JP2007023169A - 有機顔料粒子の製造方法 - Google Patents

有機顔料粒子の製造方法 Download PDF

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泰之 泉
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Abstract

【課題】液相法により顔料粒子を生成させる際の粒子の二次凝集を抑制しうる有機顔料粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】良溶媒に有機顔料を溶解した溶液と、該溶媒と相溶する前記有機顔料の貧溶媒とを混合し、この混合液中で有機顔料ナノ粒子を生成させるに当り、前記混合液中に(1)含窒素高分子化合物と、(2)下記AおよびB群からなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有させ有機顔料ナノ粒子を生成させる有機顔料粒子の製造方法。
A群:所定の化合物
B群:酸性基を有する高分子化合物
【選択図】なし

Description

本発明は有機顔料粒子の製造方法に関し、特に再沈法による顔料粒子製造時の粒子の二次凝集を抑制する有機顔料粒子の製造方法に関する。
近年、粒子を小サイズ化する取り組みが進められている。特に、粉砕法、析出法などでは製造することが困難なナノメートルサイズ(例えば、10〜100nmの範囲)にまで小サイズ化する研究が進められている。さらに、ナノメートルサイズに小サイズ化した上で、しかも単分散性(本発明において、単分散性とは粒径が揃っている度合いをいう。)の高い粒子とすることが試みられている。
このようなナノメートルサイズの微粒子の大きさは、より大きなバルク粒子や、より小さな分子や原子と異なり、その中間に位置する。したがって、従来予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。しかも、この単分散性を高くできれば、その特性を安定化することも可能である。このようなナノ粒子のもつ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機ナノ粒子は、有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのそのポテンシャルは高い。
有機ナノ粒子のなかでも有機顔料についてみると、例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルター等を用途として挙げることができ、今や、生活上欠くことができない重要な化合物となっている。なかでも高性能が要求され、実用上特に重要なものとしては、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルター用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材については、従来、染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきている。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズで単分散性を高くすることは難しく、紙への密着性に劣るという問題がある。
また、デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルターの薄層化が望まれている。カラーフィルターには有機顔料が用いられているが、フィルターの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な微粒子の製造が望まれている。また、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルター用顔料は、粒径が小さくなるほど光学特性は良くなるものの、耐光性は低下すると考えられるため、単分散性を保ちつつナノメートルサイズでの粒径を制御する技術が望まれている。
有機ナノ粒子の製造に関しては、気相法(不活性ガス雰囲気下で試料を昇華させ、粒子を基板上に回収する方法)、液相法(例えば、良溶媒に溶解した試料を攪拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、ナノ粒子を得る再沈法)、レーザーアブレーション法(溶液中に分散させた試料に、レーザーを照射しアブレーションさせることにより粒子を微細化する方法)などが研究されている。また、これらの方法により、所望のサイズで単分散化を試みた製造例が報告されている。(特許文献1〜3など参照)。
中でも再沈法は、簡易性および生産性に優れた有機ナノ粒子の製造法として注目されているが、貧溶媒中で粒子が形成された際に粒子同士が接触し、凝集してしまう。これに対し、分散剤を用いた例もあるが、所望の一次粒子径の粒子を得られているものの、凝集を抑制できず、その性能を十分に発揮させることができないという問題点があった(特許文献4など参照)。
特表2002−92700号公報 特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 特開2003−26972号公報
本発明は、液相法により顔料粒子を生成させる際の粒子の二次凝集を抑制しうる有機顔料粒子の製造方法の提供を目的とする。
上記課題は下記の手段により達成された。
<1>良溶媒に有機顔料を溶解した溶液と、該溶媒と相溶する前記有機顔料の貧溶媒とを混合し、この混合液中で有機顔料ナノ粒子を生成させるに当り、前記混合液中に(1)含窒素高分子化合物と、(2)下記AおよびB群からなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有させ有機顔料ナノ粒子を生成させることを特徴とする、有機顔料粒子の製造方法。
[A群:a.下記一般式(I)で表される化合物、またはb.下記一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類(b−1)とアミノ基を有する有機色素(b−2)と塩化シアヌル(b−3)とを反応させて得られる化合物]
Figure 2007023169
(一般式(I)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは単結合又は−X1−X2−で表される基を表し、X1は炭素原子数6〜20のアリーレン基を表し、X2は−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。X1で表されるアリーレン基はさらに置換基を有していてもよい。Yは−Y1−(Y2−Y3−NRで表される基を表し、Y1は2価または3価の芳香族基(炭素原子数6〜20)を表し、Y2はX2と同じ意味の基を表し、Y3は−{C(R11)(R12)}−を表し、R11およびR12はそれぞれ水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜10の整数を表す。Yで表される芳香族基はさらに置換基を有していてもよい。−NRは低級アルキルアミノ基または窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表し、aは1または2を表す。)
Figure 2007023169
(一般式(II)中、Bはアミノ基または水酸基を表し、xは1〜6の整数を表し、RおよびRはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、またはRとRとが連結した含窒素へテロ環を表す。)
[B群:酸性基を有する高分子化合物]
<2>(1)含窒素高分子化合物と、(2)AおよびB群からなる前記化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、有機顔料の良溶媒に含有させることを特徴とする、<1>に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<3>前記貧溶媒が体積比で水を50%以上含むことを特徴とする、<1>または<2>に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<4>前記良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはそれらの混合物を体積比で50%以上含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<5>前記混合液中に前記B群より選ばれる化合物を含み、かつB群より選ばれる該化合物の酸性基がカルボキシル基であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<6>前記混合液中に前記B群より選ばれる化合物を含み、かつB群より選ばれる該化合物が、(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(2)カルボン酸エステルを有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物であることを特徴とする、<1>〜<5>に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<7>前記混合液中に前記A群より選ばれる化合物を含み、かつA群より選ばれる該化合物が、前記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
