JP2007023000A - アセチレン水添器の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水添器で製造するエチレンの収量を運転期間で最大にする運転を行う、水添器の制御方法を提供する。
【解決手段】 水添器運転の際の運転変量の実測値から、操作変数、制御変数及び参照変数を含み、水添器を模擬する時系列の反応モデル式を生成する。所定の条件下で、エチレンの収量を最大化する運転操作を求め、多変数制御と組み合わせることで、アセチレンリークなどの制約を維持し、エチレンゲインを最大化する。また、運転期間の温度プロファイルを前記モデルで先に決定し、温度プロファイルを最適化の制約変数とすることで最適解の収束性と安定性を高める。

【選択図】 図1

Description

本発明は、アセチレン水添器の制御方法に関し、更に詳しくは、エチレン中のアセチレンを水添除去しエチレンを生成するアセチレン水添器の制御方法に関する。
エチレン製造プラントでは、エチレン中のアセチレンを水添反応によって除去し、選択的にエチレンにするアセチレン水添器(以下、水添器と呼ぶ)が用いられている。水添器では、原料(フィード)としてアセチレン(C2H2)を含むハイドロカーボン(HC)と水素(H2)を供給し、触媒の存在下でアセチレンを水素添加によってエチレンとして除去することを目的として運転される。この水添器では、以下の反応式、
〔数1〕
+H→C (反応R1)
+H→C (反応R2)
nC+(n/2)H→(C)n(反応R3)
に従う反応が起きる。エチレンは、反応R1によって増加し、反応R2によって減少するため、エチレンゲイン(増加量)は、反応R1による増加分から、反応R2によって減少する減少分を減じた値として得られる。
上記のように、水添器では、反応R2によって、製品としてのエチレン量が減少し且つエチレンに混入する副生成物のエタン(C)が増加する。エタンが増加した分だけエチレンゲインが減少する。また、反応R3によって生成される副生成物(C)nは、グリーンオイルとも呼ばれ、触媒の表面に付着してその活性を低下させることが知られている。従って、反応R2及びR3の進行を抑えつつ、反応R1の進行を促進して、出来るだけ高いエチレンゲインでアセチレンを水添除去できるように、原料であるアセチレンと水素のモル比率、及びフィードハイドロカーボンの温度などの運転変量が設定される必要がある。なお、製品エチレン中に原料のアセチレンが混入すると、エチレンとしての製品価値が低下するので、規定値以上のアセチレンの混入防止は必須となり、フィードされるアセチレンが高い比率で消費されることが要求される。
図3は、従来のエチレン製造プラントで採用される2筒方式の水添器10を示している。水添器では、アセチレンの製品への混入(リーク)を防止し、また、反応熱によって水添器内部の温度が上昇し水添反応が暴走するのを抑えるため、このように水添反応を2段階に分けて進行させる2筒方式が用いられる。アセチレンを含むハイドロカーボン(HC)フィードは、第1及び第2の熱交換器11、12を経由し加熱されて第1筒の反応器13に導入される。アセチレンは、そこで触媒の存在下でフィード水素と反応し、一部は第2の熱交換器12でハイドロカーボンフィードを予熱した後に第2筒の反応器14に、残りは直接に第2筒の反応器14に導入される。第2筒の反応器14から、第1の熱交換器11を経由してアセチレンを規定量まで除去されたハイドロカーボンが水添器製品として取り出される。
熱交換器11、12は、水添反応で発生する反応熱によって、ハイドロカーボンフィードを予熱することができ、熱交換器のバイパス流量を操作することでハイドロカーボンのフィード温度を制御できる。フィード温度を操作することで水添反応の反応速度を操作でき、触媒劣化の影響を温度で補償できる。
一般に、水添器で使用する触媒には、パラジウム等の貴金属をアルミナ等の不活性物質に担持させた触媒が用いられる。触媒は、グリーンオイルの生成反応(R3)の進行に伴い、グリーンオイルに覆われて劣化するため、例えば200日程度の連続運転の後には再生され、再使用される。グリーンオイルの生成反応は、反応器13、14内部の温度が高温であると進行が促進され、このため触媒の劣化速度が大きくなる。なお、アセチレン水添器に関しては、例えば特許文献1にその記載がある。
特開2002−309272号
