JP2007017466A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、斜め方向から画面を見ても、画像の色づきが小さい液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】 本発明の液晶パネルは、液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1偏光子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2偏光子と、該第1偏光子と該液晶セルとの間に配置された第1光学素子とを少なくとも備え、該第1光学素子が、下記式(1)および(2)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第1偏光子の吸収軸と実質的に平行となるように配置されてなる、液晶パネル:
10nm<Re[590] …(1)
|Rth[590]−Re[590]|<10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶セルと偏光子と光学素子とを有する液晶パネルに関する。また、本発明は、上記液晶パネルを用いた液晶テレビおよび液晶表示装置に関する。
現在、テレビ用途で、広く普及している液晶表示装置の駆動モードの一つとして、インプレーンスイッチング(IPS)モードがある。この駆動モードは、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させたネマチック液晶を、横電界によって駆動させて、画像表示を行うものである。上記IPSモードの液晶表示装置は、他の駆動モードの液晶表示装置に比べ、視野角が広いという特徴を有するが、見る角度に伴って変化する画像の色づき(斜め方向のカラーシフトともいう)が大きいといった問題がある。
そこで、この問題を解決するために、偏光子の保護層に、面内および厚み方向の位相差値の小さい高分子フィルム(TAC層)を用いたIPSモードの液晶表示装置が開示されている(特許文献1)。しかしながら、面内および厚み方向の位相差値の小さい高分子フィルムは、フィルム成形時にかかる応力をできる限り小さくする必要があり、製造が困難である。さらに、位相差値を小さくするために、フィルム成形時にかかる応力を低減すれば、高分子フィルムの遅相軸の方向(配向角ともいう)がばらつき易くなり、結果として液晶表示装置の光漏れ量が大きくなる(コントラスト比が低下し、鮮明な画像が表示できない)原因となっている。あるいは、位相差値を小さくするために、厚みを薄くすれば、高分子フィルムの強度が不足したり、作業性が悪くなったりして、結果として偏光板および液晶表示装置の製造工程において、歩留まりを低下させる原因となっている。
特開平10−307291号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、どの角度から画面を見ても画像の色づきが小さい液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す液晶パネル及び液晶表示装置により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1偏光子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2偏光子と、該第1偏光子と該液晶セルとの間に配置された第1光学素子とを少なくとも備え、
該第1光学素子が、下記式(1)および(2)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第1偏光子の吸収軸と実質的に平行となるように配置されてなる。
10nm<Re[590] …(1)
|Rth[590]−Re[590]|<10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルが、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を備える。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルの初期配向方向が、前記第1偏光子の吸収軸および前記第1光学素子の遅相軸と実質的に平行である。
好ましい実施形態においては、上記第1光学素子の厚みが50μm〜200μmである。
好ましい実施形態においては、上記第1光学素子が、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルと該第2偏光子との間に第2光学素子をさらに備え、
該第2光学素子が、下記式(3)および(4)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第2偏光子の吸収軸と実質的に平行または実質的に直交するように配置されてなる。
50nm≦Rth[590]≦200nm …(3)
−200nm≦Rth[590]−Re[590]≦80nm …(4)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
好ましい実施形態においては、上記第2光学素子が、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。
本発明の別の局面によれば、液晶テレビが提供される。この液晶テレビは、上記液晶パネルを含む。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと該液晶セルの一方の側に配置される偏光子との間に、特定の光学特性を有する第1光学素子を、特定の位置関係で用いることによって、斜め方向のカラーシフト量を小さくすることができる。この液晶パネルに用いられる上記第1光学素子は、下記式(1)および(2)を満足する範囲であれば、面内および厚み方向の位相差値は大きくても良い。したがって、位相差値の大きさを実現可能な範囲で自由に設定すること可能となるため、結果として、第1光学素子を偏光子の保護層として用いる場合に、コストや生産性に優れた材料の選択が可能となる。さらに、この第1光学素子に、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムを用いれば、配向角のばらつきや、光弾性係数の絶対値が小さいため、良好な表示特性を有する液晶表示装置が得られる。あるいは、位相差値の大きさに制限されることなく、光学素子の厚みを自由に設定することが可能となるため、結果として、液晶表示装置の表示特性を長時間、高く維持することができる。
10nm<Re[590] …(1)
|Re[590]−Rth[590]|<10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。本発明においては、特に、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を有する液晶セルを備える液晶表示装置において、その効果が顕著である。
A.液晶パネル全体の概略
図1は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。図2(a)は、この液晶パネルが、Eモードを採用する場合の概略斜視図であり、図2(b)は、この液晶パネルがOモードを採用する場合の概略斜視図である。なお、見やすくするために、図1ならびに図2(a)および(b)における、各構成部材の縦、横および厚みの比率は実際とは異なって記載されていることに留意されたい。この液晶パネル100は、液晶セル10と、該液晶セル10の一方の側に配置された第1偏光子21と、該液晶セル10の他方の側に配置された第2偏光子22と、該第1偏光子11と該液晶セルとの間に配置された第1光学素子30とを少なくとも備える。上記第1光学素子30は、下記式(1)および(2)を満足し、ならびに、その遅相軸が上記第1偏光子21の吸収軸と実質的に平行となるように配置されてなる。
10nm<Re[590] …(1)
|Rth[590]−Re[590]|<10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
実用的には、第1偏光子21と第2偏光子22との間には、任意の適切な保護層(図示せず)が配置され得る。このような液晶パネルを含む液晶表示装置は、従来の液晶表示装置に比べ、斜め方向のカラーシフト量が格段に小さいという特徴を有する。
本発明の液晶パネルは、いわゆるEモードであってもよく、いわゆるOモードであってもよい。「Eモードの液晶パネル」とは、液晶セルのバックライト側に配置された偏光子の吸収軸と、液晶セルの初期配向方向が互いに直交しているものをいう。「Oモードの液晶パネル」とは、液晶セルのバックライト側に配置された偏光子の吸収軸と、液晶セルの初期配向方向が互いに平行であるものをいう。図2を参照すると、Eモードの液晶パネルの場合、好ましくは、第1偏光子21および第1光学素子30は、液晶セル10の視認側に配置され、第2偏光子22は、液晶セル10のバックライト側に配置され得る。Oモードの液晶パネルの場合、好ましくは、第1偏光子21および第1光学素子30は、液晶セル10のバックライト側に配置され、第2偏光子22は、液晶セル10の視認側に配置され得る。
本発明の液晶パネルは、上記の実施形態に限定されない。例えば、図1に示した各構成部材の間には、他の構成部材(例えば、E項で後述する第2光学素子)が配置され得る。以下、本発明の液晶パネルの構成する各部材および各層の詳細について説明する。
B.液晶セル
図1を参照すると、本発明に用いられる液晶セル10は、一対の基板11、11’と、基板11、11’の間に挟持された表示媒体としての液晶層12とを有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)11’には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このアクティブ素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている(いずれも図示せず)。他方の基板(カラーフィルター基板)11には、カラーフィルターが設けられる。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板11’に設けてもよい。あるいは、例えば、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置のバックライトにRGB3色光源が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略され得る。上記基板11、11’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー(図示せず)によって制御されている。基板11、11’の液晶層12と接する側には、例えばポリイミドからなる配向膜(図示せず)が設けられている。
上記液晶層12は、好ましくは、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させた液晶分子を含む。このような液晶層(結果として、液晶セル)は、代表的には、nx>ny=nzの屈折率分布を示す(ただし、面内の屈折率をnx、nyとし、厚み方向の屈折率をnzとする)。なお、本明細書において、ny=nzとは、nyとnzとが完全に同一である場合だけでなく、nyとnzとが実質的に同一である場合も包含する。また、「液晶セルの初期配向方向」とは、電界が存在しない状態で、液晶層に含まれる液晶分子が配向した結果生じる液晶層の面内屈折率が最大となる方向をいう。上記液晶セルの初期配向方向は、好ましくは、上記第1偏光子の吸収軸および第1光学素子の遅相軸と、それぞれ実質的に平行である。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、上記液晶セルの初期配向方向と上記第1偏光子の吸収軸および第1光学素子の遅相軸とのなす角度が、それぞれ0°±2.0°を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。
nx>ny=nzの屈折率分布を示す液晶層を用いる駆動モードの代表例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モードおよび強誘電性液晶(FLC)モードが挙げられる。このような駆動モードに用いられる液晶の具体例としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶が挙げられる。例えば、IPSモードおよびFSSモードにはネマチック液晶が用いられ、FLCモードにはスメクチック液晶が用いられる。
上記IPSモードは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させたネマチック液晶を、例えば、金属で形成された対向電極と画素電極とで発生させた基板に平行な電界(横電界ともいう)で応答させる。より具体的には、例えば、テクノタイムズ社出版「月刊ディスプレイ7月号」p.83〜p.88(1997年版)や、日本液晶学会出版「液晶vol.2 No.4」p.303〜p.316(1998年版)に記載されているように、ノーマリーブラック方式では、液晶セルの配向方向と、一方の側の偏光子の吸収軸とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で完全に黒表示になり、電界があるときは、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができる。なお、本明細書において、IPSモードは、V字型電極やジグザグ型電極等を採用した、スーパー・インプレーンスイッチング(S−IPS)モードや、アドバンスド・スーパー・インプレーンスイッチング(AS−IPS)モードを包含する。上記のようなIPSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えば、日立製作所(株)20V型ワイド液晶テレビ 商品名「Wooo」、イーヤマ(株)19型液晶ディスプレイ 商品名「ProLite E481S−1」、(株)ナナオ製 17型TFT液晶ディスプレイ 商品名「FlexScan L565」等が挙げられる。
上記FFSモードは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させたネマチック液晶を、例えば、透明導電体で形成された対向電極と画素電極とで発生させた基板に平行な電界と放物線型電界で応答させる。なお、FFSモードにおける、このような電界をフリンジ電界ともいう。このフリンジ電界は、透明導電体で形成された対向電極と画素電極との間隔を、上下部基板間の間隔より狭く設定することによって発生させることができる。より具体的には、例えば、SID(Society for Information Display)2001 Digest,p.484−p.487や、特開2002−031812号公報に記載されているように、ノーマリーブラック方式では、液晶セルの配向方向と、一方の側の偏光子の吸収軸とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で完全に黒表示になり、電界があるときは、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができる。なお、本明細書において、FFSモードは、V字型電極やジグザグ型電極等を採用した、アドバンスド・フリンジフィールドスイッチング(A−FFS)モードや、ウルトラ・フリンジフィールドスイッチング(U−FFS)モードを包含する。上記のようなFFSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えば、Motion Computing社 タブレットPC 商品名「M1400」が挙げられる。
