JP6383339B2 - 熱交換用セグメント及びトンネル利用熱交換システム - Google Patents

熱交換用セグメント及びトンネル利用熱交換システム Download PDF

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Description

本発明は、シールド工法等により掘削されるシールドトンネルの壁面を形成するとともに、シールドトンネルの地中や空気等流体と熱交換を行うための熱交換器を内蔵した熱交換用セグメントと、この熱交換用セグメントで採取したトンネル側の熱を利用して熱制御対象物を加熱又は冷却するようにしたトンネル利用熱交換システムに関する。
近年、地球の環境に配慮し、自然エネルギーの有効活用を図り、CO削減、地球温暖化防止を図ることが、世界的に大きな課題となっている。この自然エネルギーとしては、太陽光、風力、波力、地熱等に関する技術が知られている。また、自然エネルギーの一つとして、地中に広くその地域のほぼ平均気温で分布する低温(例えば、10〜15℃)ではあるが一年中ほぼ恒温の熱エネルギーを利用する地中熱利用システムに関する技術も知られている。本出願人の一方は、従来の地中熱利用システムを改良した技術として、地中熱交換井内の循環路に隣接して、熱交換量増加手段を埋設し、地中熱交換井の熱交換量を増加させる地中熱利用ヒートポンプシステムに関する技術を提案している(特許文献1参照)。しかしながら、従来の地中熱利用システムの技術では、深い地中熱交換井を掘削する必要があり、その地中熱交換井の施工コスト(イニシャルコスト)が高価であるという問題点があった。この施工コストが高価であることは、地中熱利用熱交換システムの普及を阻んでいる要因の一つである。
一方、比較的地質が軟弱な都市部に、安全に、効率的に地下トンネルを施工する工法としてシールド工法が多く採用されている。シールド工法は、専用のトンネル掘削機でトンネルを掘削しながら、セグメントをトンネル壁面に沿って嵌め合わせるように設置し、トンネル壁面を構築していく工法である。また、このシールド工法は、従来からのトンネル(例えば、道路トンネル、鉄道トンネル)だけでなく、地下街、通信、配管のための共同溝トンネル、下水トンネル等にも広く活用されている。
本出願人の一方は、このようなトンネルを活用し、トンネルの地中やトンネル内の空気等と熱交換する技術としてトンネル熱交換用パネル及びトンネル利用熱交換システムに関する技術(特許文献2参照)を提案している。この技術は、パネル(セグメント)内流体路を有するパネル本体(セグメント本体)をトンネルの長手方向に複数設置して、トンネルの壁面に沿ってトンネル側熱交換部を形成し、トンネルの地中や空気等流体と熱交換するトンネル熱交換用パネル及びトンネルを利用した熱交換システムに関するものである。
特開2009−257737号公報 特開2007−107288号公報
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、熱交換用セグメント(トンネル熱交換用パネル)の設置に合わせてセグメント内流体路を接続し、トンネルの壁面に沿ってトンネル側熱交換部を構築することになる。このように、熱交換用セグメント自体の設置とセグメント内流体路の接続という両方の作業を、同時に、行うことで作業性が低下してしまうおそれが生じていた。また、トンネルが左右方向にカーブしたり、上下方向に傾斜等の変化があると、隣接する熱交換用セグメント間のセグメント内流体路の接続部の遮水性能を維持することが厳しくなり、実用化を図ることが困難であるという問題が生じた。
一方、自然エネルギーの有効活用を図り、CO削減、地球温暖化防止を図ることは、人類が必ず解決しなければならない課題の一つである。そのため、前述した特許文献2の技術では、通常のセグメントや熱交換用セグメントの設置作業と、隣接する熱交換用セグメント間のセグメント内流体路の接続作業とを別工程で行うようにし、作業性の低下を招かないようにする必要が生じた。また、隣接する熱交換用セグメント間のセグメント内流体路の接続を確実に行い、接続部の遮水性能の低下を招かないようにして、トンネルの地中や空気等流体の熱を利用するトンネル側の熱交換部を構築し、トンネル利用熱交換システムの普及拡大を図り、CO削減、地球温暖化防止に貢献できるようにする技術の開発が期待されている。特に、いままで活用することができなかったトンネルの地中や空気等流体の熱の活用を図ることは、都市部におけるヒートアイランド現象の抑止、ピーク電力等の削減等の効果を呈すると期待される。
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであり、次のような目的を達成するものである。
本発明の目的は、熱交換用セグメントの設置と、隣接する熱交換用セグメントの熱交換器の管端部間の接続とを切り離して行えるようにすることで、作業性の低下、遮水性能の低下を招くことがない熱交換用セグメントを提供することにある。
本発明の他の目的は、この熱交換用セグメントが採取するトンネル側の熱を利用して、熱制御対象物を加熱又は冷却することができるトンネル利用熱交換システムを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために次の手段を採る。
本発明1の熱交換用セグメントは、
トンネル掘削機で掘削されたトンネルに、複数に分割されたセグメントで前記トンネルの壁面を構築するシールドトンネルにおける熱交換用セグメントであって、
