まず、図1(A)および図1(B)に沿って一実施形態の冷陰極蛍光灯10の説明を行う。図1(A)は、冷陰極蛍光灯10の外形図であり、図1(B)は、冷陰極蛍光灯10の断面図である。なお、図1(B)は、冷陰極蛍光灯10の一部を拡大したものである。
冷陰極蛍光灯10は、光透過性と絶縁性を有する材料であるガラスを円柱形状として形成される密閉容器11と、導電性材料17aおよび導電性材料17bと、内部電極17cおよび内部電極17dと、外部電極18aおよび外部電極18bと、を備える。内部電極17cおよび内部電極17dの少なくとも一方は、電子放出材料で形成されている。
密閉容器11の長手方向の両端面は封止されており、密閉容器11で囲まれる内部(以下、灯内部と省略する)は略真空の閉空間とされ、微量の発光のためのガスである水銀が封入されている。また、閉空間を形成するガラスの内面には蛍光材料が塗布されている。そして、導電性材料17aおよび導電性材料17bの各々は、密閉容器11の長手方向の各々の封止された端面より閉空間の外部へ引出されており、導電性材料17aは、灯内部に配された内部電極17cと導電性を保って接続され、導電性材料17bは、灯内部に配された内部電極17dと導電性を保って接続されている。密閉容器11の外部空間と接する面(以下、灯外部面と省略する)側には、この円柱形状の長手方向に直行する方向に伸びた一定幅の帯状の外部電極18aおよび外部電極18bの各々が離間して配されている。
冷陰極蛍光灯10の動作は以下のようになる。灯内部の電子が水銀の原子と衝突すると発光する。この場合の発光の波長は紫外線領域であって、波長が短く視認することができない。そこで、この紫外線に反応する蛍光材料が密閉容器11の内面に塗布されている。そして、この蛍光材料は紫外線に反応して、蛍光材料の種類に応じた波長の可視光線を発し、色々な光色を放つものである。
次に、図2に沿って第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20の説明を行う。
冷陰極蛍光灯装置20は、冷陰極蛍光灯10および冷陰極蛍光灯駆動装置21を備える。冷陰極蛍光灯10を構成する各部については、冷陰極蛍光灯装置20の説明に必要な範囲で、上述したものと同一の符号を付して説明を省略する。
冷陰極蛍光灯駆動装置21は、電力源25と、内部電極17cおよび内部電極17dに電力を供給する直流駆動回路22と、外部電極18aおよび外部電極18bに電力を供給する交流駆動回路26と、定電流回路23と、切替制御回路24、スイッチ素子Sw2およびスイッチ素子Sw6と、を備える。本実施形態においては、切替制御回路24、スイッチ素子Sw2およびスイッチ素子Sw6は切替回路を構成する。スイッチ素子Sw2は切替制御回路24からの信号S2によって、ON(導通)とされるかOFF(切断)とされるかが制御されるようになされている。
電力源25は冷陰極蛍光灯10の電力源となるものであり本実施形態では直流の電源である。電力源25は、直流電圧Vinを発生し、電力源25から直流電圧Vinを印加された直流駆動回路22は内部電極17cと内部電極17dの間に直流電圧Vdcを発生するようになされ、電力源25から直流電圧Vinを印加された交流駆動回路26は外部電極18aと外部電極18bとの間に交流電圧Vacを発生するようになされている。
直流駆動回路22からの直流電力は、ダイオードD1、ダイオードD2、および定電流回路23を介して、冷陰極蛍光灯10の内部電極17cと内部電極17dとの間に印加されるようになされている。なお、ダイオードD1およびダイオードD2は保護用として配されているが、省略することも可能である。
また、交流駆動回路26からの交流電力は冷陰極蛍光灯10の外部電極18aと外部電極18bとの間に印加されるようになされている。
直流駆動回路22を図3に示す。直流駆動回路22は、トランジスタQ21、トランジスタQ22、発振・変換トランスL21、抵抗R21、抵抗R22、コンデンサC21、ダイオードD21、ダイオードD22およびコンデンサC22を備える。発振・変換トランスL21には1次側巻線N21ないし1次側巻線N23と、2次側巻線N24および2次側巻線N25とが巻回されている。
1次側巻線N21と1次側巻線N22とは同一巻数とされ、1次側巻線N21の巻き終わりと、1次側巻線N22の巻き始めとが接続されて、所謂中点タップを形成しており、中点タップはインダクタL121を介して電力源25に接続され直流電圧Vinが印加されている。1次側巻線N21の巻き始めはトランジスタQ21のコレクタに接続され、1次側巻線N22の巻き終わりはトランジスタQ22のコレクタに接続されている。また、1次側巻線N21の巻き始めと、1次側巻線N22の巻き終わりとの間には、コンデンサC21(1次側の浮遊容量も含む)が接続され、主として、コンデンサC21と、1次側巻線N21と1次側巻線N22とで共振回路を形成するようになされているものが一般的である。
ここで、この共振回路の共振周波数は、コンデンサC21の容量値と1次側巻線N21と1次側巻線N22のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスで定まり、この共振周波数で回路は自励発振する。インダクタL121によって、交流的に電源と切り離された回路を構成するこのような自励発振回路はコレクタ共振形回路と称され、発振周波数がロイヤー回路に較べて高くできること、発振周波数が直流電圧Vinの値に影響され難い等の利点から多用されている。
トランジスタQ21のベースには抵抗R21および1次側巻線N23の一端が接続され、トランジスタQ22のベースには抵抗R22および1次側巻線N23の他端が接続されている。そして、1次側に接続された回路が正帰還ループを構成する条件に適合する電圧が発生するように、1次側巻線N23は、1次側巻線N21および1次側巻線N22に対して、所定の巻線比と極性方向とを有する巻線とされている。
このような、直流駆動回路22の動作を簡単に説明する。まず、直流駆動回路22に電力源25から直流電圧Vinが供給されると、抵抗R21は、トランジスタQ21のベースにベース電流を供給し、抵抗R22は、トランジスタQ22のベースにベース電流を供給する。これによって、トランジスタQ21のコレクタおよびトランジスタQ22のコレクタに電流が流れる。
そして、トランジスタQ21のコレクタに流れる電流は1次側巻線N21に流れ、トランジスタQ22のコレクタに流れる電流は1次側巻線N22に流れ、発振・変換トランスL21のコア(図示せず)に磁束を生じさせるが、1次側巻線N21によって発生する磁束の方向と1次側巻線N22によって発生するコア中の磁束の方向とは逆向きであり、磁束は互いにキャンセルされる。
しかしながら、トランジスタQ21とトランジスタQ22とで、電流増幅率にわずかの差があるのが通常であるので、トランジスタQ21またはトランジスタQ22のいずれか一方のコレクタには、より大きな電流が流れ、そして、1次側巻線N21または1次側巻線N22のいずれか一方に、より大きな電流が流れる。その結果として、1次側巻線N21と1次側巻線N22とに流れる電流の差に応じた磁束が発振・変換トランスL21のコア中に発生して、1次側巻線N23に、この磁束に応じた電圧が発生する。この電圧は、正帰還方向に発生し、トランジスタQ21とトランジスタQ22のコレクタ電流がより大きい側のトランジスタ(例えば、トランジスタQ21として以下の説明を行う)のコレクタ電流をさらに大きくし、コレクタ電流がより小さい側のトランジスタ(例えば、トランジスタQ22として以下の説明を行う)のコレクタ電流をさらに小さくして急速に零にしてしまう。
このときに、コンデンサC21と1次側巻線N21と1次側巻線N22のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスとで形成される共振回路によって、1次側巻線N21、1次側巻線N22、1次側巻線N23、2次側巻線N24および2次側巻線N25に正弦波状の電圧波形が生じる。そして、1次側巻線N23に発生する電圧はトランジスタQ21およびトランジスタQ22の各々のベースへ、正帰還されているので、この共振周波数と等しい周波数の自励発振が持続することとなる。
ここで、2次側巻線N24と2次側巻線N25に発生する電圧は、中点タップを基準として逆極性となるように2次側巻線N24と2次側巻線N25との巻回方向が予め定められ、巻数も等しくされている。そして、ダイオードD21およびダイオードD22によって整流が行われ、コンデンサC22によって平滑される。1次側巻線N21および1次側巻線N22の巻数に対して2次側巻線N24および2次側巻線N25の巻数は大きく設定されているので、中点タップ方式の全波整流回路によって、高圧の直流電圧VdcをコンデンサC22の両端に得ることができる。
また、交流駆動回路26を図4に示す。交流駆動回路26は、トランジスタQ61、トランジスタQ62、発振・変換トランスL61、抵抗R61、抵抗R62、コンデンサC61(1次側の浮遊容量も含む)、を備える。発振・変換トランスL61には1次側巻線N61ないし1次側巻線N63と、2次側巻線N64および2次側巻線N65とが巻回されている。
1次側巻線N61と1次側巻線N62とは同一巻数とされ、1次側巻線N61の巻き終わりと、1次側巻線N62の巻き始めとが接続されて、中点タップを形成しており、中点タップはインダクタL161を介して電力源25に接続されている。1次側巻線N61の巻き始めはトランジスタQ61のコレクタに接続され、1次側巻線N62の巻き終わりはトランジスタQ62のコレクタに接続されている。また、1次側巻線N61の巻き始めと、1次側巻線N62の巻き終わりとの間には、コンデンサC61が接続され、コンデンサC61と1次側巻線N61と1次側巻線N62のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスとによって共振回路を形成するようになされている。
トランジスタQ61のベースには抵抗R61および1次側巻線N63の一端が接続され、トランジスタQ62のベースには抵抗R62および1次側巻線N63の他端が接続されている。そして、1次側巻線N63は、正帰還ループを構成する電圧が発生するように、1次側巻線N61および1次側巻線N62に対する巻線比および極性方向を有する巻線とされている。
このような、交流駆動回路26の動作は、1次側については、直流駆動回路22の動作と全く同じである。一方、2次側については、整流用のダイオードおよび平滑用のコンデンサを備えないので、そのまま、交流の電圧である交流電圧Vacが2次側に出力されることとなる。
また、定電流回路23を図5に示す。定電流回路23は、トランジスタQ31、抵抗R31、基準電圧源Vref31、ツェナーダイオードDp31およびオペアンプIC31を備える。トランジスタQ31のエミッタには電流検出のための抵抗R31が接続され、トランジスタQ31のエミッタを流れる電流は抵抗R31に電圧を生じさせるようになされ、この抵抗R31に生じた電圧はオペアンプIC31の負極性の入力端に入力されている。また、オペアンプIC31の正極性の入力端には、基準電圧源Vref31からの電圧が入力されている。そして、オペアンプIC31の出力端は、トランジスタQ31のベースに接続されており、トランジスタQ31のエミッタを流れる電流の大きさが一定値となる定電流源を構成するように定電流回路23は形成されている。
定電流回路23の動作を簡単に説明する。抵抗R31の電圧、すなわち、オペアンプIC31の負極性の入力端の電圧が、基準電圧源Vref31、すなわち、オペアンプIC31の正極性の入力端の電圧よりも小さい場合には、オペアンプIC31の出力端の電圧は正方向に発生して、トランジスタQ31のベース電流を増加させ、この結果として、トランジスタQ31のエミッタ電流も増加する。一方、抵抗R31の電圧、すなわち、オペアンプIC31の負極性の入力端の電圧が、基準電圧源Vref31、すなわち、オペアンプIC31の正極性の入力端の電圧よりも大きい場合には、オペアンプIC31の出力端の電圧は負方向に発生して、トランジスタQ31のベース電流を減少させ、この結果として、トランジスタQ31のエミッタ電流も減少する。
このようなフィードバック作用の結果として、抵抗R31の両端の電圧と基準電圧源Vref31の電圧とは常時、略等しいものとなる。ここで、抵抗R31の値を大きくすると、抵抗R31に流れる電流の大きさ、すなわち、トランジスタQ31のエミッタ電流を小さくでき、抵抗R31の値を小さくすると、抵抗R31に流れる電流の大きさ、すなわち、トランジスタQ31のエミッタ電流を大きくできる。また、抵抗R31の値を変えることなく、基準電圧源Vref31の電圧の値を変えることによっても、トランジスタQ31のエミッタ電流を変化させて所望の大きさとすることができる。
なお、トランジスタQ31のベース電流の大きさは、トランジスタQ31のエミッタ電流の大きさに比べて小さいので、トランジスタQ31のエミッタを流れる電流の大きさと、トランジスタQ31のコレクタを流れる電流の大きさとは、略等しいものとなる。また、ツェナーダイオードDp31は、トランジスタQ31のベース電圧を制限する保護の目的を有するものであり省略することも可能である。
また、図2に示す切替制御回路24は、スイッチ素子Sw2およびスイッチ素子Sw6とともに切替回路を構成している。切替制御回路24は、スイッチ素子Sw2およびスイッチ素子Sw6をONまたはOFFのいずれかに制御するための信号S2および信号S6を発生するようになされている。そして、スイッチ素子Sw2およびスイッチ素子Sw6は、ON、OFFの制御ができる電子素子が選択されているので、リレー等の機構部品を用いうる場合に比べて高速の動作が可能となる。本実施形態においては、トランジスタを用いたが、FET(Field Effect Transistor)を用いても良い。
そして、スイッチ素子Sw2がONであるときには、直流駆動回路22への電力の供給がなされ、スイッチ素子Sw2がOFFであるときには、直流駆動回路22への電力の供給がなされないようにされている。また、スイッチ素子Sw6がONであるときには、交流駆動回路26への電力の供給がなされ、スイッチ素子Sw6がOFFであるときには、交流駆動回路26への電力の供給がなされないようにされている。すなわち、スイッチ素子Sw2がONであるときには、直流電圧Vdcの値は所定の値とされ、スイッチ素子Sw2がOFFであるときには、直流電圧Vdcの値は0V(ボルト)とされる。また、スイッチ素子Sw6がONであるときには、交流電圧Vacの値は所定の値とされ、スイッチ素子Sw6がOFFであるときには、交流電圧Vacの値は0V(ボルト)とされる。
次に、図6に沿って第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20の全体の動作の説明を行う。
図6(A)に切替制御回路24から出力される信号S6を示す。信号S6が時間t0から時間t3までのハイレベル(図6では上方のレベル)のときにスイッチ素子Sw6をONとし、信号S6がローレベル(図6では下方のレベル)のときにスイッチ素子Sw6をOFFとする。図6(B)に切替制御回路24から出力される信号S2を示す。信号S2が時間t2から時間t4までのいずれかの時間でハイレベル(図6では上方のレベル)となったときにスイッチ素子Sw2をONとし、信号S2がローレベル(図6では下方のレベル)のときにスイッチ素子Sw2をOFFとする。
図6(C)に交流電圧Vacの波形を示す。信号S6がハイレベルのときにスイッチ素子Sw6をONとして交流駆動回路26から所定の値の交流電圧Vacが発生し、信号S6がローレベルのときにスイッチ素子Sw6をOFFとして交流電圧Vacの値は0Vとなる。図6(D)に直流駆動回路22からの直流電圧Vdcの波形を示す。信号S2がハイレベルのときにスイッチ素子Sw2をONとして所定の値の直流電圧Vdcが発生し、信号S2がローレベルのときにスイッチ素子Sw2をOFFとして直流電圧Vdcの値は0Vとなる。
ここで、冷陰極蛍光灯10を直流駆動回路22によって持続的に点灯させるためには、時間t3に対して、時間t2および時間t4の選び方が重要となるので、これについて以下に説明する。
まず、スイッチ素子Sw6を時間t0でONとして交流電圧Vacとして所定の電圧を発生させ、冷陰極蛍光灯10を交流駆動にて点灯させる。交流駆動を行った場合には、外部電極18aおよび外部電極18bは灯内部と直接に接していないながらも、灯内部に変位電流を流し、灯内部において電子と水銀の原子とを衝突させることによって冷陰極蛍光灯10は発光を開始する。なお、この場合に、交流の周波数が高くなると内部電極17cおよび内部電極17dの仕事関数が低くなったと等価の作用をして電子の放出は容易となる。
