JP2007019157A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CFRPをコアとした低熱膨張率の配線基板を用いて、−65℃〜125℃の温度サイクル試験を行った場合、特に、低温時において、炭素繊維材料とそれに含浸させたマトリクス樹脂との間に剥離が生じることがある
【解決手段】 本発明では、炭素繊維材料とマトリクス樹脂との間に、それぞれと接着の度合の高いめっき膜、密着層を含む中間層が形成されている。これにより、炭素繊維材料は、これと接着の度合の高いめっき膜と接し、マトリクス樹脂は、これと接着の度合の高い密着層と接する。従って、炭素繊維材料とマトリクス樹脂とが中間層を介してそれぞれと強く接着されることになり、環境温度が低下したとしても、マトリクス樹脂の剥離を防止することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体チップ実装基板、マザーボード、プローブカード用基板に適用することのできる配線基板及びその製造方法に関し、特に、炭素繊維強化プラスチックからなる配線基板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高性能化、小型軽量化などの要求に伴い、電子機器に組み込まれる半導体チップについては、ベアチップをバンプ接続で配線基板に搭載するフリップチップ接続が実現されてきた。フリップチップ接続によって、実装面積を小さく、かつ、配線長を短くすることが可能となった。ここで、半導体チップを搭載するための配線基板については、半導体チップの多ピン化に伴って、配線の高密度化を達成するうえで好適な多層配線基板が採用される傾向にある。このような、半導体チップと多層配線基板による実装構造を有する半導体パッケージは、所定の電子回路の一部を構成すべく、更にマザーボードに実装される。マザーボードについても、配線の高密度化を達成するうえで好適な多層配線基板が採用される場合がある。一方、複数の半導体素子が形成された半導体ウェハや半導体チップを検査する際に利用されるプローブカードの基板においても、半導体素子や半導体チップの多ピン化に応じて多層配線基板が採用される場合がある。
ところで、配線基板と半導体チップとの熱膨張率の差に起因して、配線基板と半導体チップとの間の電気的接続の信頼性が低くなることがある。一般的な半導体材料による半導体チップにおける熱膨張率は約3.5ppm/℃であって、コア基板としてガラスエポキシ基板を採用する一般的な配線基板における熱膨張率は、12〜20ppm/℃であり、両者の熱膨張率の差は比較的大きい。そのため、環境温度の変化により、配線基板と半導体チップとの間における電気的接続部には応力が発生しやすい。電気的接続部にて所定以上の応力が発生すると、当該接続部における半導体チップのバンプと配線基板の電極パッドとの間で、クラックや剥がれが生じやすくなる。特に、半導体チップと配線基板との熱膨張の絶対量は、チップが大型であるほど大きくなり、熱膨張率の差が大きいほど、電気的接続部にて発生する応力も大きくなるため、大型の半導体チップを配線基板に実装する場合には、電気的接続の信頼性がより低下する。このような不具合は、半導体ウェハや半導体チップの所定機能を検査するために、半導体ウェハや半導体チップをプローブカードに配置した状態においても生じ得る。
このような半導体チップと配線基板との熱膨張率の差を低減する手法として、特許文献1乃至特許文献3に開示されているように、炭素繊維材料にマトリクス樹脂を含浸させてなる炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)をコア基板に用いた配線基板が知られている。炭素繊維材料の熱膨張率は、一般に、−5〜3ppm/℃程度であり、CFRPは、コア基板の面内方向に0〜17ppm/℃、厚み方向に20〜120ppm/℃という熱膨張率を有しており、一般に、低熱膨張材料であることが知られている。
特開昭60−140898号公報 特開平11−40902号公報 特開2001−332828号公報
本願発明者らは、特許文献1乃至特許文献3に開示されているような、CFRPをコアとした低熱膨張率の配線基板を用いて、−65℃〜125℃の温度サイクル試験を行った場合、特に、低温時において、炭素繊維材料とそれに含浸させたマトリクス樹脂との間に剥離が生じることがあることに着目した。