前記セグメントと同一又はほぼ同一の形状及び大きさの部材であって、前記壁面の一部を構築するとともに、前記トンネルの地中、又は、空気を含む流体と熱交換を行うための熱交換用セグメント本体(11)と、
前記熱交換用セグメント本体に埋設され、前記熱交換用セグメント本体を通して伝達された熱を循環流体に移動させるとともに、前記循環流体を前記熱交換用セグメント本体の外部に移動させるための流体循環路の一部を構成するための熱交換器(20)とを備え、
前記熱交換器は、
合成樹脂製又は耐蝕性のある金属製の管状体であって、前記熱交換用セグメント本体の内周側又は外周側の面と平行又はほぼ平行に、前記熱交換用セグメント本体の厚さ方向の所定の範囲に、円形状、及び/又は、直線状に形成されている熱交換用管部(21)と、
前記熱交換用管部の一方の端部側に設けられ、前記熱交換器の流入部又は流出部となる一方の管端部(22)と、前記熱交換用管部の他方の端部側に設けられ、前記熱交換器の流出部又は流入部となる他方の管端部(23)とを備えており、
前記一方の管端部(22)、及び、前記他方の管端部(23)は、前記熱交換用セグメント本体(11)の前記トンネルの内周面側に形成された凹部(11a、11b、11c)内に設けられた管端部であることを特徴とする。
本発明2の熱交換用セグメントは、本発明1において、
前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネル内に配置されるとともに、前記流体循環路の一部を構成する主管路に接続可能な管端部であり、前記他方の管端部が、前記トンネルの周方向、又は、前記トンネルの長手方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向、又は、前記長手方向に接続可能な管端部であることを特徴とする。
本発明3の熱交換用セグメントは、本発明1において、
前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネルの周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部であり、前記他方の管端部が、前記周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部であることを特徴とする。
本発明4の熱交換用セグメントは、本発明1において、
前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネルの周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部であり、前記他方の管端部が、前記トンネルの長手方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記長手方向に接続可能な管端部であることを特徴とする。
本発明の熱交換用セグメントは、本発明1から4において、
前記セグメント本体の厚さ方向の所定の範囲は、前記セグメント本体内の外周側に設けられている第1主筋(12)と、前記セグメント本体内の内周側に設けられている第2主筋(13)との間の所定の範囲であることを特徴とする。
本発明の熱交換用セグメントは、本発明2からにおいて、
前記熱交換用セグメントは、前記周方向に接続するための管端部を、隣接する熱交換用セグメントの前記周方向に接続するための管端部に、前記長手方向に接続するための管端部を、隣接する熱交換用セグメントの前記長手方向に接続するための管端部に接続することにより、複数の前記熱交換器で形成される流体循環路が、前記トンネルの周方向、及び/又は、前記トンネルの長手方向に、一筆書き状に接続された熱交換器群(5)を形成するものであることを特徴とする。
本発明の熱交換用セグメントは、本発明において、
前記熱交換器群は、前記熱交換器群の一方の管端部が、前記トンネルの前記長手方向に配置される往路用主管路に、前記熱交換器群の他方の管端部が、前記トンネルの前記長手方向に配置される復路用主管路に接続されていることを特徴とする。
本発明のトンネル利用熱交換システムは、
本発明又はに記載された熱交換器群を有するトンネル側の熱交換装置(2)と、前記熱交換器群で採取した前記トンネル側の熱を利用して、前記トンネルの外部に設けられている熱制御対象物を加熱又は冷却するための熱交換を行う負荷側熱交換部とを備えていることを特徴とする。
本発明のトンネル利用熱交換システムは、
本発明又はに記載された熱交換器群と接続され、前記熱交換器群で前記トンネルの地中、又は、空気を含む流体と熱交換された熱を移動させるための第1循環流体が循環する第1流体循環路(25)と、前記トンネルの外部に設けられている熱制御対象物を加熱又は冷却するための熱交換を行う負荷側熱交換部に第2循環流体が循環する第2流体循環路(41)と、前記第1流体循環路と前記第2流体循環路との間に設けられ、前記第1循環流体を熱源として、前記第1循環流体より高温又は低温の前記第2循環流体を造成するヒートポンプ(4)とを備えていることを特徴とする。
