JP2007020389A - 同期整流回路およびスイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広範囲な入力電圧に対して電力損失が少ない、高効率の同期整流回路およびスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】第1および第2スイッチ素子M1,M2と、入力電圧が中間電圧(例えば0V)に遷移することに応じて保持電圧を均等化可能に互いに接続された第1および第2キャパシタC1,C2と、入力電圧が負極電圧から0Vに遷移することによって変化したC1の保持電圧に応じて第1スイッチ素子M1をオンし、当該入力電圧が0Vから負極電圧に遷移するタイミングより早くM1をオフする第1駆動手段と、入力電圧が正極電圧から0Vに遷移することによって変化したC2の保持電圧に応じて第2スイッチ素子M2をオンし、当該入力電圧が0Vから正極電圧に遷移するタイミングより早くM2をオフにする第2駆動手段とを有する。
【選択図】図5
【解決手段】第1および第2スイッチ素子M1,M2と、入力電圧が中間電圧(例えば0V)に遷移することに応じて保持電圧を均等化可能に互いに接続された第1および第2キャパシタC1,C2と、入力電圧が負極電圧から0Vに遷移することによって変化したC1の保持電圧に応じて第1スイッチ素子M1をオンし、当該入力電圧が0Vから負極電圧に遷移するタイミングより早くM1をオフする第1駆動手段と、入力電圧が正極電圧から0Vに遷移することによって変化したC2の保持電圧に応じて第2スイッチ素子M2をオンし、当該入力電圧が0Vから正極電圧に遷移するタイミングより早くM2をオフにする第2駆動手段とを有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、直流電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置に関し、特に、その同期整流技術に関する。
同期整流方式のスイッチング電源装置は、整流回路を構成するダイオードの代わりに、電界効果トランジスタ等を整流素子として用い、順方向電圧降下を小さくすることによって損失を低減させることを目的としたスイッチング電源装置である。
以下、下記特許文献1に開示されている従来の同期整流方式のスイッチング電源装置について、添付図面に関連付けて説明する。
以下、下記特許文献1に開示されている従来の同期整流方式のスイッチング電源装置について、添付図面に関連付けて説明する。
図1は、従来の同期整流方式のスイッチング電源装置の一例を説明するための図であり、(a)は回路図、(b)〜(f)は各部のタイミングチャートである。タイミングチャートにおいて、(b)は変圧器の出力電圧、(c)はNMOSトランジスタQ100のゲート電圧、(d)はNMOSトランジスタQ200のゲート電圧、(e)はNMOSトランジスタQ100のドレイン電流Id、(f)はNMOSトランジスタQ200のドレイン電流Id、を示す。
図1に示すスイッチング電源装置は、カレントダブラ出力による同期整流方法をとっている。このスイッチング電源装置では、変圧器の出力がない場合、すなわち、転流状態において、フィルタインダクタL10からエネルギーが放出されて、電流が転流する。このとき、図1(c)および(d)が示すように、NMOSトランジスタQ100およびQ200はオフしている。
したがって、転流電流はNMOSトランジスタQ100およびQ200のドレイン−ソース間の寄生ダイオードを経由して出力する。それゆえ、転流時の損失(転流損失)が大きい。
したがって、転流電流はNMOSトランジスタQ100およびQ200のドレイン−ソース間の寄生ダイオードを経由して出力する。それゆえ、転流時の損失(転流損失)が大きい。
図2は、従来の同期整流方式のスイッチング電源装置の他の例を説明するための図であり、(a)は回路図、(b)〜(f)は各部のタイミングチャートである。タイミングチャートにおいて、(b)は変圧器の出力電圧、(c)はNMOSトランジスタQ100のゲート電圧、(d)はNMOSトランジスタQ200のゲート電圧、(e)はNMOSトランジスタQ100のドレイン電流Id、(f)はNMOSトランジスタQ200のドレイン電流Id、を示す。
図2に示すスイッチング電源装置は、図1示すスイッチング電源装置と比較して、補助巻線、当該補助巻線の出力信号に基づいてNMOSトランジスタQ100、200のゲート電圧を制限する電圧制限回路、および放電回路が追加されている。これにより、図2(c)および(d)に示すように、変圧器の出力がない場合でもNMOSトランジスタQ100およびQ200をオンさせ、上述した転流損失を抑制するようにしている。
ところで、図2に示したスイッチング電源装置は、変圧器に対する入力電圧が幅広く変動する場合に、駆動ピーク電圧をゲート破壊電圧以下に制限させるために電圧制限回路を設けており、これにより駆動電圧を所定の制限値にクランプしている。したがって、その分ドライブ損失が発生する。
また、低電圧入力時には、変圧器出力がない転流期間中にドライブ電圧がクランプ電圧よりも低くなり、NMOSトランジスタQ100とQ200のオン抵抗が増加するため、転流損失が増加する。
たとえば、図2(e)の時刻T5〜T7は転流期間であるが、時刻T5において、NMOSトランジスタ100のドレイン電流Idは急激に低下しているが、実際には、インダクタ分から急峻なエネルギー放出ができないために、時刻T5〜T7におけるドレイン電流Idは、時刻T4〜T5におけるピーク電流に近い大きさの電流が残留している(図9(c)を参照)。
一方、図2(c)に見られるように、時刻T5〜T7(転流期間)では、時刻T4〜T5(駆動期間)におけるクランプ電圧と比較して小さいドライブ電圧がNMOSトランジスタ100のゲートに印加されるため、時刻T5〜T7(転流期間)では、NMOSトランジスタ100のオン抵抗の増加と実際には維持される大電流とが相まって、転流損失が大きくなる。
たとえば、図2(e)の時刻T5〜T7は転流期間であるが、時刻T5において、NMOSトランジスタ100のドレイン電流Idは急激に低下しているが、実際には、インダクタ分から急峻なエネルギー放出ができないために、時刻T5〜T7におけるドレイン電流Idは、時刻T4〜T5におけるピーク電流に近い大きさの電流が残留している(図9(c)を参照)。
一方、図2(c)に見られるように、時刻T5〜T7(転流期間)では、時刻T4〜T5(駆動期間)におけるクランプ電圧と比較して小さいドライブ電圧がNMOSトランジスタ100のゲートに印加されるため、時刻T5〜T7(転流期間)では、NMOSトランジスタ100のオン抵抗の増加と実際には維持される大電流とが相まって、転流損失が大きくなる。
本発明が解決しようとする課題は、広範囲な入力電圧に対して電力損失が少ない、高効率の同期整流回路およびスイッチング電源装置を提供することである。
本発明の第1観点の同期整流回路は、1周期のうち、第1期間に負極電圧となり、第3期間に正極電圧となり、第2期間と第4期間に前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧となる交流電圧を入力する入力手段と、第1および第2スイッチ素子を含み、前記入力手段から前記交流電圧を入力する整流手段と、前記整流手段の入力電圧が前記正極電圧に遷移することに応じて電圧を保持し、前記負極電圧の入力に応じて保持電圧を放出する第1電圧保持手段と、前記入力電圧が前記中間電圧に遷移することに応じて保持電圧を均等化可能に前記第1電圧保持手段と接続され、前記入力電圧が前記負極電圧に遷移することに応じて電圧を保持し、前記正極電圧の入力に応じて保持電圧を放電する第2電圧保持手段と、前記入力電圧が前記負極電圧から前記中間電圧に遷移することによって変化した前記第1電圧保持手段の保持電圧に応じて前記第1スイッチ素子をオンし、当該入力電圧が前記中間電圧から前記負極電圧に遷移するタイミングより早く前記第1スイッチ素子をオフする第1駆動手段と、前記入力電圧が前記正極電圧から前記中間電圧に遷移することによって変化した前記第2電圧保持手段の保持電圧に応じて前記第2スイッチ素子をオンし、当該入力電圧が前記中間電圧から前記正極電圧に遷移するタイミングより早く前記第2スイッチ素子をオフにする第2駆動手段とを有する。
