JP2007199541A - 撮像光学系、および撮像光学ユニット - Google Patents

撮像光学系、および撮像光学ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】ハイスペック(高画素)な撮像素子に使用可能な撮像光学系等を提供する。
【解決手段】撮像光学系OSでは、物体側からの光を通過させる光学プリズムPRが少なくとも2個以上有るとともに、複数のプリズム光学素子PRの少なくとも1個が、正のパワーを有する。さらに、複数の光学プリズムPRに含まれる光学作用面の少なくとも1面が偏芯配置になっているとともに、複数の光学プリズムPRにおける相異なる光学プリズムPRに連続して光が進行する場合にあって、一方の光学プリズムPRにおける光の射出面と、他方の光学プリズムPRにおける光の入射面とが対向する。加えて、複数の光学プリズムPRに含まれる2個の光学プリズムPRから成る組合わせの少なくとも1組が、所定の条件式を満たすとともに、光学作用面における少なくとも2面の透過面が非回転対称面になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体像を撮像素子等で取り込む撮像装置に搭載される撮像光学系、および撮像光学ユニットに関するものである。
近年、携帯電話機や携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistant)等のデジタル機器には、画像を取り込むためのデジタルカメラ等(撮像装置)が内蔵されている。そして、このようなデジタル機器では、携帯性の観点から小型化(薄型化)が要望される一方、画質向上の観点から、撮像素子の高画素化(ハイスペック化)も要望されている。
通常、撮像素子がハイスペック化する場合、被写体像を撮像素子に結像させる光学系(撮像光学系)の解像力等も向上させなくてはならない。そこで、例えばストレートタイプと呼ばれる光学系(共軸光学系)は、解像力等を高めるために、光学系自体を大型化したり、光学系を構成するレンズの枚数を増加させている。そのため、このような共軸光学系を採用したデジタル機器は、小型化および高性能化(高い解像力や高い収差補正能力等)という両要望を同時に満たし難いといえる。したがって、共軸光学系と違い、小型でありながら高性能な光学系の要望が極めて高まっている。
この要望に答えるべく、近年、共軸光学系と異なる偏芯した光学系(例えば、入射光軸に対して傾く反射面を備える光学プリズムを用いた光学系;特許文献1〜4参照)が種々提案されている。
特開平10−11525号公報(図1参照) 特開平9−329747号公報(図1参照) 特開平11−271618号公報(構成パラメータ参照) 特開2003−84200号公報(数値データ参照)
特許文献1・2の光学系は、1個の光学プリズムしか含んでいないため、光学系自体のサイズは小型になる。しかしながら、かかるような1個の光学プリズムは、2面の透過面(入射面・射出面)に起因する色収差(軸上色収差・倍率色収差)の補正に要する他の光学作用面の数を十分に備えていないことになる。つまり、特許文献1・2の光学系は、色収差の発生しやすい光学系といえる。そのため、この光学系は、撮像素子のハイスペック化に伴う高性能化を実現しづらい。
一方、特許文献3の光学系は、2個の光学プリズムを含むようになっており、色収差補正に使用可能な光学作用面の数は比較的多い。しかしながら、この光学系では、アッベ数の同じ2個の光学プリズムが使用されているので、アッベ数の差異を利用した色収差補正ができない。そのため、かかる光学系は、十分な色収差補正が施されているとはいい難く、ハイスペック化に伴う高性能化を実現しづらい。
しかし、特許文献4の光学系は、相異なるアッベ数を有する2個の光学プリズムPR1’・PR2’(例えば、かかる光学系の実施例1のアッベ数は、PR1’=27.5,PR2’=70.2)を含めることで、アッベ数の差異を利用した色収差補正を行うようになっている。その上、この光学系でのパワー配分をみてみると、反射面が比較的大きなパワーを負担しており、透過面は比較的小さなパワーしか負担していない。そのため、色収差が抑されているともいえる。
しかし、撮像素子のハイスペック化を図るとき、撮像素子のサイズが大型化する場合もあり、かかる場合には像高も高くなる。すると、像高が高くなることに起因して光学系の焦点距離も長くなってしまう。かかるように焦点距離が長くなることは光学系の大型化につながるため、反射面だけでなく、透過面にもパワーを負担させるほうが好ましい。しかしながら、透過面のパワー負担の比較的小さな特許文献4の光学系は、小型化には不向きといわざるを得ない。
また、かかる光学系のパワー配置は、全系の焦点距離が短い場合にバックフォーカスを長くできるレトロフォーカスタイプ{先(前群)に負パワー、後(後群)に正パワーのパワー配置}になっている。すると、この光学系では、光は、比較的小さなアッベ数を有するとともに負パワーを発揮する光学プリズム(例えば光学プリズムPR1’)を通過することになる。そのため、光束は発散および高分散の影響で太くなってしまう。このように光束が太くなると、例えば入射光軸に対して光路を垂直方向等に折り曲げる場合に(偏芯配置になった反射面で光を反射させる場合に)、光束の太さ(光束幅)が光学系の厚みに影響する。つまり、比較的広がった光束幅の影響で、光学系の小型化が実現できない。
また、かかる光学系では、偏芯配置になった反射面が比較的大きなパワーを負担しているため、偏芯配置に起因する特有の収差(偏芯コマ収差や偏芯非点収差等)も発生しやすい。しかし、透過面が十分なパワー負担をしていないことから、かかる透過面のパワーを用いた偏芯コマ収差等の補正が難しい。また逆に、偏芯コマ収差等の補正のために、透過面にパワーを負担させると、色収差が顕著に生じてしまうこともあり得る。つまり、特許文献4の撮像光学系では、透過面と反射面とのパワー負担のバランスが崩れているために、小型かつ高性能な光学系になり得ない。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであって、その目的は、ハイスペックな撮像素子に使用可能な光学系等を提供することにある。詳説すると、本発明の目的は、複数の光学プリズムにおける透過面および反射面にバランスよくパワー負担させることで、複数の光学プリズムを含みながらも小型かつ高性能{諸収差に対する高い補正能力等(例えば高い色収差補正能力)}を発揮できる撮像光学系等を提供することにある。
本発明の光学系(撮像光学系)では、物体側からの光を通過させるプリズム光学素子は、諸収差の補正に要する光学作用面を確保しつつも、撮像光学系のサイズ拡大の抑制も図れる個数(少なくとも2個以上)になっている。その上、かかる撮像光学系は、諸収差の抑制を図るべく、複数のプリズム光学素子の少なくとも1個が、プリズム光学素子全体として正のパワー(合成の正パワー)を発揮するようにもなっている。
さらに、本発明の撮像光学系は、例えば光路を折り曲げることで撮像光学系のサイズ縮小を図るべく、複数のプリズム光学素子に含まれる光学作用面の少なくとも1面(例えば反射面)を、偏芯配置にしている。その上、さらなる撮像光学系のサイズ縮小を図るべく、撮像光学系は、複数のプリズム光学素子における相異なるプリズム光学素子に連続して光が進行する場合にあって、一方のプリズム光学素子における光の射出面と、他方のプリズム光学素子における光の入射面とを対向させ、プリズム光学素子間を狭めている。
そして、特に、本発明の撮像光学系は、複数のプリズム光学素子に含まれる2個のプリズム光学素子から成る組合わせの少なくとも1組が、以下の条件式(1)を満たすとともに、撮像光学系内の光学作用面における少なくとも2面の透過面が、非回転対称面になっている。
νd(F)−νd(L)>20 … 条件式(1)
ただし、
νd(F):2個のプリズム光学素子から成る組において、先に受光するプリズム光
学素子が有するd線に対するアッベ数
νd(L):2個のプリズム光学素子から成る組において、後に受光するプリズム光
学素子が有するd線に対するアッベ数
である。
一般的に、撮像光学系におけるパワー配置は種々想定されるが、例えばテレフォトタイプのパワー配置の場合(先に正パワー、後に負パワーのパワー配置の場合)に、条件式(1)を満たすと、組において、先に受光するプリズム光学素子のアッベ数が後に受光するプリズム光学素子のアッベ数よりも大きくなる。かかるような撮像光学系は色収差補正に強いといえる。そのため、透過面がある程度パワー負担しても色収差が生じにくくなり、透過面および反射面の双方に適したパワーを負担させることのできる撮像光学系が実現する。
その上、光学作用面における少なくとも2面の透過面が、非回転対称面になっていることから、偏芯配置の光学作用面の影響により、アッベ数の差異を用いた補正のみで除去できない諸収差(偏芯色コマ収差や偏芯色非点収差等)も補正できる。したがって、本発明は、複数のプリズム光学素子を含みながらも小型であり、かつ高性能を発揮できる撮像光学系になる。その結果、本発明は、ハイスペック化した撮像素子に使用可能な撮像光学系といえる。
また、本発明の撮像光学系では、複数のプリズム光学素子における少なくとも1個のプリズム光学素子が、以下の条件式(2)を満たすと望ましい。
0.2<Σ|φREFR|/Σ|φREFL|<100.0 … 条件式(2)
ただし、
Σ|φREFR|:1個のプリズム光学素子に含まれる各透過面が有するパワーの絶対値
の和
Σ|φREFL|:1個のプリズム光学素子に含まれる各反射面が有するパワーの絶対値
の和
である。
