JP2007018939A - 直下型バックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】並列配置された複数の線状光源3と、線状光源3からの光を反射する反射板4、光拡散板2、及び拡散シート1が、反射板4、線状光源3、光拡散板2、拡散シート1の順で配置されて構成される直下型バックライト装置において、光拡散板2の吸水率が0.10%以下であり、かつ光拡散板2の少なくとも一方の主面に最大高さRzが200μm以下の凹凸構造を有する。
【選択図】図1
Description
しかし、直下型バックライト装置には、発光面の輝度均斉度が悪いという問題がある。特に、冷陰極管の真上で輝度が高くなるために発生する周期的輝度むらが大きな問題となる。つまり、バックライト装置発光面の輝度均斉度が悪いと、液晶ディスプレイの表示画面に表示むらが発生する。
従来、輝度均斉度を改良するために、種々の対策がなされてきた。例えば縞模様やドット状の光量補正パターンを光拡散板に印刷し、蛍光管の真上に放射される光束を低減する手法(特許文献1に例示)や、波型反射板を利用して、反射板からの反射光を蛍光管と蛍光管の中間に相当する領域へ集束させる手法(特許文献2)が提案されている。
しかし、輝度均斉度の改良手段として、光量補正パターンの印刷を行うと、光束の一部を遮断するので、蛍光管が放射する光束の利用率が低下し、十分な輝度が得られないという問題があった。また、波型反射板を用いると、装置の構成が複雑となり、バックライト装置の製造工程が複雑になるという問題があった。
一方、直下型バックライトに使用される光拡散板としては、透明樹脂に光拡散剤を分散した材料が使用されることが多い。このような光拡散板においては、輝度均斉度を改良させるために光拡散剤の濃度を上げると輝度が低下してしまうという問題があった。そこで、これを解決するために光拡散板表面にプリズム形状等のパターンを形成し、輝度を低下させずに表面形状による拡散効果を持たせることが提案されている(特許文献3、4、5)。しかしながら、光拡散板表面にプリズム状パターンを形成しただけでは、輝度均斉度の改良は十分ではなかった。またプリズム状パターンを形成し、表面積が増えることで反りが発生しやすくなり、環境の影響により輝度均斉度が低下してしまうという問題があった。
また、輝度均斉度を向上するために、厚み50μmから300μm程度のシートに光拡散効果を付与してなる拡散シートが使用されている。この拡散シートは、透明シート上に微細な断面鋸歯状のプリズム条列を有する輝度向上効果のあるプリズムシートと併用されることが多い。
しかし該プリズムシートは、微細で精密なプリズム条列を形成するために、精密加工が必要であることにより別途精密加工が必要である形状付与ロールを使用しなければならないことと、さらにそのロールをシートへ押し付けて正確に形状を転写するといった、生産速度と歩留まりの向上が困難な工程を要すること、の二つの理由により製造工程が複雑かつ製造が困難になるため、バックライト装置ひいては液晶ディスプレイの歩留まりが下がってしまうという問題があった。
すなわち、本発明は、
(1)並列配置された複数の線状光源、線状光源からの光を反射する反射板、光拡散板、及び拡散シートが、反射板、線状光源、光拡散板、拡散シートの順で配置されて構成される直下型バックライト装置において、光拡散板の吸水率が0.10%以下であり、かつ前記光拡散板の少なくとも一方の主面に最大高さRzが200μm以下の凹凸構造を有することを特徴とする直下型バックライト装置、
(2)上記(1)に記載されたバックライト装置であって、前記最大高さRzが200μm以下の凹凸構造の形状が、頂角60度〜170度でかつピッチが20〜700μmである断面鋸歯状プリズム条列である直下型バックライト装置、
(3)上記(2)に記載されたバックライト装置であって、前記断面プリズム条列の稜線方向と、線状光源の長手方向とのなす角が60度以下である直下型バックライト装置、
(4)上記(1)、(2)または(3)に記載されたバックライト装置であって、前記最大高さRzが200μm以下の凹凸構造の形状が、光拡散板の光源から遠い側の主面のみにある直下型バックライト装置、
及び、
(5)上記(1)、(2)、(3)または(4)に記載されたバックライト装置であって、光拡散板が透明樹脂及び光拡散剤を含む樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物の全光線透過率が60%以上98%以下で、かつヘーズが40%以上100%以下であることを特徴とする直下型バックライト装置、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(6)上記(5)に記載のバックライト装置であって、前記光拡散剤が、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体又はそれらの架橋物である直下型バックライト装置、
