JP2007017708A - 撮像光学系、および撮像光学ユニット - Google Patents

撮像光学系、および撮像光学ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】 小型(薄型)でありながら、高性能(高い解像力や高い収差補正能力等)を発揮できる光学系等を提供する。
【解決手段】 本発明の撮像光学系OSは、物体側からの光線の通過する光学プリズムPR1〜PR3を少なくとも3個以上備えており、それらの光学プリズムの少なくとも1個が正のパワーを有する。そして、少なくとも2個の光学プリズムが、光学面として、光線の入射する入射面を1面、入射面からの光線を反射させる反射面を1面、および、反射面からの光線を射出させる射出面を1面、を備えており、さらに、その反射面が偏芯配置になっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被写体像を撮像素子等で取り込む撮像装置に搭載される撮像光学系、および撮像光学ユニットに関するものである。
近年、携帯電話機や携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistant)等のデジタル機器には、画像を取り込むためのデジタルカメラ等(撮像装置)が内蔵されている。そして、このようなデジタル機器では、携帯性の観点から小型化が要望される一方、画像品質向上の観点から、撮像素子の高性能化も要望されている。
高性能化の一つとして、撮像素子が高画素化した場合、それに対応して撮像素子に被写体像を結像させる光学系(撮像光学系)の解像力等も向上する必要が生じる。例えば、ストレートタイプと呼ばれる光学系(共軸光学系)は、解像力等を高めるために、光学系自体を大型化したり、光学系を構成するレンズの枚数を増加させている。そのため、このような共軸光学系を採用したデジタル機器は、小型化および高性能化(高画素化)という両要望を同時に満たし難いといえる。したがって、共軸光学系と違い、小型でありながら解像力等の高い光学系の要望が極めて高まっている。
この要望に答えるべく、近年、共軸光学系と異なる偏芯光学系(例えば反射面を備える光学プリズムを用いた光学系;特許文献1〜4参照)が種々提案されている。
特開平10−11525号公報(図1参照) 特開平9−329747号公報(図1参照) 特開平10−20196号公報(図1参照) 特開平8−292368号公報(図41参照)
特許文献1・2の光学系は、1個の光学プリズムを含んでいる。そして、この光学プリズムは、2面の透過面と2面の反射面との合計4面の光学作用面(光学面)を備えている。かかるような光学プリズムから成る光学系は、光学プリズムの個数を1個にしているため、光学系自体のサイズを小型にできる。しかしながら、この光学系は、光学作用面を比較的少ない4枚というシンプルな構成にしているため、解像力等の向上を図り難い。
なお、特許文献2の光学系では、入射面から第1番目の反射面までの軸上光線(第1軸上光線)と、第2番目の反射面から射出面までの軸上光線(第2軸上光線)とが、ほぼ垂直に交差している。このように交差が生じていることは、第2軸上光線の進むスペースが、入射面から第1番目の反射面の間に確保されていることになる。したがって、特許文献2の光学系は、十分な小型化(薄型化)を図れているとはいい難い。
また、特許文献3の光学系は、2面の透過面と2面の反射面との合計4面の光学作用面を備える光学プリズムを2個含んでいる(すなわち、光学作用面を合計8面有している)。そのため、光学作用面が比較的多くなり、解像力等の向上を図りやすい。しかしながら、2個の光学プリズムは、像面の法線方向に沿って、単純に並ぶように配置されている。そのため、特許文献3の光学系では、像面の法線方向における長さが、2個分の光学プリズムの厚みや光学プリズム間の間隔をそのまま反映することになる。したがって、特許文献3の光学系は、十分な小型化を図れているとはいい難い。
また、特許文献4の光学系は、3個の光学プリズムを含んでいる。そのため、光学作用面も増加し、被写体からの光線は反射面等で複数回反射できる。したがって、この特許文献4の光学系は、解像力等の向上を図りやすい。しかしながら、光線が複数回の反射を繰り返すために、光路長が過剰に長くなりやすい。そのため、特許文献4の光学系は、解像力等の向上を図りやすいものの、光学系自体のサイズが大型化しやすいというおそれを有する。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであって、その目的は、小型(薄型)でありながら、高性能(高い解像力や高い収差補正能力等)を発揮できる光学系等を提供することにある。
本発明は、物体側からの光線の通過する光学素子を複数備えており、それらの光学素子の少なくとも1個が正のパワーを有する撮像光学系になっている。そして、この撮像光学系での光学素子の総数は少なくとも3個以上になっており、そのうちの少なくとも2個の光学素子が、光学面として、光線の入射する入射面を1面、入射面からの光線を反射させる反射面を1面、および、反射面からの光線を射出させる射出面を1面、を備えている。その上、反射面が偏芯配置になっている。
光学系(例えば撮像光学系)を薄型にするためには、光路を折り曲げることができれば有効である。その方策として、反射面を光学素子に含ませることが挙げられる。例えば、反射面を備えた光学素子を含む撮像光学系で、反射面が偏芯配置されていると、光路を折り曲げることができ、より薄い撮像光学系が実現することになる。
また、高性能化を実現するためには、光学作用面の増加、光学素子の増加が必要となる。しかしながら、単に光学作用面が増加すると、光学素子が大型化し、薄型化できなくなる。また、光学素子が単に増加すると、その光学素子の配置用のスペースが必要となり、薄型化が達成できない。したがって、薄型化を維持しながら高性能化を実現するためには、撮像光学系では、少なくとも3個の光学素子が必要となる。
また、本発明のように、光学面の少ないシンプル構造(入射面・反射面・射出面の3面構造)の光学素子が含まれた撮像光学系の場合、シンプル構造ゆえに小型になった光学素子を含むことになり、本発明の撮像光学系も小型になる。また、シンプル構造ゆえに、製造時の誤差の発生も抑制される(また、加工のコストが低く抑えられる)。したがって、本発明は、製造誤差に起因する収差発生を抑制された高性能な撮像光学系にもなる。
なお、本発明の撮像光学系では、少なくとも1個の正のパワーを有する光学素子が含まれてるのが望ましい。結像作用のためには、正のパワーが必要になる。しかし、正のパワーを光学素子の1つの作用面(光学面)で発揮させた場合、その面での収差発生量が大きくなり過ぎ、望ましくない。しかしながら、本発明のように、光学素子の1つで正のパワーを発揮するようにしておけば、光学素子の各光学面のパワー配分を適切に設定できる。その結果、各光学面に起因する収差(特に球面収差)の発生量を適切にして像面倒れを少なくでき、光学素子全体での収差発生量を抑制できる。したがって、撮像光学系全体としての収差も抑制できることになる。
本発明の撮像光学系では、光学素子の総数が3個のみ含まれており、そのうちの少なくとも1個の光学素子が、光学面として、光線の入射する入射面を1面、入射面からの光線を反射させる反射面を2面以内、および、反射面からの光線を射出させる射出面を1面、を備えてもよい。なお、反射面の少なくとも1面は偏芯配置になっている。
高性能化を実現するためには、光学作用面の多い方が有利である。そのため、光学素子の多い方が望ましい。しかしながら、光学素子が多いと、その配置のためのスペースが必要となり、薄型化には不利となる。高性能を達成し、なおかつ薄型化を図るためには3個の光学素子を含めた撮像光学系が望ましい。
かかる構成の場合、本発明は、光学素子の数を過剰に増やすことのない3個に設定するものの、高性能化に要する光学面を確保できるような撮像光学系になっている。例えば、4個や5個の光学素子を含む撮像光学系に比べて、3個の光学素子を含む撮像光学系は、光路長の短縮化や撮像光学系自体の小型化等を図りやすい。そのため、光学素子の個数以外の点で、種々の設計上の自由度が高まる。例えば、各光学素子の設計幅の自由度(例えば、光学素子における光学面の数の増加)を高めることができる。その結果、小型でありながら高性能な撮像光学系が実現する。
ところで、撮像光学系全体(全系)でのパワーにおいて、互いに直交する2つの方向(例えば、水平方向・垂直方向)のパワーが同程度であるとよい。なぜなら、互いのパワーが異なっていると、水平方向・垂直方向に対応する光線の結像点同士の不一致や、水平方向および垂直方向に対応する倍率の不一致等が生じるためである。かかるような事態(アナモフィック)を防止するためには、撮像光学系における光学面での上記2方向のパワーが適切に設定されるとよい。特に、偏芯配置されている光学面での2方向のパワー設定は重要である。なぜなら、この偏芯配置の光学作用面における2方向のパワー差異が、全系のパワーに大きな影響を与えるためである。
そこで、本発明の撮像光学系での偏芯配置された反射面は、以下の条件式(1)を満たすのが望ましい。
0.01<|φREFL(x)/φREFL(y)|<300 … 条件式(1)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
φREFL(x):反射面とベース光線との交点での水平方向のパワー
φREFL(y):反射面とベース光線との交点での垂直方向のパワー
である。
条件式(1)は、好ましいとされるパワー比を示している。そのため、条件式(1)の範囲内であれば、補正過剰や補正不足に陥らずに、全系のパワーがアナモフィックにならない。したがって、この条件式(1)の範囲内では、本発明は、小型でありながら、収差発生を抑制した撮像光学系になる。
また、本発明の撮像光学系での偏芯配置された反射面は、以下の条件式(2)を満たすのが望ましい。
0.01<|φREFL(xy)/φALL|<5.0 … 条件式(2)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
φREFL(xy):反射面とベース光線との交点における水平方向のパワーと垂 直方向のパワーとを平均したパワー
φALL :撮像光学系の全系における水平方向のパワーと垂直方向のパ ワーとを平均したパワー
である。