<8>前記含窒素高分子化合物と、前記A群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、前記B群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、前記混合液中に含有させることを特徴とする、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
本発明の有機顔料粒子の製造方法によれば、再沈法による顔料粒子製造時の粒子の二次凝集を抑制することができる。
本発明の有機顔料粒子の製造方法は、良溶媒に溶解した有機顔料を、好ましくは攪拌条件や温度を制御して、貧溶媒に注入することにより、有機顔料粒子を得る再沈法に関するものであり、この原理を産業で利用するための応用技術、それを用いた製品および製造方法に関する。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる有機顔料は、色相的に限定されるものではない。詳しくは、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン系顔料、またはそれらの混合物などである。
更に詳しくは、たとえば、 C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号7114
0)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)
、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、
C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
本発明の有機顔料粒子の製造方法において、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。
[有機顔料粒子形成時の良溶媒]
次に、有機顔料粒子作製時の好ましい良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機顔料を溶解することが可能で、有機顔料粒子作製時に用いる貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機顔料の良溶媒への溶解性は有機材料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度は酸性またはアルカリ性で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解度が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
良溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が好ましく、水系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒がより好ましく、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が特に好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
また、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機顔料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が望ましい。
有機顔料溶液の調製条件は、有機顔料溶液の調製条件に特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
本発明の有機顔料の製造方法において、有機顔料は良溶媒中に均一に溶解され、酸性でもしくはアルカリ性で溶解することも好ましい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられる。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合系顔料はアルカリ性で、フタロシアニン系顔料は酸性で溶解される。
アルカリ性で溶解させる場合に用いられる塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、もしくは水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基であるが、好ましくは無機塩基である。
使用される塩基の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、無機塩基の場合、好ましくは有機顔料に対して1.0〜30モル当量であり、より好ましくは1.0〜25モル当量であり、さらに好ましくは1.0〜20モル当量である。有機塩基の場合、好ましくは有機顔料に対して1.0〜100モル当量であり、より好ましくは5.0〜100モル当量であり、さらに好ましくは20〜100モル当量である。
酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、もしくは燐酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸であるが好ましくは無機酸である。特に好ましくは硫酸である。使用される酸の量は、有機顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは有機顔料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
[有機顔料粒子形成時の貧溶媒]
次に、有機顔料粒子作成時の好ましい貧溶媒について説明する。
貧溶媒は用いる有機顔料を溶解せず、有機顔料粒子作製時に用いる良溶媒と相溶する、あるいは均一に混ざるものであれば特に制約はない。有機材料の貧溶媒としては、有機材料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
[有機顔料粒子形成時の添加剤]
本発明の有機顔料粒子の製造方法では、有機顔料溶液(またはその良溶媒)および貧溶媒の両方もしくは一方に、含窒素高分子化合物と、A群およびB群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを添加する。ただし、本発明の効果を妨げなければ、含窒素高分子化合物、A群の化合物、および/またはB群の化合物を、有機顔料溶液や貧溶媒とは別系統で有機顔料粒子形成時に添加してもよい。
(含窒素高分子化合物)
本発明の有機顔料の製造方法に用いられる含窒素高分子化合物は、好ましくは、アミン、アミド、イミン、イミド、カルボジイミド、ヒドラジド、ウレタン等の基をその繰り返し構造体の中に有する分子量500以上の重合体(重縮合体、重付加体)であり、分子量1000〜400000のものであることがより好ましく、5000〜80000であることが特に好ましい。本発明において高分子の分子量とは、特に断らない限り、重量平均分子量をいう。高分子の分子量の測定方法としては、クロマトグラフィー法、粘度法、光散乱法、沈降速度法等が挙げられる。本発明では、特に断らない限りクロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量を用いる。
含窒素高分子化合物としては、例えば、ポリβ−アラニン、ナイロン12、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、及びこれらの三元共重合体(6・6/6・10/6)等のポリアミド、ビニル基を有する化合物の重合で製造されるポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、アクリルアミドあるいはメタクリルアミドの単独重合体、共重合体あるいは架橋体、例えばポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ−4−ビニルピリジン等のビニル重合体および他のビニル化合物との共重合体、架橋体、4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と炭素原子数2〜4の低分子量ジオール及びポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレンアジペートジオール等の高分子量ジオールから合成される種々のポリウレタン、ホルムアルデヒドとアミン化合物の重縮合で合成される尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミン重縮合物が挙げられる。
含窒素高分子の添加量は、顔料100質量部に対して1〜1000質量部が好ましく、3〜700質量部がより好ましく、5〜500質量部が特に好ましい。