本発明の熱交換用セグメントは、シールドトンネルの構築作業を、従来の作業と同様に行うことができる。また、この熱交換用セグメントは、この熱交換用セグメントの熱交換器の管端部と、隣接する熱交換用セグメントの熱交換器の管端部との間の接続作業を、シールドトンネルの構築作業とは別工程で行うため、熱交換器の管端部間の接続作業を確実に施工することができ、接続部の遮水性能の低下を生じさせない。従って、トンネルの地中や空気等流体の熱を利用するトンネル利用熱交換システムの実用化を図ることができる。このトンネル利用熱交換システムの実用化を図ることができれば、都市部におけるヒートアイランド現象の抑止、ピーク電力の削減等を図ることができる。また、トンネル利用熱交換システムが普及拡大することにより、地球温暖化防止、CO削減を図ることができ、地球環境の改善に貢献することができる。
この熱交換用セグメントは、複数の熱交換用セグメントの熱交換器が接続され、一筆書き状の流体循環路が形成される大規模な熱交換器群を構築することが可能であり、この熱交換器群が採取したトンネル側の熱を利用する大規模なトンネル利用熱交換システムを構築することができる。このように構築される大規模なトンネル利用熱交換システムは、トンネル側の熱を利用して熱制御対象物を加熱又は冷却することができ、地球温暖化防止、CO削減を図り、地球環境の改善に大きく貢献することができる。
図1は、本発明の熱交換用セグメントを利用したトンネル利用熱交換システムの概要を模式的に示した外観図である。 図2は、本発明の熱交換用セグメントを一部断面にして示す外観図である。 図3は、本発明の熱交換用セグメントの概要を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)をB−B線で切断した断面図である。 図4は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図である。 図5は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図である。 図6は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図である。 図7は、複数の熱交換用セグメントの管端部を接続し、一筆書き状の流体循環路を形成した熱交換器群を模式的に展開して示す正面図である。
図1から図7に従って、本発明の熱交換用セグメント及びトンネル利用熱交換システムの実施の形態について説明を行う。
[熱交換用セグメント]
図1は、本発明の熱交換用セグメントを利用したトンネル利用熱交換システムの概要を模式的に示した外観図、図2は、熱交換用セグメントを一部断面にして示した外観図である。図3は、熱交換用セグメントを示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)をB−B線で切断した断面図である。図4は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例(構造1、構造2)を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図、図5は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例(構造2)を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図、図6は、熱交換用セグメントに設けられる管端部の一例(構造2、構造3)を説明するために、熱交換用セグメントを展開して示す正面図である。
セグメント15は、トンネル壁面を掘削しながら構築するシールドトンネル(以下、トンネルと記載する)Tにおいて、複数(例えば、K、A1、A2、B1、B2で示す5分割)に分割され、トンネル掘削機でトンネルTを掘削しながら、トンネル壁面に沿って嵌め合わせるように設置されて、トンネル壁面を構築するための部材である。この実施の形態の熱交換用セグメント10は、セグメント15と共働してトンネル壁面を構築する部材であるとともに、トンネルTの地中や空気等流体の熱(トンネルT側の熱)を採取し、第1循環流体27との間で熱交換する機能と、第1循環流体27をトンネルTの外部に熱移動させるための第1流体循環路25の一部を構成するための機能とを備えた部材である。従って、この実施の形態におけるトンネルTは、従来より使用されている通常のセグメント15、熱交換用セグメント10とから構築されるトンネルである。なお、この実施の形態でいうトンネルTとは、シールド工法で設置される種々のトンネル(例えば、道路トンネル、鉄道トンネル、共同溝トンネル、地下街、下水トンネル等)である。
熱交換用セグメント10は、セグメント内の外周側に第1主筋12、セグメント内の内周側に第2主筋13等鉄筋が設けられた鉄筋コンクリート製のセグメント本体11を有する。このセグメント本体11内には、熱交換器20が埋設されている。熱交換用セグメント10は、熱交換器20が埋設されていない通常のセグメント15と、外観形状(形状及び大きさ)が同一又はほぼ同一のセグメントである。セグメント本体11は、所定の半径又は曲率r、厚さtを有する所定の大きさ(a*b)の板状の部材であり、掘削したトンネル面に沿って嵌め合わせるように設置されてトンネルTの壁面を構築するためのものである。また、熱交換用セグメント10は、トンネルTを構築するため、セグメント15と同様に、トンネルTの長手方向と直交する面で切断した断面で示したとき、トンネル面に沿った円弧状に形成されているものである。
セグメント本体11には、セグメント本体11の熱が伝達された第1循環流体(以下、第1流体と記載する)27を、熱交換用セグメント10等で構築されるトンネルTの外部に移動させるための第1流体循環路(以下、第1流路と記載する)25の一部を構成するための熱交換器20が形成されている。
