JP2007021857A - 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子 - Google Patents

流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007021857A
JP2007021857A JP2005206238A JP2005206238A JP2007021857A JP 2007021857 A JP2007021857 A JP 2007021857A JP 2005206238 A JP2005206238 A JP 2005206238A JP 2005206238 A JP2005206238 A JP 2005206238A JP 2007021857 A JP2007021857 A JP 2007021857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
rotor
metal rotor
coated
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005206238A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Komoto
忠史 甲本
Hiroyuki Kumehara
宏之 久米原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2005206238A priority Critical patent/JP2007021857A/ja
Publication of JP2007021857A publication Critical patent/JP2007021857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14311Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles using means for bonding the coating to the articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C2045/1486Details, accessories and auxiliary operations
    • B29C2045/14868Pretreatment of the insert, e.g. etching, cleaning
    • B29C2045/14877Pretreatment of the insert, e.g. etching, cleaning preheating or precooling the insert for non-deforming purposes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14778Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the article consisting of a material with particular properties, e.g. porous, brittle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2705/00Use of metals, their alloys or their compounds, for preformed parts, e.g. for inserts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2705/00Use of metals, their alloys or their compounds, for preformed parts, e.g. for inserts
    • B29K2705/02Aluminium

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】射出成形によりインサート部材としての金属製回転子の表面の樹脂をコーティングし、樹脂の割れや剥離が起こらない流体機械用の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子を提供する。
【解決手段】インサート成形により流体機械の金属製回転子表面に樹脂をコーティングする方法であって、前記金属製回転子を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度以下の範囲内で、また、インサート成形用金型を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度−50℃以下の範囲内で、各々予め定められた温度に加熱する予加熱工程と、予加熱された前記金属製回転子が予加熱された前記インサート成形用金型内に位置された状態で、溶融樹脂を射出するインサート成形工程と、成形物を金型内で保持する保持工程と、前記インサート成形物を金型から取出し、室温まで徐冷する冷却工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この出願の発明は、流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法とこの方法により得られる樹脂被覆金属製回転子に関するものである。
遠心式ポンプ、斜流式ポンプ、軸流式ポンプ等のポンプ類、または軸流式送風機、遠心式送風、ルーツブロア等の送風機類、または軸流式圧縮機、遠心式圧縮機、ねじ圧縮機等の圧縮機類は1個または複数の回転子が回転し、原動機の動力が気体や液体の流動に変換されている。また、前記の送風機類・圧縮機類には真空ポンプとしての用途のほか、内燃機関に空気を供給する過給機としての用途もある。
これらの機械では効率をあげるために、流体の流動損失を低減する必要があることから、回転子とケーシング内壁あるいは回転子同士間の間隙を狭くするための努力が払われ、その方法として、回転子やケーシング内壁の寸法精度を上げる方法がとられている。しかし、この間隙を狭くすると、工作や検査のコスト高をもたらすととともに、機械の稼動中の振動や熱による回転子の寸法変化に起因して、部材同士の接触に伴うかじりや損傷、異音の発生を併発し、時として運転停止に至ることさえある。そこで、この問題の解決策として、金属製回転子の外側に樹脂をコーティングして回転子表面の柔軟性を高め、耐損傷性を向上させ、さらに、コーティング樹脂外周を加工することにより、回転子の表面精度を高める方法が行われている。これらの方法により回転子の外周表面同士、あるいは回転子表面とケーシング内壁が接触しても、金属製回転子の場合と比較して、摺動性に優れた樹脂においては、部材の接触によるかじり、損傷、異音の発生を低減できる。この方法の一例としては、静電塗装法や流動浸漬法により金属製回転子表面に樹脂をコーティングする方法が行われている。
しかしながら、静電塗装法では1回に塗布できる樹脂厚が限られており、部材同士の接触によるかじり・損傷・異音の発生を十分に低減できるまで樹脂を塗布するには、多層塗をする必要があり、経済性や生産性の面から問題があった。
また、部材同士の接触によるかじり・損傷・異音の発生を低減できる厚さの樹脂をコーティングする方法として、流動浸漬法があり、例えば、樹脂の融点以上に予加熱した金属製回転子を合成樹脂粉末内に埋没させ、回転子表面に樹脂粉末を融着させる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、流動浸漬法では金属製回転子表面に融着する樹脂量が過多となり、しかも回転子の肉厚の厚い部分(表面)に多量の樹脂が融着するため、流動浸漬後に回転子表面の寸法精度を得るには、機械加工で過剰の樹脂を削り落とす必要があるという問題があった。さらに、流動浸漬法は、金属製回転子表面に樹脂粉末を融着させるため、コーティングされた樹脂層に気泡が生成し、この気泡が不良品の原因となる問題もあった。