一度、冷陰極蛍光灯10を点灯させて、プラズマ状態が維持されている内に直流駆動を行えば、点灯を持続させることができる。すなわち、交流駆動開始後の電子とガスとの衝突が継続中(灯内部のガスがプラズマ状態となっているとき)において、直流駆動に切り替えることによって、点灯状態を持続させることができる。この場合において、直流駆動においては、定電流回路23によって定電流駆動を行うので、冷陰極蛍光灯10は、安定した、一定の輝度を保つことができる。
ここで、図6において、時間t1から時間t5の範囲が、交流駆動のみとした場合に対応して灯内部のガスがプラズマ状態となっている時間であり、時間t1から時間t5の範囲で、直流駆動を開始すれば、直流点灯を行い、点灯を維持することができる。しかしながら、時間t1と時間t5を正確に検地することは困難であるので、時間マージンを確保して、例えば、時間t1と時間t5との内側の時間である時間t2から時間t4の範囲で、直流駆動を開始する信号S2をスイッチ素子Sw2に送出すれば、より確実に点灯を行い、点灯を維持することができる。時間t2から時間t1を引いた時間および時間t5から時間t4を引いた時間が、時間マージンである。
ここで、ガスの種類、環境温度、冷陰極蛍光灯10の固体差、冷陰極蛍光灯10の特性の経時変化、交流駆動をおこなう交流電圧Vacの値等によって上述の時間マージンは、変化し、また、スイッチ素子Sw2をONとする信号S2を出力してから直流駆動回路22が動作するまでに時間遅れ、スイッチ素子Sw6をONとする信号S6を出力してから直流駆動回路22が動作するまでに時間遅れも駆動回路によって異なりが生じるので、さらに、安全を見た時間マージンを確保するために、直流駆動電圧印加開始の時間を、交流駆動が継続中の所定期間(図6では時間t0から時間t3までの期間)の内の時間(例えば、図6では時間t2)として、交流駆動の開始後から直流駆動の開始までの時間(図6では、時間t2−時間t0)と、直流駆動の開始後から交流駆動の停止までの時間(図6では、時間t3−時間t2)とがなるべく大きくなるようにするのが、安定した点灯持続の観点からは、望ましいこととなる。
すなわち、予想される最悪の環境下における、交流駆動によって、灯内部の電子とガスとの衝突が発生する(灯内部のガスがプラズマ状態となる)に十分な時間を時間t2−時間t0として確保し、また、灯内部の電子とガスとの衝突が継続中(灯内部のガスがプラズマ状態)を保障するに十分な時間を時間t3−時間t2として確保するように、信号S6および信号S2を制御することが望ましいものである。
このように、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20は、交流電圧を印加する交流駆動によって点灯され、交流駆動によって冷陰極蛍光灯10を点灯(交流点灯)した後に、直流電圧を印加する直流駆動によって点灯(直流点灯)するように制御される。そして、交流駆動が行われている時間よりも、直流駆動の時間が長く設定されている。
第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20は、直流駆動を行うことによって、交流駆動を行うときに生じた冷陰極蛍光灯10と、この周辺に設けられる部材(例えば、バックライト装置として用いられる場合には、反射材や拡散板等の各種光学用部材)との間に形成される浮遊容量に交流駆動回路26からの交流電流がリーク電流として流れてしまうという問題を解決し、駆動電力の有効利用ができる。また、交流駆動のみを行う場合に生じる長尺化した冷陰極蛍光灯10の長手方向の途中からリーク電流が生じ、長手方向の各部における発光量が異なり、明るさに相違が生じるという症状の発生を防止し、均一な輝度を得ることができるものである。
すなわち、交流駆動によって冷陰極蛍光灯10を点灯している場合においては、浮遊容量を介してリーク電流が流れるものの、直流駆動によって冷陰極蛍光灯10を点灯している場合においては、浮遊容量が存在しても、直流に対するリアクタンスは、理論的には無限の大きさとなり、絶縁状態とすることができ、リーク電流を零とすることができるものである。
また、第1実施形態の冷陰極蛍光灯10は、1組の直流駆動用の電極である内部電極17cおよび内部電極17dと、1組の交流駆動用の電極である外部電極18aおよび外部電極18bと、を有することによって、交流電圧である交流電圧Vacを交流駆動回路26から印加し、直流電圧である直流電圧Vdcを直流駆動回路22から印加して安定に点灯することができる。すなわち、2組の電極を備えることによって、交流駆動の時間と直流駆動の時間との相互の関係を、例えば、オーバーラップする等、任意に制御することができる。なお、交流駆動の時間と直流駆動の時間との相互の関係は、交流電圧Vacと直流電圧Vdcの各々を直流駆動用の電極と交流駆動用の電極とに印加するタイミングを切替回路によって制御することによって容易にできるものである。
このような第1実施形態の冷陰極蛍光灯10を用いて、交流駆動と直流駆動とを行えば、従来用いられている、種々のインバータ回路をそのまま交流駆動回路26として採用し、従来用いられている直流発生回路をそのまま直流駆動回路22として採用できるために、装置の低価格化ができるのみならず、既存のIC等の電子部品が転用できるため、装置の小型化が容易となる。さらに、切替回路を1次側に配し、2次側の電圧を発振・変換トランスで昇圧する方式を採用するので、多くの部品の耐電圧を低いものとすることができる。
また、第1実施形態の冷陰極蛍光灯10においては、このように内部電極17cおよび内部電極17dと外部電極18aおよび外部電極18bとを、光透過性と絶縁性を有する材料であるガラスの密閉容器11によって絶縁しているので、交流駆動回路26と直流駆動回路22との電気的な相互干渉を防止することができ、直流駆動回路22および交流駆動回路26の制御が容易になる。
すなわち、外部電極18aおよび外部電極18bは、交流駆動回路26の2次側巻線N64および2次側巻線N65によって、直流的に接続されているが、ガラスの密閉容器11が介在するために、内部電極17cおよび内部電極17dによって生じる灯内部の直流電界に影響を与えることはない。また、内部電極17cおよび内部電極17dはコンデンサC22によって交流的に接続されているが、ガラスの密閉容器11が存在するために、外部電極18aおよび外部電極18bによって生じる灯内部の交流電界に影響を与えることはない。したがって、いずれも高電圧を発生する2次側は各々の電極に接続したままで、直流駆動回路22および交流駆動回路26を動作させるか、動作停止させるかの制御を低電圧の1次側において容易に行うことができる。
さらに、高圧が印加される外部電極18aおよび外部電極18bを短時間の間だけ交流駆動することによって、外部電極18aおよび外部電極18bに塵埃が付着することを防止することができる。
またさらに、このような外部電極18aおよび外部電極18bは、内部電極17cおよび内部電極17dを有する冷陰極蛍光灯の外周部に導電箔を配することによって、容易に形成することができる。
なお、内部電極17cおよび内部電極17dに直流電圧Vdcを印加するに際して、極性を常に一定として、例えば、内部電極17dを電位の低い側である陰極とする場合には、内部電極17dのみを電子放出材料で形成すれば十分である。図2において、冷陰極蛍光灯10の部分に付された矢印は直流電圧Vdcが印加されることによって生じる電流の方向を示すが、図2に示す矢印の方向に直流電流が流れる場合には、内部電極17dを電子放出材料で形成すれば十分である。
図示しないが、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20において、トランジスタQ21、トランジスタQ22、トランジスタQ61およびトランジスタQ62のベースの各々に発振・変換トランスの2次側巻線N23、2次側巻線N63、抵抗R21、抵抗R22、抵抗R61および抵抗R62を接続することなく駆動回路を接続し、トランジスタQ21とトランジスタQ22とを共振周波数で相補的にON、OFFし、トランジスタQ61とトランジスタQ62とを共振周波数で相補的にON、OFFする他励方式のインバータ回路を用いることもできる。
この場合には、トランジスタQ21、トランジスタQ22、トランジスタQ61およびトランジスタQ62のベースは、微弱電力を消費する論理回路で制御するようになされているので、トランジスタQ21およびトランジスタQ22をOFFとするようにトランジスタQ21およびトランジスタQ22の各々のベースを制御し、トランジスタQ61およびトランジスタQ62をOFFとするようにトランジスタQ61およびトランジスタQ62の各々のベースを制御することによって容易に直流電圧Vdc、交流電圧Vacの電圧の値を0Vとすることができる。
図7に沿って第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30の説明を行う。
冷陰極蛍光灯装置30は、冷陰極蛍光灯10および冷陰極蛍光灯駆動装置31を備える。冷陰極蛍光灯駆動装置31は、電力源25と、直流駆動回路22aおよび直流駆動回路22bと、交流駆動回路26と、定電流回路23aおよび定電流回路23bと、ダイオードD1a、ダイオードD1b、ダイオードD2aおよびダイオードD2bと、切替制御回路34と、スイッチ素子Sw2aおよびスイッチ素子Sw2bと、スイッチ素子Sw6と、を備える。
ここで、冷陰極蛍光灯10の各部の構成、交流駆動回路26の各部の構成については、上述第1実施形態におけると同一の符号を付して説明を省略する。また、直流駆動回路22aおよび直流駆動回路22bの各部は上述の直流駆動回路22におけると同一の構成を有して同一の作用を奏し、ダイオードD1aおよびダイオードD1bは上述のダイオードD1と同一の構成を有して同一の作用を奏し、ダイオードD2aおよびダイオードD2bは上述のダイオードD2と同一の構成を有して同一の作用を奏するので説明を省略する。
ただし、本実施形態の、冷陰極蛍光灯装置30においては、内部電極17cおよび内部電極17dに極性が交互に変化する直流電圧Vdcを印加するので、内部電極17cおよび内部電極17dの両方を電子放出材料で形成している。また、定電流回路23a、定電流回路23bに配されたトランジスタQ31a、トランジスタQ31bの各々のベースは、オペアンプIC31a、オペアンプIC31bの各々の出力と直接接続されることなく、スイッチ素子Sw3a、スイッチ素子Sw3bを介して接続されているが、その他の点については上述の定電流回路23におけると異なる点はない。部品の各々にaまたはbのサフィツクスが付されているトランジスタQ31a、トランジスタQ31b、オペアンプIC31a、オペアンプIC31b、抵抗R31a、抵抗R31b、基準電圧源Vref31a、基準電圧源Vref31b、ツェナーダイオードDp31a、ツェナーダイオードDp31bの各々は、上述の定電流回路23におけるサフィツクスが付されていないものと同一の構成を有して同一の作用を奏するので説明を省略する。
ここで、本実施形態においては、切替制御回路34、スイッチ素子Sw2a、スイッチ素子Sw2b、スイッチ素子Sw3a、およびスイッチ素子Sw3bは切替回路の1例を構成する。切替制御回路34は、スイッチ素子Sw2a、スイッチ素子Sw2b、スイッチ素子Sw3a、スイッチ素子Sw3bおよびスイッチ素子Sw6の各々を制御するための信号S2a、信号S2b、信号S3a、信号S3bおよび信号S6の各々を出力する。図8に示すこれらの信号のタイミングチャートに沿って、第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30の動作の説明を行う。
図8の横軸は時間tを示し、図8(A)は信号S6を示し、図8(B)は信号S2aおよび信号S3bを示し、図8(C)は信号S2bおよび信号S3aを示す。信号S6、信号S2a、信号S3b、信号S2bおよび信号S3aのいずれも、ハイレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の上方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw6、スイッチ素子Sw2a、スイッチ素子Sw3b、スイッチ素子Sw2b、スイッチ素子Sw3aの各々をONとし、ローレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の下方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw6、スイッチ素子Sw2a、スイッチ素子Sw3b、スイッチ素子Sw2b、スイッチ素子Sw3aの各々をOFFとする。
信号S6がハイレベルとなる、時間t10において、スイッチ素子Sw6がONとされるので、交流駆動回路26が動作して、冷陰極蛍光灯10は交流点灯される。このとき、既に、スイッチ素子Sw2bおよびスイッチ素子Sw3aがONとされているので、直流駆動回路22bおよび定電流回路23aが動作して、直流点灯に重畳して交流点灯も行われる。なお、信号S6がハイレベルとなる時間t10と交流点灯開始の時間とは、上述のように、交流駆動回路26の動作開始までの時間、電子とガスとの衝突の開始の時間に応じた差が生じるものであるが、この時間は短いものとして以下、説明をする。同様に、信号S2a、信号S3b、信号S2bおよび信号S3aがハイレベルとなる時間と直流点灯開始の時間も上述のように、直流駆動回路22の動作開始の時間に応じた差が生じるものであるが、この時間は短いものとして以下、説明をする。
そして、時間t11でスイッチ素子Sw2bおよびスイッチ素子Sw3aがOFFとされ直流駆動回路22bおよび定電流回路23aの動作は停止され直流点灯は終了するが、冷陰極蛍光灯10の交流点灯は持続される。
そして、時間t12でスイッチ素子Sw2aおよびスイッチ素子Sw3bがONとされ直流駆動回路22aおよび定電流回路23bの動作は開始され、冷陰極蛍光灯10の直流点灯も交流点灯に重畳して開始される。
そして、信号S6がローレベルとなる時間t13において、スイッチ素子Sw6がOFFとされるので、交流駆動回路26の動作が停止して、冷陰極蛍光灯10の直流点灯のみが持続される。
そして、信号S6がハイレベルとなる時間t14において、スイッチ素子Sw6がONとされるので、交流駆動回路26が動作して、冷陰極蛍光灯10の直流点灯に重畳して交流点灯も同時に開始される。
そして、時間t15でスイッチ素子Sw2aおよびスイッチ素子Sw3bがOFFとされ直流駆動回路22aおよび定電流回路23bの動作は停止され直流点灯は停止するが、冷陰極蛍光灯10の交流点灯は持続される。
そして、時間t16でスイッチ素子Sw2bおよびスイッチ素子Sw3aがONとされ直流駆動回路22bおよび定電流回路23aの動作は開始され、冷陰極蛍光灯10の直流点灯も交流点灯に重畳して開始される。
そして、信号S6がローレベルとなる時間t17において、スイッチ素子Sw6がOFFとされるので、交流駆動回路26の動作が停止して、冷陰極蛍光灯10の直流点灯のみが持続される。
そして、時間t18において、1周期が完結して、再び時間t10から始まる同じ動作が周期的に繰り返す。このとき、時間t13から時間t14までの間に冷陰極蛍光灯10に流れる電流の方向と時間t17から時間t18までの間に冷陰極蛍光灯10に流れる電流の方向とは逆方向となる。
上述の第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30は、第1形態の冷陰極蛍光灯装置20の有する効果である、冷陰極蛍光灯10と、この周辺に設けられる反射材や拡散板等の各種光学用部材との間に形成される浮遊容量に交流駆動回路26からの交流電流がリーク電流として流れてしまう問題を解決し、駆動電力の有効利用ができる。
すなわち、第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30は、内部電極17cおよび内部電極17dに印加される直流電圧Vdcの電圧極性の変化の周期を交流電圧の周期に比べて長く(電圧極性の変化の周波数を低く)して、極性の切替点以外では直流電圧とみなせるようにして、浮遊容量が存在しても、電圧極性の変化の周波数が低い為、浮遊容量の有するリアクタンスがほぼ無限に高められ、殆ど絶縁状態として、リーク電流を減少させることができるものである。