熱交換器20は、所定の内外径(例えば、外径φ34mm、内径φ27mm)を有する合成樹脂(例えば、高密度ポリエチレン;PE100)製の管状体、又は、耐蝕性のある金属(例えば、ステンレス)製の管状体である。熱交換器20は、セグメント本体11に埋設される熱交換用管部21と、熱交換用管部21の一方の端部側に設けられた第1管端部22と、熱交換用管部21の他方の端部側に設けられた第2管端部23とから構成されている。熱交換器20は、熱交換用管部21、第1管端部22、第2管端部23の内径部が第1流体27を循環させる流体循環路となる。また、熱交換器20は、第1管端部22が第1流体27の流入部となるとき、第2管端部23が第1流体27の流出部となる。さらに、熱交換器20は、第2管端部23が第1流体27の流入部となるとき、第1管端部21が第1流体27の流出部となる。熱交換用管部21は、セグメント本体11の円弧面(内周側又は外周側の面)と平行又はほぼ平行であって、セグメント本体11の厚さ方向の中央又はほぼ中央に、蛇行するように形成されている。言い換えると、熱交換用管部21は、円形状の一部の管部と直線状の管部とが組み合わされて、所定の寸法c間を蛇行するように形成された管部となっている。熱交換用管部21は、セグメント本体11が厚さt(図3参照)の場合、外周面から寸法a(例えば、a=t/5)離れた位置にある寸法範囲b(例えば、b=2t/5)内に埋設されているとよい。
このように、熱交換用セグメント10は、セグメント本体11の厚さ方向の中央、又は、ほぼ中央の位置に熱交換用管部21を設けることで、熱交換用管部21に応力がかかりにくくにすることができる。言い換えると、熱交換用セグメント10は、セグメント本体11の外周側(例えば、寸法範囲bより外周側)に熱交換用管部21を設けると引っ張り方向の応力が生じ、セグメント本体11の内周側(例えば、寸法範囲bより内周側)に熱交換用管部21を設けると圧縮方向の応力が生じることになり、熱交換用管部21に悪影響を与えるおそれが生じる。この実施の形態の熱交換用セグメント10は、熱交換用管部21を、セグメント本体11の厚さ方向の中央近傍に設けることで、この悪影響が発生しないようにしている。
図4から図6は、熱交換用セグメント10に設けられる管端部の構造の一例(構造1、構造2、構造3)を説明するために、熱交換用セグメント10を展開して示す正面図である。図7は、複数の熱交換用セグメント10の管端部を接続し、一筆書き状の流体循環路を形成した熱交換器群5を模式的に展開して示す正面図である。図4から図7に従って、熱交換用セグメント10、熱交換器群5についてさらに説明を行う。
この熱交換用セグメント10に設けられる一方の管端部、他方の管端部は、次に説明する3種類の構造からなっている。そして、図7に示す熱交換器群5は、隣接する熱交換用セグメント10の管端部間を、構造1から構造3の管端部構造で接続することにより構築される。
[構造1]:構造1の管端部は、セグメント本体11の内周面側に凹部11aを形成し、この凹部11aに、熱交換器20の一端を突出するように設ける構造のものであり、第1管端部22、第2管端部23に符号aを付与して示している。この管端部22a、管端部23aは、トンネルT内に配置され、第1流路25の一部を構成する主管路(例えば、往路用主管路6、復路用主管路7)に接続するための管端部である(図1、4、7参照)。管端部22a、管端部23aは、トンネルTの内周面側に熱交換器20の流出部、流入部となる開口が向いている。
[構造2]:構造2の管端部は、トンネルTの周方向に隣接する熱交換用セグメント10の熱交換器20の管端部同士を接続するためのものであり、第1管端部22、第2管端部23に符号bを付与して示している。この構造2は、セグメント本体11の周方向端部の内周面側に凹部11bを形成し、この凹部11bに熱交換器20の一端である管端部22b、管端部23bを突出させる構造のものである(図5、7参照)。この管端部22b、管端部23bは、熱交換器20の周方向側に流出部、流入部となる開口が向いている。
[構造3]:構造3の管端部は、トンネルTの長手方向に隣接する熱交換用セグメント10の熱交換器20の管端部同士を接続するためのものであり、第1管端部22、第2管端部23に符号cを付与して示している。この構造3は、セグメント本体11の長手方向端部の内周面側に凹部11cを形成し、この凹部11cに熱交換器20の一端である管端部22c、又は、管端部23cを突出させる構造のものである(図6、7参照)。この管端部22c、管端部23cは、長手方向側に熱交換器20の流出部、流入部となる開口が向いている。
例えば、図4に示す熱交換用セグメント10Aは、の熱交換器20Aの第1管端部22が「構造1」として説明を行った管端部22a(図4の左側)であり、第2管端部23が「構造2」として説明を行った管端部23b(図4の右側)である構成のものである。なお、熱交換用セグメントは、第1管端部22が管端部22b(構造2)、第2管端部23が管端部23a(構造1)になっている図4の構成とは左右が逆の構成のものであってもよい。図5に示す熱交換用セグメント10Bは、熱交換器20Bの第1管端部22が「構造2」として説明を行った管端部22bであり、第2管端部23が「構造2」として説明を行った管端部23bである構成のものである。図6に示す熱交換用セグメント10Cは、熱交換器20Cの第1管端部22が「構造3」として説明を行った管端部22c(図4の左側)であり、第2管端部23が「構造2」として説明を行った管端部23b(図4の右側)である構成のものである。なお、熱交換用セグメントは、第1管端部22が管端部22b(構造2)、第2管端部23が管端部23c(構造3)になっている図6の構成とは左右が逆の構成のものであってもよい。
