JP2007017137A - 熱交換井の配管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工性がよく、複数の地中熱交換井における熱交換性能のバラツキを抑えるとともに、熱交換媒体の搬送動力を小さくすることが可能な地中熱交換井の配管構造を提供する。
【解決手段】 熱交換媒体が流れる複数の熱交換パイプ76A〜78Aと複数の熱交換パイプ76B〜78Bをそれぞれ直列に接続して2系統の流路73,74を形成し、各流路をそれぞれ構成する熱交換パイプを、建物2下方の地中6に埋設される複数の中空状杭70,71,72内にそれぞれ挿入して熱交換井7,8,9を形成すると共に、各流路の端部をそれぞれヒートポンプ4につながる配管部10に接続し、各流路を流れる熱交換媒体の向きを互いに逆向きとなるようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地中内に形成する熱交換井の配管構造に関し、特に熱交換井に搬送される熱交換媒体の流動方向に関する。
地中に埋設した中空状の杭の中に熱交換パイプを導入して地中熱交換井(以下「熱交換井」と記す)を形成するとともに熱交換パイプにヒートポンプを接続し、ヒートポンプで熱交換された熱交換媒体を地中に搬送して放熱または採熱する地中熱システムが種々提案されている。このような地中熱システムにおいては、ヒートポンプの能力と熱交換井の能力とのバランスから、熱交換井を複数形成することがある。中空状杭の中に熱交換パイプを挿入して熱交換井を構成するものとしては特許文献1が挙げられる。
特開2004−332330
複数の熱交換井で熱交換を行う際には、熱交換井1本当リの熱交換量の最大化と熱交換機に流す熱交換媒体の搬送動力の最小化とともに、各熱交換井からヒートポンプまで伸びる配管施工の省力化という課題がある。
各熱交換井の接続方法には、熱交換井を並列に接続する方法と直列に接続する方法がある。並列に接続する方法では、全ての熱交換井の熱交換能力が等しく熱交換能力を最大化できる。ただし、各熱交換井には、ある一定量の熱交換媒体を流さなければ熱交換能力を確保できない。このため、熱交換媒体の涜量は熱交換井の数に比例し、搬送動力が大きくなる。
直列に接続する方法では、熱交換媒体が初めに通過する熱交換井にかかる負荷が最も大きく、末端の熱交換井の負荷が最も小さくなり、熱交換能力に偏りが生じる。ただし、熱交換井に流す熱交換媒体は熱交換井の数に比例しないので搬送動力が小さくて済む。
このように、それぞれの方式には長短があるが、特に熱交換井の長さが短い鋼管杭を使用する場合には、多くの熱交換井を接続しなければならないので、熱交換能力のバラツキを抑えるとともに、熱交換媒体の搬送動力を小さくする必要がある。
本発明は、熱交換媒体の搬送動力を小さくしながら施工性がよく、複数の地中熱交換井における熱交換のバラツキを抑えることが可能な地中熱交換井の配管構造を提供することを、その目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る地中熱交換井の配管構造は、直列接続を採用し、熱交換媒体の搬送動力を最小化し、熱交換能力のバラツキを最低減にするために、熱交換井に2組の熱交換器を設置し、2系統の熱媒体流路を形成し、この2系統に流れる熱交換媒体の方向を逆向きとしている。
本発明によれば、熱交換媒体が流れる複数の熱交換パイプを直列に接続して2系統の流路を形成し、各流路をそれぞれ構成する熱交換パイプを、建物下方の地中に埋設される複数の中空状杭内にそれぞれ挿入して熱交換井を形成し、各流路の両端部をそれぞれヒートポンプにつながる配管部に接続するとともに、各流路を流れる熱交換媒体が複数の熱交換井に対して異なる順序で導入されるように各流路を接続したので、熱交換媒体の搬送動力を小さくしながらヒートポンプにつながる配管との接続箇所が低減して施工性が向上するとともに、熱交換井に対する熱交換媒体の導入順序が逆になるので、熱交換井間に対する負荷を分散させることができ、各熱交換井での熱交換量の均一化を図り易くなって熱交換のバラツキを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1において、符号1は地中熱システムを示す。この地中熱システム1は、建物2に設置される空調機器3、空調機器3と接続する室外機であるヒートポンプ4、ヒートポンプ4の熱交換機5につながる配管部10に接続され、この熱交換機5で熱交換された熱交換媒体としての冷却水を地中6で熱交換する複数の熱交換井7,8,9を備えている。