を挙げることができる。
本発明の直下型バックライト装置は、並列配置された複数の線状光源、線状光源からの光を反射する反射板、光拡散板、及び拡散シートとが、反射板、線状光源、光拡散板、拡散シートの順で配置されて構成される。
図1に示す直下型バックライト装置は、並列配置された複数本の線状光源3、光源3からの光を反射する反射板4、並びに光源3からの直射光及び反射板からの反射光を拡散照射する光拡散板2を備え、光拡散板2が、光源から遠い側に頂角5の断面鋸歯状のプリズム条列を有し、さらに光拡散板2の光源3から遠い側に拡散シート1が配置されてなる。本発明においては、さらに輝度向上のための光学部材6として、以下に示すような反射型偏光子を拡散シート1の光源3から遠い側に設置してもよい。
前記反射型偏光子としては、ブリュースター角による偏光成分の反射率の差を利用した反射型偏光子(例えば、特表平6−508449号公報に記載のもの);コレステリック液晶による選択反射特性を利用した反射型偏光子;具体的には、コレステリック液晶からなるフィルムと1/4波長板との積層体(例えば、特開平3−45906号公報に記載のもの);微細な金属線状パターンを施工した反射型偏光子(例えば、特開平2−308106号公報に記載のもの);少なくとも2種の高分子フィルムを積層し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光子(例えば、特表平9−506837号公報に記載のもの);高分子フィルム中に少なくとも2種の高分子で形成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光子(例えば、米国特許第5,825,543号明細書に記載のもの);高分子フィルム中に粒子が分散し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光子(例えば、特表平11−509014号公報に記載のもの);高分子フィルム中に無機粒子が分散し、サイズによる散乱能差に基づく反射率の異方性を利用する反射型偏光子(例えば、特開平9−297204号公報に記載のもの);などが使用できる。
冷陰極管又は熱陰極管の形状としては、直線状以外にも、平行な2本の管が一つの略半円でつながれ一本になったU字状、平行な3本の管が二つの略半円でつながれ一本になったN字状のもの、又は平行な4本の管が三つの略半円でつながれ一本になったW字状の形状のものを使用することができる。
線状光源としての輝度均一性からは冷陰極管が好ましく、色再現性の点からは線状に配列したLED、LEDと導光体の組合せが好ましい。線状に配列したLED、またはLEDと導光体の組合せを使用する場合は、配列した一連のLEDの組、またはLEDと導光体の組合せ、が複数ある場合に、線状光源が複数本であるとする。
本発明において、線状光源の中心間の距離は特に限定されないが、15mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上100mm以下であることがより好ましい。線状光源の中心と光拡散板の光源に近い側の面との距離も特に限定されないが、5mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上25mm以下であることがより好ましい
本発明に用いる光拡散板が有する凹凸構造の形状としては特に限定されないが、半球状突起、円錐状突起、角錐状突起、蒲鉾状レンチキュラーレンズ、断面鋸歯状のプリズムパターン等の光の出射方向を絞るような形状が好ましい。さらにこのような光の出射方向を絞るような形状の中でも、頂角が60〜170度でかつピッチが20〜700μmである断面鋸歯状プリズム条列であることが好ましい。凹凸構造の形状が、頂角60〜170度でかつピッチが20〜700μmである断面鋸歯状プリズム条列であることにより、輝度と輝度均斉度とのバランスを好適にすることができる。
本発明において、光拡散板が好適に有する断面鋸歯状プリズム条列の頂角は、80〜150度がより好ましく、90〜120度であることが特に好ましい。前記頂角が前記範囲であることにより、平均輝度及び輝度均斉度を高くすることができる。
樹脂組成物の全光線透過率はJIS K7361−1に準拠して両面平滑な2mm厚み板で測定した値で、樹脂組成物のヘーズはJIS K7136に準拠して両面平滑な2mm厚み板で測定した値とする。
