JP2007021378A - 3次元構造物の作製方法および該方法によって作製されるスペーサ、ならびに該方法に用いられる液滴乾燥装置 - Google Patents

3次元構造物の作製方法および該方法によって作製されるスペーサ、ならびに該方法に用いられる液滴乾燥装置 Download PDF

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弘枝 高谷
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【課題】 液滴の移動を抑え、3次元構造物を所望の位置に精度良く作製することのできる3次元構造物の作製方法および該方法に用いられる液滴乾燥装置を提供する。
【解決手段】 基板1の構造物作製予定部3に配置された液滴2から溶媒を蒸発させて液滴2を乾燥させる際に、液滴乾燥装置19を用い、温度制御装置25によって、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上として溶媒を蒸発させる。また、液滴乾燥装置19の気流形成手段59によって、液滴2の周囲に気体の流れ54を形成させて溶媒を蒸発させる。
【選択図】 図19

Description

本発明は、3次元構造物の作製方法および該方法によって作製されるスペーサ、ならびに該方法に用いられる液滴乾燥装置に関する。
液晶ディスプレイパネル(以後、単に液晶パネルとも称する)のスペーサ、マイクロレンズなどとして用いられる微小な3次元構造物を形成する方法の一つとして、固化成分と溶媒とを含む液滴を基板上に配置し、この液滴を乾燥させ、必要に応じて硬化させることによって3次元構造物を作製する方法が知られている。このようにして作製される3次元構造物は、スペーサ、マイクロレンズなどに限らず、様々な分野での利用が期待されている。
3次元構造物には高い位置精度が求められる場合が多い。たとえば、液晶パネル用のスペーサは、表示に使用されない領域、たとえば基板の遮光部または遮光部が投影される領域(以後、遮光領域と総称することがある)に形成される必要がある。スペーサが表示に使用される画素領域に形成されると、光抜け、液晶の配向不良などの問題が生じる。このため、スペーサには、基板間距離を均一に保持するための厳密な高さ精度に加えて、厳密な位置精度が求められる。
3次元構造物を位置精度良く作製する方法としては様々な方法が提案されている。たとえば、スペーサを基板の所望の部分に形成する方法として、硬化性を有する樹脂組成物を溶剤に混合してなる液体材料をインクジェット吐出装置によって基板上に吐出させ、吐出された液滴を硬化させることによってスペーサを形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
特開2001−109002号公報(第4−6頁,第2図) 特開2001−83525号公報(第4−5,7頁,第2図) 特開2002−131524号公報(第6−8頁,第2図) 特開2001−83314号公報(第5,7頁,第2図)
液晶パネル用のスペーサに求められる形状は、たとえば高さ数μm、底面の直径十数μm程度の球冠状または円柱状である。この形状を実現するためには、1pL以下という非常に微量の液滴をインクジェット吐出装置から吐出させなければならない。たとえば、高さが6μm、直径が18μmであって、基板との接触角が67.4°程度の球冠状のスペーサを作製するのに必要な液滴の体積は0.9pL程度と見積もられる。これに対し、一般的なインクジェット吐出装置において安定的に吐出可能な液滴体積はおおむね4〜5pL以上であるので、硬化性樹脂組成物そのものを液体材料として用いて作製された3次元構造物は、体積が4〜5pL以上であり、スペーサとして使用するには大きすぎる。
このため、スペーサを形成する場合には、特許文献1〜4などに開示の技術のように、スペーサとなる硬化性樹脂組成物などの固化成分を溶媒で希釈したものを液体材料として用いる必要がある。
しかしながら、本発明者の研究によれば、溶媒を含む液体材料を用いた場合に、液滴中の溶媒を蒸発させて液滴を乾燥させるために基板を加熱すると、液滴が移動して、所望の位置からずれた位置にスペーサが形成されるという問題が生じることが判った。
さらに研究を進めた結果、液滴の移動量は、液滴中の溶媒の割合に依存し、蒸発させるべき溶媒の割合が増加するのに伴って、液滴の移動量も増加する傾向にあることが判った。また、液滴の位置ずれの方向はランダムであり、予め液滴の移動量および移動方向を想定することは困難であった。このように、特許文献1〜4などに開示の技術では、所望の位置に精度良く3次元構造物を形成することは困難である。
液滴の位置ずれの問題は、液晶パネル用のスペーサを形成する場合に限定されず、乾燥工程を必要とする液滴によって3次元構造物を形成する場合に共通の問題であり、特に、固化成分の2倍以上という多量の溶媒を含む液滴で3次元構造物を形成する場合に顕著となる。
本発明の目的は、液滴の移動を抑え、3次元構造物を所望の位置に精度良く作製することのできる3次元構造物の作製方法および該方法によって作製されるスペーサ、ならびに該方法に用いられる液滴乾燥装置を提供することである。
本発明は、基板の予め定める部分に3次元構造物を作製する3次元構造物の作製方法であって、
基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分に、固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する液滴配置工程と、
配置された液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥工程とを含み、
液滴乾燥工程では、
液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして溶媒を蒸発させることを特徴とする3次元構造物の作製方法である。
また本発明は、液滴乾燥工程では、
自然乾燥によって液滴を乾燥させることを特徴とする。
また本発明は、基板の予め定める部分に3次元構造物を作製する3次元構造物の作製方法であって、
基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分に、固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する液滴配置工程と、
配置された液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥工程とを含み、
液滴乾燥工程では、
液滴の周囲に気体の流れを形成させて溶媒を蒸発させることを特徴とする3次元構造物の作製方法である。
また本発明は、液滴乾燥工程において液滴の周囲を流過する気体の温度が、液滴の温度以上であることを特徴とする。
また本発明は、液滴乾燥工程では、
気体の流れを、基板の液滴が配置された表面に略垂直な方向に形成させることを特徴とする。
また本発明は、対向する一対の基板間に設けられるスペーサであって、
一対の基板のうち少なくともいずれか一方の基板に設けられる遮光部または遮光部が投影される領域に、前記本発明の3次元構造物の作製方法によって形成される3次元構造物から成ることを特徴とするスペーサである。
また本発明は、基板に配置される固化成分と溶媒とを含む液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥装置であって、
基板に配置された液滴の周囲に気体の流れを形成する気流形成手段を備えることを特徴とする液滴乾燥装置である。
また本発明は、液滴の周囲の気体の温度を測定する雰囲気温度測定手段と、
液滴の温度を測定する液滴温度測定手段と、
雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上になるように制御する制御手段とをさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、制御手段は、雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の温度を制御する機能をさらに有することを特徴とする。
また本発明は、気流形成手段は、気体を排気する気体排気手段を含み、
気体排気手段は、基板の液滴が配置された表面を臨むように形成される吸引口を有する吸引部材を備えることを特徴とする。
また本発明は、気流形成手段は、基板の液滴が配置された表面へ気体を供給する気体供給手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、3次元構造物は液滴配置工程と液滴乾燥工程とを経て作製される。液滴配置工程では、基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分(以後、構造物作製予定部と称する)に固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する。液滴乾燥工程では、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして液滴から溶媒を蒸発させることによって、液滴を乾燥させる。このように、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして溶媒を蒸発させることによって、液滴から蒸発して蒸気となった溶媒が液滴の周囲の気体によって冷却されることを防ぐことができるので、溶媒の再液化を抑制することができる。これによって、再液化された溶媒が液滴または基板に付着することを防ぐことができるので、液滴の移動を抑え、3次元構造物の構造物作製予定部からの位置ずれを防ぐことができる。したがって、基板の所望の位置に精度良く3次元構造物を作製することができる。
また本発明によれば、液滴乾燥工程では、自然乾燥によって液滴を乾燥させる。このことによって、3次元構造物の位置ずれをより確実に抑えることができる。このような効果が得られるのは、液滴を自然乾燥によって乾燥させる場合、液滴と液滴の周囲の気体との間に動的な温度変化がなく、静的に液滴の乾燥が進行するので、液滴の周囲の気体の温度分布などに乱れが生じず、蒸発した溶媒が再液化されることなく拡散されるためであると推察される。
また本発明によれば、3次元構造物は液滴配置工程と液滴乾燥工程とを経て作製される。液滴配置工程では、基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分(以後、構造物作製予定部と称する)に固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する。液滴乾燥工程では、液滴の周囲に気体の流れを形成させて液滴から溶媒を蒸発させることによって、液滴を乾燥させる。このように、液滴の周囲に気体の流れを形成させて溶媒を蒸発させることによって、蒸発後に溶媒が再液化された場合であっても、再液化された溶媒が液滴または基板に付着することを防止することができる。これによって、液滴の移動を抑え、3次元構造物の構造物作製予定部からの位置ずれを防ぐことができるので、基板の所望の位置に精度良く3次元構造物を作製することができる。また、液滴の周囲に気体の流れを形成することによって、液滴から蒸発した溶媒の蒸気を該液滴の周囲から除去し、該溶媒の蒸気圧を下げることができるので、液滴からの溶媒の蒸発速度を上昇させ、液滴の乾燥に要する時間を短縮することができる。
また本発明によれば、液滴乾燥工程では、液滴の周囲を流過する気体の温度を液滴の温度以上として溶媒を蒸発させる。このことによって、液滴から蒸発して蒸気となった溶媒が液滴の周囲の気体によって冷却されることを防ぎ、溶媒の再液化を抑えることができるので、再液化された溶媒の液滴または基板への付着をより確実に防止することができる。したがって、液滴の移動を一層抑制し、作製される3次元構造物の位置精度をさらに向上させることができる。
