JP2007021972A - バインダレスボード - Google Patents

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Abstract

【課題】 合板と同等の力学的強度を有し、かつ、高温に加熱する必要がなく、しかも、臭いや変色の問題も生じず、さらに、リサイクルが容易なバインダレスボードを提供する。
【解決手段】 本発明のバインダレスボードは、植物片1がヘミセルロースを含有する草本類の茎部であって、この茎部がチップ状あるいは繊維状に粉砕されることなく互いに平行に配置されるとともに、水分の存在下で加熱加圧成形して、植物片に含まれる接着成分で植物片同士を接着させた構成となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物片を原料として使用し、植物片に含まれる成分、あるいはその変性物質を接着成分として、接着剤を用いないで得られるバインダレスボードに関する。
合板、パーティクルボード、繊維板といった木質ボードは、建材、家具等に広く使われている。原料には木材が多く使われているが、特にパーティクルボードや繊維板の原材料としては、竹、ケナフ、亜麻などの草本類、あるいはイネワラ、ムギワラ、さとうきびの絞り粕であるバガス、油を採取した後の油ヤシ繊維などの農産廃棄物を加工して得られる、パーティクルや微細繊維が使用されている。
ところで、これらの木質ボードは、ユリア樹脂やフェノール樹脂などの合成樹脂接着剤を用いて成形されているので、合成樹脂接着剤の原料であるホルムアルデヒドなどの人体に有害な成分を含有している。したがって、このような木質ボードを住宅の内装材として用いる場合、ホルムアルデヒドなどの有害成分がボードから揮発し、居住者の健康に悪影響を与えるおそれがある。
また、このような木質ボードをリサイクルする場合、ボードを粉砕して、再度パーティクルなどに調製し、これを再度合成樹脂接着剤と混合すると共に成形してパーティクルに加工することが行われるが、木質ボードからリサイクルで得られるパーティクルには、硬化した合成樹脂が付着しており、これが接着阻害を引き起こすため、リサイクルが難しい。さらに、焼却する際にも合成樹脂接着剤の燃焼による有害ガスが発生するという問題もある。
また、植物材料が燃焼して二酸化炭素が発生する場合は、もともと二酸化炭素を吸収して成長した植物材料から発生するので、地球環境をトータルで見た場合、空気中の二酸化炭素の量は増減しないが、石油から製造する合成樹脂接着剤を燃焼させた場合には、空気中の二酸化炭素の量は増加することになる。これらの観点から、合成樹脂接着剤を使用せず、植物材料自身の成分を接着成分としてボードに成形する、いわゆるバインダレスボードの開発が強く望まれている。
従来、この種のバインダレスボードとしては、パーティクルや微細繊維のような植物片を加熱加圧成形し、植物片に含まれる接着成分によって植物片同士を接着するものが提供されている。例えば、特許文献1には、バガス、トウモロコシの茎、ひまわりの茎、亜麻の茎などの植物材料を原料として、180℃〜230℃程度の高い温度で加熱加圧成形をすることによってバインダレスボードを製造する方法が提案されている。また、他の特許文献2には、リグノセルロース材料としてアオイ科靭皮繊維植物を原料として用い、これを180℃〜250℃程度の高い温度で加熱加圧成形をすることによって、バインダレスボードを製造する方法が提案されている。
特開平60−30309号公報 WO96/19328号公報
上記のように、特許文献1,2に記載されているような従来技術では、パーティクルや微細繊維などを原料にして合成樹脂接着剤を使用せず、植物材料自身の成分を接着成分としてボードを製造することが提案されているものの、パーティクルや微細繊維のような細かい植物片を原料にしているため、多数の接着点を必要とし、植物片の接着力が弱い一点が生じた場合には、その箇所からボードの剥離強さの低下を引き起こし、その結果、接着剤を添加したボードに比べて強度が劣る場合がある。