(A群の化合物)
次に、A群の化合物について説明する。
A群の化合物として、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007023169
一般式(I)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは単結合又は−X1−X2−で表される基を表し、X1は炭素原子数6〜20のアリーレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基)を表し、X2は−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。X1で表されるアリーレン基はさらに置換基を有していてもよい。
Yは−Y1−(Y2−Y3−NRで表される基を表し、Y1は2価または3価の芳香族基(炭素原子数6〜20)を表し、Y2はX2と同じ意味の基を表し、Y3は−{C(R11)(R12)}−を表し、R11およびR12は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜10の整数を表す。Yで表される芳香族基はさらに置換基を有していてもよい。
Xは、好ましくは下記構造式(X−1〜X−5)で表される二価の連結基から選択される基を表す。
Figure 2007023169
前記Aは、ジアゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる成分であれば、任意に選択することができる。以下に、前記Aの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2007023169
Yは、好ましくは下記一般式(Ia)で表される基を表す。
Figure 2007023169
一般式(Ia)中、Zは、低級アルキレン基を表す。Zは、−(CH−と表されるが、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を表す。−NRは、低級アルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。該−NRは、低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(C2n+1と表され、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表す。一方、該−NRは、窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す場合、下記構造式で表されるヘテロ環が好ましい。
Figure 2007023169
前記一般式(Ia)における、Z及び−NRは、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換基として有していてもよい。aは1又は2を表し、好ましくは2を表す。
A群の化合物として、特開2000−239554号公報に記載されたものも好ましく用いることができる。以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2007023169
Figure 2007023169
Figure 2007023169
Figure 2007023169
さらに、A群の化合物として、アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルと下記一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類と反応させて得られる化合物が挙げられる。
Figure 2007023169
一般式(II)中、Bはアミノ基または水酸基を表し、xは1〜6の整数を表し、RおよびRはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜5)、またはRおよびRが連結して含窒素へテロ環(好ましくは炭素原子数2〜6)を表す。
アミノ基を有する有機色素と、塩化シアヌルと、一般式(I)で表されるアミン類および/またはアルコール類と反応させて得られる化合物として、例えば一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)で表されるものなどが挙げられる。
Figure 2007023169
Figure 2007023169
Figure 2007023169
式中Qは有機色素の残基を表し、xは1〜6の整数を表し、yは1〜4の整数を表し、RおよびRは一般式(II)と同様である。
アミノ基を有する有機色素としては、一般に市販されている染料または顔料を使用することができる。例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色、フラバンスロン系色素、ピランスロン系色素、ぺリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素などの顔料または染料である。
また例えば、p−アミノアセトアニリドを通常の方法に従ってジアゾ化し、アゾ系染顔料の原料である各種カプラーにカップリングし、ついで通常の方法に従って加水分解することでアミノ基を有する有機色素を製造することができる。また、染顔料に通常の方法に従ってフタルイミドメチル基を導入し、ついで加水分解してアミノメチル基として原料として使用することもできる。その他種々の方法によってアミノ基を有する有機色素を製造し、原料として使用することができる。
アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルとの反応は、水、またはアセトン、ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の一般の有機溶剤を使用することができる。アミノ基を有する有機色素がスルホン基を有する場合、ナトリウム塩として水に溶解して、塩化シアヌルと反応させることができる。また触媒としてピリジン、トリエチルアミン等の通常の脱塩化水素触媒を使用した方が好ましい場合もある。
アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルとの反応では、シアヌル環の活性塩素は、一部残して、前記一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類と反応させる。なお、シアヌル環の塩素がすべて有機色素のアミノ基と反応した化合物が一部副生して混入しても、本発明の効果を妨げなければよい。
アミノ基を有機色素と塩化シアヌルとの反応物を一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類と反応させる場合も、水、またはアセトン、ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアルデヒド等の一般の有機溶剤を使用することができる。また炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等の脱塩酸剤を使用した方が好ましい場合もある。アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルとの反応物を一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類と反応させる場合、アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルとの反応物を取り出すことなく同一反応系で、一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類を加えて製造するのが工業的には、最も有利である。なお、アミン類またはアルコール類をそれぞれ単独に反応させる必要はなく、アミン類とアルコール類を混合して同時に反応させてもよい。また、本発明の効果を妨げなければ、塩化シアヌル環の活性塩素が一部未反応で残つても、一部加水分解を受けて水酸基となった化合物が副生してもよい。
先に塩化シアヌルと一般式(II)で表させるアミン類および/またはアルコール類とを反応させて、ついで一部残った活性塩素と有機色素のアミノ基と反応させることによって製造してもよい。また、染顔料の原料に先に塩化シアヌル環を導入し、最終的に得られる化合物を顔料分散剤として使用することもできる。例えば塩化シアヌルとp−アミノアセトアニリドと一般式(II)で表されるアミン類とを反応させて、ついで通常の方法に従って加水分解して、べ一ス類を製造し、ジアゾ化して、通常のアゾ系染顔料のカツプラーとカツブリングすることにより顔料分散剤を得ることができる。
一般式(II)で表されるアミン類としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジエチルアミンヘキシルアミン、N−アミノメチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペピリジン、N−アミノエチルピロリジン、N−アミノプロピルピロリジン、N−アミノエチルピペリコン、N−アミノプロピルピペリコン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノブロピルモルホリン、N,N−メチル−ラウリルアミノプロピルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミンなどである。