上記FLCモードは、例えば、強誘電性のカイラルスメクチック液晶を、厚さ1μm〜2μm程度の電極基板間に封入した場合に、2つの安定な分子配向状態を示すという性質を利用し、印加電圧によって、液晶分子を基板に平行回転させて応答させる。このFLCモードは、上記IPSモードや上記FFSモードと同様の原理で、黒白表示を得ることができる。さらに、上記FLCモードは、他の駆動モードと比較して、応答速度が速いという特徴を有する。なお、本明細書において、上記FLCモードは、表面安定化(SS−FLC)モード、反強誘電性(AFLC)モード、高分子安定化(PS−FLC)モード、およびV字特性(V−FLC)モードを包含する。
上記ホモジニアス配列に配向させた液晶分子とは、配向処理された基板と液晶分子の相互作用の結果として、上記液晶分子の配向ベクトルが、基板平面に対し、平行かつ一様に配向した状態のものをいう。なお、本明細書において、「ホモジニアス配列」は、上記液晶分子の配向ベクトルが基板平面に対し、わずかに傾いている場合、すなわち上記液晶分子がプレチルトをもつ場合も包含される。上記液晶分子がプレチルトを持つ場合は、そのプレチルト角は10°以下であるほうが、コントラスト比を高く保ち、良好な表示特性が得られる点で好ましい。
上記ネマチック液晶としては、目的に応じて任意の適切なネマチック液晶が採用され得る。例えば、ネマチック液晶は、誘電率異方性が正のものであっても、負のものであっても良い。誘電率異方性が正のネマチック液晶の具体例としては、メルク社製 商品名「ZLI−4535」が挙げられる。誘電率異方性が負のネマチック液晶の具体例としては、メルク社製 商品名「ZLI−2806」が挙げられる。また、上記ネマチック液晶の常光屈折率(no)と異常光屈折率(ne)との差、即ち複屈折率(ΔnLC)は、上記液晶の応答速度や透過率等によって適宜選択され得る。上記ΔnLCは、通常0.05〜0.30であるものが用いられる。
上記スメクチック液晶としては、目的に応じて任意の適切なスメクチック液晶が採用され得る。好ましくは、上記スメクチック液晶は、分子構造の一部分に不斉炭素原子を有し、強誘電性を示すもの(強誘電性液晶ともいう)が用いられる。強誘電性を示すスメクチック液晶の具体例としては、p−デシロキシベンジリデン−p’−アミノ−2−メチルブチルシンナメート、p−ヘキシルオキシベンジリデン−p’−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート、4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシリデン−4’−オクチルアニリン等が挙げられる。あるいは、上記強誘電性液晶は、市販のものをそのまま用いることもできる。市販の強誘電性液晶としては、メルク社製 商品名ZLI−5014−000(電気容量2.88nF、自発分極−2.8C/cm2)、メルク社製 商品名ZLI−5014−100(電気容量3.19nF、自発分極−20.0C/cm2)、ヘキスト社製 商品名FELIX−008(電気容量2.26nF、自発分極−9.6C/cm2)等が挙げられる。
上記液晶セルのセルギャップ(基板間隔)としては、目的に応じて任意の適切なセルギャップが採用され得る。セルギャップは、好ましくは1μm〜7μmである。液晶セルのセルギャップを上記の範囲とすることによって、応答時間の短い液晶表示装置が得られ得る。
C.偏光子
本明細書において、偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得る素子をいう。本発明に用いられる偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。好ましくは、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものである。このような偏光子としては、入射する光を直交する2つの偏光成分に分けたとき、そのうちの一方の偏光成分と通過させる機能を有し、且つ、そのうちの他方の偏光成分を、吸収、反射、および散乱させる機能から選ばれる少なくとも1つ以上の機能を有するものが用いられる。
上記偏光子の厚みとしては、任意の適切な厚みが採用され得る。偏光子の厚みは、代表的には5μm〜80μmであり、好ましくは10μm〜50μmであり、さらに好ましくは20μm〜40μmである。偏光子の厚みを上記の範囲とすることによって、光学特性や機械的強度に優れる偏光素子を得ることができる。
C−1.偏光子の光学特性
上記偏光子の23℃で測定した波長550nmの透過率(単体透過率ともいう)は、好ましくは41%以上、さらに好ましくは43%以上である。なお、単体透過率の理論上の上限は50%であり、実現可能な上限は46%である。また、偏光度は、好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9以上である。なお、偏光度の理論上の上限は100%である。単体透過率および偏光度を上記の範囲とすることによって、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
本発明に用いられる偏光子のナショナルビューローオブスタンダーズ(NBS)による色相a値(単体a値)は、好ましくは−2.0以上0未満であり、さらに好ましくは−1.8以上0未満である。さらに上記偏光子のナショナルビューローオブスタンダーズ(NBS)による色相b値(単体b値)は、好ましくは0を超え3.8以下であり、さらに好ましくは0を超え3.5以下である。偏光子の色相a値およびb値を上記の範囲とすることによって、表示画像の色彩の鮮やかな液晶表示装置が得られ得る。
上記単体透過率、偏光度および色相は、分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて測定することができる。上記偏光度の具体的な測定方法としては、上記偏光子の平行透過率(H0)および直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100より求めることができる。上記平行透過率(H0)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光子の透過率の値である。また、上記直交透過率(H90)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光子の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
C−2.偏光子の配置手段
図1(a)および(b)を参照すると、第1偏光子21および第2偏光子22を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。上記第1偏光子21は、好ましくは、液晶セル10に対向する側の表面に接着層(図示せず)を設け、第1光学素子30の表面に貼着される。上記第2偏光子22は、好ましくは、液晶セル10に対向する側の表面に接着層(図示せず)を設け、液晶セル10の表面に貼着される。なお、液晶セル10と第2偏光子22との間に任意の光学素子が配置される場合は、上記第2偏光子22は、上記任意の光学素子の表面に貼着され得る。
このように偏光子を貼着することによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、かかる偏光子の吸収軸が所定の位置からずれることを防止したり、偏光子と隣接する各光学素子とが擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、偏光子と隣接する各光学素子との層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。なお、本明細書において、「接着層」とは、隣り合う光学素子や偏光子の面と面とを接合し、実用上悪影響を生じない程度の接着力と接着時間で、一体化させるものであれば、特に制限はない。接着層の具体例としては、例えば、接着剤層やアンカーコート層が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような多層構造であってもよい。
上記第1偏光子21は、好ましくは、その吸収軸が、対向する第2偏光子22の吸収軸と実質的に直交するように配置される。本明細書において「実質的に直交」とは、上記第1偏光子21の吸収軸と上記第2偏光子22の吸収軸とのなす角度が90°±2.0°を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。
上記接着層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定できる。好ましくは上記接着層の厚みは0.1μm〜100μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切な接着剤、アンカーコート剤が選択され得る。接着剤の具体例としては、形状による分類によれば、溶剤形接着剤、エマルジョン形接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合形接着剤、無溶剤形接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト形接着剤などが挙げられる。化学構造による分類によれば、合成樹脂接着剤、ゴム系接着剤、および天然物接着剤が挙げられる。上記接着剤は、加圧接触で感知し得る接着力を常温で示す粘弾性物質(粘着剤ともいう)を包含する。
偏光子としてポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムが用いられる場合、上記接着層を形成する材料として好ましくは、水溶性接着剤である。上記水溶性接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものが用いられる。上記接着層は、市販の接着剤をそのまま用いることもできる。あるいは、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合して用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする接着剤としては、例えば、[日本合成化学工業(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ200」が挙げられる。
上記水溶性接着剤は、架橋剤をさらに含有し得る。架橋剤の種類として好ましくは、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、および多価金属塩等が挙げられる。上記架橋剤は、市販のものをそのまま用いることもできる。市販の架橋剤としては、三菱ガス化学(株)製 アミン化合物 商品名「メタシキレンジアミン」、日本合成化学工業(株)製 アルデヒド化合物 商品名「グリオキザール」、大日本インキ(株)製 メチロール化合物 商品名「ウォーターゾール」等が挙げられる。
C−3.偏光子に用いられる光学フィルム
上記偏光子に用いられる光学フィルムとしては、任意の適切な偏光フィルムが選択される。上記偏光子は、例えば、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムによって得ることができる。あるいは、米国特許5,523,863号に開示されているような、二色性物質と液晶性化合物とを含む液晶性組成物を一定方向に配向させたO型偏光子や、米国特許6,049,428号に開示されているような、リオトロピック液晶を一定方向に配向させたE型偏光子を用いることもできる。
好ましくは、上記偏光子は、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムである。偏光度が高く、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られるからである。上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、例えば、特開2000−315144号公報[実施例1]に記載の方法により製造される。あるいは、市販の高分子フィルムをそのまま用いることもできる。市販の高分子フィルムとしては、例えば、(株)クラレ製 商品名「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製 商品名「トーセロビニロンフィルム」、日本合成化学工業(株)製 商品名「日合ビニロンフィルム」等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をケン化し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単位としたものを用いることができる。上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度としては、任意の適切な平均重合度が採用され得る。上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは1200〜3600であり、さらに好ましくは1600〜3200であり、最も好ましくは1800〜3000である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、偏光子の耐久性の点から、好ましくは90.0モル%〜99.9モル%であり、さらに好ましくは95.0モル%〜99.9モル%であり、最も好ましくは98.0モル%〜99.9モル%である。上記ケン化度とは、ケン化によりビニルアルコール単位に変換され得る単位の中で、実際にビニルアルコール単位にケン化されている単位の割合を示したものである。なお、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、好ましくは、可塑剤として多価アルコールを含有する。上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用され得る。本発明においては、延伸性、透明性、熱安定性等の観点から、エチレングリコールまたはグリセリンが好ましく用いられる。
本発明における多価アルコールの含有量(重量比)としては、ポリビニルアルコール系樹脂の全固形分100に対して、好ましくは1〜30であり、さらに好ましくは3〜25であり、最も好ましくは5〜20である。多価アルコールの含有量を上記の範囲とすることによって、偏光子の染色性や延伸性をより一層向上させることができる。
上記のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、界面活性剤をさらに含有し得る。界面活性剤は、染色性、延伸性等を向上させる目的で使用される。
上記界面活性剤の種類としては、任意の適切な種類の界面活性剤が採用され得る。上記界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤および非イオン界面活性剤等が挙げられる。本発明においては、非イオン界面活性剤が好ましく用いられる。上記非イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノアタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド等が挙げられる。
上記界面活性剤の含有量(重量比)としては、ポリビニルアルコール系樹脂100に対して、好ましくは0を超え5以下であり、さらに好ましくは0を超え3以下であり、最も好ましくは0を超え1以下である。界面活性剤の含有量を上記の範囲とすることによって、偏光子の染色性や延伸性を向上させることができる。
上記ニ色性物質としては、任意の適切なニ色性物質が採用され得る。具体的には、ヨウ素またはニ色性染料等が挙げられる。本明細書においては、「ニ色性」とは、光軸方向とそれに直交する方向との2方向で光の吸収が異なる光学的異方性をいう。
上記ニ色性染料としては、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、エロー3G、エローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジSおよびファーストブラック等が挙げられる。