本発明の第2観点の同期整流回路は、1次巻線、2次巻線および補助巻線を有し、交互に負極電圧と正極電圧になり、前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧に電圧極性の遷移期間になる交流電圧を前記1次巻線から入力する変圧器と、前記負極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第1トリガ信号、および、前記正極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第2トリガ信号を発生するトリガ信号発生回路と、前記2次巻線の一端に接続される第1スイッチ素子、および、他端に接続される第2スイッチ素子を含む整流回路と、前記補助巻線の一端と他端との間に直列接続される第1および第2キャパシタと、前記第1キャパシタに並列接続される第1放電ダイオードと、前記第2キャパシタに並列接続される第2放電ダイオードと、前記補助巻線の前記一端と前記第1スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記正極電圧の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオンする第1トランジスタと、前記第1トリガ信号の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオフする第2トランジスタと、前記補助巻線の前記他端と前記第2スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記負極電圧の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオンする第3トランジスタと、前記第2トリガ信号の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオフする第4トランジスタとを備える。
本発明の第3観点のスイッチング電源装置は、直流電圧の導通状態を切り替えて、交互に負極電圧と正極電圧になり、前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧に電圧極性の遷移期間になる交流電圧を生成するスイッチング回路と、1次巻線、2次巻線および補助巻線を有し、前記交流電圧を前記一次巻線から入力する変圧器と、前記負極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第1トリガ信号、および、前記正極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第2トリガ信号を発生するトリガ信号発生回路と、前記2次巻線の一端に接続される第1スイッチ素子、および、他端に接続される第2スイッチ素子を含む整流回路と、前記変圧器の前記補助巻線から入力される交流電圧に応じて、前記第1および第2スイッチ素子を駆動する駆動回路と、前記整流回路の出力電圧に応じて、前記変圧器に入力される前記交流電圧の1サイクルにおける前記負極電圧と前記正極電圧との比率を制御する制御回路とを有する。
前記駆動回路は、前記補助巻線の一端と他端との間に直列接続される第1および第2キャパシタと、前記第1キャパシタに並列接続される第1放電ダイオードと、前記第2キャパシタに並列接続される第2放電ダイオードと、前記補助巻線の前記一端と前記第1スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記正極電圧の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオンする第1トランジスタと、前記第1トリガ信号の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオフする第2トランジスタと、前記補助巻線の前記他端と前記第2スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記負極電圧の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオンする第3トランジスタと、前記第2トリガ信号の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオフする第4トランジスタとを備える。
前記駆動回路は、前記補助巻線の一端と他端との間に直列接続される第1および第2キャパシタと、前記第1キャパシタに並列接続される第1放電ダイオードと、前記第2キャパシタに並列接続される第2放電ダイオードと、前記補助巻線の前記一端と前記第1スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記正極電圧の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオンする第1トランジスタと、前記第1トリガ信号の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオフする第2トランジスタと、前記補助巻線の前記他端と前記第2スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記負極電圧の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオンする第3トランジスタと、前記第2トリガ信号の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオフする第4トランジスタとを備える。
本発明によれば、広範囲な入力電圧に対して電力損失が少ない、高効率の同期整流を実現することができる。
以下、本発明に係るスイッチング電源装置の実施形態について、添付図面に関連付けて説明する。
[スイッチング電源装置1の構成]
図3は、実施形態に係るスイッチング電源装置1の回路構成を示すブロック図である。
スイッチング電源装置1は、フルブリッジ型の全波整流を行うものであって、スイッチング回路30、変圧器Tmの出力電圧に対して同期整流を行う同期整流回路50、出力電圧Voutに基づいてスイッチング回路を制御するPWM制御回路(PWMIC)20、トリガ信号生成回路40を主要な構成要素として含む。また、図3に示すスイッチング電源装置1は、インダクタL1,L2を含むカレントダブラ型の出力を有している。
このカレントダブラ型出力では、インダクタL1,L2をそれぞれ流れる電流は、互いに180度位相がずれ、電流リップルがキャンセルされる。
[スイッチング電源装置1の構成]
図3は、実施形態に係るスイッチング電源装置1の回路構成を示すブロック図である。
スイッチング電源装置1は、フルブリッジ型の全波整流を行うものであって、スイッチング回路30、変圧器Tmの出力電圧に対して同期整流を行う同期整流回路50、出力電圧Voutに基づいてスイッチング回路を制御するPWM制御回路(PWMIC)20、トリガ信号生成回路40を主要な構成要素として含む。また、図3に示すスイッチング電源装置1は、インダクタL1,L2を含むカレントダブラ型の出力を有している。
このカレントダブラ型出力では、インダクタL1,L2をそれぞれ流れる電流は、互いに180度位相がずれ、電流リップルがキャンセルされる。
スイッチング電源装置1において、入力直流電圧Vinは、スイッチング回路30によって交流電圧に変換されて、変圧器Tmに与えられる。変圧器Tmは、与えられた交流電圧を絶縁して2次側に伝達し、伝達された交流電圧は、整流素子M1,M2によって整流され、出力電圧Voutが生成される。なお、本実施形態では、整流素子M1,M2は、NMOSトランジスタである。
出力電圧Voutは、たとえばフォトカプラ(図示しない)などで絶縁されてPWM制御回路20にフィードバックされ、その値に応じて、スイッチング回路30で生成される交流電圧の極性比率が制御される。
出力電圧Voutは、たとえばフォトカプラ(図示しない)などで絶縁されてPWM制御回路20にフィードバックされ、その値に応じて、スイッチング回路30で生成される交流電圧の極性比率が制御される。
同期整流回路50では、変圧器Tmに設けられた補助巻線に接続された駆動部10が、スイッチング回路30により生成される交流電圧に基づいて、整流素子M1,M2を制御し、整流動作を実現する。なお、変圧器Tm、整流素子としてのNMOSトランジスタM1,M2、および駆動部10は、本発明の同期整流回路に対応する。
具体的には、駆動部10では、変圧器Tmの2次巻線に生ずる電圧極性に応じて、NMOSトランジスタM1またはM2のいずれかをオフさせる。この整流動作により、出力端子には所望の直流電圧出力Voutが生成される。
具体的には、駆動部10では、変圧器Tmの2次巻線に生ずる電圧極性に応じて、NMOSトランジスタM1またはM2のいずれかをオフさせる。この整流動作により、出力端子には所望の直流電圧出力Voutが生成される。
PWM制御回路20は、トリガ信号生成回路40に対して、スイッチング回路30に与える制御信号に同期したPWM信号P1を供給する。このPWM信号P1は、スイッチング回路30に与える制御信号のタイミングに応じて制御される。
トリガ信号生成回路40は、PWM信号P1に基づいてトリガ信号を生成し、駆動部10に対して供給する。後述するように、このトリガ信号によって、駆動部10における同期整流の効率を高めることができる。
トリガ信号生成回路40は、PWM信号P1に基づいてトリガ信号を生成し、駆動部10に対して供給する。後述するように、このトリガ信号によって、駆動部10における同期整流の効率を高めることができる。
以下、順を追ってスイッチング電源装置1の各部の構成について述べる。
[スイッチング回路30]
スイッチング回路30は、4つのNMOSトランジスタQ31〜Q34を含んで構成され、PWM制御回路20からの制御信号が各NMOSトランジスタのゲートに与えられて動作する。