また本発明によれば、液滴乾燥工程では、基板の液滴が配置された表面に略垂直な方向に気体の流れを形成させて溶媒を蒸発させる。このことによって、液滴への気体の流れの影響を液滴の全体にわたって均一にすることができるので、気体の流れによる液滴の移動および形状の変化を防ぐことができる。したがって、基板の所望の位置に所望の形状の3次元構造物を精度良く形成することができる。
また本発明によれば、対向する一対の基板間に設けられるスペーサは、一対の基板のうち少なくともいずれか一方の基板に設けられる遮光部または遮光部が投影される領域に形成される3次元構造物から成る。3次元構造物であるスペーサは、本発明の3次元構造物の作製方法によって作製されるので、基板の遮光部または遮光部が投影される領域に精度良く形成することができる。このようなスペーサをたとえば液晶パネル用スペーサとして用いることによって、液晶パネルの表示に使用される部分にスペーサが配置されることを防ぐことができるので、液晶パネルの輝度の低下を防止することができる。
また本発明によれば、液滴乾燥装置は、基板に配置された液滴の周囲に気流形成手段によって気体の流れを形成させて液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる。このことによって、蒸発後に溶媒が再液化された場合であっても、再液化された溶媒が液滴または基板に付着することを防ぐことができるので、液滴の移動を抑えることができる。また、液滴から蒸発した溶媒の蒸気を該液滴の周囲から除去し、該溶媒の蒸気圧を下げることができるので、液滴からの溶媒の蒸発速度を上昇させ、液滴の乾燥に要する時間を短縮することができる。
また本発明によれば、液滴乾燥装置は、雰囲気温度測定手段によって液滴の周囲の温度を測定し、液滴温度測定手段によって液滴の温度を測定し、雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上になるように制御手段によって制御する。このことによって、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして溶媒を蒸発させることができるので、液滴から蒸発して蒸気となった溶媒の再液化を抑えることができる。したがって、液滴の移動をより確実に抑えることができる。
また本発明によれば、液滴乾燥装置は、雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の周囲の気体の温度および液滴の温度を制御する。このことによって、液滴の周囲の気体の温度をより確実に液滴の温度以上にすることができるので、液滴の移動を一層確実に抑制することができる。
また本発明によれば、液滴乾燥装置は、気流形成手段の気体排気手段によって気体を排気する。気体排気手段の吸引部材の吸引口は、基板の液滴が配置された表面を臨むように形成されているので、基板の液滴が配置された表面に略垂直な方向に気体の流れを形成することができる。このことによって、液滴への気体の流れの影響を液滴の全体にわたって均一にすることができるので、気体の流れによる液滴の移動および形状の変化を防ぐことができる。
また本発明によれば、液滴乾燥装置は、気体供給手段によって基板の液滴が配置された表面に気体を供給する。このことによって、液滴から蒸発した溶媒の蒸気の気流による除去速度を速めることができるので、溶媒の蒸発を促進し、液滴の乾燥に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施の一態様である3次元構造物の作製方法は、少なくとも、基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分に、固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する液滴配置工程と、配置された液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥工程とを含み、液滴乾燥工程において、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして溶媒を蒸発させることを特徴とする。本実施態様の3次元構造物の作製方法は、必要に応じて、液滴乾燥工程の後に、液滴に含まれる固化成分を硬化させる硬化工程をさらに含む。
本発明の3次元構造物の作製方法によって作製される3次元構造物は、たとえば、スペーサとして用いられる。3次元構造物であるスペーサは、対向する一対の基板間に設けられ、該一対の基板間の距離を一定の値に保つ機能を果たす。また、本発明によって作製される3次元構造物は、マイクロレンズとして用いられる。3次元構造物であるマイクロレンズは、複数個が基板に並べて形成されてマイクロレンズアレイとして使用することもできる。さらに、液滴として、血液、微生物を含む液体試料などを用いて形成される3次元構造物は、遺伝子、蛋白質、微生物などを分析するための分析用試料として用いられる。
以下、本実施態様による3次元構造物の作製方法について、具体的に説明する。
図1は、基板1に液滴2を配置した状態を示す平面図である。液滴配置工程では、基板1の3次元構造物を作製するべく予め定める部分(以後、構造物作製予定部と称する)3に、固化成分と溶媒とを含む液滴2を配置する。本実施態様では、基板1には複数個の液滴2がマトリックス状に並べて配置される。
基板1としては、3次元構造物を作製するための各工程に耐え得るものであれば、特に制限されず用いることができ、たとえば、ガラス基板、プラスチック基板、半導体基板などが用いられる。後述する液滴乾燥工程などにおいて基板1を加熱する場合には、そのときの加熱温度に耐え得るものであれば、特に制限されず、基板1として用いることができ、たとえば耐熱性プラスチック基板などが用いられる。また、3次元構造物として、遺伝子を解析するための分析用試料などのように、分子レベルでの観察に供される分析用試料を作製する場合、基板1には、表面の平滑性および光透過性に優れることが求められる。この場合、基板1としては、表面平滑性に優れるマイカ(雲母)などの結晶性薄膜をガラス基板などの透光性基板に接着させたものが好適に用いられる。基板1の形状は、本実施態様では矩形状である。基板1の形状は、特に制限されず、作製しようとする3次元構造物の用途などに応じて適宜選択される。
基板1の表面には、必要に応じて表面処理を施してもよい。基板1の表面処理は、基板1の表面の濡れ性を変化させることを目的として行なわれる。たとえば、スペーサ、マイクロレンズなどとして使用される3次元構造物の作製を行なう場合、基板1との接触角がたとえば70°程度と高い形状を有する液滴2を形成することが要求されることが多く、このような場合には基板1に撥液化処理などの表面処理を施すことが有効である。また、基板1の表面が均質でない場合、清浄でない場合などには、基板1に対して洗浄などを施すことが好ましい。以下では、これらの表面処理、洗浄などが施された基板も基板と称する。
液滴2は、固化成分と溶媒とを含む液体材料を基板1に供給することによって形成される。液滴2を形成する液体材料は、作製する3次元構造物に応じて適宜選択される。たとえば、スペーサ、マイクロレンズなどとして使用される3次元構造物を作製する場合、液体材料としては、固化成分を溶媒で希釈したものなどが用いられる。固化成分としては、熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物などの光硬化性樹脂組成物などの硬化性樹脂組成物などが挙げられる。固化成分の溶媒による希釈率は、液体材料の粘度および表面張力などの物性値が、後述するインクジェット吐出装置などの液滴吐出装置による吐出が可能な範囲内になるような範囲内であれば、任意に選択することができる。溶媒による希釈率を調整することによって、液体材料に含まれる固化成分の量、すなわち液滴2の乾燥後に残存する固化成分の量を調整することができるので、所望の形状を有する3次元構造物を容易に作製することができる。
溶媒としては、たとえば、カルビトールアセテート、カルビトール、メチルカルビトール、ジエチルカルビトールなどのエーテル類、エチレングリコール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチルなどのエステル類などが挙げられる。溶媒は、これらに限定されるものではなく、固化成分の種類、作製しようとする3次元構造物の使用目的、後述する液滴乾燥工程における液滴2の乾燥方法などの作製プロセスなどの各種条件に応じて、広い範囲から適宜選択して用いることができる。ただし、溶媒の蒸発速度が速くなるほど、後述する液滴乾燥工程における液滴2の位置ずれ量、すなわち構造物作製予定部3からの移動距離が大きくなるので、溶媒は、液滴2の乾燥に要する時間と許容される位置ずれ量とを勘案して選択されることが好ましい。
また、3次元構造物として、遺伝子解析、微生物観察などを行なうための分析用試料を作製する場合には、分析対象の遺伝子試料、蛋白質試料、血液、微生物試料などが液体材料として用いられる。これらの液体材料では、試料中の水分などが溶媒に相当する。たとえば、血液の場合、血液中の固形分が固化成分であり、血液中の水分が溶媒である。
液体材料は、たとえば液滴吐出装置によって基板1の構造物作製予定部3に向けて吐出される。これによって液滴2が基板1に配置される。液滴吐出装置としては、インクジェット吐出装置、ディスペンサ装置などの一般的な液滴吐出装置を使用することができる。
インクジェット吐出装置は、数pL程度の微小量の液体材料を液滴として吐出させることができるので、マイクロレンズ、スペーサなどとして使用する3次元構造物を作製する場合に好適である。また、インクジェット吐出装置は、基板1に対して、非接触で液体材料を供給することが可能であるので、基板1との距離は一定に保ったまま、水平方向の移動のみによって基板1の所望の位置に液滴2を形成することができる。すなわち、インクジェット吐出装置では、基板1に対して上下方向すなわち基板1の液滴2が配置される表面に対して垂直方向一方および他方に移動する工程が省かれるため、時間的及び操作的に簡便に液滴2を形成することができる。また、吐出させる液滴の体積(以後、液滴の吐出体積とも称する)を1滴毎に高精度に制御することが可能であるので、液滴の吐出回数および吐出体積などを調整することによって、吐出される液滴の合計体積である液滴2の体積を容易に制御することができるという利点も有する。また、インクジェット吐出装置では、任意の位置に選択的に液体材料を供給することができるので、たとえば液晶ディスプレイパネルの遮光部または遮光部が投影される領域などに選択的に液体材料を供給する場合に好適である。
また、インクジェット吐出装置では、インクジェットヘッドに液滴を吐出させるためのノズルを複数個設けることによって、一回の吐出動作で複数の液滴を吐出させることができるので、基板1に複数の液滴2を配置して3次元構造物を形成する場合に好適である。このようなインクジェット吐出装置を用いることによって、たとえば、複数のマイクロレンズで構成されるマイクロレンズアレイの作製などを容易に行なうことができる。さらに、複数のインクジェットヘッドを備えるインクジェット吐出装置を用いることによって、マイクロレンズアレイなどの3次元構造物の集合体を一層効率良く作製することができる。
また、複数のインクジェットヘッドを備えるインクジェット吐出装置では、各インクジェットヘッドに異なる種類の液体材料を供給して吐出させることができるので、たとえば、酵素反応などの試験において、液体材料である試料および反応性試薬を、基板1に向けて別々に吐出させ、基板1において混合して液滴2を形成する場合などにも好適である。
ただし、インクジェット吐出装置を用いる場合には、液体材料の粘度は、温度25℃において30mPa・s(30cP)以下程度であることが好ましい。液体材料の粘度が、温度25℃において30mPa・sを超える程度に高いと、液体材料を安定的に吐出させることが困難になる可能性がある。液体材料の粘度は、固化成分の濃度が高いほど高くなるので、インクジェット吐出装置では高濃度の液体材料の吐出は困難である。