ヒートポンプ4は、水冷式の熱交換機5を備えている。ヒートポンプ4には、空調機器3と接続されて媒体の循環経路を構成する媒体流路11が接続されている。この媒体流路11を循環する媒体としては、CFC系、HCFC系のHFC系等の周知の科学冷媒、あるいは冷水や温水等が挙げられる。ヒートポンプ4は、その運転状況に応じて図示しないコンプレッサ等の周知の冷凍サイクル構成部品が適宜作動して熱交換機5内で冷媒と冷却水とが熱交換される。本形態では冷却水として不凍液を用いている。ヒートポンプ4としては種々のものが適用することができる。
熱交換井7,8,9は、建物2の下の地中に埋設された中空状杭としての複数の鋼管杭70,71,72と、鋼管杭70,71,72内に冷却水を搬送する複数の流路73,74とで構成されている。流路73は、鋼管杭70,71,72に挿入された先端U字形状の複数の熱交換パイプ76A,77A,78Aを、図2に示すように直列に接続して形成され、流路74は鋼管杭70,71,72に挿入された先端U字形状の複数の熱交換パイプ76B,77B,78Bを流路73と同様に直列に接続して形成されている。各熱交換パイプには、ポリエチレン、架橋ポリエチレン等の樹脂製のものを採用している。
流路73,74の一端73A,74Aは熱交換機5の入力端5Aに連結された配管部10Aに接続され、流路73,74の他端73B,74Bは熱交換機5の出力側5Bに連結さ配管部10Bに接続されている。配管部10Aは、分岐部となるヘッダー101Aと入力端5Aとを繋ぐ配管102Aと、流路73,74の一端73A,74Aがそれぞれ接続されたヘッダー103A,104Aとヘッダー101Aとを繋ぐ配管105A、106Aとを備えている。配管部10Bは、分岐部となるヘッダー101Bと入力端5Bとを繋ぐ配管102Bと、流路73,74の他端73B,74Bがそれぞれ接続されたヘッダー103B,104Bとヘッダー101Bとを繋ぐ配管105B、106Bとを備えている。配管102Bには、冷却水を循環さるポンプ79が装着されている。
本形態において流路73の冷却水は、熱交換機5の出力側5Bから配管102Bを介してヘッダー101Bで2つに分岐され、配管106Bからヘッダー104Bを経て熱交換パイプ70へ導入される。そして、熱交換パイプ71、熱交換パイプ72と順に通ってヘッダー104A案内され、配管106Aからヘッダー101A、配管102Aを介してヒートポンプ4の熱交換機5へと戻される。
本形態において流路74の冷却水は、熱交換機5の出力側5Bから配管102B、ヘッダー101Bを介して配管105Bからヘッダー103Bを経て熱交換パイプ72へ導入される。そして、熱交換パイプ71、熱交換パイプ70と順に通ってヘッダー103Aに案内され、配管105Aからヘッダー101A、配管102Aを介してヒートポンプ4の熱交換機5へと戻される。すなわち、各流路73,74を流れる冷却水が複数の熱交換井7,8,9に対して異なる順序で導入されるように各流路が接続されている。鋼管杭70,71,72の内部には、各熱交換パイプの挿入後に、熱伝導性に優れる粒状部材または流体が充填されている。流体としては水が好ましい。
図2に示すように、建物2の周囲であり、各鋼管杭よりも外側に位置する地中6A内には断熱部材81が配置されている。この断熱部材81は、各鋼管杭が埋設されている領域を四方から覆うように配置されている。断熱部材81の埋設深さとしては、少なくとも地表面6Aからの熱の影響を受けて地中内温度が変化する領域まで埋設されていれば良く。本形態では、各鋼管杭の長さは6メートルであり、断熱部材81の長さは3メートルの長さで少なくと地表面6Aから3メートルの深さまで埋設されている。