スイッチング回路30は、4つのNMOSトランジスタQ31〜Q34を含んで構成され、PWM制御回路20からの制御信号が各NMOSトランジスタのゲートに与えられて動作する。
図3に示すように、NMOSトランジスタQ31のドレインは、直流電圧Vinが印加されるノード130に接続され、ソースは変圧器Tmの1次巻線の一端であるノード131に接続される。
NMOSトランジスタQ32のドレインはノード131に接続され、ソースはグランド端子である133に接続される。
NMOSトランジスタQ33のドレインはノード130に接続され、ソースは変圧器Tmの1次巻線の他端であるノード132に接続される。
NMOSトランジスタQ34のドレインはノード132に接続され、ソースはグランド端子である133に接続される。
NMOSトランジスタQ32のドレインはノード131に接続され、ソースはグランド端子である133に接続される。
NMOSトランジスタQ33のドレインはノード130に接続され、ソースは変圧器Tmの1次巻線の他端であるノード132に接続される。
NMOSトランジスタQ34のドレインはノード132に接続され、ソースはグランド端子である133に接続される。
スイッチング回路30では、第1期間において、NMOSトランジスタQ32およびQ33がともにオンされて、変圧器Tmの1次巻線に生ずる電圧が負となる。第2期間では、NMOSトランジスタQ31およびQ34がともにオンされ、変圧器Tmの1次巻線に生ずる電圧が正となる。第1期間と第2期間の間の第3期間では、たとえば、NMOSトランジスタQ32およびQ34がともにオンされて、変圧器Tmの1次巻線に生ずる電圧が0となる。このような交流電圧が生成されるように、PWM制御回路20は、スイッチング回路30に対して制御信号を与える。なお、上記第1〜第3期間は、本発明の第1〜第3期間に対応している。
変圧器Tmの2次巻線には、スイッチング回路30により生成された交流電圧を反転した電圧が励起される。
変圧器Tmの2次巻線には、スイッチング回路30により生成された交流電圧を反転した電圧が励起される。
[トリガ信号生成回路40]
図4は、トリガ信号生成回路40の回路図の一例を示す。
トリガ信号生成回路40は、PWM制御回路20からPWM信号P1をノード100から入力し、互いに反転した(180度位相がずれた)狭幅のトリガ信号TR1,TR2を生成し、それぞれノード105,106から出力する。
図4に示すように、トリガ信号生成回路40は、ダイオードD41,D42、キャパシタC41,C42、変圧器T1を含んで構成される。
キャパシタC41,C42は、数十から数百pF程度の小容量の充放電用のコンデンサである。ダイオードD41,D42は、変圧器T1をリセットするためのダイオードである。
図4は、トリガ信号生成回路40の回路図の一例を示す。
トリガ信号生成回路40は、PWM制御回路20からPWM信号P1をノード100から入力し、互いに反転した(180度位相がずれた)狭幅のトリガ信号TR1,TR2を生成し、それぞれノード105,106から出力する。
図4に示すように、トリガ信号生成回路40は、ダイオードD41,D42、キャパシタC41,C42、変圧器T1を含んで構成される。
キャパシタC41,C42は、数十から数百pF程度の小容量の充放電用のコンデンサである。ダイオードD41,D42は、変圧器T1をリセットするためのダイオードである。
変圧器T1の1次側の巻線は、ノード100とノード101間に接続される。
キャパシタC41とダイオードD41は、ノード103と端子104間に並列に接続される。キャパシタC42とダイオードD42は、ノード101と端子102間に並列に接続される。
キャパシタC41とダイオードD41は、ノード103と端子104間に並列に接続される。キャパシタC42とダイオードD42は、ノード101と端子102間に並列に接続される。
PWM信号P1がLレベル(ローレベル)からHレベル(ハイレベル)になる時には、端子100→変圧器T1の1次巻線→ノード101,103→キャパシタC41,C42の経路で、キャパシタC42が充電されるとともに、キャパシタC41は放電する。
キャパシタC41,C42の容量が小さいため、極めて短い時間内に充放電は完了した後、ダイオードD41の順方向電圧VFにより変圧器T1をリセットすることになる。
キャパシタC41,C42の容量が小さいため、極めて短い時間内に充放電は完了した後、ダイオードD41の順方向電圧VFにより変圧器T1をリセットすることになる。
PWM信号P1がHレベルからLレベルになる時には、キャパシタC41,C42→ノード101,103→変圧器T1の1次巻線→ノード100の経路で、キャパシタC41が充電されるとともに、キャパシタC42は放電する。
キャパシタC41,C42の容量が小さいため、極めて短い時間内に充放電は完了した後、ダイオードD42の順方向電圧VFにより変圧器T1をリセットすることになる。
キャパシタC41,C42の容量が小さいため、極めて短い時間内に充放電は完了した後、ダイオードD42の順方向電圧VFにより変圧器T1をリセットすることになる。
以上の動作により、変圧器T1の2次巻線に生ずるトリガ信号TR1,TR2は、入力したPWM信号の立ち上がり/立ち下がりのタイミングに応じた狭幅の信号であって、交互に反転したものとなる。
なお、本実施形態に係るスイッチング電源装置1では、後述するように、トリガ生成回路が生成するトリガ信号は、変圧器Tmに入力される信号に対して、少しだけ立ち上がる時間が進んでいる必要があるが、PWM制御回路20は、スイッチング回路30に与える制御信号と同期して、PWM信号P1をトリガ生成回路40に供給する。そうすると、スイッチング回路30におけるトランジスタ(FET)の応答遅れがあるために、トリガ信号は、変圧器Tmに入力される信号に対して、自然と少しだけ立ち上がり時間が進むようになる。
また、PWM制御回路20において、必要な期間だけ立ち上がり時間が進むように、スイッチング回路に与える制御信号と、トリガ生成回路に与えるPWM信号P1との出力タイミングを制御するように構成してもよい。
また、PWM制御回路20において、必要な期間だけ立ち上がり時間が進むように、スイッチング回路に与える制御信号と、トリガ生成回路に与えるPWM信号P1との出力タイミングを制御するように構成してもよい。
なお、トリガ信号生成回路40では、必要に応じてトランジスタを設け、PWM制御回路20から供給されるPWM信号P1を増幅して処理することもできる。
[同期整流回路50における駆動部10]
図5は、実施形態における駆動部10の回路図である。
図に示すように、駆動部10は、整流素子としてのNMOSトランジスタM1を駆動するための駆動回路11と、整流素子としてのNMOSトランジスタM2を駆動するための駆動回路12とを含む。
駆動部10では、変圧器Tmの入力電圧Vsが負のときはNMOSトランジスタM1をオフさせ、入力電圧Vsが正のときはNMOSトランジスタM2をオフさせる。変圧器Tmの入力電圧Vsが0のときには、NMOSトランジスタM1およびM2はともにオンとなり、インダクタL1またはL2に蓄積されたエネルギーが放出される「転流状態」となる。それゆえ、駆動回路11と駆動回路12とでは、回路構成は全く同一(グランド線を軸にした線対称の関係)であって、完全に逆の動作となる。
したがって、以下の説明では、駆動回路11の回路構成・動作を中心に説明する。
図5は、実施形態における駆動部10の回路図である。
図に示すように、駆動部10は、整流素子としてのNMOSトランジスタM1を駆動するための駆動回路11と、整流素子としてのNMOSトランジスタM2を駆動するための駆動回路12とを含む。
駆動部10では、変圧器Tmの入力電圧Vsが負のときはNMOSトランジスタM1をオフさせ、入力電圧Vsが正のときはNMOSトランジスタM2をオフさせる。変圧器Tmの入力電圧Vsが0のときには、NMOSトランジスタM1およびM2はともにオンとなり、インダクタL1またはL2に蓄積されたエネルギーが放出される「転流状態」となる。それゆえ、駆動回路11と駆動回路12とでは、回路構成は全く同一(グランド線を軸にした線対称の関係)であって、完全に逆の動作となる。
したがって、以下の説明では、駆動回路11の回路構成・動作を中心に説明する。
[駆動回路11]
図5に示すように、駆動回路11には、変圧器Tmに対して補助巻線AWが設けられている。ここで、補助巻線AW間に生ずる電圧を電圧VAWとすると、電圧VAWは、変圧器Tmの入力電圧Vsに対して極性が同じ電圧となる。
図5に示すように、駆動回路11には、変圧器Tmに対して補助巻線AWが設けられている。ここで、補助巻線AW間に生ずる電圧を電圧VAWとすると、電圧VAWは、変圧器Tmの入力電圧Vsに対して極性が同じ電圧となる。
NMOSトランジスタQ11は、整流素子であるNMOSトランジスタM1の動作を制御するためのトランジスタである。
NMOSトランジスタQ11のゲートは、ノード114に接続され、ドレインはダイオードD15のカソードに接続され、ソースは、ノード121を介してNMOSトランジスタM1のゲートに接続されている。