熱交換器20管端部同士の接続について、説明を行う。
予め、熱交換用セグメント10の一方の管端部に、接続部材(例えば、電気融着継手:EF継手)を仮止めして設けておく。トンネル壁面に沿って嵌め合わせるように、各熱交換用セグメント10を設置し、トンネルTを構築する。接続部材の仮止めを解除し、隣接する両方の管端部の外径部が接続部材の内径部に接触可能に設置されるように接続部材を移動させる。接続部材が、一方の熱交換用セグメントの管端部と他方の熱交換用セグメントの管端部との間に跨がるようにセットされた後、管端部と接続部材とを電気融着装置で加熱して融着し、管端部の外径部と接続部材の内径部とを水密状態に接続する。
[複数の熱交換用セグメントで構築される熱交換器群]
図7は、複数の熱交換用セグメントの管端部を接続し、一筆書き状の流体循環路を形成した熱交換器群を模式的に展開して示す正面図である。この実施の形態では、トンネルTの周方向に、セグメント、複数の熱交換用セグメント(例えば、セグメントK、熱交換用セグメントA1、A2、B1、B2)が、所定の順番に嵌め合わされてリング状に構築されている。また、トンネルTの長手方向に、リング状に嵌め合わされた複数の熱交換用セグメント、セグメントが、符号「乙1、甲1、乙2、甲2、乙3」で示す順番に隣接するように配列されている。そして、符号「乙1、乙2、乙3」で示す複数の熱交換器セグメント、セグメントと、符号「甲1、甲2」で示す複数の熱交換用セグメント、セグメントとは、所定の角度分位相が異なるように設けられている。
前述したような構造の熱交換用セグメント10は、管端部間が、図7に示すように接続されて、1本の熱交換器群5が構築される。例えば、符号「乙1・A1」で示された熱交換用セグメント10Aと、符号「乙1・A2」で示された熱交換用セグメント10Bとは、管端部23b、管端部22b及び接続部材でトンネルTの周方向に接続されている。符号「乙1・A2」で示された熱交換用セグメント10Bと、符号「乙1・B1」で示された熱交換用セグメント10Dとは、管端部23b、管端部22b及び接続部材でトンネルTの周方向に接続されている。符号「乙1・B1」で示された熱交換用セグメント10Dと符号「甲1・B1」で示された熱交換用セグメント10Cとは、管端部23c、管端部22c及び接続部材でトンネルTの長手方向に接続されている。符号「甲1・B1」で示された熱交換用セグメント10Cと、符号「甲1・A2」で示された熱交換用セグメントとは、管端部23b、管端部22b及び接続部材でトンネルTの周方向に接続されている。符号「甲1・A2」の熱交換用セグメントと符号「甲1・A1」の熱交換用セグメントの両管端部の接続から、符号「甲2・A1」の熱交換用セグメントと符号「甲2・B2」の熱交換用セグメントの両管端部の接続については、前述した接続を繰り返すことになるので説明を省略する。符号「甲2・B2」で示された熱交換用セグメント10Dと符号「乙3・B2」で示された熱交換用セグメント10Aとは、管端部23c、管端部22c及び接続部材でトンネルTの長手方向に接続されている。
符号「乙3・B2」で示された熱交換用セグメント10Aの管端部23aは、トンネルTの長手方向に延在して配置されるとともに、第1流路25の一部を構成する主管路のうち、第1流体27を送るための往路用主管路6に接続部材を介して接続される。また、符号「乙1・A1」で示された熱交換用セグメント10Aの管端部22aは、トンネルTの長手方向に延在して配置されるとともに、第1流路25の一部を構成する主管路のうち、第1流体27を戻すための復路用主管路7に接続部材を介して接続される。このように、熱交換用セグメント10(10A〜10D)の熱交換器20(20A〜20C、図4〜6参照)を一筆書き状に接続することにより、長大な長さ、熱容量の熱交換器群5を構築することができる。なお、この説明から理解されるように、この熱交換器群5は、この形態で説明を行った例に限定されるものではなく、要求される熱容量、トンネルの大きさ等により、適宜、選択されるものである。接続される熱交換用セグメントの数量も適宜選択されるものである。また、熱交換器20は、セグメント本体11に埋設される部位の形状が適宜変更可能なものである。例えば、熱交換用セグメントは、前述した熱交換用管部21より管路長が短い熱交換用管部21aがセグメント本体11に埋設された熱交換用セグメント10Dであってもよい(図7参照)。
前述した熱交換用セグメント10は、熱交換器21の第1管端部22(又は第2管端部23)が、隣接する熱交換用セグメントの熱交換器の管端部の間を接続部材で接続されることにより、大きな熱容量のトンネルT側の熱を採取できる熱交換器群5を構築することができる。さらに、熱交換器群5は、必要に応じて、トンネルTの長手方向に、任意の数量、設置することができる。複数の熱交換用セグメント10の熱交換器20を接続して構築した熱交換器群5が採取したトンネル側の熱を利用したトンネル利用熱交換システムの実施の形態を図1に基づいてさらに説明する。
[トンネル利用熱交換システム]
図1に従って、トンネルTに設けられた複数の熱交換用セグメント10の熱交換器20を接続して構築した熱交換器群5で採取したトンネルT側の熱を利用し、トンネルTの外部に設けられた熱制御対象物の加熱、又は、冷却を行うトンネル利用熱交換システム1の実施の形態について説明を行う。具体的には、熱交換器群5で採取したトンネルT側の熱を利用して、建物の冷暖房、融雪、給湯等を行う。