条件式(2)は、プリズム光学素子における透過面および反射面に対するパワー配分を規定している。そのため、条件式(2)の範囲内では、透過面のパワー負担が過剰になることに起因する諸収差の発生が抑制される一方、反射面のパワー負担が過剰になることに起因する加工誤差に基づく性能変動(例えば反射面の加工誤差によって生じる諸収差の発生)が抑制される。したがって、条件式(2)の範囲内であれば、諸収差を抑制できる高性能な撮像光学系が実現することになる。
また、本発明の撮像光学系では、正のパワーを有する各プリズム光学素子が、以下の条件式(3)を満たすと望ましい。
0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
ただし、
φp :正のパワーを有するプリズム光学素子での水平方向のパワーと垂直方向の
パワーとを平均したパワー
φALL :撮像光学系(全系)における水平方向のパワーと垂直方向のパワーとを平
均したパワー
である。
条件式(3)は、正のパワーに起因する諸収差の抑制を図りつつも、正のパワーを利用した撮像光学系の小型化を実現できるパワー範囲を規定している。そのため、条件式(3)の範囲内であれば、本発明は、小型でありながら、諸収差を抑制した高性能な撮像光学系になる。
なお、本発明の撮像光学系では、色収差補正等の観点から、複数のプリズム光学素子に含まれる光学作用面の少なくとも1面が、自由曲面になっていると望ましい。
また、小型化の観点から、本発明の撮像光学系では、複数のプリズム光学素子における少なくとも1個のプリズム光学素子が、光を受光する入射面、入射面から進行してくる光を反射させる反射面、および、反射面から反射進行してくる光を射出させる射出面、を1面ずつ有するシンプルな構造になっていると望ましい。
ところで、本発明の撮像光学系におけるプリズム光学素子の材質は特に限定されない。例えば、複数のプリズム光学素子における少なくとも1個が樹脂で形成されていてもよい。しかしながら、樹脂は、温度変化によって屈折率を異ならせる性質を有している。そこで、本発明の撮像光学系における光学素子の樹脂は、温度に依存した光学的変移(例えば温度に依存した樹脂の屈折率変化)を抑制する特性を有していると望ましい。
かかるような樹脂(アサーマル樹脂と称す)を含むプリズム光学素子であれば、本発明の撮像光学系は、種々の温度変化においても、高い収差補正等の機能を発揮できるためである。その上、樹脂ゆえに、軽量化された撮像光学系にもなる。
また、特に、アサーマル樹脂では、母材および子材が含まれ、母材の有する第1性質が、子材の有する第2性質によって変質することで、光学的変移が抑制されるようになっていてもよい。
なお、上記してきた撮像光学系と、この撮像光学系からの光を受光する撮像素子とを含む撮像光学ユニットも、上記してきた作用効果を奏じることはいうまでもない。
本発明によれば、複数のプリズム光学素子間でのアッベ数の差異を用いた色収差補正ができるので、色収差発生の原因となる透過面にもある程度のパワーを負担させることができる。そのため、撮像光学系内の透過面および反射面に適したパワーを負担させることができる。その結果、透過面のパワー負担により生じる色収差の補正を行いつつ、反射面の過剰なパワー負担に起因する諸収差の抑制を図った高性能かつ小型な撮像光学系が実現する。
まず、本発明の光学系(撮像光学系)としては、多種多様な光学系が想定される。例えば、光学プリズム(プリズム光学素子)ばかりを組み合わせた撮像光学系や、光学プリズムの他に反射ミラーやレンズ等を加えた撮像光学系である。そこで、下記では、種々想定される撮像光学系の一例を挙げて説明していく。
なお、撮像光学系に用いられる光学プリズムとは、光(光線)が入射する入射面、光を反射させる反射面、光を射出させる射出面を少なくとも1面有する光学素子のことである。また、撮像光学系と、この撮像光学系からの光を受光する撮像素子とを含むユニットを撮像光学ユニットと表現する。また、撮像光学系は、撮像素子に光学像を結像させている点から結像光学系と表現されてもよいし、偏芯した光学作用面を有することから非軸光学系(偏芯光学系)と表現されてもよい。
[実施の形態1]
〔1.撮像光学ユニット(実施例1)の構成について(図1〜図5参照)〕
図1は、本発明における実施例1の撮像光学ユニットOSUの光学断面図を示している。この図1に示すように、撮像光学ユニットOSUは、撮像光学系OS(第1光学プリズムPR1・光学絞りST・第2光学プリズムPR2)と撮像素子SRとを含んでいる。なお、撮像光学系OSでの各面(si)および撮像素子SRの像面(si)を表現するため、物体側から像側(像面側)に至るまでの光の入射順(i番目;i=1、2、3、…)に応じて、番号を付すようにしている。また、自由曲面となっている面については、アスタリスク(*)を付すようにしている。
〈1−1.撮像光学系および撮像素子について〉
撮像光学系OSは、図1に示すように、第1光学プリズムPR1、光学絞りST、および第2光学プリズムPR2を含んでいる。第1光学プリズムPR1は、物体側からの光が最初に通過する光学プリズムであり、光学絞りSTは、第1光学プリズムPR1から射出してくる光の一部を遮るものである。第2光学プリズムPR2は、光学絞りSTを通過してきた光を通過(透過)させて、像面(撮像素子SR)へと導くものである。
《1−1−1.第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、3つの光学作用面(s2〜s5)を有している。なお、グローバル座標を用いた設計上、第1面s1は、ダミー面(基準面;各面頂点位置を表すための面)になっている。そのため、図1では、物体側からの光(光束)が、最初に入射する面であっても、第1面s1とは表記されていない(カッコ書きで表示)。
したがって、物体側からの光を最初に受けるとともに透過する面、すなわち、入射面は、図1では、第2面s2と表記されている。そして、第3面s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
第4面s4は、第3面s3からの反射光を第5面s5に向けて反射させる反射面になっている。なお、図1に示すように、第2面s2および第4面s4は、透過と反射との両機能を有するTIR(Total Internal Reflection)面になっている。また、第2面s2へ入射する光線位置と第4面s4へ入射する光線位置とは異なるようになっている。
そして、第5面s5は、第4面s4からの反射光を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)となっている。なお、この第5面s5と後述の第7面s7とは、向かい合った配置関係(対向配置)になっている。
なお、この第1光学プリズムPR1は、正のパワー〔収斂力(+);パワーは焦点距離の逆数で定義〕を有している。なお、光学プリズムPRのパワーには、光束における水平方向(X方向と称す)の光に対するパワーと光束における垂直方向(Y方向と称す)の光に対するパワーとがある。そこで、正のパワーを有する光学プリズムPRとは、水平方向および垂直方向の両方向のパワーが正であることをいう。
《1−1−2.光学絞りについて》
光学絞りSTは、円形等の絞り形状を有しており、第1光学プリズムPR1の第5面s5と第2光学プリズムPR2の第7面s7との間に位置するように設けられている。なお、この光学絞りSTは、光の通過する第6面s6とも称される。
《1−1−3.第2光学プリズムについて》
一方、第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1・光学絞りSTを通過してきた光を撮像素子SR(像面s11)へと導くものである。そして、この第2光学プリズムPR2は、4つの光学作用面(s7〜s10)を有している。
第7面s7は、光学絞りSTを経た光を最初に受けるとともに透過する入射面になっている。そして、第8面s8は、第7面s7を通過してきた光(透過光)を第9面s9に向けて反射させる反射面になっている。また、第9面s9は、第8面s8から反射してきた光(反射光)を第10面s10に向けて反射させる反射面になっている。そして、第10面s10は、第9面s9からの光を、撮像素子SR(像面s11)に向けて射出させる射出面になっている。
《1−1−4.撮像素子について》
撮像素子SRは、第1光学プリズムPR1・第2光学プリズムPR2を通過してきた光(光像)を撮像面s11にて受光し、電気的信号(電子データ)に変換させるものである。例えばCCD(Charge Coupled Device)のエリアセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等が挙げられる。
〈1−2.コンストラクションデータについて〉
ここで、実施例1の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータについて、表1〜表4を用いて説明する。
Figure 2007199541
この表1での「si」は、上記したように、物体側から数えた光の入射順に応じたi番目の面を示している。「ri」は、各面(si)における曲率半径[単位:mm]を示している。「Ni」・「υi」は、i番目の面(si)と、i+1番目の面(si+1)との間における軸上面間隔に位置する媒質が有するd線(587.56nm)に対する屈折率(Nd)・アッベ数(νd)を示している。なお、アッベ数(νd)は、下記の式から求められる。
νd=(nd−1)/(nF−nc)
ただし、
nd:d線(波長587.57nm)に対する屈折率
nF:F線(波長486.13nm)に対する屈折率
nc:c線(波長656.28nm)に対する屈折率
である。
Figure 2007199541
この表2では、各面(si)における「面頂点座標」および「回転角度」を示している。そして、面頂点座標(面データ:[単位;mm])は、図6に示す右手系の直交座標(X座標、Y座標、Z座標)に基づいて表現されるようになっている〔X座標(X軸);親指、Y座標(Y軸);人差し指、Z座標(Z軸);中指〕。
