JP2020180433A - 地熱交換用セグメント及び地熱交換装置 - Google Patents
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本発明によれば、地熱交換用セグメントの筐体内に設けた配管を蛇行させて波状に配設したために単位面積当たりの配管の面積が大きく、地熱の熱変換効率が良い。しかも、配管は地熱交換用セグメントの筐体内に配設されているために取付けと取り外しが容易で組立コストが低廉になる。
本発明によれば、地中熱の高い層で囲まれた領域に地熱交換装置を配設することで、筒状に配列された第一セグメント及び第二セグメント内に配管が蛇行して波状に配設されているため、地熱を配管内の熱媒で熱変換して効率よく採熱できて地上等で適宜に利用できる。しかも、配管は第一及び第二セグメントの筐体内に配設されているために取付けが容易で組立コストが低廉になる。
第一セグメントと第二セグメントを上下方向に接合することで、第一連結部の各配管同士は上下方向に互いに連結され、第一セグメントと第二セグメントは横方向に連結される。
第一セグメントと第二セグメントを接合する際、配管同士も第一連結部の凸部と凹部を連結することで同時に接続できる。
ジョイントを介して一方の配管の端部と他方の配管の端部とを連結して熱媒を流通させることができる。
第一セグメントと第二セグメントを接合する際、段部同士を当接させることで各配管を第一連結部で連結できる。
複数段のセグメントリングを上下に連結して第二連結部で配管同士を接続することで、配管を多段に接続することができるため、地熱の熱変換効率が一層高い。
本発明による地熱交換装置によれば、筒状に連結する第一セグメントと第二セグメントと第三セグメントを筒状に配設して内部に配設した配管内の熱媒で地熱と熱交換する際、第三セグメントが側面視略平行四辺形状であるため長さを大きくできて、セグメント数を少なくできるため少ない部品数で効率的に組み立てできる。
まず、本発明の第一実施形態による地熱交換装置1について図1〜図5を参照して説明する。図1は地熱交換装置1を備えた地熱交換設備Kを示す図である。本第一実施形態では例えば山間地に構築される送電用鉄塔や橋梁の基礎杭(深礎杭)を利用して地熱交換装置1を地中に埋設したものである。
地熱交換装置1において、例えば地すべり危険地に直径4〜6m程度の円筒杭としての地すべり抑止杭2を打設している。この地すべり抑止杭2は、予めボーリング等で地中熱の高い地層Tを検知して確認しておくものとする。地すべり抑止杭2の施工に際して地上から深礎工法によって竪穴を掘削する。
この地すべり抑止杭2は、地上から地すべり面よりも下方の不動地層にまで到達させている。これらの地すべり抑止杭2は所定間隔を開けて縦横方向に列状に多数施工していてもよい。
図4に示す地熱交換用のセグメント4は例えば鋼製セグメントからなり、側面視略台形状をなす筐体5を全体に水平方向に略円弧版状に湾曲して形成されている。セグメント4は地すべり抑止杭2の一部として地中熱の高い地層Tの内面に配設されているため地中熱の高い地層Tの地熱が良く伝達される。
配管3は例えば鋼管パイプからなる熱交換器とされている。配管3内には熱交換用の熱媒が流通している。地熱採取用の熱媒として例えば蒸気、熱水、或いはブライン等を用いることができる。配管3内の熱媒は例えばブラインであり、高温の地熱と熱交換される。
そして、3個の正の向きのセグメント4Aと3個の逆向きのセグメント4Bを交互に連結させることで、セグメントリング6を構築できる。配管3は凸部3aと凹部3bとで連結することでセグメントリング6を1本の配管3として連続させることができ、各セグメント4A、4Bは例えばテーパ側面4c同士及び段部7同士を面接触で接合させて図示しないボルト等で互いに連結できる。正の向きのセグメント4Aと逆向きのセグメント4Bは横方向に連結することで、配管3の凸部3aと凹部3bを上下方向に連結することができる。
一方、地熱交換設備Kの地熱交換器12では、第一凝縮器13と第二凝縮器14とが対向して配設されている。配管3の取り出し口9aは第一凝縮器13の一端部に接続される取り出し流路15に接続され、配管3内で地熱と熱交換された高温の熱媒が第一凝縮器13に送り出される。戻し口9bは第一凝縮器13の他端部に接続される戻し流路16に接続され、第一凝縮器13で熱交換されて冷却された熱媒を送り出している。
第一凝縮器13内の熱源側循環路20内を流れる高温の熱媒は、第一凝縮器13に対向する第二凝縮器14内の出力側循環路21との間で熱交換される。出力側循環路21内の熱媒は例えば熱水または蒸気であり、高温に変換されて例えば地すべり抑止杭2内を通って地上に設けた不図示の熱利用装置に供給される。
