JP2016151253A - 広域型地熱発電システム - Google Patents
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Abstract
【目的】地下深部の高温地熱帯において地熱が豊富に存在している領域とそうでない領域とが略水平方向にバラツキを持って散在しているような場合でも、地熱が豊富に存在している領域を含む広大な領域から確実に地熱を取り込み、地下深部に散在する地熱を発電のために効率的に採集し利用することができる、広域型地熱発電システムを提供する。【構成】地下深部の高温地熱帯中を水平方向に少なくとも約50m以上の領域において、略水平方向に又は斜め方向に延びる熱交換部を含むケーシングパイプと、前記ケーシングパイプ内に挿入され、その内部に熱媒体となり得る流体を外部の周辺の地熱と熱交換可能に流通させる流通管と、前記流通管からの地熱エネルギーにより駆動される発電用タービンとを含むシステムである。【選択図】 図1
Description
本発明は、地下深部に散在する地熱をスポット的に採集するのではなく広域的に採集して発電に利用することができる広域型地熱発電システムに関する。
例えば特許文献1には、地中に掘削された1つの縦孔の中にU字状パイプを挿入、埋設し、このU字状パイプ内に水等の媒体を流通させることにより地熱を取り出し(採集し)利用する地熱発電設備が開示されている。
しかしながら、特許文献1が開示する地熱発電設備において使用されているU字状パイプは、せいぜい直径が数十cm〜数mの縦孔の中に挿入、埋設されるものとして想定されている。すなわち、特許文献1の発明中で使用されるU字状パイプは、その各上端部(各地表近傍部分)間の距離がせいぜい数十cm〜数mの短いもの(前記縦孔の中にその全体を挿入可能なサイズのU字状パイプ)に過ぎず、よって、前記U字状パイプの下方部分の地熱を取り入れる部分(熱交換部分)の水平方向の距離も、せいぜい数十cm〜数mに過ぎない。このように、特許文献1が開示する地熱発電設備では、前記U字状パイプの下方部分(熱交換部分)が地熱を取り込もうとする地中の対象領域は、水平方向の距離がせいぜい数十cm〜数mの狭小なスポット的領域だけに止まってしまっている。
一般に、地盤面から約100m以上の地下深部の高温地熱帯においても、広域的に見ると、地熱が豊富に存在している領域とそうでない領域とが略水平方向に見てバラツキを持って散在しており、しかも、地下深部にある地熱が豊富に存在している領域を地上で推測することは容易ではない。よって、或るスポット領域が地熱が豊富に存在している領域である可能性が高いと推測して、そのスポット領域を目指して地上から縦孔を掘削してみても、実際にはそのスポット領域は地熱が豊富に存在している領域ではなかったということも、決して少なくない。
このように、従来は、地熱を取り込むためのパイプ(上記の特許文献1のU字状パイプなど)を前記縦孔の中に挿入して、前記縦孔内に挿入したパイプの下方部分に、その周辺の地中のスポット領域に存在する地熱を取り込むしかなかったので、せっかく縦孔を掘削してパイプを挿入してみても、その縦孔の底部(パイプの下方部分)の周辺が地熱が豊富に存在している領域ではなかったために、上記の縦孔の掘削等が無駄になってしまったということも、少なく無かった。
本発明はこのような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、地下深部に散在する地熱をスポット的に採集するのではなく広域的に採集して発電に利用することができる広域型地熱発電システム、すなわち、地下深部(地盤面から例えば約100m以上の地下深部)の高温地熱帯において広域的に見て地熱が豊富に存在している領域とそうでない領域とが略水平方向にバラツキを持って散在しているような場合でも、地熱が豊富に存在している1つ又は複数の領域を含む広大な領域から地熱を確実に取り込んで、地下深部に散在する地熱を発電のために効率的に採集し利用することができる、広域型地熱発電システムを提供することを目的とする。