高濃度の液体材料などのように、温度25℃における粘度が30mPa・sを超えるような高粘度の液体材料を吐出させる場合には、ディスペンサ装置を用いることが好ましい。ディスペンサ装置は、吐出可能な液体材料の濃度範囲が広く、様々な種類の液体材料を吐出させることができるという利点を有する。また、数μL程度の液滴2を形成する場合、インクジェット吐出装置では、数万〜数千万回繰返し吐出動作を行なう必要があるのに対し、ディスペンサ装置では、一度の吐出動作で目的の体積を有する液滴2を形成することができる。遺伝子試料、微生物試料などの分析用試料は、数μL程度の体積が必要であるので、3次元構造物として、このような分析用試料を作製する場合には、ディスペンサ装置が好適に用いられる。
このように、液滴吐出装置は、特に限定されるものではなく、使用する液体材料の粘度および表面張力、作製しようとする3次元構造物の用途、体積などの各種条件に応じて、使用者が適宜望ましいものを選択して用いることができる。
以上のようにして基板1に液滴2を配置した後、液滴乾燥工程に移行する。液滴乾燥工程では、基板1に配置された液滴2から溶媒を蒸発させることによって、液滴2を乾燥させる。液滴配置工程において基板1に配置された液滴2は、溶媒を含むので、構造物作製予定部3からはみ出る程度の大きさを有するけれども、液滴乾燥工程で溶媒を蒸発させることによって、液滴2の体積を減少させ、構造物作製予定部3内に収まる程度の大きさの3次元構造物を作製することができる。
本実施態様による液滴乾燥工程では、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上にして溶媒を蒸発させる。このようにして溶媒を蒸発させることによって、液滴2が構造物作製予定部3から移動することを防ぐことができるので、構造物作製予定部3に精度良く3次元構造物を作製することができる。
図2は、液滴の位置ずれの発生メカニズムを模式的に示す図である。図3は、液滴2が構造物作製予定部3から移動して位置ずれが発生した状態を模式的に示す平面図である。液滴2の乾燥は、たとえば、後述する図4に示すように、基板1を基板加熱装置4で加熱し、基板1を介して液滴2を加熱することによって行なわれる。なお図2では、図面が錯綜して理解が困難になるので、基板1の鉛直上方の気体のみを、液滴2の周囲の気体5の代表として記載する。
液滴2の周囲の気体5の温度が液滴2の温度よりも低い場合、図2に示すように、液滴2の加熱によって液滴2から蒸発した溶媒の蒸気(以後、溶媒蒸気とも称する)6は、周囲の気体5によって冷却され、再液化されると考えられる。再液化された溶媒(以後、再液化溶媒とも称する)7は鉛直方向に落下し、微細な液滴として基板1または液滴2に付着する。再液化溶媒7は、基板1または液滴2に不規則に付着するので、再液化溶媒7の付着によって基板1の表面の液体材料に対する親液性および撥液性が変化する可能性がある。このため、図3に示すように、再液化溶媒7が付着した部分に液滴2が引寄せられるなどの現象が生じ、その結果、液滴2の移動が引起されるものと推察される。
これに対し、本実施態様のように、液滴2の周囲の気体5の温度を液滴2の温度以上に設定して溶媒の蒸発を行なった場合には、液滴2の周囲の気体5による溶媒蒸気6の再液化が抑制されると考えられる。これによって、再液化溶媒7の発生および基板1または液滴2への付着が防止され、基板1の表面の親液性および撥液性の変化が抑えられるので、液滴2の移動が抑制され、液滴2が液滴配置工程で基板1に配置された状態に保持されるものと推察される。
液滴乾燥工程における液滴2の加熱温度は、液滴2に含まれる溶媒の揮発性などに応じて適宜選択することができ、たとえば25〜200℃程度である。液滴2の周囲の気体の温度は、液滴2の温度以上になるように適宜選択される。なお、液滴2は、後述するように自然乾燥によって乾燥されてもよい。
以上のようにして液滴2を乾燥させた後、必要に応じて硬化工程で硬化させることによって、3次元構造物が形成される。硬化工程は、液滴2の乾燥後に残存する固化成分の種類に応じて設けられる。たとえば、3次元構造物としてスペーサ、マイクロレンズなどを作製する場合には、固化成分として硬化性樹脂組成物などが用いられるので、液滴乾燥工程の後に硬化工程を設け、固化成分を硬化させる。固化成分の硬化方法としては、特に制限されるものではなく、固化成分の種類に応じて適宜選択される。たとえば、固化成分が熱硬化性樹脂組成物である場合には、加熱することによって固化成分を硬化させることができる。また、固化成分が紫外線硬化性樹脂組成物などの光硬化性樹脂組成物である場合には、紫外線などの光を照射することによって固化成分を硬化させることができる。なお、3次元構造物として、遺伝子解析、微生物観察などを行なうための分析用試料を作製する場合には、液滴2の乾燥後に残存する固化成分をそのまま3次元構造物である分析用試料として用いることができる。
以上のようにして3次元構造物が形成され、本実施態様による3次元構造物の作製が終了する。本実施態様では、液滴乾燥工程において、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上にして溶媒を蒸発させるので、液滴2が構造物作製予定部3から移動することを防ぐことができる。よって、乾燥時の液滴2の構造物作製予定部3からの位置ずれを抑え、基板1の所望の位置に精度良く3次元構造物を形成することができる。
以上のように、本発明の3次元構造物の作製方法によれば、液滴2の移動を抑え、構造物作製予定部3からの位置ずれを抑制することができるので、基板1の所望の位置に3次元構造物を作製することができる。このような本発明の3次元構造物の作製方法によって作製される3次元構造物は、高い位置精度が要求される用途に好適に使用することができる。たとえば、本発明による3次元構造物は、液晶ディスプレイパネルを構成する一対の基板の一方または両方に設けられる遮光部または遮光部が投影される領域のみに選択的に配置することが求められるスペーサとして好適に用いられる。本発明によるスペーサを用いることによって、光抜け、液晶の配向不良などのない液晶ディスプレイパネルを実現することができる。
また、本発明の3次元構造物の作製方法によれば、液滴2の乾燥時の位置ずれを抑制することができるので、乾燥時の位置ずれを加味して予めマージンを設けて液滴2を配置する必要がなく、液滴2をより密集させて配置することができる。したがって、たとえば3次元構造物として複数のマイクロレンズが密に配置されたマイクロレンズアレイを作製することができる。このようにマイクロレンズを密に配置することによって、レンズ形成領域におけるマイクロレンズの密度を高めることができるので、より多くの光を集光することのできるマイクロレンズアレイを実現することができる。このようなマイクロレンズアレイを液晶ディスプレイパネルの集光手段として用いることによって、液晶ディスプレイパネルの実効的な開口率を向上させることができる。すなわち、本発明による3次元構造物は、液晶ディスプレイパネルの画素領域に精度良く集光することのできるマイクロレンズアレイなどの液晶ディスプレイ部材として用いることができる。また、本発明の3次元構造物の作製方法によれば、遺伝子、微生物などの分子レベルでの観察を行なうための多数の分析用試料が同一の基板に精度良く配置された試料プレートを作製することができる。このような多数の分析用試料が配置された試料プレートは、創薬、遺伝子診断などの分野において好適に用いられる。
また、本発明の3次元構造物の作製方法は、基板1、液滴2を形成する液体材料、液体材料中の固化成分および溶媒などの種類、ならびに液体材料の吐出方法などに制限されることがないので、その他の産業分野においても好適に用いられる。
本実施態様による液滴乾燥工程における液滴2の乾燥は、たとえば図4〜8に示す液滴乾燥装置8〜12などによって実施することができる。図4は、本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置の一例である液滴乾燥装置8の構成を側面側から見て示す配置図である。液滴乾燥装置8は、液滴2が配置された基板1を収容する保温容器21と、保温容器21の鉛直方向下部に設けられ、基板1を加熱する基板加熱手段である基板加熱装置4と、基板1の温度を測定する基板温度計22と、保温容器21に収容される気体、すなわち液滴2の周囲の気体の温度を測定する雰囲気温度測定手段である雰囲気温度計23と、基板加熱装置4に対向するように保温容器21の鉛直方向上部に設けられ、液滴2の周囲の気体である保温容器21に収容される気体を加熱する気体加熱手段であるヒータ24と、制御手段である温度制御装置25とを含んで構成される。基板加熱装置4、基板温度計22、雰囲気温度計23およびヒータ24は、保温容器21の内方に設けられる。
本実施形態では、液滴乾燥装置8は、液滴2の周囲の気体の温度を制御するために、保温容器21によって外部との気体の流通および熱の授受が遮断されている。保温容器21は、たとえばウレタンフォーム、グラスウールなどの断熱材で形成される。基板加熱装置4は、本実施の形態ではホットプレートである。基板加熱装置4は、基板1を加熱するとともに、基板1を介して液滴2を加熱する液滴加熱手段である。本実施の形態では、複数の液滴2は、基板加熱装置4によって略等しい温度に加熱される。また、基板加熱装置4は、平坦な一表面部で基板1を保持することができ、基板保持手段としても機能する。ヒータ24は、本実施の形態では電熱線ヒータ24であり、たとえばニクロム線と電源装置とを含んで構成される。基板温度計22は、基板1の液滴2が配置された表面に接するように設けられる。本実施形態では、液滴2は、基板1の表面に配置され、基板1を介して基板加熱装置4によって加熱されるので、液滴2の温度は、基板温度計22によって測定される基板1の温度に略等しくなる。よって、基板温度計22は、液滴2の温度を測定する液滴温度測定手段として機能する。
温度制御装置25は、液滴2の周囲の気体である保温容器21内の気体を加熱するヒータ24の動作を制御する。また温度制御装置25は、基板1および該基板1に配置される液滴2を加熱する基板加熱装置4の動作を制御する。温度制御装置25には、基板温度計22の出力および雰囲気温度計23の出力が、それぞれ与えられる。温度制御装置25は、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、液滴2の周囲の気体の温度である保温容器21内の気体の温度が、液滴2の温度である基板1の温度以上になるように、基板加熱装置4およびヒータ24の動作を制御する。これによって、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上として液滴2から溶媒を蒸発させ、液滴2を乾燥させることができる。したがって、本実施形態では、前述のように液滴2から蒸発した溶媒の再液化を防止することができるので、液滴2の移動を抑えることができる。温度制御装置25は、マイクロコンピュータなどによって実現される。
以上に述べた液滴乾燥装置8では、基板1に配置される複数の液滴2は、液滴加熱手段である基板加熱装置4によって略等しい温度に加熱されて乾燥されるけれども、別々の温度に加熱されて乾燥されてもよい。この場合、液滴加熱手段としては、たとえば、複数のヒータを備え、各ヒータの動作を個々に制御することのできるホットプレートなどの基板加熱装置4を用いることができる。このように各ヒータの動作を別個に制御することのできる基板加熱装置4などを用いることによって、複数の液滴2を別々の温度で加熱して乾燥させることができる。このような液滴2の乾燥方法は、溶媒などの異なる液体材料を用いて同一の基板1に異なる種類の3次元構造物を作製する場合、酵素反応などの試験において、複数の液滴2を異なる温度で加熱して乾燥させ、加熱温度の異なる複数の3次元構造物(分析用試料)を作製し、加熱温度の影響を評価する場合などに有効である。
