JP2007022880A - アンバーガラス及びガラス容器 - Google Patents

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Keizo Sato
敬蔵 佐藤
Kazunori Kaneko
一憲 金子
Yoshiji Nomura
佳司 野村
Kuniaki Kiso
邦明 木曽
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Toyo Glass Co Ltd
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Toyo Glass Co Ltd
National Research Institute of Brewing
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Abstract

【課題】 内容物保護性能は従来のアンバーガラスとほぼ同等であり、しかも、内容物の残量を確認しやすいアンバーガラス及びアンバーガラスを用いたガラス容器を開発する。
【解決手段】 紫外線吸収成分を含み、4mm換算のCIE表示で明度(Y)が30〜80%であることを特徴とするアンバーガラスとする。アンバー色が従来の色よりも淡色となるが、紫外線吸収成分を配合することで、内容物保護性能を従来のアンバー色とほぼ同等にすることができる。紫外線吸収成分としては、酸化バナジウムを0.01〜10.00mass%添加することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は茶褐色に着色されたアンバーガラスであるが、通常のものよりも淡色のアンバーガラス、及びこの淡色のアンバーガラスを成形してなるガラス容器に関する。
アンバーガラスはフリントガラス(無色透明ガラス)に比べて光を透過しにくく、内容物の光による変質を防止する効果が認められて清酒、ビール、薬品などの容器の素材などとして広く用いられている。しかしながら、アンバーガラスと同等の内容物保護性能で、内容物の残量を確認しやすいガラス容器を求める要請がある。
下記特許文献1には、無色透明ガラスに酸化セリウム及び酸化バナジウムを添加した、紫外線吸収効果のある無色透明ガラスが開示されている。下記特許文献2には、アンバーガラスに希土類元素を添加して、特定の波長の光透過率を減少させ、内容物保護性能を強化する技術が開示されている。
特開2003−95696号公報 特開2005−29450号公報
上記特許文献1の技術は、無色透明ガラスに紫外線吸収効果を持たせたものであるが、その効果が不十分であり、例えば清酒のびんにこのガラスを使用すると、短期間で中身の清酒が変質しやすいものであった。上記特許文献2の技術は、内容物の保護性能には優れるが、アンバーガラスの濃さは従来とほぼ同じであり、内容物の残量を確認しやすくする効果は全くなかった。
本発明は、内容物保護性能は従来のアンバーガラスとほぼ同等であり、しかも、内容物の残量を確認しやすいアンバーガラス及びアンバーガラスを用いたガラス容器を開発するためになされたものである。
〔構成1〕
本発明は、紫外線吸収成分を含み、4mm換算のCIE表示で明度(Y)が30〜80%であることを特徴とするアンバーガラスである。
アンバーガラスは、ソーダ石灰ガラスにカーボン、酸化錫等の還元剤を添加して還元性を高くし(レドックスが負)、イオウと鉄を主体とする着色元素で茶褐色に着色されたガラスの総称である。明度(Y)を30〜80%とすることで、アンバー色が従来の色よりも淡色となるが、紫外線吸収成分を配合することで、内容物保護性能を従来のアンバー色とほぼ同等にすることができる。明度(Y)が30%未満だとアンバー色が濃くて内容物の残量確認が困難となり、80%を超えると内容物保護性能が悪くなる。アンバー色を淡色化するためには従来のアンバーガラスの配合から、鉄及びコークスを適宜量減少させればよい。
〔構成2〕
また本発明は、前記構成1のアンバーガラスにおいて、前記紫外線吸収成分がバナジウムであり、酸化バナジウムを0.01〜10.00mass%含むことを特徴とするアンバーガラスである。
紫外線吸収成分は、例えばバナジウムとすることができる。酸化バナジウムが0.01mass%未満だと、内容物保護性能が不十分となり、10.00mass%を超えても内容物保護性能がさらに良くなる効果がほとんど無く、不経済である。紫外線吸収成分としては、バナジウム以外でも、セリウムなどがある。
〔構成3〕
また本発明は、前記構成1又は2のアンバーガラスにおいて、4mm換算のCIE表示で主波長(λd)が560〜590nm、刺激純度(Pe)が30〜95%であることを特徴とするアンバーガラスである。本発明において、淡色化したアンバー色の色調は、CIE表示で上記の範囲とすることで、内容物の残量確認が容易で、かつ、内容物保護性能に優れたものとなる。
〔構成4〕
また本発明は、前記構成1、2又は3のアンバーガラスにおいて、ガラス中の全イオウがSO換算で0.010〜0.100mass%であり、ガラス中の全鉄量がFe換算で0.04〜0.4mass%であり、かつ、全鉄量中でFeOの存在する割合が50mass%以上であることを特徴とするアンバーガラスである。
イオウ及び鉄の量を上記のごとくとし、全鉄量中でFeOとして存在する割合を上記のごとくとして還元度を調整することで、淡色アンバーの4mm換算のCIE表示色調を、容易に、明度(Y)30〜80%、主波長(λd)560〜590nm、刺激純度(Pe)30〜95%とすることができる。
〔構成5〕
また本発明は、前記構成1〜4のいずれかのアンバーガラスを成形してなることを特徴とするガラス容器である。
本発明のアンバーガラスは、従来のアンバーガラスと比べて色が薄いので、これをガラス容器として用いた場合、内容物の残量を容易に確認することができ、また、紫外線付近の光透過率が従来のアンバーガラスとほぼ同等であり、内容物の変質を従来のアンバーガラスの容器とほぼ同等に防止することができる。
表1に示す組成で、実施例1、及び比較例1のアンバーガラスのガラスびん(容量300ml)を作成した。なお、比較例1は従来の標準的なアンバーガラスである。
なおあわせて実施例1、比較例1のデータ(4mm換算のCIE表示色調、全鉄量中のFeOの割合)も表示する。
図1は、実施例1、及び比較例1の光透過率の説明図、図2は図1の300〜460nmにおける光透過率の拡大図である。実施例1は比較例1(通常のアンバーガラス)に比べて、可視光領域(特に600nm以上の領域)において、光透過率が高くなっており、ガラス容器として用いた場合内容物の残量を確認しやすいことがわかる。一方、300〜460nmの可視領域から紫外部領域においては、実施例1は比較例1に比べて、光透過率がやや大きいもののほとんど同等の水準であり、ガラス容器として用いた場合の内容物保護性能もほぼ同程度である。
Figure 2007022880
上記の実施例1、比較例1に加えて比較例2及び比較例3のガラスびんを用意して、清酒の暴露試験を行った。比較例2は通常の無色透明ソーダ石灰ガラスびん、比較例3は紫外線吸収成分(セリウム)を配合した無色透明ソーダ石灰ガラスびんで、びんの形状は全て同じものである。暴露試験は、清酒(賀茂鶴金紋:商品名)を各びんに詰めて通常のキャッピングを行い、これらを平成17年5月11日(天気は晴れ時々曇り)午前7時〜午後5時まで戸外に放置して行った。これによるびん内の清酒の品質変化を表2に示す。
Figure 2007022880
表2において、着色度は清酒が紫外線で着色した度合いをいい、数値が高いほど悪い。DPPH消去能は抗酸化性の指標、すなわち活性酸素を消す能力をいい、数値が高いほど良い。TBA反応値は清酒の劣化の指標で、数値が高いほど悪い。ハルマン濃度は日光に当たると生じる苦み成分の濃度で、数値が高いほど悪い。暴露試験の後において、実施例1に入れた清酒の各指標は、通常のアンバーガラスである比較例1とほぼ同じ水準であり、内容物保護性能がほぼ同等であることが立証された。比較例2の無色透明びんの場合は指標の数値が著しく悪くなっている。比較例3の紫外線吸収効果を持たせた無色透明びんの場合も、実施例1及び比較例1に比べるときわめて悪くなっている。
本発明のアンバーガラスは、びん、食器などのガラス容器として利用できるほか、板ガラスなどとしても利用できる。特に、内容物を確認しやすいことに加えて内容物の変質を防止できることから、包装用のガラス容器、保存用のガラス容器としての利用価値が高い。
実施例1、及び比較例1の光透過率の説明図である。 図1の300〜460nmにおける光透過率の拡大図である。