そして、その原因として、本願発明者らは、炭素繊維材料とそれに含浸されたマトリクス樹脂との間に30〜60ppm/℃もの大きな熱膨張差があり、環境温度が、マトリクス樹脂のガラス転移点以下になると、マトリクス樹脂の弾性率が増加し、それに伴い、配線基板の内部応力が増大するためであると考察した。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであって、配線基板に含まれる炭素繊維材料とそれに含浸されるマトリクス樹脂との間における剥離の発生を防ぐ配線基板及びその製造方法を提供する事を目的とする。
上記目的は、炭素繊維材料及び樹脂組成物を含む配線基板において、前記炭素繊維材料と前記樹脂組成物との間に中間層を備えることを特徴とする配線基板により達成される。これにより、炭素繊維材料は、これと強く接着する中間層と接し、樹脂組成物は、これと強く接着する中間層と接する。従って、炭素繊維材料と樹脂組成物とが中間層を介してそれぞれと強く接着されることになり、環境温度が変化したとしても、樹脂組成物の剥離を防止することが可能となる。
本発明によれば、炭素繊維材料とマトリクス樹脂との間に、それぞれと強く接着することのできる中間層が形成されている。これにより、炭素繊維材料は、これと強く接着する中間層と接し、マトリクス樹脂は、これと強く接着する中間層と接する。特に、中間層をめっき膜と密着層で形成した場合には、炭素繊維材料は、これと強く接着するめっき膜と接し、マトリクス樹脂は、これと強く接着する密着層と接する。従って、炭素繊維材料とマトリクス樹脂は、中間層を介してそれぞれと強く接着されることになり、環境温度が変化したとしても、マトリクス樹脂の剥離を防止することが可能となる。
本願発明者らは、CFRPを含む低熱膨張率の配線基板を用いて、−65℃〜125℃の温度サイクル試験を行った場合、特に、低温時において、炭素繊維材料とそれに含浸させたマトリクス樹脂との間に剥離が生じる理由について検討したところ、炭素繊維材料とマトリックス樹脂との間に30〜60ppm/℃もの大きな熱膨張差があり、環境温度が、マトリクス樹脂のガラス転移点以下になると、マトリクス樹脂の弾性率が増加し、それに伴い、配線基板の内部応力が増大するためであることを見いだした。
従って、炭素繊維材料とそれに含浸されるマトリクス樹脂とを、より強く接着させることができれば、環境温度が低い場合であっても、炭素繊維材料とマトリクス樹脂との剥離の発生を防ぐことができると考えられる。
本発明は上記のような検討に基づいてなされたものであって、炭素繊維材料とマトリクス樹脂との間に、夫々の材料と接着の度合の高い中間層を設けたことに主な特徴があるものである。
本発明の実施例による配線基板及びその製造方法について図1乃至図5を用いて説明する。
まず、本実施例による配線基板Xの構造について説明をする。
図1は、本実施例による配線基板Xの部分断面図である。配線基板Xは、コア層10と、一対のビルドアップ部20と、コア層10を厚み方向に貫通するスルーホールビア30とを備える。
コア層10は、プリプレグ11を厚み方向に5層分積層したものからなり、プリプレグ11のそれぞれは、炭素繊維束12、めっき膜13、密着層14、及びマトリクス樹脂層15からなる。尚、本実施例では、コア層10を、プリプレグ11を5層分積層した例で説明しているが、これに限定するものではなく、少なくとも1つのプリプレグ11からなるものである。
炭素繊維束12は、カーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸により織られたカーボンファイバクロスであり、プリプレグ11の面内方向に展延するように配向している。一般的に、カーボンファイバは、−5〜3ppm/℃程度の低い熱膨張率を示すものである。尚、炭素繊維束12は、カーボンファイバクロスに限るものでなく、カーボンファイバメッシュやカーボンファイバ不織布の形態をしていても構わない。本実施例では、炭素繊維束12として、ピッチ系で炭素繊維目付300g/m2、引張り弾性率600GPaの平織りのカーボンファイバクロスや、PAN系で炭素繊維目付450g/m2、引張り弾性率600GPaのものを用意した。
炭素繊維束12を包容するめっき膜13は、炭素繊維束12にNi、Cuなどの金属をそれぞれ無電解めっき法で成膜したものであり、Ni膜131、Cu膜132からなる。ここで、Niは、カーボンファイバと高い密着力を有しており、Ni膜131は、炭素繊維束12と強力に接着する。そして、Cuは、マトリクス樹脂と高い密着力を有しており、Cu膜132は、マトリクス樹脂層15と強力に接着することになる。尚、本実施例のめっき膜13は、Ni膜131、Cu膜132の2層からなる構造として説明しているが、これに限定することなく、例えば、Ni膜、Cu膜、Cr膜、Fe膜の少なくとも1つ以上の金属膜で層を形成することで、めっき膜13としても良い。