このように複数の液滴2を別々の温度で加熱して乾燥させる場合、各液滴2の温度は、たとえば、赤外線放射温度計などによってそれぞれ測定することができる。温度制御装置25は、測定される各液滴2の温度と、雰囲気温度計23によって測定される液滴2の周囲の気体の温度とに基づいて、基板加熱装置4およびヒータ24の動作を制御する。たとえば、温度制御装置25は、雰囲気温度計23で測定される液滴2の周囲の気体の温度が、測定される各液滴2の温度のうち最も高い温度以上になるように、基板加熱装置4およびヒータ24の動作を制御する。
また、図4に示す液滴乾燥装置8では、液滴加熱手段は、基板1を介して液滴2を加熱する基板加熱装置4であるけれども、これに限定されず、液滴2を直接加熱するものであってもよい。液滴2を直接加熱する液滴加熱手段としては、たとえば赤外線ランプなどを用いることができる。この場合、液滴2の温度は、赤外線放射温度計などによって測定することができる。
また、液滴乾燥装置8では、保温容器21内の気体を加熱する気体加熱手段としては、電熱線ヒータ24などのヒータが用いられる。ヒータは、電熱線ヒータに限定されるものではなく、温水ヒータなどであってもよい。図5は、温水ヒータ26を備える液滴乾燥装置9の構成を側面側から見て示す配置図である。図5に示す液滴乾燥装置9は、前述の図4に示す液滴乾燥装置8と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。図5に示す液滴乾燥装置9では、温水ヒータ26によって、保温容器21に収容される気体、すなわち液滴2の周囲の気体を加熱することができる。温水ヒータ26を備える液滴乾燥装置9は、液滴2に含まれる溶媒の揮発性が良好であり、基板1の加熱温度がたとえば60℃以下程度と比較的低く、保温容器21内の気体の加熱温度が100℃以下程度でよい場合などに好適に用いられる。
温水ヒータ26は、本実施形態では循環型の温水ヒータであり、保温容器21の鉛直方向上部に設けられる温水パイプ27と、温水パイプ27に供給される水を所定の温度に加熱する水加熱装置28と、水加熱装置28で加熱された水(温水)を温水パイプ27に供給する送り配管路29と、温水パイプ27を流過した水を水加熱装置28に送給する戻り配管路30とを含んで構成される。水加熱装置28によって加熱された水(温水)は、送り配管路29から温水パイプ27に供給され、温水パイプ27を流過して戻り配管路30から水加熱装置28に送給され、再度水加熱装置28によって加熱され、温水パイプ27に供給される。このようにして水加熱装置28で所定の温度に加熱された水(温水)を温水パイプ27内に循環させることによって、温水パイプ27を流過する水(温水)で保温容器21内の気体を加熱することができる。
温水ヒータ26の動作は、温度制御装置25によって制御される。本実施形態の液滴乾燥装置9では、温度制御装置25は、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、液滴2の周囲の気体の温度である保温容器21内の気体の温度が、液滴2の温度である基板1の温度以上になるように、基板加熱装置4および温水ヒータ26の動作を制御する。これによって、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上として液滴2から溶媒を蒸発させ、液滴2を乾燥させることができるので、液滴2から蒸発した溶媒の再液化を防止し、液滴2の移動を抑えることができる。
特に、本実施形態では、気体加熱手段である温水ヒータ26は、水加熱装置28で加熱されて温水パイプ27内を循環する水(温水)によって気体を加熱するので、液滴2の周囲の気体である保温容器21内の気体の温度を厳密に制御することが可能である。よって、溶媒蒸気の再液化をより確実に防止し、液滴2の移動を一層抑制することができる。また、温水ヒータ26では、温水を循環させるだけで気体の加熱を行なうことができるので、温水ヒータ26を用いることによって、液滴乾燥装置9のランニングコストを低減することができる。
図6は、本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置の他の例である液滴乾燥装置10の構成を側面側から見て示す配置図である。図6に示す液滴乾燥装置10は、図4に示す液滴乾燥装置8と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。図6に示す液滴乾燥装置10は、気体加熱手段であるヒータ24に代えて、加熱ガス供給装置31を有する。さらに保温容器21の鉛直方向下部にはガス排気口32が形成されている。
加熱ガス供給装置31は、ガス加熱装置33とガス供給ヘッド34とを含んで構成される。ガス加熱装置33は、図示しないガス供給部から第1ガス供給管路35を介して供給されるガスを、所定の温度に加熱し、第2ガス供給管路36を介してガス供給ヘッド34に供給する。ガス加熱装置33としては、たとえば、図示しないガス管路と、該ガス管路の周囲に設けられる電熱線ヒータなどのヒータとを有し、第1ガス供給管路35から供給されてガス管路を流過するガスをヒータで加熱するもの、多孔質セラミックスなどの多孔質体を有し、該多孔質体を所望の温度に加熱し、加熱された多孔質体の孔部にガスを流過させることによってガスを加熱するものなどが挙げられる。ガス加熱装置33に供給されるガスの量は、第1ガス供給管路35に設けられる第1流量調整バルブ38によって調整することができる。
ガス供給ヘッド34は、ガス加熱装置33によって加熱されて第2ガス供給管路36を介して供給されるガス37を、保温容器21の内方に向けて、具体的には基板1の液滴2が配置されている表面に向けてシャワー状に噴霧する。ガス供給ヘッド34に供給されるガスの量は、第2ガス供給管路36に設けられる第2流量調整バルブ39によって調整することができる。保温容器21の内方に供給されたガス37は、液滴2の周囲を流過し、ガス排気口32から保温容器21の外方に排気される。すなわち、本実施態様では、加熱ガス供給装置31から供給されるガス(気体)37が、液滴2の周囲の気体となる。よって、液滴2の周囲の気体(ガス)37の温度は、ガス加熱装置33によるガスの加熱温度、ガス供給ヘッド34に供給されるガスの量などによって調整することができる。
加熱ガス供給装置31から供給するガス(気体)としては、特に制限されず、広い範囲から適宜選択して用いることができるけれども、液滴2を構成する液体材料との反応性を有しないものであり、かつ液滴2の周囲の気体を吸湿させることがないものを用いることが好ましく、たとえば窒素、空気などが好適に用いられる。
加熱ガス供給装置31の動作は、温度制御装置25によって制御される。本実施形態の液滴乾燥装置10では、温度制御装置25は、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、液滴2の周囲の気体となるガス供給ヘッド34から供給されるガス(気体)37の温度が、液滴2の温度である基板1の温度以上になるように、基板加熱装置4および加熱ガス供給装置31の各部の動作を制御する。これによって、液滴2の周囲の気体の温度、すなわち加熱ガス供給装置31から供給されるガス37の温度を、液滴2の温度以上として、液滴2から溶媒を蒸発させることができる。
図7は、本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置のさらに他の例である液滴乾燥装置11の構成を側面側から見て示す配置図である。図7に示す液滴乾燥装置11は、図4に示す液滴乾燥装置8と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。図7に示す液滴乾燥装置11では、液滴2を加熱する加熱手段および液滴2の周囲の気体を加熱する気体加熱手段として、オーブン40が用いられる。オーブン40を用いることによって、液滴2と液滴2の周囲の気体とを同時に加熱することができるので、液滴乾燥装置11の構成を簡略化することができる。
液滴2が配置された基板1は、基板保持手段である基板台41とともにオーブン40に収容され、加熱される。これによって、液滴2が加熱され、液滴2の乾燥が行なわれる。オーブン40の温度は、オーブン温度調整装置42によって調整される。オーブン温度調整装置42は、温度制御装置25によって制御される。本実施形態の液滴乾燥装置11では、温度制御装置25は、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、液滴2の周囲の気体の温度であるオーブン40に収容される気体の温度が、液滴2の温度である基板1の温度以上になるように、オーブン温度調整装置42を制御する。これによって、液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上として、液滴2からの溶媒の蒸発を行なうことができる。
たとえば、予め基板1の温度よりも高い温度に調整されたオーブン40内に液滴2が配置された基板1を入れ、基板1の温度がオーブン40内の気体の温度と等しくなるまで上昇する前に液滴2の乾燥を終了すれば、液滴2の周囲の気体であるオーブン40内の気体の温度が液滴2の温度である基板1の温度よりも高い状態で液滴2の乾燥を行なうことができる。なお、基板1の温度がオーブン40内の気体の温度と等しくなった後でも液滴2の乾燥を継続してもよい。このように基板1の温度とオーブン40内の気体の温度とが等しくなった状態では、後述する自然乾燥によって液滴2を乾燥させる場合と同様に、液滴2と液滴2の周囲の気体の温度とが略等しく、液滴2と液滴2の周囲の気体との間に動的な温度変化がないので、蒸発した液滴が再液化することなく乾燥が進行し、液滴2の移動が抑えられるものと考えられる。
オーブン40を用いる場合、液滴乾燥装置は、図8に示す液滴乾燥装置12のように、基板1を冷却する基板冷却手段である基板冷却装置43を備えることが好ましい。図8は、基板冷却装置43を備える液滴乾燥装置12の構成を側面側から見て示す配置図である。図8に示す液滴乾燥装置12では、基板冷却装置43は、オーブン40の鉛直方向下部に設けられる。本実施形態では、基板冷却装置43は、平坦な一表面部を有し、この平坦な一表面部で、基板1が載置される基板台41を保持することができる。基板1は、基板台41を介して基板冷却装置43によって冷却される。基板冷却装置43としては、たとえば、基板1を保持する基板保持部の内部に水路を有し、該水路に冷却された水を流通させることによって基板1を水冷するものなどを用いることができる。また、基板台41は、たとえば金属などの熱伝導性に優れる材料で形成される。本実施形態では、基板台41は、着脱可能に設けられる。このように基板台41を着脱可能に設けることによって、基板台41とともに基板1を搬送し、基板台41をたとえば後述する図19に示す硬化処理装置81の基板台89などとして使用することができるので、基板1の搬送が容易になり、搬送時の基板1の破損などを防止することができる。
基板冷却装置43は、温度制御装置25によって制御される。液滴乾燥装置12では、温度制御装置25は、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、液滴2の周囲の気体の温度、すなわちオーブン40に収容される気体の温度が、液滴2の温度である基板1の温度以上になるように、オーブン温度調整装置42および基板冷却装置43の動作を制御する。液滴2の構造物作製予定部3からの位置ずれは、液滴2の温度と液滴2の周囲の温度との差が大きいほど抑制される傾向にある。よって、基板冷却装置43を設けることによって、液滴2の周囲の気体の温度と、液滴2の温度との差を大きくし、液滴2の位置ずれをより確実に抑えることができる。