偏光子の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム301は、繰り出し部300から繰り出され、ヨウ素水溶液浴310中に浸漬され、速比の異なるロール311及び312でフィルム長手方向に張力を付与されながら、膨潤および染色工程に供される。次に、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴320中に浸漬され、速比の異なるロール321及び322でフィルムの長手方向に張力を付与されながら、架橋処理に供される。架橋処理されたフィルムは、ロール331および332によって、ヨウ化カリウムを含む水溶液浴330中に浸漬され、水洗処理に供される。水洗処理されたフィルムは、乾燥手段340で乾燥されることにより水分率が調節され、巻き取り部360にて巻き取られる。偏光子350は、これらの工程を経て、上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを元長の5倍〜7倍に延伸することで得ることができる。
上記偏光子350の水分率としては、任意の適切な水分率が採用され得る。好ましくは、水分率は5%〜40%であり、さらに好ましくは10%〜30%であり、最も好ましくは20%〜30%である。
D.第1光学素子
図1および図2を参照すると、第1光学素子30は、液晶セル10と第1偏光子21との間に配置される。このような形態によれば、当該第1光学素子が、偏光子のセル側の保護層として機能することとなり、偏光子の劣化を防ぎ、結果として、液晶表示装置の表示特性を長時間、高く維持することができる。第1光学素子30は、下記式(1)および(2)を満足し、ならびに、その遅相軸が第1偏光子の吸収軸と実質的に平行となるように配置される。
10nm<Re[590] …(1)
|Rth[590]−Re[590]|<10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
上記第1光学素子は、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx>ny=nzを満足する。上記遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。理想的には、上記第1光学素子は、面内の一方向に光軸を有する。なお、本明細書において、ny=nzとは、nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、nyとnzとが実質的に同一である場合も包含する。ここで、「nyとnzが実質的に同一である場合」とは、面内の位相差値(Re[590])と厚み方向の位相差値(Rth[590])との差の絶対値:|Rth[590]−Re[590]|が10nm未満であるもの包含する。
D−1.第1光学素子の光学特性
本明細書において、Re[590]とは、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値をいう。ここで「面内の位相差値」とは、光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には当該フィルム面内の位相差値を意味し、光学素子が位相差フィルムを含む積層体で構成される場合には、積層体全体の面内の位相差値を意味する。Re[590]は、波長590nmにおける光学素子の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとし、d(nm)を光学素子の厚みとしたとき、式:Re[590]=(nx−ny)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。
上記第1光学素子のRe[590]は10nmを超えるものであれば、任意の適切な値が設定され得る。上記第1光学素子のRe[590]は、好ましくは10nmを超え1000nm以下であり、さらに好ましくは10nmを超え500nm以下であり、特に好ましくは30nm〜400nmであり、最も好ましくは60nm〜300nmである。第1光学素子のRe[590]を上記の範囲とすることによって、上記第1光学素子の遅相軸の角度(配向角)のバラツキが小さくなり、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
本明細書において、Rth[590]とは、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rth[590]は、波長590nmにおける光学素子遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれnx、nzとし、d(nm)を光学素子の厚みとしたとき、式:Rth[590]=(nx−nz)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは、面内の屈折率の最大となる方向をいう。
上記第1光学素子のRth[590]は、上記式(1)および(2)を満足する範囲において、任意の適切な値が設定され得る。上記第1光学素子のRth[590]は、好ましくは10nmを超えるものが用いられる。上記Rth[590]は、さらに好ましくは10nmを超え1000nm以下であり、特に好ましくは30nm〜400nmであり、最も好ましくは60nm〜300nmである。第1光学素子のRth[590]を上記の範囲とすることによって、第1光学素子の遅相軸の角度(配向角)のバラツキが小さくなり、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
本明細書において、Rth[590]/Re[590]は、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値と面内の位相差値との比をいう(Nz係数ともいう)。上記第1光学素子のRth[590]/Re[590]は、上記式(1)および(2)を満足する範囲において、任意の適切な値が設定され得る。上記第1光学素子のRth[590]/Re[590]は、好ましくは0.1を超え2.0未満であり、さらに好ましくは0.3〜1.8であり、特に好ましくは0.7〜1.3であり、最も好ましくは0.9〜1.1である。Rth[590]/Re[590]を上記の範囲とすることにより、斜め方向のカラーシフト量が小さい液晶表示装置が得られ得る。
Re[590]およびRe[480]、ならびにRth[590]は、王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて測定することができる。23℃における波長590nmの面内の位相差値(Re)、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値(R40)、光学素子の厚み(d)及び光学素子の平均屈折率(n0)を用いて、以下の式(i)〜(iv)からコンピュータ数値計算によりnx、ny及びnzを求め、次いで式(iv)によりRthを計算できる。ここで、φ及びny’はそれぞれ以下の式(v)及び(vi)で示される。
Re=(nx−ny)×d …(i)
R40=(nx−ny’)×d/cos(φ) …(ii)
(nx+ny+nz)/3=n0 …(iii)
Rth=(nx−nz)×d …(iv)
φ =sin-1[sin(40°)/n0] …(v)
ny’=ny×nz[ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)]1/2 …(vi)
D−2.第1光学素子の配置手段
図1を参照すると、第1光学素子30を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記第1光学素子30は、その表面に接着層(図示せず)を設け、第1偏光子21と液晶セル10に貼着される。このように、各光学素子の隙間を接着層で満たすことによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、各光学素子の光学軸の関係がずれることを防止したり、各光学素子同士が擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、各光学素子の層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
上記第1光学素子30は、その遅相軸が第1偏光子21の吸収軸と実質的に平行となるように配置される。このような形態によれば、ロール作製が可能で、貼りあわせが容易となり、結果として、製造効率が大幅に向上し得る。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、第1光学素子30の遅相軸と第1偏光子21の吸収軸とのなす角度が、0°±2.0°である場合を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。
上記接着層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定できる。好ましくは上記接着層の厚みは0.1μm〜100μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、例えばC−2項に例示したもののなかから、適宜、適切なものが選択され得る。好ましくは、光学透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性に優れるという点で、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)が用いられる。上記接着層には、市販の光学用両面テープをそのまま用いることもできる。市販の光学用両面テープとしては、例えば、総研化学(株)製 商品名「SK−2057」が挙げられる。
D−3.第1光学素子の構成
本発明に用いられる第1光学素子の構成(積層構造)は、上記D−1項に記載の光学特性を満足するものであれば、特に制限はない。具体的には、第1光学素子は、位相差フィルム単独であってもよく、2枚以上の位相差フィルムで構成される積層体であってもよい。好ましくは、上記第1光学素子は、単独の位相差フィルムである。偏光子の収縮応力やバックライトの熱による位相差値のズレやムラを低減し、且つ、液晶パネルを薄くすることができるからである。上記第1光学素子が積層体である場合には、接着層を含んでもよい。積層体が2枚以上の位相差フィルムを含む場合には、これらの位相差フィルムは同一であっても異なっていてもよい。なお、位相差フィルムの詳細については、D−4項で後述する。
上記第1光学素子に用いられる位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、用いられる位相差フィルムの枚数によって、適宜、選択することができる。例えば、第1光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には、位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、第1光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくすることが好ましい。従って、例えば、第1光学素子を偏光子に積層する際に用いられる接着層の位相差値は、できる限り小さいことが好ましい。また、例えば、第1光学素子が2枚以上の位相差フィルムを含む積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]の合計が、第1光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくなるように設計することが好ましい。
具体的には、Re[590]が140nmであり、Rth[590]が140nmである第1光学素子は、Re[590]が70nmであり、Rth[590]が70nmである位相差フィルムを、それぞれの遅相軸が互いに平行となるように2枚積層して得ることができる。あるいは、Re[590]が50nmであり、Rth[590]が60nmである位相差フィルムとRe[590]が90nmであり、Rth[590]が80nmである位相差フィルムとを、それぞれの遅相軸が互いに平行となるように2枚積層して得ることもできる。なお、簡単のため、位相差フィルムが2枚以下の場合についてのみ例示したが、3枚以上の位相差フィルムを含む積層体についても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
上記第1光学素子の全体厚みは、その構成によっても異なるが、好ましくは50μm〜200μmであり、さらに好ましくは55μm〜200μmであり、特に好ましく60μm〜180μmであり、最も好ましくは70μm〜150μmである。第1光学素子の全体厚みを上記の範囲とすることによって、機械的強度と光学的均一性に優れた光学素子が得られ得る。
D−4.第1光学素子に用いられる位相差フィルム
第1光学素子に用いられる位相差フィルムとしては、任意の適切なもの用され得る。上記位相差フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れるものが好ましい。
上記位相差フィルムの厚みは、積層される枚数に応じて変化し得る。代表的には、得られる第1光学素子の全体厚みは、好ましくは50μm〜200μmとなるように設定される。例えば、第1光学素子が、単独の位相差フィルムで構成される場合には、当該位相差フィルムの厚みは、好ましくは50μm〜200μmである(すなわち、第1光学素子の全体厚みに等しい)。また例えば、第1光学素子が2枚の位相差フィルムの積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムの厚みは、その合計が第1光学素子の好ましい全体厚みとなる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。したがって、それぞれの位相差フィルムの厚みは、同一であっても異なっていてもよい。2枚の位相差フィルムを積層する場合の1つの実施形態においては、一方の位相差フィルムの厚みは、好ましくは25μm〜100μmである。
上記位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(C[590](m2/N))は、好ましくは1×10-12〜100×10-12であり、さらに好ましくは1×10-12〜60×10-12であり、特に好ましくは1×10-12〜30×10-12であり、特に好ましくは1×10-12〜8×10-12である。上記位相差フィルムの材料として、光弾性係数の絶対値が上記の範囲であるものを用いることによって、表示均一性に優れた液晶表示装置が得られ得る。
上記位相差フィルムの23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。第1光学素子も同様の光透過率を有することが好ましい。なお、上記透過率の理論上の上限は100%であり、実現可能な上限は96%である。
上記位相差フィルムの遅相軸の角度(配向角ともいう)のバラツキは、フィルム幅方向で等間隔に設けた5点の測定箇所における配向角のバラツキ範囲が、±2°〜±1°であるものが好ましく用いられる。さらに好ましくは、±1°〜±0.5°である。配向角を上記の範囲とすることによって、表示均一性に優れ、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。上記配向角は、後述する延伸手段、延伸方法、延伸温度および延伸倍率によって、適宜、調整することができる。