一般式(II)で表されるアルコール類としては、例えばN,N−ジメチルアミノメタール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノプロパノール、N,N−ジエチルアミノブタノール、N,N−ジオレイルブタノール、N−ヒドロキシメチルピペリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、N−ヒドロキシプロピルビペリジン、N−ヒドロキシエチルピペコリン、N−ヒドロキシプロピルピペコリン、N−ヒドロキシメチルピロリジン、N−ヒドロキシブチルピロリジン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ヒドロキシブチルモルホリンなどである。
アミノ基を有する有機色素と塩化シアヌルと下記一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類とを反応させて得られる化合物は、一般に市販されている顔料に優れた分散効果を発揮しうる。例えば可溶性および不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、建染染料系顔料、塩基性染料系顔料等の有機顔料およびカーボンブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレツド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等の無機顔料に用いることができる。また、特公平5−9469号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
A群の化合物の添加量は、顔料100質量部に対して1〜100質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜70質量部の範囲であり、特に好ましくは3〜50質量部の範囲である。
(B群の化合物)
B群の酸性基を有する高分子化合物としては、ポリビニル硫酸カリウム、縮合ナフタレンスルホン酸およびこれらの塩等が挙げられるが、カルボキシル基を有する高分子化合物であることがより好ましく、(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物が特に好ましい。
カルボキシル基を有する高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、側鎖にカルキシル基を有するセルロース誘導体およびこれらの塩等が挙げられる。好ましくは(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(2)カルボン酸エステルを有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物であり、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体や、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、他のモノマーの多元共重合体を挙げることができる。アクリル酸エステルとしては、例えば、ベンジルアクリレート、フェネチルアクリレート、3−フェニルプロピルアクリレートが挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、例えば、ベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、または3−フェニルプロピルメタクリレートが挙げられる。
B群の高分子化合物中の酸性基の数に特に制限はないが、1分子中に含まれる繰り返し単位の数を100とした時、酸性基を有する繰り返し単位が5〜100であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。また、(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位と、前記(2)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位との重合比率としていえば、繰り返し単位(1)のモル%が5〜40であることが好ましく、繰り返し単位(2)が40〜90であることが好ましく、繰り返し単位(1)または(2)以外の繰り返し単位が25以下であることが好ましい。またB群の高分子化合物の分子量は3000〜1000000が好ましく、4000〜200000がより好ましく、5000〜80000が特に好ましい。
B群の化合物の添加量は、顔料100質量部に対して1〜500質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜350質量部の範囲であり、さらに好ましくは3〜250質量部の範囲である。
添加剤の総添加量、つまり含窒素高分子化合物、A群、およびB群の化合物の総添加量は、特に制限はないが、顔料100質量部に対して2〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは6〜500質量部の範囲である。
[有機顔料粒子形成時の条件]
有機顔料粒子作製時の貧溶媒の条件に特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒との混合方法に特に制約はないが、一方を撹拌しておき、そこに他方を添加することが好ましく、有機顔料溶液を撹拌された貧溶媒に添加することが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。液中添加の際の添加口は1つでもよいし、複数用いてもよい。添加口径は20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
一方を撹拌する際の撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機顔料粒子調製後の分散液の濃度は有機顔料粒子を分散させることができれば特に制約されないが、分散溶媒1000mlに対して顔料粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
[有機顔料粒子の粒径、単分散性]
有機顔料粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、重量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。本発明の有機顔料粒子の製造方法に用いられる有機顔料粒子分散液に含まれる有機顔料粒子(一次粒子)の粒径は、1μm以下であり(例えば、その大きさの結晶または会合体であり)、1〜200nmであることが好ましく、2〜100nmであることがより好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明の有機顔料粒子の製造方法に用いられる有機顔料粒子分散液に含まれる粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であること
がより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
本発明の有機顔料粒子の製造方法においては、得られた顔料粒子が凝集していないことが好ましい。粒子の凝集の度合いを、「凝集度」として、凝集粒径(凝集粒子全体の粒径)を一次粒子の粒径(以下、「一次粒径」ともいう)で除した値で表すと、粒子形成後の粒子の凝集度が小さい方が好ましく、具体的には凝集度が1.0〜2.3であることが好ましく、1.0〜2.1であることがより好ましい。
[有機顔料粒子形成法(製造装置)]
本発明の有機顔料粒子の製造方法およびそれに用いられる製造装置の好ましい実施態様を説明するが、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。
(有機顔料粒子製造装置例1)
図1−1は本発明の一実施態様として用いられる製造装置の概略図である。図1−1において有機顔料溶液は供給管14により容器11内に設けられた混合室13内へ連続的に供給される。ここに容器11内には貧溶媒11aが容れられており、該混合室13は貧溶媒の液面下に設けられ、その内部は該貧溶媒により満たされている。また反応容器11内のバルク貧溶媒は該混合室13内での攪拌の作用により、該混合室3内を下方から上方へ(図中矢印の方向へ)横切るようにつねに対流せしめられている。