光拡散板の厚みは、通常0.4mmから5mmであり、好ましくは0.8mmから4mmである。光拡散板の厚みが0.4mmより小さいと、支柱を多数形成する等自重によるたわみを抑えるための工夫が必要になるおそれがあり、バックライト装置のコストが上昇する。また厚みが5mmを超えると成形が困難になるおそれがある。
脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び光拡散板の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造を有する樹脂中における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造を有する樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物がさらに好ましい。
光拡散板に使用される光拡散剤の形状としては、特に限定されず、球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられるが、中でも光の拡散方向を等方的にすることのできる点で球状が好ましい。
前記光拡散剤は透明樹脂内部に含有された形で、巨視的に均一かつ離間的に分散されて、使用される。
光拡散板の表面に凹凸構造を形成する方法としては、特に制限されず、平板状の光拡散板を成形し、その表面に凹凸構造を形成する方法;光拡散板の成形と同時に表面に凹凸構造を形成する方法があげられる。
平板状の光拡散板を成形し、その表面に凹凸構造を形成する方法の具体例としては、平板状の光拡散板の表面に所望の構造を形成できる工具を用いて切削加工を行って凹凸構造を形成する方法;平板状の光拡散板の上に市販のプリズムシートなどの凹凸構造をもつシートを積層する方法;平板状の光拡散板の上に光硬化性樹脂を塗布し、所望の凹凸構造の型形状を転写した状態で硬化させる方法があげられる。
光拡散板の成形と同時に表面に凹凸構造を形成する方法の具体例を以下に記述する。光拡散板を押出成形により成形する場合は、所望の凹凸構造を有する異形ダイを用いて押出成形する方法;通常のダイを用いて押出成形した後にエンボス加工により凹凸構造を形成する方法があげられる。光拡散板を溶液キャスト法により成形する場合は、所望の凹凸構造を形成できるキャスティング型を用いて溶液キャストを行う方法が挙げられる。光拡散板を射出成形により成形する場合は、所望の凹凸構造を有する金型を用いて射出成形する方法があげられる。
光硬化樹脂への型形状転写、異形ダイを用いた押出成形、エンボス加工、溶液キャスト、もしくは射出成形により、凹凸構造を形成する場合に使用する型は、所望の形状を形成できる工具を用いた型の金属部材への切削加工、又は所望の形状が形成された部材上への電鋳加工により得ることができる。
本発明に用いる光拡散板は、対角線が20インチ以上であることが好ましく、対角線が25インチ以上であることがより好ましく、30インチ以上であることが特に好ましい。
本発明に用いる拡散シートの厚みは500μm以下であれば限定されないが、50μm以上300μm以下であることが好ましい。厚みが50μm以下では温度や湿度の影響によってしわが生じ、液晶ディスプレイの表示むらを引き起こす可能性があり、300μm以上では液晶ディスプレイが厚くなりすぎる。該拡散シートのヘーズは10%以上であることが好ましく、15%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。ヘーズが10%未満では輝度均斉度向上効果が十分でないおそれがある。該拡散シートの全光線透過率は40%以上であることが好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。全光線透過率が40%未満では輝度が下がるおそれがある。この場合の全光線透過率とはJIS K7361−1により拡散シートを測定した値で、ヘーズはJIS K7136により拡散シートを測定した値とする。
拡散シートの基材シートに用いられる樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂環構造を有する樹脂、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等を挙げることができる。これらのうち透明性と製膜性がともに優れることからポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、脂環式構造を有する樹脂、セルロースアセテートが好ましい。
拡散シートに用いる光拡散剤の形状は、特に限定されないが、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散剤の上端をバインダーから突出させたときに、正面方向の輝度を向上することのできる球状のビーズが好ましい。
