JP2007021592A - エアインパクトレンチ - Google Patents

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Abstract

【課題】給気用エアホースが作業の妨げとならないように本体に接続でき、本体が持ちやすく、楽に安定して操作でき、操作性の向上と疲労の軽減が図れる様にしたエアインパクトレンチを提供する。
【解決手段】本体1の後端面に、本体1の中心軸線Sに対して斜め後方側部に傾斜して突出する上下脚部8,9と、この上下脚部8,9の突出端間に形成された把持部10とからなる主ハンドル7が一連に形成され、該把持部10が本体1の中心軸線Sに対して一方の側にオフセットして取り付けられており、エアモータ17部への給気用エアホース接続口15が本体1の後端面に前記主ハンドル7の把持部10とオーバーラップしないように形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ボルト・ナット類の締め付け・緩めなどの作業に使用されるエアインパクトレンチに関するものである。
この種のエアインパクトレンチは、本体内にエアモータ部とハンマー部を備え、エアモータ部に圧縮エアを供給して回転トルクを発生させ、この回転トルクをハンマー部に伝達し、このハンマー部からアンビルに回転方向の打撃トルクを伝達して、アンビルの先端に装着した工具(ソケット形状のものやビット形状のもの)でボルト・ナット類の締め付けや緩めを行う構成とされている。
この種のエアインパクトレンチのハンドルは、本体の後端面に後方に向けて真っ直ぐに突出させた上下脚部の突出端に把持部を一連に形成して全体として上下脚部と把持部とが本体の後端面に略コ字形乃至D字形に取り付けられた第1のタイプと本体の中心軸線方向の途中側面(下面)に側方(下方)に向けて突出させて全体としてピストル型に取り付けた第2のタイプとに大別されている。
そして、エアモータ部への給気用エアホース接続口は、第1のタイプにあっては、ハンドルの把持部下端に下向きに形成されている。また、第2のタイプにあっては、ハンドルの下端に下向きに形成されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭61−117673号公報
この種のエアインパクトレンチにあっては、作業者がその利き手で主ハンドルを把持し、他方の手で本体に設けられた補助ハンドルを把持して締め付けや緩めの作業を行うことになるため、両手が塞がった状態で作業をすることになり、エアモータ部への圧縮エアの供給・停止を行う始動レバーは、作業者の利き手で把持する主ハンドルの把持部に形成され、作業者が主ハンドルを把持したままでその利き手の人差し指などで始動レバーを操作できるように構成されている。
このような背景から、始動レバーで開閉制御される始動弁も主ハンドル内に組み込まれており、この始動弁の設置部分への圧縮エアの供給を行うエア通路も主ハンドル内に形成され、このエア通路へ圧縮エアを供給する給気用エアホース接続口は、主ハンドルの端部に形成されていたものである。
従来の第1のタイプにあっては、本体の後端面に略コ字形乃至D字形に取り付けられている主ハンドルの把持部の下端に給気用エアホース接続口が下向きに形成されているため、この接続口に接続されるエアホースは、本体の中心軸線から本体の径方向に大きく偏芯した位置から導出されて後方のコンプレッサなどの圧縮エア供給源に接続されることになっている。このため、エアホースが本体の後端から下方に垂れ下がって後方に繋がった状態で作業を行うことになり、本体をその中心軸線の回りで左右に捻った状態で対象物の締め付けや緩めを行う場合(こういう場合が少なくない)、エアホースの自重による本体中心軸線回りの復元モーメントが大きくなり、作業がし難く、大きな操作力を必要として疲労度も増加し、しかも、エアホースが本体の中心軸線から本体の径方向に大きく偏芯して導出されているため、周辺部材と干渉し易く、エアホースが損傷し易いなどの問題点があった。なお、従来の第1のタイプにおいて、例えば、給気用エアホース接続口を本体の後端面に形成することも考えられるが、この場合では、エアホースが主ハンドルとオーバーラップして干渉し、主ハンドルの把持を妨げたり、エアホースを迂回させる必要があるなどの不具合がある。