図8に示す液滴乾燥装置12では、基板冷却装置43は、基板台41の鉛直方向下方に設けられ、基板台41を介して基板1を冷却するけれども、基板台41を設けずに基板冷却装置43を基板1に接するように設け、基板1を基板冷却装置43で直接冷却するようにしてもよい。このように基板台41を介さずに基板1を基板冷却装置43で直接冷却することによって、基板1の温度制御、ひいては液滴2の温度制御を容易に、またより正確に行なうことができる。また、この場合、基板冷却装置43が基板台41として機能するので、基板台41を別途設ける必要がなく、液滴乾燥装置12をより簡易な構成とすることができる。
以上の図4〜8に示す液滴乾燥装置8〜12では、液滴2を加熱して乾燥させるけれども、液滴乾燥工程における液滴2の乾燥は、自然乾燥によって行なわれてもよい。液滴2を自然乾燥で乾燥させる場合、液滴2を加熱する必要がないので、3次元構造物の作製工程をより簡便なものにすることができる。また、液滴2を加熱する手段、たとえば前述の図4に示す基板加熱装置4などが不要になるので、液滴乾燥装置の構成を簡略化することができる。また、液滴2の構造物作製予定部3からの位置ずれは、液滴2の乾燥の開始から終了までの時間が長くなるほど小さくなる傾向にあるので、液滴2を自然乾燥させることによって、液滴2の位置ずれを一層抑制することができる。これは、自然乾燥させる場合、液滴2と液滴2の周囲の気体との間の動的な温度変化がなく、液滴2の乾燥が静的に進行するので、液滴2の周囲の気体の温度分布などに乱れが生じず、液滴2から蒸発した溶媒が再液化されることなく拡散されるためであると推察される。液滴2を自然乾燥によって乾燥させる場合、液滴2の乾燥は、液滴2の周囲の風向および液滴2の周囲の気体の温度勾配などの影響を受けないように、前述の図4に示す液滴乾燥装置8に備わる保温容器21などの断熱性容器の内方で行なわれることが好ましい。
液滴2を自然乾燥によって乾燥させる場合、液滴2を加熱して乾燥させる場合に比べて、液滴2からの溶媒の蒸発速度が遅くなり、液滴2の乾燥により多くの時間を要するので、溶媒としては、温度20℃における蒸気圧が0.1mmHg以上であるものを用いることが好ましい。このような溶媒は、加熱しなくとも蒸発が比較的容易に進行するので、該溶媒を用いることによって、液滴2を自然乾燥で乾燥させる場合であっても、溶媒の蒸発を速やかに進行させ、液滴2の乾燥に要する時間の増加を抑えることができる。温度20℃における蒸気圧が0.1mmHg以上である溶媒としては、カルビトールアセテート、カルビトール、メチルカルビトール、ジエチルカルビトールなどのエーテル類、エチレングリコール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチルなどのエステル類などが挙げられる。
次に、本発明の実施の他の態様である3次元構造物の作製方法について説明する。本実施態様による3次元構造物の作製方法は、前述の実施の第1態様と類似し、実施の第1態様と同様に、液滴配置工程と、液滴乾燥工程とを含み、必要に応じて硬化工程を含む。液滴配置工程および硬化工程については、実施の第1態様と同様であるので説明を省略し、液滴乾燥工程について以下に説明する。
本実施態様による液滴乾燥工程では、前述の図1に示すように基板1に配置された液滴2の周囲に気体の流れを形成させて液滴2から溶媒を蒸発させることによって、液滴2を乾燥させる。たとえば、図9に示すように、基板1の一端部側から他端部側に向かう気体の流れ(以後、気流とも称する)44を形成し、溶媒を蒸発させる。このように、液滴2の周囲に気体の流れ44を形成させて溶媒を蒸発させることによって、液滴2から蒸発した溶媒の蒸気6を、液滴2の周囲から除去することができるので、再液化された溶媒が基板1または液滴2に付着することを防ぐことができる。したがって、前述の実施の第1態様と同様に、液滴2の構造物作製予定部3からの移動、すなわち位置ずれを抑制することができるので、構造物作製予定部3に精度良く3次元構造物を形成することができる。
また、液滴2の周囲に気体の流れ44を形成させることによって、液滴2から蒸発した溶媒の蒸気6を該液滴2の周囲から除去することができるので、該液滴2の周囲の溶媒の蒸気圧を下げ、液滴2からの溶媒の蒸発を促進することができる。これによって、溶媒の蒸発速度を増加させることができるので、液滴2の乾燥に要する時間を短縮することができる。
液滴2の移動をより確実に抑えるためには、液滴2の周囲を流過する気体の温度を、液滴2の温度以上として、液滴2の乾燥を行なうことが好ましい。これによって、前述の実施の第1態様における液滴乾燥工程と同様に、液滴2から蒸発した溶媒の蒸気が再液化することを防ぐことができるので、再液化された溶媒の基板1または液滴2への付着をより確実に防止することができる。したがって、液滴2の移動を一層抑制し、3次元構造物を形成する際の位置精度をさらに向上させることができる。
このように液滴2の周囲を流過する気体の温度を液滴2の温度以上とする方法としては、たとえば、前述の実施の第1態様のように、液滴2の周囲を流過する気体を加熱する方法、液滴2の周囲の気体の流れを、液滴2の周囲に液滴2の温度以上の気体を供給することによって形成する方法などが挙げられる。このように液滴2の周囲を流過する気体の温度を液滴2の温度以上として液滴2の乾燥を行なう場合には、前述の図4に示す液滴乾燥装置8などと同様に、保温容器21の内方において、液滴2の乾燥を行なうことが好ましい。
また、液滴乾燥工程では、液滴2の周囲に気体の流れを形成させるとともに、液滴2を加熱してもよい。これによって、溶媒の蒸発速度をさらに増加させ、液滴2の乾燥に要する時間を一層短縮することができる。本実施態様では、液滴2の周囲には気体の流れが形成されているので、液滴2の周囲の気体の温度が液滴2の温度よりも低い場合であっても、液滴2の移動を抑えることができる。ただし、液滴2の移動をより確実に抑えるためには、液滴2の周囲を流過する気体の温度を液滴2の温度以上として液滴2の乾燥を行なうことが好ましい。液滴2の加熱は、前述の図4に示す液滴乾燥装置8などと同様に、たとえば基板1をホットプレートなどの基板加熱装置4で加熱することによって行なうことができる。
本実施態様による液滴2の乾燥は、たとえば前述の図9に示す液滴乾燥装置13によって実施することができる。図9は、本発明の実施の他の形態である液滴乾燥装置13の構成を側面側から見て示す配置図である。図10は、図9に示す液滴乾燥装置13を鉛直斜め上方向から見て示す斜視図である。
液滴乾燥装置13は、ガス供給部45とガス排気部46とを含んで構成される。ガス供給部45は、基板1の一端部を臨む側が開口されたガス供給管47と、ガス供給管47に接続され、ガス供給管47に気体を供給するガス供給装置48と、ガス供給管47に設けられガス供給管47から供給される気体の量を調整するガス流量調整バルブ49とを備える。ガス排気部46は、基板1の他端部を臨むように形成された吸引口50を有する吸引部材である吸引管51と、吸引管51を介して気体を吸引する吸引ポンプ52とを備える。吸引ポンプ52は、たとえばダイアフラムポンプなどによって実現される。
ガス供給部45とガス排気部46とは、気流形成手段53を構成する。ガス供給部45のガス供給管47と、ガス排気部46の吸引管51とは、基板1に対して対向するように、基板1の一辺部に沿う方向の一方および他方に離隔して設けられる。気流形成手段53は、ガス供給部45によって基板1の一端部側から基板1の液滴2が配置された表面に向けて気体(以後、ガスとも称する)を供給し、供給された気体をガス排気部46によって基板1の他端部側から排気する。これによって、基板1の液滴2が配置された表面に略平行な方向、すなわち水平方向に気体の流れ44が形成される。
ガス供給部45から供給するガスとしては、特に制限されず、広い範囲から適宜選択して用いることができるけれども、液滴2を構成する液体材料との反応性を有しないものであり、かつ液滴2の周囲の気体を吸湿させることがないものを用いることが好ましく、たとえば窒素、空気などが好適に用いられる。
ガス供給部45から供給されるガス(気体)は、図示しない加熱手段によって加熱された後に基板1に向けて供給されることが好ましい。このように加熱された気体を供給することによって、液滴2の周囲を流過する気体の温度を、容易に液滴2の温度以上として液滴2の乾燥を行なうことができる。
図9に示す液滴乾燥装置13では、気流形成手段53は、ガス供給部45とガス排気部46とを有するけれども、ガス供給部45を有しない構成とすることもできる。この場合、気流形成手段53は、ガス排気部46で液滴2から蒸発した溶媒の蒸気を吸引することによって気体の流れを形成させることができる。ただし、図9に示す液滴乾燥装置13のようにガス供給部45を設け、気体を供給して気体の流れ44を形成させる方が、溶媒の蒸気の除去が促進され、溶媒の蒸発速度を速めることができ、液滴2の乾燥に要する時間を短縮することができるので好ましい。
図11は、図9に示す液滴乾燥装置13を用いて液滴2の乾燥を行なう様子を模式的に示す側面図である。液滴乾燥工程において、図9に示す液滴乾燥装置13のように、基板1の液滴2が配置された表面に略平行な方向に気体の流れ44を形成させた場合、液滴2の移動を充分に抑えることができない可能性がある。特に、ガス供給部45からの距離が相対的に遠い部分では、液滴2の位置ずれが生じる恐れがある。これは、気体の流れ44が液滴2の軸線に関して対称でないこと、およびガス供給部45からの距離の違いによって、気体の流れ44の速度に差異が生じ、気体の流れ44による溶媒蒸気の除去が不均一になることなどが原因であると推察される。すなわち、ガス供給部45からの距離が遠くなるほど、気体の流れ44の速度が遅くなるので、気体の流れ44によって除去される溶媒蒸気の量が少なくなり、図11に示すように液滴2の位置ずれ量が多くなるものと考えられる。なお、図11では、各液滴2の上方に記載される矢符2aの長さによって液滴2の位置ずれ量を表しており、矢符2aの長さが長いものほど、位置ずれ量が大きいことを意味する。
気体の流れによる液滴2の移動防止効果を充分に発揮させるためには、気体の流れを、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向に形成させることが好ましい。ここで、略垂直とは、垂直を含む。図12は、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向に気体の流れ54を形成させて液滴2の乾燥を行なう様子を模式的に示す側面図である。図12に示すように、基板1の液滴2が配置された表面に対して略垂直な方向に気体の流れ54を形成させると、気体の流れ54を液滴1の軸線に関して対称な流れとすることができるので、液滴2に対する気体の流れの影響を、液滴2の全体にわたって均一にすることができる。この状態で液滴2の乾燥を行なうと、液滴2は、液滴配置工程で基板1に配置されたときの形状と相似形の形状を維持したまま、体積が減少して縮小していくものと考えられる。したがって、液滴2の移動を一層抑制することができるとともに、液滴2の形状の変化を抑えることができるので、基板1の所望の位置に所望の形状の3次元構造物を形成することができる。
また、複数の液滴2を同時に乾燥させる場合には、全ての液滴2に対して気体の流れ54の影響を均一にして溶媒の蒸発を行なうことができるので、乾燥むらを抑えることができる。したがって、基板1の各所において、液滴2の移動を防止し、位置ずれ防止効果に差異が生じることを防ぐことができる。
図12に示すように、基板1の液滴2が形成された表面に略垂直な方向に気体の流れ54を形成させることのできる液滴乾燥装置としては、たとえば図13に示す液滴乾燥装置14を挙げることができる。図13は、本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置14の構成を側面側から見て示す配置図である。液滴乾燥装置14は、液滴2が配置された基板1を保持するとともに加熱する基板加熱装置4と、気体排気手段であるガス排気部58とを含んで構成される。本実施形態では、ガス排気部58が気流形成手段55である。ガス排気部58は、吸引部材である吸引管57と、吸引管57に接続され、吸引管57を介して気体を吸引する図示しない吸引ポンプとを備える。本実施形態では、吸引管57は円筒状に形成される。吸引管57は、基板加熱装置4の鉛直上方に設けられ、基板加熱装置4を臨むように、具体的には基板加熱装置4に載置された基板1の液滴2が配置された表面を臨むように形成される吸引口56を有する。