具体的には、物面中心から絞り中心(光学絞りの中心)を通り、像面中心に向かう光線をベース光線と規定し、ベース光線と第1面s1との交点を原点(0、0、0)としている。そして、Z軸方向は、ベース光線が物面中心から第1面s1に向かって原点を通過していく方向とし、その向きを〈正(正方向)〉としている。すると、X軸方向は、図1において紙面に対して垂直方向となり、紙面の裏面側に向く方向が〈正(正方向)〉となる。一方、Y軸方向は、紙面に対して平行方向となり、紙面の上方に向く方向が〈正(正方向)〉となる。
また、回転角度(回転角度データ:[単位;°])は、右手系のXYZ直交座標で定められた面頂点の座標位置(面頂点位置)を中心とした傾きによって表現されるようになっている。
具体的には、各面(si)の面頂点を中心とする各方向(X座標、Y座標、Z座標)の軸回り回転角(X回転、Y回転、Z回転)で表現するようになっている。なお、X軸・Y軸での正方向に対して、反時計回りの方向が、正のX回転・正のY回転となっている。すなわち、回転角度が正方向(正)と規定されている。一方、Z軸での正方向に対して、時計回りの方向が、正方向のZ回転と規定されるようになっている。
Figure 2007199541
この表3は、各面の自由曲面係数を示している。自由曲面は、具体的には、面頂点を原点とするローカルな直交座標(x、y、z)を用いた以下の定義式(I)で定義される。
そこで、この表3は、下記の定義式(I)に用いられる自由曲面係数を示すようにしたも
のである。
なお、表記の無い項の係数は0であり(すべての自由曲面についてk=0である。)、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Figure 2007199541
…定義式(I)
ただし、定義式(I)では、
z :高さhの位置でのz軸方向の変位量(面頂点基準)
h :z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2
c :近軸曲率(=1/曲率半径)
k :円錐係数
j :自由曲面係数
であり、自由曲面項は以下の定義式(II)で表されるようになっている。
Figure 2007199541
…定義式(II)
Figure 2007199541
この表4は、撮像光学系OSの全系での焦点距離[単位;mm]、Fナンバー[Fno]、および光学絞りST(ただし円形の場合)の半径[単位;mm]を示している。また、表4は、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)の半画角[単位;°]、および像面サイズの水平方向(長手の辺;長辺)および垂直方向(短手の辺;短辺)の長さ[単位;mm]も示している。
〈1−3.収差図について〉
なお、図2(図2A〜図2F)・図3(図3A〜図3F)・図4(図4A〜図4F)・図5(図5A〜図5F)は、実施例1における撮像光学ユニットOSUの横収差図である。具体的には、図2・図3は光束のX方向(水平方向)における横収差(ΔX・ΔY)、図4・図5は光束のY方向(垂直方向)における横収差(ΔX・ΔY)を示している。これらの横収差図は、図7の像面ISでのローカルな直交座標(x、y)で表される像高[単位;mm]でのd線に対する横収差[単位;mm]を示している。
つまり、図2〜図5の(A)〜(C)は、像面ISの中心を原点oとしたローカルな直交座標系(x,y)でのx方向の正側の3ヵ所{像面ISにおける一方の短辺での3ヵ所(円A〜円Cの位置)}に対応している。また、図2〜図5の(D)〜(F)は、原点oを含むy方向の正負両側の3ヵ所{像面ISにおける中心を含みy方向に沿った3ヵ所(円D〜円Fの位置)}に対応している。なお、図2〜図5の横収差図のスケールは、収差量である縦軸[−0.050〜0.050]、像高である横軸[−1.0〜1.0]になっている。
〔2、本発明における種々の特徴の一例について〕
以上のように、実施例1における撮像光学系OSは、物体側からの光を通過させる光学プリズムPRを2個備えている(すなわち、光学プリズムPRの総数が、少なくとも2個以上になった撮像光学系OSともいえる)。かかるような2個程度の光学プリズムPRの個数は、撮像光学系OSに含まれる光学プリズムPRの個数としては好ましい。
なぜなら、光学プリズムPRの個数が1個の場合、光学作用面の面数が不足してしまい、撮像光学系OSの高性能化が図れない(例えば高い収差補正能力の発揮できない)。また、少ない個数の光学プリズムPRに多数の光学作用面を含ませようとすると、光学プリズムPR自体(ひいては撮像光学系OS)が大型化してしまう。
一方、光学プリズムPRの個数が過剰に増加している場合、光学作用面の面数は増加するものの撮像光学系OSが大型化してしまう。したがって、少なくとも2個の光学プリズムPRを含む撮像光学系OSが、適切な数の光学作用面を含むことで高い収差補正能力等を発揮しつつも、比較的小型(薄型)になる。
また、撮像素子SRに物体からの光を結像させるために、撮像光学系OSが正のパワーを有すると望ましい。そこで、本発明の撮像光学系OSは、正のパワーを有する第1光学プリズムPR1を含むようになっている(すなわち、撮像光学系OSに含まれる光学プリズムPRの少なくとも1個が、正のパワーを有するともいえる)。
特に、実施例1での第1光学プリズムPR1は、その光学プリズムPR1における1つの光学作用面のみで正パワーを発揮するのではなく、1つの光学プリズムPR1における複数の光学作用面を経ることで、正のパワー(合成の正パワー)を発揮するようになっている。
例えば、光学プリズムでの1つの光学作用面のみで正パワーを発揮するように設計された場合、その光学作用面は、複数の光学作用面を経て合成の正パワーを発揮する光学プリズムPRでの光学作用面の一面に比べて、強い正パワーを要する。そのため、かかるような強い正パワーを発揮する光学作用面に起因して、比較的種々の収差が発生しやすくなる。特に、球面収差が大きくなったり、像面の倒れ等が顕著に発生したりする。
しかしながら、本発明の撮像光学系OSでは、光が1つの光学プリズムPR内における複数の光学作用面を経て、収斂するようになっている。そのため、本発明は、正パワーを複数面に分散して負担させることにより、各光学作用面でのパワーを弱くしている。その結果、光学プリズムPR、ひいては撮像光学系OS(全系)の収差発生が小さくなる。また、光学プリズムPR全体の合成パワーが正の場合に、負のパワー(発散力)の光学作用面がその光学プリズムPRに設けられたときでも、収差を打ち消し合うことが可能になり、全体としての収差発生を抑制できる。
また、撮像光学系OSに含まれる複数の光学プリズム(PR1・PR2)に含まれる光学作用面の少なくとも1面は、偏芯配置になっている。ここでの「偏芯」とは、直角プリズムのような45°の反射面のみで構成されたものではなく、種々の角度を有する光学作用面を含んでいることをいう。
このような撮像光学系(偏芯光学系)OSの場合、物体側からの光は、偏芯面によって屈折・反射しながら像側に到達する。そのため、本発明の撮像光学系OSは、ストレートタイプの光学系(共軸光学系)のように一方向に伸びるような構成にはなり得ない。つまり、光路を折り曲げることにより、本発明の撮像光学系OSは、ストレートタイプの光学系に比べて、サイズを小型・薄型にできる。
また、光が屈折・反射しながら像面に到達することから、撮像光学系OS内の光路は、比較的長くなる。このように光路長が長くなると、撮像光学系OSは、長い光路を利用して諸収差を効果的に補正・抑制等できる。その上、このような撮像光学系OSは、光学プリズムPR等において製造誤差が生じたとしても、比較的長い光路長のために、製造誤差による性能変化を小さく抑えることもできる。
さらに、本発明の撮像光学系OSでは、複数の光学プリズムPRにおける相異なる光学プリズムPRに連続して光が進行する場合にあって、一方の光学プリズムPRにおける光の射出面と、他方の光学プリズムPRにおける光の入射面とが、対向するようになっている。
例えば実施例1の場合、第5面s5と第7面s7が対向配置している。このような対向配置であれば、隣り合う光学プリズPR同士(ひいては撮像光学系OS全体)を小さく収容できるし、さらに、向かい合う面同士がほぼ平行になっていると、両面を極めて近づけた配置の撮像光学系OSが実現する。その結果、本発明の撮像光学系OS自体のサイズが小型になりやすい。
ところで、光学プリズムPRには、透過面(入射面・射出面)と反射面とが含まれるようになっている。そして、透過面がパワーを有する場合、そのパワーに起因して、撮像光学系OSの結像性能を低下させる色収差が必然的に生じ、例えば撮像素子SRの結像面上に、色にじみの現象が現れる。このような現象を回避するために、光学プリズムPRにおける透過面と反射面とのパワー分担を調整する方策がある。例えば、透過面よりも大きなパワーを反射面に負担させる方策が挙げられる。
かかるような方策の場合、透過面のパワー負担の減少に起因して色収差の抑制を図れるが、弊害も生じてくる。例えば、反射面が過剰にパワー負担するとともに偏芯配置されている場合、過剰なパワー負担と偏芯配置とが相まって、偏芯特有の諸収差(偏芯コマ収差、偏芯非点収差等)が生じやすくなる。そして、このような偏芯特有の諸収差は、撮像光学系OSの結像性能を著しく劣化させる。そのために、かかるような方策では、撮像素子SRのハイスペック化に伴う高性能化(高い解像力や高い収差補正能力等)が実現できない。
すると、透過面にもある程度パワーを負わせることが、偏芯した反射面による特有の諸収差の抑制につながることになる。しかし、透過面がパワーを有するようになると、上記したように色収差が生じてしまう。つまり、反射面がパワー負担した場合であっても、透過面がパワー負担した場合であっても、何らかの諸収差が生じることになる。
