JP2007016595A - 主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造及び接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】橋脚Pは上部が下部橋脚P1から突出し、橋軸直角方向に対向配置されかつ橋軸方向に所定の間隔で設けられた主鉄筋を有し、主桁Gを構成する対向配置された鋼桁41の間には主鉄筋に対応してセル室45,46が設けられた多室セル横桁40が対向して接合され、多室セル横桁40のセル室45,46を主鉄筋の突出部にこれを覆うように嵌合し、下部橋脚P1と主桁Gとの間にコンクリートを打設すると共に、セル室45,46内にコンクリートを充填して主桁Gを橋脚Pに剛結合した。
【選択図】図16
Description
上記の鋼桁をI形断面の鋼桁又は鋼箱桁で構成した。
さらに主桁と橋脚とを付着接合するため、橋脚の施工誤差をある程度吸収することができる。
本発明は、上記のような主桁と橋脚との接合構造及び接合方法に関するもので、以下にその実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る主桁と橋脚との接合構造の正面模式図、図2は図1の平面図、図3は図1の側面図である。
図において、50は例えばI形断面の鋼材からなり、下部が橋脚頂部を除いて建設された橋脚Pの一部をなす鉄筋コンクリート(以下下部橋脚P1という)に埋没された主鉄骨で、橋軸直角方向に対向し、橋軸方向に所定の間隔で設けられている。なお、主鉄骨50に代えて、主鉄骨50に相当する主鉄筋を用いてもよい(以下、主鉄筋を含めて主鉄骨という)。
10は主鉄骨50に嵌合しうる内径の鋼管で、横桁上フランジ2aと横桁下フランジ2bの横フランジ3a,3bの内側に設けた貫通穴2cを貫通し、上端部は横桁上フランジ2aの上面とほぼ同一平面上に位置し、下部は横桁下フランジ2bから下方に突出して、横桁上フランジ2aと横桁下フランジ2bに溶接又は添接により接合されている。なお、鋼管10の間隔は、下部橋脚P1の橋軸方向に立設した主鉄骨50の間隔と等しくなっている。
この場合、鋼桁1には、あらかじめ工場等において、図4に示すように、横桁上フランジ2a、横桁下フランジ2b、横フランジ3a,3b及び鋼管10が剛接合されて組立てられており、トラック等により工事現場に輸送されるものとする。なお、輸送上の問題等によっては、鋼管10を接合しない状態で輸送し、工事現場において横桁上フランジ2a及び横桁下フランジ2bに鋼管10を剛接合してもよい。
次に、下部橋脚P1から突出した橋軸方向の一対の主鉄骨50に、鋼桁1に設けた鋼管10を嵌合する。このとき、下部橋脚P1の上面に鋼管10の下端部が当接することにより、鋼桁1が位置決めされて下部橋脚P1上に載っている状態になる。同様にして、この主鉄骨50と橋軸直角方向に対向して設けられた主鉄骨50に鋼管10を嵌合して鋼桁1を設置し、一対の鋼桁1を対向配置する。なお、必要に応じて、下部橋脚P1と鋼管10の下端部との間にスペーサ等を挿入し、対向する鋼桁1が同じ高さ位置になるように調整する。
以上により主桁Gが橋脚Pに剛結合される。なお、上記の施工手順は一例を示すもので、橋梁の規模、工事現場の状況等により適宜変更することができる。
また、図7に示すように、鋼桁1の下フランジ1cにより橋脚Pに過大な支圧応力が発生する部分に弾性体8を介在させたので、橋脚Pに作用する支圧応力を弾性体8により柔軟に受けることができ、弾性体8が完全に圧漬する前に支圧力を鋼管10の付着抵抗によって受けることができるので、限界値を越える支圧応力が橋脚面に作用するのを防止できる。さらに、主桁Gを橋脚Pに付着接合するため、橋脚Pの施工誤差をある程度吸収することができる。
図8は本発明の実施の形態2に係る主桁と橋脚の接合構造の模式的正面図、図9は図8の平面図で、本実施の形態は多数の鋼桁と橋脚との接合構造に関するものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略し又は簡単に行う。
外側鋼桁11は、図10に示すように、I形断面からなる鋼材のウエブ11aの内側面の上下方向の中央部よりやや上方には、長方形状の鋼板からなる一対の横桁上フランジ12aがウエブ11aと直交し、かつ橋軸方向に所定の間隔を隔てて溶接により接合されており、また、鋼桁11の下フランジ11cには、横桁上フランジ12aと対向してこれとほぼ同じ形状、同じ材料からなる横桁下フランジ12bが溶接により接合されている。
8は鋼桁11,11Aの下部フランジ11cの下面の支圧応力卓越部に設けられた弾性体である。