NMOSトランジスタQ11のゲートは、ノード114に接続され、ドレインはダイオードD15のカソードに接続され、ソースは、ノード121を介してNMOSトランジスタM1のゲートに接続されている。
ダイオードD15のアノードは、補助巻線AWに接続されている。ダイオードD15は、補助巻線AWの電圧VAWが正のときに、その電圧レベルをNMOSトランジスタQ11のドレイン−ソースを介して、NMOSトランジスタM1のゲートに与える。また、ダイオードD15は、転流時にNMOSトランジスタM1をオンさせておくために、NMOSトランジスタM1のゲート電荷が補助巻線AW側に放電しないようにする。
トランジスタQ13は、NMOSトランジスタQ11を制御するためのトランジスタである。
トランジスタQ13のベースは、ノード118,117を介して、ベース抵抗としての抵抗R11に接続される。トランジスタQ13のコレクタは、ノード120を介して補助巻線AWに接続され、エミッタは、ノード114を介して、NMOSトランジスタQ11のゲートに接続される。補助巻線AWの電圧VAWが正のときには、トランジスタQ13はオンし、NMOSトランジスタQ11のゲートが充電される。
トランジスタQ13のベースは、ノード118,117を介して、ベース抵抗としての抵抗R11に接続される。トランジスタQ13のコレクタは、ノード120を介して補助巻線AWに接続され、エミッタは、ノード114を介して、NMOSトランジスタQ11のゲートに接続される。補助巻線AWの電圧VAWが正のときには、トランジスタQ13はオンし、NMOSトランジスタQ11のゲートが充電される。
キャパシタC11は、ノード110を介して補助巻線AWに接続され、他方はグランド端子に接続される。ダイオードD11は、キャパシタC11に対して並列に接続される。キャパシタC11は、補助巻線AWの電圧VAWが正のときに充電され、負のときに放電される。
ダイオードD12は、ノード116とノード117の間に接続されるツェナダイオードである。ダイオードD12は、NMOSトランジスタM1のゲート電圧を一定レベルにクランプするために設けられる。
補助巻線AWの電圧VAWが正のときには、その電圧VAWまたはキャパシタC11の充電電圧が、NMOSトランジスタQ11のドレイン−ソースを介して、NMOSトランジスタM1のゲートに印加される。このときには、トランジスタQ13がオンしているため、NMOSトランジスタM1のゲート電圧は、下記(1)式のVgs(max)の値にクランプされる。これにより、スイッチング電源装置1では、入力電圧の変動による整流動作の影響が非常に小さいものになる。
補助巻線AWの電圧VAWが正のときには、その電圧VAWまたはキャパシタC11の充電電圧が、NMOSトランジスタQ11のドレイン−ソースを介して、NMOSトランジスタM1のゲートに印加される。このときには、トランジスタQ13がオンしているため、NMOSトランジスタM1のゲート電圧は、下記(1)式のVgs(max)の値にクランプされる。これにより、スイッチング電源装置1では、入力電圧の変動による整流動作の影響が非常に小さいものになる。
Vgs(max)=VZ−VF−Vgs(off)…(1)
なお、(1)式において、
VZ:ツェナダイオードD12の降伏電圧、
VF:トランジスタQ13のベース−エミッタ間の順方向電圧、
Vgs(off):NMOSトランジスタQ11の動作閾値電圧、
である。
VZ:ツェナダイオードD12の降伏電圧、
VF:トランジスタQ13のベース−エミッタ間の順方向電圧、
Vgs(off):NMOSトランジスタQ11の動作閾値電圧、
である。
NMOSトランジスタQ12は、整流素子であるNMOSトランジスタM1の動作を制御するためのトランジスタである。
NMOSトランジスタQ12のゲートは、ノード113に接続される。このノード113を介して、トリガ信号生成回路40からトリガ信号TR1がゲートに印加される。
NMOSトランジスタQ12のドレインは、ノード121を介して、整流素子であるNMOSトランジスタM1のゲートに接続され、ソースはノード122(グランド端子)に接続される。
NMOSトランジスタQ12は、トリガ信号TR1がゲートに印加されるとオンして、NMOSトランジスタM1のゲート電荷を引き抜く。これにより、NMOSトランジスタM1をオフさせる。
NMOSトランジスタQ12のゲートは、ノード113に接続される。このノード113を介して、トリガ信号生成回路40からトリガ信号TR1がゲートに印加される。
NMOSトランジスタQ12のドレインは、ノード121を介して、整流素子であるNMOSトランジスタM1のゲートに接続され、ソースはノード122(グランド端子)に接続される。
NMOSトランジスタQ12は、トリガ信号TR1がゲートに印加されるとオンして、NMOSトランジスタM1のゲート電荷を引き抜く。これにより、NMOSトランジスタM1をオフさせる。
トランジスタQ14は、トランジスタQ13を制御するためのトランジスタである。
トランジスタQ14のベースは、抵抗R12を介して、ノード113に接続される。このノード113を介して、トリガ信号生成回路40からのトリガ信号TR1に応じたベース電流が生ずる。トランジスタQ14のコレクタは、ノード115に接続され、エミッタはノード112(グランド端子)に接続される。
ここで、トランジスタQ14のコレクタ(ノード115)とトランジスタQ13のベース(ノード118)間には、ダイオードD13が接続され、トランジスタQ14のコレクタ(ノード115)とトランジスタQ13のエミッタ(ノード114)間には、ダイオードD14が接続される。したがって、トリガ信号TR1に応じてトランジスタQ14がオンすると、ダイオードD13,D14はともにオンし、トランジスタQ13は、Vbeが0となってオフする。これによって、NMOSトランジスタQ11のゲート電荷は急速に放電されてオフする。
トランジスタQ14のベースは、抵抗R12を介して、ノード113に接続される。このノード113を介して、トリガ信号生成回路40からのトリガ信号TR1に応じたベース電流が生ずる。トランジスタQ14のコレクタは、ノード115に接続され、エミッタはノード112(グランド端子)に接続される。
ここで、トランジスタQ14のコレクタ(ノード115)とトランジスタQ13のベース(ノード118)間には、ダイオードD13が接続され、トランジスタQ14のコレクタ(ノード115)とトランジスタQ13のエミッタ(ノード114)間には、ダイオードD14が接続される。したがって、トリガ信号TR1に応じてトランジスタQ14がオンすると、ダイオードD13,D14はともにオンし、トランジスタQ13は、Vbeが0となってオフする。これによって、NMOSトランジスタQ11のゲート電荷は急速に放電されてオフする。
なお、ここで注目すべきことは、ノード113がNMOSトランジスタQ12の動作閾値電圧VTよりも低い電圧レベルで、トランジスタQ14がオンすることである。すなわち、トリガ信号TR1により、ノード113の電圧がある第1レベルまで上昇すると、NMOSトランジスタQ12がオンになるよりも先に、トランジスタQ14がオンする。そして、トリガ信号TR1により、ノード113の電圧が第1レベルを越えた第2レベルまで上昇すると、NMOSトランジスタQ12がオンする。
したがって、トリガ信号TR1の電圧が上昇するときには、NMOSトランジスタQ12がオンになるよりも先に、NMOSトランジスタQ11がオフする。これにより、NMOSトランジスタQ11,Q12がともにオンになって大きな貫通電流が発生することが防止される。
したがって、トリガ信号TR1の電圧が上昇するときには、NMOSトランジスタQ12がオンになるよりも先に、NMOSトランジスタQ11がオフする。これにより、NMOSトランジスタQ11,Q12がともにオンになって大きな貫通電流が発生することが防止される。
逆に、トリガ信号TR1の電圧がピークから低下する場合には、NMOSトランジスタQ12が先にオフし、次にトランジスタQ14がオフする。トランジスタQ14がオフすると、トランジスタQ13は、ベース−エミッタ間が同電位でなくなるのでオンし、NMOSトランジスタQ11がオンする。
したがって、トリガ信号TR1の電圧が下降するときには、NMOSトランジスタQ11がオンになるよりも先に、NMOSトランジスタQ12がオフする。これにより、NMOSトランジスタQ11,Q12がともにオンになって大きな貫通電流が発生することが防止される。
したがって、トリガ信号TR1の電圧が下降するときには、NMOSトランジスタQ11がオンになるよりも先に、NMOSトランジスタQ12がオフする。これにより、NMOSトランジスタQ11,Q12がともにオンになって大きな貫通電流が発生することが防止される。
以上、駆動回路11の回路構成について説明した。
次に、駆動回路11および駆動回路12における、キャパシタC11,C21およびダイオードD11,21の動作について、図5に関連付けて説明する。