そこで、本発明の撮像光学系OSは、反射面に過剰なパワーを負担させないようにして、偏芯特有の諸収差を抑制する一方、透過面にある程度のパワーを負担させるものの、生じる色収差を相異なる光学プリズムPRのアッベ数の差異で補正している。具体的には、複数の光学プリズムPRに含まれる2個の光学プリズムPRから成る組合わせの少なくとも1組が、以下の条件式(1)を満たすと望ましい。
νd(F)−νd(L)>20 … 条件式(1)
ただし、
νd(F):2個の光学プリズムPRから成る組において、先に受光する光学プリズ
ムPRが有するd線に対するアッベ数
νd(L):2個の光学プリズムPRから成る組において、後に受光する光学プリズ
ムPRが有するd線に対するアッベ数
である。
かかる条件式(1)を満たす場合、組において、先に受光する光学プリズムPRのアッベ数が大きくなる一方、後に受光する光学プリズムPRのアッベ数が小さくなる。すると、当然ながらアッベ数の差異が生じ、色収差補正に望ましい撮像光学系OSが実現することになる。
また、特に、本発明の撮像光学系OSは、全系の焦点距離の長い場合に撮像光学系OSの全長を短くできるテレフォトタイプ{先(前群)に正のパワー、後(後群)に負のパワーが配置}になっていると望ましい。このようなタイプになっているのは、撮像素子SRのハイスペック化(高画素化)に対応するためである。
この理由を詳説すると、撮像素子SRがハイスペック化するとき、それにともない撮像素子SRのサイズが大型化する場合があり、かかる場合、像高(Y’)も高くなり、長い焦点距離(f)が必要になるためである。つまり、像高が高くなると、撮像光学系OSは同じ画角(θ)の光線を取得するときでも、低い像高の場合に比べて、焦点距離(f)を長くしなければならない。そのため、テレフォトタイプの撮像光学系OSが望ましいことになる。
さらに、テレフォトタイプの撮像光学系OSの場合、先に正のパワー、後に負のパワーが配置することになるので、条件式(1)を満たすと、先に光を受光する正パワーの光学プリズムPRが低分散となり、後に光を受光する負パワーの光学プリズムPRが高分散となる。そのため、一層効率よく色収差補正できる撮像光学系OSが実現することになる。
また、本発明のように、入射光軸に対して光路を例えば垂直方向に折り曲げる撮像光学系OSの場合、光束幅と撮像光学系OSの厚みとの関連性が高い。まず、正パワーによる光束の収斂により、光束が細くなり、撮像光学系OSが小型化(薄型化)する。かかる場合、条件式(1)のように、先に受光する光学プリズムPRのアッベ数が大きく、後に受光する光学プリズムPRのアッベ数が小さければ、色収差が効率よく補正される。したがって、本発明のような偏芯した撮像光学系OSは、条件式(1)を満たすと、十分な色補正を行うとともに小型化するので、ハイスペック化した撮像素子SRに対し、適しているといえる。
なお、実施例1における条件式(1)の値は、「25.82」になっている。
また、条件式(1)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(1a)の範囲を満たすほうが望ましい。
νd(F)−νd(L)>25 … 条件式(1a)
ところで、偏芯配置になった反射面等が撮像光学系OSに含まれる場合、アッベ数の差異の観点から有利な効果も生じる。そこで、かかる効果について詳説する。
まず、共軸光学系(偏芯配置した反射面を用いない光学系)でのアッベ数と色収差との関係について説明する。例えば共軸光学系で、全系が正のパワーを有する場合、下記関係式(イ)が導き出される。この関係式(イ)は、各透過面のパワーの絶対値の和が「正」であることをもって全系のパワーが「正」と定義されることから導き出される。
|φ(+)|>|φ(−)| … 関係式(イ)
ただし、
|φ(+)|:正のパワーを有する透過面の絶対値
|φ(−)|:負のパワーを有する透過面の絶対値
である。
また、各透過面のパワーとアッベ数とから、色収差の目安となる下記関係式(ロ)が導き出される。
|φ(+)/ν(+)+φ(−)/ν(−)| … 関係式(ロ)
ただし、
ν(+):正のパワーを有する透過面を構成する材質のアッベ数
ν(−):負のパワーを有する透過面を構成する材質のアッベ数
である。
そして、この関係式(イ)・(ロ)から色収差の抑制を図るためには{すなわち、関係式(ロ)の絶対値を小さくするには(望ましくは「0」(ゼロ)にするためには)}、下記関係式(ハ)が導き出される。
ν(+)>ν(−) … 関係式(ハ)
すると、関係式(ハ)から、正パワーの透過面における構成材質のアッベ数が低分散であり、負パワーの透過面における構成材質のアッベ数が高分散であることが望ましいことがわかる。
ここで一例を挙げる。例えば、ν(−)=25で、|φ(+)|=2、|φ(−)|=1の場合に、関係式(ロ)の値を「0」に近づけようとするならば、ν(+)が50{ν(+)=50}になっていることが望ましい(一例a)。また、ν(−)=25で、|φ(+)|=3、|φ(−)|=1の場合に、関係式(ロ)の値を「0」に近づけようとするならば、ν(+)が75{ν(+)=75}になっていることが望ましい。
すると、共軸光学系での色収差補正の場合、正パワーを有する透過面のパワーの絶対値と負パワーを有する透過面のパワーの絶対値との比率関係(パワーの比率関係)と同様の比率関係が、正パワーの透過面における構成材質のアッベ数と負パワーの透過面における構成材質のアッベ数との比率関係(アッベ数の比率関係)においても必要といえる。
しかし、本発明は、偏芯配置された光学作用面(反射面)を含む撮像光学系OSである。そのため、光学素子をプリズム光学素子として捉えると、共軸光学系での色収差に要するようなアッベ数の比率関係は、必ずしも必要とされない(すなわち、アッベ数の設定の自由度が増す)。例えば、一例aのように、ν(−)=25で、|φ(+)|=2、|φ(−)|=1の場合であっても、本発明の撮像光学系OSの場合、光学素子をプリズム光学素子として捉えることにより、必ずしも、ν(+)が50でなくてもよい。
これは、偏芯配置した反射面のパワーがプリズム光学素子のパワーに影響を及ぼし、結果的に、反射面のパワーも色収差に影響を与えるためである。詳説すると、反射面が適切な正パワーまたは負パワーを発揮することで、透過面のパワーを自由に設定できるため、結果的に、色収差の補正にも寄与できるということである。したがって、パワーの比率関係に依存せず、正パワーのプリズム光学素子における構成材質のアッベ数と負パワーのプリズム光学素子における構成材質のアッベ数との差異が小さくとも、本発明の撮像光学系OSは有効な色収差補正を行える。また逆に、アッベ数の比率関係がパワーの比率関係に依存しないともいえる。
以上から、本発明の撮像光学系OSは、偏芯配置になった反射面等を含むことによって、共軸光学系での色収差に要するようなアッベ数の比率関係を必ずしも要せず、アッベ数の設定の自由度を増加させているといえる。
ただし、撮像光学系OS内に偏芯配置の光学作用面がある場合、像面中心(軸上)においても、偏芯コマ収差や偏芯非点収差が生じ得る。その上、偏芯配置の光学作用面の影響により、アッベ数の差異を用いた補正のみでは色収差を完全に除去できないこともある。そのため、偏芯色コマ収差や偏芯色非点収差等が生じてしまう。このような偏芯特有の収差と色収差との相まった偏芯色コマ収差や偏芯色非点収差等の補正には、撮像光学系OS内の光学プリズムPRのアッベ数の適切な設定に加え、撮像光学系OS内の光学作用面における少なくとも2面の透過面が、非回転対称面になっていると望ましい。
かかるようになっていれば、例えば、ある非回転対称な透過面に起因して偏芯色コマ収差が生じたとしても、別の透過面を非回転対称面にし、生じている偏芯色コマ収差と逆方向の偏芯色コマ収差を生じさせることができる。すると、偏芯色コマ収差同士が相殺することになる。したがって、かかるような撮像光学系OSでは、ある1面の非回転対称な透過面によって生じる偏芯色コマ収差等を、別の非回転対称な透過面が補正できるといえる。
ところで、光学プリズムPRのパワーは、透過面と反射面とのパワーの和になるが、このパワー配分を適切に設定しなければ、十分な高性能の撮像素子SRが実現しない。例えば、本発明は、透過面にはある程度のパワーを負担させるものの、色収差を相異なる光学プリズムPRにおけるアッベ数の差異を用いることで補正する撮像光学系OSである。しかし、既知の材質のアッベ数が限られているため、アッベ数の差異の範囲はある程度限定されてくる。そのため、アッベ数の差異を用いた色収差補正には限界があり、例えば透過面のパワーが過剰になっていると、色収差補正できない場合が生じ得る。
また、透過面(屈曲面)のパワーが過剰な場合、別の弊害も生じ得る。その弊害について、共軸光学系での一般的なパワーを示す関係式を用いて説明する。共軸光学系では、透過面のパワーは下記関係式(チ)で表される一方、反射面のパワーは下記関係式(リ)で表される。
(n―n’)/r(REFR) … 関係式(チ)
2n’/r(REFL) … 関係式(リ)
ただし、
n :光が屈曲(または反射)する前の媒質が有する屈折率
n’ :光が屈曲(または反射)した後の媒質が有する屈折率
r(REFR):透過面の曲率半径
r(REFL):反射面の曲率半径
である。
そして、透過面のパワーと反射面のパワーとが同じになる場合{関係式(チ)の値と関係式(リ)の値が同じ場合}、透過面の曲率半径と反射面の曲率半径との比率関係は、下記関係式(ヌ)のように定まる。
r(REFR)/r(REFL)=(1/2)×(1−n/n’) … 関係式(ヌ)