この実施の形態のトンネル利用熱交換システム1は、熱交換器群5を有するトンネル側の熱交換装置(一次側熱交換装置)2、熱制御対象物の加熱、又は、冷却(例えば、建物の冷暖房、融雪、給湯等)を行うための熱交換を行う負荷側熱交換装置(二次側熱交換装置)4、トンネル側の熱交換装置2と負荷側熱交換装置4との間に設けられるヒートポンプ3とを有するトンネルの熱を利用したヒートポンプシステムである。
トンネル側の熱交換装置2は、複数の熱交換用セグメント10の熱交換器20を接続して構築される熱交換器群5、第1流体27が循環する第1流路25、第1流体27を循環させるための第1循環ポンプ(以下、第1ポンプと記載する)26等から構成されている。第1流体27は、第1ポンプ26が作動することによって、熱交換器群5を構築する複数の熱交換器20、第1熱交換部32、往路用主管路6、復路用主管路7を含む第1流路25を循環している。すなわち、熱交換器20の熱交換用管部21等は、第1流路25の一部を構成している。第1流体27は、水等である。
負荷側熱交換装置4は、建物の冷暖房、融雪、給湯等熱制御対象物の加熱、又は、冷却を行うための負荷側熱交換部43、第2循環流体(以下、第2流体と記載する)44が循環する第2流体循環路(以下、第2流路と記載する)41、第2流体44を循環させるための第2循環ポンプ(以下、第2ポンプと記載する)42等から構成されている。第2流体44は、第2ポンプ42が作動することによって、負荷側熱交換部43、第2熱交換部34を含む第2流路41を循環している。第2流体44は、水等である。第1流路25と、第2流路41の間には、ヒートポンプ3が設けられている。図1に示すように、複数の熱交換用セグメント10で構築される熱交換器群5を除くトンネル側の熱交換装置2、負荷側熱交換装置4、ヒートポンプ3は、トンネルTの外部に設けられている。ヒートポンプ3は公知のものであるが、本発明の理解を容易にするため概略を説明する。
このヒートポンプ3は、図1に示すように、熱媒体36を循環させ熱交換を行なうもので、熱媒体循環路31にモータで駆動される圧縮機33、膨張弁35、第1熱交換部32、第2熱交換部34を有している。トンネル側の熱交換装置2に設けられた第1流路25に第1熱交換部32を配し、負荷側熱交換装置4に設けられた第2流路41に第2熱交換部34を配した構成になっている。熱媒体36は、新冷媒[例えば、冷媒番号(ISO817):R404A、R407C、R410A等]、代替えフロン等であればよい。
例えば季節が冬期の場合、恒温状態の地盤、地中と接しているトンネルTの熱交換用セグメント10の温度は、外気温度に比べ、高い状態にある。また、第1流体27は、第1ポンプ26が作動することによって第1流路25を循環している。第2流体44は、第2ポンプ42が作動することによって第2流路41を循環している。
第1流体27は、第1流路25を循環し、複数の熱交換用セグメント10に内蔵された熱交換器20で構築される熱交換器群5に移動したとき、熱交換器群5の複数の熱交換器20で地中やトンネルT内の空気等流体と熱交換する。すなわち、循環している第1流体27には、セグメント本体11を通して伝達された熱が、熱交換器20により熱移動し、熱移動前の温度より高い温度の流体となる。熱交換器群5で熱交換された第1流体27は、第1流路25を循環し、第1熱交換部32で熱媒体36と熱交換を行う。第1流体27の熱は、熱媒体36に熱移動し、熱媒体36は、熱移動前の温度より高い温度の熱媒体となる。第1流体27と熱交換された熱媒体36は、圧縮機33で圧縮(加圧)されることによって、さらに温度が上昇した高温の熱媒体36となる。高温になった熱媒体36は、第2熱交換部34で、第2流路41を循環している第2流体44と熱交換する。第2熱交換部34で、熱媒体36の熱が移動した第2流体44は、高温の第2流体44となる。高温になった第2流体44は、第2流路41内を循環して、建物、路面等に設置された負荷側熱交換部43に移動する。第2熱交換部34で高温になった第2流体44は負荷側熱交換部43で熱交換して熱制御対象物を加熱する。例えば、建物の暖房装置、給湯装置、融雪装置等の熱源として使用される。
熱媒体36と熱交換し、温度が低下した第1流体27は、第1ポンプ26が作動することによって循環して熱交換器群5に戻り、熱交換器群5の複数の熱交換器20で地中やトンネル内の空気等流体と熱交換を行う。負荷側熱交換部43で熱量を使った第2流体44は低温化し、第2ポンプ42が作動することによって第2熱交換部34に戻り、熱媒体36と熱交換を行う。第2流体44と熱交換し温度が低下した熱媒体36は膨張弁35で減圧されることによって、さらに温度が低下した熱媒体になって第1熱交換部32に戻り、第1流体27と熱交換を行う。
また、季節が夏期の場合、恒温状態の地盤、地中と接しているトンネルTの熱交換用セグメント10の温度は、外気温度に比べ、低い状態にある。この場合、熱媒体36は、図1に示した矢印方向と反対の方向に、熱媒体循環路31内を循環する。