本発明に用いられる第1光学素子は、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有する位相差フィルムを含む。この位相差フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムの延伸フィルムである。さらに好ましくは、上記第1光学素子は、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する位相差フィルムを含む。正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを用いれば、一方向に延伸することによって、生産性良く上記D−1項に記載の光学特性を得ることができる。なお、本明細書において、「正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂」とは、高分子フィルムを一方向に延伸したとき、フィルム面内の屈折率の大きくなる方向(遅相軸方向)が、延伸方向と実質的に平行であるものをいう。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の汎用プラスチック;ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。あるいは、上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもできる。上記ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端、立体規則性等の変性が挙げられる。
特に好ましくは、本発明に用いられる第1光学素子は、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。上記ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよびセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が小さいため、表示均一性に優れる液晶表示装置を得ることができる。最も好ましくは、上記第1光学素子は、ノルボルネン系樹脂を含有する単独の位相差フィルムである。または、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムとセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムとの積層体である。
本明細書において、ノルボルネン系樹脂とは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる重合体をいう。なお、上記ノルボルネン系樹脂は、出発原料としてノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するノルボルネン系モノマーが用いられるが、(共)重合体の状態では、構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。(共)重合体の状態で構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系樹脂は、例えば、開裂により5員環となるモノマーを用いて得られる(共)重合体である。上記開裂により5員環となるモノマーとしては、たとえば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン等やそれらの誘導体等が挙げられる。上記ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は、特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
上記ノルボルネン系樹脂としては、市販のものをそのまま用いることができる。あるいは、市販のノルボルネン系樹脂に任意の適切なポリマー変性を施したものを用いることができる。市販のノルボルネン系樹脂としては、例えば、JSR(株)製 アートンシリーズ(商品名;ARTON FLZR50,ARTON FLZR70,ARTON FLZL100,ARTON F5023,ARTON FX4726,ARTON FX4727,ARTON D4531,ARTON D4532等)、日本ゼオン(株)製 ゼオノアシリーズ(商品名;ZEONOR 750R,ZEONOR 1020R,ZEONOR 1600等)、三井化学(株)製 アペルシリーズ(APL8008T,APL6509T,APL6011T,APL6013T,APL6015T,APL5014T等)、TICONA社製 COC樹脂(商品名;TOPAS) 等が挙げられる。
上記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、(A)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂、(B)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂などが挙げられる。上記ノルボルネン系モノマーの開環共重合体は、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類、および/または非共役ジエン類との開環共重合体を水素添加した樹脂を包含する。上記ノルボルネン系モノマーを付加共重合させた樹脂は、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類および/または非共役ジエン類との付加型共重合させた樹脂を包含する。上記ノルボルネン系樹脂は、好ましくは(A)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂である。成形加工性に優れ、さらに低い延伸倍率で大きな位相差値を有する位相差フィルムを得ることができるからである。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂は、ノルボルネン系モノマー等をメタセシス反応させて、開環(共)重合体を得、さらに、当該開環(共)重合体を水素添加して得ることができる。具体的には、例えば、(株)エヌ・ティー・エス出版「オプティカルポリマー材料の開発・応用技術」p.103〜p.111(2003年版)に記載の方法、特開平11−116780号公報の段落[0059]〜[0060]に記載の方法、特開2001−350017号公報の段落[0035]〜[0037]に記載の方法、特開2005−008698号公報の段落[0053]に記載の方法等が挙げられる。上記ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂は、例えば、特開昭61−292601号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
上記ノルボルネン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した値が、好ましくは20,000〜400,000、さらに好ましくは25,000〜200,000、特に好ましくは30,000〜100,000、最も好ましくは40,000〜80,000の範囲のものである。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
上記セルロース系樹脂は、任意の適切なセルロース系樹脂が採用され得る。上記セルロース系樹脂は、好ましくは、セルロースの水酸基の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルである。上記セルロース有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等が挙げられる。上記セルロース混合有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。上記セルロース系樹脂は、例えば、特開平2001−188128号公報[0040]〜[0041]に記載の方法により得ることができる。
上記セルロース系樹脂は、市販のものをそのまま用いることができる。あるいは、市販の樹脂に任意の適切なポリマー変性を施したものを用いることができる。上記ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端、立体規則性等の変性が挙げられる。市販のセルロース系樹脂としては、例えば、ダイセルファインケミカル(株)製 セルロースアセテートプロピオネート樹脂(商品名;307E−09,360A−09,360E−16)、EASTMAN社製 セルロースアセテート(商品名;CA−398−30,CA−398−30L,CA−320S,CA−394−60S,CA−398−10,CA−398−3,CA−398−30,CA−398−6)、EASTMAN社製 セルロースブチレート(商品名;CAB−381−0.1,CAB−381−20,CAB−500−5,CAB−531−1,CAB−551−0.2,CAB−553−0.4)、EASTMAN社製 セルロースアセテートプロピオネート(商品名;CAP−482−0.5,CAP−482−20,CAP−504−0.2)等が挙げられる。
上記セルロース系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した値が、好ましくは20,000〜1000,000、さらに好ましくは25,000〜800,000、特に好ましくは30,000〜400,000、最も好ましくは40,000〜200,000の範囲のものである。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを得る方法としては、任意の適切な成形加工法が用いられる。上記成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等が挙げられる。好ましくは、上記成形加工法は、ソルベントキャスティング法である。平滑性、光学的均一性に優れたフィルムを得ることができるからである。上記ソルベントキャスティング法は、具体的には、例えば、主成分となる熱可塑性樹脂、添加剤等を含む樹脂組成物を溶剤に溶解した濃厚溶液(ドープ)を脱泡し、エンドレスステンレスベルトまたは回転ドラムの表面に、シート状に均一に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムの成形時に採用される条件は、樹脂の組成や種類、成形加工法等によって、適宜選択され得る。ソルベントキャスティング法が用いられる場合、用いられる溶剤の種類としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。上記の溶剤を乾燥させる方法は、空気循環式乾燥オーブン等を用いて、低温から高温に徐々に昇温しながら行うことが好ましい。また、上記の溶剤を乾燥させる温度範囲は、好ましくは50℃〜250℃であり、さらに好ましくは80℃〜150℃である。溶剤の種類や乾燥温度は、上記の条件を選択することによって、平滑性、光学的均一性に優れたフィルムを得ることができる。なお、上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムのRe[590]およびRth[590]は、樹脂の組成や種類、乾燥条件、成形後のフィルムの厚みなどによって、適宜、調整することができる。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムには、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、上記添加剤の含有量(重量比)は、熱可塑性樹脂100に対して、好ましくは0を超え20以下であり、さらに好ましくは0を超え10以下であり、最も好ましくは0を超え5以下である。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムは、市販のフィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販のフィルムに延伸処理および/または緩和処理などの2次加工を施したものを用いることができる。市販のノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、JSR(株)製 アートンシリーズ(商品名;ARTON F,ARTON FX,ARTON D)や、(株)オプテス製 ゼオノアシリーズ(商品名;ZEONOR ZF14,ZEONOR ZF16)等が挙げられる。市販のセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製 フジタックシリーズ(商品名;ZRF80S,TD80UF,TDY−80UL)、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX2M」等が挙げられる。
第1光学素子に用いられる位相差フィルムは、例えば、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを延伸することによって得ることができる。延伸方法としては、例えば、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法等が用いられる。延伸手段としては、ロール延伸機、テンター延伸機、および二軸延伸機等の任意の適切な延伸機が用いられ得る。上記延伸を行う場合には、温度を連続的に変化させてもよく、段階的に変化させてもよい。また、延伸工程を2回以上に分割してもよく、延伸と収縮(緩和)を組み合わせてもよい。延伸方向は、フィルム長手方向(MD方向)であってもよく、幅方向(TD方向)であってもよい。また、例えば、特開2003−262721号公報の図1に記載の延伸法を用いて、斜め方向に延伸(斜め延伸)してもよい。上記位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、延伸前の位相差値、フィルム厚み、延伸倍率、および延伸温度等によって、適宜、調整される。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを延伸する際の、延伸温度(延伸オーブン内の温度)は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて、適宜選択される。延伸温度として好ましくは、上記高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、Tg+1℃〜Tg+30℃である。位相差フィルムの位相差値が、幅方向で均一になり易く、また、フィルムが結晶化(白濁)しにくいからである。具体的には、上記延伸温度は、好ましくは110℃〜200℃であり、さらに好ましくは120℃〜170℃である。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121−1987に準じたDSC法により求めることができる。
上記延伸温度を一定に保持する具体的な方法については、特に制限はないが、熱風又は冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波もしくは遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール又は金属ベルトなどの加熱方法や温度制御方法から、適宜、適切なものが選択される。
上記熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを延伸する際の延伸倍率は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて適宜選択され得る。上記延伸倍率は、通常、元長に対し、1倍を超え3倍以下であり、好ましくは1倍を超え2倍以下であり、さらに好ましくは1倍を超え1.5倍以下である。また、延伸時の送り速度は、特に制限はないが、延伸装置の機械精度、安定性等から好ましくは1m/分〜20m/分である。上記の延伸条件であれば、上記D−1項に記載の光学特性を満足し得るのみならず、光学的均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
E.第2光学素子