回転子の金属表面を各部の熱容量の差異を考慮し、融着する樹脂量を調整し、流動浸漬後に機械加工せずに回転子を提供する技術が提案されている(特許文献2)が、この方法では、金属製回転子表面に自然融着させるために、表面には肉眼でも確認できる凹凸が生じるだけでなく、流動浸漬槽内では、加熱された金属製回転子の熱対流に起因する温度むらのために、金属製回転子表面にコーティングされる樹脂層の厚さを制御することが困難であるという問題があった。
また、液晶性ポリエステル樹脂40〜70重量%、テフロン(登録商標)樹脂15〜30重量%、ポリエステル系のエラストマー5〜20重量%からなる樹脂混合物を、射出成形によって金属製回転子表面にコーティングする方法と、この樹脂コーティング回転子を装着したルーツブロアの自動車用スーパーチャージャーへの応用が提案されている(特許文献3)。しかしながら、射出成形過程において、主成分である液晶性ポリエステルは、流動下、高配向状態で固化するため、コーティング表面にわずかでも摩耗が生じると、樹脂の摩耗が急激に進行するという問題があった。
一方、射出成形により樹脂を金属表面にコーティングするには、コーティングされた樹脂の割れや剥離を防止することが技術的に難しい課題であった。これまでにも、例えば、断熱層で被覆した金型を用いる方法が提案されている(特許文献4)が、インサート部材の種類や大きさによって一長一短があり問題があった。また、金型を加熱する方法が提案されている(特許文献5)が、成形後の残留応力を少なくするために、インサート成形の部分によって異なる金型温度を設定する必要があり、用途が限られるという問題点があった。
さらに、金型キャビティーの部分を気体あるいは液体によって加熱する方法が提案されている(特許文献6)が、インサート部材の温度のみならず金型表面の温度も制御することができないため、不良品が10%以上生じてしまうという生産性および成形品の品質と性能の面から問題があった。
特許第1626896号公報 特開平8−200256号公報 特許第2636248号公報 特開平7−178765号公報 特開2000−9270号公報 特開平11−105076号公報
以上のような状況において、この出願の発明者らは、射出成形による金属部材(インサート部材)表面への樹脂コーティング方法を、学術的および技術的観点から鋭意検討した。その結果として以下のような知見を得た。すなわち、融点あるいは軟化点が比較的低い汎用樹脂や反応成形用樹脂の場合は、インサート部品あるいは金型の一方を加熱するだけで、割れのない成形品を得ることが可能である。一方、融点あるいは軟化点が高いエンジニアリング樹脂の場合、インサート成形工程において、樹脂は、高温の溶融流動状態から固化するまでの冷却過程で、溶融高分子鎖の流動による配向、分子鎖運動性の低下、配向結晶化、緊張された非晶鎖の緩和現象等の複雑な構造変化を伴いながら固化が起こる。成形工程において溶融樹脂が急冷されると、成形品中の樹脂に構造的なひずみが残る原因となる。この構造的なひずみが、成形品の使用中の温度変化等によって、樹脂がより安定なひずみの少ない構造へ変化するため、局所的に応力が生じ、これによって亀裂や割れが発生ことになる。従って、成形後、樹脂の割れや亀裂を防止するためには、非晶鎖が配向状態で固化しないようにしなければならない。また、結晶性の樹脂においては、成形工程で急冷されると、十分結晶化されないままで固化することになる。このような構造も、使用中の温度変化によって、樹脂が融点以下の温度で結晶化が進行するため、構造的なひずみの発生をもたらし、割れを生ずる原因になると考えられる。このように、コーティング樹脂の複雑な構造変化が想定される射出成形において、インサート部材と金型の温度を、別々に設定することのない従来の技術では、成形物中の樹脂構造を制御することができない。
さらには、インサート部材は、コーティングされる樹脂と化学的性質や熱膨張係数等が異なるため、両者の界面の接着性あるいは密着性も樹脂割れを防止する上で考慮しなければならない。例えば、インサート成形品が水中、熱水中などの環境下で使用される場合には、インサート部材あるいは金型の一方を予加熱するだけの従来技術では、インサート部材と樹脂との接着性あるいは密着性が低下するという問題があった。
殊に以上のような問題は動的部材としての金属製回転子、たとえば産業上や家庭用に使用される遠心式ポンプ、斜流式ポンプ、軸流式ポンプ等のポンプ類;軸流式送風機、遠心式送風機、ルーツブロア等の送風機類;さらには、軸流式圧縮機、遠心式圧縮機、ねじ圧縮機等の圧縮機等の種々の流体機械のための動的回転子においては、インサート部材としての金属製回転子と樹脂との接着性あるいは密着性を確保することは大変に難しい問題としてあった。
そこで、この出願の発明は、従来技術の問題点を解消し、射出成形によりインサート部材としての金属製回転子の表面に樹脂をコーティングし、樹脂の割れや剥離が起こらない流体機械用の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子を提供することを課題としている。
この出願の発明は前記の課題を解決するものとして、第1には、インサート成形により流体機械の金属製回転子表面に樹脂をコーティングする方法であって、前記金属製回転子を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度以下の範囲内で、また、インサート成形用金型を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度−50℃以下の範囲内で、各々予め定められた温度に加熱する予加熱工程と、予加熱された前記金属製回転子が予加熱された前記インサート成形用金型内に位置された状態で、溶融樹脂を射出するインサート成形工程と、成形物を金型内で保持する保持工程と、前記インサート成形物を金型から取出し、室温まで徐冷する冷却工程とを含むことを特徴とする流体機械用の金属製回転子の樹脂コーティング方法を提供する。
第2には、前記金属製回転子が、鋼、鉄、銅、アルミニウム、チタンまたはそれらを含む合金、あるいはそれらの複合部材より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする金属製回転子の樹脂コーティング方法を提供する。
第3には、前記樹脂が、熱可塑性樹脂であって、単独重合体、共重合体、ポリマーブレンド物、ポリマーアロイ、およびポリマーを主成分とする複合材料の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする樹脂コーティング方法を提供する。
第4には、前記金属製回転子の表面にコーティングされる前記樹脂の厚さが、5μm〜10mmの範囲で、金属製回転子表面の各部位において任意の厚さで形成できることを特徴とする樹脂コーティング方法を提供する。
第5には、前記金属製回転子の表面が研磨処理、エッチング処理、ショットブラスト処理、ローレット加工およびシランカップリング処理から選ばれた少なくとも1種によって予め表面処理されたものであることを特徴とする樹脂コーティング方法を提供する。
第6には、前記いずれかの樹脂コーティング方法により得られた回転子であって、−40℃〜200℃の温度範囲の空気雰囲気中で樹脂割れが発生しないことを特徴とする樹脂被覆金属製回転子を提供する。
第7には、前記いずれかに記載の樹脂コーティング方法により得られた回転子であって、0℃〜100℃の温度範囲の水中において樹脂割れ、もしくは樹脂剥離が発生しないことを特徴とする樹脂被覆金属製回転子を提供する。
さらにこの出願の発明は、第8には、前記いずれかに記載の樹脂被覆金属製回転子であって、耐異物噛み込み性に優れていることを特徴とする樹脂被覆金属製回転子を提供する。
上記のとおりの本発明によれば、インサート部材である金属製回転子と金型を予め定められた温度に加熱し、射出成形によりエンジニアリング樹脂を、金属製回転子表面に精密にコーティングし、該回転子表面とコーティング樹脂との接着性、密着性に優れ、しかも、摺動性、耐異物噛み込み性、耐衝撃性等に優れた樹脂被覆金属製回転子を提供できるものであり、従って、この樹脂被覆金属製回転子は、産業用や家庭用に使用される遠心式ポンプ、斜流式ポンプ、軸流式ポンプ等のポンプ類、又は軸流式送風機、遠心式送風機、ルーツブロア等の送風機類、さらに、軸流式圧縮機、遠心式圧縮機、ねじ圧縮機等の圧縮機類等種々の流体機械へ幅広く利用できる。このような動的部材としての金属製回転子表面への本発明によるコーティングによる優れた効果は従来技術からは全く予期できないものである。