図1−2は、本発明の一実施態様として、図1−1の製造装置の混合室13を拡大して概略的に示した拡大部分断面図である。有機顔料溶液は供給管14より混合室13内へ供給される。該混合室13は断面積一定の直四角筒よりなるケーシング17により形成され、ケーシング17の上端は開放端とされ、下端には円形孔18が設けられて該混合器13内の貧溶媒がバルク貧溶媒と互いに連結するようになっている。ここに有機顔料溶液供給管14はケーシング17の下端を構成する壁内に設けられ、前記円形孔に向けて開口している。また前記混合器13内には撹拌羽根12が設けられており、撹拌羽根はシャフト15に取り付けられ、モーター(図示せず)により回転せしめられる。この攪拌羽根12の回転により、貧溶媒は円形孔18を通り混合器13内を下方から上方へ向かってつねに循環運動せしめられている。
上記の混合室13に設けられた撹拌羽根12は、混合室内に所望の混合強さをつくり出すものでなければならない。この混合強さは、有機顔料溶液が混入した際の液滴(ドロップレット)の大きさに対する重要な操作因子であることが推定される。
また、撹拌羽根12は、混合空間内で生成した有機顔料粒子が混合室13にとどまることにより、他の有機顔料粒子と結合して更に大きな粒子となったり、混合室13に供給される有機顔料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機顔料粒子を迅速に引き出し、迅速に混合室13外へ排出する能力を有するものが選ばれることが好ましい。
撹拌羽根12としては上記目的が達成されれば、いかなる形式のものでもよく、例えばタービン型、ファンタービン型等が用いられうる。
またケーシング17は、前述のごとく四角筒により構成されていることが好ましい。このようにすることで、撹拌羽根12によりつくられた流れをケーシング17の角が乱し、邪魔板のごとき付加物を要することなく、混合効果を一層高めることができる。
図1−3は、本発明の一実施態様として、図1−1の製造装置において混合室内の撹拌羽根を二つ(混合用撹拌羽根19a、排出用撹拌羽根19b)にした混合器の拡大部分断面図である。このように撹拌羽根を二つ設けることによって、混合強さをコントロールする能力と、生成した有機顔料粒子を混合器外へ排出する能力を独立に選択することができるようにし、混合の強さ、循環量を独立に所望の値に設定して操作することが可能となる。
(有機顔料粒子製造装置例2)
図2は、本発明の製造方法に用いられる、製造装置の別の実施態様を概略的に示す断面図である。図2において有機顔料溶液および貧溶媒はそれぞれ供給管24a、24bにより撹拌槽21a内に連続的に供給される。撹拌槽21a内で生成した有機顔料粒子が撹拌槽21a内にとどまることにより、他の有機顔料粒子と結合して更に大きな粒子となったり、供給管24a、24bより供給される有機顔料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機顔料粒子分散液は排出管23より迅速に引き出される。
図3は、本発明の製造方法に用いられる製造装置の、さらに別の実施態様を概略的に示す断面図である。図3の製造装置においては、撹拌装置50は、有機顔料溶液および貧溶媒をそれぞれ流入させる2つの液供給口32,33と撹拌処理を終えた混合液体を排出する液排出口36とを備えた円筒状の撹拌槽38と、該撹拌槽38内で回転駆動されることで該撹拌槽38内の液体の撹拌状態を制御する撹拌手段である一対の撹拌羽根41,42とを備えてなる。
撹拌槽38は、上下方向に中心軸を向けた円筒状の槽本体39と、該槽本体39の上下の開口端を塞ぐ槽壁となるシールプレート40とで構成されている。また、撹拌槽38および槽本体39は、透磁性に優れた非磁性材料で形成されている。2つの液供給口32,33は槽本体39の下端寄りの位置に装備されており、液排出口36は槽本体39の上端寄りの位置に装備されている。
そして、一対の撹拌羽根41,42は、撹拌槽38内の相対向する上下端に離間して配置されて、互いに逆向きに回転駆動される。各撹拌羽根41,42は、それぞれの撹拌羽根41,42が近接する槽壁(シールプレート40)の外側に配置された外部磁石46と磁気カップリングCを構成している。即ち、各、撹拌羽根41,42は、磁力でそれぞれの外部磁石46に連結されており、各外部磁石46を独立したモーター48,49で回転駆動することで、互いに逆向きに回転操作される。
槽38内に対向配置された一対の撹拌羽根41,42は、図3中に波線の矢印(X)及び実線の矢印(Y)で示すように、それぞれ向きの異なる撹拌流を槽38内に形成する。そして、それぞれの撹拌羽根41,42の形成する撹拌流は、流れ方向が異なるために互いに衝突して槽38内における撹拌を促進する高速の乱流を槽38内に生成して、槽38内の流れが定常化することを防止し、撹拌羽根41,42の回転を高速化した場合にも撹拌羽根41,42の回転軸回りに空洞が形成されることを阻止すると同時に、撹拌作用を十分に受けずに撹拌槽38の内周面に沿って槽38内を流れる定常流が形成されるという不都合の発生を阻止することができる。したがって、撹拌羽根41,42の回転の高速化により、容易に処理速度を向上させることができ、さらに、その際に、槽38内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の液体が排出されることを阻止して、処理品位の低下を防止することができる。
また、撹拌槽38内の各撹拌羽根41,42は、磁気カップリングCによって撹拌槽38の外部に配置されたモーター48,49に連結されているため、撹拌槽38の槽壁に回転軸を挿通させる必要がなくなり、撹拌槽38を回転軸の挿通部のない密閉容器構造にすることができるため、撹拌混合した液の槽外への漏出を防止すると同時に、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽38内の液に混入することによる処理品位の低下を防止することができる。
本発明の有機顔料粒子の製造方法によれば、図2または図3の構成を有する製造装置を用いて、バッチ方式だけでなく連続フロー方式でも有機顔料粒子の製造をすることができ、大量生産にも対応できる。
また本発明の有機顔料粒子の製造方法によれば、生成した有機顔料粒子分散液が迅速に排出されることにより、撹拌槽内に供給される有機材料溶液と貧溶媒液の比を常に一定にすることが可能になる。このため、製造開始時から製造終了時まで、分散液の有機材料の溶解度を一定にすることが可能になり、単分散な有機顔料粒子を安定に製造することができる。
さらに槽内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の有機顔料粒子分散液が排出されることを阻止し、また、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽内の液に混入することを防止することで、単分散な有機顔料粒子をさらに安定に製造することができる。
(有機顔料粒子製造装置例3)
本発明の製造方法およびそれに用いられる装置として、さらに別の実施態様である、剪断力を持つ羽根を用いて攪拌する製造方法について説明する。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、有機顔料溶液が貧溶媒に混入後に生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことである。
本発明で使用可能な撹拌部の形状は、高剪断力を施し得る形態であれば特に限定されないが、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、等が挙げられ、好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の、撹拌、乳化、分散機が好ましい。
ディゾルバー羽根は、高剪断力形成できる機能を持った特殊な撹拌羽根であり、図4−1にその1例を概略的に正面図により示し、その図面代用写真を図4−2に示す。
また図5に示すような回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部を有する装置も好ましく用いられ、その撹拌、乳化、分散機としては、例えば、マイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロン、特殊機化工業社製T.Kホモミクサー、IKA社製ULTRA-TURRAXが挙げられる。
本発明の効果が発現し得る撹拌速度は、貧溶媒の粘度、温度、界面活性剤の種類や添加量によって異なった値をとるが、100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。この範囲未満の回転数であれば本発明の効果は充分発揮されず、逆にこの範囲を超えると、貧溶媒中に気泡を巻き込み、好ましくない。
[有機顔料粒子分散液の濃縮]