本発明に用いる拡散シートを製造する方法は、特に限定されず、例えば、
前記基材シートに使用される樹脂を押し出し製膜または溶液キャスト製膜して基材シートを得、該透明樹脂基材シートに前記光拡散剤を前記バインダーに分散させたものを塗布する方法;前記基材シートに使用される樹脂と、前記バインダーに使用される樹脂及び前記光拡散剤の混合物とを、二層押し出しする方法;が挙げられる。
透明樹脂として脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R、吸水率0.01%]99.7部と、光拡散剤として平均粒径2μmのポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子0.3部を用い、これらを混合し、二軸押出機で混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断して光拡散板用ペレット1を製造した。この光拡散板用ペレット1から、射出成形機[型締め力1000kN]を用いて、両面が平滑な厚み2mmで100mm×50mmの試験板を成形した。この試験板の全光線透過率とヘーズを、JIS K7361−1とJIS K7136にしたがって、積分球方式色差濁度計を用いて測定した。全光線透過率は78%であり、ヘーズは92%であった。
透明樹脂としてアクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX、吸水率0.3%]を99.4部用い、光拡散剤として平均粒径2μmのポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子0.6部を使用する他は製造例1と同様にして光拡散板用ペレット2を製造し、全光線透過率とヘーズを製造例1と同様に測定したところ、全光線透過率は79%であり、ヘーズは90%であった。
透明樹脂としてスチレンーメチルメタアクリレート共重合体樹脂(以下、「MS樹脂」と記すことがある。)[新日鐵化学(株)、エスチレンMS600、吸水率0.2%]を99.8部用い、光拡散剤として平均粒径2μmのポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子を0.2部使用する他は製造例1と同様にして光拡散板用ペレット3を製造し、全光線透過率とヘーズを製造例1と同様に測定したところ、全光線透過率は83%であり、ヘーズは91%であった。
製造例1で得られた光拡散板用ペレット1から、射出成形機(型締め力4,410kN)を用いて、ピッチ70μm、頂角110度の二等辺三角形が連なった断面形状のプリズム条列を長手方向と平行に形成することができる金型を用い、厚み2mmで710mm×410mmの光拡散板1をシリンダー温度280度、金型温度85度で成形した。成形した光拡散板1の表面を超深度顕微鏡で観察したところ、プリズム部分のピッチは70μm、頂角は110度で、最大高さRzは24.2μm、算術平均高さRaは0.04μmであった。また、光拡散板1の吸水率は、0.01%であった。
内寸幅700mm、奥行き400mm、深さ16mmの乳白色プラスチック製ケースの底に反射シート(株式会社ツジデン製、RF188)を貼着して反射板とし、反射板から4mm離して、直径4mm、長さ700mmの冷陰極管16本を、冷陰極管の中心間の距離を25mmとして配置し、電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、インバーターを取り付けた。上記の光拡散板1を、プリズム条列を冷陰極管と平行で、反対側になるようにし、冷陰極管中心と光拡散板の冷陰極管に近い側の面との距離が14mmになるように設置した。さらに全光線透過率75.5%、ヘーズ87%、厚み137μmの拡散シート(株式会社きもと製、ライトアップ188GM2)を、光拡散剤を含有する層を光拡散板から遠い側になるように1枚設置した。その上に複屈折を利用した反射偏光子(住友スリーエム株式会社製DBEF-M)を設置し、さらに偏光板を取り付けることにより直下型バックライト装置1を作製した。
この直下型バックライト装置1を用いて、管電流6mA、管電圧330Vrmsを印加して冷陰極管を点灯し、二次元色分布測定装置を用いて、光拡散板の中心線上を短手方向に等間隔に100点の輝度を測定し、下記の数式1と数式2に従って輝度平均値Laと輝度均斉度Luを得た。このとき、輝度平均値は4232cd/m2で、輝度均斉度は1.2であった。また偏光板上から目視で観察しても、全面が均一であり冷陰極管部分のみが明るいということはなかった。