一般的に、反射面では、透過面のような色収差の問題は起こり得ない。そのため、色収差の点を考慮することなく、パワーを強くすることが可能である。しかしながら、偏芯した反射面では、偏芯に起因する収差(偏芯コマ、偏芯非点収差等)が発生する。したがって、反射面のパワーを強くすると、偏芯に起因する収差が大きく発生してしまう。特に、入射角度が比較的大きい面では、その面の中心に至る光線の反射角度と面の中心に至る光線の反射角度がともに大きくなったり、小さくなったりする。そのため、偏芯コマ収差が顕著に発生し、性能劣化につながる。しかしながら、反射面のパワーを弱くすると、透過面のパワーを強くする必要があるため、色収差の発生が大きくなる。しかし、色収差を抑えるために、全体のパワーを小さくすると、薄型化の効果が小さくなる。そのため、薄型化を保ちながら、高性能を達成するためには、偏芯した反射面のパワーを適切に設定することが必要となる。
条件式(2)は、偏芯した反射面のパワーを規定するものである。そして、上記してきた理由から、条件式(2)の上限値を越え、反射面のパワーが強くなりすぎると、偏芯コマの発生が大きくなり、高性能が達成できない。一方、条件式(2)の下限値を越え、反射面のパワーが弱くなりすぎると、薄型化が達成できなくなる。したがって、条件式(2)の範囲内では、本発明は、コンパクトでありながら、収差発生を抑制した(高性能化した)撮像光学系になる。
また、本発明の撮像光学系では、正のパワー(正パワー)を有する光学素子が、以下の条件式(3)を満たすのが望ましい。
0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
φp :正のパワーを有する光学素子での水平方向のパワーと垂直方向のパワー とを平均したパワー
である。
この条件式(3)は、正のパワーを有する光学素子(正の光学素子)のパワーを規定する式である。詳説すると、この条件式(3)は、光学素子の正のパワーに基づいて、撮像光学系の薄型化と高性能とを実現するための範囲を規定している。
正のパワーを有する光学素子は、アンダーの像面湾曲を発生させる。これを十分に補正するためには、光学素子等に負のパワーを有する光学面(負の光学面)等が必要となる。しかし、正のパワーが適切ではなく、例えば強すぎると、その強さに対応して負のパワーも強くしなければならない。しかし、全系のパワーが正である必要より、負の光学面は、光線高さの低い絞り近辺に配置される。かかる場合、比較的強い負の光学面に起因して大きなコマ収差が生じ、撮像光学系の結像性能が著しく劣化してしまう。また、偏芯した撮像光学系ゆえに生じる偏芯非点収差も顕著に発生することから、さらに、撮像光学系の結像性能が低下する。かかるような事情から、正の光学素子のパワーが適切に設定されることが、高性能な撮像光学系の要件ともいえる。
すると、上記してきた理由から、条件式(3)の上限値を上回る場合、正の光学素子のパワーが強くなりすぎ、コマ収差、非点収差が発生する。そのため、撮像光学系の性能が劣化する。一方、条件式(3)の下限値を下回る場合、正の光学素子のパワーが弱くなりすぎ、全系に対する正の光学素子のパワー寄与が小さくなる。そのため、撮像光学系の薄型化が困難になる。したがって、条件式(3)の範囲内では、本発明は、コンパクトでありながら、収差発生を抑制した(高性能化した)撮像光学系になる。
また、本発明のように偏芯した撮像光学系では、偏芯特有の収差が生じる。例えば、軸上でも非点収差が発生する。しかし、この非点収差を補正するには、光学面での水平方向と垂直方向とに対応する曲率半径を異ならせることにより、初めて可能になる。この状況は、軸上以外(例えば周辺部分)でも同様である。このような光学面を実現するためには、水平方向と垂直方向とに対応する曲率半径を任意に選択できる回転非対称な面が適している。したがって、偏芯特有の収差を補正するためには、回転非対称な光学面が少なくとも1面含まれていることが好ましい。
また、容易に自由曲面等が形成できると、製造時間の短縮をはかることができ、ひいては光学素子のコスト等が削減できる。そのため、本発明の撮像光学系では、複数の光学素子における少なくとも1個の光学素子が、樹脂で形成されてもよい。かかる構成であれば、回転非対称面や自由曲面等を容易に形成できるためである。また、樹脂であれば、回転非対称面等の作成と同時に、他の作用部分(例えば、コバ面等)も同時に成型(一体成型)することもできる。その結果、材料のコストも低く、加工のコストも安くできる。また、樹脂であるため、軽量化も可能である。なお、樹脂で形成されているとは、樹脂材料を母材としていることをいい、その表面に反射防止や表面硬度向上を目的としてコーティング処理を行った場合も含むものとする。
ところで、一般的に、樹脂は、温度変化に依存して屈折率を変化(光学的変移)させる。そのため、撮像光学系の光学素子に樹脂を使用した場合、温度変化に基づく屈折率変化のため、大きな像点移動が起こり得る。また、それにともない偏芯光学系では、軸上での非点隔差が拡大するという問題もある。さらには、屈折率変化にともなった諸収差の変動も大きく、性能低下の要因になる。
そこで、本発明の撮像光学系における光学素子の樹脂は、例えば、特開2005−55852号公報で開示されている材料が望ましい。この公報で開示されている樹脂材料とは、通常の樹脂材料に比べて、温度に依存した屈折率変化の比較的小さな材料である(特に、このような温度に依存した屈折率変化の小さい樹脂材料を、ここではアサーマル樹脂と呼ぶ)。
アサーマル樹脂は、例えば、樹脂材料(母材)中に最大長30nm以下の粒子(子材;例えば無機微粒子)を分散させたものである。例えば、アクリル樹脂に酸化ニオブ(Nb25)を分散させたものが、アサーマル樹脂になり得る。このようなアーサマル樹脂で光学素子が形成されると、温度変化に依存した屈折率変化が小さくなるため、像点変動、非点隔差の増大、諸収差の変動が小さく抑えられる。
なお、特開2005−55852号公報で開示されている樹脂材料・無機微粒子の例において、屈折率ndを温度tで微分した場合のdnd/dtの符号が示されている。そして、この樹脂材料のdnd/dtの符号(第1性質)と、無機微粒子のdnd/dtの符号(第2性質)とが異なるもの同士を混合させた例が示されている。この例のように、相異なる符号同士(異質なもの同士)の樹脂材料と無機微粒子とが混合した場合、互いの性質(樹脂の性質と無機微粒子の性質)を打ち消し合う。そのため、樹脂に分散させる無機微粒子の量は少なくてよい。
また、例えば、樹脂材料の性質(第1性質)を過剰に打ち消すことで、アサーマル樹脂に新たな性質が生じるようにもできる。例えば、樹脂材料、ひいてはアサーマル樹脂の線膨張係数が、比較的小さくなったりすることが新たな性質の一例として挙げられる。
ところで、樹脂と無機微粒子とのdnd/dtの符号が同じであっても、温度変化にともなう光学プリズムの屈折率変化を小さくすることもできる。例えば、同符号であってもdnd/dtの絶対値が樹脂に比べて小さい無機微粒子の場合、その無機微粒子を含む混同樹脂の屈折率変化は、例えば樹脂単独での屈折率変化に比べて小さくなる。つまり、無機微粒子を含むことによって、混同樹脂等は、樹脂単独よりも温度変化に依存した屈折率変化を小さくできるようになっている。ただし、樹脂と異なるdnd/dtの符号を有する無機微粒子を分散させた方が、樹脂と同符号のdnd/dtを有する無機微粒子を分散させる場合に比べて、分散量を少なくできる。
また、本発明の撮像光学系の場合、偏芯している光学系ゆえに、比較的大きな非点隔差が生じやすい。これを補正するためには、従来のパワー配分の調整だけでは限界があり、アサーマル樹脂を使う必要もある。
以上から理解できるように、非点隔差を小さく保てる高性能な偏芯光学系を実現するためには、本発明の撮像光学系のように、アサーマル樹脂を用いることが望ましい。
ところで、さらなる小型化を図るべく、撮像光学系において、隣り合うように配置された光学素子が、少なくとも2個含まれるようにするとよい。このような構成であれば、シンプル構造の光学素子の1個を基準として、他方の光学素子を配置することができる。その結果、光学素子の配設精度(位置精度)が向上し、配設精度の低下によって生じる撮像光学系の大型化を抑制できる。
また、複数の光学素子において、光線を射出する光学素子の射出面と、その射出面から射出される光線の入射する光学素子の入射面とで対向する組合せが、少なくとも1組以上含まれてもよい。このような対向配置で、向かい合う面同士がほぼ平行等になっていると、両面を極めて近づけた配置の撮像光学系が実現する。その結果、本発明の撮像光学系自体のサイズが小型になりやすい。
なお、上記してきた撮像光学系と、この撮像光学系からの光線を受光する撮像素子とを含む撮像光学ユニットが、小型かつ高性能化になっていることはいうまでもない。
本発明によれば、シンプル構造の光学素子が含まれているので、小型(薄型)な撮像光学系が実現する。また、シンプル構造の光学素子ゆえに、製造時の誤差の発生も抑制される。したがって、本発明は、製造誤差に起因する収差発生を抑制された高性能な撮像光学系にもなる。
以下、本発明の構成・作用・効果を実際の例を用いて、さらに詳細に説明する。
[実施の形態1]
まず、本発明の光学系(撮像光学系)としては、多種多様な光学系が想定される。例えば、光学プリズムばかりを組み合わせた撮像光学系や、光学プリズムの他に反射ミラー(光学素子)やレンズ(光学素子)等を加えた撮像光学系である。そこで、下記では、種々想定される撮像光学系の例を1つ挙げて説明していく。なお、撮像光学系と、この撮像光学系からの光線を受光する撮像素子とを含むユニットを撮像光学ユニットと表現する。また、撮像光学系は、撮像素子に光学像を結像させている点から結像光学系と表現されてもよいし、偏芯した光学作用面を有することから非軸光学系と表現されてもよい。
〔1.撮像光学ユニット(実施例1)の構成について(図1〜図3参照)〕
図1(実施例1)は、撮像光学ユニットOSUの光学断面図を示している。この図1に示すように、撮像光学ユニットOSUは、撮像光学系OS(第1光学プリズムPR1〜第3光学プリズムPR3)と撮像素子SRとを含んでいる。なお、光学プリズムPR1〜PR3での各面(si)および撮像素子SRの像面(si)を表現するため、物体側から像側(像面側)に至るまでの光線の入射順(i番目;i=1、2、3、…)に応じて、番号を付すようにしている。また、自由曲面となっている面については、アスタリスク(*)を付すようにしている。