ここで、図12に示す吸引管57の長手方向をZ方向と定義し、Z方向に直交する一方向をY方向と定義し、Z方向およびY方向に直交する方向をX方向と定義する。本実施形態では、Z方向は、鉛直方向に一致する方向である。また、X方向は、矩形状の基板1の一辺部に沿う方向に一致する方向である。
液滴乾燥装置14では、ガス排気部58の吸引管57の吸引口56が、基板1の液滴2が配置された表面を臨むように形成されているので、ガス排気部58で気体の排気を行なうことによって、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向、具体的には基板1の前記表面に略垂直な方向であって前記表面から外方に向かう方向に気体の流れ54を形成することができる。これによって、液滴2の移動および形状の変化を生じさせることなく、液滴2の乾燥を行なうことができる。
また、液滴乾燥装置14では、気流形成手段であるガス排気部58によって液滴2の周囲に気体の流れ54を形成するとともに、基板加熱装置4によって基板1を介して液滴2を加熱することができるので、液滴2の移動を生じさせることなく、液滴2を加熱して溶媒の蒸発を促進し、液滴2の乾燥に要する時間を短縮することができる。
吸引管57の吸引口56は、基板1に配置されている全ての液滴2が吸引口56に臨むように形成されていることが好ましい。このような吸引口56が形成された吸引管57を有するガス排気部58を用いることによって、たとえば複数の液滴2が配置されている場合に、各液滴2に対して、液滴2の軸線に関して対称な気体の流れ54を形成することができるので、液滴2の移動および形状の変化をより確実に抑えることができる。
また、気体の流れ54による効果をより均一にするためには、吸引口56にたとえば多孔質セラミックスなどの多孔質体を配置し、該多孔質体を介して気体を排気することが好ましい。これによって、吸引口56がたとえば直径50mm程度と比較的大きい場合であっても、吸引口56の各部における気体の排気量を均一にし、気体の流れ54を均一に形成することができる。したがって、全ての液滴2に対する気体の流れ54の効果をより均一にすることができる。
また、吸引口56を形成する吸引管56の開口縁部56aと基板1との距離(以後、吸引口56と基板1との距離とも称する)D1は、気体の流れ54にむらを生じることがなく、また液滴2の移動を引起さない程度の適正な量の気体の流れ54を形成することができるように、吸引ポンプの排気量、液滴2の大きさ、基板1と液滴2との密着性および濡れ性などを考慮して選択されることが好ましく、具体的には10mm以下であることが好ましく、2mm以上4mm以下であることがさらに好ましい。前記距離D1を10mm以下にすることによって、気体の流れ54の速度を向上させ、液滴2の位置ずれを抑制する効果を増大させることができる。前記距離D1が10mmを超えると、液滴2の位置ずれを抑制する効果が充分に発揮されず、液滴2の位置ずれが生じる恐れがある。前記距離D1が2mm未満であると、液滴2の周囲における気体の流れ54の速度が速くなりすぎ、気体の流れ54によって液滴2の移動が引起される恐れがある。
ガス排気部58に設けられる吸引ポンプの排気量は、特に制限されず、液滴2の体積、液滴2に含まれる溶媒の量などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるけれども、形成される気体の流れ54の速度、それによって液滴2に与えられる影響などを考慮すると、5NL/min以上30NL/min以下であることが好ましい。吸引ポンプの排気量が5NL/min未満であると、液滴2の移動を抑制する効果が充分に発揮されない恐れがある。吸引ポンプの排気量が30NL/minを超えると、液滴2の周囲における気体の流れ54の速度が速くなりすぎ、気体の流れ54によって液滴2の移動が生じる恐れがある。ここで、NL/minとは、0℃、1気圧の基準状態での体積に換算したときの計測気体の1分間当たりの流量を表す。
以上に述べた図13に示す液滴乾燥装置14では、気流形成手段55は、気体供給手段を有しない構成であるけれども、これに限定されず、気体排気手段であるガス排気部58とともに、前述の図9に示すガス供給部45と同様の気体供給手段を有してもよい。気体供給手段を設け、基板1に対して気体を供給して液滴2の乾燥を行なうことによって、液滴2から蒸発した溶媒の蒸気の除去速度を速め、溶媒の蒸発を促進することができるので、液滴2の乾燥に要する時間を短縮することができる。
気体を供給しながら液滴2の乾燥を行なう場合、気体は、形成される気体の流れが、液滴2の軸線に関して対称になるような方向から供給されることが好ましい。これによって、気体の流れの影響を全ての液滴2に対して均一にし、気体の流れによる液滴2の移動および形状の変化を抑えることができる。
したがって、液滴乾燥装置におけるガス供給部45の配置は、基板1における液滴2の配置のさせ方に応じて適宜選択される。たとえば、図14に示すように、基板1に複数の液滴2をY方向に直線状に一列に配置する場合には、図15に示すように、液滴2が配列された方向であるY方向に沿う基板1の両端部の側方に、一対のガス供給部45が設けられた液滴乾燥装置15を用い、該基板1の両端部の側方から基板1の液滴2が配置された表面に気体を供給すればよい。具体的には、各ガス供給部45のガス供給管47は、X方向に沿って設けられる。一対のガス供給管47は、基板1に対して対向するように、X方向一方および他方に離隔して設けられる。液滴乾燥装置15では、気流形成手段59は、一対のガス供給部45とともに、基板1の液滴2が配置された表面を臨むように吸引口56が形成されたガス排気部58を備えるので、2つのガス供給部45から供給された気体は、基板1の上方、すなわちZ方向である液滴2の軸線に略平行な方向から排気される。よって、基板1に配置される各液滴2の軸線に関して対称な気体の流れ54を形成することができる。
また、ガス排気部58の吸引口56およびガス供給部45のガス供給管47の開口部の形状は、基板1における液滴2の配列に応じて、適宜選択することが好ましい。図14に示すように液滴2を直線状に一列に配置した場合は、液滴2の配列方向に沿うように、例えば、長方形状に開口されているものをガス排気部58およびガス供給部45として用いればよい。すなわち、ガス排気部58の吸引管57は、基板1の上方から見たときに、基板1に配置されている全ての液滴2が開口部である吸引口56に臨むように開口されていることが好ましい。また、ガス供給部45のガス供給管47は、基板1の側面すなわちX方向一方または他方から見たときに、基板1に配置されている全ての液滴2が開口部に臨むように開口されていることが好ましい。
また、前述の図1に示すように複数の液滴2をマトリックス状に配置する場合には、基板1の周囲に複数のガス供給部45が設けられた液滴乾燥装置を用いればよい。たとえば、図16に示すように、二対のガス供給部45が設けられた気流形成手段60を有する液滴乾燥装置16を用いることができる。二対のガス供給部45のうち、一対のガス供給部45のガス供給管47は、X方向に沿って、かつ基板1に対して対向するようにX方向一方および他方に離隔して設けられる。残りの一対のガス供給部45のガス供給管47は、Y方向に沿って、かつ基板1に対して対向するようにY方向一方および他方に離隔して設けられる。
また、溶媒蒸気の除去および液滴2の乾燥の均一性をさらに向上させるためには、たとえば図17に示す液滴乾燥装置17のように、気流形成手段62に、基板1の周囲を取囲むように設けられる環状のガス供給管61を有するガス供給部64を設ければよい。環状のガス供給管61の半径方向内周側には、複数の孔部63が一定の間隔おきに設けられている。ガス供給管61には、供給配管65を介して図示しないガス供給装置から気体(ガス)が供給される。ガス供給管61に供給された気体は、複数の孔部63から基板1の液滴2が配置された表面に向けて供給される。
図15〜17に示す液滴乾燥装置15〜17は、前述の図13に示す液滴乾燥装置14と同様に、基板1の液滴2が配置された表面を臨むように吸引口56が形成された吸引管57を備える。このような液敵乾燥装置では、図13に示す液滴乾燥装置14と同様に、吸引口56と基板1との距離D1は、10mm以下であることが好ましく、2mm以上4mm以下であることがさらに好ましい。また、溶媒蒸気の除去および液滴2の乾燥の均一性を一層向上させるためには、吸引口56は、基板1に配置された全ての液滴2が吸引口56に臨むように形成されていることが好ましい。
図18は、本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置18の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の液滴乾燥装置18は、液滴2が配置された基板1を搬送する基板搬送装置66と、基板1に配置された液滴2の周囲に気体の流れを形成させる気流形成手段67とを含んで構成される。気流形成手段67は、ガス供給口67およびガス吸引口68がスリット状に形成された給気排気ユニット基板69と、ガス供給口67を覆うように設けられるガス供給ヘッド70と、ガス供給ヘッド70に接続される供給配管71と、供給配管71に接続され、供給配管71に気体を供給する図示しないガス供給源とを含む。給気排気ユニット基板69は、ガス吸引口68によって気体を吸引する吸引部材として機能する。給気排気ユニット基板69は、基板搬送装置66を臨むように設けられており、ガス吸引口68は、基板搬送装置66によって搬送される基板1の液滴2が配置される表面を臨むように形成されている。また、ガス吸引口68とガス供給口67とは、互いに隣合うように形成されている。基板搬送装置66は、たとえばベルトコンベヤーなどによって実現される。
液滴乾燥装置18は、基板搬送装置66によって基板1を給気排気ユニット基板69の鉛直方向下方に搬送し、給気排気ユニット基板69の下方に送給された基板1の液滴2の周囲に、気流形成手段67によって気体の流れを形成させる。気流形成手段67は、給気排気ユニット基板69のガス供給口67から基板1の液滴2が配置された表面に向けて気体を供給する。これによって、給気排気ユニット基板69から基板1に向かう方向であって、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向の気体の流れ72が形成される。ガス供給口67とガス吸引口68とは、互いに隣合うように形成されており、ガス吸引口68からは気体が供給されないので、ガス供給口67から供給された気体は、該気体の圧力によってガス吸引口68から排気される。これによって、基板1から給気排気ユニット基板69に向かう方向であって、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向の気体の流れ73が形成される。
このように、液滴乾燥装置18では、気流形成手段67は、ガス供給口67から供給される気体によって、給気排気ユニット基板69から基板1に向かう方向の気体の流れ72と、基板1から給気排気ユニット基板69に向かう方向の気体の流れ73とを形成することができるので、気体の流れ72および73の速度のばらつきを抑えることができる。これによって、気体の流れ72および73による溶媒の除去効果を全ての液滴2に対して均一にし、乾燥むらを抑えることができるので、作製する3次元構造物の位置精度を一層向上させることができる。