本発明の液晶パネルは、液晶セルと第2偏光子との間に任意の光学素子が配置され得る。図4は、本発明の別の実施形態による液晶パネルの概略断面図である。図5(a)は、この液晶パネルがEモードを採用する場合の概略斜視図であり、図5(b)は、この液晶パネルがOモードを採用する場合の概略斜視図である。図4ならびに図5(a)および(b)における各構成部材の縦、横および厚みの比率は、実際とは異なっていることに留意されたい。この液晶パネル101は、液晶セル10と第2偏光子22との間に、第2光学素子をさらに備える。このような形態によれば、当該第2光学素子が、偏光子のセル側の保護層として機能することとなり、偏光子の劣化を防ぎ、結果として、液晶表示装置の表示特性を長時間、高く維持することができる。上記第2光学素子40は、下記式(3)および(4)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第2偏光子22の吸収軸と実質的に平行または実質的に直交するように配置される。図示例では、第2光学素子40の遅相軸が、第2偏光子22の吸収軸と実質的に直交する場合を示しているが、これは実質的に平行であってもよい。
50nm≦Rth[590]≦200nm …(3)
−200nm≦Rth[590]−Re[590]≦80nm …(4)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
本発明において、上記第2光学素子は、液晶パネルの斜め方向の光漏れを低減するために用いられる。通常、2枚の偏光子を、互いの吸収軸が直交するように液晶セルの両側に配置した液晶パネルは、斜め方向では光漏れが生じ、各偏光子の吸収軸を0°、90°とした場合に、斜め方向の45°方位で光漏れ量が最大となる傾向がある。この光漏れ量を低減することによって、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置を得ることができる。
好ましくは、上記液晶パネルは、上記第1光学素子の厚み(d1)と上記第2光学素子の厚み(d2)の差の絶対値(Δd=|d1−d2|)が100μm以下である。上記Δdは、さらに好ましくは80μm以下であり、特に好ましくは50μm以下であり、最も好ましくは30μm以下である。上記Δdを上記の範囲とすることによって、バックライトの熱による液晶パネルの反りを防ぎ、表示均一性に優れた液晶表示装置が得られ得る。
E−1.第2光学素子の光学特性
上記第2光学素子のRth[590]は、好ましくは50nm〜200nmであり、さらに好ましくは50nm〜180nmであり、特に好ましくは70nm〜160nmであり、最も好ましくは100nm〜140nmである。Rth[590]を上記の範囲とすることによって、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
上記第2光学素子のRth[590]とRe[590]との差(Rth[590]−Re[590])は、好ましくは−200nm〜80nmであり、さらに好ましくは−180nm〜60nmであり、特に好ましくは−160nm〜−40nmであり、最も好ましくは−140nm〜−100nmである。(Rth[590]−Re[590])を上記の範囲とすることによって、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
本発明に用いられる第2光学素子のRe[590]は、上記式(4)を満足する範囲において、適宜、適切な値が選択され得る。上記Re[590]は、好ましくは0nm〜400nmであり、さらに好ましくは0nm〜360nmであり、特に好ましくは110nm〜320nmであり、最も好ましくは200nm〜280nmである。第2光学素子のRe[590]を上記の範囲とすることによって、斜め方向の光漏れ量が小さく、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
本明細書においてRth[590]/Re[590]は、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値と面内の位相差値の比(Nz係数ともいう)をいう。上記第2光学素子のNz係数は、好ましくは0を超え1より小さい。上記Nz係数は、さらに好ましくは0.3〜0.7であり、特に好ましくは0.4〜0.6である。Nz係数を上記の範囲とすることによって、位相差値の角度依存性が適切に調整され、斜め方向の光漏れ量がより一層小さい液晶表示装置が得られ得る。
E−2.第2光学素子の配置手段
図4を参照すると、第2光学素子40を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記第2光学素子40は、その表面に接着層(図示せず)を設け、第2偏光子22と液晶セル10に貼着される。このように、各光学素子の隙間を接着層で満たすことによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、各光学素子の光学軸の関係がずれることを防止したり、各光学素子同士が擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、各光学素子の層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
上記第2光学素子40は、好ましくは、その遅相軸が上記第2偏光子22の吸収と実質的に平行または直交になるように配置される。本明細書において、「実質的に平行」とは、上記第2光学素子40の遅相軸と上記第2偏光子22の吸収軸とのなす角度が0°±2.0°を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。「実質的に直交」とは、上記第2光学素子40の遅相軸と上記第2偏光子22の吸収軸とのなす角度が90°±2.0°を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。
上記接着層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定できる。好ましくは上記接着層の厚みは0.1μm〜100μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、例えばC−2項に例示したもののなかから、適宜、適切なものが選択され得る。好ましくは、光学透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性に優れるという点で、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)が用いられる。上記接着層には、市販の光学用両面テープをそのまま用いることもできる。市販の光学用両面テープとしては、例えば、総研化学(株)製 商品名「SK−2057」が挙げられる。
E−3.第2光学素子の構成
本発明に用いられる第2光学素子の構成(積層構造)は、上記E−1項に記載の光学特性を満足するものであれば、特に制限はない。具体的には、第2光学素子は、位相差フィルム単独であってもよく、2枚以上の位相差フィルムで構成される積層体であってもよい。好ましくは、上記第2光学素子は、単独の位相差フィルム、または2枚の位相差フィルムの積層体である。斜め方向の光漏れ量と、カラーシフト量を低減することができるからである。上記第2光学素子が積層体である場合には、接着層を含んでもよい。積層体が2枚以上の位相差フィルムを含む場合には、これらの位相差フィルムは同一であっても異なっていてもよい。なお、位相差フィルムの詳細については、E−4項で後述する。
上記第2光学素子に用いられる位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、用いられる位相差フィルムの枚数によって、適宜、選択することができる。例えば、第2光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には、位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、第2光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくすることが好ましい。従って、例えば、第2光学素子を偏光子に積層する際に用いられる接着層の位相差値は、できる限り小さいことが好ましい。また、例えば、第2光学素子が2枚以上の位相差フィルムを含む積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]の合計が、第2光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくなるように設計することが好ましい。
具体的には、Re[590]が200nmであり、Rth[590]が80nmである第2光学素子は、Re[590]が100nmであり、Rth[590]が40nmである位相差フィルムを、それぞれの遅相軸が互いに平行となるように2枚積層して得ることができる。なお、簡単のため、位相差フィルムが2枚以下の場合についてのみ例示したが、3枚以上の位相差フィルムを含む積層体についても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
上記第2光学素子の全体厚みは、第1光学素子の全体厚みに応じて、適宜、適切な値が選択され得る。好ましくは、第1光学素子の全体厚みと等しく設定される。具体的には、上記第2光学素子の全体厚みは、好ましくは50μm〜200μmであり、さらに好ましくは55μm〜200μmであり、特に好ましく60μm〜180μmであり、最も好ましくは70μm〜150μmである。第2光学素子の全体厚みを上記の範囲とすることによって、機械的強度と光学的均一性に優れた光学素子が得られ得る。
E−4.第2光学素子に用いられる位相差フィルム
第2光学素子に用いられる位相差フィルムとしては、任意の適切な位相差フィルムが採用され得る。上記位相差フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れるものが好ましい。
上記位相差フィルムの厚みは、積層される枚数に応じて変化し得る。代表的には、得られる第2光学素子の全体厚みが好ましくは、50μm〜200μmとなるように設定され得る。例えば、第2光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には、当該位相差フィルムの厚みは、好ましくは50μm〜200μmである(すなわち、第2光学素子の全体厚みに等しい)。また例えば、第2光学素子が2枚の位相差フィルムの積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムの厚みは、その合計が第2光学素子の好ましい全体厚みとなる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。したがって、それぞれの位相差フィルムの厚みは、同一であっても異なっていてもよい。2枚の位相差フィルムを積層する場合の1つの実施形態においては、一方の位相差フィルムの厚みは、好ましくは25μm〜100μmである。
上記位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(C[590](m2/N))は、好ましくは1×10-12〜100×10-12であり、さらに好ましくは1×10-12〜60×10-12であり、特に好ましくは1×10-12〜30×10-12であり、特に好ましくは1×10-12〜8×10-12である。位相差フィルムの材料として、光弾性係数の絶対値が上記の範囲であるものを用いることによって、表示均一性に優れる液晶表示装置が得られ得る。
上記位相差フィルムの23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。第1光学素子も同様の光透過率を有することが好ましい。なお、上記透過率の理論上の上限は100%であり、実現可能な上限は96%である。
上記位相差フィルムの遅相軸の角度(配向角ともいう)のバラツキは、フィルム幅方向で等間隔に設けた5点の測定箇所における配向角のバラツキ範囲が、±2°〜±1°であるものが好ましく用いられる。さらに好ましくは、±1°〜±0.5°である。配向角を上記の範囲とすることによって、表示均一性に優れ、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。上記配向角は、後述する延伸手段、延伸方法、延伸温度および延伸倍率によって、適宜、調整することができる。
本発明に用いられる第2光学素子は、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有する位相差フィルムを含む。この位相差フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムの延伸フィルムである。さらに好ましくは、上記第2光学素子は、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する位相差フィルムを含む。正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを用いれば、例えば、後述する収縮性フィルムを利用する延伸方法によって、上記E−1項に記載の光学特性を、生産性良く得ることができるからである。上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂としては、上記D−4項に記載したものと同様のものが用いられ得る。
特に好ましくは、本発明に用いられる第2光学素子は、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。上記ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよびセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が小さいため、表示均一性に優れる液晶表示装置を得ることができる。最も好ましくは、上記第2光学素子は、ノルボルネン系樹脂を含有する単独の位相差フィルムである。または、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムとセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムとの積層体である。上記ノルボルネン系樹脂、および上記セルロース系樹脂としては、上記D−4項に記載したものから適宜、適切なものが選択され得る。
上記第2光学素子に用いられる位相差フィルムは、例えば、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムの両面に収縮性フィルムを貼り合せて、ロール延伸機にて縦一軸延伸法で加熱延伸して得ることができる。当該収縮性フィルムは、加熱延伸時に延伸方向と直交する方向の収縮力を付与し、厚み方向の屈折率(nz)を高めるために用いられる。上記高分子フィルムの両面に上記収縮性フィルムを貼り合せる方法としては、特に制限はないが、上記高分子フィルムと上記収縮性フィルムとの間に、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤層を設けて接着する方法が、作業性、経済性に優れる点から好ましい。
上記位相差フィルムの製造方法の一例について、図6を参照して説明する。図6は、第2光学素子に用いられる位相差フィルムの代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルム402は、第1の繰り出し部401から繰り出され、ラミネートロール407、408により、当該高分子フィルム402の両面に、第2の繰り出し部403から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム404と、第3の繰り出し部405から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム406とが貼り合わされる。両面に収縮性フィルムが貼着された高分子フィルムは、加熱手段409によって一定温度に保持されながら、速比の異なるロール410、411、412、および413でフィルムの長手方向の張力を付与され(同時に収縮性フィルムによって、厚み方向への張力を付与される)ながら、延伸処理に供される。延伸処理されたフィルム418は、第1の巻き取り部414および第2の巻き取り部415にて、収縮性フィルム404、406が粘着剤層と共に剥離され、第3の巻き取り部419で巻き取られる。