〈1−1.撮像光学系について〉
撮像光学系OSは、図1に示すように、第1光学プリズムPR1、第2光学プリズムPR2、および第3光学プリズムPR3を含んでいる。第1光学プリズムPR1は、物体側からの光線が最初に通過する光学プリズムであり、第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1からの射出光線が引き続き入射する光学プリズムである。第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムからの射出光線を通過(透過)させて、像面(撮像素子SR)へと導く光学プリズムである。
《1−1−1.第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、3つの光学作用面(s2〜s4)を有している。なお、グローバル座標を用いた設計上、第1面s1は、ダミー面(基準面;各面頂点位置を表すための面)になっている。そのため、図1では、物体側からの光線(光束)が、最初に入射する面であっても、第1面s1とは表記されていない(カッコ書きで表示)。
したがって、物体側からの光線を最初に受けるとともに透過する面、すなわち、入射面は、図1では、第2面s2と表記されている。そして、第3面s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光線を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
第4面s4は、第3面s3からの反射光線を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)となっている。なお、この第4面s4と後述の第5面s5とは、向かい合った配置関係(対向配置)になっている。
《1−1−2.第2光学プリズムについて》
一方、第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1を通過してきた光線を第3光学プリズムPR3へと導く光学プリズムである。また、この第2光学プリズムPR2は、正のパワー〔収斂力(+);パワーは焦点距離の逆数で定義〕を有している。そして、この第2光学プリズムPR2は、3つの光学作用面(s5〜s7)を有している。
第5面s5は、第1光学プリズムPR1からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第6面s6は、第5面s5を通過してきた光線(透過光線)を第7面s7に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第7面s7は、第6面s6からの光線(反射光線)を、第3光学プリズムPR3に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。
なお、第6面s6には、光学絞りST(例えば円形の絞り形状を有する光学絞り)が施されるようになっている。また、第7面s7と後述の第8面s8とは、対向配置になっている。
《1−1−3.第3光学プリズムについて》
第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムPR2を通過してきた光線を撮像素子SR(像面s11)へと導く光学プリズムである。また、この第3光学プリズムPR3は、正のパワー(+)を有している。そして、この第3光学プリズムPR3は、3つの光学作用面(s8〜s10)を有している。
第8面s8は、第2光学プリズムPR2からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第9面s9は、第8面s8を通過してきた光線(透過光線)を第10面s10に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第10面s10は、第9面s9からの光線(反射光線)を、撮像素子SR(像面s11)に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。
《1−1−4.撮像素子について》
撮像素子SRは、光学プリズムPR1〜PR3を通過してきた光線(光像)を撮像面s11にて受光し、電気的信号(電子データ)に変換させるものである。例えばCCD(Charge Coupled Device)のエリアセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等が挙げられる。
なお、撮像光学ユニットOSUを備える撮像装置(例えばデジタルカメラ)においては、撮像素子SRによって変換された電子データに対して種々の処理等を施す処理部や、電子データ等を記憶する記憶部等が、備えられるようになっている。
〈1−2.コンストラクションデータについて〉
ここで、実施例1の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータについて、表1〜表4を用いて説明する。
Figure 2007017708
この表1での「si」は、上記したように、物体側から数えた光線の入射順に応じたi番目の面を示している。「ri」は、各面(si)における曲率半径[単位:mm]を示している。「Ni」・「υi」は、i番目の面(si)と、i+1番目の面(si+1)との間における軸上面間隔に位置する媒質が有するd線(587.56nm)に対する屈折率(Nd)・アッベ数(νd)を示している。
Figure 2007017708
この表2では、各面(si)における「面頂点座標」および「回転角度」を示している。そして、面頂点座標(面データ;[単位:mm])は、図4に示す右手系の直交座標(X座標、Y座標、Z座標)に基づいて表現されるようになっている〔X座標(X軸);親指、Y座標(Y軸);人差し指、Z座標(Z軸);中指〕。
具体的には、物面中心から絞り中心(光学絞りの中心)を通り、像面中心に向かう光線をベース光線と規定し、ベース光線と第1面s1との交点を原点(0、0、0)としている。そして、Z軸方向は、ベース光線が物面中心から第1面s1に向かって原点を通過していく方向とし、その向きを〈正(正方向)〉としている。すると、X軸方向は、図1において紙面に対して垂直方向となり、紙面の裏面側に向く方向が〈正(正方向)〉となる。一方、Y軸方向は、紙面に対して平行方向となり、紙面の上方に向く方向が〈正(正方向)〉となる。
また、回転角度(回転角度データ;[単位:°])は、上記の右手系のXYZ直交座標で定められた面頂点の座標位置(面頂点位置)を中心とした傾きによって表現されるようになっている。
具体的には、各面(si)の面頂点を中心とする各方向(X座標、Y座標、Z座標)の軸回り回転角(X回転、Y回転、Z回転)で表現するようになっている。なお、X軸・Y軸での正(正方向)に対して、反時計回りの方向が、正のX回転・正のY回転となっている。すなわち、回転角度が正方向(正)と規定されている。一方、Z軸での正に対して、時計回りの方向が、正方向のZ回転と規定されるようになっている。
Figure 2007017708
この表3は、各面の自由曲面係数を示している。自由曲面は、具体的には、面頂点を原点とするローカルな直交座標(x、y、z)を用いた以下の定義式(1)で定義される。そこで、この表3は、下記の定義式(1)に用いられる自由曲面係数を示すようにしたものである。
なお、表記の無い項の係数は0であり(すべての自由曲面についてk=0である。)、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Figure 2007017708
…定義式(1)
ただし、定義式(1)では、
z :高さhの位置でのz軸方向の変位量(面頂点基準)
h :z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2
c :近軸曲率(=1/曲率半径)
k :円錐係数
j :自由曲面係数
であり、自由曲面項は以下の定義式(2)で表されるようになっている。
Figure 2007017708
…定義式(2)
Figure 2007017708
この表4は、撮像光学系の全系での焦点距離[単位;mm]、Fナンバー[Fno]、および光学絞り(ただし円形の場合)の半径[単位;mm]を示している。また、表4は、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)の半画角[単位;°]、および像面サイズの水平方向(長手の辺;長辺)および垂直方向(短手の辺;短辺)の長さ[単位;mm]も示している。
〈1−3.収差図について〉
なお、図2(図2A〜図2F)・図3(図3A〜図3F)は、実施例1における撮像光学ユニットOSUの横収差図である。具体的には、図2はX方向(水平方向)での横収差、図3はY方向(垂直方向)での横収差を示している。これらの横収差図は、像面IS(図5参照)におけるローカルな直交座標(x、y)で表される像高[単位:mm]でのd線に対する横収差[単位;mm]を示している。
つまり、図2・図3の(A)〜(C)は、像面ISの中心を原点oとしたローカルな直交座標系(x,y)でのx方向の正側の3ヵ所{像面ISにおける一方の短辺での3ヵ所(円A〜円Cの位置)}に対応している。また、図2・図3の(D)〜(F)は、原点oを含むy方向の正負両側の3ヵ所{像面ISにおける中心を含みy方向に沿った3ヵ所(円D〜円Fの位置)}に対応している。なお、図2・図3の横収差図のスケールは、縦軸[−0.10〜0.10]、横軸[−1.0〜1.0]になっている。
〔2.本発明の種々の特徴について〕
以上のように、本発明の撮像光学系OSは、物体側からの光線の通過する光学プリズムPR1〜PR3を備えている(すなわち、光学プリズムの総数が、少なくとも3個以上になった撮像光学系OSになっている)。このような構成であれば、少なくとも3個程度の適切な光学プリズムを含むことになるので、撮像光学系OSのサイズが抑制される。また、少なくとも3個程度の適切な光学プリズムには適切な数の光学作用面(光学面)を形成することもできるので、高性能(高い収差補正能力や高い解像力等)を発揮し得る撮像光学系OSが実現する。
その上、かかる撮像光学系OSでは、光学プリズムPR1〜PR3の少なくとも1個が正のパワーを有している(なお、実施例1では第2光学プリズムPR2・第3光学プリズムPR3が正のパワーを発揮している)。