すると、例えば、n=1でn’=2の場合、関係式(ヌ)の値は1/4となる。また、n=1でn’=1.5の場合、関係式(ヌ)の値は1/6となる。これらの結果を鑑みると、透過面のパワーと反射面のパワーとが同じ場合、透過面の曲率半径{r(REFL)}のほうが、反射面の曲率半径{r(REFL)}よりも小さくなる。これは、反射面が透過面と同じパワーを発揮しようとする場合、透過面の曲率のほうが、反射面の曲率よりもきつくなることを意味する。したがって、透過面のパワーが過剰な場合に生じる諸収差は、反射面のパワーに起因する諸収差よりも、発生しやすいといえる(諸収差が大きくなりやすいといえる)。
このような現象は、本発明のような偏芯した撮像光学系OSの場合にも該当する。そのため、本発明の撮像光学系OSは、透過面のパワー負担が過剰にならないようにしている。具体的には、本発明の撮像光学系OSでは、複数の光学プリズムPRにおける少なくとも1個の光学プリズムPRが、以下の条件式(2)を満たすと望ましい。
0.2<Σ|φREFR|/Σ|φREFL|<100.0 … 条件式(2)
ただし、
Σ|φREFR|:1個の光学プリズムPRに含まれる各透過面が有するパワーの絶対値
の和
Σ|φREFL|:1個の光学プリズムPRに含まれる各反射面が有するパワーの絶対値
の和
である。
この条件式(2)は、光学プリズムPRにおける透過面および反射面に対するパワー配分を規定している。そして、例えば条件式(2)の値が上限値以上の場合、透過面のパワー負担が過剰になっているため、アッベ数の差異を用いた色収差補正が十分にできない。その上、透過面のパワーに起因する諸収差が発生しやすくなり、高性能な撮像光学系OSが実現できないことになる。
一方、条件式(2)の値が下限値以下の場合、反射面のパワー負担が過剰になっている。かかる場合、加工誤差に起因する弊害が生じる。なぜなら、加工誤差による反射面の曲率半径の誤差は、透過面の曲率半径の誤差による性能変動に比べて、4倍程度の影響を及ぼすためためである。つまり、反射面のパワー負担が過剰になると、加工誤差に起因する性能変動が顕著に現れやすくなって、例えば諸収差を抑制した撮像光学系OSの組立(製造)が実現できない。
すると、条件式(2)の範囲内であれば、撮像光学系OSにおける透過面と反射面との調和(バランス)がとれることになり、色収差補正やその他の諸収差を抑制した撮像光学系OSが実現する。したがって、本発明は、撮像素子SRのハイスペック化に伴う高性能化を実現した(高い収差補正能力の発揮できる)撮像光学系OSといえる。
なお、条件式(2)は、詳説すると、水平方向(X)と垂直方向(Y)との双方において独立して成立するようになっている。そのため、条件式(2)は、以下の条件式(2sub1)または条件式(2sub2)のように表現することもできる。
0.2<Σ|φREFR(X)|/Σ|φREFL(X)|<100.0 … 条件式(2sub1)
0.2<Σ|φREFR(Y)|/Σ|φREFL(Y)|<100.0 … 条件式(2sub2)
ただし、
物体中心から絞り中心を通り、像面中心に向かう光をベース光線とした場合、
Σ|φREFR(X)|:各透過面がベース光線との交点で有する水平方向のパワーの絶対 値の和
Σ|φREFL(X)|:各反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワーの絶対 値の和
Σ|φREFR(Y)|:各透過面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワーの絶対 値の和
Σ|φREFL(Y)|:各反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワーの絶対 値の和
である。
そして、実施例1における条件式(2){条件式(2sub1)または条件式(2sub2)}の値は、下記のようになっている。
第1光学プリズムPR1の条件式(2sub1)の値=1.00
第1光学プリズムPR1の条件式(2sub2)の値=1.00
第2光学プリズムPR2の条件式(2sub1)の値=1.14
第2光学プリズムPR2の条件式(2sub2)の値=1.00
なお、条件式(2)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(2a)の範囲を満たすほうが望ましい。
0.5<Σ|φREFR|/Σ|φREFL|<50.0 … 条件式(2a)
ただし、この条件式(2a)は、下記の条件式(2sub1a)または条件式(2sub2a)にもなり得る。
0.5<Σ|φREFR(X)|/Σ|φREFL(X)|<50.0 … 条件式(2sub1a)
0.5<Σ|φREFR(Y)|/Σ|φREFL(Y)|<50.0 … 条件式(2sub2a)
さらに詳説すると、条件式(2a)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(2b)の範囲を満たすほうが一層望ましい。
1.0<Σ|φREFR|/Σ|φREFL|<30.0 … 条件式(2b)
ただし、この条件式(2b)は、上記同様、下記の条件式(2sub1b)または条件式(3sub2b)にもなり得る。
1.0<Σ|φREFR(X)|/Σ|φREFL(X)|<30.0 … 条件式(2sub1b)
1.0<Σ|φREFR(Y)|/Σ|φREFL(Y)|<30.0 … 条件式(2sub2b)
ところで、本発明の撮像光学系OSでは、複数の光学プリズムPRにおける少なくとも1個の光学プリズムPR(実施例1では第1光学プリズムPR1)が正パワーを有している。このように、正パワーの光学プリズムPRが含まれている場合、撮像光学系OSにおけるその正パワーの配分を適切にする必要がある。
例えば、正パワーを有する光学プリズムPRが撮像光学系OS内に存在すると、正パワーに起因したアンダーの像面湾曲が発生する。このような像面湾曲を補正するためには、撮像光学系OS内に、正パワーに対応した負パワー(負パワーを有する光学作用面)が必要とされる。
しかし、正のパワーが適切ではなく、例えば強すぎると、その強さに対応して負のパワーも強くしなければならない。しかし、全系のパワーが正である必要より、負の光学作用面は、光線高さのOS低い絞り近辺に配置される。かかる場合、比較的強い負の光学作用面に起因して大きなコマ収差が生じ、撮像光学系の結像性能が著しく劣化してしまう。また、偏芯した撮像光学系ゆえに生じる偏芯非点収差も顕著に発生することから、さらに、撮像光学系OSの結像性能が低下する。かかるような事情から、正の光学プリズムPRのパワーが適切に設定されることが、高性能な撮像光学系OSの要件ともいえる。そこで、正のパワーを有する各々の光学プリズムPRが、下記条件式(3)を満たすことが望ましい。
0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
ただし、
φp :正のパワーを有する光学プリズムPRでの水平方向のパワーと垂直方向の
パワーとを平均したパワー
φALL :撮像光学系OS(全系)における水平方向のパワーと垂直方向のパワーと
を平均したパワー
である。
この条件式(3)は、全系のパワーに対する正パワーの光学プリズムPRのパワー比率を規定する式である。そして、この条件式(3)は、光学プリズムPRの正のパワー(合成の正パワー)に基づいて、撮像光学系OSの小型化と高性能化とを実現するための範囲を規定している。
具体的には、条件式(3)の上限値以上の場合、正の光学プリズムPRのパワーが強くなりすぎ、コマ収差、非点収差が発生する。そのため、撮像光学系OSの性能が劣化する。一方、条件式(3)の下限値以下の場合、正の光学プリズムPRのパワーが弱くなりすぎ、全系に対する正の光学プリズムPRのパワー寄与が小さくなる。そのため、撮像光学系OSの小型化が困難になる。したがって、条件式(3)の範囲内では、本発明は、小型でありながら、収差発生を抑制した(高性能化した)撮像光学系になる。
なお、実施例1における条件式(3)の値、すなわち第1光学プリズムPR1に対応する条件式(3)の値は、「0.99」になっている。
また、条件式(3)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(3a)の範囲を満たすほうが望ましい。
0.05<φp/φALL<5.0 … 条件式(3a)
さらに詳説すると、条件式(3a)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(3b)の範囲を満たすほうが一層望ましい。
0.2<φp/φALL<3.0 … 条件式(3b)
また、条件式(3b)の規定する範囲のなかでも、下記条件式(3c)の範囲を満たすほうがさらに一層望ましい。
0.5<φp/φALL<2.0 … 条件式(3c)
なお、さらに効果的な収差補正を行うために、複数の光学プリズムPRにおける光学作用面において、少なくとも1面が自由曲面であってもよい。例えば、光学作用面における水平方向の形状と垂直方向の形状とを異なるようにした自由曲面があれば、偏芯光学系ゆえに発生する軸上の非点収差等も効果的に補正できるためである。
ところで、本発明の撮像光学系OSに含まれる光学プリズムPRの材質は、特に限定されるものではない。つまり、光学プリズムPRの材質は、ガラスであっても樹脂(プラスチック材料等)であってもよく、光学材料として用いられる材質であればよい。ただし、温度(熱)等による依存性の少ない材料が好ましい。そこで、光学プリズムPRに樹脂材料を用いる場合、本発明の撮像光学系OSは、温度依存性の低い樹脂(アサーマル樹脂)を用いるようになっている。
より詳説すると、光学プリズムPRは、温度による屈折率変化(光学的変移;アッベ数等の変化も含む)の比較的少ないアサーマル樹脂を含むようになっている(なお、アサーマル樹脂は、光学プリズム内に部分的に含まれていても全体に含まれていてもよい)。また、特性の異なるアサーマル樹脂を混合させてもよい。こうすることにより、互いに温度による変化を打ち消し合う効果が得られるためである。