この出願の発明は前記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態について詳細に説明する。
この出願の発明において、樹脂コーティングされる金属製回転子とは、産業用や家庭用をはじめ種々の分野で使用される流体機械の回転子に樹脂をコーティングすることにより、回転子を樹脂中に固定したり、または、その一部をコーティングして表面に樹脂の特性を付与する固体のことを言う。
このような流体機械としては、原動機からの動力により回転子が回転して気体や液体等の流体を輸送(流動)する機能を有する機械であれば特に限定されないが、遠心式ポンプ、斜流式ポンプ、軸流式ポンプ、軸流式送風機、遠心式送風機、軸流式圧縮機、遠心式圧縮機、ルーツブロア、ねじ圧縮機、ならびに真空ポンプ、過給機が好適な対象として例示される。
このような金属製回転子としては、その素材の種類と組成は特に限定されないが、例えば、鋼、鉄、銅、アルミニウム、チタンまたはそれらを含む合金、あるいはそれらの複合部材より選ばれた少なくとも1種を含む固体が挙げられ、なかでも、鋼、アルミニウムが好適な対象として例示される。また、金属製回転子の形状は、前記流体機械用の回転子と同様な形状であれば特に限定されない。
そして、この出願の発明の樹脂コーティングした金属製回転子の製作においては、金属製回転子(インサート部材)を、30℃以上で、樹脂の溶融射出温度以下の温度範囲で、また、成形用金型を30℃以上で、樹脂の溶融射出温度−50℃以下の温度範囲内で、各々、予め定められた温度に予加熱する必要がある。
この、予加熱の温度を、金属製回転子および成形用金型のいずれの場合にも30℃以上としていることは、これ以下の温度では、高温の溶融樹脂が流動下で急冷されて、樹脂の配向構造が緩和されずに、ひずみのある低結晶性の状態で樹脂が固化し、このひずみを有する構造が、成形後の樹脂割れや剥離を引き起こすことを防止するためである。
また、樹脂コーティングされる金属製回転子は、その大きさに依存するが、一般に成形用金型より熱容量が小さい。従って、樹脂コーティングされる金属製回転子の予加熱温度は、樹脂の溶融射出温度以下であることが好ましい。一方、成形用金型の予加熱温度は、樹脂の溶融射出温度−50℃以下であることが好ましい。すなわち、インサート部材である金属製回転子と成形用金型は、各々、予め定められた温度に予加熱することが好ましい。
さらに、射出成形のための樹脂の適正な溶融温度は、樹脂の種類によって異なるため、樹脂コーティングされる金属製回転子および成形用金型の予加熱温度の範囲は、前記の各温度範囲で、任意に定めることが好ましい。
動的回転子としての金属製回転子が、その素材として代表例の一つであるアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合には、インサート成形により樹脂コーティングされる金属回転子の予加熱温度(Tin)と、インサート成形用金型の予加熱温度(Tca)とは、樹脂の溶融射出温度(Tme)との関係において、次式の範囲とすることが好ましい。
Tme−120℃≦Tin≦Tme
Tme−220℃≦Tca≦Tme−70℃
さらに、加熱冷却にともなう剥離応力をより大きくするためには、次式の範囲とすることが好適に考慮される。
Tme−60℃≦Tin≦Tme
Tme−150℃≦Tca≦Tme−80℃
このような関係は、動的回転子のスーパーチャージャー等の性能の観点からも好適なものとして導かれるものである。従って、従来のインサート成形の知見からは全く想到できず、しかもその効果は予見できないものである。
金属製回転子の予加熱手段については、予め加熱されたものを金型内の所定の位置に載置し、所定の温度に達したものとしてもよいし、あるいは、金型内に載置後、電磁誘導加熱等の方法により予加熱して所定の温度に達したものとしてもよい。
いずれの場合であっても、金型は、断熱層で被覆されたものであってもよく、また、複数の加熱機構によって複数の温度に制御された複数の金型で構成されたものであってもよい。
このような樹脂としては、熱可塑性高分子であれば、その種類や組成は特に限定されず、ポリオレフィン、ビニルポリマー、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等の単独重合体、これらの2種類以上のポリマーの繰り返し構造単位あるいは連鎖を含む共重合体、これらの2種類以上のポリマーの単独重合体あるいは共重合物の混合物であるポリマーブレンド物、これらの2種以上の非相溶性の単独重合体あるいは共重合体と相溶化剤等が含まれるポリマーアロイ、すなわち、変性ポリマー、また、これらの単独重合体、共重合体あるいはポロマーアロイの1種類以上のポリマーを主成分とし、これに無機充填材、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維、グラファイト、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤が充填された複合材料が挙げられ、なかでも、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、フッ素樹脂、これらの共重合体、ポリマーアロイ(変性ポリマー)および複合材料であるものが好適な対象として例示される。
また、金属製回転子にコーティングされる樹脂の厚さは、5μm〜10mmの範囲であれば特に限定されず、成形品である回転子の使用目的に従って樹脂の厚さは異なってもよく、さらに、金属製回転子の表面の各部位において任意の厚さで成形できる。
しかし、樹脂被覆金属製回転子は、使用時の回転数が高いほど、また、回転子の回転半径が大きいほど遠心力が大きくなる。さらに、同一回転数においては、コーティングされた樹脂自体にかかる遠心力は、コーティングされる樹脂厚さに比例して増大する。従って、コーティングされる樹脂厚さは、金属製回転子とその表面にコーティングされる樹脂との接着力、密着力あるいは剥離強度と回転子の使用条件によって設定されることがより好ましい。
金型内に溶融樹脂を射出後は、4.9MPa〜49MPaの圧力範囲において、保持時間を1秒〜10分の範囲、より好ましくは、10秒〜5分の範囲、さらに好ましくは、20秒〜2分の範囲とすることが例示される。
溶融樹脂の射出後は、金型内で成形品を保持し、その後、成形品を金型から取出し、成形品を室温まで冷却するが、この冷却の時間は、1分〜5時間の範囲、より好ましくは、5分〜4時間の範囲、さらに好ましくは、10分〜3時間の範囲の条件下で徐冷して成形品の樹脂の構造的ひずみを解消することが考慮される。
インサート部材である金属製回転子については、その表面に予め研磨処理、エッチング処理、ショットブラスト処理、ローレット加工およびシランカップリング処理から選ばれた少なくとも1種類の処理を施し、金属製回転子と樹脂との有効接触面積を大きくし、いわゆるアンカー効果を付与することができるほか、金属製回転子と樹脂との接着性あるいは密着性を高めることが、コーティング樹脂の割れや剥離の防止に有効であるほか、樹脂被覆金属製回転子の高強度化、高剛性化、耐衝撃性、耐疲労性、耐摩耗性および騒音低減性に有効である。
また、金属製回転子表面と樹脂との接着力、密着力をさらに高める表面処理法として、反応型接着剤等の接着剤塗布、静電塗装等の樹脂塗布、部材表面に反応性官能基を付与した後グラフト反応処理、およびシランカップリング処理等が挙げられ、なかでも、シランカップリング処理は、簡便に金属製回転子表面を改質する方法として好ましい。さらに、金属製回転子をショットブラスト処理後にシランカップリング処理することがより好ましい実施の形態としている。
それで、以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
<1>成形方法