また、上記収縮性フィルムは、好ましくは、二軸延伸フィルムおよび一軸延伸フィルム等の延伸フィルムである。上記収縮性フィルムは、例えば、押出法によりシート状に成形された未延伸フィルムを同時二軸延伸機等で所定の倍率に縦および/または横方向に延伸して得ることができる。なお、成形および延伸条件は、用いる樹脂の組成や種類や目的に応じて、適宜選択され得る。
上記収縮性フィルムに用いられる材料としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。収縮均一性、耐熱性が優れる点から、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましく用いられる。
1つの実施形態においては、上記収縮性フィルムの140℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S140[MD]は、好ましくは4%〜7%であり、且つ、S140[TD]が11%〜16%である。別の実施形態においては、上記収縮性フィルムの160℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S160[MD]は、好ましくは17%〜21%、S160[TD]が40%〜52%である。収縮性フィルムの各温度における収縮率を上記の範囲とすることによって、目的とする位相差値を有し、且つ、均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、上記収縮性フィルムの140℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:ΔS140=S140[TD]−S140[MD]は、好ましくは4%〜8%である。別の実施形態においては、上記収縮性フィルムの160℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:ΔS160=S160[TD]−S160[MD]は、好ましくは20%〜30%である。MD方向の収縮率が大きいと、延伸張力に加え、上記収縮性フィルムの収縮力が、延伸機に加わり均一な延伸が困難となる場合がある。収縮性フィルムの収縮率を上記の範囲とすることによって、延伸機等の設備に過度の負荷をかけることなく、均一な延伸を行うことができる。
上記収縮性フィルムの140℃における幅方向の収縮応力:TA 140[TD]は、好ましくは0.5N/2mm〜0.9N/2mmである。また、上記収縮性フィルムの140℃における単位面積あたりの収縮応力:TB 140[TD]は、好ましくは4.0N/mm2〜8.0N/mm2である。収縮性フィルムの収縮率を上記の範囲とすることによって、目的とする位相差値を有し、且つ、均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
上記収縮性フィルムの150℃における幅方向の収縮応力:TA 150[TD]は、好ましくは0.6N/2mm〜1.0N/2mmである。また、上記収縮性フィルムの150℃における単位面積あたりの収縮応力:TB 150[TD]は、好ましくは5.0N/mm2〜9.0N/mm2である。収縮性フィルムの収縮率を上記の範囲とすることによって、目的とする位相差値を有し、且つ、均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
上記のような特性を有する収縮性フィルムであれば、従来困難であったノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムの厚み方向の屈折率を大きくすることができ、結果として、目的とする位相差値を有する位相差フィルムを得ることができる。本発明においては、上記第2学素子が、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムを含む場合は、当該延伸フィルムの光弾性係数の絶対値が小さいため、偏光子の収縮応力やバックライトの熱によるムラが生じにくくなり、液晶表示装置の表示特性を長時間、高く維持することができる。
上記収縮率S[MD]およびS[TD]は、JIS Z 1712−1997の加熱収縮率A法に準じて求めることができる(ただし、加熱温度は120℃に代えて140℃(または160℃)とし、試験片に荷重3gを加えたことが異なる)。具体的には、幅20mm、長さ150mmの試験片を縦[MD]、横[TD]方向から各5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離において標点をつけた試験片を作製する。該試験片は、温度140℃±3℃(または160℃±3℃)に保持された空気循環式乾燥オーブンに、荷重3gをかけた状態で垂直につるし、15分間加熱した後、取り出し、標準状態(室温)に30分間放置してから、JIS B 7507に規定するノギスを用いて、標点間距離を測定して、5個の測定値の平均値を求め、S(%)=[[加熱前の標点間距離(mm)−加熱後の標点間距離(mm)]/加熱前の標点間距離(mm)]×100より算出することができる。
また、上記収縮性フィルムとしては、本発明の目的を満足するものであれば、一般包装用、食品包装用、パレット包装用、収縮ラベル用、キャップシール用、および電気絶縁用等の用途に使用される市販の収縮性フィルムも適宜、選択して用いることができる。これら市販の収縮性フィルムは、そのまま用いてもよく、延伸処理や収縮処理などの2次加工を施してから用いてもよい。市販の収縮性フィルムとしては、例えば、王子製紙(株)製
アルファンシリーズ(商品名;アルファンP,アルファンS,アルファンH等)、グンゼ(株)製 ファンシートップシリーズ(商品名;ファンシートップEP1, ファンシートップEP2等)、東レ(株)製 トレファンBOシリーズ(商品名;2570,2873,2500,2554,M114,M304等)、サン・トックス(株) サントックス−OPシリーズ(PA20,PA21,PA30等)、東セロ(株) トーセロOPシリーズ(商品名;OPU−0, OPU−1, OPU−2等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムと収縮性フィルムとの積層体を加熱延伸する際の延伸オーブン内の温度(延伸温度ともいう)は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて適宜選択され得る。延伸温度として好ましくは、上記高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、Tg+1℃〜Tg+30℃である。位相差値が均一になり易く、かつ、フィルムが結晶化(白濁)しにくいからである。具体的には、上記延伸温度は、好ましくは110℃〜185℃であり、さらに好ましくは120℃〜170℃である。ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121−1987に準じたDSC法により求めることができる。
さらに、熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムと収縮性フィルムとの積層体を延伸する際の延伸する倍率(延伸倍率)は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて適宜選択され得る。上記延伸倍率は、通常、元長に対し、1倍を超え3倍以下であり、好ましくは1.1倍〜2倍であり、さらに好ましくは1.2倍〜1.8倍である。延伸時の送り速度は、特に制限はないが、延伸装置の機械精度、安定性等から好ましくは1m/分〜20m/分である。上記の延伸条件であれば、上記E−1項に記載の光学特性を満足し得るのみならず、光学的均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
F.液晶表示装置
図7は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。なお、見やすくするために、図7の各構成部材の縦、横および厚みの比率は、実際とは異なっていることに留意されたい。この液晶表示装置200は、液晶パネル100(または液晶パネル101)と、液晶パネル100の両側に配置された保護層60、60’と、保護層60、60’のさらに外側に配置された表面処理層70、70’と、表面処理層70’の外側(バックライト側)に配置されたバックライトユニット80とを備える。上記バックライトユニット80は、バックライト81と、反射フィルム82と、拡散板83と、プリズムシート84と、輝度向上フィルム85とを備える。これらの光学部材を用いることによって、さらに表示特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。なお、図7に例示した光学部材は、本発明の効果が得られる限りにおいて、液晶表示装置の照明方法や液晶セルの駆動モードなど、用途に応じてその一部が省略され得るか、または、他の光学部材に代替され得る。
上記保護層としては、目的に応じて任意の適切なフィルムが採用され得る。上記保護層は、偏光子が収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりするために使用される。上記保護層は、例えば、セルロース系樹脂またはノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムが用いられる。上記高分子フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜200μmである。なお、上記保護層は、後述する表面処理層のベースフィルムを兼ねていてもよい。上記保護層は、市販の高分子フィルムをそのまま用いることもできる。あるいは、市販の高分子フィルムに、後述する表面処理を施して用いることもできる。市販のセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製 フジタックシリーズ、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX2M」等が挙げられる。市販のノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、JSR(株)製 アートンシリーズ、(株)オプテス製 ゼオノアシリーズ等が挙げられる。
上記表面処理層としては、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理(アンチリフレクション処理ともいう)、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)などを施した処理層が用いられる。これらの表面処理層は、画面の汚れや傷つきを防止したり、室内の蛍光灯や太陽光線が画面に写り込むことによって、表示画像が見え難くなることを防止したりする目的で使用される。上記表面処理層は、一般的には、ベースフィルムの表面に上記の処理層を形成する処理剤を固着させたものが用いられる。上記ベースフィルムは、上記の保護層を兼ねていてもよい。さらに、上記表面処理層は、例えば、帯電防止処理層の上にハードコート処理層を積層したような多層構造であってもよい。上記表面処理層は、市販の表面処理層をそのまま用いることもできる。ハードコート処理および帯電防止処理が施された市販のフィルムとしては、例えば、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX−HA」が挙げられる。反射防止処理が施された市販の表面処理層としては、例えば、日本油脂(株)製 ReaLookシリーズが挙げられる。
本発明の液晶パネルが用いられる液晶表示装置の照明方法は、任意の適切な照明方法が採用され得る。上記照明方法の具体例としては、光源にバックライトを用い背面から光を照射して見る透過型、外光を画面に当てて見る反射型、さらにはその両方の性質を併せ持つ半透過型が挙げられる。上記照明方法として好ましくは、透過型である。上記バックライトユニットは、照射方法として直下方式が採用される場合、一般的には、バックライト、反射フィルム、拡散板、プリズムシート、および輝度向上フィルムから構成される。エッジライト方式が採用される場合、上記直下方式の構成に加え、さらに導光板、ライトリフレクターが用いられる。
上記バックライトとしては、任意の適切なバックライトが採用され得る。上記バックライトとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL)、発光ダイオード(LED)、有機EL(OLED)、電界放出型素子(FED)等が挙げられる。バックライトに冷陰極蛍光管が採用される場合、その照射方法としては、例えば、液晶の真下から照射する「直下方式」と、液晶の横端から照射する「エッジライト方式」とが挙げられる。上記直下方式は高い輝度が得られるという利点があり、上記エッジライト方式は直下方式よりも液晶表示装置を薄くすることができる。さらには、光源から各構成部材へ及ぼす熱の影響を小さくすることができるという利点もある。バックライトに発光ダイオードが採用される場合、その光源の色は、白色でも良いし、RGB3色でも良い。上記発光ダイオードにRGB3色光源を用いる場合、カラーフィルターを用いずにカラー表示が可能な、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を得ることができる。
上記反射フィルムは、液晶パネルの視認側とは反対側に光が抜けるのを防ぎ、さらに、バックライトの光を効率的に導光板に入射させるために用いられる。上記反射フィルムとしては、例えば、銀を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルムや、ポリエステル系樹脂を多層に積層した積層フィルムが用いられる。上記反射フィルムの反射率は、好ましくは波長410nm〜800nmの全域で90%以上である。上記反射フィルムの厚みは、代表的には50μm〜200μmである。上記反射フィルムは、市販の反射フィルムをそのまま用いることもできる。市販の反射フィルムとしては、例えば、(株)きもと製 レフホワイトシリーズや、住友スリーエム(株)製 ビキュイティESRシリーズ等が挙げられる。
上記導光板は、バックライトからの光を画面全体に行き渡らせるために使用される。上記導光板としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等を、光源から離れるほど厚さが薄くなるようにテーパ形状に成形したものが用いられる。
上記拡散板は、導光板から出た光を広角に導き、画面を均一な明るさにするために使用される。さらに、上記拡散板は、バックライトの輝度ムラを低減することもできる。上記拡散板としては、例えば、凹凸処理が施された高分子フィルムや、拡散剤を含有した高分子フィルムが用いられる。上記拡散板のヘーズは好ましくは85%〜92%である。さらに上記拡散板の全光線透過率は90%以上である。上記拡散板は、市販の拡散板をそのまま用いることもできる。市販の拡散板としては、例えば、恵和(株)製 OPLUSシリーズや、(株)きもと製 ライトアップシリーズ等が挙げられる。
上記プリズムシートは、導光板により広角にされた光を特定の方向に集め、液晶表示装置の正面方向の輝度を向上させるために使用される。上記プリズムシートとしては、例えば、ポリエステル系樹脂からなるベースフィルムの表面に、アクリル系樹脂または感光性樹脂からなるプリズム層を積層したものが用いられる。上記プリズムシートは、市販のプリズムシートをそのまま用いることもできる。市販のプリズムシートとしては、例えば、三菱レイヨン(株)ダイヤアートシリーズが挙げられる。