また、第2のタイプにあっても、上記した第1のタイプと同様な問題点があった。
本発明は、従来のエアインパクトレンチの上記問題点に鑑みて開発されたもので、その目的とするところは、給気用エアホースが作業の妨げとならないように本体に接続でき、本体が持ちやすく、楽に安定して操作でき、操作性の向上と疲労の軽減が図れる様にしたエアインパクトレンチを提供することである。
前記目的を達成するために本発明は、本体内にエアモータ部とハンマー機構部を備え、前記エアモータ部に左右切替バルブを介して圧縮エアを正転方向と逆転方向とに切替供給して回転トルクを発生させ、この回転トルクをハンマー機構部に伝達し、このハンマー機構部からアンビルに回転方向の打撃トルクを伝達して、アンビルの先端に装着した工具でボルト・ナット類の締め付けや緩めを行うエアインパクトレンチにおいて、
前記本体の後端面に、本体の中心軸線に対して斜め後方側部に傾斜して突出する上下脚部と、この上下脚部の突出端間に形成された把持部とからなる主ハンドルが一連に形成され、該把持部が本体の中心軸線に対して一方の側にオフセットして取り付けられており、前記エアモータ部への給気用エアホース接続口が本体の後端面に前記主ハンドルの把持部とオーバーラップしないように形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、主ハンドルが本体の後端面に設けられているにも拘わらず、給気用エアホースを、主ハンドルに妨げられることなく、本体の後端面から本体の中心軸線に沿って真っ直ぐに後方へ導出することができる。これによって、給気用エアホースが無理に曲げられることがなく、また、周辺部材への衝突や擦過疵の発生も回避でき、従って、狭い場所などでのボルト・ナット類の締め付けや緩め作業を行う場合に給気用エアホースが作業の妨げとなることがない。
また、前記本体の後端面には、エア排出口が前記主ハンドルの把持部とオーバーラップしないように形成されていることを特徴としている。
更に、前記エア排出口には、消音器又は排出ホースが接続可能とされていることを特徴としている。
上記構成によれば、本体の後端面に、エア排出口が主ハンドルとオーバーラップしないように形成されているため、消音器を接続する場合においても、また、排出ホースを接続した場合でも主ハンドルと干渉せず、また、本体の外周から食み出すこともなく、周辺部材との干渉も回避することができる。
本発明によれば、給気用エアホースが作業の妨げとならないように本体に接続でき、本体が持ちやすく、楽に安定して操作でき、操作性の向上と疲労の軽減が図れる様にしたエアインパクトレンチを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、1は本体であり、中央部がモータケース2とされ、前部がハンマーケース3とされ、後部がコントロールケース4とされ、各ケースは本体1の前後方向の中心軸線Sに沿って長手方向に接合連結され、各接合部には、ゴム等の弾性材料からなるシール環体5,6が嵌合されている。
コントロールケース4の一側(図1〜図3では右利き用として左側面としているが、左利き用の場合は右側面とされる)には、主ハンドル7が本体1の中心軸線Sに対して斜め後方側部に傾斜して突出する上下脚部8,9の突出端間に把持部10が一連に形成されている。
また、補助ハンドル11がハンマーケース3の一側に突出して取り付けられている。主ハンドル7と補助ハンドル11は、本体1の中心軸線Sに対して同じ側にオフセットして取り付けられており、作業者が右手で主ハンドル7を握り、左手で補助ハンドル11を把持して操作できるようにしている。
前記コントロールケース4の下面には、左右切替レバー12が本体1の中心軸線Sに直交する軸線Tの回りで左右それぞれ45°の範囲で回動操作可能に装着されている。この左右切替レバー12は、圧縮エアの供給量を調節するレバーを兼ねており、3段階に調節可能とした場合を例示している。
主ハンドル7の把持部10の上端付近には、始動レバー13が支軸14の回りで一定角度範囲で回動操作可能に枢着されている。
コントロールケース4の後端面には、給気用エアホース接続口15とエア排出口16が後者を上、前者を下にして上下に並べて形成されている。これらの配置は、上下逆でもよく、左右や斜めに並べて配置してもよい。いずれにしても、これら給気用エアホース接続口15とエア排出口16は、主ハンドル7とオーバーラップしないように、特に、主ハンドル7の把持部10とオーバーラップしないような位置関係に形成されている。