アセチレン水添器では、上記のように、フィード原料のモル比率やフィード温度を制御することによって、製品エチレンの品質を高める努力が成されている。しかし、図3に示した水添器10では、その時点における触媒の活性度によって反応速度が変化すること、特に触媒の再生によって活性度が大きく変化すること、触媒の再生には大きなコストが掛かること、反応速度が原料のフィード量、原料のモル比率及びフィード温度に対して非線形な特性を持つこと、反応熱に起因する温度上昇によって暴走のリスクがあること、第1筒及び第2筒の反応比率の選定に自由度があることなどから、高い品質の製品エチレンを高い収率で得るための最適な運転条件の選定が困難であった。
本発明は、従来のアセチレン水添器の制御における上記問題に鑑み、高い品質の製品エチレンを高い収率で得るためのプロセス条件を定めることが出来るアセチレン水添器の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の視点に係るアセチレン水添器の制御方法は、エチレン中のアセチレンを水添反応によって除去するアセチレン水添器の制御方法において、
触媒劣化を考慮した温度及び原料のモル比を含む運転変量群にて記述される反応モデルを生成し、該反応モデルを用い、予め定めた原料へのアセチレンリーク量を含む所定の制約条件の元で、予め定めた運転期間におけるエチレンゲインを最大化する目的関数を持つ最適化問題を解いて、前記温度及びモル比を含む運転変量を決定し、該決定した運転変量の1つ以上を用いて水添反応を多変数制御することを特徴とする。
また、本発明の第2の視点に係るアセチレン水添器の制御方法は、上記第1の視点に係るアセチレン水添器の制御方法であって、前記運転変量の決定では、
前記反応モデルを用いて前記運転期間におけるエチレンゲインを最大化する時系列の温度プロファイルを求め、
前記求めた温度プロファイルを新たな制約条件とし、前記反応モデルを用いた最適化問題を更に解いて、前記運転変量群の時系列プロファイルを決定することを特徴とする。
本発明の第1の視点に係るアセチレン水添器の制御方法によると、反応モデルを生成し最適運転のための運転変量(パラメータ)を決定し、それに従って実際に運転をする際に、そのときの反応条件が反応モデルを定めたときの条件から微妙に変化することによって、特に参照変数のパラメータなどが変化することによって、最適化で求めた状態を維持できないときにも、多変数制御と組み合わせることで、所定の制約範囲内で所望の最適運転に近い運転が可能になる。図1に、第1の視点に係るアセチレン水添器の制御方法を実施するシステムの原理を示す。
また、本発明の第2の視点に係るアセチレン水添器の制御方法によると、最適運転の状態が温度プロファイルに沿う形で得られるため、最適解の収束性と安定性の向上が可能となる。特に、反応モデル式で定めた操作変数の時間プロファイルが維持できないときにも、一部の重要な操作変数の時間プロファイルに従って水添器を運転するため、所望の最適運転に近い運転が可能になる。図2に、第2の視点に係るアセチレン水添器の制御方法を実施するシステムの原理を示す。
本発明の第2の視点に係るアセチレン水添器の制御方法では、前記水添器が第1筒の反応器及び該第1筒の反応器に後続する第2筒の反応器を備える場合には、前記温度プロファイルを、前記第2筒の反応温度とすることも可能である。この場合、第1筒の反応温度も容易に第2筒の反応温度に追従させることができ、双方の反応器で効率的な運転が可能となる。また、この場合であって、且つ、水添器が3つの反応器を備える場合には、第1の期間では、第1の反応器及び第2の反応器をそれぞれ第1筒及び第2筒の反応器として運転し、第3の反応器を予備として触媒を再生し、次の第2の期間では、第2及び第3の反応器をそれぞれ第1筒及び第2筒の反応器として運転し、第1の反応器を予備として触媒を再生し、次の第3の期間では、第3及び第1の反応器をそれぞれ第1筒及び第2筒の反応器として運転し、第2の反応器を予備として触媒を再生し、第1〜第3の期間を順次繰り返して運転することが好ましい。3つの反応器及びそこに含まれる触媒の全てを同じ条件下で運転させることができる。
本発明では、アセチレン水添反応を時系列反応モデル式で表し、その反応モデル式から、所定の条件を満たしながら、高い比率でエチレンが含まれる製品エチレンを高い収率で製造するためのパラメータの時間プロファイルを計算によって得ることとした。この目的のため、まず、図3に示した水添器の反応モデルを、各反応R1、R2、及び、R3の反応速度を定める式(後述する式11〜13)、及び、触媒の活性劣化モデルから求めた。
〔数2〕
y1(t)=f1(x1,x2,x3,x4,z1,z2)
y2(t)=f(x1,x2,x3,x4,z1,z2)
y3(t)=f(x1,x2,x3,x4,z1,z2)
.....