第1流体27は、第1流路25を循環し、複数の熱交換用セグメント10に内蔵された熱交換器20で構築された熱交換器群5に移動したとき、熱交換器群5の複数の熱交換器20で地中やトンネル内の空気等流体と熱交換する。すなわち、循環している第1流体27には、セグメント本体11を通して伝達された熱が、熱交換器20により熱移動し、熱移動前の温度より低い温度の流体となる。熱交換器群5で熱交換された第1流体27は、第1流路25を循環し、第1熱交換部32で熱媒体36と熱交換を行う。第1流体27の熱は、熱媒体36に熱移動し、熱媒体36は、熱移動前の温度より低温の熱媒体となる。第1流体27と熱交換された熱媒体36は、膨張弁35によって減圧されることによって、さらに温度が低下した低温の熱媒体となる。低温になった熱媒体36は、第2熱交換部34で、第2流路41を循環している第2流体44と熱交換する。第2熱交換部34で、熱媒体36の熱が移動した第2流体44は、低温の第2流体44となる。低温になった第2流体44は、第2流路41内を循環して、建物等に設置された負荷側熱交換部43に移動する。第2熱交換部34で低温になった第2流体44は負荷側熱交換部43で熱交換して熱制御対象物を冷却する。例えば、建物の冷房装置、冷房システム等の熱源として使用される。
熱媒体36と熱交換し、温度が上昇した第1流体27は、第1ポンプ26が作動することによって循環して熱交換器群5に戻り、熱交換器群5の複数の熱交換器20で地中やトンネル内の空気等流体と熱交換を行う。負荷側熱交換部43で熱量を使った第2流体44は温度が上昇し、第2ポンプ42が作動することによって第2熱交換部34に戻り、熱媒体36と熱交換を行う。第2流体44と熱交換し、温度が上昇した熱媒体36は、圧縮機33で圧縮(加圧)されることによって、さらに温度が上昇した熱媒体になって第1熱交換部32に戻り、第1流体27と熱交換を行う。
このように、複数の熱交換用セグメント10内の熱交換器20を接続して構築される熱交換器群5を有するトンネル側の熱交換装置2で熱交換し、前述のヒートポンプ3の熱源に利用することで、経済的で省エネルギーな熱交換システムが構築できる。
[トンネル利用熱交換システムの他の実施の形態1]
トンネル利用熱交換システムの他の実施の形態1の説明を行う。前述した実施の形態では、トンネル利用熱交換システムを、トンネル側の熱交換装置で熱交換したトンネル側の熱を利用したヒートポンプシステムとして説明を行った。この他の実施の形態1のトンネル利用熱交換システムは、トンネル側の熱交換装置で熱交換した循環流体を負荷側熱交換部に循環させ、この循環流体の熱により、直接、熱制御対象物を加熱、又は、冷却するように構成したものである。このような構成にすることにより、トンネル利用熱交換システムの構成の簡素化が図れる。
[トンネル利用熱交換システムの他の実施の形態2]
トンネル利用熱交換システムの他の実施の形態2の説明を行う。前述した実施の形態のトンネル利用熱交換システムは、ヒートポンプが、熱媒体と第2循環流体との間で熱交換を行い、第2流体が負荷側熱交換部と熱交換を行う間接式のヒートポンプが設けられた構成のものであった。この他の実施の形態2のトンネル利用熱交換システムは、熱媒体が、直接、負荷側熱交換部で熱交換を行い、熱制御対象物を加熱、又は、冷却するように構成された直膨式のヒートポンプが設けられたものである。このような構成にすることにより、トンネル利用熱交換システムの構成の簡素化が図れる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。例えば、接続部材は、メカニカルジョイント部材であってもよい。また、熱交換器の熱交換用管部は、円形状の一部からなる管部、直線状の管部、直線状の管部の組み合わせ、円形状又は円形状の一部からなる管部の組み合わせ、直線状の管部と円形状の一部からなる管部の組み合わせ等であってもよい。さらに、シールドトンネルは、矩形状のシールドトンネル、矩形状と円弧状が組み合わされた形状のシールドトンネル(例えば、上部側が円形状で下部側が矩形状のシールドトンネル)等であってもよい。例えば、矩形状のシールドトンネルの場合、熱交換用セグメント、セグメント本体の形状は、通常のセグメントと外観が同一形状のものであり、トンネルTの長手方向と直交する面で切断した断面で示したとき、長方形、又は、L字状等をした所定の厚さを有する板状の部材になっている。
1…トンネル利用熱交換システム
2…トンネル側の熱交換装置(一次側熱交換装置)
3…ヒートポンプ
4…負荷側熱交換装置(二次側熱交換装置)
5…熱交換器群
6…往路用主管路
7…復路用主管路
10、10A、10B、10C…熱交換用セグメント
11…セグメント本体
12…第1主筋
13…第2主筋
15…セグメント
20、20A、20B、20C…熱交換器
21…熱交換用管部
22…第1管端部
23…第2管端部
22a、22b、22c…管端部
23a、23b、23c…管端部
25…第1流体循環路
26…第1循環ポンプ
27…第1循環流体
31…熱媒体循環路
32…第1熱交換部
33…圧縮機
34…第2熱交換部
35…膨張弁
36…熱媒体
41…第2流体循環路
42…第2循環ポンプ
43…負荷側熱交換部
44…第2循環流体

Claims (9)

  1. トンネル掘削機で掘削されたトンネルに、複数に分割されたセグメントで前記トンネルの壁面を構築するシールドトンネルにおける熱交換用セグメントであって、
    前記セグメントと同一又はほぼ同一の形状及び大きさの部材であって、前記壁面の一部を構築するとともに、前記トンネルの地中、又は、空気を含む流体と熱交換を行うための熱交換用セグメント本体(11)と、
    前記熱交換用セグメント本体に埋設され、前記熱交換用セグメント本体を通して伝達された熱を循環流体に移動させるとともに、前記循環流体を前記熱交換用セグメント本体の外部に移動させるための流体循環路の一部を構成するための熱交換器(20)とを備え、