本発明の樹脂被覆金属製回転子を、エンジンに空気を過給するスーパーチャージャーであるルーツ型の送風機のアルミニウム合金製回転子として使用した例を示す。所定の大きさのまゆ型断面形状を有する、Si、Fe、Cu、Mn等を各1%未満含有するアルミニウム合金(JISH4100に記載の合金A6N01S−T5)製回転子1(図1、以下Al合金製回転子と呼ぶ)を用いた。Al合金製回転子の軽量化のために、まゆ型形状の断面2の2箇所の幅広部分3に貫通した中空部4を設け、各中空部の中央には、まゆ型形状の中心部5と長手方向頂点6をつなぐリブ7を形成するとともに、まゆ型形状の中心部5には、回転子の軸8(金属製)が圧入される穴部9が形成される構造である。
このAl合金製回転子の前記穴部9に軸8を圧入後、Al合金部分より張り出した軸部分10をマスキング処理した後、(株)不二製作所製重力式ニューマプラスターSG―6B―404中、圧力0.294MPa条件下で、(株)不二製作所製フジガラスビーズFGB80(粒径範囲177〜250μm)を用い、該Al合金製回転子の表面をショットブラスト処理した。
ショットブラスト処理した前記Al合金製回転子の表面に樹脂をコーティングするための射出成形用の金型は、互いに相補する2つの金型部分からなる構成で、各々ヒーターによる温度可変の構造とし、金型の内表面に断熱層を設け、前記Al合金製回転子の側面から突き出した軸部分10を両金型部分に設けた穴部に挿入する構造とした。さらに、一方の金型には爪部を設け、該爪部に前記リブ部7を挿入して、前記Al合金製回転子を金型内の所定の位置に載置させる構造とした。金型とAl合金製回転子の間に、コーティングされる樹脂の厚さに対応した0.7mmのキャビティー(間隙)を設け、所定位置に載置されたAl合金製回転子の側面に対向する金型内面に4個の射出口を設け、溶融樹脂を射出する構造とした。
電気加熱装置内で予加熱したインサート部材(Al合金製回転子)を金型内の前記所定位置に載置し、インサート部材表面温度が所定温度になった時点で、所定温度に設定された金型、所定温度の溶融樹脂を、射出圧力98MPaで射出成形し、その後、所定圧力で所定時間保持し、金型から成形品(樹脂被覆金属製回転子)を取出した。これを室温まで所定時間かけて徐冷した。
<2>評価方法
(室温試験)
1種類の成形条件下で、5個のインサート部材(Al合金製回転子)の樹脂コーティングを行い、金型から取り出し、冷却後、室温で7日間以上経過した成形品の樹脂の割れを調べた。
(加熱冷却試験)
樹脂被覆金属製回転子は、過酷な条件下で使用されるものであるので、同一のコーティング方法で得られた5個の成形品すべてが前記室温試験で樹脂の割れが生じなかった場合、その内の4個を、空気中−30℃で2時間保持、200℃で2時間保持し、再び−30℃で同時間保持、200℃で同時間保持という過熱冷却試験を10サイクル行い、成形品の樹脂の割れを調べた。
(熱水試験)
樹脂被覆金属製回転子は、高温多湿雰囲気中、水中、熱水中等の環境下で使用される場合があるので、前記加熱冷却試験で樹脂割れを生じなかった成形品2個を、このなかでも過酷な環境である90℃の熱水中に8時間浸漬する熱水試験を行った。
(剥離試験)
流体機械内において、樹脂被覆金属製回転子の外周表面とケーシング内壁との間隙は、狭く設計されており、前述のとおり、これら同士が接触したり、あるいは、流体に混入する異物と接触するなどの種々の応力を受ける場合がある。前記種々の試験を行った成形品の内、樹脂割れを生じなかった成形品2個について、ケーシング内壁に最も接近する回転子長手方向頂点部分(後述の図1の6)のコーティングされた樹脂層の複数箇所をカッターによって幅10mm、長さ30mmの短冊状に、インサート部材(アルミニウム)表面まで切断した。前記短冊状試験片の一端の樹脂層をインサート部材から剥離し、引張試験機を用いて、成形品本体を試験機の所定位置に固定し、前記剥離部分の樹脂端を把持し、剥離が起こるときの応力、すなわち、剥離応力を測定した。
(コーティング樹脂層の透過型電子顕微鏡観察)
成形品表面にコーティングされた樹脂の割れは、成形後の樹脂の構造的なひずみと密接に関係すると考えられるので、下記の方法によって、コーティングされた樹脂層の透過型電子顕微鏡(TEM)観察のための試料作製を行った。
前記成形方法によって得られた成形品表面のコーティング樹脂層を切り出し、まず、その一部(薄片)を四酸化オスミウム染色し、これをエポキシ樹脂包埋した後、ステンレスナイフで切削し、ピラミッド形のトリミング試料を作製した。
この後の試料作製過程では、樹脂試料の変形を防止する必要があるため、液体窒素で冷却しながら、ガラスナイフで面出しを行った。面出しした試料表面を、再度、四酸化オスミウムで染色した。この操作によって、面出しした試料表面は、室温においてダイヤモンドナイフで薄切しても、試料中の樹脂構造の変形は生じないことが知られている。最後に、この面出しと四酸化オスミウム染色した試料を、Reichert社製ウルトラミクロト−ム装置に装着し、ダイヤモンドナイフで切削し、厚さ約70nmの超薄切片試料を得た。この超薄切片試料を日本電子(株)製JEM−1200EX透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧80kVにおいてコーティング樹脂層の微細構造を観察した。
(スーパーチャージャーによる回転子の性能評価)
図1に示すAl合金製回転子に樹脂コーティングした前記樹脂被覆Al合金製回転子を、図2に示すスーパーチャージャーの回転子とした。なお、スーパーチャージャーのケーシング内壁と回転子の間隙を0.13mmとした。図3に示すスーパーチャージャー性能評価装置11を用い、前記樹脂被覆Al合金製回転子の性能試験を行った。
前記スーパーチャージャー性能評価装置11に、回転子を装着して、下記の方法によってその性能試験を行った。
試験条件A:大気圧の空気を吸気させながら、回転子を停止状態から9,000rpmまで20秒間かけて、回転数を上昇させ、その後、吐出空気(スーパーチャージャーの出口空気)をバルブで絞り、吐出圧力を吸気圧力(大気圧)の1.8倍(圧縮比1.8)とし、1,000時間まで回転子を連続回転させた。この間、スーパーチャージャー運転中の吸気圧力(P01)、吐出圧力(P02)、吸気流量(Q01)、トルクおよび回転子の回転数を計測し、次式を用いて、20、101.3kPaに換算した断熱効率ηadを測定した。なお、L(軸動力)はトルクと回転子の回転数より求めた。

ηad ={κ/(κ−1)P01Q01/60[(P02/P01)(κ-1)κ−1)]}/L

試験条件B:スーパーチャージャーは、大気を吸入する構造であるため、固体粒子が混入することがある。スーパーチャージャーは、このような固体の異物が混入しても安定に作動する必要がある。そこで、試験開始10分後、回転子の回転数9,000rpmの稼動状態において、空気吸入口より、スーパーチャージャー内に、回転子とケーシング内壁の間隙0.15mmより大きな1.8mmφの鋼球500個を、30分かけて、徐々に挿入した以外は試験条件Aと同条件で試験を行い、異物混入による回転子およびケーシング内壁への影響を調べた。併せて、断熱効率を算出した。
<3>ショットブラスト処理したAl合金製回転子の樹脂コーティング
(実施例1)
ショットブラスト処理したAl合金製回転子(インサート部材)の表面温度220℃、金型温度80℃で、290℃の溶融ノリルGTX樹脂(日本GEプラスチックス(株)製ノリルGTX6601)を射出し、前記Al合金製回転子表面に0.7mm厚でコーティングし、その後、圧力98MPaで2分間保持し、金型から成形品を取り出し、これを室温まで40分間かけて徐冷した。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングした樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験を行った結果、すべての成形品において、樹脂割れは生じなかった。また、加熱冷却試験後の剥離応力は、3.9MPa〜6.8MPaであった。これは、インサート部材のAl合金と樹脂が十分密着している値であり、この条件下で得られた成形品は、過酷な温度変化のある空気中での使用が可能であることを示している。
(実施例2)