さらに、従来のバインダレスボードは、植物片に200℃程度の高温を加えることによって、植物に含まれるヘミセルロースなどの成分を接着成分に変性させて植物片同士を接着しているが、植物片がこのような高温に曝されると、セルロースなどからなる植物細胞が劣化し、ボードの力学的強度、特に曲げ強さが低下したり、ボードからの臭いの発生や変色などが生じるという問題があった。さらにまた、200℃程度の高温加熱が必要になると、高価な加熱プレス装置を使用する必要があり、余分なコストアップを招来するという問題もあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、合板と同等の力学的強度を有し、かつ、高温に加熱する必要がなく、しかも、臭いや変色の問題も生じず、さらに、リサイクルが容易なバインダレスボードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、植物片を加熱加圧成形して、植物片に含まれる接着成分で植物片同士を接着させて得られるバインダレスボードにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、請求項1記載の発明に係るバインダレスボードは、前記植物片がヘミセルロースを含有する草本類の茎部であって、この茎部がチップ状あるいは繊維状に粉砕されることなく互いに平行に配置されるとともに、水分が供給された状態で加熱加圧成形して得られたものであることを特徴としている。
請求項2記載の発明に係るバインダレスボードは、前記草本類の茎部は、その長手方向が各層または複数層ごとに互いに直交するように配置されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明に係るバインダレスボードは、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記草本類の茎部は、径方向に押し潰して扁平化されたものであることを特徴としている。
請求項4記載の発明に係るバインダレスボードは、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記草本類の茎部は、その周方向に複数に分割して分割片として扁平化したものであることを特徴としている。
請求項1記載の発明に係るバインダレスボードは、植物片を加熱加圧成形して、植物片に含まれる接着成分で植物片同士を接着させることによって得られるバインダレスボードにおいて、植物片がヘミセルロースを含有する草本類の茎部であって、その茎部をチップ状または、繊維状に破砕することなく平行に並べて、水分が供給された状態で加熱加圧成形をして得られたものであり、茎部を構成する細胞の方向がボード中で配向できるため、ボードの強度はランダムに散布した時より格段に向上する。
また、茎部を粉砕処理しないので、ボードを構成するエレメントの長さが充分に長くなって縦継ぎの箇所が少なくなる。その結果、短いエレメントを用いた場合よりもボードとしての脆弱部が少なくなって、強度が向上する。
さらに、茎部を粉砕処理しないためにエレメントの総表面積が、細かいエレメントを用いた場合よりも小さくなり、少ない接着成分でエレメント同士の接着が行うことができるため、強度が向上する。
そして、水分が供給された状態で加熱加圧してボードに成形するため、従来よりも低い温度で植物片の組織内のヘミセルロース等を加水分解して接着成分に変性することが可能になる。その結果、従来よりも低い温度で得られた接着成分で植物片同士を接着させることができ、合成樹脂接着剤などの接着材を必要とすることなく優れた力学的強度を有し、かつ臭いや変色の問題も発生し難い、リサイクルが容易なバインダレスボードを製造することができる。
請求項2記載の発明に係るバインダレスボードは、草本類の茎部の長手方向が各層または複数層ごとに互いに直交するように配置されているので、異方性の小さいボードを作成することができる。
請求項3記載の発明に係るバインダレスボードは、草本類の茎部を、径方向に押しつぶして扁平化したものを平行に並べてから、水分の存在下で加熱加圧成形をしてボードに成形するので、プレス時の茎部の配置の崩れを防ぐことができる。このため、欠陥の少ない均一なボードを成形することができる。
請求項4記載の発明に係るバインダレスボードは、草本類の茎部である円柱状の植物片を周方向に沿って複数に分割して分割片として扁平化したものを平行に並べてから、水分の存在下で加熱加圧成形をしてボードに成形するので、プレス時の茎部の配置の崩れを防ぐことができる。このため、欠陥の少ない均一なボードを成形することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1において植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。この実施の形態1のバインダレスボードは、植物片1を加熱加圧成形して、植物片1に含まれる接着成分で植物片1同士を接着させて得られるもので、植物片1は、ヘミセルロースを含有する草本類の茎部を用いる。そして、この茎部がチップ状あるいは繊維状に粉砕されることなく互いに平行に配置されるとともに、水分が供給された状態で加熱加圧成形して得られたものである。以下、さらに詳しくこの点について説明する。