気体の流れ72および73の速度をより均一にするためには、ガス供給口67およびガス排気口68が並んで配置される方向におけるガス供給口67の幅およびガス排気口68の幅は、1mm以上10mm以下であることが好ましい。
また、液滴乾燥装置18では、基板1を基板搬送装置66で搬送し、基板1が給気排気ユニット基板69を臨む位置に送給されたときに、液滴2の乾燥処理を行なう。このような基板搬送装置66を備える液滴乾燥装置18は、液滴2が配置された複数の基板1に対して連続的に液滴2の乾燥処理を施す場合、基板1として、たとえば液晶ディスプレイパネルに使用されるような縦2m、横1m程度の矩形状の基板などのように大きい基板を用いる場合などに好適である。
図19は、本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置19を備える3次元構造物作製装置20の構成を側面側から見て示す配置図である。図20は、3次元構造物作製装置20に備わる液滴吐出装置80の構成を簡略化して示す配置図である。なお、図19では、図面が錯綜して理解が困難になるので、図20に示すCCDカメラ84、パーソナルコンピュータ85およびステージドライバユニット86は記載を省略する。3次元構造物作製装置20は、液滴乾燥装置19と、液滴吐出装置80と、硬化処理装置81とを含んで構成される。
液滴乾燥装置19は、前述の図4に示す液滴乾燥装置8および図15に示す液滴乾燥装置15と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。液滴乾燥装置19は、液滴2が配置された基板1を保持するとともに該基板1を加熱する基板加熱装置4と、気流形成手段59であるガス排気部58およびガス供給部45と、基板1を収容する保温容器21と、基板温度測定手段である基板温度計22と、雰囲気温度測定手段である雰囲気温度計23と、温度制御装置25とを含む。基板温度計22は、液滴温度測定手段として機能する。基板加熱装置4は、温度制御装置25によって制御される。ガス供給部45は、図示しない加熱手段を含み、該加熱手段によって加熱された気体を基板1の液滴2が配置された表面に供給することができる。加熱手段は、温度制御装置25によって制御される。
液滴乾燥装置19は、ガス供給部45から気体を供給し、ガス排気部58によって排気することによって、液滴2の周囲に、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向に気体の流れ54を形成させ、この状態で液滴2を乾燥させることができる。これによって、液滴2の移動を抑えることができる。また、液滴乾燥装置19は、基板加熱装置4で基板1を加熱して液滴2を加熱し、さらにガス供給部45から加熱手段で加熱された気体を供給することによって、液滴2の乾燥に要する時間を短縮することができる。
また、液滴乾燥装置19は、温度制御装置25によって、基板温度計22および雰囲気温度計23の出力結果に基づいて、雰囲気温度計23によって測定される保温容器21内の気体の温度である液滴2の周囲を流過する気体の温度が、基板温度計22によって測定される基板1および液滴2の温度以上になるように、基板加熱装置4およびガス供給部45の加熱手段を制御することができる。これによって、液滴2から蒸発した溶媒の再液化を防ぎ、液滴2の移動をより確実に防ぐことができる。特に、液滴乾燥装置19では、温度制御装置25は、基板加熱装置4の動作を制御することによって、基板1を介して基板加熱装置4で加熱される液滴2の温度を制御することができるので、ガス供給部45の加熱手段の動作のみを制御する場合に比べ、液滴2の周囲の気体の温度と液滴2の温度との関係をより厳密に制御することができる。したがって、液滴2の移動を一層確実に抑制することができる。
液滴吐出装置80は、本実施形態ではインクジェット吐出装置80であり、図20に示すように、基板1が載置されるステージ82と、ステージ82を臨むように設けられ、基板1に液体材料を吐出させて液滴2を形成するインクジェットヘッド83と、図示しない電荷結合素子(Charge Coupled Device;略称CCD)を有し、基板1に配置された液滴2を、基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向から観察することのできるCCDカメラ84と、パーソナルコンピュータ85と、パーソナルコンピュータ85に接続されるステージドライバユニット86およびインクジェットヘッドドライバユニット87と、インクジェットヘッドドライバ87およびCCDカメラ84を支持する支持部材88とを含む。インクジェットヘッド83は、インクジェットヘッドドライバユニット87を介して支持部材88に支持される。
ステージ82は、平坦な一表面部を有し、該一表面部が基板1の載置される載置面となる。ステージ82は、図示しない突起形状の位置決めピンによって基板1を位置決めし、図示しない真空吸着手段によって基板1を真空吸着して載置面に固定する。ステージ82は、本実施形態では、水平面座標である2次元平面座標を表すX軸およびY軸の2軸方向に移動可能なXYステージとして構成される。
ステージ82は、ステージドライバユニット86によって駆動される。インクジェットヘッド83は、インクジェットヘッドドライバユニット87によって駆動される。ステージドライバユニット86およびインクジェットヘッドドライバユニット87の動作は、パーソナルコンピュータ85によって制御される。
ステージドライバユニット86は、パーソナルコンピュータ85からの動作指令に従って、ステージ82に載置される基板1の液滴2を配置するべき位置、すなわち構造物作製予定部3が、CCDカメラ84で観察可能な位置に配置されるように、ステージ82の位置を調整する。また、ステージドライバユニット86は、パーソナルコンピュータ85からの動作指令に従って、ステージ82に載置される基板1のCCDカメラ84による観察で確認された構造物作製予定部3が、インクジェットヘッド83から液体材料を吐出可能な位置に配置されるように、ステージ82の位置を調整する。インクジェットヘッドドライバユニット87は、パーソナルコンピュータ85からの動作指令に従って、ステージ82に載置される基板1のCCDカメラ84による観察で確認された構造物作製予定部3に液体材料が吐出されるように、インクジェットヘッド83を駆動させる。これによって、CCDカメラ84による観察によって確認された構造物作製予定部3に、インクジェットヘッド83から液体材料を吐出させて液滴2を形成することができる。
液滴吐出装置80は、ステージ82に基板1を載置して固定した後、パーソナルコンピュータ85からインクジェットヘッドドライバユニット87およびステージドライバユニット86に動作指令を送り、ステージ82に固定された基板1の構造物作製予定部3がインクジェットヘッド83の直下に位置するようにステージ82の位置を調整するとともに、インクジェットヘッド83から液体材料を吐出させ、基板1に液滴2を配置する。
図19に示す硬化処理装置81は、本実施形態では光硬化装置81である。光硬化装置81は、液滴2に含まれる固化成分として、紫外線硬化性樹脂組成物などの光硬化性樹脂組成物を用いる場合に使用される。光硬化装置81は、基板1が載置される基板台89と、基板1に光を照射するランプ90と、ランプ90からの光の照射量を調整する照射量調整装置91とを含んで構成される。光硬化装置81は、液滴乾燥装置19による液滴2の乾燥後に基板1に残存する固化成分に、ランプ90から光を照射することによって、該固化成分を硬化させる。固化成分として熱硬化性樹脂組成物を用いる場合には、硬化処理装置81として、光硬化装置に代えて、固化成分を加熱する加熱手段を有する加熱硬化装置が設けられる。なお、固化成分を硬化させる必要がない場合には、3次元構造物作製装置20は、硬化処理装置81を有しない構成とすることもできる。
3次元構造物作製装置20は、基板1の構造物作製予定部3に液滴吐出装置80によって液滴2を配置し、配置された液滴2を液滴乾燥装置19によって乾燥させ、必要に応じて硬化処理装置81によって硬化させて3次元構造物を作製する。液滴乾燥装置19では、乾燥過程における液滴2の移動を抑えることができるので、3次元構造物作製装置20を用いることによって、基板1の所望の位置に精度良く3次元構造物を作製することができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
本実施例では、図19に示す3次元構造物作製装置20を準備し、3次元構造物の作製を行なった事例について示す。ただし、液滴乾燥装置としては、液滴乾燥装置19に代えて、前述の図13に示す液滴乾燥装置14を用いた。また、液滴乾燥装置14のガス排気部58の吸引ポンプとしては、ダイアフラムポンプ(型番:DCA P104 A4、ギャスト(GAST)社製)を用いた。このダイアフラムポンプの排気量は約18NL/minである。
また、基板1としては、ガラス基板(商品名:#1737、コーニング社製)を中性洗剤(商品名:ママレモン、ライオン株式会社製)で洗浄した後、超純水(導電率0.1μS/cm)によって充分にすすぎ、乾燥させた後、全面に撥液処理用剤によって撥液化処理を施したものを用いた。撥液処理用剤としては、フッ化アルキル樹脂(商品名:エフトーン GM−105、ダイキン工業株式会社製)10重量部、酢酸ブチル30重量部およびミネラルスピリット60重量部を混合したものを用いた。
また、液滴2を形成する液体材料としては、固化成分である紫外線硬化性インク(商品名:ダイキュアクリアSD−2407、大日本インキ化学工業株式会社製)をメチルカルビトールで2倍に希釈したもの(紫外線硬化性インクの濃度:50体積%)を使用した。なお、前述の紫外線硬化性インク(ダイキュアクリアSD−2407)は、溶媒を含まない無溶媒型のインクである。
(実施例1)
基板1の撥液化処理された表面に、液滴吐出装置80を用いて液体材料を吐出させ、50個の液滴2を形成した。50個の液滴2は、図21に示すように、244μm間隔で、5×10のマトリックス状に配置した。すなわち、各液滴2は、その中心から、隣合う液滴2の中心までの距離(以後、液滴間距離と称する)が244μmになるように配置されている。以後、この液滴間距離を、隣合う3次元構造物の中心間距離(以後、3次元構造物間距離と称する)の設計値d0と称する。
次いで、液滴乾燥装置14を用い、以下のようにして液滴2の乾燥を行なった。液滴2が配置された基板1を、温度100℃に設定したホットプレート4に載置し、ガス排気部58で吸引しながら10分間加熱した。このとき、ガス排気部58の吸引管57は、基板1に配置された全ての液滴2が吸引口56に臨み、かつ吸引口56を形成する開口縁部56aと基板1との距離(以後、吸引口−基板間距離と称する)D1が3mmになるように設置した。
次いで、光硬化装置81を用いて、乾燥後の液滴2、すなわち乾燥後に残存する固化成分に紫外線を照射して固化成分を硬化させ、3次元構造物を作製した。実施例1で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真を図22に示す。
(実施例2)
液滴2の乾燥に際し、吸引口−基板間距離D1を5mmに変更すること以外は実施例1と同様にして、3次元構造物を作製した。実施例2で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真を図23に示す。
(比較例)
液滴2の乾燥に際し、ガス排気部58による吸引を行なわない以外は実施例1と同様にして、3次元構造物を作製した。比較例で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真を図24に示す。また図25に、比較例で作製した3次元構造物のひとつを拡大撮像したレーザー顕微鏡写真を示す。
(参考例)
液滴2の乾燥に際し、吸引口−基板間距離D1を1mmに変更すること以外は実施例1と同様にして、3次元構造物を作製した。参考例で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真を図26に示す。
