気を排出する役割を持っている。前記水封式真空ポンプ10は、前記凝縮水貯留部8内に貯留される凝縮水の水量を確保するとともに、この凝縮水を吸い込んで排出するのを防止するために、前記凝縮水貯留部8の上方位置に接続されている。また、前記水封式真空ポンプ10は、前記間接式凝縮部7の下流側に接続されており、これにより凝縮前の蒸気を排出しにくくしている。さらに、前記水封式真空ポンプ10は、封水の温度を調整することで処理能力を変えることができる。
前記排出ポンプ11は、凝縮水排出手段に相当する。前記水封式真空ポンプ10により減圧状態となった前記凝縮装置9内の凝縮水を前記凝縮水貯留部8の下部から排出し、これを前記貯留タンク12へ送る。
前記貯留タンク12は、前記凝縮水貯留部8内の凝縮水を貯留するためのものであり、ここから各補給水供給ライン24,25を経由してそれぞれ前記補給水タンク29および前記冷却塔13へ供給される。
前記冷却塔13は、一般的に公知である開放式の冷却塔を例示している。すわなち、前記冷却塔13は、上部に開口部を備え、下部に貯留槽を備える本体と、この本体内に気流を発生させるファンを前記開口部に備えている。冷却水は、前記ファンの下方位置から散布され、前記ファンによる気流と接触することで冷却される。その後、前記貯留槽へ溜められて、一部は前記第三熱交換機16を介して前記間接式凝縮部7内を流れる冷却水を冷却し、一部は前記第一熱交換機14および前記第二熱交換機15を介して前記ガスエンジン1の前記インタークーラー17および前記ジャケット18を冷却する。これらの冷却後、冷却水は、前記冷却塔13へ戻ってきて、前記冷却塔13内で散布されながら一部は蒸発して前記開口部から大気へ放出される。
つぎに、この実施例のエネルギーの有効利用システムの全体動作について説明する。まず、前記排ガスボイラ2により生成された蒸気の一部は、前記第一副蒸気供給ライン4を通って、前記蒸気エゼクタ5を通過し、前記各チューブ22へ導かれる。この際、前記真空式冷水製造機6内の一部の蒸気も前記蒸気エゼクタ5に吸い込まれる。前記凝縮装置9内は、前記水封式真空ポンプ10により非凝縮性ガスである空気が排出されるので、凝縮水に空気が溶存せず、これにより前記凝縮装置9内の凝縮水は、脱気されたものになる。また、蒸気は、前記間接式凝縮部7へ導入される冷却水と熱交換を行うことで凝縮し、前記凝縮水貯留部8に溜まる。こうして得られた凝縮水は、前記排ガスボイラ2および前記真空式冷水製造機6からの不純物のない蒸気を凝縮したものであり、非凝縮性ガスである空気を含んでいない(すなわち、高機能水)。この高機能水(脱気された純水を含む。以下、同じ。)は、前記貯留タンク12に貯留され、補給水として前記補給水タンク29および前記冷却塔13へそれぞれ供給される。
一方、前記ジャケット18内で前記ガスエンジン1と熱交換したジャケット冷却水は、第四熱交換機26を介して第一温水使用設備(図示省略)によって使用される温水へ熱を供給する。その後、このジャケット冷却水は、前記冷却塔13によって冷却されたインタークーラー冷却水と前記第二熱交換機15を介して熱交換したり、あるいは熱交換せずにそのまま前記ジャケット18へ送られるものに分けられる。これらの各流量は、第一の三方弁27の制御によって行われる。たとえば、ジャケット冷却水が、前記第四熱交換機26によって十分な熱を放出することができないときは、前記第二熱交換機15を通過するジャケット冷却水の流量を多くし、十分な熱を放出する。
ここにおいて、前記ガスエンジン1のジャケット冷却水が通過するライン経路上に、前記第四熱交換機26とは別の熱交換機を設けてもよいし、ジャケット冷却水と前記第一温水使用設備(図示省略)によって使用される温水との熱交換を複数の熱交換機を介して行
うように、前記第四熱交換機26とは別の熱交換機を介在させる構成にしてもよい。
さて、前記冷却塔13は、前記第三熱交換機16を介して前記間接式凝縮部7を通過する冷却水を冷却する。この前記冷却水ライン23内の冷却水は、前記間接式凝縮部7を通過したあと、第五熱交換機31を介して第二温水使用設備(図示省略)によって使用される温水へ熱を供給する。その後、この冷却水は、前記第三熱交換機16を介して前記冷却塔13からの冷却水と熱交換したり、あるいは熱交換せずにそのまま前記間接式凝縮部7へ送られるものに分けられる。これらの各流量は、第二の三方弁32の制御によって行われる。
この実施例では、前記貯留タンク12を設けたが、高機能水の生成量,使用量などによっては前記貯留タンク12を設けず、高機能水を前記凝縮水貯留部8から、前記補給水タンク29を経由して前記排ガスボイラ2へ供給するようにしてもよいし、また前記冷却塔13へ供給するようにしてもよい。また、前記排ガスボイラ2および前記冷却塔13以外の高機能水を使用する装置へ補給水として供給することもできる。