また、第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30は、長尺化した冷陰極蛍光灯10を採用する場合においても、直流点灯をしている時間においては、交流駆動における、冷陰極蛍光灯10の長手方向の途中からリーク電流が生じ、長手方向の各部における発光量が異なり、明るさに相違が生じるという症状の発生を防止し、均一な輝度を得ることができる。
さらに第2の実施形態の冷陰極蛍光灯装置30は、第1形態の冷陰極蛍光灯装置20には無い以下の効果を生じる。すなわち、リーク電流を防止するために、冷陰極蛍光灯10において、内部電極17cから内部電極17dへの一方向のみ、または、内部電極17dから内部電極17cへの一方向のみに電流を流す完全な直流点灯をする場合には、冷陰極蛍光灯10の灯内部に封止されているガス、例えば、水銀が偏ってしまい、冷陰極蛍光灯10の管内の放電バランスが偏り、発光の色が白色にならないという問題が発生するが、このように直流電圧Vdcの極性を変化させればこのような現象の発生を防止できる。
また、極性を反転することなく、同一の一方の内部電極から同一の他方の内部電極に常に電流が一方向にのみ流す場合には、電極の劣化が、片側の電極にのみ集中的に発生してランプ寿命が短くなるなどの問題があったが、第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30は、所定の周期の半周期毎に直流点灯における電流方向が交互に逆転するのでこのような弊害の発生を防止できる。
ここで、より具体的に説明すれば、直流点灯における1周期の長さ(図8の時間t10から時間t18までの長さ)を交流点灯の時間(図8の時間t10から時間t13までの長さ、および図8の時間t14から時間t17までの長さ)に較べて十分長く取ることによって、リーク電流による電力損失を低減することができる。このときの電力損失の大きさは、直流点灯における1周期の長さと、交流点灯の時間との比率が大きくなるほど減少するものとなる。
第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30においては、例えば、直流点灯における1周期の長さを16.7mSec(ミリ秒)程度とし、交流点灯の時間は、0.5mSec程度とした。このときに、交流駆動回路26供給される交流の周波数は、30kHz(キロヘルツ)ないし50kHz程度とした。
上述した、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置20および第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30と同様の原理に基づく冷陰極蛍光灯装置は、液晶表示装置の光源としての冷陰極蛍光灯装置(バックライト装置)として用いることができる。
図9に液晶表示装置の1例である液晶表示装置100のブロック図を示す。液晶表示装置100は、映像処理部131、液晶表示装置制御部132、映像メモリ133、切替回路134、バックライトアセンブリ部135、光学シート・拡散板140、液晶表示パネル137、Yドライバ138およびXドライバ139を備えている。なお、本実施形態においては、切替回路134およびバックライトアセンブリ部135は液晶表示装置の冷陰極蛍光灯装置(バックライト装置)の1例である。
このような液晶表示装置100の構成と動作を簡単に説明する。映像信号Vsigが映像処理部131に入力されると、映像処理部131は映像データ信号と同期信号とを分離して、映像メモリ133にX方向(水平走査方向)の映像データ信号を1走査ライン毎に転送する。また、映像処理部131は同期信号を液晶表示装置制御部132に送り、映像処理部131はYドライバ138およびXドライバ139を制御する制御信号を送出するとともに、切替回路134を制御する制御信号を送出する。
バックライトアセンブリ部135から発せられた光は、光学シート・拡散板140によって光学的な処理が施され、液晶表示パネル137の裏面に投影される。そして、液晶表示パネル137は、Yドライバ138によって映像を表示する水平走査ラインが1ライン毎に選択され、Xドライバ139によって映像メモリ133に記憶された値に応じて透過光の量が制御されるので、映像信号Vsigに応じた映像が液晶表示パネル137の表面に生じる。すなわち、映像信号Vsigに応じた画像が液晶表示パネル137に表示され、その表示位置は映像信号Vsigに含まれる同期信号に応じたものである。
図10に沿って、液晶表示装置100に用いられる冷陰極蛍光灯装置を構成するバックライトアセンブリ部135および切替回路134(図10には図示せず)のブロック図を示す。バックライトアセンブリ部135は、n個の冷陰極蛍光灯10を備え、各々の冷陰極蛍光灯10毎に同一構成からなる駆動回路を備えるn個のバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nから形成されている。そして、各々の冷陰極蛍光灯10は平面状に相互に等間隔となるように平行に配置されている。また、各々の冷陰極蛍光灯10の長手方向を液晶表示パネル137の水平走査ライン方向と略一致させて配置され、冷陰極蛍光灯10が配される平面は、液晶表示パネル137および光学シート・拡散板140に略平行して配置されている。ここで、nの数は1、つまり1個から複数の任意の個数のバックライトユニットをバックライトアセンブリ部135は備えることができるものである。なお、nが1個の場合のバックライトアセンブリ部135の構成は図7に示したものと同様である。
以下、バックライトアセンブリ部135を構成するn個のバックライトユニットの1つであるバックライトユニットU−1(図10を参照)の説明を行い、他の同一の構成を有するn−1個のバックライトユニット(図10を参照)についての説明を代表する。
バックライトユニットU−1は、冷陰極蛍光灯10、電力源25と、直流駆動回路22−1aおよび直流駆動回路22−1bと、定電流回路23−1aおよび定電流回路23−1bと、ダイオードD1−1a、ダイオードD1−1b、ダイオードD2−1aおよびダイオードD2−1bと、スイッチ素子Sw2−1aおよびスイッチ素子Sw2−1bと、スイッチ素子Sw6と、スイッチ素子Sw3−1aおよびスイッチ素子Sw3−1bと、を備える。
ここで、冷陰極蛍光灯10の各部の構成については、必要な範囲で、第1実施形態におけると同一の符号を付して説明を省略する。また、直流駆動回路22−1aおよび直流駆動回路22−1bの各部は第1実施形態の直流駆動回路22におけると同一の構成を有して同一の作用を奏し、ダイオードD1−1aおよびダイオードD1−1bは第1実施形態のダイオードD1と同一の構成を有して同一の作用を奏し、ダイオードD2−1aおよびダイオードD2−1bは第1実施形態のダイオードD2と同一の構成を有して同一の作用を奏するので説明を省略する。
定電流回路23−1aおよび定電流回路23−1bは、第2実施形態における定電流回路23aおよび定電流回路23bとは異なる構成を有しており、定電流回路23aおよび定電流回路23bにおいて、トランジスタQ31aおよびトランジスタQ31bの各々のベースに接続されるスイッチ素子Sw3aおよびスイッチ素子Sw3bを用いることなく、トランジスタQ31aおよびトランジスタQ31bの各々のベースは、オペアンプIC31aの出力端子の各々と直接に接続されている。そして、スイッチ素子Sw3aおよびスイッチ素子Sw3bと略同様の作用を奏するスイッチがトランジスタQ31aおよびトランジスタQ31bのコレクタ側に設けられている。スイッチ素子Sw3aに対応するスイッチがスイッチ素子Sw3a−1であり、スイッチ素子Sw3bに対応するスイッチがスイッチ素子Sw3b−1である。
また、電力源25および交流駆動回路26は、n個のバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nに共通して用いられる。すなわち、n個のバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nは、電力源25から電力を供給され、n個の冷陰極蛍光灯10のすべての外部電極18aおよびすべての外部電極18bは、1個の交流駆動回路26に接続されている。
また、切替回路134(図10には図示せず、図9を参照)は、切替制御回路136と、スイッチ素子Sw2a−1ないしスイッチ素子Sw2a−n、スイッチ素子Sw2b−1ないしスイッチ素子Sw2b−n、スイッチ素子Sw3a−1ないしスイッチ素子Sw3a−nおよびスイッチ素子Sw3b−1ないしスイッチ素子Sw3b−nとから構成されている。そして、切替回路134は、信号S2a−1ないし信号S2a−n、信号S2b−1ないし信号S2b−n、信号S3a−1ないし信号S3a−n、信号S3b−1ないし信号S3b−nおよび信号S6を送出して上述した各々のスイッチ素子を制御する。
第1実施形態の液晶表示装置100においては、切替回路134が、信号S2a−1ないし信号S2a−n、信号S2b−1ないし信号S2b−n、信号S3a−1ないし信号S3a−n、信号S3b−1ないし信号S3b−n、信号S6をどのようなタイミングで出力するかによって種々の制御が可能となるので、以下、第1実施形態の液晶表示装置100における第1実施形態の制御方法、第1実施形態の液晶表示装置100における第2実施形態の制御方法、第2実施形態の液晶表示装置における制御方法、液晶表示装置におけるその他のバックライトアセンブリの構成、その他の制御について順に説明する。
(第1実施形態の液晶表示装置100における第1実施形態の制御方法)
図11に示すタイミングチャートに沿って第1実施形態の液晶表示装置100における第1実施形態の制御方法の説明を行う。この制御方法は、図8のタイミングチャート−トに沿って説明した、第2実施形態の冷陰極蛍光灯装置30の制御方法を拡張して、n個のバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nを同時に制御するものである。
図11の横軸は時間tを示し、図11(A)は信号S6を示し、図11(B)は信号S2a−1ないし信号S2a−nおよび信号S3b−1ないし信号S3b−nを示し、図11(C)は信号S2b−1ないし信号S2b−nおよび信号S3a−1ないし信号S3a−nを示す。
信号S2a−1ないし信号S2a−n、信号S2b−1ないし信号S2b−n、信号S3a−1ないし信号S3a−n、信号S3b−1ないし信号S3b−nおよび信号S6のいずれも、ハイレベル(図11(A)ないし図11(C)の図面の上方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw2a−1ないしスイッチ素子Sw2a−n、スイッチ素子Sw2b−1ないしスイッチ素子Sw2b−n、スイッチ素子Sw3a−1ないしスイッチ素子Sw3a−n、スイッチ素子Sw3b−1ないしスイッチ素子Sw3b−nおよびスイッチ素子Sw6の各々をONとし、ローレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の下方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw2a−1ないしスイッチ素子Sw2a−n、スイッチ素子Sw2b−1ないしスイッチ素子Sw2b−n、スイッチ素子Sw3a−1ないしスイッチ素子Sw3a−n、スイッチ素子Sw3b−1ないしスイッチ素子Sw3b−nおよびスイッチ素子Sw6の各々をOFFとする。
時間経過に沿った動作は、図8におけると同様であるので省略するが、n個の冷陰極蛍光灯10のすべてが同期して略同時に、交流点灯の開始と停止ならびに直流点灯の開始と停止および前の回の直流点灯における電流の向きを逆方向にする直流点灯の開始と停止の動作を行う。
第1実施形態の液晶表示装置100において、このような第1実施形態の制御方法を用いれば、バックライトアセンブリ部135と、この周辺に設けられる反射材(図示せず)および光学シート・拡散板140等の各種光学用部材との間に形成される浮遊容量に交流駆動回路26からの交流電流を僅かの時間、リーク電流として流すものの、すべての冷陰極蛍光灯10に配された各々の内部電極17cおよび内部電極17dに印加される直流電圧Vdcの電圧極性の変化の周期を長くすることによって、浮遊容量が存在しても、電圧極性の変化の周波数が低い為、浮遊容量の有するリアクタンスがほぼ無限に高められ、殆ど絶縁状態として、液晶表示装置100に流れるリーク電流を減少させることができるものである。
また、このような制御方法を採用すれば、長尺化した冷陰極蛍光灯10を採用する場合においても、直流点灯をしている時間においては、冷陰極蛍光灯10の長手方向の途中からリーク電流が生じ、長手方向の各部における発光量が異なり、明るさに相違が生じるという症状の発生を防止し、均一な輝度を得ることができるので、液晶表示パネル137の表面に現れる映像の色むらを生じことなく、鮮明な画像を得ることができる。
ここで、直流点灯における1周期の長さ(図11の時間t10から時間t18までの長さ)、交流点灯の時間(図11の時間t10から時間t13までの長さ、および図11の時間t14から時間t17までの長さ)は、予め定める所定の時間とされ、例えば、直流点灯における1周期の長さを16.7mSec(ミリ秒)程度とし、交流点灯の時間は、0.5mSec程度とした。このときに、交流駆動回路26供給される交流の周波数は、30kHz(キロヘルツ)ないし50kHz程度とした。
(第1実施形態の液晶表示装置100における第2実施形態の制御方法)
第1実施形態の液晶表示装置100における第2実施形態の制御方法は、映像信号Vsigから液晶表示装置制御部132で抜き出した同期信号に基づきバックライトアセンブリ部135に配されたn個の冷陰極蛍光灯10を制御するものである。
第1実施形態の液晶表示装置100における第2実施形態の制御方法の説明を行う。映像信号Vsigがテレビジョン放送に使用されているNTSCコンポジットビデオ・ビデオ信号であるとして説明を行うが、本実施形態の適用範囲はNTSCコンポジットビデオ・ビデオ信号に限られるものではない。
NTSCコンポジットビデオ・ビデオ信号は、飛び越し走査(インターレース)を行うようにされており、液晶表示パネル137の上部より下部方向に映像を順に走査する。本実施形態においては、映像メモリ133に1水平ライン(1H)分のデータが記憶されているので、1H分の映像が、Xドライバ139を制御することによって一度に液晶表示パネル137に表示され、順次、映像メモリ133に記憶される1H分の映像が更新される。なお、水平走査の繰り返しの周波数は15.75kHz、すなわち繰り返し周期は約63.5μSec(マイクロ秒)とされている。
そして、Yドライバ138によって、液晶表示パネル137の上部より下部方向に映像が表示される場所が移動して情報が半分の画像である第1フィールドを表示する。次に、情報が残りの半分の画像である第2フィールドを表示する。そして、この第1フィールドと第2フィールドとで1枚の画像である1フレームを形成し、1フレームの水平走査線の数は525本とされている。なお、第1フィールドおよび第2フィールドの繰り返しの周波数は各々60Hz、すなわち繰り返し周期は約16.7mSec(ミリ秒)とされ、1フレームの繰り返しの周波数は30Hz、すなわち繰り返し周期は約33.3mSecとされている。
しかしながら、水平走査線のすべてが、液晶表示パネル137に表示されるのではなく、約483本が表示され、42本の水平走査線は液晶表示パネル137に現れることなく、この時間は、垂直帰線期間とされている。この期間の長さは1フレームで約2.6mSec程度存在する。したがって、順次走査(プログレッシブ)を用いる場合には、液晶表示パネル137に映像を表示しない時間を約2.6mSec確保でき、飛び越し走査の場合には、約その半分の時間の約1.3mSec確保できる。なお、液晶表示装置100は、2フレーム分のメモリを備えることによって、Yドライバ138を制御して順次走査とすることができる。
図12に沿って、飛び越し走査における垂直同期信号と、各々のスイッチ素子を制御する信号との関係を説明する。図12の横軸は時間tを示し、図12(A)は信号S6を示し、図12(B)は、信号S2a−1ないし信号S2a−nおよび信号S3b−1ないし信号S3b−nを示し、図12(C)は、信号S2b−1ないし信号S2b−nおよび信号S3a−1ないし信号S3a−nを示す。これらの信号が、ハイレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の上方のレベル)のときに、各々のスイッチ素子はONなり、これらの信号が、ローレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の下方のレベル)のときに、各々のスイッチ素子はOFFとなる。