図26に示すように、吸引口−基板間距離D1を1mmとした場合、作製された3次元構造物は、以下の評価を行なうことができないほど位置ずれを起こしており、中には液滴2同士が合体して形成された3次元構造物も確認された。参考例において位置ずれが生じたのは、吸引口56と基板1とが近すぎて、液滴2の周囲に形成される気体の流れが強くなりすぎ、液滴2自体が気体によって押されたためであると考えられる。
(実施例3)
液滴2の乾燥を、ホットプレート4による基板1の加熱およびガス排気部58による吸引に代えて、室温(25℃程度)で15時間放置することによる自然乾燥にて実施する以外は実施例1と同様にして、3次元構造物を作製した。実施例3で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真を図27に示す。また図28に、実施例3で作製した3次元構造物のひとつを拡大撮像したレーザー顕微鏡写真を示す。
〔評価〕
以上の実施例1,2,3および比較例で作製した各3次元構造物について、レーザー顕微鏡写真から、隣合う3次元構造物の中心間距離(以後、3次元構造物間距離と称する)d1を求め、この値(d1)から3次元構造物間距離の設計値d0(244μm)を差引いた値(d1−d0)を位置ずれ量Δd[μm]として求めた。図29は、実施例1,2および比較例の各3次元構造物の位置ずれ量Δdの頻度分布を示すグラフである。図30は、実施例3の各3次元構造物の位置ずれ量Δdの頻度分布を示すグラフである。図29および図30において、横軸は位置ずれ量Δd[μm]を示し、縦軸はカウント数[個]を示す。図29では、実施例1のグラフを参照符95で示される実線のグラフで表し、実施例2のグラフを参照符96で示される破線のグラフで表し、比較例のグラフを参照符97で示される点線のグラフで表す。なお本実施例では、50個の3次元構造物を作製したので、図29および図30に示すカウント数の合計は、隣合う3次元構造物の組合せの総数である85個となる。
また、前述のようにして求めた3次元構造物間距離d1から、3次元構造物間距離d1の平均値[μm]および標準偏差σの3倍の値(以後、3σと表記する)[μm]を求めた。結果を表1に示す。
図29および表1から、ポンプによる吸引を行なわずに基板の加熱を行なった比較例において、3σが大きく、位置ずれ量の分布の幅が最も大きくなっていることが判る。このことから、実施例1および2のように、ポンプによる吸引を行ないながら基板を加熱することによって、液滴2の位置ずれを抑制することができることが判った。これは、基板の加熱によって発生した溶媒の蒸気がポンプ吸引によって除去され、再液化した溶媒の基板への付着が抑制されるためであると推察される。
また、図30および表1から、実施例3のように液滴2を自然乾燥させた場合は、比較例のように加熱した場合よりも位置ずれ量が小さく、位置ずれ量の分布の幅も小さくなっていることが判る。また、比較例で作製された3次元構造物をレーザー顕微鏡で観察すると、図25に示すように、3次元構造物の周辺に多数の微細な液滴の跡が確認された。この微細な液滴の跡は、図28に示すように、基板1を加熱せずに液滴2を自然乾燥させた場合には観測されないことから、液滴2から蒸発した溶媒の蒸気が再液化し、基板1に付着して乾燥したものと考えられる。以上のことから、実施例3のように液滴2の周囲の気体の温度を液滴2の温度以上にして溶媒を蒸発させることによって、溶媒の再液化が抑制され、再液化した溶媒による液滴の移動が防止されることが判る。
また、実施例1と実施例2との比較から、吸引口−基板間距離D1を3mmとした実施例1の方が、前記距離D1を5mmとした実施例2に比べ、3σが小さく、位置ずれ量の分布の幅が小さいことが判る。このことから、前記距離D1を4mm以下にすることによって、液滴2の周囲に溶媒の蒸気を除去するのに充分な気体の流れを形成することができ、液滴2の位置ずれをより確実に抑制できることが判る。
基板1に液滴2を配置した状態を示す平面図である。 液滴の位置ずれの発生メカニズムを模式的に示す図である。 液滴2が構造物作製予定部3から移動して位置ずれが発生した状態を模式的に示す平面図である。 本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置の一例である液滴乾燥装置8の構成を側面側から見て示す配置図である。 温水ヒータ26を備える液滴乾燥装置9の構成を側面側から見て示す配置図である。 本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置の他の例である液滴乾燥装置10の構成を側面側から見て示す配置図である。 本実施態様による液滴2の乾燥に好適に用いられる液滴乾燥装置のさらに他の例である液滴乾燥装置11の構成を側面側から見て示す配置図である。 基板冷却装置43を備える液滴乾燥装置12の構成を側面側から見て示す配置図である。 本発明の実施の他の形態である液滴乾燥装置13の構成を側面側から見て示す配置図である。 図9に示す液滴乾燥装置13を鉛直斜め上方向から見て示す斜視図である。 図9に示す液滴乾燥装置13を用いて液滴2の乾燥を行なう様子を模式的に示す側面図である。 基板1の液滴2が配置された表面に略垂直な方向に気体の流れ54を形成させて液滴2の乾燥を行なう様子を模式的に示す側面図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置14の構成を側面側から見て示す配置図である。 基板1に複数の液滴2をY方向に直線状に一列に配置した状態を示す平面図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置15の構成を側面側から見て示す配置図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置16の構成を簡略化して示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置17の構成を簡略化して示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置18の構成を簡略化して示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴乾燥装置19を備える3次元構造物作製装置20の構成を側面側から見て示す配置図である。 3次元構造物作製装置20に備わる液滴吐出装置80の構成を簡略化して示す配置図である。
実施例における液滴2の配置状態を示す平面図である。 実施例1で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真である。 実施例2で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真である。 比較例で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真である。 比較例で作製した3次元構造物のひとつを拡大撮像したレーザー顕微鏡写真である。 参考例で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真である。 実施例3で作製した3次元構造物のレーザー顕微鏡写真である。 実施例3で作製した3次元構造物のひとつを拡大撮像したレーザー顕微鏡写真である。 実施例1,2および比較例の各3次元構造物の位置ずれ量Δdの頻度分布を示すグラフである。 実施例3の各3次元構造物の位置ずれ量Δdの頻度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 液滴
3 構造物作製予定部
4 基板加熱装置
8〜19 液滴乾燥装置
20 3次元構造物作製装置
21 保温容器
22 基板温度計
23 雰囲気温度計
24 ヒータ
25 温度制御装置
26 温水ヒータ
31 加熱ガス供給装置
40 オーブン
43 基板冷却装置
45,64 ガス供給部
46,58 ガス排気部
47,61 ガス供給管
50,56 吸引口
51,57 吸引管
52 吸引ポンプ
53,55,59,60,62 気流形成手段

Claims (11)

  1. 基板の予め定める部分に3次元構造物を作製する3次元構造物の作製方法であって、
    基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分に、固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する液滴配置工程と、
    配置された液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥工程とを含み、
    液滴乾燥工程では、
    液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上にして溶媒を蒸発させることを特徴とする3次元構造物の作製方法。
  2. 液滴乾燥工程では、
    自然乾燥によって液滴を乾燥させることを特徴とする請求項1記載の3次元構造物の作製方法。
  3. 基板の予め定める部分に3次元構造物を作製する3次元構造物の作製方法であって、
    基板の3次元構造物を作製するべく予め定める部分に、固化成分と溶媒とを含む液滴を配置する液滴配置工程と、
    配置された液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥工程とを含み、
    液滴乾燥工程では、
    液滴の周囲に気体の流れを形成させて溶媒を蒸発させることを特徴とする3次元構造物の作製方法。
  4. 液滴乾燥工程において液滴の周囲を流過する気体の温度が、液滴の温度以上であることを特徴とする請求項3記載の3次元構造物の作製方法。
  5. 液滴乾燥工程では、
    気体の流れを、基板の液滴が配置された表面に略垂直な方向に形成させることを特徴とする請求項3または4記載の3次元構造物の作製方法。
  6. 対向する一対の基板間に設けられるスペーサであって、
    一対の基板のうち少なくともいずれか一方の基板に設けられる遮光部または遮光部が投影される領域に、請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の3次元構造物の作製方法によって形成される3次元構造物から成ることを特徴とするスペーサ。
  7. 基板に配置される固化成分と溶媒とを含む液滴から溶媒を蒸発させることによって液滴を乾燥させる液滴乾燥装置であって、
    基板に配置された液滴の周囲に気体の流れを形成する気流形成手段を備えることを特徴とする液滴乾燥装置。
  8. 液滴の周囲の気体の温度を測定する雰囲気温度測定手段と、
    液滴の温度を測定する液滴温度測定手段と、
    雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の周囲の気体の温度を液滴の温度以上になるように制御する制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項7記載の液滴乾燥装置。
  9. 制御手段は、雰囲気温度測定手段および液滴温度測定手段の出力結果に基づいて、液滴の温度を制御する機能をさらに有することを特徴とする請求項8記載の液滴乾燥装置。
  10. 気流形成手段は、気体を排気する気体排気手段を含み、
    気体排気手段は、基板の液滴が配置された表面を臨むように形成される吸引口を有する吸引部材を備えることを特徴とする請求項7〜9のうちのいずれか1つに記載の液滴乾燥装置。
  11. 気流形成手段は、基板の液滴が配置された表面へ気体を供給する気体供給手段をさらに含むことを特徴とする請求項10記載の液滴乾燥装置。
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