この植物片1の原料となる植物材料としては、草本類であれば特に制限されるものではなく、一年生又は二年生および多年生を問わない。穀物、植物油、植物糖、植物繊維などを採取した後の農産廃棄物なども利用することができる。
具体的には、ケナフ、ジュート、亜麻などの麻類植物や、イネ、バガス、ムギ、トウモロコシ、ひまわりなどの茎部を用いることができる。これらを用いることによって資源の有効利用を図ることができる。特に、ケナフ、ジュート、亜麻などの麻類植物の、茎部の表皮にあたる靭皮部を除いた芯部は、針葉樹や広葉樹などの木材と同じくセルロース、ヘミセルロース、リグニンが主要な構成成分であるが、木材に比べてヘミセルロース成分の含有率が高く、接着成分に富んでいるという特徴があり、本発明の材料として好適である。
そして、この植物片1を、従来のようにパーティクル状や微細繊維に粉砕処理することなく、図1のように長さが50mm以上ある茎部の状態のまま平行に並べて積み上げてフォーミングする。
茎部を構成する細胞の大半は紡錘型で、茎部の成長方向すなわち長さ方向に並んでいる。茎部を粉砕処理しないで平行に並べることで、その方向の強度はランダムに散布した時より格段に向上する。
また、茎部を粉砕処理しないことでボードを構成するエレメントの長さが充分に長い事で、縦継ぎの箇所が少なくなり、短いエレメントを用いた場合より、ボードとしての脆弱部が少なくなるため、強度は向上する。
さらに、茎部を粉砕処理しないのでエレメントの総表面積が細かいエレメントを用いた場合より小さくなり、このため少ない接着成分でエレメント同士の接着を行うことができるため、強度は向上する。
そして、上記のように植物片1を平行に並べて積み上げてフォーミングした後、これを水分を供給した状態で加熱加圧してボードに成形する。この成形の際に水分が水蒸気となり、その水蒸気で植物片1が接着処理される。
すなわち、植物片1はセルロース、ヘミセルロース、リグニンといった化学成分で構成されているが、植物片1に水蒸気を供給することによって、植物片1の組織内のヘミセルロース等が加水分解され、接着成分に変性される。そして、このように水蒸気で処理しながら加熱加圧成形をすることによって、植物片同士を接着させることができ、合成樹脂接着剤などの接着剤は不要となる。
この場合、水分の供給方法は特に限定されないが、加熱加圧成形中または加熱加圧成形前に植物片1に水蒸気を供給する方法や、植物材料の茎部に水分を含有させてから加熱加圧成形する方法などがある。加熱加圧成形の際に水蒸気処理を供給する方法としては、例えば蒸気噴射プレス法を適用することができる。この方法では、水蒸気が短時間で植物片の内部に行き渡り、水蒸気の圧力を8気圧〜10気圧にすればマット5内部の温度は160℃〜180℃程度の範囲になり、この条件下で植物片組織内のヘミセルロース等が接着成分に変性し、さらにこの接着成分が熱硬化することによって植物片同士が強固に接着し、バインダレスボードを成形することができる。
このように植物片を水蒸気で処理することによって160℃〜180℃の比較的低い温度条件下でヘミセルロース等が接着成分に変性するので、従来のように200℃程度の高温で加熱する必要がなくなる。このため、得られたバインダレスボードは高温で加熱されていないので、セルロースの劣化がなく、曲げ強さなど十分な力学的強度を有すると共に、臭いの発生や変色などが生じ難くなる。
加熱加圧成形の際に植物片1中の含水率が適当量であるときには、接着成分の結合が促進されて剥離強さの高いボードを得ることができる。その場合の植物片1の含水率は15%以上40%以下であることが好ましい。その理由は、15%未満では接着成分の結合促進効果が小さくなる一方、40%を超えると加熱加圧成形後に水分がボードに残留し、ボード内に空洞ができたり、ボードが破裂(いわゆるパンク現象)したりする。これを防ぐためにはプレス時間が長くすればよいが、そうすると成形の効率が低下するので好ましくない。