この横桁連結板14a,14bには、図11に示すように、同一鉛直線上に貫通穴14cが設けられており、この貫通穴14cを主鉄骨50に嵌合しうる内径の鋼管10に嵌合し、上部の横桁連結板14aを鋼管10の上端部に溶接接合すると共に、下部の横桁連結板14bを横桁下フランジ12bと対応した位置において、鋼管10に溶接接合したものである。
Spは各隣接する鋼桁11と11A、11Aと11Aのウエブ1a、横桁上フランジ12a、横桁下フランジ12b、横桁連結板14a,14b、及び横フランジ13a,13b、横桁連結板15a,15bで囲まれた空間領域である。
51は下部橋脚P1と主桁Gの下面との間に打設されたコンクリートで、下部橋脚P1と一体化されて橋脚Pが構築される。52は鋼管10内に充填されたコンクリート、53は空間領域Spに打設されたコンクリートである。
この場合、外側鋼桁11及び内側鋼桁11Aには、あらかじめ工場等において、図10に示すように横桁上フランジ12a、横桁下フランジ12b及び横フランジ13a,13bが接合されて組立てられており、また、鋼管10には図11に示すように横桁フランジ14a,14b及び横フランジ連結板15が接合されているものとする。
次に、下部橋脚P1から突出した橋軸方向の一対の主鉄骨50に、横桁連結板14a,14b及び横フランジ連結板15が設けられた鋼管10を嵌合する。このとき、下部橋脚P1の上面に鋼管10の下端部が当接することにより、位置決めされる。なお、必要に応じて下部橋脚P1と鋼管10の下端部との間にスペーサ等を挿入し、各鋼管10の上端部、したがって上部の横桁連結板14a,14bの上面が同一平面になるように調整する。
以上により、主桁Gが橋脚Pに剛結合される。なお、上記の施工手順は一例を示すもので、橋梁の規模、工事現場の状況等により適宜変更することができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
図12は本発明の実施の形態3に係る主桁と橋脚との接合構造の模式的正面図、図13はその平面図である。本実施の形態は、鋼桁として鋼箱桁を使用し、この鋼箱桁と橋脚とを剛結合したものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略し又は簡単に行う。
そして、鋼管10がこの貫通穴25b,25aに貫挿され、上端部は中鋼板25に、下部は下鋼板22bにそれぞれ溶接により剛接合されている。
30は上下の横桁連結板28a、28bに設けられ、下部橋脚P1と主桁Gとの間にコンクリートを打設するための1個又は複数個のコンクリート打設穴、31は上鋼板22aの鋼管10と対向する位置に設けられ、鋼管10内にコンクリートを充填するためのコンクリート打設穴、32は上鋼板22aに設けられて鋼箱桁21内にコンクリートを投入するためのコンクリート打設穴、33は中鋼板25に設けられて内部にコンクリートを投入するためのコンクリート打設穴である。
先ず、図12に示すように、下部橋脚P1から突出した橋軸方向の一対(各3本で一対となる)の主鉄骨50に鋼箱桁21に設けた鋼管10を嵌合する。このとき、下部橋脚P1の上面に鋼管10の下端部が当接し、鋼箱桁21が位置決めされて下部橋脚P1上に載っている状態になる。同様にして、この主鉄骨50と橋軸直角方向に対向して設けられた主鉄骨50に鋼管10を嵌合して他方の鋼箱桁21を設置し、一対の鋼箱桁21を対向配置する。なお、必要に応じて下部橋脚P1と鋼管10の下端部との間にスペーサ等を挿入し、対向する鋼箱桁21の上鋼板22aの上面が同一平面上に位置するように調整する。
以上により、鋼箱桁21からなる主桁Gが橋脚Pに剛結合される。なお、上記の施工手順は一例を示すもので、橋梁の規模、工事現場の状況等により適宜変更することができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
図15は本発明の実施の形態4に係る主桁と橋脚の接合構造の模式的正面図、図16はその平面図である。本実施の形態は、鋼桁と多室セル構造の横桁とにより主桁を構成し、この主桁を橋脚に接合するようにしたものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略し又は簡単に行う。
本実施の形態によれば、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
鋼桁1は、高さ2.5m、ウエブ1aの板厚25mm、上下のフランジ1b,1cの幅0.65m、板厚50mmのH形断面の鋼材を用い、鋼桁1間の距離は5.5mであった。また、鋼桁1のウエブ1aに設けた横桁上フランジ2aの幅は0.5m、板厚25mmm、横桁下フランジ2bの幅は0.285m、板厚25mmで、両者の上下の間隔は2mであり、横フランジ3a,3bの板の板厚は19mmであった。
橋脚Pの断面は橋軸直角方向が7.5m、橋軸方向が3mで、主鉄骨50はH350×350×12×19(主鉄筋の場合は、D51)で、高さは30mであった。