めっき膜13を包容する密着層14は、めっき膜13の形成された炭素繊維束12を、チオール化合物やカップリング剤に浸漬して形成されたものであり、チオール化合物やカップリング剤を少なくとも1つ含む化合物からなるものである。チオール化合物としては、例えば、トリアジンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、ブタン−2,3−ジチオール、ヘキサ−5−エン−3−チオール、5−ヘキセン−3−チオールなどを用いる。また、シランカップリング剤としては、有機官能基が、例えば、ビニル基、エポキシ基、ニトロ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアナト基、カルボキシル基、水酸基のうち少なくとも一つを含み、また、加水分解性基が、例えば、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基のうち少なくとも1つを含む化合物を用いる。つまり、シランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(2メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)3−グリシドキシプロピル3メチルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどを用いる。また、上掲した材料を複数組み合わせて用いても構わない。
密着層14を包容するマトリクス樹脂層15は、めっき膜13と密着層14が形成された炭素繊維束12を包容して硬化するものであり、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、フェノール系樹脂、アラミド系樹脂、ゴム−エポキシ系樹脂などを少なくとも1つ含む樹脂組成物であり、例えば、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリケトン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレン、エポキシ、シアネートエステル、ビスマレイミドなどが用いられる。また、マトリクス樹脂層15は、上述したような樹脂分だけでなく、無機フィラーを含有するようにしてもよく、例えば、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、水酸化アルミニウム粉末などを含有させるようにしても良い。また、本実施例では、マトリクス樹脂層15は、密着層14を包容するように形成されるように説明したが、これに限るものでもなく、例えば、密着層14を形成せずに、めっき膜13にマトリクス樹脂を含浸させ、マトリクス樹脂層15を形成するようにしても良い。つまり、炭素繊維束12とマトリクス樹脂層15との間にそれぞれと密着性の高い中間層となるものであれば良い。
ビルドアップ部20は、いわゆるビルドアップ法により配線が多層化された部位であり、絶縁層21及び配線パターン22による積層構造を有する。絶縁層21は、例えばマトリクス樹脂層15として説明した上掲の樹脂により構成することができる。配線パターン22は、例えば銅により構成されており、それぞれ、絶縁層21上に形成され、所望のパターン形状を有している。図1の配線基板Xでは、ビルドアップ部20をコア層10の両面に形成し、絶縁層21と配線パターン22とからなる配線構造を両面にそれぞれ1層ずつ形成した例を図示している。しかしながら、このような構造に限るものでなく、コア層10の両面に、絶縁層21と配線パターン22とからなる配線構造をそれぞれ複数積層させた構造としても良い。
スルーホールビア30は、コア層10の両側に設けられている2つのビルドアップ部20に形成されている配線パターン22を、相互に電気的に接続するためのものである。スルーホールビア30は、コア層10を貫通するスルーホール31内に、例えば銅めっきにより形成される。
次に、本実施例による配線基板Xの製造方法について以下説明をする。
図2乃至図5は、配線基板Xの製造方法を示すものである。
まず、炭素繊維束12として、ピッチ系で炭素繊維目付300g/m2、引張り弾性率600GPaであるカーボンファイバクロスを用意する。このカーボンファイバクロスは、断面直径10μm以下のカーボンファイバを平均本数200以上で束ねたカーボンファイバ糸を平織りしたものである。ここで、カーボンファイバクロスは、複数のカーボンファイバ糸を一方向、または任意の方向に揃えて平織りしたもの、弾性率の同一または弾性率の異なるものを用いても良く、炭素繊維束12は、複数のカーボンファイバクロスを積層したものを用いても構わない。また、予めプラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理などによる表面改質処理を行っていても良く、更に、炭素繊維を繊維束にしやすくするために、サイジング処理されているものを用いる場合には、サイジング剤を除去する開繊処理をしておいても良い。尚、炭素繊維束12として、ピッチ系だけでなく、PAN系のもの(炭素繊維目付450g/m2、引張り弾性率600GPa)を用いても構わない。