金型温度を150℃、溶融樹脂温度を270℃、保持圧力を29.4MPa、金型から成形品を取り出した後の室温までの冷却時間を1時間とした以外は、実施例1と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングした樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験を行った結果、すべての成形品において、樹脂割れは生じなかった。また、加熱冷却試験後の剥離応力は、4.9MPa〜6.8MPaであった。これは、インサート部材のAl合金と樹脂が十分密着している値であった。この条件下で得られた成形品は、過酷な温度変化のある空気中での使用が可能であることを示しているが、剥離応力の値は、実施例1の場合より優れており、金型温度は80℃より150℃の方がより好ましいと言える。
次に、得られた成形品のコーティング樹脂層の構造的なひずみの有無を調べるために、室温試験後のコーティング樹脂層内部のTEM観察を行った。図4に示したように、円形ないし楕円形の形態として観察されるドメイン相は、前記ノリルGTX樹脂の特徴であるポリフェニレンエーテルで、その内部に大きさ数十nmの黒いゴム粒子が含まれている。この形態は、ノリルGTX6601に特徴的な構造である。特に注目すべきことは、TEM写真において円形ないし楕円形として観察されることから、コーティング樹脂中では、ドメイン相は球ないし楕円体であることを意味しており、このような形態の発現は、成形後の樹脂内部にひずみがほとんど生じなかったことを示している。また、ドメイン相とその周囲のマトリックス相(ナイロン66)との界面(ドメイン相の周りの幾分黒い部分)にも剥離等の変形がまったく観察されず、界面の接着性が高いことがわかる。さらに、TEM写真は記載していないが、マトリックス相を形成しているナイロン66は、十分結晶化したラメラ状結晶が、無配向に分布していることも明らかになった。
次に、成形時に金型表面と接していたコーティング樹脂最表面層のTEM観察を行った。その結果、コーティング樹脂最表面層では、表面からわずか約5μmの厚さの表層にのみ緩やかな配向構造が観察された。すなわち、前記ポリフェニレンエーテルとゴム粒子からなるドメイン相が、緩やかに配向した構造が観察される。これは、射出成形によってインサート部材表面へ樹脂をコーティングしたにもかかわらず、最表面層においても樹脂の配向が大きく緩和されていたことを示す証拠である。また、この最表面層中のマトリックス相を形成するナイロン66のラメラ状結晶は、無配向であったことも、コーティング樹脂層は、その内部から最表面までひずみが極めて少ない構造であることを示すものである。
すなわち、TEM観察から得られたこれらの結果は、インサート部材と金型を、各々定められた温度に予加熱して成形する態様のこの発明の特徴を立証していると言える。
(実施例3)
金型温度を180℃とした以外は、実施例2と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングした樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験を行った結果、すべての成形品において、樹脂割れは生じなかった。また、加熱冷却試験後の剥離応力は、実施例2とほとんど同様の結果であった。金型温度を実施例2の場合より30℃高くして成形したが、成形品の性能にほとんど差異がないことがわかった。
(実施例4)
インサート部材温度を160℃とした以外は、実施例2と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングした樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験を行った結果、すべての成形品において、樹脂割れは生じなかった。また、加熱冷却試験後の剥離応力は、実施例1とほとんど同様の結果であった。金型温度を実施例2と同一にして、インサート部材温度を実施例2の場合より60℃低い温度にして得られた成形品は、わずかに剥離応力が低下したことから、インサート部材温度は金型温度より高く設定することがより好ましいと言える。
(実施例5)
インサート部材温度を230℃とした以外は、実施例2と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングされた樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験後にも樹脂割れがなく、また、密着性は、実施例2とほとんど同様の結果であった。この結果も、インサート部材温度が金型温度より高い方が好ましいことを示している。すなわち、インサート部材と金型を、別々に異なる温度設定ができることが好ましい成形の態様であることを示している。
(実施例6)
前記のノリルGTX樹脂95重量%、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(三井デュポンフロロケミカル社製TALP10F−1、平均粒径:3μm、粒径6μm以下の含量:90%、比表面積:8m2/g)5重量%の混合物を、予め溶融混練して作製したコンパウンドを樹脂素材とした以外は、実施例5と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングされた樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験後にも樹脂割れはなく、また、密着性は、実施例1とほとんど同様の結果であった。摺動特性に優れたPTFE自体は、他の材料との接着性がなく、また、溶融状態でも流動性がないため射出成形が困難な樹脂であるが、この実施例の結果は、ノリルGTXのようなエンジニアリング樹脂に、平均粒径3μmのPTFE粉末を5重量%添加したものであれば、射出成形によりインサート部材表面へ樹脂コーティングが可能であることおよび樹脂に、潤滑性、耐摩耗性等の摺動特性を付与できる可能性があることを示している。
(実施例7)
前記ノリルGTX樹脂90重量%、前記PTFE粉末10重量%の混合物を、予め溶融混練して作製したコンパウンドを樹脂素材とした以外は、実施例6と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングされた樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験後にも樹脂割れはなく、また、密着性も、実施例1とほとんど同様の結果であった。すなわち、PTFE粉末10重量%添加された成形品は、過酷な温度変化のある空気中での使用が可能であることを示している。さらに、一般に、固体潤滑剤であるPTFEが10重量%添加された樹脂は、潤滑特性に優れ、マトリックス樹脂(主成分)の耐摩耗性が向上することが知られているので、この発明の成形方法は、潤滑性、耐摩耗性等の摺動特性に優れた成形品を提供できるものとなる。
(比較例1)
インサート部材である前記Al合金製回転子の温度を25℃とした以外は、実施例1と同様に成形を行った。成形品3個を作製したが、表1に示したように、いずれも成形後、金型から取り出した時点で樹脂割れが発生していた。この結果は、インサート部材を予加熱せず、金型のみ予加熱する従来の技術では、成形品の樹脂割れが発生しやすいことを再現したものとなった。すなわち、実施例1〜7に示したように、インサート部材(金属製回転子)と金型の両方を、別々に予加熱して成形する態様のこの発明の特徴を立証するものと言える。
(比較例2)
金型温度を25℃とした以外は、実施例1と同様に成形を行った。成形品3個を作製したが、表1に示したように、いずれも成形後、金型から取り出した時点で樹脂割れが発生していた。この結果は、前記比較例1と同様に、インサート部材(金属製回転子)と金型のいずれか一方を予加熱する態様の成形方法では、樹脂割れのない成形品を製造することができないことを示している。
(比較例3)
実施例2と同様に成形を行い、金型から成形品を取り出した直後に、成形品を10℃の水に投入することによって急冷したところ、コーティング樹脂の複数箇所に亀裂が発生した。この結果は、インサート部材と金型の温度が室温より100℃以上高いような場合、コーティングされた高融点あるいは高ガラス転移温度を有する樹脂は、見掛け上固化していても、樹脂内部の高分子鎖は、ひずみの少ない安定な構造になっていないことを示している。従って、金型から成形品を取り出した後の徐冷工程が、非晶性高分子の構造的ひずみを低減したり、結晶性高分子の徐冷工程での二次結晶化を進める上で、重要な態様の一つであることを示している。なお、この徐冷工程に要する時間は高々1時間程度であり、数時間以内であれば、樹脂被覆金属製回転子の生産性に支障を来たすものではない。