以上のような課題を解決するための本発明による広域型地熱発電システムは、地中に配置されるケーシングパイプであって、地盤面から地中に少なくとも約100m以上(図1のC2参照)の深さの領域において、且つ水平方向に少なくとも約50m以上(図1のD参照)の領域において、略水平方向に又は斜め方向に延びる熱交換部を含み、2つの各地表近傍部分が地上又は地中の地表近傍に配置されるケーシングパイプと、前記ケーシングパイプ内に挿通される1つ又は複数の流通管であって、その内部に、水(高圧水など)、蒸気、その他の熱媒体となり得る流体を、前記熱交換部又はその周辺において外部の地熱と熱交換可能に流通させる流通管と、前記流通管を流れる流体が有する熱エネルギーにより駆動される発電用タービンと、を含むものである。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプは、その2つの各地表近傍部分の間の距離を少なくとも約100m以上(図1のE参照)としてもよい。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプを、側面視で略U字状、略V字状、又は略円弧状に形成するようにしてもよい。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を、地上又は地中の地表近傍に配置される配管であって前記流体が流通可能な配管により接続するようにしてもよい。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプ内の内壁面と前記流通管との間の隙間に、熱伝導性の良い液体を充填するようにしてもよい。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプ内に、複数の前記流通管を、互いに所定の距離を介して挿入するようにしてもよい。
また、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプの複数本を、各ケーシングパイプの互いに隣り合う各側面が互いに略平行に所定の距離を介して順次対向するように、地中に配置するようにしてもよい。
さらに、本発明による広域型地熱発電システムにおいては、前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を繋ぐ配管であって地中の地表近傍に配置される配管の上方の地上に、農業ハウス又は自然公園を設けるようにしてもよい。
本発明においては、前記ケーシングパイプ中の熱交換部(パイプ底部の略水平部分及びそれに続く傾斜部分)を、地盤面から地中に少なくとも約100m以上の深さの領域・範囲内(図1のC2参照)で且つ水平方向に少なくとも約50m以上の領域・範囲内(図1のD参照)において、略水平方向に又は斜め方向に延びるように、形成している。よって、本発明によれば、地下深部に散在する地熱をスポット的に採集するのではなく広域的に採集して発電に利用することができる。すなわち、本発明によれば、地下深部(地盤面から例えば約100m以上の地下深部)の高温地熱帯において広域的に見て地熱が豊富に存在している領域とそうでない領域とが略水平方向にバラツキを持って散在しているような場合でも、前記ケーシングパイプ中の熱交換部を、それが地熱が豊富に存在している領域を含む広大な領域中において略水平方向に十分に長い距離存在するように、前記各範囲内に略水平方向又は斜め方向に延びるように配置したので、前記広大な領域(地熱が豊富に存在している領域が、1つ又は複数個はほぼ必ず存在しているであろう領域)から地熱を確実に前記流通管内の流体に取り込むことができ、地下の高温地熱帯に散在する地熱を発電のために効率的に採集して利用することができる。
また、本発明において、前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分の間の距離を少なくとも約100m以上(図1のE参照)としたときは、前記ケーシングパイプ中の熱交換部を、容易に、地盤面から地中に少なくとも約100m以上の深さの領域(図1のC2参照)中において、水平方向に十分な距離を有するように広域に渡って、略水平方向又は斜め方向に、配置することができる。
また、本発明において、前記ケーシングパイプを、側面視で略U字状、略V字状、又は略円弧状に形成したときは、前記ケーシングパイプ中の熱交換部を、容易に且つ効率的に、地盤面から地中に少なくとも約100m以上の深さの領域・範囲(図1のC2参照)内において略水平方向に又は斜め方向に延びるように、配置することができる。
また、本発明において、前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を、地上又は地中の地表近傍に配置される配管であって前記流体が流通可能な配管により接続するようにしたときは、前記ケーシングパイプ内に挿入、配置された前記流通管内の流体の循環ポンプなどによる循環を、容易に且つ効率的に行うことができる。
また、本発明において、前記ケーシングパイプ内の内壁面と前記流通管との間の隙間に、熱伝導性の良い液体(熱伝導率の高い液体)を充填するようにしたときは、外部の地熱の前記流通管内の流体への熱伝導効率を高く保持することができると共に、前記ケーシングパイプ及び流通管の熱による劣化(空焚きによる劣化)を抑えて各パイプを長寿命化することができる。