図2(a)に示すように、用意した炭素繊維束12の表面に、無電解めっき法で、Niを3μm成膜してNi膜131を形成し、次いで、Ni膜131の表面に、Cuを5μm成膜してCu膜132を形成した。ここで、本実施例では、炭素繊維束12を、パラジウムヒドロゾル中に浸漬することで、炭素繊維束12の表面にパラジウムコロイド微粒子を吸着させた上で、金属イオン及び還元剤などを含む無電解めっき溶液に浸漬する。つまり、本実施例における無電解めっき法は、炭素繊維束12の表面のパラジウムが存在する箇所で、金属イオンが還元されて析出することを利用している。尚、本実施例では、金属膜を形成する方法として、無電解めっき法を説明したが、金属膜を形成できるものであればこれに限定するものではなく、例えば、電解めっき法、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などを用いても構わない。また、形成したNi膜131、Cu膜132の厚さも適宜変更することが可能である。更に、めっき膜13としてNi膜131、Cu膜132を形成する例を説明したが、これに限るものでなく、上述したように、Cr層、Fe層を形成しても構わない。
次に、図2(b)に示すように、めっき膜13が形成された炭素繊維束12を、チオール化合物、例えば、トリアジンチオールに浸漬して、密着層14を形成した。尚、チオール化合物としては、トリアジンチオールに限るものではなく、上掲したものを用いても構わない。また、チオール化合物の代わりに、シランカップリング剤、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに浸漬して、密着層14を形成しても良い。尚、シランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに限るものではなく、上掲したものを用いても構わない。また、上掲したチオール化合物とシランカップリング剤とを組み合わせて用いても構わない。
次に、図2(c)に示すように、密着層14を形成した後、マトリクス樹脂、例えば、エポキシ系樹脂組成物を含浸させて、マトリクス樹脂層15を形成し、厚さが0.2mmのプリプレグ11を作製した。尚、含浸させるマトリクス樹脂は、エポキシ系樹脂に限るものでもなく、上掲したものを用いても構わない。また、上述のように、マトリクス樹脂に無機フィラーを混合するようにしても良く、例えば、マトリクス樹脂としてポリイミド系樹脂を用いた場合には、アルミナ粉末(重量平均粒径7μm以下)およびシリカ粉末(重量平均粒径3μm以下)をそれぞれ10wt%ずつ含有させるようにしても良い。ここで、アルミナ粉末の熱膨張率は、7ppm/℃であり、シリカ粉末の熱膨張率は、3ppm/℃である。このように、無機フィラーをマトリクス樹脂に混合することで、プリプレグ11の厚み方向における熱膨張率を低減することが可能となる。
次に、図3(a)に示すように、上述の手順で用意したプリプレグ11を5枚積層し、真空プレスにより、200℃で1時間、積層方向に加圧した。このようにして、厚さ1.0mmのコア層10を作製した(340mm×510mm)。ここで、作製したコア層10の25〜200℃の温度範囲における面内方向の平均熱膨張率は、2ppm/℃であり、厚み方向の平均熱膨張率は、80ppm/℃であった。
次に、図3(b)に示すように、コア層10の所定の箇所に対して、ドリルで開口径0.5mmの貫通孔を所定数分形成した。本実施例では、約1000個の開口部を形成した。
次に、図4に示すように、コア層10に対して脱脂処理およびその後の洗浄処理を行い、その後、コア層10の両面に対して、熱可塑性ポリイミドシートをラミネートすることで、コア層10の表面を覆うように、絶縁層21を形成した。具体的には、真空プレスにより、200℃および30分の条件で、厚さ0.05mmとなるように、熱可塑性ポリイミドシートをラミネートした。このとき、ポリイミド樹脂の一部により貫通孔を填塞した。