y12=f12(x1,x2,x3,x4,z1,z2)
ここで、x1は第1筒入口温度、x2は第1筒入口モル比、x3は第2筒入口温度、x4は第2筒入口モル比であり、これらは直接の操作変数である。これら操作変数xj(j=1〜4)の制約として、上限及び下限が、Lxj≦xj(t)≦Uxjと定められている。
また、y1は第1筒エチレンゲイン、y2は第2筒エチレンゲイン、y3は第1筒アセチレン消費量、y4は第1筒水素消費量、y5は第1筒触媒負荷比率(ロード比率)、y6は第1筒出口アセチレン濃度、y7は第1筒出口水素濃度、y8は第2筒出口アセチレン濃度、y9は第2筒水素フィード、y10は第1筒入口温度積算値、y11は第1筒フィード積算量、y12は第2筒温度制御コントローラ弁開度であり、これらは操作変数に与える操作によって所定範囲に制御される制御変数である。なお、第1筒の触媒負荷比率とは、第1筒で生成されるエチレン量の第1筒及び第2筒の双方で生成される総エチレン量に対する比率を示す数値である。
各制御変数yk(k=1〜12)は、操作変数と同様に上限及び下限が、Lyx≦yk(t)≦Uykと定められている。積算量を表す制御変数は、その定義から、
〔数3〕
y10(1)=y10_INI
y10(t)=y10(t-1)+Kx1(t-1)
y11(1)=y11_INI (初期値)
y11(t)=y11(t-1)+Kz1(t-1)
が時系列制約として存在する。なお、y10_INI及びy11_INIはそれぞれ、初期値である。
z1は第1筒フィード量、z2は第1筒入口アセチレン濃度、z3は第1筒入口水素濃度、z4は第1筒フィードHCモル流量、z5は第1筒フィード水素モル流量、z6は第2筒入口モル流量、z7は第2筒水素分子量である。これらは、参照変数(外乱変数)であり、エチレン製造プラントの他の装置によって自動的に定まる変数、または、水添器10では制御できない変数である。
第1筒フィードHCの積算値y10、及び、第1筒フィードHCの温度の積算値y11から計算される。フィードHCの温度の積算値は、反応器内に外部から投入された全熱量を示す。触媒は、原料フィード量の積算値と、投入された熱量の積算値とによって、活性度の劣化が進行する。
図1に示した水添器10の実機では、プラント中に3台の反応器を設置し、その内の2台を運転し、他の1台は休止させた。休止中の反応器では、その休止期間中に触媒の再生を行う。運転の切替えは、触媒の連続運転可能期間(約200日)の1/2の期間で行った。切替えにあたっては、触媒の再生が完了した直後の反応器は触媒の活性が高いので、これを第2筒として運転する反応器に投入し、それまで第2筒の反応器として運転していたものを第1筒の反応器とし、また、それまで第1筒の反応器として運転していたものを休止させた。以降の切替えでは、これを順次に繰り返した。
上記水添器10を、実際に種々のプロセス条件で運転し、そのときの操作変数、制御変数、及び、参照変数を測定し、それら測定値に基づいて、上記関数f1〜f12を定めて、モデル式を完成した。完成したモデル式で予測された第1及び第2筒の反応器のエチレンゲイン、アセチレン消費量、及び、第2筒からのアセチレンリーク量と、実際に運転して得られたそれらの値とを比較した。比較結果を図4に示す。モデル式が、比較的精度よく実機をモデルしていることが示された。
次に、水添器運転のための目的関数を導入した。目的関数としては、触媒の1連続運転可能期間(約200日)中における第1筒のエチレンゲイン(y)及び第2筒のエチレンゲイン(y)の和であるΣ(y+y)を採用した。なお、この触媒の1連続運転可能期間を、反応器の1連続運転期間(約100日)に代えても同様の結果が得られる。所定の参照変数の元で、目的関数が最大となるように、且つ、製品へのアセチレンや水素のリーク量が規定値以下となるように、操作変数であるx〜xを設定して、運転の最適化を図ることとした。図5は、反応器の1連続運転期間における第1筒エチレンゲインと第2筒エチレンゲインとを例示するグラフである。目的関数の最大化は、グラフに示された第1筒エチレンゲインと第2筒エチレンゲインの和の面積を最大化することによって達成される。