また、本発明において、前記ケーシングパイプ内に、前記熱伝導性の良い液体を充填すると共に複数の前記流通管を互いに所定の距離を介して配置するようにしたときは、外部の地熱の前記流通管内の流体への熱伝導効率を高く保持することができると共に、前記ケーシングパイプ及び流通管の熱による劣化(空焚きによる劣化)を抑えて各パイプを長寿命化することができる。
また、本発明において、複数本の前記ケーシングパイプを、各ケーシングパイプの互いに隣り合う各側面が互いに略平行に所定の距離を介して順次対向するように地中に配置するときは、前記複数本のケーシングパイプ中の各熱交換部により、前記地下の高温地熱帯中の、前記複数本のケーシングパイプでカバーされる広大な領域(地熱が豊富に存在している領域が、1つ又は複数個はほぼ必ず存在しているであろう領域)から、確実に地熱を取り込めるようになり、その結果、地下に散在する地熱を発電のために効率的に採集し利用できるようになる。
さらに、本発明において、前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を繋ぐ配管であって地中の地表近傍に配置される配管の上方の地上に、農業ハウス又は自然公園を設けるようにしたときは、前記前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を繋ぐ配管から放出される地熱エネルギー(そのままでは有効に活用されない地熱エネルギー)を、農業ハウス内の空調などに有効活用したり、自然公園内に発電設備を備えないようにしながら自然公園の地下の地熱を利用して発電することなどができるようになる。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る広域的地熱発電システムを示す概略図、図2は図1中に示すケーシングパイプの部分拡大側断面図、図3(a)は図1中に示すケーシングパイプの平断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る広域的地熱発電システムを示す概略図、図2は図1中に示すケーシングパイプの部分拡大側断面図、図3(a)は図1中に示すケーシングパイプの平断面図である。
図1において、Aは地中の地盤面から例えば約100mまでの深さ(図1のC1参照)にある低温地熱帯(低温地熱層)、Bは地中の地盤面から例えば約100m以上の深さにある高温地熱帯(高温地熱層。地下深部のマグマによって例えば約100℃以上に加熱された状態にある岩層又は地層であって高温の地熱が散在している層)である。
また、図1において、1は地中に側面視で全体として略U字状となるように埋設された耐熱鋼製のケーシングパイプ(内径は例えば100〜600mm)、1aは前記略U字状のケーシングパイプ1中の底部である略水平部分、1bは前記略U字状のケーシングパイプ1中の前記略水平部分1aと連続する傾斜部分である。前記ケーシングパイプ1は、例えば、従来より公知の弧状推進工法(HDD工法。1970年代に米国で開発された工法であって、ケーブル、パイプラインなどを海底、山岳、河川、構造物等の下側を地中で横断するように敷設するために、例えば掘削用のドリルパイプを使用して掘削した後に溶接接続されたパイプを前記掘削された孔内に引き込む等の方法により、地表から3次元曲線を描くように掘削、配管を行う工法)などの水平掘削の手法により、地中深くの広域の領域に渡って略U字状となるように埋設される。
前記略U字状のケーシングパイプ1中の底部となる略水平部分1a及びそれと連続する傾斜部分1bは、前記高温地熱帯B中の所定の深さ範囲に配置されるように、すなわち例えば地中の地盤面から少なくとも約100m以上(例えば、少なくとも約100m以上で、且つ約1,000m,2,000m,又は3,000m以下)の深さの領域(図1のC2参照)に位置するように、配置されている。このように、前記ケーシングパイプ1中の前記略水平部分1a及び傾斜部分1b(前記高温地熱帯B中を略水平方向又は斜め方向に延びる部分1a,1b)により、前記高温地熱帯B中から地熱を有効に取り込む熱交換部2が構成されている。
また、本実施形態1では、前記ケーシングパイプ1中の熱交換部2(前記の略水平部分1a及び傾斜部分1bであって、図1においてケーシングパイプ1中の斜線のある部分)は、前記高温地熱帯B中を、水平方向で、少なくとも約50m以上(例えば、少なくとも約50m以上で、且つ約1,000m,2,000m,又は3,000m以下)(図1のD参照)延びるように、配置されている。よって、前記熱交換部2は、前記高温地熱帯B中の水平方向で前記少なくとも約50m以上(図1のD参照)の領域に散在する高温の地熱を、仮に前記範囲内の一部に高温の地熱がない領域があったとしても前記範囲内の他の部分(高温の地熱がある領域)から、有効に取り込むことができる。