本発明の有機顔料粒子の製造方法によって製造された有機顔料粒子を含む分散液を、濃縮することによって、カラーフィルター塗布液やインクジェット用インクに適した有機顔料粒子分散液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、分散液を濃縮する方法について説明する。濃縮方法に関しては、有機顔料粒子液を濃縮できれば特に制約されないが、例えば、有機顔料粒子分散液に、抽出溶媒を添加混合し、有機顔料粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルターなどによりろ過して濃縮顔料粒子液とする方法、遠心分離によって有機顔料粒子を沈降させて濃縮する方法、限外ろ過により脱塩濃縮を行う方法、真空凍結乾燥により溶媒を昇華させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法等が好ましい。またはこれらの組合せなどが非常に好ましく用いられる。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に制約されないが、有機顔料粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機顔料粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能である)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機顔料粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルターろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒としてはエステル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、芳香族系溶媒または脂肪族系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒の量は有機顔料粒子を抽出できれば特に制約されないが、濃縮して抽出することを考慮して有機顔料粒子分散液より少量であることが好ましい。これを体積比で示すと、有機顔料粒子分散液を100としたとき、添加される抽出溶媒は1〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90の範囲であり、20〜80の範囲が特に好ましい。多すぎると濃縮化に多大な時間を要し、少なすぎると抽出が不十分で分散溶媒中に顔料粒子が残存する。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は常用の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
有機顔料粒子分散液の分散溶媒と濃縮抽出液を分離するため、フィルターろ過することが好ましい。フィルターろ過の装置は、例えば、加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルターとしては、ナノフィルター、ウルトラフィルターなどが挙げられる。フィルターろ過により、残された分散溶媒の除去を行い、濃縮抽出液中の有機顔料粒子をさらに濃縮して濃縮顔料粒子液とすることが好ましい。
この濃縮方法によれば、有機顔料粒子分散液から効率よく有機顔料粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、濃縮後の顔料粒子液における濃度を好ましくは100〜1000倍程度、より好ましくは500〜1000倍程度まで濃縮することもできる。さらに、有機顔料粒子の抽出後に残された分散溶媒に有機顔料粒子がほとんど残留せず、高い抽出率とすることができる。
以下に遠心分離について説明する。遠心分離による有機顔料粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機顔料粒子分散液(または有機顔料粒子濃縮抽出液)中の有機顔料粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。減圧乾燥による有機顔料粒子の濃縮に用いられる装置は有機顔料粒子分散液(または有機顔料粒子濃縮抽出液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
本発明の有機顔料粒子の製造方法によれば、有機顔料粒子分散液から効率よく有機顔料粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、原料となる有機顔料粒子分散液中の顔料粒子の密度を1とすると、濃縮有機顔料粒子ペーストにおける密度を好ましくは100〜3000倍程度、より好ましくは500〜2000倍程度まで濃縮することができる。
[有機顔料粒子分散液の再分散]
本発明の有機顔料粒子の製造方法により得られた有機顔料粒子は、濃縮した有機顔料粒子をカラーフィルター、インクジェットのインク等の用途に合わせて適当な溶媒中に再び微細分散化して用いることができる。(本発明において、微細分散化とは、分散液中の粒子の凝集を解き分散度を高めることをいう)。
例えばカラーフィルター用途においてはビヒクルに添加して分散させることができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。上述の濃縮抽出した顔料粒子液において、速やかなフィルターろ過を可能とする状態では、有機顔料粒子は、通常、濃縮化により凝集を起こしている。また、遠心分離または乾燥により濃縮化した有機顔料粒子も濃縮化による凝集をおこしている。
このような凝集粒子(本発明において、凝集粒子とは、凝集体など粒子が二次的な力で集まっているものをいう。)を分散する方法として、例えば超音波による分散方法や物理的なエネルギーを加える方法を用いることができる。
超音波照射装置は10kHz以上の超音波を印加できる機能を有するものであることが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、顔料粒子の熱凝集が起こるため(「最新顔料分散技術」技術情報協会,1995,p166参照)、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御、などによって行うことができる。
物理的なエネルギーを加えて濃縮した有機顔料粒子を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の分散機が挙げられる。
再分散時に有機顔料粒子形成時に用いる分散剤としては、後述する顔料粒子形成時に用いる化合物を用いることも好ましい。
本発明の有機顔料粒子の製造方法により得られた顔料粒子は、再分散後の有機顔料粒子(一次粒子)を微細分散化した粒子とすることができ、粒径を好ましくは1〜200nmとすることができ、2〜100nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、再分散後の粒子のMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
またナノメートルサイズ(例えば、10〜100nm)という微小な粒径にもかかわらず、目的とした粒子サイズで有機顔料粒子を濃縮再分散することもでき、インクジェット用のインクとしたとき、光学濃度が高く、画像表面の均一性に優れ、彩度が高く鮮明なインクとすることができる。さらに、カラーフィルターに用いたときには、光学濃度が高く、フィルター表面の均一性に優れ、コントラストが高く、かつ画像のノイズを少なくすることができる。
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。
これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。
ここで、1℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒に、顔料溶液を、日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速50ml/minで全量注入することにより、有機顔料粒子分散液を調製した。
調製後の一次粒径は分散液をろ紙上に乾かし、走査型電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子をノギスで測定することにより求めた。また凝集粒径として、日機装社製ナノトラックUPA-EX150を用いて凝集粒子の数平均粒径を測定した。これらの測定値から、凝集度(ナノトラックによる測定で求めた凝集粒径を、電子顕微鏡写真より求めた一次粒径で除した値)を求めた。
(実施例2)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物5を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例3)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物22を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例4)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、下記化合物(e)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
Figure 2007023169