<4>ショットブラスト処理し、さらにシランカップリング処理したAl合金製回転子の樹脂コーティング
(実施例8)
ショットブラスト処理したインサート部材(Al合金製回転子)を260〜270℃に予加熱した後、その表面にシランカップリング剤(信越化学工業(株)製KBP40)のエタノール溶液を塗布し、インサート部材の表面温度が230℃となった時点で、実施例2と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室温で7日間以上経過してもコーティングされた樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験後にも樹脂割れはなかった。一方、加熱冷却試験後の剥離応力は、7.8MPa〜10.8MPaであった。これは、実施例2の場合の約1.6倍の値であり、シランカップリング処理によって密着性あるいは接着性が大きく向上したことを示すものである。この結果は、ショットブラスト処理とシランカップリング処理を併用することがより好ましい実施の態様であることを立証している。
(実施例9)
前記ノリルGTX樹脂90重量%、PTFE粉末(三井デュポンフロロケミカル社製TALP10F−1、平均粒径:3μm、粒径6μm以下の含量:90%、比表面積:8m2/g)10重量%の混合物を、予め溶融混練して作製したコンパウンドを樹脂素材とした以外は、実施例8と同様に成形を行った。表1に示したように、得られた成形品は、室
温で7日間以上経過してもコーティングされた樹脂に割れは生じなかった。加熱冷却試験後にも樹脂割れがなかった。一方、加熱冷却試験後の剥離応力は、5.9MPa〜8.2MPaであった。これは、実施例7の場合の1.5倍近い値であり、密着性あるいは接着性が向上したことがわかる。また、この結果は、フッ素樹脂を含む耐熱性樹脂に対しても、ショットブラスト処理とシランカップリング処理を併用することがより好ましい実施の態様であることを立証している。
(実施例10)
実施例8で得られた成形品を、90℃の熱水中に8時間浸漬する熱水試験を行った。その結果、樹脂割れも見掛けの剥離も起こらなかった。また、熱水試験後の剥離応力は、6.8MPa〜8.8MPaであった。この結果は、ショットブラスト処理とシランカップリング処理を併用する実施の態様が、広い温度範囲の空気中での使用のみならず、熱水中のような水環境下でも、耐熱性樹脂をコーティングした樹脂被覆金属製回転子が、安定的に使用可能であることを立証するものである。
(実施例11)
実施例9で得られた成形品を、90℃の熱水中に8時間浸漬する熱水試験を行った。その結果、樹脂割れも見掛けの剥離も起こらなかった。また、熱水試験後の剥離応力は、4.9MPa〜6.9MPaであった。この結果は、ショットブラスト処理とシランカップリング処理を併用する実施の態様が、広い温度範囲の空気中での使用のみならず、熱水中のような水環境下でも、フッ素樹脂を含む耐熱性樹脂をコーティングした樹脂被覆金属製回転子が安定的に使用可能であることを立証するものである。
(比較例4)
実施例1と同様にショットブラスト処理したAl合金製回転子を誘導加熱によって320℃まで加熱し、加振させながら底部から空気を供給する機構により、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体粉末(ETFE樹脂、商品名アフロン)を流動状態とした装置(流動槽)内に、該回転子を没入させ、90秒間保持し、次いで、流動槽内で該回転子を30秒間再加熱し、その後、さらに該回転子を60秒間保持することにより、該Al合金製回転子表面にETFE樹脂をコーティングした。その後、回転子表面に融着した過剰のETFE樹脂を切削によって除去し、ETFE樹脂のコーティング厚さを0.7mmとした。
得られたETFE被覆Al合金製回転子を加熱冷却試験を行ったが、樹脂割れは生じなかった。また、熱水試験を行っても樹脂剥離は起こらなかった。しかし、加熱冷却試験後の剥離応力は4.1〜5.8MPaであり、熱水試験後の剥離応力は2.4〜3.1MPaと大きく低下した。この結果は、実施例10および11の各剥離応力より低い値であることから、本発明の樹脂コーティング法によって得られた樹脂被覆Al合金製回転子が、流動浸漬法によるETFE被覆Al合金製回転子より性能が優れていることが明らかになった。
さらに、流動浸漬法によるETFEコーティングでは、Al合金製回転子表面に過剰にコーティングされた樹脂を切削により除去しなければならない。このため、高価な樹脂の廃棄、また、過剰樹脂の切削除去後の回転子表面は、本発明の樹脂被覆Al合金製回転子表面より、粗いため、回転子表面精度が劣ることも明らかになった。
なお、該アルミニウム製回転子を予めショットブラスト処理し、さらにシランカップリング処理を行い、その後、前記と同様に流動浸漬法でETFEコーティングを行ったが、得られたETFE被覆Al合金製回転子の性能は、前記のそれと同程度であった。
<5>樹脂被覆Al合金製回転子の性能評価
(実施例12)
実施例8と同様の条件下で成形して得られた樹脂被覆Al合金製回転子5個について、自動車用過給機(スーパーチャージャー)に装着し、前記試験条件Aにより、その性能評価を行った。その結果、5個の試料(試験)すべてにおいて、9,000rpm、1,000時間までの運転中、回転子表面とケーシング内壁との接触に基づくかじり音の発生はなかった。また、試験終了後にスーパーチャージャーから取り出した樹脂コーティング回転子の表面状態を調べたところ、コーティング樹脂の剥離や割れはなく、樹脂表面にわずかに回転方向に沿ったすじ(摩耗痕)が観察された。
また、スーパーチャージャーの断熱効率ηadは58%であった。後述のように、この値は、流動浸漬法でフッ素(ETFE)樹脂をコーティングしたAl合金製回転子の値と同等であり、実施例8で作製した回転子が、実用に供するに十分な性能を有していることを示している。
(実施例13)
実施例9と同様の条件下で成形して得られた樹脂被覆Al合金製回転子5個を用いた以外は、実施例12と同様の試験条件Aにより、その性能評価を行った。その結果、5個の試料(試験)すべてにおいて、9,000rpm、1,000時間までの運転中、回転子表面とケーシング内壁との接触に基づくかじり音の発生はなかった。また、試験終了後にスーパーチャージャーから取り出した樹脂コーティング回転子の表面状態を調べたところ、コーティング樹脂の剥離や割れはなく、樹脂表面にわずかに回転方向に沿ったすじ(摩耗痕)が観察されたが、摩耗痕量は実施例12の場合より少ないことがわかった。この結果は、ノリルGTX樹脂にPTFE微粒子10重量%を含むコンパウンドをコーティングしたAl合金製回転子が、ノリルGTX樹脂をコーティングした回転子よりも摺動性に優れていることを示唆している。
また、スーパーチャージャーの断熱効率ηadは57%であった。後述のように、この値は、流動浸漬法でETFE樹脂をコーティングしたAl合金製回転子の値と同等であり、実施例8で作製した回転子が、実用に供するに十分な性能を有していることを示している。
(実施例14)
実施例8と同様の条件下で成形して得られた樹脂被覆Al合金製回転子5個について、自動車用過給機(スーパーチャージャー)に装着し、前記試験条件Bにより、30分間かけて徐々に1.8mmφの鋼球500個を吸気口から導入し、その性能評価を行った。その結果、鋼球を導入している間は、スーパーチャージャーの騒音は高かったが、その後は、実施例12の試験条件Aと同様の稼動状態が、1,000時間まで継続した。
なお、鋼球を導入している間の断熱効率は、約56%まで低下したが、鋼球導入の前後の断熱効率は、実施例12の場合と同様、58%であった。
試験終了後、回転子の表面を観察したところ、コーティング樹脂表面の傷は、試験条件Aの場合(実施例12)より幾分多い傾向であったが、すべての試料について、樹脂の割れや剥離は起こらなかった。この結果は、ノリルGTX樹脂をコーティングしたAl合金製回転子は、回転子とケーシング内壁との間隙よりも大きな異物が過給機内に混入しても、樹脂が十分な弾力性と耐衝撃性を有するために耐異物噛み込み性および摺動性に優れていることを示している。