また図1において、1c,1dは前記略U字状のケーシングパイプ1の地表近傍部分(地上に露出している地表近傍部分、又は地中に在る地表近傍部分)である。本実施形態1では、前記略U字状のケーシングパイプ1の各地表近傍部分である1cと1dとの間は、少なくとも約100m以上(例えば、少なくとも約100m以上で、且つ約1,000m,2,000m,又は3,000m以下)(図1のE参照)、離されている。
図2及び図3(a)に示すように、前記ケーシングパイプ1内には、複数本の、例えば計7本(中央に配置された1本とその外周側に均等間隔で配置された6本との計7本)の流通管3(内径は例えば20〜100mm。例えばジャバラ状のフレキシブル・パイプなどを使用してもよい)が挿入、配置されている。図示のように、前記各流通管3は、前記ケーシングパイプ1の内壁面と所定の間隔を介して配置され、且つ各流通管3同士も互いに所定の間隔を介して配置されている。
また、前記各流通管3と前記ケーシングパイプ1の内壁面との間の隙間4、及び前記各流通管3同士の間の隙間4には、熱伝導性の良い液体、例えば水などの沸点の高い液体が封入されている。
また図1において、5は前記ケーシングパイプ1内の各流通管3に水などの流体を圧送する循環ポンプ(図示省略)を備えるポンプ室、6は前記ケーシングパイプ1の各地表近傍部分1c,1dを前記循環ポンプ及び後述の発電用タービンなどを介して接続するように地中(地表近傍の領域)に配置された接続配管、7は公知の発電設備であって前記各流通管3内の流体から供給される地熱エネルギーにより駆動される発電用タービンとこれに連結された発電機などを備えた発電設備(前記7本の各流通管3毎にそれぞれ対応する各発電用タービン及び発電機を備えた発電設備)である。
次に本実施形態1の動作を説明する。前記ケーシングパイプ1中に配置された各流通管3内の流体は、前記熱交換部2(略水平部分1a及び傾斜部分1b)を介して、前記高温地熱帯B内の地熱により加熱される。この地熱により加熱された前記各流通管3内の流体は、前記地表近傍部分1dを経て前記発電設備7内に備えられた気水分離器(図示省略)に送られ、そこで温水と蒸気に分離され、分離された蒸気がタービン(発電機と連結されたタービン)に供給されて発電が行われる。前記分離された温水や前記タービンを通過した後の蒸気が冷却されて成る温水(例えば約30〜80℃)は、前記ポンプ室5内の循環ポンプ(図示省略)により、前記地表近傍部分1cを介して前記ケーシングパイプ1中の熱交換部2(略水平部分1a及び傾斜部分1b)に向けて圧送される。
以上のように、本実施形態1においては、前記ケーシングパイプ1中の下方の略水平部分1a及び斜め部分1bから成る熱交換部2を、前記高温地熱帯B中を広域的に、すなわち水平方向に少なくとも約50m以上(例えば、少なくとも約50m以上で、且つ約1,000m,2,000m,又は3,000m以下の範囲内)(図1のD参照)で延びるように、配置するようにした。よって、本実施形態1では、前記ケーシングパイプ1中の熱交換部2を、前記高温地熱帯B(地下深部のマグマによって加熱された状態にある岩層又は地層の領域であって高温の地熱が散在している領域)中において、水平方向に十分に長い距離(水平方向に、少なくとも約50m以上。図1のD参照)、配置させることができる。よって、本実施形態1によれば、前記高温地熱帯B中において地熱が豊富に存在している領域とそうでない領域とが水平方向にバラツキを持って散在している場合でも、前記熱交換部2により、前記高温地熱帯B中の広大な領域(地熱が豊富に存在している領域が、1つ又は複数個はほぼ必ず存在しているであろう領域)から確実に地熱を取り込めるようになり、地下に散在する地熱を発電のために効率的に採集し利用できるようになる。
また、本実施形態1においては、前記ケーシングパイプ1を側面視で全体として略U字状に形成すると共に、前記ケーシングパイプ1の2つの各地表近傍部分1c,1dの間の距離を少なくとも約100m以上(例えば、少なくとも約100m以上で、且つ約1,000m,2,000m,又は3,000m以下の範囲内)(図1のE参照)としたので、前記高温地熱帯Bにおいて、前記ケーシングパイプ1中の熱交換部2を、容易に、水平方向に十分に長い距離、広域的に、配置させることができる。
また、本実施形態1においては、前記ケーシングパイプ1の2つの各地表近傍部分1c,1dを、前記接続配管6により接続するようにしたので、前記ケーシングパイプ1内に挿入、配置された前記流通管内の流体の循環を、(前記循環ポンプなどを使用して)容易に且つ効率的に行うことができる。