次に、本体1の内部構造を図4を参照して説明する。
モータケース2内には、エアモータ17がロータ軸18を介して本体1の前後方向の軸心(中心軸線S)回りに回転自在に軸承されている。エアモータ17は、図4及び図5に示すように、円筒状のシリンダ19と該シリンダ19の前後の端板20,21とで偏芯円筒空間22を構成し、この空間22に円柱体形状のロータ23がロータ軸18を介して偏芯状態で回転自在に支持され、該ロータ23の円周等配位置にロータ羽根24が径方向外方に突出退入自在に嵌合された構成からなっている。
シリンダ19には、図5に示すように、右回転用エア導入口25と左回転用エア導入口26と排気口27とが径方向内外に貫通して形成され、これらは、排気口27に対して右回転用エア導入口25と左回転用エア導入口26とが互いに対称位置に形成されている。
シリンダ19の両端は、端板20,21を含めてモータケース2内に嵌合されており、このモータケース2は、後方に向けて拡開する形状とされ、後端壁部2aに左右2つに分けられたエア導入通路28,29と1つの排気通路30とが区画形成されている。2つのエア導入通路28,29は、シリンダ19とモータケース2との間に区画形成された空間を通じて、前記左右回転用エア導入口25,26に、また、排気通路30は、前記排気口27にそれぞれ連通せしめられている。
前記ロータ軸18の前端部は、図4に示すように、ハンマーケース3内に突出しており、このロータ軸18の前端部には、スプラインジョイント31がスプライン嵌合されている。このスプラインジョイント31の外周には、ハンマー33の後端部がスプライン嵌合されている。なお、ハンマー33の途中にはエア抜き孔35が適宜形成されている。
ハンマー33は、ロータ軸18の延長線上に配置されたカム軸34に回転及び軸方向摺動自在に支持されている。カム軸34のフランジ部34aの前面には、図7に示すように、円周方向の一部に突部34cを残して半球状凹溝34bが略全周に亘って形成され、この半球状凹溝34bにはボール32が転動可能に保持されており、これと対向するハンマー33の後端内周端面33bには、カム突部33cが形成されている。
上記ハンマー33の前面側には、図4に示すように、アンビル36が配置されている。アンビル36は、ハンマーケース3に軸受スリーブ37を介して回転自在に支持されている。アンビル36の後端には、カム軸34の前端がスプライン嵌合されている。
ハンマー33の前面には、軸方向前方に突出する複数個のハンマー突起33aが周方向等配位置に形成されており、これに対応して、アンビル36の後端面には、軸方向後方に突出する複数個の羽根部36aが形成されている。これらのハンマー突起33aと羽根部36aは、ハンマー33の右回転と左回転のいずれの方向の回転に対しても同様な反復打撃回転トルク伝達特性を持つ形状(例えば、左右回転方向に対称形状)とされている。
ハンマー33の前面とアンビル36の後面との間には、リターンスプリング38がカム軸34をガイドとして圧縮介在されており、ハンマー33を、常時、アンビル36から後方へ離隔させる方向に向けて弾圧している。
アンビル36の先端には、ソケットレンチ等の工具が着脱自在に取り付けられる取付部36bが形成されている。
上記構造によって、エアモータ17のロータ軸18とスプライン嵌合するスプラインジョイント31の回転により、ハンマー33が回転し、図7のカム突部33cがボール32を周方向に押しながら回転し、該ボール32がカム軸34の突部34cに乗り上げることによって、ハンマー33がリターンスプリング38に抗して軸方向前方へ押し出され、ハンマー突起33aがアンビル36の羽根部36aを打撃してアンビル36に回転方向の打撃トルクを伝達するハンマー機構部39を構成している。カム突部33cは、ハンマー33の1回転中にボール32をカム軸34の突部34cに1回だけ乗り上げてハンマー33を軸方向前方に押し出し、さらに、ボール32が該突部34cを乗り越えると、ハンマー33がリターンスプリング38によって、ただちに軸方向後方に押し戻される構成とされている。上記カム突部33c及びカム軸34の突部34cの形状は、ハンマー33の右回転と左回転のいずれにおいても同様な軸方向変位をハンマー33に付与する形状(例えば、左右回転方向に対称形状)とされている。