図12において、期間Tfは1フレームに対応し、約33.3mSecであり、期間Tvは1フィールドに対応し、約16.7mSecであり、期間Tvbは垂直帰線期間に対応し、約1.3mSecであり、1フレームの期間Tfにおいて、期間Tvおよび期間Tvbは各々2回生じる。
なお、図示しないが、順次走査を行う場合には、1フレームにおいて、期間Tvおよび期間Tvbは1回生じ、期間Tfと期間Tvとが等しく、約16.7mSecであり、期間Tvbは約1.3mSecである。
第1実施形態の液晶表示装置100における第2実施形態の制御方法は、このように、切替回路によって、同期信号抜き出し回路からの垂直同期信号の帰線期間である期間Tvbに同期して、直流駆動回路からの直流電圧の電圧極性を反転する制御を行うことを特徴とするものである。
このような制御を行う場合には、交流駆動と直流駆動との切替点および、直流駆動における電流の方向の切替点が含まれる期間Tvbは、垂直帰線期間であるので、液晶表示パネル137を冷陰極蛍光灯10からの光が透過することはない。この結果、液晶表示パネル137に表示される映像の光量の変化を生じさせることなく、直流電圧Vdcの極性を切り替えることが可能となる。
(第2実施形態の液晶表示装置(図示せず)における制御方法)
第2実施形態の液晶表示装置(図示せず)について説明する。第2実施形態の液晶表示装置は図10に示したバックライトアセンブリ部135、切替制御回路136に替えて、図13に示すバックライトアセンブリ部235、切替制御回路236を用い、スイッチ素子Sw2a−1ないしスイッチ素子Sw2a−nに替えて、スイッチ素子Sw2aのみを用い、スイッチ素子Sw2b−1ないしスイッチ素子Sw2b−nに替えて、スイッチ素子Sw2bのみを用いるものである。また、n個のバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nの各々に直流駆動回路22−1aないし直流駆動回路22−naおよび直流駆動回路22−1bないし直流駆動回路22−nbを用いることなく、バックライトユニットU−1に備えられた直流駆動回路22aおよび直流駆動回路22bからバックライトユニットU−2ないしバックライトユニットU−nに直流電力を供給している。すなわち、各々のバックライトの構成の均一性はなくなるが、全体の部品の点数を減らすように液晶表示装置は構成されている。
切替制御回路236、スイッチ素子Sw2a、スイッチ素子Sw2b、スイッチ素子Sw3−1aないしスイッチ素子Sw3−naおよびスイッチ素子Sw3−1bないしスイッチ素子Sw3−nbは、本実施形態では、切替回路の1例を構成する。
第2実施形態の液晶表示装置は、バックライトアセンブリ部235および、切替制御回路236を含む切替回路が第1実施形態の液晶表示装置100と異なるのみで、他の構成は異なるところがない。異なる点は、第1の実施形態のバックライトアセンブリ部235においては、直流駆動回路の数が2n個から2個に減少した点、直流駆動回路の制御を行うスイッチ素子が2n個から2個に減少した点にある。
第2実施形態の液晶表示装置においては、スイッチ素子Sw2aまたはスイッチ素子Sw2bのいずれかをONとし、スイッチ素子Sw2aのONと同期してスイッチ素子Sw3−1bないしスイッチ素子Sw3−nbをONとし、スイッチ素子Sw2bのONと同期してスイッチ素子Sw3−1aないしスイッチ素子Sw3−naをONとして、各々の冷陰極蛍光灯10を直流点灯するものである。
このような動作を行うことによって、より少ない数の直流駆動回路とスイッチ素子とによって、冷陰極蛍光灯10の点灯の制御が可能となる。すなわち、図11、図12に示すタイミングチャートにおいて、スイッチ素子Sw2a−1ないしスイッチ素子Sw2a−nに替えてスイッチ素子Sw2aのみを制御し、スイッチ素子Sw2b−1ないしスイッチ素子Sw2b−nに替えてスイッチ素子Sw2bのみを制御することによって第1実施形態の液晶表示装置100における第1実施形態の制御方法および第2実施形態の制御方法とまったく同様の冷陰極蛍光灯10の点灯の制御が可能となる。
すなわち、第2実施形態の液晶表示装置においては、スイッチ素子Sw2aまたはスイッチ素子Sw2bのいずれかをONとして直流電流の方向を定めるとともに、複数の冷陰極蛍光灯10に流れる電流の各々を複数の定電流回路である定電流回路23−1aないし定電流回路23−naおよび定電流回路23−1bないし定電流回路23−naの各々によって個別に制御できるものである。
(その他のバックライトアセンブリ部の構成)
上述したバックライトアセンブリ部135、バックライトアセンブリ部235に限らず、種々の形態のバックライトアセンブリ部の構成が可能である。例えば、n個のバックライトユニットを2個以上の複数の個数ごとに分割して、冷陰極蛍光灯10の異なる方向に電流を流すための直流駆動回路を各々1個設ける構成も可能である。
また、n個のバックライトユニットを1または複数の個数ごとに分割して、冷陰極蛍光灯10の異なる方向に電流を流すための定電流駆動回路を各々1個設ける構成として、冷陰極蛍光灯10における異なる方向に電流を流すための2n個の直流駆動回路をON・OFFする制御によって、どの冷陰極蛍光灯10に、どの方向の電流を流すかを選択する構成を採用することも可能である。
また、さらに、交流駆動回路をn個のバックライトユニットごとに各々1個ずつ設け、交流駆動回路から外部電極18aおよび外部電極18bへの配線を最短距離として交流駆動におけるリーク電流をさらに低減する構成を採用することも、n個のバックライトユニットを2以上の複数の個数ごとに分割して、交流駆動回路の数とリーク電流の大きさ、および、交流駆動回路の制御の容易さの最適化を図ることも可能である。
いずれの場合も、その制御は切替回路で適宜対応することになるが、低電圧の1次側で切替を行うことによって制御を容易とする効果と、交流駆動と直流駆動を併用することによってリーク電流を削減することの効果は損なわれることがないものである。また、切替回路も交流駆動、直流駆動および定電流回路の数および配置の態様に合わせて適宜配置される。
(その他の制御方法)
上述の制御方法に限らず、第1実施形態の液晶表示装置100および第2実施形態の液晶表示装置においては、他の種々の制御方法が可能であるので、そのいくつかの例を以下に示す。
(複数の冷陰極蛍光灯10の一部を個別的に消灯する制御方法)
バックライトアセンブリ部135またはバックライトアセンブリ部235に配された冷陰極蛍光灯10の電極極性が切り替わる際に、部分的に冷陰極蛍光灯10を消去する制御の例を図14に示す。図14において、冷陰極蛍光灯10の下部に付された符号DCONは直流点灯していることを模式的に表すものである。
図14においては、スイッチ素子Sw3a−2およびスイッチ素子Sw3b−2が切断され、バックライトユニットU−2の冷陰極蛍光灯10は発光することがないようにされている。このような制御方法を採用すれば、液晶表示パネル137に表示される映像の応答速度とコントラストとを視覚的に改善することが可能となる。なお、図14においてはバックライトユニットU−2の冷陰極蛍光灯10のみが消灯されているが、バックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nのいずれを消灯するかは、切替制御回路236によって適宜選択されるものである。
(複数の冷陰極蛍光灯10の一部を個別的に順次点灯する制御方法)
図15に示すタイミングチャートに沿った制御を行えば、バックライトアセンブリ部135に配されたバックライトユニットU−1ないしバックライトユニットU−nの冷陰極蛍光灯10を順次1個のみ点灯することができる。
図15のタイミングチャートに沿って、どのように制御をするかを説明する。図15の横軸は時間tを示し、図15(A)は信号S6を示し、図15(B)は信号S2a−1および信号S3b−1を示し、図15(C)は信号S2b−1および信号S3a−1を示す。
信号S2a−1、信号S2b−1、信号S3a−1、信号S3b−1および信号S6のいずれも、ハイレベル(図15(A)ないし図15(C)の図面の上方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw2a−1、スイッチ素子Sw2b−1、スイッチ素子Sw3a−1、スイッチ素子Sw3b−1およびスイッチ素子Sw6の各々をONとし、ローレベル(図8(A)ないし図8(C)の図面の下方のレベル)のときに、スイッチ素子Sw2a−1、スイッチ素子Sw2b−1、スイッチ素子Sw3a−1、スイッチ素子Sw3b−1およびスイッチ素子Sw6の各々をOFFとする。
まず、信号S6がハイレベルとなる時間t10において、スイッチ素子Sw6がONとされるので、交流点灯が開始する(図16を参照)。なお、図16にいて、冷陰極蛍光灯10の下部に付された符号DCONは直流点灯していることを模式的に表すものであり、冷陰極蛍光灯10の下部に付された符号ACONは交流点灯していることを模式的に表すものである。後に参照する図17ないし図20においても、符号DCON、符号ACONは同様な意味を表すものである。
そして、時間t11でスイッチ素子Sw2a−1およびスイッチ素子Sw3b−1がONとされ直流駆動回路22a−1および定電流回路23b−1の動作は開始され、冷陰極蛍光灯10の直流点灯も交流点灯に重畳して開始される(図17を参照)。
そして、信号S6がローレベルとなる時間t12において、スイッチ素子Sw6がOFFとされるので、交流駆動回路26の動作が停止して、バックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10の直流点灯のみが持続される(図18を参照)。
そして、信号S6がハイレベルとなる時間t13において、スイッチ素子Sw6がONとされるので、交流駆動回路26が動作して、バックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10の直流点灯に重畳して交流点灯も同時に開始される(図17を参照)。
そして、時間t14でスイッチ素子Sw2a−1およびスイッチ素子Sw3b−1がOFFとされ直流駆動回路22−1aおよび定電流回路23−1bの動作は停止され直流点灯は停止するが、バックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10の交流点灯は持続される(図16を参照)。
そして、時間t15でスイッチ素子Sw2b−1およびスイッチ素子Sw3a−1がONとされ直流駆動回路22−1bおよび定電流回路23−1aの動作は開始され、バックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10の直流点灯も交流点灯に重畳して開始される。このときバックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10に流れる電流の向きは逆方向となっている(図19を参照)。
そして、信号S6がローレベルとなる時間t16において、スイッチ素子Sw6がOFFとされるので、交流駆動回路26の動作が停止して、バックライトユニットU−1の冷陰極蛍光灯10の直流点灯のみが持続される(図20を参照)。
そして、時間t17において、スイッチ素子Sw6がONとされるので、交流点灯が開始する。このとき、既に、スイッチ素子Sw2b−1およびスイッチ素子Sw3a−1がONとされているので、直流駆動回路22b−1および定電流回路23a−1が動作しており、直流点灯に重畳して交流点灯も行われる(図19を参照)。
そして、時間t18でスイッチ素子Sw2b−1およびスイッチ素子Sw3a−1がOFFとされ直流駆動回路22b−1および定電流回路23a−1の動作は停止され直流点灯は終了するが、冷陰極蛍光灯10の交流点灯は持続される(図16を参照)。
そして、時間t19で再び、時間t11と同じ状態となり、上述した時間経過を繰り返す。
なお、図15のタイミングチャートおよび図16ないし図20においては、バックライトユニットU−1のみの制御を図示したが、順次点灯をする場合には、例えば、バックライトユニットU−1、バックライトユニットU−2、バックライトユニットU−3・・・バックライトユニットU−nまでを順次制御する。
この場合においては、例えば、バックライトユニットU−2を制御する場合には、図15のタイミングチャートの図15(B)において、信号S2a−1、信号S3b−1に替えて、信号S2a−2、信号S3b−2を制御し、信号S2b−1、信号S3a−1に替えて、信号S2b−2、信号S3a−2を制御する。その他のバックライトユニットを制御する場合においても、同様に、スイッチ素子を制御する信号を変更することによって該当するバックライトユニットの点灯をさせることができる。
すなわち、切替回路が、直流電流の極性方向および通過(冷陰極蛍光灯10に電流を流す)と停止(冷陰極蛍光灯10に電流を流さない)とを制御することによって、各々の冷陰極蛍光灯10に流れる電流の方向、複数個の冷陰極蛍光灯10における一部点灯、一部消灯の制御が可能とされている。
(第3実施形態の冷陰極蛍光灯装置)
図21に沿って、第1実施形態、第2実施形態とは異なる冷陰極蛍光灯である冷陰極蛍光灯41を用いる第3実施形態の冷陰極蛍光灯装置である冷陰極蛍光灯装置40の説明を行う。
冷陰極蛍光灯41は、第1の外部電極18aおよび第2の外部電極18bを備えることがない点を除き、冷陰極蛍光灯10と同一の構成からなっている。図21においては、第1の内部電極17cおよび第2の内部電極17dの構成は冷陰極蛍光灯10におけると同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
冷陰極蛍光灯装置40は、交流駆動回路26および直流駆動回路22を備える。交流駆動回路26および直流駆動回路22は、第1実施形態および第2実施形態におけると略同一の構成を有し、同一の効果を奏するので、同一の符号を付して説明を省略する。ただし、直流駆動回路22については、図3においては1個のコンデンサC22が用いられているが、本実施形態においては、これに替えてコンデンサC23およびコンデンサC24の2つのコンデンサが用いられている。また、交流駆動回路26については、図4においては、発振・変換トランスL61の2次側巻線が中点タップを備えるものとされているが、本実施形態においては、2次側巻線N64と2次側巻線N65は別々に取り出されている。
また、冷陰極蛍光灯装置40は、電流方向制御・定電流回路43を備える。図22に示す電流方向制御・定電流回路43は、定電流を流すための定電流回路23aおよび定電流回路23bと、電流方向を制御するための高速ダイオードDs1ないし高速ダイオードDs4と、所定の時定数を有する平滑回路と、を具備する、定電流回路23aおよび定電流回路23bは第1実施形態の定電流回路23と同一の構成を有し、同一の作用を奏するので説明を省略する。
平滑回路は、コンデンサC4aおよびコンデンサC4b、抵抗R4aおよび抵抗Rbをを有しており、コンデンサC4aと抵抗R4aで定まる時定数、およびコンデンサC4bと抵抗R4bで定まる時定数とは、交流電圧Vacの繰返し周期に対しては、十分に長く選ばれている。また、コンデンサC4aおよびコンデンサC4bの両端の電圧は、高速ダイオードDs1および高速ダイオードDs2によって逆方向の電流の通過が阻止されるので、ピークホールドがなされる。
また、冷陰極蛍光灯装置40は、切替制御回路44、スイッチ素子Swaおよびスイッチ素子Swbを備える。切替制御回路44、スイッチ素子Swaおよびスイッチ素子Swbは、本実施の形態においては切替回路を構成する。スイッチ素子Swaは接点Swa1および接点Swa2を有し、接点Swacと接点Swa1とが接続されるか、または、接点Swacと接点Swa2とが接続されるか、接点Swacが接点Swa1および接点Swa2のいずれにも接続されないかが選択されるようになされている。また、接点Swacは2次側巻線N64の一端と接続されている。
また、スイッチ素子Swbは接点Swb1、接点Swb2および接点Swbcを有し、接点Swbcと接点Swb1とが接続されるか、または、接点Swbcと接点Swb2とが接続されるか、接点Swbcが接点Swb1および接点Swb2のいずれにも接続されないかが選択されるようになされている。また、接点Swbcは2次側巻線N65の一端と接続されている。