ここでのパワーは、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)の平均のパワーである。また、正のパワーを有する光学プリズム(正の光学プリズム)は、水平方向および垂直方向ともに、正のパワー(正パワー)を有している。そして、正の光学プリズムは、その光学プリズムにおける1つの光学作用面のみで正パワーを発揮するのではなく、1つの光学プリズムにおける複数の光学作用面を経ることで、正パワー(合成の正パワー)を発揮するようになっている。
例えば、光学プリズムでの1つの光学作用面のみで正パワーを発揮するように設計された場合、その光学作用面は、複数の光学作用面を経て合成の正パワーを発揮する光学プリズムでの光学作用面の一面に比べて、強い正パワーを要する。そのため、かかるような強い正パワーを発揮する光学作用面に起因して、比較的種々の収差が発生しやすくなる。特に、球面収差が大きくなったり、像面の倒れ等が顕著に発生したりする。
しかしながら、本発明の撮像光学系OSでは、光線が1つの光学プリズム内における複数の光学作用面を経て、収斂するようになっている。そのため、本発明は、正パワーを複数面に分散して負担させることにより、各光学作用面でのパワーを弱くしている。その結果、本発明の撮像光学系OSは、全系の収差発生を小さくできる。また、光学プリズム全体の合成パワーが正の場合に、負のパワーの光学作用面がその光学プリズムに設けられたときでも、収差を打ち消し合うことが可能になり、全体としての収差発生を抑制できる。
また、本発明の撮像光学系OSにおいては、少なくとも2個の光学プリズムが、光学作用面として、入射面を1面、入射面からの光線を反射させる反射面を1面、および、反射面からの光線を射出させる射出面を1面を備えている(なお、実施例1では全ての光学プリズムPR1〜PR3が、入射面・反射面・射出面から成る3面構造になっている)。
このようにシンプルな構造の(光学作用面の少ない)光学プリズムであれば、光学プリズム自体のサイズが小型になり、ひいては、撮像光学系OSも小型になる。また、シンプルな構造ゆえに、容易に製造でき、加工面・コスト面でも有利な撮像光学系OSが実現する。その上、製造時の誤差の発生も抑制される。したがって、本発明は、製造誤差に起因する収差発生を抑制された撮像光学系OSになる(製造誤差に強い撮像光学系OSになる)。
なお、本発明の撮像光学系OSでは、光学プリズムの反射面が偏芯配置されるようになっている。ここでの「偏芯」とは、直角プリズムのような45°の反射面(光学作用面)のみで構成されたものではなく、種々の角度を有する光学作用面を含んでいることをいう。
このような撮像光学系(偏芯光学系)OSの場合、物体側からの光線は、屈折・反射しながら像側(像面)に到達する。そのため、本発明の撮像光学系OSは、ストレートタイプの光学系(共軸光学系)のように一方向に伸びるような構成にはなり得ない。つまり、光路を折り曲げることにより、本発明の撮像光学系OSは、ストレートタイプの光学系に比べて、サイズを小型・薄型にできる。
また、光線が屈折・反射しながら像面に到達することから、撮像光学系OS内の光路は、比較的長くなる。このように光路長が長くなると、撮像光学系OSは、長い光路を利用して種々の収差を効果的に補正・抑制等できる。その上、このような撮像光学系OSは、光学プリズム等において製造誤差が生じたとしても、比較的長い光路長のために、製造誤差による性能変化を小さく抑えることもできる。
また、特に、反射面は、入射面・射出面と異なり、必ず光線を反射させる。そのため、本発明の撮像光学系OSのように、光学プリズムの反射面が偏芯配置されていれば好ましい。そうすれば、偏芯配置と光線の反射とが相まって、種々の角度で光線が屈折するようになる。その結果、光学プリズム、ひいては撮像光学系OSのサイズが小型になる。ただし、偏芯光学系を構成するために偏芯配置される光学作用面は、特に限定されるものではない。例えば、光学プリズムにおける入射面、反射面、および射出面のどの面が偏芯配置されてもよい。
ところで、撮像光学系OS全体(全系)でのパワーにおいて、互いに直交する2つの方向(例えば、水平方向・垂直方向)のパワーが同程度であるとよい。なぜなら、互いのパワーが異なっていると、水平方向・垂直方向に対応する光線の結像点同士の不一致や、水平方向および垂直方向に対応する倍率の不一致等が生じるためである。なお、このような、水平方向・垂直方向に対応するパワーが、互いに異なってしまう現象は、「アナモフィック」と称される。
かかるような全系のパワーにおけるアナモフィックを防止するためには、撮像光学系OSにおける光学作用面での2方向(例えば、水平方向・垂直方向)のパワーが適切に設定されるとよい。特に、偏芯配置されている光学作用面(反射面等)での2方向のパワー設定は重要である。なぜなら、この偏芯配置の光学作用面における2方向のパワー差異が、全系のパワーに大きな影響を与えるためである。
そこで、本発明の撮像光学系OSでは、偏芯配置された反射面が、以下の条件式(1)を満たすと望ましい。
0.01<|φREFL(x)/φREFL(y)|<300 … 条件式(1)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線(BL;図6参照)としたとき、
φREFL(x):反射面とベース光線との交点での水平方向のパワー
φREFL(y):反射面とベース光線との交点での垂直方向のパワー
である。。
例えば、実施例1の偏芯配置された第3面s3は、図6に示すように、垂直方向(y方向;ローカル直交座標)に対して偏芯している(傾いている)。このような傾き(傾斜角θ)が生じていると、第3面s3における垂直方向のパワー〔φREFL(y)〕が強くなりやすい。すると、この強いパワーに起因して、偏芯非点収差や偏芯歪曲収差等が生じてしまう上、第3面s3(ひいては全系)のパワーもアナモフィックになってしまう。
そこで、このような事態を解消すべく、第3面s3での水平方向(x方向;ローカル直交座標)に対応する曲率を強め、第3面s3における水平方向のパワー〔φREFL(x)〕を高めようとする対応がある。しかし、かかる対応を単純に行ってしまうと、補正過剰になる上〔つまり、条件式(1)の上限値を上回ってしまう上〕、強まった水平方向のパワーに起因する種々の収差が発生してしまう。
一方、第3面s3での水平方向に対応する曲率を過剰に強めないために、反射面での水平方向・垂直方向に対応する曲率半径を同程度にする対応もある。しかし、かかる対応を行っても、偏芯配置の影響で、2方向のパワーが異なってしまう(つまり、第3面s3での2方向に対応する曲率半径が同程度であっても、偏芯配置の影響で、2方向に対応するパワーが異なってしまう)。そのため、この対応は、補正不足になり〔つまり、条件式(1)の下限値を下回って〕、偏芯非点収差や偏芯歪曲収差等を解消できない。
しかしながら、条件式(1)の範囲内であれば、補正過剰や補正不足に陥らずに、全系のパワーがアナモフィックになる事態を避けられる。したがって、この条件式(1)の範囲内では、本発明は、小型でありながら、収差発生を抑制した(高性能化した)撮像光学系OSになる。
なお、条件式(1)の規定する条件範囲のなかでも、下記条件式(1a)の範囲を満たすと望ましい。
0.05<|φREFL(x)/φREFL(y)|<200 … 条件式(1a)
また、実施例1を条件式(1)に対応させた結果は、下記のようになっている。
○実施例1
第3面s3の|φREFL(x)/φREFL(y)|=78.68
第6面s6の|φREFL(x)/φREFL(y)|= 0.08
第9面s9の|φREFL(x)/φREFL(y)|= 0.10
ところで、偏芯した反射面(偏芯反射面)では、透過面のような色収差は起こり得ない。そのため、反射面のパワーがいくら強くなっても、色収差の問題は考慮しなくてよい。しかしながら、偏芯した反射面があると、その反射面での反射光線において、周辺部分の光が中心部分の光に対して、同じ方向に偏って向かうようになる。そのため、本発明の撮像光学系OSでは、この幅広の反射光線に起因する偏芯コマ収差等が表れることを考慮しなくてはいけない。
そこで、本発明の撮像光学系OSでは、偏芯配置された反射面は、以下の条件式(2)を満たすと望ましい。
0.01<|φREFL(xy)/φALL|<5.0 … 条件式(2)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線(BL;図6参照)としたとき、
φREFL(xy):反射面とベース光線との交点における水平方向のパワーと垂 直方向のパワーとを平均したパワー
φALL :撮像光学系の全系における水平方向のパワーと垂直方向のパ ワーとを平均したパワー
である。
この条件式(2)は、撮像光学系OS全体(全系)のパワーに対する偏芯反射面のパワーの比に関する式(パワー配分の式)である。そして、この条件式(2)は、偏芯反射面のパワーに基づいて、撮像光学系OSの小型化と、収差発生の抑制化(光学的性能の高性能化)との調和を図るための範囲を規定している。
全系のパワーに対する偏芯反射面のパワーの比が、条件式(2)の上限値を超える(上回る)場合、偏芯反射面のパワーが比較的強いといえる。かかる場合であっても、反射面では色収差が発生しない。そのため、偏芯反射面のパワー増加に対応させて透過面のパワー負担を減らすことができる。その結果、色収差等を抑制した高性能な撮像光学系OSが実現する。
しかしながら、偏芯反射面のパワーが比較的強くなっていると、種々の収差(例えば上記した偏芯コマ収差や偏芯非点収差等)が生じやすくなる。そのため、条件式(2)の上限値を超える場合には、撮像光学系OSは、偏芯コマ収差等により高性能になり得ない。
一方、偏芯反射面のパワーが比較的弱くなると、収差が発生しにくくなる。しかし、条件式(2)の下限値を超えて(下回って)偏芯反射面でのパワー負担が小さくなりすぎると、撮像光学系OSが大型になってしまう。
よって、偏芯反射面のパワーを条件式(2)の範囲に収めることにより、小型でありながら、高性能な撮像光学系OSが実現する。
なお、反射面のパワーが比較的弱まっていると、その弱いパワーを補うべく、透過面(入射面・射出面)のパワーを増加させなくてはならない。すると、この透過面での増加したパワーにともなって、色収差が起こり得る。この点からも、条件式(2)の範囲内の偏芯反射面が、撮像光学系OSに含まれることが好ましいといえる。