上記輝度向上フィルムは、液晶表示装置の正面および斜め方向の輝度を向上させるために使用される。上記輝度向上フィルムは、市販のものをそのまま用いることができる。市販の輝度向上フィルムとしては、例えば、日東電工(株)製 NIPOCS PCFシリーズや住友スリーエム(株)製 ビキュイティDBEFシリーズ等が挙げられる。
本発明の液晶パネルを備えた液晶表示装置は、黒画像を表示させた場合の極角60°、全方位(0°〜360°)におけるΔu’v’の平均値が、好ましくは0.090以下であり、さらに好ましくは0.085以下であり、特に好ましくは0.080以下である。あるいは、黒画像を表示させた場合の極角60°、全方位(0°〜360°)におけるΔu’v’の最大値が、好ましくは0.160以下であり、さらに好ましくは0.150以下であり、特に好ましくは0.140以下である。このΔu’v’の理論上の下限値は0である。上記Δu’v’値を小さくすればするほど、黒画像を表示させた場合にカラーシフト量が小さい液晶表示装置を得ることができる。
さらに、上記液晶表示装置は、黒画像を表示させた場合の方位角45°、極角(0°〜78°)におけるΔu’v’の平均値が、好ましくは0.120以下であり、さらに好ましくは0.100以下であり、特に好ましくは0.080以下である。あるいは、黒画像を表示させた場合の方位角45°、極角(0°〜78°)におけるΔu’v’の最大値が、好ましくは0.200以下であり、さらに好ましくは0.180以下であり、特に好ましくは0.150以下である。このΔu’v’の理論上の下限値は0である。上記Δu’v’値を小さくすればするほど、黒画像を表示させた場合にカラーシフト量が小さい液晶表示装置を得ることができる。
さらに、上記液晶表示装置は、黒画像を表示させた場合の極角60°、全方位(0°〜360°)におけるY値の平均値が、好ましくは1.30以下であり、さらに好ましくは1.00以下であり、特に好ましくは0.70以下である。あるいは、黒画像を表示させた場合の極角60°、全方位(0°〜360°)におけるY値の最大値が、好ましくは3.00以下であり、さらに好ましくは2.00以下であり、特に好ましくは1.50以下である。このY値の理論上の下限値は0である。上記Y値を小さくすればするほど、黒画像を表示させた場合に光漏れ量の小さい(結果的に、コントラスト比が大きい)液晶表示装置を得ることができる。
さらに、上記液晶表示装置は、黒画像を表示させた場合の方位角45°、極角(0°〜78°)におけるY値の平均値が、好ましくは1.50以下であり、さらに好ましくは1.10以下であり、特に好ましくは0.70以下である。あるいは、黒画像を表示させた場合の方位角45°、極角(0°〜78°)におけるY値の最大値が、好ましくは2.50以下であり、さらに好ましくは1.50以下であり、特に好ましくは1.00以下である。このY値の理論上の下限値は0である。上記Y値を小さくすればするほど、黒画像を表示させた場合に光漏れ量の小さい(結果的に、コントラスト比が大きい)液晶表示装置を得ることができる。
G.本発明の液晶パネルの用途
本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置が用いられる用途は、特に制限はないが、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,液晶テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器などの各種用途に用いることができる。
特に好ましくは、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置は大型の液晶テレビに用いられる。本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置が用いられる液晶テレビの画面サイズとしては、好ましくはワイド17型(373mm×224mm)以上であり、さらに好ましくはワイド23型(499mm×300mm)以上であり、特に好ましくはワイド26型(566mm×339mm)以上であり、最も好ましくはワイド32型(687mm×412mm)以上である。
本発明について、以上の実施例および比較例を用いて更に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)偏光子の水分率の測定方法:
カールファシャー水分計[京都電子工業(株) 製品名「MKA−610」]を用いて、150℃±1℃の加熱炉にサイズ10mm×30mmに切り出したサンプルを入れ、窒素ガス(200ml/分)を滴定セル溶液中にバブリングさせて測定した。
(2)偏光子の単体透過率、偏光度の測定方法:
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて、23℃で測定した。
(3)分子量の測定方法:
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法よりポリスチレンを標準試料として算出した。具体的には、以下の装置、器具および測定条件により測定した。
・分析装置:TOSOH製「HLC−8120GPC」
・カラム:TSKgel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000
・カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流量:0.6ml/min.
・検出器:RI
・カラム温度:40℃
・注入量:20μl
(4)厚みの測定方法:
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(5)フィルムの平均屈折率の測定方法:
アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR−M4」]を用いて、23℃における波長589nmの光で測定した屈折率より求めた。
(6)位相差値(Re、Rth)の測定方法:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計[王子計測機器(株)製 製品名「KOBRA21−ADH」]を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。なお、波長分散測定については、波長480nmの光も用いた。
(7)透過率(T[590])の測定方法:
紫外可視分光光度計[日本分光(株)製 製品名「V−560」]を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(8)光弾性係数の絶対値(C[590])の測定方法:
分光エリプソメーター[日本分光(株)製 製品名「M−220」]を用いて、サンプル(サイズ2cm×10cm)の両端を挟持して応力(5〜15N)をかけながら、サンプル中央の位相差値(23℃/波長590nm)を測定し、応力と位相差値の関数の傾きから算出した。
(9)収縮性フィルムの収縮率の測定方法:
JIS Z 1712−1997の加熱収縮率A法に準じて求めた(ただし、加熱温度は120℃に代えて140℃(または160℃)とし、試験片に荷重3gを加えたことが異なる)。具体的には、幅20mm、長さ150mmの試験片を縦[MD]、横[TD]方向から各5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離において標点をつけた試験片を作製する。該試験片は、温度140℃±3℃(または160℃±3℃)に保持された空気循環式乾燥オーブンに、荷重3gをかけた状態で垂直につるし、15分間加熱した後、取り出し、標準状態(室温)に30分間放置してから、JIS B 7507に規定するノギスを用いて、標点間距離を測定して、5個の測定値の平均値を求め、S(%)=[[加熱前の標点間距離(mm)−加熱後の標点間距離(mm)]/加熱前の標点間距離(mm)]×100より算出した。
(10)収縮性フィルムの収縮応力の測定方法:
以下の装置を用い、TMA法にて140℃および150℃における幅[TD]方向の収縮応力T140[TD]および収縮応力T150[TD]を測定した。
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)製「TMA/SS 6100」
・データ処理:セイコーインスツルメンツ(株)製「EXSTAR6000」
・測定モード:等速昇温測定(10℃/分)
・測定雰囲気:大気中(23℃)
・荷重:20mN
・サンプルサイズ:15mm×2mm(長辺が幅[TD]方向)
(11)液晶表示装置のカラーシフト量(Δu’v’)の測定方法:
以下の方法、測定装置を用いて、23℃の暗室でバックライトを点灯させてから、30分経過した後、測定を行った。具体的には、液晶表示装置に黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面の全方位(0°〜360°)、極角(0°〜78°;正面〜斜め方向)における色相、u’値およびv’値を測定した。斜め方向のカラーシフト量(Δu’v’値)は、次式: [(0.25−u’)2+(0.45−v’)2]1/2でから算出した。なお、液晶パネルの長辺方向を方位角0°とし、液晶パネルの法線方向を極角0°とした。
(12)液晶表示装置の黒輝度(Y値)の測定方法:
以下の方法、測定装置を用いて、23℃の暗室でバックライトを点灯させてから、30分経過した後、測定を行った。液晶表示装置に、黒画像を表示させ、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面の全方位(0°〜360°)、極角(0°〜78°;正面〜斜め方向))におけるXYZ表示系のY値を測定した。なお、液晶パネルの長辺方向を方位角0°とし、液晶パネルの法線方向を極角0°とした。
偏光子の作製
[参考例1]
ポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム[クラレ(株)製 商品名「9P75R(厚み:75μm、平均重合度:2,400、ケン化度:99.9モル%)」]を30℃±3℃に保持したヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴にて、ロール延伸機を用いて、染色しながら2.5倍に一軸延伸した。次いで、60±3℃に保持したホウ酸とヨウ化カリウム配合の水溶液中で、架橋反応を行いながら、ポリビニルアルコールフィルムの元長の6倍となるように一軸延伸した。得られたフィルムを50℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で30分間乾燥させて、偏光子P1およびP2を得た。上記偏光子P1およびP2の光学特性は、表1の通りである。
第1光学素子の作製
[参考例2]
厚み133μmのセルロースアセテートプロピオネート[EASTMAN社製 商品名「CAP−482−0.5」]を含有する高分子フィルム(Tg=135℃,平均屈折率=1.49,Re[590]=4.3nm,Rth[590]=135.9nm)を、同時二軸延伸機で、フィルム長手方向を保持して、145℃±1℃の空気循環式オーブン内で1.5倍に延伸し、位相差フィルム1−Aを作製した。得られた位相差フィルム1−Aの特性を、後述の参考例3のフィルム物性を併せて下記表2に示す。
[参考例3]
厚み100μmのノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルム[(株)オプテス製 「ZEONOR ZF14」(Tg=136℃,平均屈折率=1.53,Re[590]=2.0nm,Rth[590]=8.0nm)]を、同時二軸延伸機で、フィルム長手方向を保持して、135℃±1℃の空気循環式オーブン内で1.2倍に延伸し、位相差フィルム1−Bを作製した。得られた位相差フィルム1−Bの特性は、表2の通りである。
第2光学素子の作製
[参考例4]
厚み80μmのセルロース系樹脂を含有する高分子フィルム[富士写真フィルム(株)製 商品名「TDY−80UL」(平均屈折率=1.48)]をそのまま用い、位相差フィルム2−Aとした。得られた位相差フィルム2−Aの特性を、後述の参考例5のフィルム物性を併せて下記表3に示す。
[参考例5]
厚み100μmのノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルム[(株)オプテス製 「ZEONOR ZF14」(Tg=136℃,平均屈折率=1.53,Re[590]=2.0nm,Rth[590]=8.0nm)]の両側に、厚み60μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム[東レ(株)製 商品名「トレファンBO2873」]をアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機でフィルム長手方向を保持して、146℃±1℃の空気循環式オーブン内で1.38倍に延伸し、延伸後、上記二軸延伸ポリプロピレンフィルムを上記アクリル系粘着剤層と共に剥離して、位相差フィルム2−Bを作製した。この位相差フィルム2−Bの特性は表3の通りである。用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルム(収縮性フィルム)の物性は、表4に示す通りである。
液晶セルの作製
[参考例6]
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置[日立製作所(株)製 液晶テレビ 商品名「Wooo」(型番:W32−L7000、画面サイズ:698mm×392mm)]から、液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた光学フィルムを全て取り除いて、上記液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。このようにして作製した液晶セルを液晶セルAとした。
液晶パネルおよび液晶表示装置の作製
[実施例1]
参考例6で得られた液晶セルAの視認側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、第1光学素子として、参考例2で得られた位相差フィルム1−Aを、その遅相軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。続いて、この位相差フィルム1−Aの表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第1偏光子として、参考例1で得られた偏光子P1を、その吸収軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。このとき、上記液晶セルAの初期配向方向と、上記位相差フィルム1−A(第1光学素子)の遅相軸および上記偏光子P1(第1偏光子)の吸収軸とは、実質的に平行である。次に、上記液晶セルAのバックライト側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、第2光学素子として、参考例4で得られた位相差フィルム2−Aを、その遅相軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に直交(90°±0.5°)するように貼着した。続いて、この位相差フィルム2−Aの表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第2偏光子として、参考例1で得られた偏光子P2を、その吸収軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に直交(90°±0.5°)するように貼着した。このとき、上記偏光子P1の吸収軸と上記偏光子P2の吸収軸は、実質的に直交である。上記偏光子P1およびP2の外側(液晶セルとは反対の側)には、接着剤層(厚み1μm)を介して、保護層として、参考例4で得られた位相差フィルム2−Aをそれぞれ貼着した。