また、2次側巻線N64の他端は冷陰極蛍光灯41の内部電極17cに接続され、2次側巻線N65の他端は冷陰極蛍光灯41の内部電極17dに接続されている。そして、2次側巻線N64に発生する交流電圧Vac1の内部電極17cにおける方向と2次側巻線N65に発生する交流電圧Vac2の内部電極17dにおける方向とは逆極性となるように2次側巻線N64および2次側巻線N65の巻線方向が管理されている。
スイッチ素子Swaおよびスイッチ素子Swbは、切替制御回路44からの信号Saおよび信号Sbによって各々制御される。また、スイッチ素子Sw6は信号Sacで制御され、スイッチ素子Sw2は信号Sdcで制御される。図23に示すタイミングチャートに沿って、冷陰極蛍光灯装置40の動作を説明する。
図23(A)は接点Swacと接点Swa1との接続を示し、ON(図23の上方)のときは、接点Swacと接点Swa1とが接続されていることを示し、OFF(図23の下方)のときは、接点Swacと接点Swa1とが接続されていないことを示す。また、図23(B)は接点Swacと接点Swa2との接続を示し、ON(図23の上方)のときは、接点Swacと接点Swa2とが接続されていることを示し、OFF(図23の下方)のときは、接点Swacと接点Swa2とが接続されていないことを示す。また、図23(C)は接点Swbcと接点Swb1との接続を示し、ON(図23の上方)のときは、接点Swbcと接点Swb1とが接続されていることを示し、OFF(図23の下方)のときは、接点Swbcと接点Swb1とが接続されていないことを示す。また、図23(D)は接点Swbcと接点Swb2との接続を示し、ON(図23の上方)のときは、接点Swbcと接点Swb2とが接続されていることを示し、OFF(図23の下方)のときは、接点Swbcと接点Swb2とが接続されていないことを示す。また、図23(E)はスイッチ素子Sw2の接続を示し、ON(図23の上方)のときは、スイッチ素子Sw2が導通していることを示し、OFF(図23の下方)のときは、スイッチ素子Sw2が切断していることを示す。また、図23(F)はスイッチ素子Sw6の接続を示し、ON(図23の上方)のときは、スイッチ素子Sw6が導通していることを示し、OFF(図23の下方)のときは、スイッチ素子Sw6が切断していることを示す。
図23に示すタイムチャートに沿って、冷陰極蛍光灯装置40の動作を説明する。
時間t40から時間t41までの間は、接点Swacは、接点Swa1と接点Swa2のいずれとも接続されておらず、接点Swbcは、接点Swb1と接点Swb2のいずれとも接続されておらず、また、スイッチ素子Sw6およびスイッチ素子Sw2のいずれもOFFとされており、交流駆動回路26および直流駆動回路22のいずれも動作しておらず、交流電圧Vac1、交流電圧Vac2および直流電圧Vd22のいずれも0Vである。したがって、交流駆動回路26および直流駆動回路22からの電力のいずれも、冷陰極蛍光灯41に印加されることはない。
時間t41から時間t42までの間は、接点Swacは、接点Swa2と接続され、接点Swbcは、接点Swb2と接続されている。また、スイッチ素子Sw6はONとされており、交流駆動回路26は動作しており、交流駆動回路26の2次側巻線N64に生じる交流電圧Vac1は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17cと電流方向制御・定電流回路43との間に接点Swacおよび接点Swa2を介して印加され、交流駆動回路26の2次側巻線N65に生じる交流電圧Vac2は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17dと電流方向制御・定電流回路43との間に接点Swbcおよび接点Swb2を介して印加される。
すなわち、冷陰極蛍光灯41は交流駆動されている。このとき、どのように電流が流れるかを以下に詳述する。
まず、2次側巻線N64と内部電極17cとの接続点および2次側巻線N64と接点Swb2との接続点の電圧が正方向となる交流の半周期における電流の流れは、グランド(接地)→高速ダイオードDs2→接点Swa2→接点Swac→2次側巻線N64→内部電極17c→内部電極17d→2次側巻線N65→接点Swbc→接点Swb2→高速ダイオードDs4→主としてコンデンサC4b、そして、グランドの経路を通過する。このようにして、冷陰極蛍光灯41は半周期の間、交流駆動される。なお、上述の電流経路においては、交流電圧Vac1と交流電圧Vac2とは、位相が同相であり、加算方向に作用する。また、コンデンサC4bに蓄えられた電荷によって定電流回路23bには直流の定電流が流れる。
2次側巻線N64と内部電極17cとの接続点および2次側巻線N64と接点Swb2との接続点の電圧が負方向となる交流の半周期における電流の流れは、グランド(接地)→高速ダイオードDs3→接点Swb2→接点Swbc→2次側巻線N65→内部電極17d→内部電極17c→2次側巻線N64→接点Swac→接点Swa2→高速ダイオードDs1→主としてコンデンサC4a、そして、グランドの経路を通過する。このようにして、冷陰極蛍光灯41は半周期の間、前の半周期とは逆位相で交流駆動される。なお、上述の電流経路においては、交流電圧Vac1と交流電圧Vac2とは、位相が同相であり、加算方向に作用する。また、コンデンサC4aに蓄えられた電荷によって定電流回路23aには直流の定電流が流れる。
このようにして、時間t41から時間t42の間では、冷陰極蛍光灯41は交流駆動されて点灯し、定常状態に達すると、定電流回路23aおよび定電流回路23bの作用によって、流れる交流電流の実効値の大きさが一定の電流となるような制御がおこなわれる。
時間t42から時間t43までの間は、接点Swacは、接点Swa1と接続され、交流電圧Vac1と直流電圧Vd22との加算電圧は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17cとグランドとの間に印加される。一方、交流電圧Vac2は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17dと電流方向制御・定電流回路43との間に接点Swbcおよび接点Swb2を介して印加される。
交流電圧Vac1と交流電圧Vac2の加算値されたピーク電圧の絶対値が直流電圧Vd22の値よりも小さい場合には、極性が一方向の脈流電圧が冷陰極蛍光灯41に印加されることとなる。この場合に電流は、グランド→直流駆動回路22→接点Swa1→接点Swac→2次側巻線N64→内部電極17c→内部電極17d→2次側巻線N65→接点Swbc→接点Swb2→高速ダイオードDs4→主としてコンデンサC4bに交流分が、定電流回路23bには直流の定電流が流れ、そして、グランドの経路を通過する。このようにして、冷陰極蛍光灯41には、内部電極17cから内部電極17dの方向に直流に交流が重畳して流れる。
このようにして、時間t42から時間t43の間では、直流電流に重畳された交流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。このとき定電流回路23bによって、電流の実効値の大きさは一定に制御されている。
なお、交流電圧Vac1と交流電圧Vac2の加算値されたピーク電圧の絶対値が直流電圧Vd22の値よりも大きい場合には、交流電流は、その1周期の一部で、グランド→高速ダイオードDs3→接点Swb2→接点Swbc→2次側巻線N65→内部電極17d→内部電極17c→2次側巻線N64→接点Swac→接点Swa2→高速ダイオードDs1→主としてコンデンサC4a、そして、グランドの経路を通過する。この場合においても直流電流に重畳された交流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。
時間t43から時間t44までの間は、接点Swbcは、接点Swb1と接続され、交流電圧Vac2と直流電圧Vd22との加算電圧は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17dとグランドとの間に印加される。一方、交流電圧Vac1は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17cと電流方向制御・定電流回路43との間に接点Swacおよび接点Swa2を介して印加される。
交流電圧Vac1と交流電圧Vac2の加算値されたピーク電圧の絶対値が直流電圧Vd22の値よりも小さい場合には、極性が一方向の脈流電圧が冷陰極蛍光灯41に印加されることとなる。この場合に電流は、グランド→直流駆動回路22→接点Swb1→接点Swbc→2次側巻線N65→内部電極17d→内部電極17c→2次側巻線N64→接点Swac→接点Swa2→高速ダイオードDs1→主としてコンデンサC4aに交流分が、定電流回路23aには直流の定電流が流れ、そして、グランドの経路を通過する。このようにして、冷陰極蛍光灯41には、内部電極17dから内部電極17cの方向に直流に交流が重畳して流れる。
このようにして、時間t43から時間t44の間では、直流電流に重畳された交流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。このとき定電流回路23aによって、電流の実効値の大きさは一定に制御されている。
なお、交流電圧Vac1と交流電圧Vac2の加算値されたピーク電圧の絶対値が直流電圧Vd22の値よりも大きい場合には、交流電流は、その1周期の一部で、グランド→高速ダイオードDs2→接点Swa2→接点Swac→2次側巻線N64→内部電極17c→内部電極17d→2次側巻線N65→接点Swbc→接点Swb2→高速ダイオードDs4→主としてコンデンサC4a、そして、グランドの経路を通過する。この場合においても直流電流に重畳された交流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。
時間t44から時間t45までの間は、スイッチ素子Sw6がOFFとされ、交流駆動回路26からの交流電圧Vacの値は0Vとなる。また、接点Swacは、接点Swa1と接続され、直流駆動回路22からの直流電圧Vd22は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17cとグランドとの間に印加される。一方、冷陰極蛍光灯41の内部電極17dは接点Swbcおよび接点Swb2を介して電流方向制御・定電流回路43に接続される。
直流駆動回路22から供給される直流電流は、グランド→接点Swa1→接点Swac→2次側巻線N64→内部電極17c→内部電極17d→2次側巻線N65→接点Swbc→接点Swb2→高速ダイオードDs4→主として定電流回路23b、そして、グランドの経路を通過する。
このようにして、時間t44から時間t45の間では、定電流回路23bによって定められる所定の直流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて、冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。このときの電流の方向は内部電極17cから内部電極17dの方向となる。
時間t45において、接点Swbcは、接点Swb1と接続され、直流駆動回路22からの直流電圧Vd22は、冷陰極蛍光灯41の内部電極17dとグランドとの間に印加される。一方、冷陰極蛍光灯41の内部電極17cは接点Swacおよび接点Swa2を介して電流方向制御・定電流回路43に接続される。
このときには、直流駆動回路22から供給される直流電流は、グランド→接点Swb1→接点Swbc→2次側巻線N65→内部電極17d→内部電極17c→2次側巻線N64→接点Swac→接点Swa2→高速ダイオードDs1→主として定電流回路23a、そして、グランドの経路を通過する。なお、スイッチ素子Sw6がOFFとされているので、交流駆動回路26からの交流電圧Vac1および交流電圧Vac2の値は0Vとなる。
このようにして、時間t45から、定電流回路23aによって定められる所定の直流電流が冷陰極蛍光灯41には流れて、冷陰極蛍光灯41は点灯を持続する。このときの電流の方向は内部電極17dから内部電極17cの方向となる。
上述のように、第3実施形態の冷陰極蛍光灯装置40においては、一度、交流駆動回路26によって交流点灯を開始した後、直流点灯に切替て点灯を維持することができる。この場合、交流点灯の時間、すなわち、時間t1から時間t44までの時間を短くすれば、リーク電流による電力損失の量を少なくすることができ、リーク電流の発生によって輝度が冷陰極蛍光灯41の長手方向で変化する時間を短くすることができる。
さらに、冷陰極蛍光灯41は、内部電極17cおよび内部電極17dを備えるのみであるので構造が簡単であり、このような冷陰極蛍光灯装置40は装置全体のコストを低減することができる。そして、このような冷陰極蛍光灯装置40を上述のバックライト装置または液晶表示装置の構成の一部に採用すれば、バックライト装置または液晶表示装置全体のコストの低減が図れるとともに、電力効率に優れ、輝度が一定し、小型で、冷陰極蛍光灯41の交換寿命も長くすることができる。
(第4実施形態の冷陰極蛍光灯装置)
第4実施形態の冷陰極蛍光灯装置について説明する。第4実施形態の冷陰極蛍光灯装置の特徴を明確にするために、図24ないし図26に沿って、第4実施形態の冷陰極蛍光灯装置の回路の基本動作をまず説明する。
図24は、図2に示す第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置の直流駆動回路の動作原理を示す図である。電力源25、直流駆動回路22、トランジスタQ31、抵抗R31、冷陰極蛍光灯10、オペアンプIC31、基準電源Vref31の各々は、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置の説明におけると同一符号を付した部分と同一の構成を有し、同一の作用をするので、個別の説明は省略する。なお、抵抗R101は、過電流制限抵抗である。
図24に示す第1実施形態では、電力源25からの直流電圧Vinで与えられる電圧を直流駆動回路22で昇圧して直流電圧Vccを得ていた。ここで、直流電圧Vccの値は、制御されることはなく、直流電圧Vinに応じた電圧値であった。そして、冷陰極蛍光灯10に流れる電流の大きさは、トランジスタQ31のコレクタ・エミッタの電圧である電圧Vceの値を調整することによって所定の値とされていた。このときに、抵抗R31の両端の電圧Veを検出し、オペアンプIC31によって、電圧Veと基準電圧Vref31との誤差電圧を増幅して、トランジスタQ31のベースに印加するようなフィードバック制御系を構成していた。これによって、電圧Veが基準電圧Vref31と等しくなるようにトランジスタQ31を制御して、所定の電流が抵抗R31、すなわち、所定の電流が冷陰極蛍光灯10に流れるように電圧Vceの値は制御されていた。
一方、図25に原理回路を示す第4実施形態の冷陰極蛍光灯装置は、電力源25からの直流電圧VinをトランジスタQ81のエミッタに印加し、トランジスタQ81のコレクタに直流電圧Vcを得、この直流電圧Vcを直流駆動回路22で昇圧して直流電圧Vccを得ている。ここで、直流電圧Vcおよび直流電圧Vccの値は、抵抗R100の両端の電圧を所定の値とするような電圧に制御されている。ここで、抵抗R100の両端の電圧Vrは冷陰極蛍光灯10に流れる電流の大きさに比例するので、直流電圧Vcおよび直流電圧Vccの値をこのように可変として、冷陰極蛍光灯10に流れる電流の大きさを所定の値とすることができる。ここで、トランジスタQ81はシリーズレギュレータの電力制御素子として機能する。
すなわち、抵抗R100の両端の電圧Vrを検出し、オペアンプIC31によって、電圧Vrと基準電圧Vref31との誤差電圧を増幅して、トランジスタQ82のベース、さらには、トランジスタQ81のベースに印加するようなフィードバック制御系を構成して、電圧Vrが基準電圧Vref31と等しくなるように制御して、所定の電流が抵抗R31、すなわち、所定の電流が冷陰極蛍光灯10に流れるように制御される。ここで、抵抗R102、抵抗R103は電流制限のための抵抗であり、抵抗R104はトランジスタQ81の応答速度の向上のための抵抗である。
図24に示す回路と図25に示す回路とを比較する場合、トランジスタQ31とトランジスタQ81とに要求される耐電圧が異なるものとなる。すなわち、トランジスタQ31は直流電圧Vccに応じた耐電圧が必要とされ、トランジスタQ81は直流電圧Vinに応じた耐電圧が必要とされる。ここで、直流駆動回路22は昇圧形の電源回路として構成されているので、トランジスタQ81の耐電圧はトランジスタQ31の耐電圧よりも低いものであっても良いこととなり、トランジスタの選択が容易となるとともに、装置のコストダウンが図れる。