このような地中熱システム1では、空調機器3の電源が投入されると、空調機器3が作動すると共にポンプ79が駆動される。そして、流路73では冷却水が熱交換パイプ76A,77A,78Aの順に流れて熱交換井7,8,9の順でそれぞれ熱交換されて熱交換機5に戻され、流路74では冷却水が熱交換パイプ78B,77B,76Bの順に流れて熱交換井9,8,7の順で熱交換されて熱交換機5に戻される。
本形態においては、流路73を構成する熱交換パイプ76A,77A,78A及び流路74を構成する熱交換パイプ76B,77B,78Bをそれぞれ直列に接続しているので、流路73,74とヒートポンプ4との接続箇所は2箇所となる。このため、鋼管杭70,71,72それぞれに熱交換パイプを独立して挿入して各熱交換パイプをそれぞれ熱交換機5と接続する場合に比べて、ヒートポンプ4との接続箇所が少なくなり、施工性が向上する。流路73,74を流れる冷却水が熱交換井7,8,9に対して異なる順序で導入されるため、熱交換井7,8,9に対する冷却水の導入順序が逆になり、各熱交換井に対して負荷を分散させることができ、各熱交換井での熱交換量の均一化が図り易くなって熱交換のバラツキを抑制することができる。また、2系統の直列の流路73,74に対して1つのポンプ79で搬送動力を得ているので、冷却水の搬送動力を小さくしながらも各経路にポンプを装着する場合に比べて部品点数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。
本形態では、熱交換井7,8,9の外側に地表面6A側から地中6内に向かって断熱部材81を埋設して配置しているので、地表面6Aから地中6内への熱伝導を抑制することができ、比較的地中浅部に埋設される熱交換井7,8,9に対する地表面6Aからの熱の影響を最小限にとどめることができ、地中浅部に埋設した熱交換井7,8,9であっても設定した熱交換性能を得ることができる。
本形態においては、ヒートポンプ4と接続する配管部10に対して、互いに直列に接続した流路73,74で2系統として接続する形態として説明したが、配管部10に接続する系統としては、これら2つの流路に限定されるものではなく、1系統の流路を例えば2本の流路で構成し、合計4本の経路で2系統の流路を構成するようにしても良い。
本発明の一形態である地中熱交換井の配管構造の概略構成を示す平面図である。 地中熱交換井の配管構造と断熱部材との関係を示す側面図である。
符号の説明
2 建物
4 ヒートポンプ
6 地中
7,8,9 熱交換井
10 配管部
70,71,72 複数の中空状杭
73,74 流路
73A,73B,74A,74B 流路の両端部
76A〜78A 複数の熱交換パイプ
76B〜78B 複数の熱交換パイプ
81 断熱部材

Claims (2)

  1. 熱交換媒体が流れる複数の熱交換パイプを直列に接続して2系統の流路を形成し、各流路をそれぞれ構成する熱交換パイプを、建物下方の地中に埋設される複数の中空状杭内にそれぞれ挿入して熱交換井を形成し、各流路の両端部をそれぞれヒートポンプにつながる配管部に接続するとともに、各流路を流れる熱交換媒体が複数の熱交換井に対して異なる順序で導入されるように各流路を接続したことを特徴とする地中熱交換井の配管構造。
  2. 請求項1記載の地中熱交換井の配管構造において、
    前記建物の周囲であり、前記複数の中空状杭よりも外側に位置する地中内に、断熱部材を配置したことを特徴とする地中熱交換井の配管構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010145033A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Daikin Ind Ltd 地中熱交換器及び空調システム
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