なお、条件式(2)の規定する条件範囲のなかでも、下記条件式(2a)の範囲を満たすほうが好ましい。
0.05<|φREFL(xy)/φALL|<2.0 … 条件式(2a)
また、実施例1を条件式(2)に対応させた結果は、下記のようになっている。
○実施例1
第3面s3の|φREFL(xy)/φALL|=0.10
第6面s6の|φREFL(xy)/φALL|=0.16
第9面s9の|φREFL(xy)/φALL|=0.55
ところで、上記したように、本発明の撮像光学系OSでは、複数の光学プリズムPR1〜PR3における少なくとも1個の光学プリズムが正パワーを有している。このように、正パワーの光学プリズムが含まれている場合、撮像光学系OS(全系)におけるその正パワーの配分(パワー配分)を適切にする必要がある。
例えば、正パワーを有する光学プリズムが撮像光学系OS内に存在すると、正パワーに起因したアンダーの像面湾曲が発生する。このような像面湾曲を補正するためには、撮像光学系OS内に、正パワーに対応した負パワー(負パワーを有する光学作用面)が必要とされる。
しかし、正のパワーが適切ではなく、例えば強すぎると、その強さに対応して負のパワーも強くしなければならない。しかし、全系のパワーが正である必要より、負の光学作用面は、光線高さの低い絞り近辺に配置される。かかる場合、比較的強い負の光学作用面に起因して大きなコマ収差が生じ、撮像光学系の結像性能が著しく劣化してしまう。また、偏芯した撮像光学系ゆえに生じる偏芯非点収差も顕著に発生することから、さらに、撮像光学系の結像性能が低下する。かかるような事情から、正の光学素子のパワーが適切に設定されることが、高性能な撮像光学系の要件ともいえる。そこで、下記条件式(3)を満たすことが望ましい。
0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
φp :正のパワーを有する光学素子での水平方向のパワーと垂直方向のパワー とを平均したパワー
である。
この条件式(3)は、正のパワーを有する光学素子(正の光学素子)のパワーを規定する式である。そして、この条件式(3)は、光学素子の正のパワーに基づいて、撮像光学系の薄型化と高性能とを実現するための範囲を規定している。
具体的には、条件式(3)の上限値を上回る場合、正の光学素子のパワーが強くなりすぎ、コマ収差、非点収差が発生する。そのため、撮像光学系の性能が劣化する。一方、条件式(3)の下限値を下回る場合、正の光学素子のパワーが弱くなりすぎ、全系に対する正の光学素子のパワー寄与が小さくなる。そのため、撮像光学系の薄型化が困難になる。したがって、条件式(3)の範囲内では、本発明は、コンパクトでありながら、収差発生を抑制した(高性能化した)撮像光学系になる
なお、条件式(3)の規定する条件範囲のなかでも、下記条件式(3a)の範囲を満たすほうが好ましい。
0.05<φp/φALL<3.0 … 条件式(3a)
また、実施例1を条件式(3)に対応させた結果は、下記のようになっている。
○実施例1
光学プリズムPR2のφp/φALL=0.38
光学プリズムPR3のφp/φALL=0.72
なお、さらに効果的な収差補正を行うために、複数の光学プリズムPR1〜PR3における光学作用面において、少なくとも1面が自由曲面であってもよい。例えば、光学作用面における水平方向の形状と垂直方向の形状とを異なるようにした自由曲面があれば、偏芯光学系ゆえに発生する軸上の非点収差等も効果的に補正できるためである。
また、本発明の撮像光学系OSに含まれる光学プリズムの材質は、特に限定されるものではない。つまり、光学プリズムの材質は、ガラスであっても樹脂(プラスチック材料等)であってもよく、光学材料として用いられる材質であればよい。ただし、温度(熱)等による依存性の少ない材料が好ましい。そこで、光学プリズムに樹脂材料を用いる場合、本発明の撮像光学系OSは、温度依存性の低い樹脂(アサーマル樹脂)を用いるようになっている。より詳説すると、光学プリズムは、温度による屈折率変化(光学的変移;アッベ数等の変化)の比較的少ないアサーマル樹脂を含むようになっている(なお、アサーマル樹脂は、光学プリズム内に部分的に含まれていても全体に含まれていてもよい)。また、特性の異なるアサーマル樹脂を混合させてもよい。こうすることにより、互いに温度による変化を打ち消し合う効果が得られるためである。
かかるような屈折率変化の少ない樹脂材料が光学プリズムに含まれると、撮像光学系OSにおいて、温度変化に基づく屈折率変化に起因した像点位置の変化が抑制される。また、本発明の撮像光学系OSは、偏芯した光学作用面を有している。そのため、軸上で、非点隔差等が生じやすい。しかし、屈折率変化の抑制された樹脂(アサーマル樹脂)から成る光学プリズムであれば、効果的に非点隔差等も抑制される。
なお、このようなアサーマル樹脂の一例として、樹脂(母材)内に最大長30nm以下の粒子〔子材;例えば、酸化ニオブ(Nb25)〕を分散させたものが挙げられる(特開2005−55852号公報参照)。かかるような樹脂(混合樹脂)では、温度上昇に伴った樹脂による屈折率低下と、温度上昇に伴った粒子の屈折率上昇とが同時に発生する。そのため、両方の温度依存性(屈折率低下・屈折率上昇)が互いに相殺され、屈折率変化が起こりにくくなっている。
ここで、温度依存性による屈折率低下と温度依存性による屈折率上昇とによる相殺について、例を挙げて詳説する。温度に依存する屈折率の変化は、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて屈折率ndを温度tで微分することにより、下記の屈折率温度変化式で表される。
Figure 2007017708
… 屈折率温度変化式
ただし、
α :線膨張係数
[R]:分子屈折
である。
そして、いくつかの樹脂(母材)・無機微粒子(子材)における屈折率温度変化式の値(温度変化A=dnd/dt)を求めると、下記の表5・表6のようになる(なお、単位は[/℃]である)。
Figure 2007017708
Figure 2007017708
本発明の撮像光学系OSの光学プリズムは、酸化ニオブを分散させた混合材料に限らず、上記の表5の樹脂に対して、表6の無機微粒子を分散させた混合材料で構成されてもよい(例えばポリオレフィン系の樹脂に酸化アルミニウムを分散させた混合材料で構成されてもよい)。
すると、混合材料(混合樹脂)中には、Aの符号(−)の樹脂と、Aの符号(+)の無機微粒子とが混在することになる。つまり、相反する符号の樹脂・無機微粒子が混合することになる。したがって、光学プリズムにおいて、温度上昇に伴った樹脂による屈折率低下(第1性質)と、温度上昇に伴った無機微粒子の屈折率上昇(第2性質)とが効果的に相殺されることがわかる。特に、かかる相殺(変質)が生じることから、樹脂に対する無機微粒子の比率が少なくとも、十分に光学プリズムの屈折率変化が抑制される。
また、混合材料(混合樹脂)中において、Aの符号(−)の樹脂とAの符号(+)の無機微粒子との混合の割合が種々調整されることにより、混合樹脂が、Aの符号(−)の樹脂や混合樹脂ではあるものの符号(−)のAを有するものとは異なって、(+)の符号Aを有するようにもなり得る。また、そのような樹脂材料を光学系の一部に使用することにより、個々の光学素子における温度変化による影響を全系で打ち消すようにもできる。かかる場合、光学系全体での温度変化による像点移動、非点隔差の増大を小さくすることも可能になる。
また、樹脂(母材)に対する無機微粒子の分散量等が適宜調整されることで、アサーマル樹脂に新たな性質変化が生じる場合もある。例えば、無機微粒子(子材)を混合することによって、樹脂材料(母材)、ひいてはアサーマル樹脂の線膨張係数が比較的小さくなるというような性質変化は一例といえる。なお、かかるような性質変化や上記した温度依存による屈折率変化の小さくなる性質を生じさせる方法は、分散量の調整に限定されるものではない。例えば、無機微粒子の「A」の絶対値(Aの符号(+))が比較的大きなものを、樹脂材料に分散させてもよい。また、かかるような「A」の性質を備える他の材料(有機微粒子等)を分散させてもよい。
ところで、樹脂と無機微粒子とのAの符号が同じであっても、温度変化にともなう光学プリズムの屈折率変化を小さくすることもできる。例えば、同符号であってもAの絶対値が樹脂に比べて小さい無機微粒子の場合、その無機微粒子を含む混同樹脂の屈折率変化は、樹脂単独での屈折率変化に比べて小さくなる。つまり、無機微粒子を含むことによって、混同樹脂は、樹脂単独よりも温度変化に依存した屈折率変化を小さくできるようになっている。ただし、樹脂と異なるAの符号を有する無機微粒子を分散させた方が、樹脂と同符号のAを有する無機微粒子を分散させる場合に比べて、分散量を少なくできる。
また、本発明の撮像光学系OS(実施例1)では、シンプルな構造の光学プリズムPR1〜PR3が含まれている。そこで、このようなシンプル構造の光学プリズムを効果的に配置することで、撮像光学系OS自体のサイズの小型化を図ることもできる。
例えば、本発明の撮像光学系OSでは、隣り合うように配置された光学プリズムが、少なくとも2個含まれるようにしている。このような構成であれば、シンプル構造の光学プリズムの1個を基準として、他方の光学プリズムを配置することができ、光学プリズムの配設精度(位置精度)が向上する。そのため、配設精度の低下によって生じる撮像光学系OSの性能の劣化が抑制できる。その上、配設にかかる労力(例えば組立調整が容易になる)や、配設にかかるコスト等も抑制できる。
なお、実施例1のように、第1光学プリズムPR1と第2光学プリズムPRとが隣り合うとともに、第2光学プリズムPR2と第3光学プリズムPR3とが隣り合うようになっていてもよい。このような複数の組合せ(PR1・PR2とPR2・PR3との2つの組合せ)があれば、1つの組合せしかない場合に比べて、一層、配設精度等の効果向上が図れるためである。
さらに、複数の光学プリズムにおいて、光線を射出する光学プリズムの射出面と、その射出面から射出される光線の入射する光学プリズムの入射面とが対向する組合せが、少なくとも1組以上含まれていてもよい。
ここでの組(組合せ)とは、実施例1の撮像光学系OSでは、第4面s4と第5面s5とで対向配置している第1光学プリズムPR1および第2光学プリズムPR2のことや、第7面s7と第8面s8とで対向配置している第2光学プリズムPR2と第3光学プリズムPR3のことである。