Claims (5)

  1. 紫外線吸収成分を含み、4mm換算のCIE表示で明度(Y)が30〜80%であることを特徴とするアンバーガラス。
  2. 請求項1のアンバーガラスにおいて、前記紫外線吸収成分がバナジウムであり、酸化バナジウムを0.01〜10.00mass%含むことを特徴とするアンバーガラス。
  3. 請求項1又は2のアンバーガラスにおいて、4mm換算のCIE表示で主波長(λd)が560〜590nm、刺激純度(Pe)が30〜95%であることを特徴とするアンバーガラス。
  4. 請求項1、2又は3のアンバーガラスにおいて、ガラス中の全イオウがSO換算で0.010〜0.100mass%であり、ガラス中の全鉄量がFe換算で0.04〜0.4mass%であり、かつ、全鉄量中でFeOの存在する割合が50mass%以上であることを特徴とするアンバーガラスである。
  5. 請求項1〜4のいずれかのアンバーガラスを成形してなることを特徴とするガラス容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047297A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Kirin Brewery Co Ltd 軽量アンバーガラス壜に充填する麦芽発酵飲料の設計方法及びその麦芽発酵飲料製品
CN102898025A (zh) * 2012-09-11 2013-01-30 安徽德力日用玻璃股份有限公司 一种琥珀色玻璃器皿配方及其制备方法

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