このようにして作製した液晶パネルAは、図8(a)に示すEモードの構成である。この液晶パネルAをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Aを作製した。バックライトを点灯させた直後の液晶表示装置Aは、全面で良好な表示均一性を有するものであった。バックライトを点灯し続けて30分経過後に、液晶表示装置Aの斜め方向のカラーシフト量(Δu’v’)を測定した。得られた液晶表示装置Aの特性を、後述の実施例2、ならびに、比較例1および2の特性と併せて下記表5に示す。図9に、実施例1および後述する比較例1の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。図10に、実施例1および後述する比較例1の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。Δu’v’は、液晶表示装置のカラーシフト量を表す指標の1つであり、その値が小さいほど表示特性に優れる。実施例1の液晶表示装置Aは、極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の平均値は0.075であり、最大値は0.099であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の平均値は0.071であり、最大値は0.105であった。
[比較例1]
第1光学素子として、位相差フィルム1−Aに代えて、参考例4で得られた位相差フィルム2−Aを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルXを作製した。このようにして作製した液晶パネルXは、図8(b)に示すEモードの構成である。この液晶パネルXをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Xを作製した。バックライトを点灯させた直後の液晶表示装置Xは、全面で良好な表示均一性を有するものであった。バックライトを点灯し続けて30分経過後に、液晶表示装置Xの斜め方向のカラーシフト量(Δu’v’)を測定した。得られた液晶表示装置Xの特性は、表5の通りである。図9に、前述の実施例1および比較例1の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。図10に、前述の実施例1および比較例1の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。比較例1の液晶表示装置Xは、極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の平均値は0.118であり、最大値は0.238であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の平均値は0.143であり、最大値は0.243であった。
[実施例2]
参考例6で得られた液晶セルAの視認側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、第1光学素子として、参考例3で得られた位相差フィルム1−Bを、その遅相軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。続いて、この位相差フィルム1−Bの表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第1偏光子として、参考例1で得られた偏光子P1を、その吸収軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。このとき、上記液晶セルAの初期配向方向と、上記位相差フィルム1−B(第1光学素子)の遅相軸および上記偏光子P1(第1偏光子)の吸収軸とは、実質的に平行である。次に、上記液晶セルAのバックライト側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、第2光学素子として、参考例5で得られた位相差フィルム2−Bを、その遅相軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。続いて、この位相差フィルム2−Bの表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第2偏光子として、参考例1で得られた偏光子P2を、その吸収軸が上記液晶セルAの長辺と実質的に直交(90°±0.5°)するように貼着した。このとき、上記偏光子P1の吸収軸と上記偏光子P2の吸収軸は、実質的に直交である。上記偏光子P1およびP2の外側(液晶セルとは反対の側)には、接着剤層(厚み1μm)を介して、保護層として、参考例4で得られた位相差フィルム2−Aをそれぞれ貼着した。
このようにして作製した液晶パネルBは、図5(a)に示すEモードの構成である。この液晶パネルBをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Bを作製した。バックライトを点灯させた直後の液晶表示装置Bは、全面で良好な表示均一性を有するものであった。バックライトを点灯し続けて30分経過後に、液晶表示装置Bの斜め方向のカラーシフト量(Δu’v’)を測定した。得られた液晶表示装置Bの特性は、表5の通りである。
図11に、実施例2および後述する比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。図12に、実施例2および後述する比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。Δu’v’値は、液晶表示装置のカラーシフト量を表す指標の1つであり、その値が小さいほど表示特性に優れる。実施例2の液晶表示装置Bは、極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の平均値は0.068であり、最大値は0.110であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の平均値は0.076であり、最大値は0.105であった。
図13に、実施例2および後述する比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のY値をそれぞれ示す。図14に、実施例2および後述する比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のY値をそれぞれ示す。Y値は、液晶表示装置の光漏れ量を表す指標の1つであり、その値が小さいほど表示特性に優れる。実施例2の液晶表示装置Bは、極角60°における全方位(0°〜360°)のY値の平均値は0.59であり、最大値は1.23であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のY値の平均値は0.59であり、最大値は0.67であった。
[比較例2]
第1光学素子として、位相差フィルム1−Bに代えて、参考例4で得られた位相差フィルム2−Aを用いた以外は、実施例2と同様の方法で、液晶パネルYを作製した。このようにして作製した液晶パネルYは、図15に示すEモードの構成である。この液晶パネルXをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Yを作製した。バックライトを点灯させた直後の液晶表示装置Yは、全面で良好な表示均一性を有するものであった。バックライトを点灯し続けて30分経過後に、液晶表示装置Yの斜め方向のカラーシフト量(Δu’v’)を測定した。得られた液晶表示装置Yの特性は、表5の通りである。
図11に、前述の実施例2および比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。図12に、前述の実施例2および比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値をそれぞれ示す。比較例2の液晶表示装置Yは、極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の平均値は0.093であり、最大値は0.171であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の平均値は0.091であり、最大値は0.107であった。
図13に、実施例2および後述する比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のY値をそれぞれ示す。図14に、実施例2および後述する比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のY値をそれぞれ示す。Y値は、液晶表示装置の光漏れ量を表す指標の1つであり、その値が小さいほど表示特性に優れる。実施例2の液晶表示装置Bは、極角60°における全方位(0°〜360°)のY値の平均値は1.37であり、最大値は3.25であった。方位角45°における極角(0°〜78°)のY値の平均値は1.70であり、最大値は2.98であった。
[評価]
実施例1および2に示すように、特定の光学特性を満足する第1光学素子を、液晶セルと該液晶セルの一方の側に配置された第1偏光子との間に配置し、該第1光学素子の遅相軸が、第1偏光子の吸収軸と実質的に平行となるように配置した液晶パネルを作製することによって、斜め方向のカラーシフト量が小さい液晶表示装置を得ることができた。一方、比較例1および2に示すように、本発明の液晶パネルの構成を満たさない液晶パネルは、斜め方向のカラーシフト量が大きな液晶表示装置しか得ることができなかった。実施例2に示すように、特定の光学素子を満足する第2光学素子を、液晶セルと該液晶セルの他方の側に配置された第2偏光子との間に配置し、該第1光学素子の遅相軸が、第1偏光子の吸収軸と実質的に平行または実質的に直交するように配置した液晶パネルを作製することによって、斜め方向のカラーシフト量がより一層小さく、斜め方向の光漏れ量も小さい、液晶表示装置を得ることができた。
以上のように、本発明の液晶パネルによれば、斜め方向のカラーシフト量を低減することができるので、液晶表示装置の表示特性向上に、極めて有用であるといえる。本発明の液晶パネルは、液晶表示装置および液晶テレビに好適に用いられる。
本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。 (a)は図1の液晶パネルがEモードを採用する場合の概略斜視図であり、(b)は図1の液晶パネルがOモードを採用する場合の概略斜視図である。 本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明の別の実施形態による液晶パネルの概略断面図である。 (a)は図4の液晶パネルがEモードを採用する場合の概略斜視図であり、(b)は図4の液晶パネルがOモードを採用する場合の概略斜視図である。 第2光学素子に用いられる位相差フィルムの代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。 (a)は実施例1で用いた液晶パネルの概略斜視図であり、(b)は比較例1で用いた液晶パネルの概略斜視図である。 実施例1および比較例1の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の測定結果を表すグラフである。 実施例1および比較例1の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の測定結果を表すグラフである。 実施例2および比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のΔu’v’値の測定結果を表すグラフである。 実施例2および比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のΔu’v’値の測定結果を表すグラフである。 実施例2および比較例2の極角60°における全方位(0°〜360°)のY値の測定結果を表すグラフである。 実施例2および比較例2の方位角45°における極角(0°〜78°)のY値の測定結果を表すグラフである。 比較例2で用いた液晶パネルの概略斜視図である。
符号の説明
10 液晶セル
11、11’ 基板
12 液晶層
21 第1偏光子
22 第2偏光子
30 第1光学素子
40 第2光学素子
60、60’ 保護層
70、70’ 表面処理層
80 バックライトユニット
81 バックライト
82 反射フィルム
83 拡散板
84 プリズムシート
85 輝度向上フィルム
100、101、102 液晶パネル
200 液晶表示装置
300 繰り出し部
310 ヨウ素水溶液浴
320 ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴
330 ヨウ化カリウムを含む水溶液浴
340 乾燥手段
350 偏光子
360 巻き取り部
401、403、405 繰り出し部
414、416、419 巻き取り部
404、406 収縮性フィルム
407,408 ラミネートロール
409 加熱手段

Claims (9)

  1. 液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1偏光子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2偏光子と、該第1偏光子と該液晶セルとの間に配置された第1光学素子とを少なくとも備え、
    該第1光学素子が、下記式(1)および(2)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第1偏光子の吸収軸と実質的に平行となるように配置されてなる、液晶パネル:
    10nm<Re[590] …(1)
    |Rth[590]−Re[590]|<10nm …(2)
    ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
  2. 前記液晶セルが、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を備える、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記液晶セルの初期配向方向が、前記第1偏光子の吸収軸および前記第1光学素子の遅相軸と実質的に平行である、請求項1または2に記載の液晶パネル。
  4. 前記第1光学素子の厚みが50μm〜200μmである、請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
  5. 前記第1光学素子が、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む、請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネル。
  6. 前記液晶セルと該第2偏光子との間に第2光学素子をさらに備え、
    該第2光学素子が、下記式(3)および(4)を満足し、ならびに、その遅相軸が該第2偏光子の吸収軸と実質的に平行または実質的に直交するように配置されてなる、請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネル:
    50nm≦Rth[590]≦200nm …(3)
    −200nm≦Rth[590]−Re[590]≦80nm …(4)
    ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
  7. 前記第2光学素子が、ノルボルネン系樹脂を含有する位相差フィルムおよび/またはセルロース系樹脂を含有する位相差フィルムを含む、請求項6に記載の液晶パネル。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の液晶パネルを含む、液晶テレビ。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。
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