このように、対向配置になっていると、両面を極めて近づけた配置の撮像光学系OSが実現する。その結果、本発明の撮像光学系OS自体のサイズが小型(コンパクト)になりやすい。また、実施例1のように、対向配置の組合せが複数あれば、単数に比べて、さらに効果が奏じることはいうまでもない。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1(実施例1)での撮像光学系OSは、光学プリズムを合計3個(PR1〜PR3)含んでいる。しかし、本発明の撮像光学系OSにおける光学プリズムPRの数は、これに限定されるものではない。例えば、撮像光学系OS内に含まれる光学プリズムの数は、4個でも5個であってもよい。ただし、過剰な光学プリズムの数は、撮像光学系OSの大型化につながるおそれがある。この点から、3個の光学プリズムPR1〜PR3から成る撮像光学系OSが好ましいともいえる。
その上、4個や5個の光学プリズムを含む撮像光学系に比べて、3個の光学プリズムPR1〜PR3を含む撮像光学系OSは、光路長の短縮化や撮像光学系OS自体の小型化等を図りやすい。そのため、光学プリズムの個数以外の点で、種々の設計上の自由度が高まる。例えば、各光学プリズムの設計幅の自由度を高めることができる。
各光学プリズム設計幅の自由度が高まるとは、例えば、光学プリズムにおける光学作用面の数を比較的増加できることをいう。すると、3面構造(入射面・反射面・射出面を備える構造)以外の多面構造(4面構造等)の光学プリズムが、撮像光学系OSに含まれてもよいことになる。そこで、下記に4面構造の光学プリズムを含む撮像光学ユニットOSUの例(実施例2〜実施例4)を列挙して説明する。
なお、実施例2〜実施例4の撮像光学ユニットOSUは、実施例1の撮像光学ユニットOSU同様に、光学プリズムPR1〜PR3、および撮像素子SRを有するようになっている。さらに、これらの撮像光学ユニットOSU(撮像光学系OS)は、実施の形態1にて説明した種々の特徴の全てを有するようにもなっている。
〔1.その他の実施例(実施例2〜実施例4)について〕
〈1―1.実施例2・実施例3の撮像光学ユニットについて(図7〜図12参照)〉
図7および図8・図9は、実施例2の撮像光学ユニットOSUの光学断面図および横収差図(X方向・Y方向)を示している。一方、図10および図11・図12は、実施例4の撮像光学ユニットOSUの光学断面図および横収差図(X方向・Y方向)を示している。すると、図7・図10に示すように、実施例2・実施例3の撮像光学ユニットOSUは、光学プリズムPR1〜PR3、および撮像素子SRを含んでいる。
《第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、4つの光学作用面(s2〜s5)を有している。なお、実施例1同様、第1面s1は、ダミー面(基準面)になっている。したがって、物体側からの光線を最初に受けるとともに透過する面、すなわち、入射面は、図7・図10では、第2面s2と表記されている。そして、第3面(第1反射面)s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光線を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
第4面(第2反射面)s4は、第3面s3によって反射されてきた光線(反射光線)を、第5面s5に向けて反射させる反射面になっている。なお、図7・図10に示すように、第2面s2および第4面s4は、透過と反射との両機能を備えるTIR(Total Internal Reflection)面になっている。
そして、第5面s5は、第4面s4からの反射光線を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)となっている。なお、この第5面s5と後述の第6面s6とは、向かい合った配置関係(対向配置)になっている。
《第2光学プリズムについて》
一方、第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1を通過してきた光線を第3光学プリズムPR3へと導く光学プリズムである。また、この第2光学プリズムPR2は、正のパワー〔収斂力(+)〕を有している。そして、この第2光学プリズムPR2は、3つの光学作用面(s6〜s8)を有している。
第6面s6は、第1光学プリズムPR1からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第7面s7は、第6面s6を通過してきた光線(透過光線)を第8面s8に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第8面s8は、第7面s7からの光線(反射光線)を、第3光学プリズムPR3に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。
なお、第7面s7には、光学絞りST(例えば円形の絞り形状を有する光学絞り)が施されるようになっている。また、第8面s8と後述の第9面s9とは、対向配置になっている。
《第3光学プリズムについて》
第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムPR2を通過してきた光線を撮像素子SR(像面s12)へと導く光学プリズムである。また、この第3光学プリズムPR3は、実施例2の場合には正のパワー(+)を有している。そして、この第3光学プリズムPR3は、3つの光学作用面(s9〜s11)を有している。
第9面s9は、第2光学プリズムPR2からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第10面s10は、第9面s9を通過してきた光線(透過光線)を第11面s11に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第11面s11は、第10面s10からの光線(反射光線)を、撮像素子SR(像面s12)に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。
〈実施例2・実施例3のコンストラクションデータについて〉
ここで、実施例2・実施例3の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータについて、表7〜表14を用いて説明する。なお、表7〜表10が実施例2のコンストラクションデータを示し、表11〜表14が実施例3のコンストラクションデータを示している。また、表7・表11は表1、表8・表12は表2、表9・表13は表3、表10・表14は表4と、同様の表現になっている。
《実施例2のコンストラクションデータ》
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
《実施例3のコンストラクションデータ》
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
〈実施例2・実施例3の収差図について〉
なお、上記したように、図8(図8A〜図8F)・図9(図9A〜図9F)は、実施例2における撮像光学ユニットOSUの横収差図であり、図11(図11A〜図11F)・図12(図12A〜図12F)は、実施例3における撮像光学ユニットOSUの横収差図になっている。そして、これらの図8・図11は図2と、図9・図12は図3と、同様の表現になっている。
〈1−2.実施例4の撮像光学ユニットについて(図13〜図15参照)〉
実施例4の撮像光学ユニットOSUは、実施例1〜3の撮像光学ユニットOSU同様に、光学プリズムPR1〜PR3を有している。ただし、実施例4の撮像光学ユニットOSUにおける撮像光学系OSは、実施例1〜3の撮像光学系OSと異なり、正のパワー(+)を発揮する光学プリズムPR1〜PR3を含むようになっている。つまり、撮像光学系OSの光学プリズムPR1〜PR3の全てが、正のパワー(+)を発揮するようになっている。
また、実施例4の撮像光学系OSは、光学絞りSTを光学作用面に設けることなく、光学プリズムPR1と光学プリズムPR2との間に独立した光学絞りSTを介在させている。したがって、実施例4の撮像光学ユニットOSUは、第1光学プリズムPR1、光学絞りST、第2光学プリズムPR2、第3光学プリズムPR3、および撮像素子SRを含んでいる。なお、光学絞りSTの配置位置は、光学プリズムの作用面上にも、光学プリズム同士の間にも配置可能になっている。つまり、光学絞りがどこに配置されていても、本発明を限定するものではない。
《第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、4つの光学作用面(s2〜s5)を有している。なお、第1面s1は、実施例1〜3同様、ダミー面(基準面)になっている。したがって、物体側からの光線を最初に受けるとともに透過する面(入射面)は、図13では、第2面s2と表記されている。そして、第3面(第1反射面)s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光線を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
また、第4面(第2反射面)s4は、第3面s3によって反射されてきた光線(反射光線)を、第5面s5に向けて反射させる反射面になっている。なお、図13に示すように、第2面s2および第4面s4は、透過と反射との両機能を備えるTIR面になっている。
そして、第5面s5は、第4面s4からの反射光線を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。なお、この第5面s5と後述の第6面s6とは、対向配置になっている。
《光学絞りについて》
光学絞りSTは、円形等の絞り形状を有しており、第1光学プリズムPR1の第5面s5と第2光学プリズムPR2の第7面s7との間に位置するように設けられている。なお、この光学絞りSTは、光線の通過する第6面s6とも称される。
《第2光学プリズムについて》
第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1を通過するととも光学絞りSTによって一部遮光された光線を第3光学プリズムPR3へと導く光学プリズムである。そして、この第2光学プリズムPR2は、3つの光学作用面(s7〜s9)を有している。