(実施例15)
実施例9と同様の条件下で成形して得られた樹脂被覆Al合金製回転子5個を用いた以外は、実施例14と同様の試験条件Bにより、その性能評価を行った。その結果、鋼球を導入している間のスーパーチャージャーの騒音は、実施例14の場合と大差はなく、その後は、実施例13の試験条件Aと同様の稼動状態が、1,000時間まで継続した。
なお、鋼球を導入している間の断熱効率は、約55%まで低下したが、鋼球導入の前後の断熱効率は、実施例13の場合と同様、57%であった。
試験終了後、回転子の表面を観察したところ、コーティング樹脂表面の傷は、試験条件Aの場合(実施例13)よりわずかに多い傾向であったが、実施例14の場合より樹脂表面の傷は少なかった。すべての試料について、樹脂の割れや剥離は起こらなかった。この結果は、ノリルGTX樹脂にPTFE微粒子10重量%を含むコンパウンドをコーティングしたAl合金製回転子は、回転子とケーシング内壁との間隙よりも大きな異物が過給機内に混入しても、樹脂が十分な弾力性と耐衝撃性を有するために耐異物噛み込み性に優れているとともに、摺動性にも優れていることを示している。これらの結果から、ノリルGTX樹脂にPTFE微粒子10重量%を含むコンパウンドをコーティングしたAl合金製回転子を用いることがより好ましい実施の形態と言える。
(比較例5)
実施例8および9に記載の樹脂コーティングしたAl合金製回転子と同じ形状と大きさのAl合金製回転子を用いた以外は、実施例12と同様に、回転子表面とケーシング内壁との間隙を0.15mmとし、試験条件Aにより、その性能試験を行った。その結果、スーパーチャージャーの運転開始30分後に、回転子とケーシングの接触音が発生し始め、この接触音は、時間とともに徐々に大きくなった。すなわち、Al合金製回転子の場合には、回転子とケーシング内壁との間隙をさらに大きくする必要があることが確認された。従って、さらに長時間運転を続けることは意味がないと判断し、運転開始後1時間で試験を終了した。
試験終了後、スーパーチャージャーからAl合金製回転子を取り出し、その表面とケーシング内壁の観察を行ったところ、該回転子とケーシング内壁の接触による無数のすじ状の傷が生じていた。
(比較例6)
比較例4で得られたETFE被覆Al合金製回転子を用いて、実施例12と同様に、試験条件Aにより、その性能評価を行った。その結果、断熱効率は55%であり、実施例12の断熱効率とほぼ同等であった。また、試験後の回転子表面の傷も、実施例12の場合と同程度あったが、実施例13のノリルGTX樹脂90重量%、PTFE10重量%をコーティングした回転子の場合より多い傾向であった。
これらの結果から、本発明の樹脂コーティング方法は、樹脂の省資源、剥離強度、成形品の表面精度等の面から、流動浸漬法より優れた技術であると言える。
金属製回転子の概略図である。 樹脂被覆金属製回転子を装着した自動車用過給機(スーパーチャージャー)の概略図である。 樹脂被覆金属製回転子を装着した自動車用過給機(スーパーチャージャー)の試験装置の概略図である。 コーティング樹脂層内部のTEM写真である。
符号の説明
1 アルミニウム製回転子
2 まゆ型形状の断面
3 幅広部分
4 貫通中空部
5 中心部
6 長手方向頂点
7 リブ
8 軸
9 穴部
10 張り出した軸部分
11 スーパーチャージャー性能評価装置
12 モータ
13 トルク計
14 スーパーチャージャー
15 エアーフィルター
16 バルブ
17 マフラー
18 吸気温度計
19 吸気圧力計
20 排気温度計
21 排気圧力計
22 流量計

Claims (8)

  1. インサート成形により流体機械の金属製回転子表面に樹脂をコーティングする方法であって、前記金属製回転子を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度以下の範囲内で、また、インサート成形用金型を30℃以上前記樹脂の溶融射出温度−50℃以下の範囲内で、各々予め定められた温度に加熱する予加熱工程と、予加熱された前記金属製回転子が予加熱された前記インサート成形用金型内に位置された状態で、溶融樹脂を射出するインサート成形工程と、成形物を金型内で保持する保持工程と、前記インサート成形物を金型から取出し、室温まで徐冷する冷却工程とを含むことを特徴とする流体機械用の金属製回転子の樹脂コーティング方法。
  2. 前記金属製回転子が、鋼、鉄、銅、アルミニウム、チタンまたはそれらを含む合金、あるいはそれらの複合部材より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング方法。
  3. 前記樹脂が、熱可塑性樹脂であって、単独重合体、共重合体、ポリマーブレンド物、ポリマーアロイ、およびポリマーを主成分とする複合材料の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし2に記載の樹脂コーティング方法。
  4. 前記金属製回転子の表面にコーティングされる前記樹脂の厚さが、5μm〜10mmの範囲で、金属製回転子表面の各部位において任意の厚さで成形できることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂コーティング方法。
  5. 前記金属製回転子の表面が、研磨処理、エッチング処理、ショットブラスト処理、ローレット加工およびシランカップリング処理から選ばれた少なくとも1種によって予め表面処理されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂コーティング方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂コーティング方法により得られた回転子であって、−40℃〜200℃の温度範囲の空気雰囲気中で樹脂割れが発生しないことを特徴とする樹脂被覆金属製回転子。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂コーティング方法により得られた回転子であって、0℃〜100℃の温度範囲の水中において樹脂割れ、もしくは樹脂剥離が発生しないことを特徴とする樹脂被覆金属製回転子。
  8. 請求項6および7のいずれかに記載の樹脂コーティング金属製回転子であって、耐異物噛み込み性に優れていることを特徴とする樹脂被覆金属製回転子。

JP2005206238A 2005-07-14 2005-07-14 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子 Pending JP2007021857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005206238A JP2007021857A (ja) 2005-07-14 2005-07-14 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005206238A JP2007021857A (ja) 2005-07-14 2005-07-14 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007021857A true JP2007021857A (ja) 2007-02-01

Family

ID=37783248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005206238A Pending JP2007021857A (ja) 2005-07-14 2005-07-14 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007021857A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009101821A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Polyplastics Co., Ltd. 複合成形品の製造方法