次に、図5に示すように、ポリイミド樹脂により填塞された貫通孔の略中央を通るように、UV−YAGレーザにより、開口径0.2mmのスルーホール31を形成した。このスルーホール31は、UV−YAGレーザでの形成に限るものでもなく、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、プラズマによるドライエッチング、機械的ドリルなどを用いて形成しても構わない。次に、セミアディティブ法により、絶縁層21上に配線パターン22を形成すると共に、スルーホール31壁面にスルーホールビア30を形成した。具体的には、必要に応じてデスミア処理を行った後、無電解めっき法により絶縁層21およびスルーホール31の表面に無電解銅めっき膜を形成した。次に、無電解銅めっき膜上にフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成した。このレジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応する非マスク領域を有する。次に、電気めっき法により、非マスク領域に対して、無電解銅めっき膜をシード層として利用して電気銅めっきを堆積させた。次に、レジストパターンをエッチング除去した後、それまでレジストパターンで被覆されていた無電解銅めっき膜をエッチング除去した。エッチング液としては、過酸化水素水および硫酸の混合液を使用した。このようなセミアディティブ法により、ビルドアップ部20における配線パターン22と、コア層10を貫通して配線パターン22間を電気的に接続するスルーホールビア30とを形成した。図5では、コア層10を含めて3層構造を例示しているが、絶縁層21の積層形成から配線パターン22およびスルーホールビア30の形成までの一連の工程を、複数回繰り返すことで、コア層10の両面に複数の配線構造を有するビルドアップ部20を形成するようにしてもよい。本実施例では、図示はしないが、コア層10の両面にそれぞれ2層の配線構造を有するビルトアップ部20を形成し、コア層10を含めて5層構造の配線基板Xを作製した。更に、図示はしないが、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、ビルドアップ部20の表面にオーバーコート層を形成した。また、オーバーコート層の所定箇所には、ビルドアップ部20における最上位の配線パターンの一部が電極パッドとして臨むように開口部を設けた。このようにして、本実施例の配線基板Xを製造した。
次に、本実施例の配線基板Xを用いた温度サイクル試験について説明をする。
上述の手順によって製造した、炭素繊維束12(ピッチ系炭素繊維目付300g/m2、引張り弾性率600GPa、平織り)に無電解めっき法で、Ni膜131(3μm)、Cu膜132(5μm)を順次成膜し、トリアジンチオールに浸漬した上で、エポキシ系樹脂組成物を含浸させて作製したプリプレグ11を含む第1の配線基板Xと、炭素繊維束12(PAN系炭素繊維目付450g/m2、引張り弾性率600GPa、平織り)に無電解めっき法でNi膜131(1μm)、Cu膜132(3μm)を順次成膜し、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに浸漬した上で、エポキシ系樹脂組成物を含浸させて作製したプリプレグ11を含む第2の配線基板Xとを用意した。また、従来と同様に、炭素繊維束12に、直接、エポキシ系樹脂組成物を含浸させたプリプレグ11からなる従来の配線基板も比較例として用意した。そして、第1、第2の配線基板X、及び従来の配線基板に対して、−65℃での30分間冷却、および125℃での30分間加熱を1サイクルとし、それを1000サイクル実行する温度サイクル試験を行った。
その結果、第1、第2の配線基板Xのコア層10内におけるマトリクス樹脂15の剥離は観察されなかった。一方、従来の配線基板では、マトリクス樹脂15の剥離が観察された。特に、配線基板の端部における剥離が顕著であった。また、温度サイクル試験後における第1、第2の配線基板Xの各接続抵抗変化率は+5%以内であり、良好な接続部が維持されることが確認された。
このように、本実施例における配線基板Xのコア層10には、炭素繊維束12とマトリクス樹脂層15との間に、めっき膜13、密着層14といった、それぞれと強く接着する中間層が形成されている。これにより、炭素繊維束12は、これと強く接着するめっき膜13と接し、マトリクス樹脂層15は、これと強く接着する密着層14と接する。従って、炭素繊維束12とマトリクス樹脂層15とが中間層を介してそれぞれと強く接着されることになり、環境温度が低下したとしても、マトリクス樹脂層15の剥離を防止することが可能となる。
また、中間層、例えば、めっき膜13の熱膨張率は、Ni膜131、Cu膜132の場合で、14〜17ppm/℃であり、炭素繊維束12、中間層、マトリクス樹脂層15間で、その熱膨張率を傾斜構造とすることができる。従って、コア層10内部における応力を緩和することが可能となる。