なお、地すべり抑止杭2内の空間にセメントミルク等の熱伝導性の高い媒体を埋め込むことで、地熱交換装置1の熱伝導性を向上させることができる。また、配管3をセグメント4A、4Bの外周側の面に当接させることで、地熱交換装置1の補強効果と熱伝達効果が高まる。
また、地すべり抑止杭2、地熱交換装置1、地熱交換器12、熱源側循環路20及び出力側循環路21とで地熱交換設備Kを構成する。
先ず、例えば地すべり地に地すべり抑止杭2を打設する。地すべり地の抑止杭として、深礎工法によって竪穴を掘削する。例えば土砂の部分はバックホウに取り付けたクラムシェルによって掘削し、岩盤部はブレーカを用いて人力によって掘削する。地すべり抑止杭2の土留め用ライナーとして鋼製ライナー2aを竪穴の内壁に千鳥配置で組み立てる。地すべり抑止杭2を打設する際、地中における地中熱の高い地層Tに到達すると、鋼製ライナー2aに代えて地熱交換装置1のセグメント4を施工する。
これにより、配管3の凸部3aと凹部3bはOリング10により水密または気密に嵌合される。各セグメント4A、4B同士はテーパ側面4c同士を継手のボルトで締結する。これによって、6個のセグメント4からなるセグメントリング6を構築できる。また、6個のセグメント4の筐体5内の配管3は上下に蛇行した形状で1本の配管として連結される。なお、配管3の凸部3aと凹部3bの連結は溶接等で行ってもよい。
熱源側循環路20には熱媒として例えばブラインを循環させて地中熱の高い地層Tから地熱交換装置1によって採熱する。出力側循環路21には熱媒として例えば熱水または蒸気等を循環させる。第一凝縮器13及び第二凝縮器14との間で温熱を伝達させて、出力側循環路21を通って循環する熱媒によって、路面の融雪や農業用ハウスの暖房などに使用することができる。
しかも、本実施形態による地熱交換装置1は、地すべり抑止杭2の地中熱の高い地層Tの領域に設けた逆向きのセグメント4Bと正向きのセグメント4Aを互いに嵌合し連結することで配管3の接続を行えるため、配管3の組み立てが容易で短時間で組み立てできる。しかも、各セグメント4に収納した配管3は凸部3aと凹部3bを互いに嵌合させることで接続できるため、この点でも配管3の組み立てが容易である。
本第二実施形態による地熱交換装置1Aは1つのセグメントリング6毎に地熱の回収を行うものではなく、複数のセグメントリング6を多段に重ねて配管3を連続させたものである。図7に示す地熱交換装置1Aは、1のセグメントリング6Aの下段に他のセグメントリング6Bを積層した展開図である。上段のセグメントリング6Aの中央の正の向きのセグメント4Cにおいて、上下に蛇行して配設された配管3の一部が分断され、下向きに凹部からなる一対の凹部からなる第一接続部23が設けられている。
下段のセグメントリング6Bにおいて、逆向きのセグメント4B間にセグメント4Dを嵌合する際、両側の段部7の凸部3aが隣接するセグメント4Bの段部7の凹部3bに連結される。これと同時に、頂部4aの第一接続部23が上段のセグメント4Cの第二接続部24に嵌合して連結される。しかも、下段のセグメントリング6Aは上段のセグメントリング6Bに対して各セグメント4が水平方向に僅かにずれて配設されている。
本第二実施形態によれば、上下二段のセグメントリング6A、6Bによって熱交換器としての配管3が連続して構成されているため、熱媒によって地熱を採熱する効率が一層向上する。
本実施形態による地熱交換装置1Bでは、地中熱の高い地層Tに囲まれた領域で、地すべり抑止杭2には3段のセグメントリング6A、6B、6Cが積層して構築されている。この地熱交換装置1Bにおいても、第二実施形態と同様に三段のセグメントリング6A、6B、6C間で配管3が接続されている。この場合、一段のセグメントリング6Aと二段のセグメントリング6Bとの接続部は、上下に対向する各セグメント4の第一接続部23、第二接続部24同士を接続すればよい。二段のセグメントリング6Bと三段のセグメントリング6Cとの接続部も、同様に上下に対向する各セグメント4の第一接続部23、第二接続部24同士を接続すればよい。
そして、配管3の取り出し口9a、戻し口9bは三段のセグメントリング6Cに構築するが、一段のセグメントリング6Aや二段のセグメントリング6Bのセグメント4に設けてもよい。
なお、セグメントリング6を四段以上に積層して配管3を接続してもよい。
図10(a)に示す変形例では、正の向きのセグメント4Aの段部7に設けた配管3の開口3dと逆向きのセグメント4Bの段部7に設けた配管3の開口3eとをジョイント26によって連結している。ジョイント26は、図10(b)に示すように、熱媒を流通可能なように円筒体26aで形成されている。この円筒体26aの下半部に雄ねじ部26bが形成され、中間部につば部26cが設けられている。円筒体の上半部には全周に形成された溝部にリング状のOリング27が装着されている。
