JP2007016776A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンオイルの劣化を抑制する。
【解決手段】機関排気通路内に補助触媒10と主触媒12とを配置する。主触媒12の上流であってかつ補助触媒10下流の機関排気通路を連通路14を介してクランクケース内15に連結する。補助触媒10により浄化されてNOXおよびO2をほとんど含まない排気ガスを連通路14を介してクランクケース内15に送り込み、ブローバイガス等を置換する。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関に関する。
内燃機関のクランクケース内は、燃焼室からピストンとシリンダ間を通って漏洩したブローバイガスと、導入された外気とにより満たされており、従来よりクランクケース内のエンジンオイルはブローバイガス中に含まれているNOXや外気中に含まれているO2によって窒化劣化や酸化劣化することが知られている。
そこで、機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置すると共にこの触媒下流の機関排気通路を連通路を介して機関のクランクケース内に連結し、排気浄化用触媒により浄化された排気ガス、即ち、NOXやO2をあまり含まない排気ガスを連通路を介しクランクケース内に導入することによりエンジンオイルの劣化を抑制するようにした内燃機関が公知である(例えば特許文献1を参照)。
特開平9−79022号公報
しかしながら排気浄化用触媒下流における背圧は低く、従って排気浄化用触媒下流における背圧とクランクケース内の圧力との圧力差が小さなために排気通路内の排気ガスを良好にクランクケース内に送り込めないという問題がある。また、排気浄化用触媒下流とクランクケース内との距離がかなりあるために連通路の長さがかなり長くなり、従って排気通路内の排気ガスをクランクケース内に送り込むのが更に困難であるという問題もある。
上記問題点を解決するために本発明によれば、機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置すると共にこの触媒上流の機関排気通路を連通路を介して機関のクランクケース内に連結し、排気ガスを連通路を介してクランクケース内に導入するようにしている。
機関排気通路内の排気ガスをクランクケース内に良好に送り込むことができる。
図1を参照すると、1はシリンダブロック、2はシリンダ、3はピストン、4はシリンダヘッド、5は燃焼室、6は吸気弁、7は排気弁、8は排気マニホルド、9はクランクケースを夫々示す。図1に示されるように排気マニホルド8の出口は排気浄化用の補助触媒10に連結され、補助触媒10の出口は排気管11を介して排気浄化用の主触媒12に連結されている。
図1からわかるように補助触媒10の容積は主触媒12の容積に比べてかなり小さく、従って補助触媒10の流れ抵抗は主触媒12の流れ抵抗に比べてかなり小さい。従って主触媒12上流の排気管11内における背圧はかなり高く、これに対し主触媒12下流の排気管13内の圧力はかなり低下してほぼ大気圧となっている。
主触媒12は、理論空燃比のもとで排気ガス中の未燃HC,COおよびNOXを同時に浄化しうる三元触媒、空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOXを吸蔵し、空燃比がリッチになると吸蔵したNOXを放出し還元するNOX吸蔵還元触媒、排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタ、或いはNOX吸蔵還元触媒を担持したパティキュレートフィルタ等からなる。一方、補助触媒は、三元触媒、酸化触媒、NOX吸蔵還元触媒、或いは排気ガス中のNOXを吸着しうるNOX吸着触媒からなる。
図1に示されるように排気管11内、即ち主触媒12の上流であってかつ補助触媒10下流の機関排気通路は連通路14を介してクランクケース内15に連結され、この連通路14内には排気管11内からクランクケース内15に向けてのみ流通可能な逆止弁16が配置されている。上述したように排気管11内の背圧はかなり高く、従って排気管11内の排気ガスは連通路14を介してクランクケース内15に良好に導入される。このとき、クランクケース内15を満たしているブローバイガス等は図示しない通気路を介して機関吸気通路内に押し出される。
また、補助触媒10内に流入した排気ガスは補助触媒10内において排気ガス中のNOXが浄化され、或いは排気ガス中のO2が消費され、或いは排気ガス中のNOXが浄化されると共に排気ガス中のO2が消費され、その結果NOXやO2をほとんど含んでいない排気ガスが連通路14を介してクランクケース内15に送り込まれる。その結果、クランクケース内15のエンジンオイルが窒化劣化や酸化劣化するのを抑制することができる。
図2に別の実施例を示す。この実施例では触媒12上流の排気通路内に補助触媒が設けられておらず、触媒12上流の排気管11内とクランクケース内15とを連結する連通路14内に補助触媒17が配置されている。この補助触媒17は排気管11内を流れる排気ガス量に比べて少量の排気ガスを浄化すればよいので図1に示される補助触媒10に比べて小さな容積を有する。