コントロールケース4は、図4に示すように、内部が、排気室40と、給気受容室41と、給気通路室42とに区画形成されている。
排気室40は、前面側が前記排気通路30に連通され、後面側がエア排出口16に連通され、このエア排出口16には、消音器43が回動可能に取り付けられており、排気方向を自由に変更できるように構成されている。この消音器43は、円筒キャップ形状のケースの外周面に複数のスリット孔43aを形成した形状を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、内部に消音材を充填してもよく、迷路状の消音通路を形成させてもよい。また、消音器43の代わりに排出ホース(図示省略)を接続して、排気を適当な場所まで誘導して排出させてもよい。
給気受容室41は、後面側が給気用エアホース接続口15に連通され、この室41は主ハンドル7の把持部10の下端側内部に形成された始動弁室44の入口側に主ハンドル7の下脚部9内の第1通路45を経由して連通されている。
給気通路室42は、始動弁室44の出口側に主ハンドル7の下脚部9内の第2通路46を経由して連通されている。
上記第1通路45と第2通路46は、主ハンドル7の下脚部9内に区画壁47で区画形成されている(図4及び図6参照)。
始動弁室44の入口側室(下部室)内には、ボール状弁体からなる始動弁48が、弁ばね49により、弁座50に向けて圧接されて、給気通路を、常時、閉じる方向に付勢された状態で配置されている。
上記始動弁室44の出口側室(上部室)内には、主ハンドル7の把持部10の上端部側に取り付けられた始動レバー13により前記弁ばね49に抗して始動弁48を弁座50から離隔させるためのスロットルピン51が配置されている。
また、給気通路室42には、左右切替バルブ52が設置されている。この左右切替バルブ52は、円筒体53とこの円筒体53内に回動可能に収納された円柱状の弁体54とからなっている。円筒体53には、図6に示すように、4つの窓孔55,56,57,58が周方向に90°の間隔で径方向に貫通して形成されており、第1の窓孔55は前記第2通路46を経て始動弁室44の出口側室に連通され、この第1の窓孔55に対して左右に90°回動した位置の第2の窓孔56と第3の窓孔57は前記エア導入通路28,29に連通する左右給気通路59,60に連通され、第4の窓孔58は第1の窓孔55に対して円筒体53の直径方向に対向した位置にあり、この位置に形成された排気室61に連通され、この排気室61は、前記排気室40に連通されている。
上記弁体54には左右切替レバー12が結合され、このレバー12は、中立位置と、この中立位置から左右にそれぞれ45°の範囲で回動させることができるように構成されている。そして、中立位置では、弁体54で第1の窓孔55と第4の窓孔58とを閉じ、かつ、第2の窓孔56と第3の窓孔57とを遮断し、中立位置から右に45°回動させると、第1と第2の窓孔55,56を連通させ、同時に第3と第4の窓孔57,58を連通させ、また、中立位置から左に45°回動させると、第1と第3の窓孔55,57を連通させ、同時に第2と第4の窓孔56,58を連通させるように連通溝54a,54bが対称的に形成されている。
なお、上記左右切替バルブ52は、中立位置から左右にそれぞれ45°の範囲内で途中の任意の角度で止めることができ、このように途中で止めると、弁体54の閉鎖壁部54cによる窓孔の開度が角度に比例して変化し、圧縮エアの供給量を調整することができる構成とされている。
本発明のエアインパクトレンチの実施形態は、以上の構成から成り、次に動作を説明する。本体1の後端面の給気用エアホース接続口15には、ホース接続金具62が取り付けられており、この金具62に、コンプレッサなどの圧縮エア供給源に接続されたエアホース(図示省略)を接続しておく。そして、左右切替レバー12を右側に切り替えておき、この状態で、始動レバー13を操作すると、スロットルピン51により始動弁48を弁座50から離隔させてエア通路を開放する。始動レバー13の操作を加減調整すると、始動弁48の開度が調整できる。