また、本実施形態1においては、前記ケーシングパイプ1内において前記各流通管3を互いに所定の距離を介して挿入、配置すると共に、前記ケーシングパイプ1内の内壁面と前記各流通管3との間の隙間4及び各流通管3同士の隙間4に熱伝導性の良い液体、例えば水などを充填するようにしたので、前記ケーシングパイプ1の外部の地熱を前記流通管3内の流体へ伝導する効率を高く保持することができると共に、前記ケーシングパイプ1及び流通管3の熱による劣化(空焚きによる劣化)を抑えて各パイプ寿命を延ばすことができる。
なお、図3(b)及び(c)は本実施形態1中のケーシングパイプ1の変形例を示すものである。図3(b)に示す変形例では、図3(a)の例における断面が円形の流通管3に代えて、断面が正六角形の流通管3aが使用されている。また図3(c)に示す変形例では、図3(a)の例における断面が円形の流通管3に代えて、断面が正方形の流通管3bが使用されている。図3(b)及び(c)に示すような各変形例によっても、本実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
〔第2の実施形態〕
次に図4は本発明の実施形態2を示す概略図である。本実施形態2では、図4に示すように、前記実施形態1で説明した地中に埋設される略U字状のケーシングパイプ1が、複数本、例えば5本、互いに隣り合う各側面(略U字状に見える側面)が互いに略平行に対向するように、地中に配置、埋設されている。前記計5本の各ケーシングパイプ1は、互いに例えば約10〜100mの距離を介して(計5本のケーシングパイプ1中の両端側のケーシングパイプ1間の距離が全体で例えば約40〜400mとなるように)配置されている。
次に図4は本発明の実施形態2を示す概略図である。本実施形態2では、図4に示すように、前記実施形態1で説明した地中に埋設される略U字状のケーシングパイプ1が、複数本、例えば5本、互いに隣り合う各側面(略U字状に見える側面)が互いに略平行に対向するように、地中に配置、埋設されている。前記計5本の各ケーシングパイプ1は、互いに例えば約10〜100mの距離を介して(計5本のケーシングパイプ1中の両端側のケーシングパイプ1間の距離が全体で例えば約40〜400mとなるように)配置されている。
このように本実施形態2によれば、複数本、例えば計5本のケーシングパイプ1を、互いに所定の距離、隣り合う各側面が互いに略平行に例えば約100mの距離を介して対向するように地中に配置、埋設するようにしたので、前記計5本のケーシングパイプ1中の各熱交換部2(図1参照)により、前記地下の高温地熱帯B中の、前記複数本、例えば計5本のケーシングパイプ1でカバーされる広大な領域(地熱が豊富に存在している領域が、1つ又は複数個はほぼ必ず存在しているであろう領域)から、確実に地熱を取り込めるようになり、その結果、地下に散在する地熱を発電のために効率的に採集し利用できるようになる。
〔第3の実施形態〕
次に図5は本発明の実施形態3を示す概略図である。本実施形態3では、図5に示すように、前記実施形態1で説明した地中に埋設される略U字状のケーシングパイプ1の各地表近傍部分1c,1dを結ぶ接続配管6の上方に、農業ハウス11を設置するようにした。前記接続配管6には、前記の発電設備7内の気水分離器で蒸気と分離された温水やタービンを通過した蒸気が冷却された温水などの温水(約30〜80℃)が流通する。よって、前記接続配管6の上方の土壌は前記温水により常に暖められるので、地熱エネルギーを活用して、野菜等を生育する土壌を加温したり、農業ハウス内の空気を加温することができる。
次に図5は本発明の実施形態3を示す概略図である。本実施形態3では、図5に示すように、前記実施形態1で説明した地中に埋設される略U字状のケーシングパイプ1の各地表近傍部分1c,1dを結ぶ接続配管6の上方に、農業ハウス11を設置するようにした。前記接続配管6には、前記の発電設備7内の気水分離器で蒸気と分離された温水やタービンを通過した蒸気が冷却された温水などの温水(約30〜80℃)が流通する。よって、前記接続配管6の上方の土壌は前記温水により常に暖められるので、地熱エネルギーを活用して、野菜等を生育する土壌を加温したり、農業ハウス内の空気を加温することができる。
以上、本発明による各実施形態1〜3を説明したが、本発明では前記各実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、前記各実施形態1〜3においては、前記ケーシングパイプ1を地中で略U字状に湾曲する形状としたが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば図6(a)及び(b)に示すように、前記ケーシングパイプ1を地中で略V字状に湾曲する形状(図6(a)の1’参照)としてもよいし、又は地中で略円弧状に湾曲する形状(図6(b)の1’’参照)としてもよい。