かかるような屈折率変化の少ない樹脂材料が光学プリズムPRに含まれると、撮像光学系OSにおいて、温度変化に基づく屈折率変化に起因した像点位置の変化が抑制される。また、本発明の撮像光学系OSは、偏芯した光学作用面を有している。そのため、軸上で、非点隔差等が生じやすい。しかし、屈折率変化の抑制された樹脂(アサーマル樹脂)から成る光学プリズムであれば、効果的に非点隔差等も抑制される。
なお、このようなアサーマル樹脂の一例として、樹脂(母材)内に最大長30nm以下の粒子{子材;例えば、酸化ニオブ(Nb25)}を分散させたものが挙げられる(特開2005−55852号公報参照)。かかるような樹脂(混合樹脂)では、温度上昇に伴った樹脂による屈折率低下と、温度上昇に伴った粒子の屈折率上昇とが同時に発生する。そのため、両方の温度依存性(屈折率低下・屈折率上昇)が互いに相殺され、屈折率変化が起こりにくくなっている。
ここで、温度依存性による屈折率低下と温度依存性による屈折率上昇とによる相殺について、例を挙げて詳説する。温度に依存する屈折率の変化は、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて屈折率ndを温度tで微分することにより、下記の屈折率温度変化式で表される。
Figure 2007199541
… 屈折率温度変化式
ただし、
α :線膨張係数
[R]:分子屈折
である。
そして、いくつかの樹脂(母材)・無機微粒子(子材)における屈折率温度変化式の値(温度変化A=dnd/dt)を求めると、下記の表5・表6のようになる(なお、単位は[/℃]である)。
Figure 2007199541
Figure 2007199541
本発明の撮像光学系OSの光学プリズムは、酸化ニオブを分散させた混合材料に限らず、上記の表5の樹脂に対して、表6の無機微粒子を分散させた混合材料で構成されてもよい(例えばポリオレフィン系の樹脂に酸化アルミニウムを分散させた混合材料で構成されてもよい)。
すると、混合材料(混合樹脂)中には、Aの符号(−)の樹脂と、Aの符号(+)の無機微粒子とが混在することになる。つまり、相反する符号の樹脂・無機微粒子が混合することになる。したがって、光学プリズムにおいて、温度上昇に伴った樹脂による屈折率低下(第1性質)と、温度上昇に伴った無機微粒子の屈折率上昇(第2性質)とが効果的に相殺されることがわかる。特に、かかる相殺が生じることから、樹脂に対する無機微粒子の比率が少なくとも、十分に光学プリズムの屈折率変化が抑制される。
また、混合材料中において、Aの符号(−)の樹脂とAの符号(+)の無機微粒子との混合の割合が種々調整されることにより、混合樹脂が、Aの符号(−)の樹脂や混合樹脂ではあるものの符号(−)のAを有するものとは異なって、(+)の符号Aを有するようにもなり得る。また、そのような樹脂材料を光学系の一部に使用することにより、個々の光学素子における温度変化による影響を全系で打ち消すようにもできる。かかる場合、光学系全体での温度変化による像点移動、非点隔差の増大を小さくすることも可能になる。
また、樹脂に対する無機微粒子の分散量等が適宜調整されることで、アサーマル樹脂に新たな性質変化が生じる場合もある。例えば、無機微粒子を混合することによって、樹脂、ひいてはアサーマル樹脂の線膨張係数が比較的小さくなるというような性質変化は一例といえる。
なお、かかるような性質変化や上記した温度依存による屈折率変化の小さくなる性質を生じさせる方法は、分散量の調整に限定されるものではない。例えば、無機微粒子の「A」の絶対値{Aの符号(+)}が比較的大きなものを、樹脂材料に分散させてもよい。また、かかるような「A」の性質を備える他の材料(有機微粒子等)を分散させてもよい。
ところで、樹脂と無機微粒子とのAの符号が同じであっても、温度変化にともなう光学プリズムの屈折率変化を小さくすることもできる。例えば、同符号であってもAの絶対値が樹脂に比べて小さい無機微粒子の場合、その無機微粒子を含む混同樹脂の屈折率変化は、樹脂単独での屈折率変化に比べて小さくなる。つまり、無機微粒子を含むことによって、混同樹脂は、樹脂単独よりも温度変化に依存した屈折率変化を小さくできるようになっている。ただし、樹脂と異なるAの符号を有する無機微粒子を分散させた方が、樹脂と同符号のAを有する無機微粒子を分散させる場合に比べて、分散量を少なくできる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施例1の撮像光学ユニットOSUは、光学プリズムPRを2個含むようになっていた。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、3個の光学プリズムPRを含む撮像光学ユニットOSU(撮像光学系OS)であってもよい。
〔1.その他の実施例2〜4の撮像光学ユニットについて(図8〜図22参照)〕
そこで、以下に3個の光学プリズムPRを含む撮像光学ユニットOSU(実施例2〜4)について、図8〜図22を用いて説明する説明する。なお、図8・図13・図18は、実施例2・実施例3・実施例4の光学断面図を示し、図9〜図12・図14〜図17・図19〜図22は、実施例2・実施例3・実施例4の横収差図を示している。
また、実施例2の撮像光学ユニットOSUでは、光学絞りSTが光学作用面に設けられるようになっている一方、実施例3・4は、独立した光学絞りSTが光学プリズムPR同士の間に設けられるようになっている。そのため、以下では、実施例2と、実施例3・4とを分けて説明する。
〈1−1.実施例2の撮像光学ユニットの構成について(図8〜図12参照)〉
図8に示すように、実施例2の撮像光学ユニットOSUは、撮像光学系OS(第1光学プリズムPR1〜第3光学プリズムPR3)と撮像素子SRとを含んでいる。
《第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、3つの光学作用面(s2〜s5)を有している。なお、第1面s1は、実施例1同様に、ダミー面(基準面;各面頂点位置を表すための面)になっている。したがって、物体側からの光を最初に受けるとともに透過する面(入射面)は、図8では、第2面s2と表記されている。そして、第3面s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
また、第4面s4は、第3面s3によって反射されてきた光(反射光)を、第5面s5に向けて反射させる反射面になっている。なお、図8に示すように、第2面s2および第4面s4は、透過と反射との両機能を備えるTIR面になっている。
そして、第5面s5は、第4面s4からの反射光を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。なお、この第5面s5と後述の第6面s6とは、対向配置になっている。
《第2光学プリズムについて》
一方、第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1を通過してきた光を第3光学プリズムPR3へと導くものである。そして、この第2光学プリズムPR2は、3つの光学作用面(s6〜s8)を有している。
第6面s6は、第1光学プリズムPR1からの光を最初に受けるとともに透過する入射面になっている。そして、第7面s7は、第6面s6を通過してきた光(透過光)を第8面s8に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第8面s8は、第7面s7からの光(反射光)を、第3光学プリズムPR3に向けて射出させる射出面になっている。
なお、第6面s6には、光学絞りST(例えば円形の絞り形状を有する光学絞り)が施されるようになっている。また、第8面s8と後述の第9面s9とは、対向配置になっている。
《第3光学プリズムについて》
第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムPR2を通過してきた光を撮像素子SR(像面s12)へと導くものである。そして、この第3光学プリズムPR3は、3つの光学作用面(s9〜s11)を有している。
第9面s9は、第2光学プリズムPR2からの光を最初に受けるとともに透過する入射面になっている。そして、第10面s10は、第9面s9を通過してきた光を第11面s11に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第11面s11は、第10面s10からの光を、撮像素子SR(像面s12)に向けて射出させる射出面になっている。
《実施例2のコンストラクションデータについて》
ここで、実施例2の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータを表7〜表10に示す。なお、表7が表1に、表8が表2に、表9が表3に、表10が表4に、対応した同様の表現になっている。
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
《実施例2の収差図について》
なお、実施例2の横収差を示す図9〜図12は、実施例1の横収差を示す図2〜図5と同様の表現になっている。
〈1−2.実施例3・4の撮像光学ユニットの構成について(図13〜図22参照)〉
実施例3・4の撮像光学ユニットOSUは、第1光学プリズムPR1、光学絞りST、第2光学プリズムPR2、第3光学プリズムPR3から成る撮像光学系OSと、撮像素子SRとを含んでいる。
《第1光学プリズムについて》
第1光学プリズムPR1は、4つの光学作用面(s2〜s5)を有している。なお、第1面s1は、実施例1同様、ダミー面(基準面)になっている。したがって、物体側からの光を最初に受けるとともに透過する面(入射面)は、図13・図18では、第2面s2と表記されている。そして、第3面s3は、第2面s2を透過(通過)してきた光を、第4面s4に向けて反射させる反射面になっている。