上記の説明では、植物片1を平行に並べて積み上げてフォーミングした後、これを水分の存在下で加熱加圧してボードに成形しているが、この方法に代えて、予め水蒸気処理した植物材料の茎部を用いて加熱加圧成形することによって、バインダレスボードを得ることも可能である。
例えば、8気圧〜10気圧程度の高熱高圧水蒸気雰囲気下で、植物片1の茎部を処理することによって、植物片1の温度は160℃〜180℃に上昇し、植物片1中のヘミセルロースが接着成分に変性する。そして、こうして得られた植物片1の茎部を平行に並べて積み上げてフォーミングした後、これを熱板の間に圧締して加熱加圧成形を行う。すると、接着成分で植物片1同士が接着してバインダレスボードを得ることができる。この成形に用いる成形装置としては、従来から一般的に使用されている電気式や蒸気式の熱圧プレスを適用することができる。
また、成形の際の温度については、植物材料の種類、ボードの厚さ、密度などの各種要因に応じて変動するが、いずれの場合でも120℃〜200℃の範囲であり、成形の効率の面から、160℃〜180℃の範囲が好ましい。また、プレス時間やプレス圧力については、プレス温度あるいはボードの厚み、密度などに応じて適宜設定される。
さらに他の方法として、例えば、植物片1の茎部を加熱加圧成形する前に、予め茎部に水を加えて成形することによって、バインダレスボードを得るようにしてもよい。この場合でも、加熱加圧成分の際に、植物片1中の水分が100℃以上で水蒸気となり、植物片中のヘミセルロースが水蒸気雰囲気下で加水分解されて接着成分に変性し、この接着成分がセルロースやリグニンなどの他の成分と結合することによって植物片同士が接着する。
なお、この実施の形態1のバインダレスボードは、植物片に含まれる接着成分を専ら利用して植物片を接着しているが、少量の合成樹脂接着剤等を補助的に併用して接着を行うことも可能である。
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2において植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。この実施の形態2におけるバインダレスボードは、草本類の茎部からなる植物片1の長手方向が各層または複数層ごとに互いに直交するように配置されている。すなわち、植物片1の茎部を平行に並べて例えば2層に積み上げた後、さらにその直交方向に植物片1の茎部を平行に並べて2層に積み上げるといったことを、繰り返すことでフォーミングした後、これを水分が供給された状態で加熱加圧成形したものである。
このような構成にすれば、直交方向にも強度が高くなり、異方性の小さいバインダレスボードを作成することができる。
その他の構成および製造方法については、実施の形態1の場合と基本的に同じであるから、ここでは詳しい説明は省略する。
なお、図2では、植物片1の茎部を2層ごとに直交配置しているが、特にこのような制約はなく、例えば、1層ごとに直交配置するようにしてもよく、さらに3層ごとに直交配置した構成とすることも可能である。
[実施の形態3]
図3は本発明の実施の形態3において植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。この実施の形態3のバインダレスボードは、草本類の茎部からなる植物片1を、予め径方向に押しつぶして扁平化し、その扁平化後の植物片1を平行に並べて、水分の存在下で加熱加圧成形をしてボードに成形したものである。
すなわち、草本類の茎部の断面は概して円形に近く、円柱状の茎部を平行に並べてそのまま積み上げてフォーミングすると、プレス時に崩れやすくて均一なボードを成形することが難しい。
これに対して、この実施の形態3では、図3に示すように草本類の茎部からなる植物片1を予め径方向に押しつぶして扁平化しておき、これらを平行に並べて積み上げてフォーミングする。このようにすれば、プレス時に崩れることを防ぐことができ、欠陥の少ない均一なボードを成形することができる。草本類の茎部は前述の通り、大半は紡錘型の細胞で構成されているが、その細胞は細胞壁と空孔からなっており、圧力をかけることで空孔が減少して変形し、扁平化することができる。
その他の構成および製造方法については、実施の形態1の場合と基本的に同じであるから、ここでは詳しい説明は省略する。
[実施の形態4]
図4は本発明の実施の形態4において植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。この実施の形態4のバインダレスボードは、草本類の茎部からなる植物片1を周方向に複数に分割して扁平化したものを平行に並べて、水分の存在下で加熱加圧成形をしてボードに成形するものである。