駆動回路12において、キャパシタC11に対応するキャパシタC21は、同様に補助巻線AWに接続され、他方はグランド端子に接続される。そして、キャパシタC21に対して並列に、ダイオードD21が接続される。そして、キャパシタC21は、駆動回路11のキャパシタC11と逆の動作をする。すなわち、キャパシタC21は、補助巻線AWの電圧VAWが負のときに充電され、正のときに放電される。
駆動回路11のキャパシタC11と駆動回路12のキャパシタC21は、グランド端子を介して直列に接続されているので、補助巻線AWの電圧VAWが0のときには、キャパシタC11またはC21に充電されていた電荷の一部が一方から他方に移動する。すなわち、キャパシタC11とC21の容量が同程度とすると、両者はほぼ均等に充電された状態となる。これにより、補助巻線AWの電圧VAWが0である転流期間に、NMOSトランジスタM1およびM2をともにオンさせることができ、駆動効率が向上する。
次に、駆動回路11および駆動回路12における、キャパシタC11,C21およびダイオードD11,21の動作について、図5に関連付けて説明する。
駆動回路12において、キャパシタC11に対応するキャパシタC21は、同様に補助巻線AWに接続され、他方はグランド端子に接続される。そして、キャパシタC21に対して並列に、ダイオードD21が接続される。そして、キャパシタC21は、駆動回路11のキャパシタC11と逆の動作をする。すなわち、キャパシタC21は、補助巻線AWの電圧VAWが負のときに充電され、正のときに放電される。
駆動回路11のキャパシタC11と駆動回路12のキャパシタC21は、グランド端子を介して直列に接続されているので、補助巻線AWの電圧VAWが0のときには、キャパシタC11またはC21に充電されていた電荷の一部が一方から他方に移動する。すなわち、キャパシタC11とC21の容量が同程度とすると、両者はほぼ均等に充電された状態となる。これにより、補助巻線AWの電圧VAWが0である転流期間に、NMOSトランジスタM1およびM2をともにオンさせることができ、駆動効率が向上する。
さらに、キャパシタC11,C21およびダイオードD11,21の動作について、図6を参照しながら説明する。
図6は、駆動回路11および駆動回路12における、キャパシタC11,C21およびダイオードD11,21の動作を等価回路として示す図であって、(a)は補助巻線AWの電圧VAWが正の場合、(b)は補助巻線AWの電圧VAWが負の場合、(c)は補助巻線AWの電圧VAWが0の場合である。
図6は、駆動回路11および駆動回路12における、キャパシタC11,C21およびダイオードD11,21の動作を等価回路として示す図であって、(a)は補助巻線AWの電圧VAWが正の場合、(b)は補助巻線AWの電圧VAWが負の場合、(c)は補助巻線AWの電圧VAWが0の場合である。
図6(a)に示すように、補助巻線AWの電圧VAWが正の場合には、駆動回路11のキャパシタC11が充電される。一方、駆動回路12では、ダイオードD21がオンして(短絡して)、キャパシタC21の両端の電圧は0となる。
図6(b)に示すように、補助巻線AWの電圧VAWが負の場合には、駆動回路12のキャパシタC21が充電される。一方、駆動回路11では、ダイオードD11がオンして(短絡して)、キャパシタC11の両端の電圧は0となる。
図6(c)に示すように、補助巻線AWの電圧VAWが0の場合には、補助巻線AWの両端は短絡したものと見ることができる。したがって、電圧VAWが0になるまでにキャパシタC11またはC21に蓄えられていた電荷は、グランド端子を介して一方から他方に移動する。これにより、補助巻線AWの電圧VAWが0である転流期間に、NMOSトランジスタM1およびM2をともにオンさせることができる。
図6(b)に示すように、補助巻線AWの電圧VAWが負の場合には、駆動回路12のキャパシタC21が充電される。一方、駆動回路11では、ダイオードD11がオンして(短絡して)、キャパシタC11の両端の電圧は0となる。
図6(c)に示すように、補助巻線AWの電圧VAWが0の場合には、補助巻線AWの両端は短絡したものと見ることができる。したがって、電圧VAWが0になるまでにキャパシタC11またはC21に蓄えられていた電荷は、グランド端子を介して一方から他方に移動する。これにより、補助巻線AWの電圧VAWが0である転流期間に、NMOSトランジスタM1およびM2をともにオンさせることができる。
[駆動回路11の動作]
次に、駆動回路11の動作について、図7に関連付けて述べる。なお、駆動回路12の動作は、駆動回路11と動作タイミングが全く逆である点を除けば同一である。
次に、駆動回路11の動作について、図7に関連付けて述べる。なお、駆動回路12の動作は、駆動回路11と動作タイミングが全く逆である点を除けば同一である。
図7は、駆動回路11の各部の電圧波形を示すタイミングチャートであり、(a)はNMOSトランジスタM1,M2の動作、(b)は変圧器Tmの入力電圧Vs、(c)はPWM制御回路20のPWM信号P1、(d)はトリガ信号TR1、(e)は補助巻線AWの電圧VAW、(f)はNMOSトランジスタM1のVds、(g)はNMOSトランジスタM1のVgs、を示す。
なお、駆動回路12の各部の電圧波形のタイミングチャートは、図7に示す各部の電圧波形を反転させたものとなる。
なお、駆動回路12の各部の電圧波形のタイミングチャートは、図7に示す各部の電圧波形を反転させたものとなる。
以下、図7のタイミングチャートにおいて、変圧器Tmの出力Vsの1サイクルである時刻T0〜T6について、スイッチング電源装置1の動作を順に説明する。
(i)時刻T0〜T1
先ず、時刻T0以前には、NMOSトランジスタM1はオン状態となっている。
時刻T0において、図7(b)に示すように、変圧器Tmの入力電圧Vsの立ち下がり時刻T1よりも、立ち上がり時刻が所定時間Δtだけ進んだトリガ信号TR1が、駆動回路11のノード113に与えられる。そして、トランジスタQ14がオンし、トランジスタQ13がオフする。NMOSトランジスタQ11のゲート電荷は、ダイオードD14,トランジスタQ14(ドレイン−ソース)を介して急速に放電される。その結果、NMOSトランジスタQ11はオフする。
先ず、時刻T0以前には、NMOSトランジスタM1はオン状態となっている。
時刻T0において、図7(b)に示すように、変圧器Tmの入力電圧Vsの立ち下がり時刻T1よりも、立ち上がり時刻が所定時間Δtだけ進んだトリガ信号TR1が、駆動回路11のノード113に与えられる。そして、トランジスタQ14がオンし、トランジスタQ13がオフする。NMOSトランジスタQ11のゲート電荷は、ダイオードD14,トランジスタQ14(ドレイン−ソース)を介して急速に放電される。その結果、NMOSトランジスタQ11はオフする。
トリガ信号TR1により、トランジスタQ14がオンするのに対して少し遅れて、NMOSトランジスタQ12がオンする。これにより、NMOSトランジスタQ11およびQ12がともにオンする状態とならず、貫通電流が発生しない。NMOSトランジスタQ12がオンすると、NMOSトランジスタM1のゲート電荷を急速に引き抜いて、図7(g)に示すようにオフさせる。
なお、時刻T0〜T1では、変圧器Tmの入力電圧Vsは0のままであるため、NMOSトランジスタM2は、転流状態が続いている。
なお、時刻T0〜T1では、変圧器Tmの入力電圧Vsは0のままであるため、NMOSトランジスタM2は、転流状態が続いている。
なお、変圧器Tmの入力電圧Vsの立ち下がり時刻T1に対して、トリガ信号TR1を少し進み時間Δtをもって時刻T0に立ち上げるのは、Vsの立ち下がりによってNMOSトランジスタM1のドレイン電圧が上昇するので、そのドレイン電圧が上昇した時点でNMOSトランジスタM1がオンになっていると、NMOSトランジスタM1のドレイン−ソース間に大きな貫通電流が生じ、ドライブ効率、消費電力の観点から望ましくないからである。
ただし、進み時間が大きい程よいというものではなく、進み時間があまりに大きいとNMOSトランジスタM1の転流期間が長くなり、スイッチング電源装置1の効率が低下してしまう。したがって、スイッチング電源装置1を高周波で動作させる場合には、進み時間は、たとえば、20〜50ns程度が望ましい。
(ii)時刻T1〜T2
時刻T1になると、図7(b),(e)に示すように、トリガ信号TR1に少し遅れて変圧器Tmの入力電圧Vsが負となり、補助巻線AWの電圧VAWも負となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(c)から図6(b)の状態になる。
また、トリガ信号TR1の電圧レベルが徐々に低下してくるにつれて、NMOSトランジスタQ12がオフし、次に、トランジスタQ14がオフする。しかし、キャパシタC11はすべて放電されているので(図6(b))、トランジスタQ14がオフしても、NMOSトランジスタQ11をオンすることはできず、NMOSトランジスタM1はオフのままである(図7(a),(g))。
一方、駆動回路12の整流素子であるNMOSトランジスタM2は、オン状態が続いており、駆動回路12は整流動作となっている。