また、第4面s4は、第3面s3によって反射されてきた光(反射光)を、第5面s5に向けて反射させる反射面になっている。なお、図13・図18に示すように、第2面s2および第4面s4は、透過と反射との両機能を備えるTIR面になっている。
そして、第5面s5は、第4面s4からの反射光を、第2光学プリズムPR2に向けて射出(透過)させる射出面(透過面)になっている。なお、この第5面s5と後述の第7面s7とは、対向配置になっている。
《光学絞りについて》
光学絞りSTは、円形等の絞り形状を有しており、第1光学プリズムPR1の第5面s5と第2光学プリズムPR2の第7面s7との間に位置するように設けられている。なお、この光学絞りSTは、光の通過する第6面s6とも称される。
《第2光学プリズムについて》
第2光学プリズムPR2は、第1光学プリズムPR1を通過するととも光学絞りSTによって一部遮光された光を第3光学プリズムPR3へと導くものである。そして、この第2光学プリズムPR2は、3つの光学作用面(s7〜s9)を有している。
第7面s7は、第1光学プリズムPR1からの光を最初に受けるとともに透過する入射面になっている。そして、第8面s8は、第7面s7を通過してきた光(透過光)を第9面s9に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第9面s9は、第8面s8からの光(反射光)を、第3光学プリズムPR3に向けて射出させる射出面になっている。なお、第9面s9と後述の第10面s10とは、対向配置になっている。
《第3光学プリズムについて》
第3光学プリズムPR3は、第2光学プリズムPR2を通過してきた光を撮像素子SR(像面s13)へと導くものである。そして、この第3光学プリズムPR3は、3つの光学作用面(s10〜s12)を有している。
第10面s10は、第2光学プリズムPR2からの光を最初に受けるとともに透過する入射面になっている。そして、第11面s11は、第10面s10を通過してきた光を第12面s12に向けて反射させる反射面になっている。さらに、第12面s12は、第11面s11からの光を、撮像素子SR(像面s13)に向けて射出させる射出面になっている。
《実施例3・4のコンストラクションデータについて》
ここで、実施例3・4の撮像光学ユニットOSUにおけるコンストラクションデータを、表11〜表18に示す。なお、表11〜表14が実施例3、表15〜表18が実施例4を示すようになっている。そして、表11・表15が表1に、表12・表16が表2に、表13・表17が表3に、表14・表18が表4に、対応した同様の表現になっている。
《実施例3のコンストラクションデータ》
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
《実施例4のコンストラクションデータ》
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
Figure 2007199541
《実施例3・4の収差図について》
なお、実施例3の横収差を示す図14〜図17、および実施例4の横収差を示す図19〜図22は、実施例1の横収差を示す図2〜図5と同様の表現になっている。
〔2.本発明における種々の特徴の一例について〕
以上のような実施例2〜4の撮像光学ユニットOSU(撮像光学系OS)は、実施の形態1にて説明した種々の特徴の全てを有するようになっている。したがって、それらの特徴に対応する作用効果が、実施例2〜4の撮像光学ユニットOSUにおいても発揮される。
そこで、実施例2〜4を条件式(1)〜条件式(3)に対応させた結果を表19〜表21に示す。なお、これらの表には、便宜上、実施例1の結果も記している。
《条件式(1)の結果》
Figure 2007199541
《条件式(2)の結果》
Figure 2007199541
《条件式(3)の結果》
Figure 2007199541
なお、表21に示すように、実施例2の撮像光学系OSは、第2光学プリズムPR2が正のパワーを有するようになっている。一方、実施例3・4の撮像光学系OSは、第1光学プリズムPR1・第2光学プリズムPR2が正のパワーを有するようになっている。
また、小型化の観点から、撮像光学系OSの複数の光学プリズムPRにおける少なくとも1個の光学プリズムPR(実施例2〜4では例えば第2光学プリズムPR2)が、光を受光する入射面、入射面から進行してくる光を反射させる反射面、および、反射面から反射進行してくる光を射出させる射出面、を1面ずつ有するようになっていると望ましい。
このような光学プリズムPRは、シンプルな構造のために、撮像光学系OSの小型化に寄与できる。また、シンプルな構造のために、製造の簡易化やコストダウンを図れる光学プリズムPRにもなっている。そのため、かかる光学プリズムPRを使用する撮像光学系OSも、製造の簡易化やコストダウンを図ることができる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。ただし、本発明の撮像光学系OSは、アッベ数の差異によって色収差補正を行うようになっている。そのため、平面のようなパワーのない光学作用面を有する光学素子(平行平面板等)のアッベ数と、他の光学素子(光学プリズム等)とのアッベ数とを異ならせたとしても、アッベ数の差異による色収差補正の効果は低いといえる。
〔1.反射面の反射率について〕
種々の変更の一例としては、例えば、撮像光学系OSにおいて複数含まれる反射面の全てが、反射率80%以上であることが好ましい。撮像光学系(全系)OSの反射率は、各反射面の掛け算で求められるためである。しかし、別表現すると、撮像光学系OSとして反射率を向上させるためには、複数含まれる反射面の少なくとも1面が反射率80%以上であればよいともいえる。少なくとも1面でも反射率が80%以上であれば、撮像光学系OSの反射率の向上に大きく寄与するためである。
〔2.反射面の領域について〕
また、光学プリズムPRの反射面は、反射領域と吸収領域とを含むような構成でもよいし、反射領域と遮光領域とを含むような構成でもよい。あるいは、光学プリズムPRの反射面は、反射領域と透過領域とを含むような構成でもよい。つまり、光学プリズムPRの反射面が、反射領域と非反射領域(吸収領域、遮光領域、透過領域等)とを含むような構成でもよい。
かかる構成であれば、例えば反射面の非反射領域と、反射面の端部(エッジ)との位置を対応させることができる。すると、エッジでの反射に起因する迷光が起こり得ない。また、この反射面の非反射領域を、光学プリズムPRを撮像装置等に取り付けるための保持部分として機能させることもできる。
〈2−1.反射領域の特徴について〉
なお、反射面における反射領域にも、種々の特徴があってもよい。例えば反射領域が、鏡面状態でもよい。かかる構成であれば、反射領域上に、凹凸や波打ち形状(リップル)が存在しないことになる。そのため、反射領域上で、リップル等に起因した迷光が生じることなく、さらに反射効率も向上する。
また、反射コート等が施されることで、反射領域が形成されてもよい。かかるような構成であれば、所望の位置のみを反射領域として機能させることができる。例えば光学絞りST等の有効径内(有効範囲内)に対応する部分のみを反射領域にできる。
なお、反射領域に施される反射コートとしては、種々のコーティングが挙げられる。そこで、下記にいくつかのコーティングとその特徴について列挙する。
・アルミ蒸着のコーティング
かかるコーティングは、比較的高い反射率を発揮する。その上、比較的安価なコー ティングである。
・アルミ増反射のコーティング
かかるコーティングは、比較的高価ではあるがアルミ蒸着のコーティングよりも高 い反射率を発揮する。
・誘電体のコーティングおよび銀蒸着のコーティング
両コーティングとも、比較的高価ではあるが極めて高い反射率を発揮する。そのた め、光が複数回の反射を繰り返す場合であっても、光量損失が抑制される。
すると、光学プリズムPRにおける全ての反射面がアルミ蒸着コーティング面で構成される場合、反射面形成のコストが抑えられ、ひいては光学プリズムPR自体のコストも抑制される。しかしながら、その光学プリズムPR全体の反射率は、他のコーティングの面(誘電体のコーティング面等)で構成される光学プリズムPRの反射率に比べて、低い反射率になってしまう。逆に、光学プリズムPRにおける全ての反射面が誘電体コーティング面で構成される場合、極めて高い反射率のために、光学プリズムPR全体の反射率は高くなる。しかしながら、高価なコーティングゆえに、光学プリズムPR自体のコストが上昇してしまう。
そこで、本発明の撮像光学系OSでは、光学プリズムPRの反射面として、上記のコーティングの反射面(アルミ蒸着コーティング面、アルミ増反射コーティング面、誘電体コーティング面、または銀蒸着コーティング面)が混在するようにしてもよい。かかるような構成であれば(例えば、4種の面から複数種を選択するような構成であれば)、コストを抑制させつつつも、反射率を向上させた光学プリズムPRが実現するためである。
〈2−2.非反射領域の特徴について〉
また、反射面における非反射領域(特に吸収領域・遮光領域)にも、種々の特徴があってもよい。例えば、非反射領域が、粗研削されることで形成されてもよい。粗研削は、例えばカーブジェネレータを利用する。そのため、比較的簡単に反射面の所望の領域が、非反射領域へと仕上げられる。また、粗研削自体のコストも安価というメリットもある。
また、非反射領域は、粗面加工されることで形成されてもよい。粗面加工は、例えば金型プレスによって行われる。具体的には、金型の一部を粗くしたプレス加工によって行われる。そのため、比較的簡単かつ安価に反射面の所望の領域が、非反射領域へと仕上げられる。なお、粗面加工は、粗い研磨(例えば研磨剤なしの研磨;仕上げなしの研磨)によって行われてもよい。