すなわち、図5に示すように、円柱状の植物片1を周方向に沿って複数に分割(この例では8分割)して扇形の分割片1aを形成し扁平化する。そして、必要に応じて一対の分割片1aの斜面同士が向き合うように重ね、これらを平行に並べて積み上げてフォーミングを行う。このようにすると、プレス時に崩れを防ぐことができるため、一層欠陥の少ない均一なボードを成形することができる。なお、上記の植物片1の周方向の分割数は8分割に限るものではなく、6分割などであってもよい。
その他の構成および製造方法については実施の形態1の場合と基本的に同じであるから、ここでは詳しい説明は省略する。
なお、図3および図4に示した実施の形態3,4の場合も、実施の形態2と同様に、植物片1を層方向において直交配置することで異方性の小さいバインダレスボードを作成することができる。
次に、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
ケナフ茎芯部の外皮部分となる靱皮繊維を取り除いた後のケナフ茎芯部(平均経1.6cm)を植物材料として用い、まず長さ30cmに切断し、この含水率が10質量%になるように調整した。
次に、このケナフ茎芯部330gを内寸が30cm角の木製型枠内に平行に並べて積み上げてフォーミングした。フォーミングした後、型枠から取り外し、蒸気噴出プレス装置の上下一対の熱板間にセットし、熱板を圧縮することによって、マット厚みが5mmになるまで圧縮した。このときの熱板による加熱温度は約180℃であり、プレス圧力は2.5×106Paであった。
この後、マットを熱板で圧締したまま、熱板の蒸気噴射孔から蒸気圧力が10気圧、蒸気温度が180℃の水蒸気をマットに7分間噴射した。この際、マット内部の水蒸気圧が一定に保たれるように、上下の熱板による圧締を維持した。このようにして、バインダレスボードを得た。このボードは端が崩れたため、正方形のボードは得られず、ボード密度が0.6g/cm3、寸法が300mm×200mm×12mmのバインダレスボードを得た。
(実施例2)
ケナフ茎芯部の外皮部分となる靭皮繊維を取り除いた後の、ケナフ茎芯部(平均経1.6cm)を植物材料として用いた。まず、ケナフ茎芯部を長さ30cmに切断したのち、電気式冷圧プレス装置の圧締板間にセットし、厚さ1cmの厚さ調整用鉄板とともに圧締し、ケナフ茎芯部を押しつぶして高さ1cmに扁平化した。このケナフ茎芯部の含水率が30%になるように調整した。
次に、このケナフ茎芯部390gを秤量し、内寸が30cm角の木製型枠内にケナフ茎芯部130gを平行に並べて積み上げてフォーミングした。その上に今まで並べた方向と垂直に130gをフォーミングし、さらにその上に最初に並べた方向と同じ方向に並べて積み上げてフォーミングした。その後、型枠から取り外し、電気式熱圧プレス装置の上下一対の熱板間にセットし、熱板を圧締することによって、マット厚みが5mmになるまで圧縮した。このときの熱板による加熱温度は約190℃であり、プレス圧力は3.5×1.06Paであった。この後、マットを熱板で圧締したまま、15分間プレスを行った。このようにして、ボード密度が0.7g/cm3、寸法が300mm×300mm×5mmのバインダレスボードを得た。
(実施例3)
ケナフ茎芯部の外皮部分となる靭皮繊維を取り除いた後の、ケナフ茎芯部(平均径1.6cm)を植物材料として用いた。まずケナフ茎芯部を長さ30cmに切断したのち、長さ30cmを保ったまま、この茎芯部の断面が円を4分割した扇形になるように切削した。このケナフ茎芯部の含水率が30%になるように調整した。
これを実施例2と同様にしてフォーミング、プレスしてボード密度が0.7g/cm3、寸法が300mm×300mm×5mmのバインダレスボードを得た。
(比較例1)
ケナフ茎芯部の外皮部分となる靭皮繊維を取り除いた後の、ケナフ茎芯部を植物材料として用い、まず含水率が60%のケナフ茎芯部を長さ5cm程度に切断し、これを粉砕機(リングフレーカー)を用いて粉砕することによって、パーティクルを得た。このパーティクルの寸法は、平均長さ3mm、平均幅1.5mm、平均厚さ0.5mmであり、またこのように粉砕して得たパーティクルを80℃の乾燥機内で乾燥することによって、含水率が10質量%になるように調整した。