WO2009101822A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Polyplastics Co., Ltd. 複合成形品の製造方法
JP2017524554A (ja) * 2014-06-11 2017-08-31 サビック・イノヴェイティヴ・プラスティックス・ビイ ブイ プラスチック‐金属ハイブリッド構成部品を形成するための、金属及びプラスチックからなる材料複合体を製造するための方法
JP2017205920A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 株式会社ジェイテクト 歯車の製造方法
JP2021146654A (ja) * 2020-03-20 2021-09-27 株式会社日本製鋼所 捻れのある樹脂成形品を成形する成形方法
JP2022052638A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 東海興業株式会社 射出成形品及びその検査方法
US20230067061A1 (en) * 2020-01-30 2023-03-02 Fujitsu General Limited Rotary compressor

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009101821A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Polyplastics Co., Ltd. 複合成形品の製造方法
WO2009101822A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Polyplastics Co., Ltd. 複合成形品の製造方法
JP2009190294A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Polyplastics Co 複合成形品の製造方法
JP2009190293A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Polyplastics Co 複合成形品の製造方法
JP2017524554A (ja) * 2014-06-11 2017-08-31 サビック・イノヴェイティヴ・プラスティックス・ビイ ブイ プラスチック‐金属ハイブリッド構成部品を形成するための、金属及びプラスチックからなる材料複合体を製造するための方法
JP2017205920A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 株式会社ジェイテクト 歯車の製造方法
US20230067061A1 (en) * 2020-01-30 2023-03-02 Fujitsu General Limited Rotary compressor
JP2021146654A (ja) * 2020-03-20 2021-09-27 株式会社日本製鋼所 捻れのある樹脂成形品を成形する成形方法
JP2022052638A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 東海興業株式会社 射出成形品及びその検査方法
JP7421457B2 (ja) 2020-09-23 2024-01-24 東海興業株式会社 射出成形品及びその検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007021857A (ja) 流体機械の金属製回転子の樹脂コーティング方法ならびに樹脂被覆金属製回転子
JP4435093B2 (ja) 樹脂コーティング方法とインサート成形品並びに樹脂被覆金属歯車類
EP2623780B1 (en) Swash plate of swash plate compressor and swash plate compressor
KR20080026118A (ko) 열 팽창 계수가 낮은 수지 조성물 및 이로부터의 물품
JP6120287B2 (ja) 被潤滑摺動システム用摺動要素
Tewari et al. Tribological behavior of polyimides
EP3679098A1 (fr) Pieces en polyether cetone cetone presentant une stabilite dimensionnelle amelioree
WO2014024383A1 (ja) ゴム材料と接触する部材
Nozawa et al. Tribology of polymer injection-molded stainless steel hybrid gear
CN108440879A (zh) 高温增压聚四氟乙烯复合材料及其产品制造工艺及环垫
Tan et al. Mechanism of thermoviscoelasticity driven solid-liquid interface reducing friction for polymer alloy coating
EP1411109B1 (en) Solid lubricant and method for covering a sliding member
Kulkarni et al. Development and testing of PTFE based composite bearing material for turbine pump
CN113337130B (zh) 一种含有杂化纳米填料的隔离网络复合材料、其制备方法及其用途
JP2875773B2 (ja) 合成樹脂製オイルシールリング
Lv et al. An investigation of the microstructure and tribological behavior of polyether ether ketone composites fabricated by extrusion‐based additive manufacturing
Myshkin et al. Friction and wear of polymers and polymer composites
JP4024514B2 (ja) ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物並びにフィルム及びシート
Li et al. Reinforcement efficiency from weak polymer chain interaction between polyamide and hydrogenated nitrile: A comparative study of polyamide 1212 and polyamide 6
JP2002129005A (ja) ポリエーテル芳香族ケトン系樹脂組成物並びにフィルム及びシート
Li Effect of fiber surface treatment on wear characteristics of carbon fiber reinforced polyamide 6 composites
Bobby et al. Tribology of UHMWPE and PEEK bulk and composite coatings: A review
Li et al. The oxidation‐treated interface on tribological properties of carbon fibers‐reinforced PTFE composite under oil‐lubricated condition
EP3862587B1 (en) Sliding member
JP7351037B2 (ja) 改善されたトライボロジー材料特性を有するポリエーテルエーテルケトンの熱可塑性組成物およびその使用

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080410

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20090331