    前記熱交換器は、
    合成樹脂製又は耐蝕性のある金属製の管状体であって、前記熱交換用セグメント本体の内周側又は外周側の面と平行又はほぼ平行に、前記熱交換用セグメント本体の厚さ方向の所定の範囲に、円形状、及び/又は、直線状に形成されている熱交換用管部(21)と、
    前記熱交換用管部の一方の端部側に設けられ、前記熱交換器の流入部又は流出部となる一方の管端部(22)と、前記熱交換用管部の他方の端部側に設けられ、前記熱交換器の流出部又は流入部となる他方の管端部(23)とを備えており、
    前記一方の管端部(22)、及び、前記他方の管端部(23)は、前記熱交換用セグメント本体(11)の前記トンネルの内周面側に形成された凹部(11a、11b、11c)内に設けられた管端部である
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  2. 請求項1に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネル内に配置されるとともに、前記流体循環路の一部を構成する主管路に接続可能な管端部であり、
    前記他方の管端部が、前記トンネルの周方向、又は、前記トンネルの長手方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向、又は、前記長手方向に接続可能な管端部である
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  3. 請求項1に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネルの周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部であり、
    前記他方の管端部が、前記周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部である
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  4. 請求項1に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記熱交換器は、前記一方の管端部が、前記トンネルの周方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記周方向に接続可能な管端部であり、
    前記他方の管端部が、前記トンネルの長手方向に隣接する熱交換用セグメントの管端部と、前記長手方向に接続可能な管端部である
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記セグメント本体の厚さ方向の所定の範囲は、前記セグメント本体内の外周側に設けられている第1主筋(12)と、前記セグメント本体内の内周側に設けられている第2主筋(13)との間の所定の範囲である
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  6. 請求項2からのいずれか1項に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記熱交換用セグメントは、前記周方向に接続するための管端部を、隣接する熱交換用セグメントの前記周方向に接続するための管端部に、前記長手方向に接続するための管端部を、隣接する熱交換用セグメントの前記長手方向に接続するための管端部に接続することにより、複数の前記熱交換器で形成される流体循環路が、前記トンネルの周方向、及び/又は、前記トンネルの長手方向に、一筆書き状に接続された熱交換器群(5)を形成するものである
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  7. 請求項に記載された熱交換用セグメントにおいて、
    前記熱交換器群は、前記熱交換器群の一方の管端部が、前記トンネルの前記長手方向に配置される往路用主管路に、前記熱交換器群の他方の管端部が、前記トンネルの前記長手方向に配置される復路用主管路に接続されている
    ことを特徴とする熱交換用セグメント。
  8. 請求項又はに記載された熱交換器群を有するトンネル側の熱交換装置(2)と、
    前記熱交換器群で採取した前記トンネル側の熱を利用して、前記トンネルの外部に設けられている熱制御対象物を加熱又は冷却するための熱交換を行う負荷側熱交換部とを備えている
    ことを特徴とするトンネル利用熱交換システム。
  9. 請求項又はに記載された熱交換器群と接続され、前記熱交換器群で前記トンネルの地中、又は、空気を含む流体と熱交換された熱を移動させるための第1循環流体が循環する第1流体循環路(25)と、
    前記トンネルの外部に設けられている熱制御対象物を加熱又は冷却するための熱交換を行う負荷側熱交換部に第2循環流体が循環する第2流体循環路(41)と、
    前記第1流体循環路と前記第2流体循環路との間に設けられ、前記第1循環流体を熱源として、前記第1循環流体より高温又は低温の前記第2循環流体を造成するヒートポンプ(4)とを備えている
    ことを特徴とするトンネル利用熱交換システム。
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