図26は、上述した、シリーズレギュレータに替えて、スイッチングレギュレータを用いる場合の回路構成を示すものである。スイッチングレギュレータ電力部70を有するスイッチングレギュレータは、直流電圧Vinから冷陰極蛍光灯10に流れる電流の大きさを所定の値とする直流電圧Vc、直流電圧Vccを生成する。ここで、電力源25、直流駆動回路22、冷陰極蛍光灯10、オペアンプIC31、基準電源Vref31、抵抗R100の各々は、図25におけると同一の構成を有し、同一の作用をするので、個別の説明は省略する。
図24に示す回路と図25に示す回路とを比較する場合、シリーズレギュレータに替えてスイッチングレギュレータが用いられるために、図25に示す回路では電力消費がより少ないものとなっている。
図25、図26に示す回路は原理図であるために、種々の変形例およびこれらの組み合わせた種々の変形例を冷陰極蛍光灯装置に応用することができる。例えば、図25、図26に示す電力源25の後に、シリーズレギュレータ、または、スイッチングレギュレータを介して、直流駆動回路22に替えて交流駆動回路26(図4、図7を参照)を接続することもできる。さらには、電力源25の後に、シリーズレギュレータ、または、スイッチングレギュレータを介して、直流駆動回路22および交流駆動回路26を接続することができる。
また、図25、図26においては、冷陰極蛍光灯10の2つの電極の一方向から電流が流れる出す場合を示すが、冷陰極蛍光灯10の2つの電極の両方向の向きに交互に電流を流す場合についても同様に応用することができる。冷陰極蛍光灯10の両方向の向きに電流を流す場合を図27に第5実施形態の冷陰極蛍光灯装置140として示し、この図に沿って以下説明をする。
(第5実施形態の冷陰極蛍光灯装置)
図27に示す第5実施形態の冷陰極蛍光灯装置140は、基本構成としては、図21に示す第3実施形態の冷陰極蛍光灯装置40と同様であるので、第3実施形態におけると同様の構成を有し、同様の作用を奏する部分には、図21におけると同一の符号を付して説明を省略し、異なる点を中心として、説明する。
第5実施形態の冷陰極蛍光灯装置140は、電力源25と直流駆動回路22の間に、トランジスタQ81bを電力制御素子として有して形成されるシリーズレギュレータを具備し、電力源25と交流駆動回路26の間に、トランジスタQ81aを電力制御素子として有して形成されるシリーズレギュレータを具備する。トランジスタQ81aおよびトランジスタQ81bは上述したトランジスタQ81と、トランジスタQ82aおよびトランジスタQ82bは上述したトランジスタQ82と、抵抗R102aおよび抵抗R102bは上述した抵抗R102と、抵抗R103aおよび抵抗R103bは上述した抵抗R103と、いずれも同様な構成を有し、同様の作用を奏するものである。電流方向制御回路143は、信号Svhを出力してトランジスタQ82aを制御し、信号Svlを出力してトランジスタQ82bを制御するようになされている。
図28に沿って電流方向制御回路143の説明をする。電流方向制御回路143において、電流方向を制御するための回路として、高速ダイオードDs1ないし高速ダイオードDs4が機能する。また、各々の方向に流れる電流の大きさを所定の時定数を有して検出する抵抗R4aおよびコンデンサC4aからなる平滑回路と、抵抗R4bおよびコンデンサC4bからなる平滑回路とを具備する。また、誤差増幅器として機能するオペアンプIC51とフィルタ61と基準電圧源Vref61と抵抗R105aと抵抗R105bとが交流駆動回路26に印加される電圧を制御するシリーズレギュレータの一部を構成し、誤差増幅器として機能するオペアンプIC52とフィルタ62と基準電圧源Vref62と抵抗R106aと抵抗R106bとが直流駆動回路22に印加される電圧を制御するシリーズレギュレータの一部を構成する。
高速ダイオードDs1ないし高速ダイオードDs4は、第3実施形態におけると同様に作用して、冷陰極蛍光灯41の両方向の向き、すなわち、内部電極17cから内部電極17dへ向かう方向と、内部電極17dから内部電極17cへ向かう方向と、に電流を流すように整流をおこなう。また、第3実施形態におけると同様に、抵抗R4aおよびコンデンサC4aからなる平滑回路と、抵抗R4bおよびコンデンサC4bからなる平滑回路として作用し、抵抗R4aと抵抗R4bの各々の両端の電圧として各々の方向の電流の大きさを検出するとともに時定数に応じて平滑をする。
交流駆動回路26に印加される電圧を制御するトランジスタQ81aを電力制御素子として形成されるシリーズレギュレータの説明をする。抵抗R105aと抵抗R105bの抵抗の値を等しくして、冷陰極蛍光灯41の各々の方向に流れる電流を等しい割合で加算した電圧がオペアンプの負入力端子に入力され、正入力端子に入力される基準電圧源Vref61との誤差電圧が検出され、フィードバックループの応答を最適化するためのフィルタ61を介して、信号Svhが抵抗R103aを介して、トランジスタQ82aのベースに加えられる。これによって、交流駆動において、冷陰極蛍光灯41に流れる電流の値が一定の値とされる。
直流駆動回路22に印加される電圧を制御するトランジスタQ81bを電力制御素子として有するシリーズレギュレータの説明をする。抵抗R106aと抵抗R106bの抵抗の値を等しくして、冷陰極蛍光灯41の各々の方向に流れる電流を等しい割合で加算した電圧がオペアンプの負入力端子に入力され、正入力端子に入力される基準電圧源Vref62との誤差電圧が検出され、フィードバックループの応答を最適化するためのフィルタ62を介して、信号Svlが抵抗R103bを介して、トランジスタQ82bのベースに加えられる。これによって、直流駆動において、冷陰極蛍光灯41に流れる電流の値が一定の値とされる。図27では、信号SvhによってトランジスタQ82aを制御し、信号SvlによってトランジスタQ82bを制御するようになされているが、直流駆動回路22の応答を交流駆動回路26の応答よりも高速とする場合には、信号SvlによってトランジスタQ82aを制御し、信号SvhによってトランジスタQ82bを制御することとなる。また、信号SvhによってトランジスタQ82aおよびトランジスタQ82bを制御し、直流駆動回路22および交流駆動回路26の両方を高速に応答するようにしても良く、信号SvlによってトランジスタQ82aおよびトランジスタQ82bを制御し、直流駆動回路22および交流駆動回路26の両方がより低速度で応答するようにしても良いものである。
図29に示す冷陰極蛍光灯装置141は、第5実施形態を変形したもので、シリーズレギュレータに替えてスイッチングレギュレータ電力部70aを有するスイッチングレギュレータおよびスイッチングレギュレータ電力部70bを有するスイッチングレギュレータを有するものである。
(第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置)
交流駆動回路26からの駆動電力によって、高速に冷陰極蛍光灯41のON(冷陰極蛍光灯41を点灯する)とOFF(冷陰極蛍光灯41を消灯する)とをおこなう場合において、大電力を取り扱う系統の電流をON/OFFする場合には、高速かつ大電力のスイッチング素子が必要となる。また、第5実施形態に示すようなスイッチングレギュレータを用いて出力電圧を制御する場合においては、スイッチングレギュレータのフィルタの時定数以上の高速でON/OFFをおこなうことはできない。
第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置は、係る点に鑑み、交流駆動回路26からの駆動電力によって、冷陰極蛍光灯41を駆動する場合において、高速なるON/OFFを可能とするものである。図30ないし図34を参照して、第6実施形態およびその変形例について説明する。
図30は第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置142を示すものであり、交流駆動回路126aに配される発振・変換トランスL62のコアには、1次側巻線N61、1次側巻線N62に加え、さらに、1次側巻線N161および1次側巻線N162が巻回されている。また、コンデンサC161が1次側巻線N161および1次側巻線N162に並列に接続され、1次側巻線N161と1次側巻線N162との接続点である中間タップにはインダクタL261を介して直流電圧Vinが供給可能とされている。コンデンサC161と1次側巻線N161と1次側巻線N162のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスとで共振回路を形成し、この共振回路の共振回路はコンデンサC61と1次側巻線N61と1次側巻線N62のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスとによって形成される共振回路の共振周波数と等しく設定されている。このようにして、この2つの共振回路は、同一の共振周波数で共振するようになされている。
図30において、発振・変換トランスL62の1次側巻線N61、1次側巻線N62、1次側巻線N161、1次側巻線N162の各々に近接して付された黒丸(●)は、巻始めを表すものである。ここで、トランジスタQ61およびトランジスタQ62からなる第1の交流電力発生部は、自励発振によって正弦波に近い波形を有する交流電力を1次側巻線N61、1次側巻線N62に供給し、トランジスタQ63およびトランジスタQ64からなる第2の交流電力発生部は、第1の交流電力発生部からの発振信号が駆動波形制御部125に供給されて、処理された後の信号によってトランジスタQ63およびトランジスタQ64のベースを駆動する。そして、コンデンサC161と1次側巻線N161と1次側巻線N162のインダクタンス値と1次側から等価的に見た2次側の総合リアクタンスとで定まる共振周波数が、自励発振周波数と等しくなるように設定されおり、自励発振周波数の正弦波の交流電力を1次側巻線N161、1次側巻線N162に供給するものである。
ここで、1次側巻線N61および1次側巻線N62によって発生する磁束と1次側巻線N161および1次側巻線N162によって発生する磁束とが加算される場合と、1次側巻線N61および1次側巻線N62によって発生する磁束と1次側巻線N161および1次側巻線N162によって発生する磁束とが減算される場合とが生じる。すなわち、1次側巻線N61および1次側巻線N62の巻方向と1次側巻線N161および1次側巻線N162の巻方向との相互の関係、第1の交流電力発生部で発生する電圧と第2の交流電力発生部で発生する電圧との相互の位相が同相であるか、逆相であるかの関係、の2つの関係の組み合わせによって磁束が加算されるか、減算されるかが定まるものであるが、これについては、後に図32、図33もさらに引用して詳述する。
図31に沿って駆動波形制御部125について説明する。波形整形回路110は、例えば、抵抗とツェナーダイオードとによって形成され、トランジスタQ61のコレクタに発生する正弦波をスライスして方形波とする。ゲート112は、例えば、アンドゲートによって形成され、切替制御回路44からの信号Sgがハイレベルの場合には波形整形回路110からの方形波が通過し、信号Sgがローレベルの場合にはローレベルの信号を出力する。バッファ114はトランジスタQ63のベースを駆動するための電力増幅器である。また、波形整形回路111は波形整形回路110と、ゲート113はゲート112と、バッファ115はバッファ114と、各々同一の構成を有する。かくして、信号Sgがハイレベルである場合には、トランジスタQ61のコレクタに発生する正弦波と同位相の方形波をトランジスタQ63のベースに供給し、トランジスタQ62のコレクタに発生する正弦波と同位相の方形波をトランジスタQ64のベースに供給する。したがって、第1の交流電力発生部と第2の交流電力発生部とは逆位相の発振電力を各々の1次側巻線に供給する。なお、ツェナーダイオードの電圧を変化させることによって、いわゆる、デッドタイム(トランジスタQ63とトランジスタQ64の両方がともにOFFとなる時間)の長さを調整できる。
図30に示す交流駆動回路126aの1次側巻線N61、1次側巻線N62、1次側巻線N161、1次側巻線N162の各々に付された巻始めの符号が示すように、同方向に巻回されており、第1の交流電力発生部と第2の交流電力発生部とは逆位相の発振電力を各々の1次側巻線に供給するので、信号Sgがハイレベルである場合には、磁束は減殺され、2次側巻線N63および2次側巻線N64に発生する交流電圧の振幅は小さなものとなり、冷陰極蛍光灯41はOFFとなる。一方、信号Sgがローレベルである場合には、第2の交流電力発生部には交流電圧は発生することなく、2次側巻線N63および2次側巻線N64に発生する交流電圧の振幅は大きなものとなり、冷陰極蛍光灯41はONとなる。
このようにして、信号Sgを制御することによって、冷陰極蛍光灯41のON/OFFの制御が可能となる。ここにおいて、ゲート112、ゲート113、バッファ114およびバッファ115の応答速度は、非常に速いものであるので、冷陰極蛍光灯41のON/OFFの制御は非常に速いものとできる。なお、この場合において、電流方向制御回路143からの信号Svhおよび信号Svlは用いられることはないものである。
図32に第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置142の変形例である冷陰極蛍光灯装置148を示す。冷陰極蛍光灯装置148の交流駆動回路126bにおいては、交流駆動回路126bとは異なり、駆動波形制御部125からの出力信号の各々が第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置142とは入れ替わってトランジスタQ63のベースおよびトランジスタQ64のベースに供給されるように接続されている。このようにして、第1の交流電力発生部と第2の交流電力発生部とは同位相の発振電力を各々の1次側巻線に供給するようになされている。そして、コアにおいて磁束は加算されて冷陰極蛍光灯41に流れる電流の量を増加させて冷陰極蛍光灯41の輝度を瞬時に明るくすることができる。
図33に第6実施形態の冷陰極蛍光灯装置142の別の変形例である冷陰極蛍光灯装置144を示す。図33に示す交流駆動回路126cの1次側巻線N61、1次側巻線N62、1次側巻線N161、1次側巻線N162の各々に付された巻始めの符号が示すように、逆方向に巻回されており、第1の交流電力発生部と第2の交流電力発生部とは逆位相の発振電力を各々の1次側巻線に供給するので、信号Sgがハイレベルである場合には、2次側巻線N63および2次側巻線N64に発生する交流電圧の振幅は大きなものとなり、冷陰極蛍光灯41はより明るく発光することなる。一方、信号Sgがローレベルである場合には、第2の交流電力発生部には交流電圧は発生することなく、2次側巻線N63および2次側巻線N64に発生する交流電圧の振幅は大きなものとなり、冷陰極蛍光灯41は通常の輝度となる。
また、図示はしないが、駆動波形制御部において、トランジスタQ63のベースを駆動する信号とトランジスタQ64のベースを駆動する信号との相互の入れ替え、トランジスタQ63のベース電圧とトランジスタQ64のベース電圧のいずれをも零にする操作の3つのモードを切替制御回路によって切り替えるようにすれば、磁束の加算、磁束の減算、磁束の加算または減算のいずれもなし、のうちのいずれかを選択して、高速なる冷陰極蛍光灯41の輝度の2段階の切替、さらに、ON/OFFの機能を有するものとできる。
(第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置)
図34は第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置145を示すものであり、交流駆動回路126aは、1次側巻線N61、1次側巻線N62によってコアに生じる磁束と1次側巻線N161によってコアに生じる磁束とが加算するようにされている。そして、第1の交流電力発生部には、スイッチングレギュレータを介して電力が供給され、第2の交流電力発生部には、シリーズレギュレータを介して電力が供給されている。ここで、スイッチングレギュレータ電力部70を制御する信号は、信号Svhをローパスフィルタ(LPF)150を通過させたものとされ、シリーズレギュレータを制御する信号は、信号Svhをバンドパスフィルタ(BPF)151を通過させたものとされている。ここで、ローパスフィルタ(LPF)150のカットオフ周波数は、図36のカットオフ周波数f2で示すものとされ、バンドパスフィルタ(BPF)151のカットオフ周波数は、図36のカットオフ周波数f3およびカットオフ周波数f4で示すものとされている。カットオフ周波数f1はコンデンサC61と1次側巻線N61および1次側巻線N62の直列接続によって生じる漏れインダクタンス成分とによって形成される共振回路の共振周波数、すなわち、交流電力発生部で発生する正弦波の周波数である。