この実施例においても排気管11内の背圧はかなり高く、従って排気管11内の排気ガスは連通路14を介してクランクケース内15に良好に導入される。また、この実施例でも補助触媒17は、三元触媒、酸化触媒、NOX吸蔵還元触媒、或いは排気ガス中のNOXを吸着しうるNOX吸着触媒からなる。従ってこの実施例でもNOXやO2をほとんど含んでいない排気ガスが連通路14を介してクランクケース内15に送り込まれるのでクランクケース内15のエンジンオイルが窒化劣化や酸化劣化するのを抑制することができる。
図3に更に別の実施例を示す。この実施例では排気マニホルド8内に排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ18が配置されており、排気管11内とクランクケース15内とを連通する連通路14内には逆止弁16と直列に流量制御弁18が配置されている。酸素濃度センサ18の出力信号はコンピュータを内蔵した電子制御ユニット19に接続され、流量制御弁18は電子制御ユニット19の出力信号により制御される。なお、図4に示されるように排気マニホルド8と排気管11間に補助触媒10を挿入することもできる。
さて、排気ガス中に含まれている酸素の濃度、即ちO2濃度は排気ガスの空燃比によって変化し、このO2濃度は図5に示されるように排気ガスの空燃比がリーンになるほど増大する。また、排気ガス中のNOX濃度もO2濃度と同様に排気ガスの空燃比がリーンになるほど増大する。従ってエンジンオイルの酸化劣化や窒化劣化を抑制するには排気ガス中のO2濃度やNOX濃度が高いときに、即ち排気ガスの空燃比がリーンのときに連通路14を介してクランクケース15内に導入される排気ガス量を低減することが好ましい。
そこでこの実施例では連通路14内に排ガス中の酸素濃度に応じて流量を制御する流量制御弁18を配置し、排気ガスの空燃比がリーンのときにはリッチのときに比べて流量制御弁18の流量を減少せしめるようにしている。
具体的に説明すると図6(A),(B)に示される例では酸素濃度センサ17として図6(A)に示されるように空燃比に応じた出力電流Iを発生するセンサが用いられ、この酸素濃度センサ17の出力電流Iに基づいて図6(B)に示されるように流量制御弁18の開度Sは空燃比がリッチになるほど増大せしめられ、空燃比がリーンになるほど減少せしめられる。この例では排気ガスの空燃比がリーンのときには連通路14を介してクランクケース15内に導入される排気ガス量が極度に抑制される。
一方、図7(A),(B)に示される例では酸素濃度センサ17として図7(A)に示されるように理論空燃比において出力電圧Vが急変するセンサが用いられ、この酸素濃度センサ17の出力電圧Vに基づいて図7(B)に示されるように流量制御弁18の開度Sは出力電圧Vが基準電圧Vrよりも高いとき、即ち空燃比がリッチのときには全開とされ、出力電圧Vが基準電圧Vrよりも低いとき、即ち空燃比がリーンのときには全閉とされる。この例では排気ガスの空燃比がリーンのときには連通路14からクランクケース15内への排気ガスの導入が停止される。
図8は図6(B)および図7(B)に示す流量制御弁18の開弁量Sを制御するための流量制御ルーチンを示している。図8を参照するとまず初めにステップ20において酸素濃度センサ17の出力信号に基づいて開弁量Sが算出され、次いでステップ21において流量制御弁18の開弁量がこの開弁量Sに制御される。
内燃機関の全体図である。 内燃機関の別の実施例を示す全体図である。 内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。 図3の変形例を示す図である。 2濃度を示す図である。 酸素濃度センサの出力電流Iと流量制御弁の開弁量Sを示す図である。 酸素濃度センサの出力電圧Vと流量制御弁の開弁量Sを示す図である。 流量制御を行うためのフローチャートである。
符号の説明
8 排気マニホルド
9 クランクケース
10,17 補助触媒
11,13 排気管
12 主触媒
14 連通路
15 クランクケース内
16 逆止弁
17 酸素濃度センサ
18 流量制御弁

Claims (5)

  1. 機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置すると共に該触媒上流の機関排気通路を連通路を介して機関のクランクケース内に連結し、排気ガスを連通路を介してクランクケース内に導入するようにした内燃機関。
  2. 上記排気浄化用触媒が主触媒を構成しており、該主触媒の上流に該主触媒よりも流れ抵抗の小さい排気浄化用補助触媒を配置し、該主触媒の上流であって該補助触媒下流の機関排気通路を上記連通路を介してクランクケース内に連結した請求項1に記載の内燃機関。
  3. 上記連通路内に排気ガス浄化用補助触媒を配置した請求項1に記載の内燃機関。
  4. 上記連通路内に排気ガス中の酸素濃度に応じて流量を制御する流量制御弁を配置した請求項1に記載の内燃機関。
  5. 排気ガスの空燃比がリーンのときにはリッチのときに比べて流量制御弁の流量が減少せしめられる請求項4に記載の内燃機関。
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