次に、このパーティクルを内寸300mm角の木製型枠内に散布してマット状にフォーミングした。フォーミング後にマットを型枠から取り外し、蒸気噴出プレス装置の上下一対の熱板間にセットし、熱板を圧締することによって、マット厚みが12mmになるまで圧縮した。このときの熱板による加熱温度は約180℃であり、プレス圧力は2.5×106Paであった。
この後、マットを熱板で圧締したまま、熱板の蒸気噴射孔から蒸気圧力が10気圧、蒸気温度が180℃の水蒸気をマットに7分間噴射した。この際、マット内部の水蒸気圧が一定に保たれるように、上下の熱板による圧締を維持した。このようにして、ボード密度が0.7g/cm3、寸法が300mm×300mm×5mmのバインダレスボードを得た。
(比較例2)
上記の比較例1と同様にして得たパーティクルにユリアメラミン樹脂接着剤((株)オーシカ製、品番B300)を噴霧した後、このパーティクルを内寸が300mm角の木製型枠内に散布してマット状にフォーミングした。
パーティクルの含水率は10質量%になるように調整した。フォーミング後にマットを型枠から取り外し、実施例2と同様に電気式熱圧プレス装置の上下一対の熱板間にセットし、熱板を圧締することによって、マット厚みが5mmになるまで圧縮した。このときの熱板による加熱温度は約190℃であり、プレス圧力は3.5×106Paであった。
この後、マットを熱板で圧締したまま、15分間プレスを行った。このようにして、ボード密度が0.7g/cm3、寸法が300mm×300mm×5mmのボードを得た。
各実施例1,2,3で得たバインダレスボードおよび比較例1,2で得たボードについて、JISA5908に基づいて曲げ強さを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007021972
各実施例1,2,3は接着剤を用いていないバインダレスボードであるが、茎部を構成する細胞の方向が配向していることで、ボードの強度はランダムに散布した時より格段に向上している。
各実施例1,2,3のボードの曲げ強さは38MPa〜62MPaであり、パーティクルをランダムに散布して作成した作成例1のバインダレスボードや合成樹脂接着剤を用いて作製した比較例2のパーティクルボードに比べて、強度が大幅に向上している。この強度は、市販されている構造用合板(50MPa)と比較しても遜色がなく、非常に強度が高いといえる。
実施例2,3のバインダレスボードは、フォーミングした後の崩れが少ないため、目標とする比重と大きさのボードを作成することができ、強度も50MPa以上と非常に強くなった。
本発明の実施の形態1において、植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2において、植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3において、植物片を平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4において、植物片の茎部を長手方向に沿って分割して扁平化し、これらを平行に並べて積み上げてフォーミングした様子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4において、植物片の茎部を長手方向に沿って分割する工程を示す斜視図である。
符号の説明
1 植物片
1a 分割片

Claims (4)

  1. 植物片を加熱加圧成形して、植物片に含まれる接着成分で植物片同士を接着させて得られるバインダレスボードにおいて、
    前記植物片は、ヘミセルロースを含有する草本類の茎部であって、この茎部がチップ状あるいは繊維状に粉砕されることなく互いに平行に配置されるとともに、水分が供給された状態で加熱加圧成形して得られたものであることを特徴とするバインダレスボード。
  2. 前記草本類の茎部は、その長手方向が各層または複数層ごとに互いに直交するように配置されていることを特徴とする請求項1記載のバインダレスボード。
  3. 前記草本類の茎部は、径方向に押し潰して扁平化されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバインダレスボード。
  4. 前記草本類の茎部は、その周方向に複数に分割して分割片として扁平化したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバインダレスボード。
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