図36に示すように、ローパスフィルタ150の通過帯域とバンドパスフィルタ151の通過帯域とをずらすことによって、いわゆる、スタガー比を十分に確保し、シリーズレギュレータとして形成されるフィードバック系とスイッチングレギュレータとして形成されるフィードバック系とが干渉することがないようにしている。このようにして、速い応答はシリーズレギュレータが受け持ち、遅い応答はスイッチングレギュレータが受け持つことによって、制御系としての最適化を図り、冷陰極蛍光灯41に流れる電流の大きさを一定に保っている。また、図34では、帯域分割された2つの制御系の作用によって磁束を加算することによって冷陰極蛍光灯41に流れる電流の大きさを一定に保ったが、図34に示す交流駆動回路126aを図32に示す交流駆動回路126bまたは図33に示す交流駆動回路126cに替え、バンドパスフィルタ151の位相を反転することによって、磁束を減算することによって冷陰極蛍光灯41に流れる電流の大きさを一定に保つフィードバックループを構成することもできる。
図35は第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置の変形の冷陰極蛍光灯装置146を示すものである。この実施形態では、スイッチングレギュレータがゆっくりした応答で交流駆動回路126aの第1の交流電圧発生部および第2の交流電圧発生部によって駆動される冷陰極蛍光灯41の定常的な電流を一定と保ちながら、第2の交流電圧発生部によって冷陰極蛍光灯41を信号Sf5によって高速にON/OFFするものである。ここで、図37に示すようにローパスフィルタ150のカットオフ周波数f1は信号Sf5の繰り返し周波数よりも低いものとされている。図38に信号Sf5の波形を示す。このようにして、冷陰極蛍光灯41の定常電流を一定に保ちながら、高速に冷陰極蛍光灯41のON/OFFをおこなうことができる。
さらに、第6実施形態に示すと同様に、トランジスタQ63のベースを駆動する信号とトランジスタQ64のベースを駆動する信号との相互の入れ替え、トランジスタQ63のベース電圧とトランジスタQ64のベース電圧のいずれをも零にする操作の3つのモードを切替制御回路によって切り替えるようにすれば、冷陰極蛍光灯41に流れる電流の平均値を一定としながら、高速なる、冷陰極蛍光灯41の輝度の2段階の切替を可能としつつ信号Sf5の波形に基づいたON/OFFの繰り返し、冷陰極蛍光灯41のOFFの機能を有するものとできる。
(その他の冷陰極蛍光灯装置の変形例)
上述した第6実施形態においては、交流駆動回路126aないし交流駆動回路126cからの駆動電力によって、冷陰極蛍光灯41を駆動する場合において、高速なるON/OFFを可能とするものであり、第7実施形態においては、交流駆動回路126aないし交流駆動回路126c(交流駆動回路126bおよび交流駆動回路126cを用いる場合は図示せず)からの駆動電力によって、冷陰極蛍光灯41を駆動する場合において、良好なる定電流特性を得るものであった。第6実施形態および第7実施形態に用いたと同様な回路構成において、さらに、2次側巻線に整流回路を接続することによって、直流駆動回路からの駆動電力によって冷陰極蛍光灯41を高速にON/OFFすることを可能とし、また、直流駆動回路からの駆動電力によって冷陰極蛍光灯41を良好なる定電流特性を有して駆動することができる。
例えば、図39に示す冷陰極蛍光灯装置240は、図30に示す冷陰極蛍光灯装置142と同様な構成を採用して、直流駆動回路122の応答を高速としたものである。すなわち、直流駆動回路122に配される発振・変換トランスL22のコアには、1次側巻線N21、1次側巻線N22に加え、さらに、1次側巻線N121および1次側巻線N122が巻回されている。また、コンデンサC121が1次側巻線N121および1次側巻線N122に並列に接続され、1次側巻線N121と1次側巻線N122との接続点である中間タップにはインダクタL221を介して直流電圧Vinが供給可能とされている。コンデンサC121と1次側巻線N121および1次側巻線N122とで共振回路を形成し、この共振回路の共振回路はコンデンサC21と1次側巻線N21および1次側巻線N22とによって形成される共振回路の共振周波数と等しく設定されている。このようにして、この2つの共振回路は、同一の共振周波数で共振するようになされている。
そして、駆動波形制御部125を介してトランジスタQ23とトランジスタQ24の各々のベースが駆動されて、上述したと同様に、1次側巻線N121および1次側巻線N122の巻線の極性によって、図30、図33に示すと同様に、発振・変換トランスL22のコア中における磁束の加算または磁束の減算が行われる。さらに、図示はしないが、駆動波形制御部125からの信号の極性の組み合わせによって図33に示すと同様に、発振・変換トランスL22のコア中における磁束の加算または磁束の減算を行うことができる。信号Sgdは加算または減算を行うか否かを制御する信号であって、図30における信号Sgと対応するものである。2次側巻線N24および2次側巻線N25にはダイオードD21およびダイオードD22の各々が接続されており、直流電圧Vd22を得ることができるようになされている。このようにして、信号Sgdによって、急速に直流電圧Vd22の値を制御して冷陰極蛍光灯41を高速にON/OFFすることができる。
また、図40に示す冷陰極蛍光灯装置242は、直流駆動回路122と、交流駆動回路126aとを組み合わせたものである。このような構成とすることによって、直流駆動時と交流駆動時の両方において、冷陰極蛍光灯41を高速にON/OFFすることができる。
また、図41に示す冷陰極蛍光灯装置245は、図35に示す冷陰極蛍光灯装置146において、交流駆動回路126aに採用した冷陰極蛍光灯41に流れる電流を定電流とする構成を直流駆動回路122に対しても採用するものである。このようにして、交流駆動時、直流駆動時のいずれにおいても、定電流特性を得ることができる。
上述した変形例は、第6実施形態および第7実施形態の変形例の一例に過ぎず、この他、いかなる組み合わせを採用することもできる。例えば、上述の変形例に示した以外に、交流駆動回路にのみ採用した回路構成を直流駆動回路に採用し、また、交流駆動回路および直流駆動回路の両方に採用することも可能である。そして、組み合わせに応じて、個別の構成が有する効果が重畳的に得られることとなる。
図42、図43は、背景技術として引用した特許文献2に開示された回路であるが、それらの回路の1次側回路、すなわち、トランス(発振・変換トランス)531またはトランス(発振・変換トランス)562を境として右側(紙面の右側)の回路部は、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置ないし第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置および上述したこれらの変形例のいずれにおいても1次側回路として採用することが可能である。
図42、図43に沿ってこれらの回路について以下説明をする。図42に示す発振回路(冷陰極蛍光灯装置)553は、1次コイル(1次側巻線)511,512、2次コイル(2次側巻線)513、3次コイル(1次側巻線)514の他に、4次コイル(1次側巻線)532,533が設けられているトランス(発振・変換トランス)531を有する。そして、この4次コイル532,533の1次コイル511,512に対する接続状態を切換えるために、切換回路534が設けられている。切換回路534は、電源スイッチ501がオンした後、所定時間、計時動作を行なうタイマ回路535を有している。タイマ回路535の出力は、コレクタが抵抗544と545の接続点に接続され、エミッタが接地されているNPNトランジスタ541のベースに接続されている。抵抗544の他端は、ツェナーダイオード548を介して、コンデンサ502の一端に接続されおり、抵抗545の他端は、接地されている。抵抗544とツェナーダイオード548の接続点は、抵抗546を介して、エミッタが接地されているNPNトランジスタ542のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ542のコレクタは、また、抵抗547を介して、エミッタが接地されているNPNトランジスタ543のベースに接続されている。NPNトランジスタ543のコレクタは、4次コイル532と533の接続点に接続されている。
NPNトランジスタ507のエミッタは、ダイオード551を介して4次コイル532の一端に接続されており、NPNトランジスタ508のエミッタは、ダイオード552を介して4次コイル533の一端に接続されている。また、ダイオード551と552のアノードは、それぞれダイオード549と550を介して、NPNトランジスタ542のコレクタに接続されている。
その動作について説明する。電源スイッチ501をオンすると、コンデンサ502に直流電圧が充電される。そして、このコンデンサ502に充電された電圧が、発振回路553に供給される。一方、タイマ回路535は、電源スイッチ501がオンしたとき、計時動作を開始し、予め設定した一定の時間(例えば5秒間)、高レベルの電圧を出力する。これにより、NPNトランジスタ541がオンし、そのベースがNPNトランジスタ541により接地されるため、NPNトランジスタ542がオフする。これにより、コンデンサ502、ツェナーダイオード548、抵抗546,547の経路で、そのベースに高レベルの電圧が印加され、NPNトランジスタ543がオンする。発振回路553においては、NPNトランジスタ507と508が交互にオンし、発振動作を開始する。NPNトランジスタ507がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル511、NPNトランジスタ507、ダイオード551、4次コイル532、NPNトランジスタ543の経路で電流が流れる。また、NPNトランジスタ508がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル512、NPNトランジスタ508、ダイオード552、4次コイル533、NPNトランジスタ543の経路で電流が流れる。
1次コイル511と4次コイル532、並びに1次コイル512と4次コイル533は、それぞれ印加される電圧と誘起される電圧が逆極性になるように接続される。即ち、1次コイル511に、チョークコイル506との接続点側に高電圧が、NPNトランジスタ507との接続点側に低電圧が、それぞれ印加されるとき、4次コイル532の一端とダイオード551のカソードの接続点には、負の電圧が誘起されるように接続されている。これにより、1次コイル511の両端に印加される電圧は、この4次コイル532に発生する電圧の分だけ大きくなる。同様にして、4次コイル533のダイオード552のカソードとの接続点には、負の電圧が発生するため、1次コイル512の両端に印加される電圧は、その分だけより大きくなる。従って、1次コイル511,512に印加される電圧に対応して、2次コイル513に誘起される電圧は、より高くなる。これにより、蛍光管(冷陰極蛍光灯)516の点灯を容易に開始させることができる。
一方、タイマ回路535は、予め設定した所定の時間が経過したとき、その出力を低レベルにする。これにより、NPNトランジスタ541がオフし、NPNトランジスタ542がオンする。その結果、そのベースが抵抗547を介して接地されるため、NPNトランジスタ543がオフする。これにより、4次コイル532,533が1次コイル511,512から実質的に切り離されることになる。そして、このとき、NPNトランジスタ507がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル511、NPNトランジスタ507、ダイオード549、NPNトランジスタ542の経路で電流が流れ、NPNトランジスタ508がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル512、NPNトランジスタ508、ダイオード550、NPNトランジスタ542の経路で電流が流れる。タイマ回路535の計時動作が終了した後の定常時においては、このようにして、4次コイル532,533が1次コイル511,512から切り離されるため、1次コイル511,512に印加される電圧は、起動時における場合より、4次コイル532,533に印加される電圧の分だけ小さくなる。その結果、2次コイル513より発生され、蛍光管516に印加される電圧も、起動時における場合より小さくなる。小さくなったときに、トランス531側と蛍光管516のインピーダンスマッチングを最適になるよう設定しておけば、電力を有効に使うことができる。なお、このような構成にすることにより1次コイル511、1次コイル512に印加される電圧の切り替えは非常に高速に応答するため、タイマ回路535の設定時間は、例えば数マイクロ秒とすることも十分可能である。
図43に示す発振回路(冷陰極蛍光灯装置)503は、冷陰極蛍光灯装置の他の実施形態を表わしており、図42における場合と対応する部分には同一の符号を付してある。この実施形態においては、切換回路534に代えて切換回路564が設けられている。切換回路564においては、トランス562の4次コイル532,533が、1次コイル511,512に対して誘起電圧が同極性になるように接続されている。また、2次コイル513より巻線数の多い2次コイル563が設けられている。また、ダイオード549,550のカソードが、NPNトランジスタ543のコレクタに接続されている。さらに、4次コイル532と533の接続点は、抵抗546とNPNトランジスタ542のコレクタとの接続点に供給されている。
そして、電源スイッチ501がオンされると、タイマ回路535が一定の時間、高レベルの信号を出力する。これにより、NPNトランジスタ541がオンし、NPNトランジスタ542がオフし、NPNトランジスタ543がオンする。これにより、ダイオード549,550とNPNトランジスタ543により、4次コイル532と533の一端が接地され、4次コイル532,533が、1次コイル511,512から実質的に切り離される。そして発振回路503において、NPNトランジスタ507がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル511、NPNトランジスタ507、ダイオード549、NPNトランジスタ543の経路で電流が流れる。また、NPNトランジスタ508がオンしたとき、チョークコイル506、1次コイル512、NPNトランジスタ508、ダイオード550、NPNトランジスタ543の経路で電流が流れる。このとき、1次コイル511,512に流れる電流に対応して、2次コイル563に誘起される電圧が、蛍光管516を起動するのに充分な高電圧となるように、2次コイル563の1次コイル511,512に対する巻線比が設定されている。その結果、2次コイル563により誘起される高電圧により、蛍光管516の点灯が開始される。
一定の時間が経過したとき、タイマ回路535の出力が低レベルとなる。これにより、NPNトランジスタ541がオフし、NPNトランジスタ542がオンする。その結果、NPNトランジスタ543がオフする。これにより、4次コイル532,533が1次コイル511,512に接続される。このとき、発振回路503のNPNトランジスタ507がオンすると、チョークコイル506、1次コイル511、NPNトランジスタ507、ダイオード551、4次コイル532、NPNトランジスタ542の経路で電流が流れる。また、NPNトランジスタ508がオンすると、チョークコイル506、1次コイル512、NPNトランジスタ508、ダイオード552、4次コイル533、NPNトランジスタ542経路で電流が流れる。このように、図42の実施形態における場合と異なり、4次コイル532と533の誘起電圧の極性が、1次コイル511,512への印加電圧と同極性になるように接続されている。従って、起動時に1次コイル511,512に印加された電圧が、この場合は4次コイル532,533にも分圧印加される。すなわち、1次コイル511と4次コイル532を合成したコイルと、1次コイル512と4次コイル533とを合成したコイルが、それぞれ実質的な1次コイルとなり、起動時における場合より1次コイルと2次コイルの巻線比が減少される。その結果、その分だけ2次コイル563に誘起される電圧も減少する。このようにして定常時においては、蛍光管516は起動時における場合より低い電圧で駆動される。このように、1次コイル511,512と4次コイル532,533が加算されるように接続されて動作するときに、トランス562側と蛍光管516のインピーダンスマッチングが最適になるように設定しておけば、電力消費は最適となる。