以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 炭素繊維材料及び樹脂組成物を含む配線基板において、前記炭素繊維材料と前記樹脂組成物との間に中間層を備えることを特徴とする配線基板。(1)
(付記2) 前記炭素繊維材料の熱膨張率は、前記樹脂組成物の熱膨張率より小さいことを特徴とする付記1記載の配線基板。
(付記3) 前記樹脂組成物は、無機フィラーを含有することを特徴とする付記1及び付記2記載の配線基板。
(付記4) 前記中間層は、金属層を含むことを特徴とする付記1乃至付記3記載の配線基板。(2)
(付記5) 前記金属層は、前記炭素繊維材料を被覆してなることを特徴とする付記4記載の配線基板。
(付記6) 前記金属層は、Ni、及びCuからなることを特徴とする付記4又は5記載の配線基板。
(付記7) 前記金属層は、Ni、Cu、Cr、及びFeの少なくとも1つを含むことを特徴とする付記4又は付記5記載の配線基板。(3)
(付記8) 前記金属層は、複数の金属膜からなる多層構造であることを特徴とする付記7記載の配線基板。
(付記9) 前記中間層は、密着層を含むことを特徴とする付記4記載の配線基板。(4)
(付記10) 前記密着層は、前記金属層を被覆してなることを特徴とする付記9記載の配線基板。
(付記11) 前記密着層は、チオール化合物、及びカップリング剤の少なくとも1つを含む事を特徴とする付記9又は10記載の配線基板。
(付記12) 前記カップリング剤は、シランカップリング剤であることを特徴とする付記11記載の配線基板。
(付記13) 前記炭素繊維材料、前記中間層、前記樹脂組成物の順位で熱膨張率が小さいことを特徴とする付記1乃至付記12記載の配線基板。
(付記14) 炭素繊維材料を中間層で被覆するステップと、前記中間層に樹脂組成物を含浸するステップとを行うことを特徴とする配線基板の製造方法。(5)
(付記15) 前記炭素繊維材料を中間層で被覆するステップは、
金属膜を形成するステップと、を含むことを特徴とする付記14記載の配線基板の製造方法。
(付記16) 前記金属膜を形成するステップは、Ni膜、Cu膜、Cr膜、Fe膜の少なくとも1つ以上の金属膜を順次形成することを特徴とする付記15記載の配線基板の製造方法。
(付記17) 前記炭素繊維材料を中間層で被覆するステップは、
密着層を形成するステップと、を含むことを特徴とする付記15記載の配線基板の製造方法。
(付記18) 前記密着層を形成するステップは、チオール化合物、カップリング剤の少なくとも1つに浸漬することを特徴とする付記17記載の配線基板の製造方法。
(付記19) 炭素繊維材料及び樹脂組成物からなるコア層と、前記コア層上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線パターンと、前記コア層を厚み方向に貫通すると共に、前記配線パターンと電気的に接続された導電部と、を有する配線基板と、当該配線基板に接続される半導体チップとからなる半導体装置において、
前記コア層は、前記炭素繊維材料と前記樹脂組成物との間に中間層を備えることを特徴とする半導体装置。
本発明の配線基板の部分断面を示す図である。 本発明の配線基板の製造工程の一部を示す図である。 図2に続く工程を示す図である。 図3に続く工程を示す図である。 図4に続く工程を示す図である。
符号の説明
X 配線基板
10 コア層
11 プリプレグ
12 炭素繊維束
13 めっき膜
131 Ni膜
132 Cu膜
14 密着層
15 マトリクス樹脂層
20 ビルドアップ部
21 絶縁層
22 配線パターン
30 スルーホールビア
31 スルーホール

Claims (5)

  1. 炭素繊維材料及び樹脂組成物を含む配線基板において、前記炭素繊維材料と前記樹脂組成物との間に中間層を備えることを特徴とする配線基板。
  2. 前記中間層は、金属層を含むことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記金属層は、Ni、Cu、Cr、及びFeの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  4. 前記中間層は、密着層を含むことを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  5. 炭素繊維材料を中間層で被覆するステップと、前記中間層に樹脂組成物を含浸するステップとを行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
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