第7面s7は、第1光学プリズムPR1からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第8面s8は、第7面s7を通過してきた光線(透過光線)を第9面s9に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第9面s9は、第8面s8からの光線(反射光線)を、第3光学プリズムPR3に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。なお、第9面s9と後述の第10面s10とは、対向配置になっている。
《第3光学プリズムについて》
第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムPR2を通過してきた光線を撮像素子SR(像面s13)へと導く光学プリズムである。そして、この第3光学プリズムPR3は、3つの光学作用面(s10〜s12)を有している。
第10面s10は、第2光学プリズムPR2からの光線を最初に受けるとともに透過する入射面(透過面)になっている。そして、第11面s11は、第10面s10を通過してきた光線(透過光線)を第12面s12に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第12面s12は、第11面s11からの光線(反射光線)を、撮像素子SR(像面s13)に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。
〈実施例4のコンストラクションデータについて〉
ここで、実施例4の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータについて、表15〜表18を用いて説明する。なお、表15〜表18は、表1〜表4と同様の表現になっている。
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
Figure 2007017708
〈実施例4の収差図について〉
なお、図14(図14A〜図14F)・図15(図15A〜図15F)は、実施例4における撮像光学ユニットOSUの横収差図である。そして、これらの図14・図15は、図2・図3と同様の表現になっている。
〈2.本発明の種々の特徴について〉
以上のような、実施例2〜実施例4の本発明の撮像光学系OS(撮像光学ユニットOSU)は、上記したように実施の形態1(実施例1)の種々の特徴を有するように構成されている。したがって、それらの特徴に対応する作用効果を発揮することはいうまでもない。
そこで、実施例2〜実施例4を条件式(1)〜条件式(3)に対応させた結果を、下記に示す。
《実施例2での対応結果》
「条件式(1)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(x)/φREFL(y)| = 5.97
第4面s4の|φREFL(x)/φREFL(y)| =15.99
第7面s7の|φREFL(x)/φREFL(y)| = 0.59
第10面s10の|φREFL(x)/φREFL(y)|= 0.22
「条件式(2)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(xy)/φALL| =0.19
第4面s4の|φREFL(xy)/φALL| =0.14
第7面s7の|φREFL(xy)/φALL| =0.14
第10面s10の|φREFL(xy)/φALL|=0.92
「条件式(3)の対応結果」
光学プリズムPR2のφp/φALL=0.59
光学プリズムPR3のφp/φALL=0.79
《実施例3での対応結果》
「条件式(1)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(x)/φREFL(y)| =3.21
第4面s4の|φREFL(x)/φREFL(y)| =0.47
第7面s7の|φREFL(x)/φREFL(y)| =0.10
第10面s10の|φREFL(x)/φREFL(y)|=0.06
「条件式(2)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(xy)/φALL| =0.20
第4面s4の|φREFL(xy)/φALL| =0.08
第7面s7の|φREFL(xy)/φALL| =0.31
第10面s10の|φREFL(xy)/φALL|=0.82
「条件式(3)の対応結果」
光学プリズムPR2のφp/φALL=1.01
《実施例4での対応結果》
「条件式(1)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(x)/φREFL(y)| =187.35
第4面s4の|φREFL(x)/φREFL(y)| = 2.83
第8面s8の|φREFL(x)/φREFL(y)| = 0.22
第11面s11の|φREFL(x)/φREFL(y)|= 0.08
「条件式(2)の対応結果」
第3面s3の|φREFL(xy)/φALL| =0.45
第4面s4の|φREFL(xy)/φALL| =0.06
第8面s8の|φREFL(xy)/φALL| =0.54
第11面s11の|φREFL(xy)/φALL|=0.59
「条件式(3)の対応結果」
光学プリズムPR1のφp/φALL=0.33
光学プリズムPR2のφp/φALL=0.27
光学プリズムPR3のφp/φALL=1.18
また、実施例2〜実施例4の撮像光学系OSは、4面構造(入射面、第1反射面、第2反射面、射出面)を含む第1光学プリズムPR1を含んでいる。
したがって、実施例2〜実施4の撮像光学系OSでは、少なくとも1個の光学プリズム(第1光学プリズムPR1)が、光学面として、光線の入射する入射面を1面(第2面s2)、入射面からの光線を反射させる反射面を2面以内(第3面s3・第4面s4)、および、反射面からの光線を射出させる射出面を1面(第5面)、を備えているともいえる。
通常、光学作用面が多ければ多いほど、高性能化した撮像光学系になる(例えば、複数面で、互いの光学作用面に起因する収差等を打ち消し合うようにできる)。しかし、光学作用面が多いと、それにともなって光学プリズム(ひいては撮像光学系OS)のサイズが大型になりやすい。そのため、光学プリズムの個数と、光学作用面の面数との調和を図ることが、小型でありながら高性能な撮像光学系OSの実現の要件ともいえる。
すると、実施例2〜実施例4のような撮像光学系OSは、光学プリズムの個数と、光学作用面の面数との調和(バランス)を最良にしているといえる。したがって、かかる構成の場合、本発明は、光学プリズムの数を過剰に増やすことのない3個に設定するものの、高性能化に要する光学作用面を確保できるような撮像光学系OSになっている。その結果、小型でありながら高性能な撮像光学系OSが実現している。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
〔1.反射面の反射率について〕
例えば、撮像光学系OSにおいて複数含まれる反射面の全てが、反射率80%以上であることが好ましい。撮像光学系(全系)OSの反射率は、各反射面の掛け算で求められるためである。しかし、別表現すると、撮像光学系OSとして反射率を向上させるためには、複数含まれる反射面の少なくとも1面が反射率80%以上であればよいともいえる。少なくとも1面でも反射率が80%以上であれば、撮像光学系OSの反射率の向上に大きく寄与するためである。
〔2.反射面の領域について〕
また、光学プリズムの反射面は、反射領域と吸収領域とを含むような構成でもよいし、反射領域と遮光領域とを含むような構成でもよい。あるいは、光学プリズムの反射面は、反射領域と透過領域とを含むような構成でもよい。つまり、光学プリズムの反射面が、反射領域と非反射領域(吸収領域、遮光領域、透過領域等)とを含むような構成でもよい。
かかる構成であれば、例えば反射面の非反射領域と、反射面の端部(エッジ)との位置を対応させることができる。すると、エッジでの反射に起因する迷光が起こり得ない。また、この反射面の非反射領域を、光学プリズムを撮像装置等に取り付けるための保持部分として機能させることもできる。
〈2−1.反射領域の特徴について〉
なお、反射面における反射領域にも、種々の特徴があってもよい。例えば反射領域が、鏡面状態でもよい。かかる構成であれば、反射領域上に、凹凸や波打ち形状(リップル)が存在しないことになる。そのため、反射領域上で、リップル等に起因した迷光が生じることなく、さらに反射効率も向上する。
また、反射コート等が施されることで、反射領域が形成されてもよい。かかるような構成であれば、所望の位置のみを反射領域として機能させることができる。例えば光学絞りST等の有効径内(有効範囲内)に対応する部分のみを反射領域にできる。
なお、反射領域に施される反射コートとしては、種々のコーティングが挙げられる。そこで、下記にいくつかのコーティングとその特徴について列挙する。
・アルミ蒸着のコーティング
かかるコーティングは、比較的高い反射率を発揮する。その上、比較的安価なコー ティングである。
・アルミ増反射のコーティング
かかるコーティングは、比較的高価ではあるがアルミ蒸着のコーティングよりも高 い反射率を発揮する。
・誘電体のコーティングおよび銀蒸着のコーティング
両コーティングとも、比較的高価ではあるが極めて高い反射率を発揮する。そのた め、光線が複数回の反射を繰り返す場合であっても、光量損失が抑制される。
すると、光学プリズムにおける全ての反射面がアルミ蒸着コーティング面で構成される場合、反射面形成のコストが抑えられ、ひいては光学プリズム自体のコストも抑制される。しかしながら、その光学プリズム全体の反射率は、他のコーティングの面(誘電体のコーティング面等)で構成される光学プリズムの反射率に比べて、低い反射率になってしまう。逆に、光学プリズムにおける全ての反射面が誘電体コーティング面で構成される場合、極めて高い反射率のために、光学プリズム全体の反射率は高くなる。しかしながら、高価なコーティングゆえに、光学プリズム自体のコストが上昇してしまう。