ここで、図42においては、発振回路553の2次側は、2次コイル513に発生した交流電圧がコンデンサ515を介して蛍光管516に印加するようになされているが、これに替えて、上述した第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置ないし第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置のいずれかの2次側に変更することによって、交流駆動回路または直流駆動回路として採用することが可能である。また、図43においても同様に、発振回路503の2次側は、2次コイル563に発生した交流電圧がコンデンサ515を介して蛍光管516に印加するようになされているが、これに替えて、上述した第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置ないし第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置のいずれかの2次側に変更することによって、交流駆動回路または直流駆動回路として採用することが可能である。
具体的には、2次コイル513または2次コイル563を、2次側巻線N64および2次側巻線N65と同様な構成に変更する。そして、その2次側巻線に接続される回路部と、発振回路553および発振回路503の制御態様を、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置ないし第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置またはその他の冷陰極蛍光灯装置の変形例の示したものと同様とすることによって、電力消費が最適となる交流電力駆動回路を有する冷陰極蛍光灯装置を提供することができる。
また、2次コイル513または2次コイル563を、2次側巻線N24および2次側巻線N25と同様なる構成に変更し、ダイオードD21およびダイオードD22を付加する。そして、発振回路553および発振回路503の制御態様を、第1実施形態の冷陰極蛍光灯装置ないし第7実施形態の冷陰極蛍光灯装置またはその他の冷陰極蛍光灯装置の変形例の示したものと同様とすることによって、電力消費が最適となる直流電力駆動回路を有する冷陰極蛍光灯装置を提供することができる。
本発明の冷陰極蛍光灯は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、少なくとも一部が電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を備えるものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、ガスは水銀ガスに限るものではなく、発光は紫外線に限るものでなく、蛍光材料は紫外線に反応するものに限られず、光透過性の密閉容器はガラスに限られず、その形状も円柱形状に限定されるものではない。また、内部電極は、少なくとも1の電極が電子放出材料で形成されていれば良い。また、第1の外部電極および第2の外部電極は、密閉容器の外部面側に離間して配されておれば良く、外部電極が密閉容器を囲む構造に限られず、密閉容器の外部と接する面の一部に配されていても、密閉容器の外部と接する面から離間して配されていても良い、さらに、第1の内部電極および第2の内部電極を光透過性の導電材料で形成し、密閉容器の外部と接する面のほとんど全部を覆いつくすようにしても良いものである。
また、本発明の冷陰極蛍光灯駆動装置は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、少なくとも一部が電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を具備する冷陰極蛍光灯、を駆動する冷陰極蛍光灯駆動装置であって、第1の内部電極と第2の内部電極との間に直流電圧を印加する直流駆動回路と、第1の外部電極と第2の外部電極との間に交流電圧を印加する交流駆動回路と、交流電圧を所定期間、印加して電子とガスとを衝突させるとともに、電子とガスとの衝突が継続中に直流電圧を印加する制御を行う切替回路と、を備えるものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、直流駆動回路は、冷陰極蛍光灯を点灯させるに十分な電圧を供給可能であれば、どのような態様でも良く、例えば、インバータ等を用いることなく、直接に必要な電圧を発生するもの、倍電圧整流回路を複数段備えたもの等のいずれの構成で有っても良い。また、交流駆動回路も同様に所定の周波数の交流電圧を供給するものであれば、どのような態様であっても良く、例えば、インバータを用いることなく、ブリッジ構成したスイッチング回路であっても良い、また、切替回路は、交流電圧を所定期間、印加する制御を行い、電子とガスとの衝突が継続中において、直流電圧を印加する制御を行うことができればどのような態様であっても良く、例えば、インバータ回路の1次側を制御するのみならず2次側を制御するものであっても、切替回路の機能の一部を直流駆動回路または交流駆動回路と共有する構成のものであっても良い。
また、本発明の冷陰極蛍光灯装置は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、少なくとも一部が電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を具備する1または複数の冷陰極蛍光灯と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間に直流電圧を印加する1または複数の直流駆動回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間を流れる直流電流の大きさを所定の値に制御する1または複数の定電流回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の外部電極と各々の第2の外部電極との間に交流電圧を印加する1または複数の交流駆動回路と、交流電圧を所定期間、印加して、電子とガスとを衝突させるとともに、電子とガスとの衝突が継続中に直流電圧を印加する制御を行う切替回路と、を備えるものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、ガスは水銀ガスに限るものではなく、蛍光材料は紫外線に反応するものに限られず、密閉容器はガラスに限られず、その形状も円柱形状に限定されるものではない。また、第1の外部電極および第2の外部電極は、密閉容器の外部面側に離間して配されておれば良く、外部電極の構造、密閉容器の外部面との配置関係も限定があるものではない。また、直流駆動回路、交流駆動回路は、インバータ以外を構成要素とするものであっても良く、また、定電流回路は、フィードバック構成とするのみでなく、カレントミラー構成としても良いものである。切替回路は、交流電圧を所定期間、印加する制御を行い、電子とガスとの衝突が継続中において、直流電圧を印加する制御を行うことができればどのような態様であっても良く、例えば、インバータ回路の1次側を制御するのみならず2次側を制御するものであっても、切替回路の機能の一部を直流駆動回路、交流駆動回路または定電流回路と共有する構成のものであっても良い。また、冷陰極蛍光灯が複数である場合には、直流駆動回路、交流駆動回路または定電流回路の各々は1または複数個備えるようにしても良いものである。また、直流駆動回路または定電流回路を冷陰極蛍光灯のアノード側(高電位側)に設けるかカソード側(低電位側)に設けるかについても限定はない。さらに、切替回路は、その機能の一部を直流駆動回路、交流駆動回路または定電流回路と共有する構成のものであっても良い。さらに、切替回路の構成は、本実施形態に限定されず、制御態様によって種々に構成を変化させることができる。また、冷陰極蛍光灯が複数である場合には、冷陰極蛍光灯の数に対する直流駆動回路、定電流回路または交流駆動回路の数に限定があるものではない。
また、本発明の液晶表示装置は、映像信号に応じた画像が同期信号に応じた位置に表示される液晶表示パネルと、液晶表示パネルの裏面側に配される冷陰極蛍光灯装置と、を備える映像表示装置であって、冷陰極蛍光灯装置は、電子が衝突することによって発光するガスが密封されて発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を具備する1または複数の冷陰極蛍光灯と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間に直流電圧を印加する1または複数の直流駆動回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間を流れる直流電流の大きさを所定の値に制御する1または複数の定電流回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の外部電極と各々の第2の外部電極との間に交流電圧を印加する1または複数の交流駆動回路と、同期信号に同期した所定期間、交流電圧を印加して、電子とガスとを衝突させるとともに、電子とガスとの衝突が継続中に直流電圧を印加して、1または複数の冷陰極蛍光灯に流れる各々の直流電流の極性方向および通過と停止とを制御する切替回路と、を具備するものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、映像信号および同期信号は、NTSC方式に限らず、どのようなフォーマットに基づくものであっても良く、液晶表示パネルの大きさ、形状に限定はない、また、冷陰極蛍光灯のガス、蛍光材料、密閉容器の材料および形状、外部電極の構造、密閉容器の外部面との配置関係も限定があるものではない。また、信号処理部、直流駆動回路、交流駆動回路、定電流回路、切替回路は、実施形態に限定されるものではない。さらに、交流電圧を印加する制御は同期信号に同期した所定期間行うが、この期間は実施形態に限定されるものではない。また、冷陰極蛍光灯が複数である場合には、冷陰極蛍光灯の数に対する直流駆動回路、定電流回路または交流駆動回路の数および構成に限定があるものではない。
また、本発明の冷陰極蛍光灯の制御方法は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、少なくとも一部が電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える冷陰極蛍光灯の制御方法であって、第1の外部電極と第2の外部電極との間に交流電圧を所定期間、印加する制御を行って電子とガスとを衝突させ、電子とガスとの衝突が継続中に第1の内部電極と第2の内部電極との間に直流電圧を印加するものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、交流電圧の印加を開始する時期、交流電圧の印加を停止する時期と、直流電圧を印加する時期との関係は、実施形態に限定されるものではなく、第1の外部電極と第2の外部電極との間に交流電圧を所定期間、印加する制御を行って電子とガスとを衝突させ、電子とガスとの衝突が継続中に第1の内部電極と第2の内部電極との間に直流電圧を印加するものであれば、いかなるものであっても良い。
また、本発明の液晶表示装置の制御方法は、映像信号に応じた画像が同期信号に応じた位置に表示される液晶表示パネルと、電子が衝突することによって発光するガスが密封されて発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、密閉容器の外部面側に離間して配された第1の外部電極および第2の外部電極と、を具備する液晶表示パネルの裏面側に配された冷陰極蛍光灯と、を備えた液晶表示装置の制御方法であって、同期信号に応じた所定期間、第1の外部電極と第2の外部電極との間に交流電圧を印加して、電子とガスとを衝突させ、電子とガスとの衝突が継続中に冷陰極蛍光灯に流れる直流電流の極性方向および通過と停止とを制御するものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、交流電圧の印加を開始する時期、交流電圧の印加を停止する時期と、直流電圧を印加する時期との関係は、実施形態に限定されるものではなく、また、同期信号の種類および交流電圧を印加する期間と同期信号との関係の態様は、実施形態に限定されるものではない。
また、別の本発明の冷陰極蛍光灯装置は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、を具備する1または複数の冷陰極蛍光灯と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間に直流電圧を印加する1または複数の直流駆動回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間に直流電圧を印加する1または複数の交流駆動回路と、1または複数の冷陰極蛍光灯の各々の第1の内部電極と各々の第2の内部電極との間を流れる電流の方向と大きさを所定のものとする1または複数の電流方向制御・定電流回路と、交流電圧を所定期間、印加して電子とガスとを衝突させるとともに、電子とガスとの衝突が継続中に直流電圧を印加して、1または複数の冷陰極蛍光灯に流れる各々の電流の極性方向および通過と停止とを制御する切替回路と、を備え、を備えるものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、冷陰極蛍光灯のガス、蛍光材料、密閉容器の材料および形状に限定があるものではない。また、直流駆動回路、交流駆動回路、電流方向制御・定電流回路は、実施形態に限定されるものではない。また、冷陰極蛍光灯が複数である場合には、冷陰極蛍光灯の数に対する直流駆動回路、定電流回路または交流駆動回路の数に限定があるものではない。
また、別の本発明の冷陰極蛍光灯の制御方法は、電子が衝突することによって発光するガスが密封され、発光に反応する蛍光材料がガスと接する内部面に配された光透過性の密閉容器と、密閉容器の内部に配され、少なくとも一部が電子放出材料で形成された第1の内部電極および第2の内部電極と、を備える冷陰極蛍光灯の制御方法であって、第1の外部電極と第2の外部電極との間に交流電圧を所定期間、印加する制御を行って電子とガスとを衝突させ、電子とガスとの衝突が継続中に第1の内部電極と第2の内部電極との間に直流電圧を印加するものであるが、実施形態に限定されるものではない。
例えば、交流電圧の印加を開始する時期、交流電圧の印加を停止する時期と、直流電圧を印加する時期との関係は、実施形態に限定されるものではない。
Sw2、Sw2a、Sw2b、Sw3、Sw3a、Sw3b、Sw6、Swa、Swb スイッチ素子、10、41 冷陰極蛍光灯、11 密閉容器、17c、17d 内部電極、18a、18b 外部電極、20、30、40、140、141、142、144、145、146、148、240、242、245 冷陰極蛍光灯装置、21、31 冷陰極蛍光灯駆動装置、22、22a、22b、122 直流駆動回路、23、23a、23b 定電流回路、24、34、44、136、236 切替制御回路、25 電力源、125 駆動波形制御部、26、126a、126b、126c 交流駆動回路、43 電流方向制御・定電流回路、61、62 フィルタ、70、70a、70b スイッチングレギュレータ電力部、100 液晶表示装置、131 映像処理部、132 液晶表示装置制御部、133 映像メモリ、134 切替回路、143 電流方向制御回路、135、235 バックライトアセンブリ部、137 液晶表示パネル、140 光学シート・拡散板、C21、C61、C121、C161 コンデンサ、L61、L161、L121、L221、L261 インダクタ、L21、L22、L61、L62 発振・変換トランス、Q21、Q22、Q23、Q24、Q61、Q62、Q81、Q81a、Q81b、Q82、Q82a、Q82b トランジスタ