また、前記実施形態3では、前記接続配管6の上方に農業ハウス11(図5参照)を設置した例を説明したが、本発明では、前記農業ハウス11に代えて前記接続配管6の上方に温泉等を含む自然公園を設置するようにしてもよい。すなわち、従来より自然公園法及び各地方自治体の自然公園条例により温泉地帯などの自然公園では地熱発電用の生産井などの構造物を設置することは困難であった(温泉地帯の自然公園と地熱発電設備とを並存させることは困難であった)が、本発明を利用すれば、自然公園の下側を横断するように地中にケーシングパイプを埋設することができる(循環ポンプや発電用タービンなどの設備は自然公園の外部に設置すればよい)ので、温泉地帯の自然公園と地熱発電設備とを容易に並存させることができる。
1 ケーシングパイプ
1a 略水平部分
1b 傾斜部分
1c,1d 地表近傍部分
2 熱交換部
3 流通管
4 隙間
5 ポンプ室
6 接続配管
7 発電設備
11 農業ハウス
1a 略水平部分
1b 傾斜部分
1c,1d 地表近傍部分
2 熱交換部
3 流通管
4 隙間
5 ポンプ室
6 接続配管
7 発電設備
11 農業ハウス
Claims (8)
- 地中に配置されるケーシングパイプであって、地盤面から地中に少なくとも約100m以上の深さ領域において、且つ水平方向に少なくとも約50m以上の領域において、略水平方向に又は斜め方向に延びる熱交換部を含み、2つの各地表近傍部分が地上又は地中の地表近傍に配置されるケーシングパイプと、
前記ケーシングパイプ内に挿通される1つ又は複数の流通管であって、その内部に、水、蒸気、その他の熱媒体となり得る流体を、前記熱交換部又はその周辺において外部の地熱と熱交換可能に流通させる流通管と、
前記流通管を流れる流体が有する熱エネルギーにより駆動される発電用タービンと、
を含む、広域型地熱発電システム。 - 前記ケーシングパイプは、その2つの各地表近傍部分の間の距離が少なくとも約100m以上である、請求項1に記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプは、側面視で略U字状、略V字状、又は略円弧状に形成されている、請求項1又は2に記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分は、地上又は地中の地表近傍に配置される配管であって前記流体が流通可能な配管により接続されている、請求項1から3までのいずれかに記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプは、その内壁面と前記流通管との間の隙間に、熱伝導性の良い液体が充填されている、請求項1から4までのいずれかに記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプ内には、複数の前記流通管が、互いに所定の距離を介して挿入されている、請求項1から5までのいずれかに記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプの複数本が、各ケーシングパイプの互いに隣り合う各側面が互いに略平行に所定の距離を介して順次対向するように、地中に配置されている、請求項1から6までのいずれかに記載の広域型地熱発電システム。
- 前記ケーシングパイプの2つの各地表近傍部分を接続する配管であって地中の地表近傍に配置される配管の上方には、農業ハウス又は自然公園が設けられている、請求項1から7までのいずれかに記載の広域型地熱発電システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018033991A1 (ja) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 協同テック株式会社 | 広域型地熱発電システム |
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2015
- 2015-02-19 JP JP2015030492A patent/JP2016151253A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018033991A1 (ja) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 協同テック株式会社 | 広域型地熱発電システム |
JPWO2018033991A1 (ja) * | 2016-08-18 | 2019-06-13 | 協同テック株式会社 | 広域型地熱発電システム |
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