そこで、本発明の撮像光学系OSでは、光学プリズムの反射面として、上記のコーティングの反射面(アルミ蒸着コーティング面、アルミ増反射コーティング面、誘電体コーティング面、または銀蒸着コーティング面)が混在するようにしてもよい。かかるような構成であれば(例えば、4種の面から複数種を選択するような構成であれば)、コストを抑制させつつつも、反射率を向上させた光学プリズムが実現するためである。
〈2−2.非反射領域の特徴について〉
また、反射面における非反射領域(特に吸収領域・遮光領域)にも、種々の特徴があってもよい。例えば、非反射領域が、粗研削されることで形成されてもよい。粗研削は、例えばカーブジェネレータを利用する。そのため、比較的簡単に反射面の所望の領域が、非反射領域へと仕上げられる。また、粗研削自体のコストも安価というメリットもある。
また、非反射領域は、粗面加工されることで形成されてもよい。粗面加工は、例えば金型プレスによって行われる。具体的には、金型の一部を粗くしたプレス加工によって行われる。そのため、比較的簡単かつ安価に反射面の所望の領域が、非反射領域へと仕上げられる。なお、粗面加工は、粗い研磨(例えば研磨剤なしの研磨;仕上げなしの研磨)によって行われてもよい。
なお、例えば上記のような方法(粗研削、粗面加工)は、面表面を凹凸等にすることで、非反射領域を形成している。そこで、かかるような方法を用いる場合、反射面上から隆起した微少な片(隆起片;例えばピラミッドのような四角錐)の散点する非反射領域が形成されるようにしてもよい。つまり、光線を散乱させるような隆起片を複数備えた非反射領域が形成されてもよい。
このような非反射領域であれば、隆起片近傍で光線が減衰するので、迷光を抑制できるというメリットが生じる。ただし、隆起片を含むタイプの非反射領域の形成方法は、上記の方法(粗研削、粗面加工)に限定されるものではない。なお、安価な金型プレス等で、隆起片を含む非反射領域を形成すれば、迷光対策用の別個の部材を設けることなく、光学プリズムを撮像光学系OSに組みこむことができるというメリットもある。
ところで、以上のような非反射領域は、反射面に凹凸等の隆起を設けることで構成されている。しかし、非反射領域は、このようなタイプに限定されるものではない。例えば、反射面の一部を黒染することで、非反射領域が形成されてもよい。かかる場合、非反射領域の面自体に変形等が生じない。そのため、その非反射領域の面を、光学プリズムの取付位置基準として機能させることができる。
また、非反射領域は、有機溶剤による化学反応によって形成されてもよい。化学反応の場合、複数の反射面をまとめて有機溶剤に浸したり、有機溶剤を一度に複数の反射面に塗布したりできる。そのため、一度で多量の処理(生産)を行えるというメリットがある。また、光学プリズム材料の性質を変化させることで非反射領域が形成されているならば、上記同様、非反射領域の面自体に変形等が生じない。したがって、かかる場合、黒染による非反射領域同様の効果が奏じる。
〔3.好ましいコーティングについて〕
ところで、本発明のような撮像光学系OS(撮像光学ユニットOSU)では、種々の波長域の光線が入射している。そして、これら光線においては、光線を結像するという点で、不要な光線(例えば赤外線)も含まれている。しかしながら、CCDのような撮像素子SRは、かかるような赤外線の波長域(長波長域)に対しても感度を有する。そのため、この赤外線に起因して、撮像素子SRの受光面(撮像面)に悪影響が生じる場合がある。
そこで、本発明では、光学プリズムにおける面(透過面または反射面)のいずれかに、長波長域の光線を吸収するコーティングが施されてもよい。かかる構成であれば、例えば、撮像素子SRの前にIRカットフィルタとして機能する平行平面板等を配置させる必要がなくなる。その結果、コスト抑制の図れた上、高性能な(例えば高解像力を発揮する)撮像光学系OSが実現する。
〔4.光学絞りの形状について〕
また、光学絞りSTの形状についても、特に限定されるものではない。例えば、円形であっても楕円形であってもよい。また、多角形状や、非対称な形状の光学絞りSTであってもよい。
本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例1)の光学断面図である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図である。 右手系XYZ座標の説明図である。 像面ISにおけるローカルな直交座標の説明図である。 光学プリズムの反射面の偏芯状態を説明する概略斜視図である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例2)の光学断面図である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例3)の光学断面図である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例4)の光学断面図である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図である。
符号の説明
OS 撮像光学系(結像光学系)
OSU 撮像光学ユニット
PR1 第1光学プリズム(光学素子)
PR2 第2光学プリズム(光学素子)
PR3 第3光学プリズム(光学素子)
ST 光学絞り(絞り)
SR 撮像素子
IS 像面
si 光学作用面(光学面)
* 自由曲面

Claims (13)

  1. 物体側からの光線の通過する光学素子を複数備えており、それらの光学素子の少なくとも1個が正のパワーを有する撮像光学系であって、
    上記光学素子の総数は、少なくとも3個以上であり、
    少なくとも2個の上記光学素子が、光学面として、
    上記光線の入射する入射面を1面、
    上記入射面からの光線を反射させる反射面を1面、および、
    上記反射面からの光線を射出させる射出面を1面、
    を備えており、
    さらに、上記反射面が偏芯配置されていることを特徴とする撮像光学系。
  2. 物体側からの光線の通過する光学素子を複数備えており、それらの光学素子の少なくとも1個が正のパワーを有する撮像光学系であって、
    上記光学素子の総数は、3個であり、
    少なくとも1個の上記光学素子は、光学面として、
    上記光線の入射する入射面を1面、
    上記入射面からの光線を反射させる反射面を2面以内、および、
    上記反射面からの光線を射出させる射出面を1面、
    を備えており、
    さらに、上記反射面の少なくとも1面が偏芯配置されていることを特徴とする撮像光学系。
  3. 偏芯配置された上記反射面は、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像光学系;
    0.01<|φREFL(x)/φREFL(y)|<300 … 条件式(1)
    ただし、
    物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
    φREFL(x):反射面とベース光線との交点での水平方向のパワー
    φREFL(y):反射面とベース光線との交点での垂直方向のパワー
    である。
  4. 偏芯配置された上記反射面は、以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.01<|φREFL(xy)/φALL|<5.0 … 条件式(2)
    ただし、
    物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
    φREFL(xy):反射面とベース光線との交点における水平方向のパワーと垂 直方向のパワーとを平均したパワー
    φALL :撮像光学系の全系における水平方向のパワーと垂直方向のパ ワーとを平均したパワー
    である。
  5. 正のパワーを有する上記光学素子が、以下の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
    ただし、
    物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光線をベース光線としたとき、
    φp :正のパワーを有する光学素子での水平方向のパワーと垂直方向のパワー とを平均したパワー
    φALL :撮像光学系の全系における水平方向のパワーと垂直方向のパ ワーとを平均したパワー
    である。
  6. 複数の上記光学素子における光学面において、少なくとも1面が自由曲面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  7. 複数の上記光学素子における少なくとも1個の光学素子は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  8. 上記樹脂は、温度に依存した光学的変移を抑制する特性を有していることを特徴とする請求項7に記載の撮像光学系。
  9. 上記樹脂は、母材および子材を含んでおり、
    上記母材の有する第1性質が、上記子材の有する第2性質によって変質することで、上記光学的変移が抑制されていることを特徴とする請求項8に記載の撮像光学系。
  10. 上記光学的変移は、温度に依存した上記樹脂の屈折率変化であることを特徴とする請求項8または9に記載の撮像光学系。
  11. 隣り合うように配置された上記光学素子が、少なくとも2個含まれていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  12. 複数の上記光学素子において、
    上記光線を射出する上記光学素子の射出面と、その射出面から射出される上記光線の入射する上記光学素子の入射面とで対向する組合せが、少なくとも1組以上含まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の撮像光学系と、この撮像光学系からの光線を受光する撮像素子とを含む撮像光学ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020068594A1 (en) * 2018-09-25 2020-04-02 Apple Inc. Camera lens system
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