始動弁48が開放すると、圧縮エアは、本体1の後端面に設けた給気用エアホース接続口15からコントロールケース4内の給気受容室41に入り、主ハンドル7の下脚部9内に形成された第1通路45を経て主ハンドル7の把持部10の下部内に形成された始動弁室44の入口側室に至り、さらに、弁座50の孔と始動弁48の弁隙間を通過して始動弁室44の出口側室に入り、ここから主ハンドル7の下脚部9内に形成された第2通路46を経てコントロールケース4内に形成された給気通路室42に入り、この給気通路室42に設置された左右切替バルブ52の円筒体53の第1の窓孔55から弁体54の連通溝54a及び第2の窓孔56を通り、コントロールケース4内の右給気通路59からモータケース2の後端壁部2aに形成された右用エア導入通路28を経てエアモータ17のシリンダ19の右回転用エア導入口25からエアモータ17とロータ23との偏芯円筒空間22内に流入してロータ23を右回転させる。
エアモータ17内の排気は、シリンダ19の排気口27からモータケース2の後端壁部2aの排気通路30を経てコントロールケース4の排気室40に入るものと、シリンダ19の左回転用エア導入口26からモータケース2の後端壁部2aの左用エア導入通路29を通り、コントロールケース4内の左給気通路60から左右切替バルブ52の円筒体53の第3の窓孔57から弁体54の連通溝54b及び第4の窓孔58を経て排気室61に入り、この排気室61から前記排気室40に入るものとがあり、いずれも排気室40を経て本体1の後端面に設けたエア排出口16から消音器43内を通って複数のスリット孔43aから排出される。
圧縮エアを上記のように本体1のエアモータ17に供給することにより、エアモータ17のロータ23は右回転する。ロータ23が右回転すると、ロータ軸18とスプライン嵌合されたスプラインジョイント31も右回転し、これとスプライン嵌合されたハンマー33も一体的に右回転する。このハンマー33の右回転により、ボール32がカム軸34の半球状凹溝34bを転動しながら突部34cに乗り上げてハンマー33を軸方向前方に押し出し、ハンマー突起33aによりアンビル36の羽根部36aを右回転方向に反復打撃してアンビル36を右回転方向に打撃を繰り返しながら右回転させる。これにより、アンビル36の先端の取付部36bに取り付けた工具(図示省略)によって右ねじ方式のボルト・ナット類であれば、締め付けを行うことになり、左ねじ方式のボルト・ナット類であれば、緩めを行うことになる。
上記動作は、左右切替レバー12を右側に切り替えた場合であるが、これを左側に切り替えると、圧縮エアの供給経路が左右切替バルブ52の円筒体53と弁体54との部分で第1の窓孔55と第3の窓孔57とが連通し、第2の窓孔56と第4の窓孔58とが連通してエアモータ17のシリンダ19とロータ23との間の偏芯円筒空間22内に左回転用エア導入口26から圧縮エアが導入されてロータ23が左回転せしめられ、スプラインジョイント31,ハンマー33、カム軸34上のボール32とカム突部33cとからなるハンマー33の軸方向変位付与機構を経てアンビル36が前記と逆方向の回転(左回転)方向に打撃を繰り返しながら左回転する。これにより、右ねじ方式のボルト・ナット類であれば、緩めを行うことになり、左ねじ方式のボルト・ナット類であれば、締め付けを行うことになる。
また、左右切替レバー12の左右切替に当たり、0〜45°の範囲内で、任意の角度に設定することができ、この角度に比例してエア通路の開度を変化させ、圧縮エアの流量を調整することができる。
上記実施形態の構成によれば、主ハンドル7が本体1の後端面に設けられているにも拘わらず、給気用エアホースを、主ハンドル7の把持部10に妨げられることなく、本体1の後端面から本体1の中心軸線Sに沿って真っ直ぐに後方へ導出することができる。これによって、給気用エアホースが無理に曲げられることがなく、また、周辺部材への衝突や擦過疵の発生も回避でき、従って、狭い場所などでのボルト・ナット類の締め付けや緩め作業を行う場合に給気用エアホースが作業の妨げとなることがない。
また、主ハンドル7と補助ハンドル11とは、本体1の中心軸線Sに対して同じ側にオフセットして取り付けられているため、作業者が本体1の後端面の主ハンドル7を利き手で把持して腰横に構え、この位置を起点として、他方の手で前方の補助ハンドル11を把持してアンビル36の先端の工具を作業者の前方の対象物に向けて楽に安定して操作することができ、本体1が持ちやすくなり、対象物に向け易くなり、操作性の向上と疲労の軽減が図れる。