時刻T1になると、図7(b),(e)に示すように、トリガ信号TR1に少し遅れて変圧器Tmの入力電圧Vsが負となり、補助巻線AWの電圧VAWも負となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(c)から図6(b)の状態になる。
また、トリガ信号TR1の電圧レベルが徐々に低下してくるにつれて、NMOSトランジスタQ12がオフし、次に、トランジスタQ14がオフする。しかし、キャパシタC11はすべて放電されているので(図6(b))、トランジスタQ14がオフしても、NMOSトランジスタQ11をオンすることはできず、NMOSトランジスタM1はオフのままである(図7(a),(g))。
一方、駆動回路12の整流素子であるNMOSトランジスタM2は、オン状態が続いており、駆動回路12は整流動作となっている。
(iii)時刻T2〜T3
時刻T2になると、変圧器Tmの入力電圧Vsと補助巻線AWの電圧VAWは、ともに0となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(b)から図6(c)の状態になる。すなわち、駆動回路12のキャパシタC21に蓄えられていた電荷の一部が、駆動回路11のキャパシタC11に移動し、キャパシタC11およびC21が略均等に充電された状態となる。
時刻T2〜T3では、トリガ信号生成回路40において変圧器T1をリセットする動作により、トリガ信号TR1の電圧レベルは、図7(d)に示すように、ほぼ0(0に近い負)となっている。したがって、NMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14はオフ状態になっている。
時刻T2になると、変圧器Tmの入力電圧Vsと補助巻線AWの電圧VAWは、ともに0となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(b)から図6(c)の状態になる。すなわち、駆動回路12のキャパシタC21に蓄えられていた電荷の一部が、駆動回路11のキャパシタC11に移動し、キャパシタC11およびC21が略均等に充電された状態となる。
時刻T2〜T3では、トリガ信号生成回路40において変圧器T1をリセットする動作により、トリガ信号TR1の電圧レベルは、図7(d)に示すように、ほぼ0(0に近い負)となっている。したがって、NMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14はオフ状態になっている。
キャパシタC11が充電されてくると、抵抗R11を流れるベース電流によって、トランジスタQ13がオンさせるとともに、トランジスタQ13のドレイン(ノード120)→ソース(ノード114)→NMOSトランジスタQ11のゲートの電流経路により、当該ゲートを充電してNMOSトランジスタQ11をオンする。さらに、キャパシタC11の充電電圧によって、ダイオードD15およびNMOSトランジスタQ11(ドレイン−ソース)を経由してNMOSトランジスタM1のゲートを充電する。すなわち、変圧器Tmの入力電圧Vsがない転流期間においても、NMOSトランジスタM1がオンする。
一方、駆動回路12においても、キャパシタC21の充電電圧によって、駆動回路11と同様の動作により、NMOSトランジスタM2がオンする。したがって、本実施形態に係るスイッチング電源装置1は、転流期間では、NMOSトランジスタM1,M2がともにオンし、駆動効率が高い。
一方、駆動回路12においても、キャパシタC21の充電電圧によって、駆動回路11と同様の動作により、NMOSトランジスタM2がオンする。したがって、本実施形態に係るスイッチング電源装置1は、転流期間では、NMOSトランジスタM1,M2がともにオンし、駆動効率が高い。
(iv)時刻T3〜T4
時刻T3〜T4では、図7(d)に示すトリガ信号TR1とは逆に、正のトリガ信号TR2が駆動回路12に印加されるので、時刻T0〜T1における駆動回路11の動作と同様の動作が駆動回路12で行われる。すなわち、変圧器Tmの入力電圧Vsが立ち上がる前に、NMOSトランジスタM2が急速にオフされる。これによって、NMOSトランジスタM1,M2間の貫通電流の発生が防止される。
時刻T3〜T4では、駆動回路11の動作に変化はない。
時刻T3〜T4では、図7(d)に示すトリガ信号TR1とは逆に、正のトリガ信号TR2が駆動回路12に印加されるので、時刻T0〜T1における駆動回路11の動作と同様の動作が駆動回路12で行われる。すなわち、変圧器Tmの入力電圧Vsが立ち上がる前に、NMOSトランジスタM2が急速にオフされる。これによって、NMOSトランジスタM1,M2間の貫通電流の発生が防止される。
時刻T3〜T4では、駆動回路11の動作に変化はない。
(v)時刻T4〜T5
時刻T4になると、図7(b),(e)に示すように、変圧器Tmの入力電圧Vsが正となり、補助巻線AWの電圧VAWも正となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(c)から図6(a)の状態になる。すなわち、キャパシタC11が十分に充電される。図7(d)に示すように、トリガ信号TR1の電圧レベルは非常に小さく、NMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14は、ともにオフ状態となっている。
時刻T4になると、図7(b),(e)に示すように、変圧器Tmの入力電圧Vsが正となり、補助巻線AWの電圧VAWも正となる。これによって、キャパシタC11,C21、ダイオードD11,21の等価回路は、図6(c)から図6(a)の状態になる。すなわち、キャパシタC11が十分に充電される。図7(d)に示すように、トリガ信号TR1の電圧レベルは非常に小さく、NMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14は、ともにオフ状態となっている。
この期間における駆動回路11の等価回路を図8に示す。
図8では、補助巻線AWの電圧VAWがそのままキャパシタC11の充電電圧となっており、また、オフ状態であるNMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14は、記載していない。
図8において、キャパシタC11の充電電圧VAWは駆動電源として機能し、抵抗R11を介してトランジスタQ13に生ずるベース電流により、トランジスタQ13をオンし、さらに、NMOSトランジスタQ11のゲートキャパシタを充電する。
NMOSトランジスタQ11のゲートキャパシタの容量は、NMOSトランジスタM1と比較して十分に小さいので、NMOSトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧Vgsは素早く上昇する。すなわち、NMOSトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧Vgsが動作閾値電圧Vgs(off)を越えると、NMOSトランジスタQ11は素早くオンし、補助巻線AWまたはキャパシタC11の電圧VAWは、ダイオードD15およびNMOSトランジスタQ11を経由して、NMOSトランジスタM1のゲートを充電する。なお、本動作において、駆動電源は巻線とキャパシタのみから構成されるため出力インピーダンスが低く、NMOSトランジスタM1のゲート充電速度は速い。
図8では、補助巻線AWの電圧VAWがそのままキャパシタC11の充電電圧となっており、また、オフ状態であるNMOSトランジスタQ12およびトランジスタQ14は、記載していない。
図8において、キャパシタC11の充電電圧VAWは駆動電源として機能し、抵抗R11を介してトランジスタQ13に生ずるベース電流により、トランジスタQ13をオンし、さらに、NMOSトランジスタQ11のゲートキャパシタを充電する。
NMOSトランジスタQ11のゲートキャパシタの容量は、NMOSトランジスタM1と比較して十分に小さいので、NMOSトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧Vgsは素早く上昇する。すなわち、NMOSトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧Vgsが動作閾値電圧Vgs(off)を越えると、NMOSトランジスタQ11は素早くオンし、補助巻線AWまたはキャパシタC11の電圧VAWは、ダイオードD15およびNMOSトランジスタQ11を経由して、NMOSトランジスタM1のゲートを充電する。なお、本動作において、駆動電源は巻線とキャパシタのみから構成されるため出力インピーダンスが低く、NMOSトランジスタM1のゲート充電速度は速い。
また、前述したように、NMOSトランジスタM1のゲート電圧は、ツェナダイオードの降伏電圧(VZ)、トランジスタQ13のVF(ベース−エミッタ間)、NMOSトランジスタQ13の動作閾値電圧Vgs(off)に応じた電圧にクランプされ(前述の式(1)参照)、スイッチング電源装置1の入力電圧変動に依存しない値となる。