上記のような寸法の各部材を溶接結合して鋼桁1を作成し、下部が下部橋脚P1に埋設された主鉄骨50に鋼管10を挿入し、それぞれコンクリート51〜53を打設して一対の鋼桁1等からなる主桁Gを橋脚Pに剛結合した結果、短時間でズムーズに施工することができた。
2a 横桁上フランジ
2b 横桁下フランジ
3a 横フランジ
4a 横桁連結板
5a 横フランジ連結板
7a,7b 添接板
8 弾性体
10 鋼管
11 外側鋼桁
11A 内側鋼桁
21 鋼箱桁
40a,40b 多室セル横桁
42a,42b 固定セル
45a〜45e、46a〜46e セル室
47a,47b 連結セル
50 主鉄骨(主鉄筋)
P1 下部橋脚
P 橋脚
G 主桁
Claims (8)
- 橋梁の主桁と鉄筋コンクリートからなる橋脚との接合構造であって、
前記橋脚は上部が下部橋脚から突出し、橋軸直角方向に対向配置されかつ橋軸方向に所定の間隔で設けられた主鉄筋を有し、
前記主桁を構成する対向配置された鋼桁の間には前記主鉄筋に対応してセル室が設けられた多室セル横桁が対向して接合され、
前記多室セル横桁のセル室を前記主鉄筋の突出部にこれを覆うように嵌合し、前記下部橋脚と主桁との間にコンクリートを打設すると共に、前記セル室内にコンクリートを充填して前記主桁を橋脚に剛結合したことを特徴とする主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造。 - 橋梁の主桁と鉄筋コンクリートからなる橋脚との接合構造であって、
前記橋脚は上部が下部橋脚から突出し、橋軸直角方向に対向配置されかつ橋軸方向に所定の間隔で設けられた主鉄筋を有し、
前記主桁を構成する対向配置された鋼桁には前記橋脚に設けた主鉄筋に対応して鋼管が一体に設けられ、
前記鋼管を前記主鉄筋の突出部にこれを覆うように嵌合し、前記下部橋脚と主桁との間にコンクリートを打設すると共に、前記鋼管内にコンクリートを充填して、前記主桁を橋脚に剛結合したことを特徴とする主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造。 - 前記鋼桁に一体に設けた鋼管に代えて、対向配置された鋼桁を連結する連結板に鋼管を設けたことを特徴とする請求項2記載の主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造。
- 前記鋼桁がI形断面の鋼桁又は鋼箱桁であることを特徴とする請求項2記載の主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造。
- 前記鋼桁の下フランジの支圧応力卓越部に弾性体を設置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合構造。
- 橋梁の主桁と鉄筋コンクリートからなる橋脚との接合方法であって、
下部が下部橋脚に埋設された主鉄筋の上方に鋼桁を対向配置する工程と、
該対向配置された鋼桁を、セル室を前記下部橋脚から突出した主鉄筋に嵌合した多室セル横桁で連結して主桁を構成する工程と、
前記下部橋脚と主桁との間にコンクリートを打設して両者を一体化する工程と、
前記セル室にコンクリートを充填する工程とを含み、
前記主桁を橋脚に剛結合することを特徴とする主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合方法。 - 橋梁の主桁と鉄筋コンクリートからなる橋脚との接合方法であって、
下部が下部橋脚に埋設された主鉄筋の上部に、鋼桁又は鋼箱桁に前記主鉄筋に対応して設けられた鋼管を嵌合して前記鋼桁又は鋼箱桁を対向配置し、連結板で連結して主桁を構成する工程と、
前記下部橋脚と主桁との間にコンクリートを打設して両者を一体化する工程と、
前記鋼管内にコンクリートを充填する工程とを含み、
前記主桁を橋脚に剛結合することを特徴とする主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合方法。 - 橋梁の主桁と鉄筋コンクリートからなる橋脚との接合方法であって、
下部が下部橋脚に埋設された主鉄筋の上部に、連結板が設けられた鋼管を嵌合する工程と、
前記鋼管の両側に鋼桁を設置して該鋼桁と前記連結板とを接合して主桁を構成する工程と、
前記下部橋脚と主桁との間にコンクリートを打設して両者を一体化する工程と、
前記鋼管内にコンクリートを充填する工程とを含み、
前記主桁を橋脚に剛結合することを特徴とする主桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合方法。
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