輝度平均値La=(L1+L2)/2 (数式1)
輝度均斉度Lu=((L1−L2)/La)×100 (数式2)
上記式1及び式2において、L1は複数本設置された冷陰極管真上での輝度極大値の平均値を、L2は極大値に挟まれた極小値の平均値を表す。
輝度均斉度は、輝度の均一性を示す指標であり、輝度均斉度が悪いときは、その数値は大きくなる。
上記バックライト装置1を60度、90%RHの恒温恒湿槽中に20時間放置した後に輝度を測定すると、輝度平均値は4230cd/m2で、輝度均斉度は1.8であった。目視で観察しても、全面が均一であり、冷陰極管部分のみが明るいということはなかった。測定後に光拡散板と拡散シートを取り出して観察したところ、光拡散板には1.1mmの反りが発生していたが、拡散シートには特に異常はなかった。
光拡散板用ペレット1のかわりに製造例2で得られたアクリル樹脂の光拡散板用ペレット2を使用した以外は、実施例1と同様にして光拡散板2を成形し、評価を行った。得られた光拡散板2のプリズム部分のピッチは70μm、頂角は110度で、最大高さRzは23.8μm、算術平均高さRaは0.04μmであった。また、光拡散板2の吸水率は0.3%であった。
光拡散板1の代わりに光拡散板2を用いた他は、実施例1と同様にして直下型バックライト装置2を作製し、同様に評価を行った。
組み立て直後の直下型バックライト装置2の輝度平均値は4250cd/m2、輝度均斉度は1.3であった。偏光板上から目視で観察しても、全面が均一であり冷陰極管部分のみが明るいということはなかった。さらに実施例1と同様に恒温恒湿槽に放置した後は、輝度平均値は4047cd/m2、輝度均斉度は5.5であった。目視の観察では冷陰極管がはっきりわかり、表示品質が悪かった。輝度測定後に光拡散板と拡散シートを取り出して観察したところ、光拡散板には7.0mmの反りが発生しており、拡散シートの光拡散板側に傷が観察された。
光拡散板用ペレット1の代わりに製造例3で得られた光拡散板用ペレット3を使用した他は、実施例1と同様にして光拡散板3を成形し、評価を行った。得られた光拡散板3のプリズム部分のピッチは70μm、頂角は110度で、最大高さRzは23.7μm、算術平均高さRaは0.04μmであった。また、光拡散板3の吸水率は0.2%であった。
光拡散板1の代わりに光拡散板3を用いた他は、実施例1と同様にして直下型バックライト装置3を作製し、同様に評価を行った。
組み立て直後の直下型バックライト装置3の輝度平均値は4216cd/m2、輝度均斉度は1.2であった。偏光板上から目視で観察しても、全面が均一であり冷陰極管部分のみが明るいということはなかった。さらに実施例1と同様に恒温恒湿槽に放置した後は、輝度平均値は4089cd/m2、輝度均斉度は5.4であった。目視の観察では冷陰極管がわずかにわかり、表示品質が少し悪かった。測定後に光拡散板と拡散シートを取り出して観察したところ、光拡散板には5.4mmの反りが発生しており、拡散シートの光拡散板側に傷が観察された。
2 光拡散板
3 線状光源
4 反射板
5 プリズムシートのプリズム条列の頂角
6 輝度向上のための光学部材
Claims (5)
- 並列配置された複数の線状光源、線状光源からの光を反射する反射板、光拡散板、及び拡散シートが、反射板、線状光源、光拡散板、拡散シートの順に配置されて構成される直下型バックライト装置において、
前記光拡散板の吸水率が0.10%以下であり、かつ前記光拡散板の少なくとも一方の主面に最大高さRzが200μm以下の凹凸構造を有することを特徴とする直下型バックライト装置。 - 請求項1に記載されたバックライト装置であって、前記最大高さRzが200μm以下の凹凸構造の形状が、頂角60度〜170度でかつピッチが20〜700μmである断面鋸歯状プリズム条列である直下型バックライト装置。
- 請求項2に記載されたバックライト装置であって、前記断面鋸歯状プリズム条列の稜線方向と、線状光源の長手方向とのなす角が60度以下である直下型バックライト装置。
- 請求項1、2または3に記載されたバックライト装置であって、前記最大高さRzが200μm以下の凹凸構造の形状が、光拡散板の光源から遠い側の主面のみにある直下型バックライト装置。
- 請求項1、2、3または4に記載されたバックライト装置であって、光拡散板が透明樹脂及び光拡散剤を含む樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物の全光線透過率が60%以上98%以下で、かつヘーズが40%以上100%以下である直下型バックライト装置。
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