なお、時刻T4〜T5において、駆動回路12では、時刻T1〜T2における駆動回路11と同様の動作となっている。すなわち、NMOSトランジスタM2はオフ状態である。
(vi)時刻T5〜T6
時刻T5になると、変圧器Tmの入力電圧Vsと補助巻線AWの電圧VAWは、ともに0となる。このとき、ダイオードD15の逆流防止機能によって、NMOSトランジスタM1のゲート電荷は放電されず、図7(g)に示すように、クランプ電圧レベルのまま維持されている。
時刻T5〜T6では、NMOSトランジスタM1,M2ともに転流状態となっている。
時刻T5になると、変圧器Tmの入力電圧Vsと補助巻線AWの電圧VAWは、ともに0となる。このとき、ダイオードD15の逆流防止機能によって、NMOSトランジスタM1のゲート電荷は放電されず、図7(g)に示すように、クランプ電圧レベルのまま維持されている。
時刻T5〜T6では、NMOSトランジスタM1,M2ともに転流状態となっている。
以上、図7のフローチャートに関連付けて、駆動回路11の動作について述べた。
図7のフローチャートで明らかなように、実施形態に係る駆動部10では、時刻T2〜T6の間において、図7(g)に示すように、NMOSトランジスタM1は常にオン状態を維持する。すなわち、NMOSトランジスタM1を転流する場合、整流する場合のいずれの場合でも、NMOSトランジスタM1がオン状態を維持するため、NMOSトランジスタM1の寄生ダイオードを順方向に流す電流がほとんど存在しない。したがって、転流損失が非常に少ない。
図7のフローチャートで明らかなように、実施形態に係る駆動部10では、時刻T2〜T6の間において、図7(g)に示すように、NMOSトランジスタM1は常にオン状態を維持する。すなわち、NMOSトランジスタM1を転流する場合、整流する場合のいずれの場合でも、NMOSトランジスタM1がオン状態を維持するため、NMOSトランジスタM1の寄生ダイオードを順方向に流す電流がほとんど存在しない。したがって、転流損失が非常に少ない。
本実施形態に係る同期整流回路によれば、転流期間では、キャパシタC11,C21に、それぞれNMOSトランジスタM1,M2をオンするだけの電荷が蓄えられる。したがって、整流素子であるNMOSトランジスタM1(またはM2)は、1サイクルにおけるすべての転流期間でオンするため、FETの寄生ダイオードを順方向に流す電流はほとんどなくなり、高い効率が得られる。
実施形態に係る同期整流回路によれば、整流素子であるNMOSトランジスタM1(またはM2)のドレイン電圧が上昇するタイミングより進み時間Δtをもってトリガ信号を取り込んで、これにより、NMOSトランジスタM1(またはM2)を予め強制的にオフさせる。したがって、整流素子間に生ずる貫通電流が発生せず、整流素子をZVS(Zero Voltage Switching)でオンオフさせることができる。すなわち、整流素子のスイッチングによる損失を非常に小さくすることができる。
実施形態に係る同期整流回路によれば、転流時にNMOSトランジスタM1(またはM2)がオンしているときに、その動作電圧をツェナダイオードD12等(またはD22等)によりクランプするので、スイッチング電源の入力変動による影響を少なくすることができる。したがって、広範囲な入力電圧に対応することができる。
また、このツェナダイオードD12等により生成されるクランプ電圧により、転流時における効率が大きく改善される。この点について、図9を参照しながら説明する。
また、このツェナダイオードD12等により生成されるクランプ電圧により、転流時における効率が大きく改善される。この点について、図9を参照しながら説明する。
図9は、実施形態に係る同期整流回路におけるNMOSトランジスタM1の各電圧のタイミングチャートであり、(a)はゲート・ソース間電圧Vgs、(b)はドレイン・ソース間電圧Vds、(c)はドレイン電流Ids、の波形である。また、横軸に記載した時刻T2,T4,T5,T7は、それぞれ図7の横軸の時刻に対応する。
図9のタイミングチャートにおいて、時刻T2〜T4および時刻T5〜T7は変圧器Tmに入力がない転流期間(Vs=0)である(図7参照)。時刻T2からNMOSトランジスタM1がオンし始めるが、図9(c)に示すように、変圧器Tmのインダクタンス成分によりゆっくりとドレイン電流Idsが増加する。時刻T2〜T4では、ゲート・ソース間電圧Vgsはピークよりも低くオン抵抗は高くなっているが、ドレイン電流Idsが低いレベルにあるため、効率上問題とならない。
図9のタイミングチャートにおいて、時刻T2〜T4および時刻T5〜T7は変圧器Tmに入力がない転流期間(Vs=0)である(図7参照)。時刻T2からNMOSトランジスタM1がオンし始めるが、図9(c)に示すように、変圧器Tmのインダクタンス成分によりゆっくりとドレイン電流Idsが増加する。時刻T2〜T4では、ゲート・ソース間電圧Vgsはピークよりも低くオン抵抗は高くなっているが、ドレイン電流Idsが低いレベルにあるため、効率上問題とならない。
一方、時刻T5〜T7では、時刻T3〜T5で変圧器Tmのインダクタンス成分に蓄積されたエネルギーが放出されるが、図9(c)に示すように、実際には急にエネルギー放出ができないために、時刻T5〜T7では、ドレイン電流Idsはピーク電流に近い大きさが残っている。この時刻T5〜T7において、駆動回路11では、ツェナダイオードD12によってNMOSトランジスタM1のゲート電圧をクランプするので、図9(a)に示すように、時刻T4〜T5の時と比較して、ゲート電圧Vgsが変化しない。すなわち、高いゲート電圧Vgsが維持されるので、NMOSトランジスタM1のオン抵抗が非常に低く、実際に残留する大電流にも関わらず、効率を高くできる。
なお、本発明の実施形態は、上述した実施形態に拘泥せず、当業者であれば、本発明の要旨を変更しない範囲内で様々な改変が可能である。
たとえば、図10は、実施形態に係るスイッチング電源装置の他の構成を示すブロック図である。図10に示すスイッチング電源装置1aでは、変圧器Tmの2次側をセンタタップ方式にしている。なお、この場合の動作も、上述したスイッチング電源装置1と同様である。
たとえば、図10は、実施形態に係るスイッチング電源装置の他の構成を示すブロック図である。図10に示すスイッチング電源装置1aでは、変圧器Tmの2次側をセンタタップ方式にしている。なお、この場合の動作も、上述したスイッチング電源装置1と同様である。
また、実施形態に係るスイッチング電源装置1では、整流用スイッチング素子の駆動方法に特徴あり、その他の技術的手段、たとえば変圧器Tmに印加される電圧パターンの生成方法や、整流用スイッチング素子により整流された直流電圧の取り出し方法については、当業者であれば、様々な公知の技術を適用することが可能である。
本発明は、フォーワード型、フライバック型、ハーフブリッジ型などの様々なタイプのスイッチング電源装置における同期整流回路に適用することができる。
本発明は、フォーワード型、フライバック型、ハーフブリッジ型などの様々なタイプのスイッチング電源装置における同期整流回路に適用することができる。
なお、上述した実施の形態と本発明との対応関係を以下に記す。
変圧器Tmは、本発明の「変圧器」に対応する。
NMOSトランジスタM1,M2は、それぞれ本発明の「第1,第2スイッチ素子」に対応する。
トリガ信号TR1,TR2は、それぞれ本発明の「第1,第2トリガ信号」に対応する。
PWM制御回路20は、本発明の「制御回路」に対応する。
トランジスタQ11,Q12,Q21,Q22,Q14,Q24は、それぞれ本発明の「第1,第2,第3,第4,第5,第6トランジスタ」に対応する。ここでトランジスタQ11,Q12,Q14が本発明の「第1駆動手段」に含まれる。また、トランジスタQ21,Q22,Q24が本発明の「第2駆動手段」に含まれる。
キャパシタC11,21は、それぞれ本発明の「第1,第2電圧保持手段」または「第1,第2キャパシタ」に対応する。
ダイオードD11,D21は、それぞれ本発明の「第1,第2(放電)ダイオード」に対応する。
変圧器Tmおよび補助巻線AWは、本発明の「入力手段」に対応する。
変圧器Tmは、本発明の「変圧器」に対応する。
NMOSトランジスタM1,M2は、それぞれ本発明の「第1,第2スイッチ素子」に対応する。
トリガ信号TR1,TR2は、それぞれ本発明の「第1,第2トリガ信号」に対応する。
PWM制御回路20は、本発明の「制御回路」に対応する。
トランジスタQ11,Q12,Q21,Q22,Q14,Q24は、それぞれ本発明の「第1,第2,第3,第4,第5,第6トランジスタ」に対応する。ここでトランジスタQ11,Q12,Q14が本発明の「第1駆動手段」に含まれる。また、トランジスタQ21,Q22,Q24が本発明の「第2駆動手段」に含まれる。
キャパシタC11,21は、それぞれ本発明の「第1,第2電圧保持手段」または「第1,第2キャパシタ」に対応する。
ダイオードD11,D21は、それぞれ本発明の「第1,第2(放電)ダイオード」に対応する。
変圧器Tmおよび補助巻線AWは、本発明の「入力手段」に対応する。
1,1a…スイッチング電源装置、
10…駆動部、
11,12…駆動回路、