本実施形態では、一部のセグメントについて側面視略台形状のセグメント4に代えて側面視略平行四辺形状のセグメント30を用いている。このセグメント30の筐体32におけるテーパ状の両側面30aにそれぞれ平坦な段部31が形成されている。筐体32の内部には上下方向に蛇行して波状に配列された配管3が配設され、その一方の端部は段部31上に突出する凸部3aとされ、他方の端部は段部31から引っ込められた凹部3bとされている。
本第四実施形態による地熱交換装置1Cによれば、側面視略平行四辺形状のセグメント30は側面視略台形状のセグメント4よりも横方向の長さが長いのでセグメントリング6を構成するセグメント4,30の数が少なくて済む。そのため、各セグメント4、30の製造コストと組み立てコストを削減できて組立が容易である。
なお、上述した各実施形態では、地熱交換装置1の配管3の取り出し口9a、戻し口9bに接続される取り出し流路15、戻し流路16を備えた地熱交換器12は地すべり抑止杭2内に設置したが、これに代えて取り出し流路15、戻し流路16を地すべり抑止杭2の外部の地上に取り出して地熱交換器12に連結してもよい。
なお、正の向きのセグメント4Aは第一セグメント、逆向きのセグメント4Bは第二セグメントに含まれる。また、側面視略平行四辺形状のセグメント30は第三セグメントに含まれる。
また、本発明による地熱交換装置1は、地すべり危険地以外の場所や地すべり抑止杭2以外の竪坑等、例えば橋梁の基礎杭や建物の脇に設けた竪穴等でも地中熱の高い地層Tに設置できることはいうまでもない。
2 地すべり抑止杭
3 配管
3a 凸部
3b 凹部
4、4A、4B、4C、30 セグメント
6、6A、6B、6C セグメントリング
7、31 段部
9a 取り出し口
9b 戻し口
10、27 Oリング
12 地熱交換器
23 第一接続部
24 第二接続部
26 ジョイント
26b 雄ねじ部
26c つば部
Claims (8)
- 筐体と、
前記筐体の内部に蛇行して配設されていて熱交換用の熱媒を流通させる配管と、
前記筐体に設けられていて他の前記筐体の前記配管と連結可能な前記配管の連結部と、
を備えたことを特徴とする地熱交換用セグメント。 - 熱交換用の熱媒を流通させる配管が筐体内を蛇行して配設された第一セグメントと、
熱交換用の熱媒を流通させる配管が筐体内を蛇行して配設されていて前記第一セグメントと逆向きに配設された第二セグメントと、
前記第一セグメントと前記第二セグメントを接合させて前記配管同士を連結する第一連結部と、
を備えていて、前記第一セグメントと前記第二セグメントを交互に接合することでリング状に配設させたことを特徴とする地熱交換装置。 - 前記第一セグメントと前記第二セグメントは横方向に連結され、前記配管同士の第一連結部は上下方向に連結されている請求項2に記載された地熱交換装置。
- 前記第一連結部は、一方の前記配管の端部が前記筐体から突出する凸部を有し、他方の前記配管の端部は凹部を有し、前記凸部と凹部が互いに連結されている請求項2または3に記載された地熱交換装置。
- 前記第一連結部は、一方の前記配管の端部と他方の前記配管の端部とが前記熱媒を流通可能なジョイントを介して連結されている請求項2または3に記載された地熱交換装置。
- 前記第一セグメントと第二セグメントはそれぞれ側面視で斜辺に段部を有する台形状で略円弧版状に湾曲して形成され、前記段部に前記第一連結部が設けられている請求項2から5のいずれか1項に記載された地熱交換装置。
- 前記第一セグメント及び前記第二セグメントをリング状に配列させたセグメントリングが上下に複数段連結され、
一の前記セグメントリングの前記第一セグメントまたは第二セグメントに設けた前記配管の端部と、隣接する他の前記セグメントリングの前記第一セグメントまたは第二セグメントに設けた前記配管の端部とを互いに連結する第二連結部が設けられている請求項2から6のいずれか1項に記載された地熱交換装置。 - 熱交換用の熱媒を流通させる配管が側面視略台形状の筐体内を蛇行して配設された第一セグメントと、
熱交換用の熱媒を流通させる配管が側面視略台形状の筐体内を蛇行して配設されていて前記第一セグメントと逆向きに配設された第二セグメントと、
熱交換用の熱媒を流通させる配管が側面視略平行四辺形状の筐体内を蛇行して配設された第三セグメントと、
前記第一セグメントと前記第二セグメントと第三セグメントのうちの2つを互いに接合させて前記配管同士を連結する第一連結部と、
を備えていて、前記第一セグメントと前記第二セグメントと第三セグメントをリング状に配設させたことを特徴とする地熱交換装置。
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