なお、例えば上記のような方法(粗研削、粗面加工)は、面表面を凹凸等にすることで、非反射領域を形成している。そこで、かかるような方法を用いる場合、反射面上から隆起した微少な片(隆起片;例えばピラミッドのような四角錐)の散点する非反射領域が形成されるようにしてもよい。つまり、光を散乱させるような隆起片を複数備えた非反射領域が形成されてもよい。
このような非反射領域であれば、隆起片近傍で光が減衰するので、迷光を抑制できるというメリットが生じる。ただし、隆起片を含むタイプの非反射領域の形成方法は、上記の方法(粗研削、粗面加工)に限定されるものではない。なお、安価な金型プレス等で、隆起片を含む非反射領域を形成すれば、迷光対策用の別個の部材を設けることなく、光学プリズムPRを撮像光学系OSに組みこむことができるというメリットもある。
ところで、以上のような非反射領域は、反射面に凹凸等の隆起を設けることで構成されている。しかし、非反射領域は、このようなタイプに限定されるものではない。例えば、反射面の一部を黒染することで、非反射領域が形成されてもよい。かかる場合、非反射領域の面自体に変形等が生じない。そのため、その非反射領域の面を、光学プリズムPRの取付位置基準として機能させることができる。
また、非反射領域は、有機溶剤による化学反応によって形成されてもよい。化学反応の場合、複数の反射面をまとめて有機溶剤に浸したり、有機溶剤を一度に複数の反射面に塗布したりできる。そのため、一度で多量の処理(生産)を行えるというメリットがある。また、光学プリズム材料の性質を変化させることで非反射領域が形成されているならば、上記同様、非反射領域の面自体に変形等が生じない。したがって、かかる場合、黒染による非反射領域同様の効果が奏じる。
〔3.好ましいコーティングについて〕
ところで、本発明のような撮像光学系OS(撮像光学ユニットOSU)では、種々の波長域の光が入射している。そして、これら光においては、光を結像するという点で、不要な光(例えば赤外光)も含まれている。しかしながら、CCDのような撮像素子SRは、かかるような赤外光の波長域(長波長域)に対しても感度を有する。そのため、この赤外光に起因して、撮像素子SRの受光面(撮像面)に悪影響が生じる場合がある。
そこで、本発明では、光学プリズムPRにおける面(透過面または反射面)のいずれかに、長波長域の光を吸収するコーティングが施されてもよい。かかる構成であれば、例えば、撮像素子SRの前にIRカットフィルタとして機能する平行平面板等を配置させる必要がなくなる。その結果、コスト抑制の図れた上、高性能な(例えば高解像力を発揮する)撮像光学系OSが実現する。
〔4.光学絞りについて〕
光学絞りSTの配置は、光学プリズムPRの作用面上にも、光学プリズムPR同士の間にも配置可能になっている。つまり、光学絞りSTがどこに配置されていても、本発明を限定するものではない。また、光学絞りSTの形状についても、特に限定されるものではない。例えば、円形であっても楕円形であってもよい。また、多角形状や、非対称な形状の光学絞りSTであってもよい。
本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例1)の光学断面図である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔY)である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例1の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔY)である。 右手系XYZ座標の説明図である。 像面ISにおけるローカルな直交座標の説明図である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例2)の光学断面図である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔY)である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例2の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔY)である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例3)の光学断面図である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔY)である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例3の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔY)である。 本発明の撮像光学系を含む撮像光学ユニット(実施例4)の光学断面図である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるX方向での横収差図(ただしΔY)である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔX)である。 実施例4の撮像光学ユニットにおけるY方向での横収差図(ただしΔY)である。
符号の説明
OS 撮像光学系
OSU 撮像光学ユニット
PR 光学プリズム(プリズム光学素子)
PR1 第1光学プリズム(プリズム光学素子)
PR2 第2光学プリズム(プリズム光学素子)
PR3 第3光学プリズム(プリズム光学素子)
ST 光学絞り
SR 撮像素子
IS 像面
si 光学作用面
* 自由曲面

Claims (10)

  1. 物体側からの光を通過させるプリズム光学素子が少なくとも2個以上有るとともに、
    上記の複数のプリズム光学素子の少なくとも1個が、正のパワーを有し、
    さらに、
    複数の上記プリズム光学素子に含まれる光学作用面の少なくとも1面が、偏芯配置になっているとともに、
    複数の上記プリズム光学素子における相異なるプリズム光学素子に連続して光が進行する場合にあって、一方のプリズム光学素子における光の射出面と、他方のプリズム光学素子における光の入射面とは、対向し、
    加えて、
    複数の上記プリズム光学素子に含まれる2個のプリズム光学素子から成る組合わせの少なくとも1組が、以下の条件式(1)を満たすとともに、
    上記光学作用面における少なくとも2面の透過面が、非回転対称面になっていることを特徴とする撮像光学系;
    νd(F)−νd(L)>20 … 条件式(1)
    ただし、
    νd(F):2個のプリズム光学素子から成る組において、先に受光するプリズム光
    学素子が有するd線に対するアッベ数
    νd(L):2個のプリズム光学素子から成る組において、後に受光するプリズム光
    学素子が有するd線に対するアッベ数
    である。
  2. 上記の複数のプリズム光学素子における少なくとも1個のプリズム光学素子が、以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系;
    0.2<Σ|φREFR|/Σ|φREFL|<100.0 … 条件式(2)
    ただし、
    Σ|φREFR|:1個のプリズム光学素子に含まれる各透過面が有するパワーの絶対値
    の和
    Σ|φREFL|:1個のプリズム光学素子に含まれる各反射面が有するパワーの絶対値
    の和
    である。
  3. 正のパワーを有する上記プリズム光学素子の各々が、以下の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像光学系;
    0.01<φp/φALL<10.0 … 条件式(3)
    ただし、
    φp :正のパワーを有するプリズム光学素子での水平方向のパワーと垂直方向の
    パワーとを平均したパワー
    φALL :撮像光学系における水平方向のパワーと垂直方向のパワーとを平均したパ
    ワー
    である。
  4. 上記の複数のプリズム光学素子に含まれる光学作用面の少なくとも1面が、自由曲面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  5. 上記の複数のプリズム光学素子における少なくとも1個のプリズム光学素子が、
    光を受光する入射面、
    上記入射面から進行してくる光を反射させる反射面、および、
    上記反射面から反射進行してくる光を射出させる射出面、
    を1面ずつ有するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  6. 上記の複数のプリズム光学素子における少なくとも1個は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  7. 上記樹脂は、温度に依存した光学的変移を抑制する特性を有していることを特徴とする請求項6に記載の撮像光学系。
  8. 上記樹脂は、母材および子材を含んでおり、
    上記母材の有する第1性質が、上記子材の有する第2性質によって変質することで、上記光学的変移が抑制されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像光学系。
  9. 上記光学的変移は、温度に依存した上記樹脂の屈折率変化であることを特徴とする請求項7または8に記載の撮像光学系。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の撮像光学系と、この撮像光学系からの光を受光する撮像素子とを含む撮像光学ユニット。
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