20…PWM制御回路、
30…スイッチング回路、
40…トリガ生成回路、
Tm…変圧器、
M1,M2…NMOSトランジスタ(整流素子)、
L1,L2…コイル、
C0…キャパシタ
10…駆動部、
11,12…駆動回路、
20…PWM制御回路、
30…スイッチング回路、
40…トリガ生成回路、
Tm…変圧器、
M1,M2…NMOSトランジスタ(整流素子)、
L1,L2…コイル、
C0…キャパシタ
Claims (5)
- 1周期のうち、第1期間に負極電圧となり、第3期間に正極電圧となり、第2期間と第4期間に前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧となる交流電圧を入力する入力手段と、
第1および第2スイッチ素子を含み、前記入力手段から前記交流電圧を入力する整流手段と、
前記整流手段の入力電圧が前記正極電圧に遷移することに応じて電圧を保持し、前記負極電圧の入力に応じて保持電圧を放出する第1電圧保持手段と、
前記入力電圧が前記中間電圧に遷移することに応じて保持電圧を均等化可能に前記第1電圧保持手段と接続され、前記入力電圧が前記負極電圧に遷移することに応じて電圧を保持し、前記正極電圧の入力に応じて保持電圧を放電する第2電圧保持手段と、
前記入力電圧が前記負極電圧から前記中間電圧に遷移することによって変化した前記第1電圧保持手段の保持電圧に応じて前記第1スイッチ素子をオンし、当該入力電圧が前記中間電圧から前記負極電圧に遷移するタイミングより早く前記第1スイッチ素子をオフする第1駆動手段と、
前記入力電圧が前記正極電圧から前記中間電圧に遷移することによって変化した前記第2電圧保持手段の保持電圧に応じて前記第2スイッチ素子をオンし、当該入力電圧が前記中間電圧から前記正極電圧に遷移するタイミングより早く前記第2スイッチ素子をオフにする第2駆動手段と、
を有する同期整流回路。 - 1次巻線、2次巻線および補助巻線を有し、交互に負極電圧と正極電圧になり、前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧に電圧極性の遷移期間になる交流電圧を前記1次巻線から入力する変圧器と、
前記負極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第1トリガ信号、および、前記正極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第2トリガ信号を発生するトリガ信号発生回路と、
前記2次巻線の一端に接続される第1スイッチ素子、および、他端に接続される第2スイッチ素子を含む整流回路と、
前記補助巻線の一端と他端との間に直列接続される第1および第2キャパシタと、
前記第1キャパシタに並列接続される第1放電ダイオードと、
前記第2キャパシタに並列接続される第2放電ダイオードと、
前記補助巻線の前記一端と前記第1スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記正極電圧の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオンする第1トランジスタと、
前記第1トリガ信号の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオフする第2トランジスタと、
前記補助巻線の前記他端と前記第2スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記負極電圧の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオンする第3トランジスタと、
前記第2トリガ信号の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオフする第4トランジスタと、
を備える同期整流回路。 - 前記第1トリガ信号の入力に応じて、前記第2トランジスタが前記第1スイッチ素子をオフするより早いタイミングで前記第1トランジスタをオフする第5トランジスタと、
前記第2トリガ信号の入力に応じて、前記第4トランジスタが前記第2スイッチ素子をオフするより早いタイミングで前記第2トランジスタをオフする第6トランジスタと、
をさらに備える
請求項2記載の同期整流回路。 - 直流電圧の導通状態を切り替えて、交互に負極電圧と正極電圧になり、前記負極電圧と前記正極電圧の間の値を持つ中間電圧に電圧極性の遷移期間になる交流電圧を生成するスイッチング回路と、
1次巻線、2次巻線および補助巻線を有し、前記交流電圧を前記一次巻線から入力する変圧器と、
前記負極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第1トリガ信号、および、前記正極電圧の前記変圧器への入力時より位相が進んだ第2トリガ信号を発生するトリガ信号発生回路と、
前記2次巻線の一端に接続される第1スイッチ素子、および、他端に接続される第2スイッチ素子を含む整流回路と、
前記補助巻線から入力される交流電圧に応じて、前記第1および第2スイッチ素子を駆動する駆動回路と、
前記整流回路の出力電圧に応じて、前記変圧器に入力される前記交流電圧の1サイクルにおける前記負極電圧と前記正極電圧との比率を制御する制御回路と、
を有し、
前記駆動回路は、
前記補助巻線の一端と他端との間に直列接続される第1および第2キャパシタと、
前記第1キャパシタに並列接続される第1放電ダイオードと、
前記第2キャパシタに並列接続される第2放電ダイオードと、
前記補助巻線の前記一端と前記第1スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記正極電圧の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオンする第1トランジスタと、
前記第1トリガ信号の入力に応じて前記第1スイッチ素子をオフする第2トランジスタと、
前記補助巻線の前記他端と前記第2スイッチ素子の制御ノードとの間に接続され、前記変圧器への前記負極電圧の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオンする第3トランジスタと、
前記第2トリガ信号の入力に応じて前記第2スイッチ素子をオフする第4トランジスタと、
を備えるスイッチング電源装置。 - 前記第1トリガ信号の入力に応じて、前記第2トランジスタが前記第1スイッチ素子をオフするより早いタイミングで前記第1トランジスタをオフする第5トランジスタと、
前記第2トリガ信号の入力に応じて、前記第4トランジスタが前記第2スイッチ素子をオフするより早いタイミングで前記第2トランジスタをオフする第6トランジスタと、
をさらに備える請求項4記載のスイッチング電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006160018A JP2007020389A (ja) | 2005-06-08 | 2006-06-08 | 同期整流回路およびスイッチング電源装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005168110 | 2005-06-08 | ||
JP2006160018A JP2007020389A (ja) | 2005-06-08 | 2006-06-08 | 同期整流回路およびスイッチング電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007020389A true JP2007020389A (ja) | 2007-01-25 |
Family
ID=37757013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006160018A Pending JP2007020389A (ja) | 2005-06-08 | 2006-06-08 | 同期整流回路およびスイッチング電源装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2007020389A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011061987A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Cosel Co Ltd | スイッチング電源装置 |
-
2006
- 2006-06-08 JP JP2006160018A patent/JP2007020389A/ja active Pending
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JP2011061987A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Cosel Co Ltd | スイッチング電源装置 |
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