(実施例5)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリアクリルアミド(50%水溶液)1200mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例6)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリ−4−ビニルピリジン600mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例7)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリエチレンイミン600mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例8)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例9)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリアクリルアミド(50%水溶液)1200mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例10)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリ−4−ビニルピリジン600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。。
(実施例11)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリエチレンイミン600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例12)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/スチレン共重合体(モル比27:60:13、重量平均分子量:2万8千)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例13)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、ポリアクリル酸300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例14)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、ポリビニル硫酸カリウム300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例15)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例16)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例17)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、前記化合物(e)300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例18)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン30mg、例示化合物7を30mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)30mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例19)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン1800mg、例示化合物7を1800mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)1800mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例20)
1−メチル−2−ピロリドン100mlに、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液8ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例21)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、例示化合物7、300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、ポリビニルピロリドン3000mg、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(実施例22)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、ポリビニルピロリドン3000mg、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例1)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルピロリドン600mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例2)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリアクリルアミド(50%水溶液)1200mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例3)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、例示化合物7、300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例4)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、前記化合物(e)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例5)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例6)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/スチレン共重合体(モル比27:60:13、重量平均分子量:2万8千)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例7)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。
それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例8)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルアルコール600mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例9)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、ポリビニルアルコール600mg、前記化合物(e)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例10)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルアルコール600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例11)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルアルコール600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/スチレン共重合体(モル比27:60:13、重量平均分子量:2万8千)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例12)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリビニルアルコール600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例13)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド254)600mg、ポリエチレングリコール600mg、例示化合物7を300mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例14)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、ポリビニルピロリドン600mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例15)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、例示化合物7を300mg添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸8mlを含有した水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