この実施例では、被減圧部として前記真空式冷水製造機6を用いたが、別の変形例としては、真空式解凍機,真空式冷却機,蒸煮冷却装置などであってもよく、必要とされる高機能水により、前記凝縮装置9の下流側にフィルターを設け、さらに不純物を取り除くことも好適である。
さらに、別の変形例では、前記凝縮水貯留部8内の水位を計測する水位計(図示省略)を設置して、前記凝縮水貯留部8から凝縮水がなくならないように、かつ前記水封式真空ポンプ10が凝縮水を吸い込まないように、前記排出ポンプ11の処理量を制御するための制御部(図示省略)を設けることもできる。これにより、前記排出ポンプ11の空回転の防止および前記水封式真空ポンプ10による凝縮水の排出を防止することができるのでより好ましい。
この実施例によれば、減圧下で蒸気を凝縮するので、得られる凝縮水は、非凝縮性ガスである空気が排出されているとともに(脱気水)、前記排ガスボイラ2および前記真空式冷水製造機6からの蒸気は、前記凝縮装置9により間接的に凝縮されるので不純物のない凝縮水(純水)となる。そして、この凝縮水(すなわち、高機能水)を補給水として前記排ガスボイラ2および前記冷却塔13へ供給するので、エネルギーの有効利用などを図ることができる。
すなわち、この高機能水を前記排ガスボイラ2に補給水として用いると、純水なので濃縮水の排水量(ブロー量)を低減することができるとともに、カルシウム,マグネシウムなどの硬度分がないのでスケールを抑制することができる。また、純水なので前記排ガスボイラ2の水管などの腐食因子である硫酸イオン,塩化物イオンがなく、しかも脱気されているので、前記水管などの腐食の発生を抑制することができる。さらに、高機能水は常温より温度が高いので、給水予熱のためのエネルギーを抑えることができる。他方、この高機能水を前記冷却塔13へ補給水として用いた場合は、硬度分が含まれていないので、藻類,スライム,レジオネラ属菌の繁殖を抑制することができる。また、純水なので循環水の濃縮を低減でき、濃縮水の排水量(ブロー量)を低減することができる。さらに、硫酸イオン,塩化物イオンがないため、腐食の発生を抑制することができる。
また、この実施例によれば、前記第四熱交換機26および前記第五熱交換機31を介してそれぞれ前記ジャケット18内を通過するジャケット冷却水および前記間接式凝縮部7を通過する冷却水の熱を有効利用することができる。
この発明に係る実施例の概略説明図。 従来技術を示す概略説明図。
符号の説明
1 ガスエンジン(エンジン)
2 排ガスボイラ(蒸気発生部)
3 主蒸気供給ライン
4 第一副蒸気供給ライン
5 蒸気エゼクタ
6 真空式冷水製造機(被減圧部)
7 間接式凝縮部
8 凝縮水貯留部
9 凝縮装置
10 水封式真空ポンプ(減圧手段)
11 排出ポンプ(凝縮水排出手段)
13 冷却塔
17 インタークーラー
18 ジャケット

Claims (5)

  1. エンジンの排ガスを利用して蒸気を発生させる蒸気発生部の主蒸気供給ラインとは別個の副蒸気供給ラインに被減圧部と接続した蒸気エゼクタを用いたエネルギーの有効利用システムにおいて、前記蒸気エゼクタを通過した蒸気を凝縮させる間接式凝縮部と凝縮水貯留部とを有する凝縮装置と、この凝縮装置内を減圧する減圧手段と、前記凝縮装置内から凝縮水を排出する凝縮水排出手段と、前記エンジンのインタークーラー冷却水および/または前記エンジンのジャケット冷却水を冷却する冷却塔とを備えていることを特徴とするエネルギーの有効利用システム。
  2. 前記エンジンのジャケット冷却水と熱交換を行うための熱交換機を一つ以上備えたことを特徴とする請求項1に記載のエネルギーの有効利用システム。
  3. 前記蒸気発生部および/または前記冷却塔は、前記凝縮水排出手段から排出される凝縮水を補給水として使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギーの有効利用システム。
  4. 前記間接式凝縮部内を通る冷却水ラインは、一つ以上の間接式熱交換機を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエネルギーの有効利用システム。
  5. 前記副蒸気供給ラインが複数設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエネルギーの有効利用システム。

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