また、前記本体1の後端面には、エア排出口16が前記主ハンドル7の把持部10とオーバーラップしないように形成されているため、消音器43を接続する場合においても、また、排出ホースを接続した場合でも主ハンドル7の把持部10と干渉せず、また、本体1の外周から食み出すこともなく、周辺部材との干渉も回避することができる。
さて、本発明の実施形態の構成と動作は、以上の通りであるが、本発明は、この実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求範囲に記載した意味と範囲内において種々変形して実施することができるもので、例えば、エアモータ17やハンマー機構部39は、他の構成のものを採用してもよい。また、エア排出口16には消音器43を設けた場合を例示しているが、これに代えて排出ホースを接続し、締め付け作業場所から離れた場所へ排気するようにしてもよい。また、消音器43の構造は他の構造としてもよい。さらに、始動レバー13は、主ハンドル7の把持部10の外側上部(後面側上部)に設けた場合を例示しているが、内側上部(前面側上部)に設けてもよい。
本発明の実施形態に係るエアインパクトレンチの側面図である。 図1の下から見た底面図である。 図1の右側から見た端面図である。 図1の縦断側面図である。 図4のエアモータ部分の縦断面図である。 図4の左右切替バルブ部分の横断面図である。 図4におけるハンマーのカム突部とカム軸のボールとの関係を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 本体
2 モータケース
3 ハンマーケース
4 コントロールケース
7 主ハンドル
11 補助ハンドル
12 左右切替レバー
13 始動レバー
15 給気用エアホース接続口
16 エア排出口
17 エアモータ
18 ロータ軸
19 シリンダ
23 ロータ
24 ロータ羽根
31 スプラインジョイント
32 ボール
33 ハンマー
34 カム軸
36 アンビル
39 ハンマー機構部
40 排気室
41 給気受容室
42 給気通路室
43 消音器
44 始動弁室
48 始動弁
52 左右切替バルブ
53 円筒体
54 弁体
55〜58 窓孔

Claims (3)

  1. 本体(1)内にエアモータ(17)部とハンマー機構部(39)を備え、前記エアモータ(17)部に左右切替バルブ(52)を介して圧縮エアを正転方向と逆転方向とに切替供給して回転トルクを発生させ、この回転トルクをハンマー機構部(39)に伝達し、このハンマー機構部(39)からアンビル(36)に回転方向の打撃トルクを伝達して、アンビル(36)の先端に装着した工具でボルト・ナット類の締め付けや緩めを行うエアインパクトレンチにおいて、
    前記本体(1)の後端面に、本体(1)の中心軸線(S)に対して斜め後方側部に傾斜して突出する上下脚部(8)(9)と、この上下脚部(8)(9)の突出端間に形成された把持部(10)とからなる主ハンドル(7)が一連に形成され、該把持部(10)が本体(1)の中心軸線(S)に対して一方の側にオフセットして取り付けられており、前記エアモータ(17)部への給気用エアホース接続口(15)が本体(1)の後端面に前記主ハンドル(7)の把持部(10)とオーバーラップしないように形成されていることを特徴とするエアインパクトレンチ。
  2. 前記本体(1)の後端面には、エア排出口(16)が前記主ハンドル(7)の把持部(10)とオーバーラップしないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアインパクトレンチ。
  3. 前記エア排出口(16)には、消音器(43)又は排出ホースが接続可能とされていることを特徴とする請求項2に記載のエアインパクトレンチ。
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JP2016043445A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 日立工機株式会社 打込機

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