(比較例16)
ジメチルスルホキシド100mlに、8mol/l水酸化カリウム水溶液1ml、顔料(ピグメントレッド122)600mg、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、重量平均分子量:3万)300mgを添加した顔料溶液を調製した。これとは別に貧溶媒として、水1000mlを用意した。それ以外は実施例1と同様にして、顔料粒子を作製し、凝集度を求めた。
以上の結果を表1に示す。
有機顔料粒子が凝集、沈降してしまい、ナノトラックの測定が不能な場合は「測定不能」とした。
Figure 2007023169
以上より、本発明の、含窒素高分子とA群またはB群より選ばれる化合物とを再沈法による粒子形成時に共存させる有機顔料粒子の製造方法によれば、粒子形成時の二次凝集を著しく抑制できた。比較例に示したとおり、これらの添加剤を単独で用いても、また、本発明以外の組合せで用いても十分な粒子の二次凝集抑制効果を得られなかった。また、含窒素高分子と、A群の化合物と、B群の化合物とを全て用いた場合には、特に粒子の二次凝集抑制効果が顕著であった。
用いた試薬の詳細は下記のとおりである(各試料名に併記された分子量は重量平均分子量を表す)。
試薬名 製造元
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ピグメントレッド254(イルガフォアレッドB−CF) チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ社製
ピグメントレッド122(Lionogen Magenta R) 東洋インキ社製
ジメチルスルホキシド 和光純薬社製
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
1mol/l 水酸化ナトリウム水溶液 和光純薬社製
1mol/l 塩酸 和光純薬社製
8mol/l 水酸化カリウム水溶液 和光純薬社製
ポリビニルピロリドン(K25、分子量35000) 和光純薬社製
ポリアクリルアミド50%水溶液(分子量10000) Aldrich社製
ポリ−4−ビニルピリジン(粉末無水) 和光純薬社製
ポリエチレンイミン(分子量10000) 和光純薬社製
ポリアクリル酸(分子量25000) 和光純薬社製
ポリビニル硫酸カリウム 和光純薬社製
ポリビニルアルコール(PVA−205) クラレ社製
ポリエチレングリコール(分子量500000) 和光純薬社製
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の製造方法に用いられる製造装置の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 図1−1の製造装置の一実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大部分断面図である。 図1−1の製造装置の別の実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大部分断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置の別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置のさらに別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法に用いられるディゾルバー撹拌羽根の1例を概略的に示す正面図である。 図4−1に示したディゾルバー撹拌羽根の図面代用写真である。 本発明の製造方法に用いられる回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の1例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
11 容器
11a 液槽(溶媒)
11b 液面
12 撹拌羽根
13 混合室
14 供給管
14a 供給管開口部
15 シャフト
16 モーター
17 ケーシング(混合室壁)
18 孔(円形孔)
19a,19b 撹拌羽根
21 容器(攪拌槽外壁)
21a 攪拌槽
22 撹拌羽根
23 排出管
24a、24b 供給管
25 シャフト
50 撹拌装置
32,33 供給口
36 排出口
40 シールプレート
41,42 撹拌羽根
46 外部磁石
48,49 モーター
61 円盤部
62 羽根
63 シャフト
74 回転し得るタービン部
75 固定化されたステータ部

Claims (8)

  1. 良溶媒に有機顔料を溶解した溶液と、該溶媒と相溶する前記有機顔料の貧溶媒とを混合し、この混合液中で有機顔料ナノ粒子を生成させるに当り、前記混合液中に(1)含窒素高分子化合物と、(2)下記AおよびB群からなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有させ有機顔料ナノ粒子を生成させることを特徴とする、有機顔料粒子の製造方法。
    [A群:a.下記一般式(I)で表される化合物、またはb.下記一般式(II)で表されるアミン類および/またはアルコール類(b−1)とアミノ基を有する有機色素(b−2)と塩化シアヌル(b−3)とを反応させて得られる化合物]
    Figure 2007023169
    (一般式(I)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは単結合又は−X1−X2−で表される基を表し、X1は炭素原子数6〜20のアリーレン基を表し、X2は−CO−、―NRc−(Rcは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。X1で表されるアリーレン基はさらに置換基を有していてもよい。Yは−Y1−(Y2−Y3−NRで表される基を表し、Y1は2価または3価の芳香族基(炭素原子数6〜20)を表し、Y2はX2と同じ意味の基を表し、Y3は−{C(R11)(R12)}−を表し、R11およびR12はそれぞれ水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜10の整数を表す。Yで表される芳香族基はさらに置換基を有していてもよい。−NRは低級アルキルアミノ基または窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表し、aは1または2を表す。)
    Figure 2007023169
    (一般式(II)中、Bはアミノ基または水酸基を表し、xは1〜6の整数を表し、RおよびRはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、またはRとRとが連結した含窒素へテロ環を表す。)
    [B群:酸性基を有する高分子化合物]
  2. (1)含窒素高分子化合物と、(2)AおよびB群からなる前記化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、有機顔料の良溶媒に含有させることを特徴とする、請求項1に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  3. 前記貧溶媒が体積比で水を50%以上含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  4. 前記良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはそれらの混合物を体積比で50%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  5. 前記混合液中に前記B群より選ばれる化合物を含み、かつB群より選ばれる該化合物の酸性基がカルボキシル基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  6. 前記混合液中に前記B群より選ばれる化合物を含み、かつB群より選ばれる該化合物が、(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(2)カルボン酸エステルを有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  7. 前記混合液中に前記A群より選ばれる化合物を含み、かつA群より選ばれる該化合物が、前記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
  8. 前記含窒素高分子化合物と、前記A群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、前記B群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、前記混合液中に含有させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機顔料粒子の製造方法。
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