目的関数を最大とする運転の最適化にあたっては、所定の参照変数の元で、アセチレンリーク量等の制約条件を満たし、且つ、反応器の1連続運転期間内のエチレンゲインの和の最大値を得る操作変数x〜xの値を得る必要がある。この最適化は、最適化計算用のプロセス計算機を利用して求められ、操作変数x〜xの値が定められた。従って、前記所定の参照変数の元では、これらx〜xの値を採用することによって、反応器の1連続運転期間中で、従って、触媒の1連続運転可能期間中で、最大のエチレン収量を与える最適運転が得られる。
ところで、参照変数z〜zなどは、エチレン製造プラントの前段装置の状態によって変化するため、最適化で得られたx〜xを全て固定すると、必ずしも最大のエチレンゲインが得られない。そこで、多変数制御を採用する。この多変数制御では、例えば水添器の運転コストを低減するために、そのときの参照変数の元で、第1筒入口温度x、第1筒モル比xを固定し、第2筒の入口モル比xを最低限とするように、第2筒の入口温度xをフィードバック制御する。この制御結果は、その後最適化計算機に取り入れられ、その参照変数の元での最適化を与える値x〜xが新たに記憶される。
また、多変数制御では、上記に代えて、第1筒と第2筒の負荷バランスを最適化することもできる。この場合には、第1筒の触媒負荷比率(ロード比率)である制御変数yを限界まで上げる制御が行われる。この場合、第2筒の入口温度xは上昇させ、また、それに伴って第1筒の入口温度xも上昇させる。つまり、第2筒の入口温度xと第2筒の出口温度の差で示される触媒温度差が所定温度以下に低下しないように、第1筒の入口温度xを上げることで、第1筒と第2筒との間で最適な触媒の負荷バランスが図られる。この多変数制御による制御結果の操作変数の値も、最適化計算機に取り入れられる。
更に、多変数制御では、
(1)第1筒のモル比を所望の値以下にする、
(2)第1筒の触媒負荷比率を所望の値に設定する、
(3)第1筒のフィードアセチレンの温度を、第2筒温度制御コントローラ弁開度によって定める、
(4)第2筒のモル比を所望の値以下にする、
(5)第2筒の入口温度を、モル比の下限値及び第2筒のアセチレンリークの上限値によって定める、
(6)第2筒の入口温度と出口温度の差を所望の値以上にする、
(7)第2筒のアセチレンリーク量の上限値を、運転日数の経過と共に変更する、
などの制御が可能である。
水添器内部の反応式R1〜R3のそれぞれの反応速度r〜rは、以下の式で与えられる。
〔数4〕
k1=k10exp(-E1/RT) (11)


k2=k20exp(-E2/RT) (12)
r33・k3・xH2・xC2H2 (13)
ここで、φ,φ、φは、各反応(1)〜(3)における触媒の活性度を示し、新しい触媒又は再生された触媒の活性度で規格化された現在の触媒の各反応における活性度である。各活性度φは、一般的に、それまでに生成されたグリーンオイルの量に依存し、下記式で示される。
〔数5〕
つまり、触媒の活性度は反応の進行と共に低下する。このため、その他のプロセス条件が同じであれば、各反応の反応速度は反応の進行と共に低下する。従って、エチレンの収率も低下する。
反応の進行による触媒の活性度の低下を補償するためには、触媒の活性度の低下と共に反応温度を上昇させ、反応を促進する必要がある。また、エチレンとエタンの選択比率を改善するために、フィードアセチレンに対する水素のモル比を減少させれば、その分だけ反応温度を上昇させる必要がある。これらの反応温度上昇には、多変数制御が用いられる。しかし、反応温度には、上限及び下限の制約があり、これら制約は必ず守る必要がある。そこで、各制約を守りながら、特定の参照変数の元で、触媒の1連続運転可能期間のエチレン収量を最大にするための、第2筒の入口温度のプロファイルを、最適化計算機で最適温度プロファイルとして求めた。これを図6に示す。
最適温度プロファイルは、触媒の活性が高い連続運転の初期では、許容反応温度の最下限にあり、これによってエチレンの選択比率を上昇させる。最適温度プロファイルは、水添反応の進行に伴い触媒の活性が低下するに従って或る勾配で上昇し、次いで、触媒の活性が最も低下する連続運転の末期では、暴走を抑えるなどの運転管理上の最上限になる。このような最適温度プロファイルによって、所定の参照変数の元で多変数制御で第2筒の入口温度を制御すると、温度プロファイルによって制御されない第1筒の入口温度もほぼ同様な温度プロファイルとなり、結果として双方の触媒がほぼ最適な状態で運転できることが判明した。
なお、上記実施形態では、2筒方式の水添器について説明したが、本発明は、2筒方式には限定されず、1筒以上の反応器を有する水添器に適用可能である。また、上記実施形態で示した各操作変数、制御変数、及び、参照変数の区分は、単に例示であり、プラントの実状に合わせて適宜変更可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のアセチレン水添器の制御方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、エチレンを製造するために使用されるアセチレン水添器の制御に利用できる。
本発明の第1の視点に係る水添器の制御方法を実施するシステムの原理を示すブロック図。 本発明の第2の視点に係る水添器の制御方法を実施するシステムの原理を示すブロック図。 本発明のアセチレン水添器の制御方法を利用する水添器の一例を示す系統図。 本発明の一実施形態のアセチレン水添器の制御方法で制御した実例を示す、パラメータのタイムチャート。 2筒式の水添器におけるエチレンゲインの様子を示すタイムチャート。 最適化運転を行うために設定した温度プロファイルの例。
符号の説明
10:水添器
11:熱交換器
12:熱交換器
13:第1筒反応器
14:第2筒反応器

Claims (3)

  1. エチレン中のアセチレンを水添反応によって除去するアセチレン水添器の制御方法において、
    触媒劣化を考慮した温度及び原料のモル比を含む運転変量群にて記述される反応モデルを生成し、該反応モデルを用い、予め定めた原料へのアセチレンリーク量を含む所定の制約条件の元で、予め定めた運転期間におけるエチレンゲインを最大化する目的関数を持つ最適化問題を解いて、前記温度及びモル比を含む運転変量を決定し、該決定した運転変量の1つ以上を用いて水添反応を多変数制御することを特徴とするアセチレン水添器の制御方法。
  2. 請求項1に記載のアセチレン水添器の制御方法であって、前記運転変量の決定では、
    前記反応モデルを用いて前記運転期間におけるエチレンゲインを最大化する時系列の温度プロファイルを求め、
    前記求めた温度プロファイルを新たな制約条件とし、前記反応モデルを用いた最適化問題を更に解いて、前記運転変量群の時系列プロファイルを決定することを特徴とするアセチレン水添器の制御方法。
  3. 前記水添器が、第1筒の反応器及び該第1筒の反応器に後続する第2筒の反応器を備えており、前記時系列の温度プロファイルを、前記第2筒の反応器の反応温度とする、請求項2に記載のエチレン水添器の制御方法。
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